JPH0696520B2 - カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 - Google Patents
カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤Info
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- JPH0696520B2 JPH0696520B2 JP6351588A JP6351588A JPH0696520B2 JP H0696520 B2 JPH0696520 B2 JP H0696520B2 JP 6351588 A JP6351588 A JP 6351588A JP 6351588 A JP6351588 A JP 6351588A JP H0696520 B2 JPH0696520 B2 JP H0696520B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カテコールアミン誘導体の医薬品への利用に
関する。さらには、脳内特定組成での神経成長因子(Ne
rve growth factor,以下、NGFと略す)の産生・分泌誘
発作用を有するカテコールアミン誘導体を有効成分とし
て含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および
治療剤に関する。
関する。さらには、脳内特定組成での神経成長因子(Ne
rve growth factor,以下、NGFと略す)の産生・分泌誘
発作用を有するカテコールアミン誘導体を有効成分とし
て含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および
治療剤に関する。
世界的に平均寿命の延長に伴い、各種老人病の早期診
断、原因療法の確立のための研究は急速に進展してい
る。中枢性の神経退行性疾患もその主要な研究対象であ
る。特に、その典型疾患であるアルツハイマー型老年性
痴呆症(Senile Dementia of Alzheimer Type,以下SDAT
と略す)は先進諸国を中心に増加の傾向が著しいこと、
進行性の悲惨な経過を辿ることから大きな社会問題とな
りつつある。とりわけ、近年、本病態に関し多くの研究
者、臨床家が挑戦しているにもかかわらず、根本的な病
因解明はもとより、実効的な早期診断法および治療法は
未だ確立していない。
断、原因療法の確立のための研究は急速に進展してい
る。中枢性の神経退行性疾患もその主要な研究対象であ
る。特に、その典型疾患であるアルツハイマー型老年性
痴呆症(Senile Dementia of Alzheimer Type,以下SDAT
と略す)は先進諸国を中心に増加の傾向が著しいこと、
進行性の悲惨な経過を辿ることから大きな社会問題とな
りつつある。とりわけ、近年、本病態に関し多くの研究
者、臨床家が挑戦しているにもかかわらず、根本的な病
因解明はもとより、実効的な早期診断法および治療法は
未だ確立していない。
しかしながら、SDATの特徴的早期症状である記銘力の低
下や失見当識の直接原因が、大脳基底部から記憶・学習
中枢である大脳皮質や海馬へ投射する大細胞性コリン作
動性神経束の進行性の変性と、それによる該支配領域の
機能不全であることを示す病理学的所見は多数蓄積され
ている。また実際、脳内コリン作動系の賦活療法とし
て、アセチルコリン生合成前駆体ないしコリンエスステ
ラーゼ阻害剤がSDAT患者に投与され、若干の症状改善例
も報告されているが、全般的には、期待されたほどの効
果は認められていない。
下や失見当識の直接原因が、大脳基底部から記憶・学習
中枢である大脳皮質や海馬へ投射する大細胞性コリン作
動性神経束の進行性の変性と、それによる該支配領域の
機能不全であることを示す病理学的所見は多数蓄積され
ている。また実際、脳内コリン作動系の賦活療法とし
て、アセチルコリン生合成前駆体ないしコリンエスステ
ラーゼ阻害剤がSDAT患者に投与され、若干の症状改善例
も報告されているが、全般的には、期待されたほどの効
果は認められていない。
神経成長因子(Nerve Growth Factor,NGFと略する)
は、R.Levi-MonterlciniやS.Cohen等によって発見され
て以来、数多くの研究の対象となり、すでに末梢神経系
とくに胎生期の知覚および交感神経細胞の分化と成長、
さらに成熟期の交感神経細胞の生存と機能保持に必須の
因子であることが生理化学的実験によって証明されてい
る。
は、R.Levi-MonterlciniやS.Cohen等によって発見され
て以来、数多くの研究の対象となり、すでに末梢神経系
とくに胎生期の知覚および交感神経細胞の分化と成長、
さらに成熟期の交感神経細胞の生存と機能保持に必須の
因子であることが生理化学的実験によって証明されてい
る。
しかしながら、NGFは超微量生理活性物質であり、長年
の研究にもかかわらず、生体内での作用を直接裏付ける
組織内分布と動態についての正確な成績は得られなかっ
た。ごく最近、NGFの活性サブユニット(β−NGF、以下
単にNGFと言う)に対する高感度酵素抗体測定法(Enzym
e-Linked Immunosorbent Assay,以下ELISA)の開発、改
良が進み、上記の検討に耐えうる検出感度と特異性とが
確保されるにいたった。(S.Furukawaら:J.Neurochem.4
0,734-744,1983およびS.KorshingとH.Thoenen:Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA80,3513-3516,1983)。
の研究にもかかわらず、生体内での作用を直接裏付ける
組織内分布と動態についての正確な成績は得られなかっ
た。ごく最近、NGFの活性サブユニット(β−NGF、以下
単にNGFと言う)に対する高感度酵素抗体測定法(Enzym
e-Linked Immunosorbent Assay,以下ELISA)の開発、改
良が進み、上記の検討に耐えうる検出感度と特異性とが
確保されるにいたった。(S.Furukawaら:J.Neurochem.4
0,734-744,1983およびS.KorshingとH.Thoenen:Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA80,3513-3516,1983)。
また、NGFの遺伝子がクローニングされ、構造解析され
て、β−NGFの相補的DNA(cDNAと略す)をプローブとし
て、そのメッセンジャーRNA(mRNAと略す)を定量する
方法も確立された(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.
Natl.Acad.Sci.USA81,7951-7955,1984およびR.Heumann
ら:EMBO J.3,3183-3189,1984)。
て、β−NGFの相補的DNA(cDNAと略す)をプローブとし
て、そのメッセンジャーRNA(mRNAと略す)を定量する
方法も確立された(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.
Natl.Acad.Sci.USA81,7951-7955,1984およびR.Heumann
ら:EMBO J.3,3183-3189,1984)。
これらの技法を用いて、まず、末梢神経系で交感神経支
配の度合いと支配組織におけるNGFの遺伝子発現との間
に相関が成り立つことが実証された。
配の度合いと支配組織におけるNGFの遺伝子発現との間
に相関が成り立つことが実証された。
さらに驚くべきことに、ラットの中枢、とりわけ海馬、
新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔野、ブローカ対角
帯、大細胞性基底核にもNGFが検出され、しかもそのmRN
A含量は海馬、新皮膚に高く、基底部の中隔野ではNGFの
検出されない脳の他の領域程度に低いことが判明した
(S.Korshingら:BMBO J.4,1389-1393,1985)。本成績
は、その後他の研究グループによっても次々に追試され
た(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA83,2714 2718,1986およびS.Whittemoreら:Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA83,817-821,1986)。
新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔野、ブローカ対角
帯、大細胞性基底核にもNGFが検出され、しかもそのmRN
A含量は海馬、新皮膚に高く、基底部の中隔野ではNGFの
検出されない脳の他の領域程度に低いことが判明した
(S.Korshingら:BMBO J.4,1389-1393,1985)。本成績
は、その後他の研究グループによっても次々に追試され
た(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA83,2714 2718,1986およびS.Whittemoreら:Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA83,817-821,1986)。
この事実はNGFが末梢神経系のみならず、中枢神経系に
おいても遺伝子発現されていること、しかも大脳基底部
の起始核から記憶・学習の中枢である新皮質、海馬へ投
射しているコリン作動性神経束の支配領域で生産・分泌
されて、神経終末よりとりこまれ、逆軸策輸送によって
起始核の細胞本体に到ることを示している。NGFが本コ
リン作動性神経の生存と、機能維持に必須の因子である
ことはすでに一連の生理学的実験により証明されてお
り、したがって、この成績によって中枢神経系でもNGF
が「神経栄養因子」の一つとして特異的に機能している
ことが証明されたことになる。その後、この成績はいく
つかの研究グループによっても追試され、また脳におけ
るNGFレセプターおよび分布に関する研究からも裏付け
られた。
おいても遺伝子発現されていること、しかも大脳基底部
の起始核から記憶・学習の中枢である新皮質、海馬へ投
射しているコリン作動性神経束の支配領域で生産・分泌
されて、神経終末よりとりこまれ、逆軸策輸送によって
起始核の細胞本体に到ることを示している。NGFが本コ
リン作動性神経の生存と、機能維持に必須の因子である
ことはすでに一連の生理学的実験により証明されてお
り、したがって、この成績によって中枢神経系でもNGF
が「神経栄養因子」の一つとして特異的に機能している
ことが証明されたことになる。その後、この成績はいく
つかの研究グループによっても追試され、また脳におけ
るNGFレセプターおよび分布に関する研究からも裏付け
られた。
本発明者らは、NGFの中枢神経系での神経栄養因子とし
ての機能を研究してゆく中で、SDATの早期症状である記
憶・学習障害の直接原因がコリン作動神経束の進行性の
変性とそれによっておこる支配領域の機能性不全にある
としても、該神経支配領域におけるNGFの産生・分泌不
全こそがより根本的な病因たり得るとの見地に立つに至
った。
ての機能を研究してゆく中で、SDATの早期症状である記
憶・学習障害の直接原因がコリン作動神経束の進行性の
変性とそれによっておこる支配領域の機能性不全にある
としても、該神経支配領域におけるNGFの産生・分泌不
全こそがより根本的な病因たり得るとの見地に立つに至
った。
すなわち、従来のSDATに対する対症療法、例えばアセチ
ルコリンの補充療法やavailabilityの向上療法では顕著
な改善は得られず、大脳皮質および海馬でのNGFの産生
・分泌を確保して、支配神経との間で成立している機能
上の悪循環を断つことが可能であれば、はかるに効果的
であると考えるものである。
ルコリンの補充療法やavailabilityの向上療法では顕著
な改善は得られず、大脳皮質および海馬でのNGFの産生
・分泌を確保して、支配神経との間で成立している機能
上の悪循環を断つことが可能であれば、はかるに効果的
であると考えるものである。
尚、既に遺伝子のクローニングによってヒト型のβ−NG
Fの大量調整への道は拓かれたとは言うものの、分子量1
0,000を越える蛋白質であるNGF自身の補充療法によって
は、薬理学および薬剤学上の制約が大きい。とくに中枢
神経系の適用に関しては現時点では開発の目途は立って
いない。
Fの大量調整への道は拓かれたとは言うものの、分子量1
0,000を越える蛋白質であるNGF自身の補充療法によって
は、薬理学および薬剤学上の制約が大きい。とくに中枢
神経系の適用に関しては現時点では開発の目途は立って
いない。
以上の様な観点から、NGFの実質的、かつ効果的補充療
法として、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発
する能力を有する低分子化合物の探索は重要な意味を持
つ。我々は既に本作用を有するカテコール誘導体につい
て報告した(池田:特願昭61-226135)。さらに古川等
の報告もある(Y.Furukawaら:J.Biol.Chem.,261,6039
(1986)およびFEBS Letters208 258(1986))。
法として、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発
する能力を有する低分子化合物の探索は重要な意味を持
つ。我々は既に本作用を有するカテコール誘導体につい
て報告した(池田:特願昭61-226135)。さらに古川等
の報告もある(Y.Furukawaら:J.Biol.Chem.,261,6039
(1986)およびFEBS Letters208 258(1986))。
すなわち、生体内神経伝達物質であるドーパミン(本発
明の一般式においてR1、R2、R3がともに 水素原子であり、かつ、nが2の整数である化合物)お
よびエピニン(本発明の一般式においてR1、R2が水素原
子、R3がメチル基であり、かつ、nが2の整数である)
にNGF産生・分泌誘発作用が存することが述べられてい
る。しかし、これら以外の本発明一般式に示したドーパ
ミン型カテコールアミン化合物については何ら言及され
ていない。
明の一般式においてR1、R2、R3がともに 水素原子であり、かつ、nが2の整数である化合物)お
よびエピニン(本発明の一般式においてR1、R2が水素原
子、R3がメチル基であり、かつ、nが2の整数である)
にNGF産生・分泌誘発作用が存することが述べられてい
る。しかし、これら以外の本発明一般式に示したドーパ
ミン型カテコールアミン化合物については何ら言及され
ていない。
一方、本発明の一般式に示したカテコールアミン誘導体
は、その化学的・生物学的興味から既に合成され、その
化学的性質および一部の生物学的性質は知られている。
しかし、本発明に係るNGF産生・分泌誘発作用は前記ド
ーパミン・エピニン以外は何らの報告はなく、よってこ
れら化合物が中枢性神経退行性疾患の進行防止および治
療に有効である事実は本発明者等にみいだされたもので
ある。
は、その化学的・生物学的興味から既に合成され、その
化学的性質および一部の生物学的性質は知られている。
しかし、本発明に係るNGF産生・分泌誘発作用は前記ド
ーパミン・エピニン以外は何らの報告はなく、よってこ
れら化合物が中枢性神経退行性疾患の進行防止および治
療に有効である事実は本発明者等にみいだされたもので
ある。
本発明の課題は、NGFの実質的、かつ効果的補充療法と
して、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発する
能力のある医薬品を提供することであり、一般式で示さ
れるカテコールアミン誘導体を医薬品として利用するこ
とである。
して、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発する
能力のある医薬品を提供することであり、一般式で示さ
れるカテコールアミン誘導体を医薬品として利用するこ
とである。
すなわち、特定神経に対して「神経栄養因子」として機
能しているNGFの該神経支配組織の産生・分泌促進活性
をもつ化合物それ自身ないし薬理学および薬剤学的配慮
に基づくその修飾化合物は、通常の投与方法によって神
経変性局部へのNGFの供給量を増大させ、該神経機能を
回復させることを可能にすると期待される。特に、いま
だに根本的治療法の確立されていない中枢性疾患である
SDATに対して、これらの化合物の利用は理想的である。
発症早期であれば、これらは末梢投与によって中枢神経
系の大脳皮質や海馬領域のNGFの産生・分泌能を高め
て、支配神経たるコリン作動性神経系の特徴的変性の進
行を防止し、損傷神経細胞の修復ないし残存神経細胞に
よる再支配を促して、能機能の可塑性に依拠した新しい
作用概念に基づく画期的な治療法を提供しうるものであ
る。
能しているNGFの該神経支配組織の産生・分泌促進活性
をもつ化合物それ自身ないし薬理学および薬剤学的配慮
に基づくその修飾化合物は、通常の投与方法によって神
経変性局部へのNGFの供給量を増大させ、該神経機能を
回復させることを可能にすると期待される。特に、いま
だに根本的治療法の確立されていない中枢性疾患である
SDATに対して、これらの化合物の利用は理想的である。
発症早期であれば、これらは末梢投与によって中枢神経
系の大脳皮質や海馬領域のNGFの産生・分泌能を高め
て、支配神経たるコリン作動性神経系の特徴的変性の進
行を防止し、損傷神経細胞の修復ないし残存神経細胞に
よる再支配を促して、能機能の可塑性に依拠した新しい
作用概念に基づく画期的な治療法を提供しうるものであ
る。
本発明は一般式 (式中、R1は水素原子またはアセチル基を、R2、R3は独
立してそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルカノイル基を、nは1、2または3の整数を示す。た
だしR1、R2、R3がともに水素原子であり、かつ、nが2つ
の整数である場合、およびR1、R2が水素原子、R3がメチ
ル基であり、かつ、nが2の整数である場合を除く)で
表されるカテコールアミン誘導体を有効成分として含有
する中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤であ
る。
立してそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルカノイル基を、nは1、2または3の整数を示す。た
だしR1、R2、R3がともに水素原子であり、かつ、nが2つ
の整数である場合、およびR1、R2が水素原子、R3がメチ
ル基であり、かつ、nが2の整数である場合を除く)で
表されるカテコールアミン誘導体を有効成分として含有
する中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤であ
る。
本発明の一般式で表されるカテコールアミン誘導体にお
いて、低級アルキル基とはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基またはイソブチル基等
を示し、低級アルカノイル基とはアセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基またはイソブチリル基等を示す。
いて、低級アルキル基とはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基またはイソブチル基等
を示し、低級アルカノイル基とはアセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基またはイソブチリル基等を示す。
具体的には、N−プロピオニル−3,4−ジヒドロキシフ
ェネチルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒドロキシフ
ェネチルアミン、N−アセチル−3,4−ジヒドロキベン
ジルアミン、N−プロピオニル−3,4−ジヒドロキシベ
ンジルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒドロキシベン
ジルアミン、N−アセチル−3,4−ジヒドロキフェニル
プロピルアミン、N−プロピオニル−3,4−ジヒドロキ
シフェニルプロピルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒ
ドロキシフェニルプロピルアミン、N−アセチル−N−
メチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N−プ
ロピオニル−N−メチル−3,4−ジヒドロキシフェネチ
ルアミン、N−ブチリル−N−メチル−3,4−ジヒドロ
キシフェネチルアミン、および、これらを無水酢酸と反
応させて得られる相当するジアセトキシ体、ならびにN
−プロピル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N
−ブチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N−
メチル−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−エチ
ル−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−プロピル
−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−ブチル−3,4
−ジヒドロキシベンジルアミン、N−エチル−3,4−ジ
ヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−エチル−3,4
−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−プロピル
−3,4−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−ブ
チル−3,4−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N,N
−ジメチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N
−メチル−N−エチル−3,4−ジヒドロキシフェネチル
アミン、N−メチル−N−プロピル−3,4−ジヒドロキ
シフェネチルアミン、N−メチル−N−ブチル−3,4−
ジヒドロキシフェネチルアミン等が挙げられる。
ェネチルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒドロキシフ
ェネチルアミン、N−アセチル−3,4−ジヒドロキベン
ジルアミン、N−プロピオニル−3,4−ジヒドロキシベ
ンジルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒドロキシベン
ジルアミン、N−アセチル−3,4−ジヒドロキフェニル
プロピルアミン、N−プロピオニル−3,4−ジヒドロキ
シフェニルプロピルアミン、N−ブチリル−3,4−ジヒ
ドロキシフェニルプロピルアミン、N−アセチル−N−
メチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N−プ
ロピオニル−N−メチル−3,4−ジヒドロキシフェネチ
ルアミン、N−ブチリル−N−メチル−3,4−ジヒドロ
キシフェネチルアミン、および、これらを無水酢酸と反
応させて得られる相当するジアセトキシ体、ならびにN
−プロピル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N
−ブチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N−
メチル−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−エチ
ル−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−プロピル
−3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、N−ブチル−3,4
−ジヒドロキシベンジルアミン、N−エチル−3,4−ジ
ヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−エチル−3,4
−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−プロピル
−3,4−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N−ブ
チル−3,4−ジヒドロキシフェニルプロピルアミン、N,N
−ジメチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン、N
−メチル−N−エチル−3,4−ジヒドロキシフェネチル
アミン、N−メチル−N−プロピル−3,4−ジヒドロキ
シフェネチルアミン、N−メチル−N−ブチル−3,4−
ジヒドロキシフェネチルアミン等が挙げられる。
これらの化合物は公知の方法により製造可能である。例
えば、一般式においてもR2、R3のいずれかが低級アルカ
ノイル基を有する化合物群は、入手の容易なR2、R3がい
ずれも水素原子である化合物(例えばドーパミン)また
はR2、R3のいずれかが低級アルキル基である化合物(例
えばエピニン)等と酸無水物または酸ハロゲン化物を塩
基存在下に存在させる方法で製造できる。この方法で使
用する酸無水物とは、無水酢酸、無水プロピオン酸、無
水ブタン酸等であり、酸ハロゲン化物とは、塩化アセチ
ル、塩化プロピオニル、塩化ブタノイル等である。また
塩基とはトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基また
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が使
用できる。
えば、一般式においてもR2、R3のいずれかが低級アルカ
ノイル基を有する化合物群は、入手の容易なR2、R3がい
ずれも水素原子である化合物(例えばドーパミン)また
はR2、R3のいずれかが低級アルキル基である化合物(例
えばエピニン)等と酸無水物または酸ハロゲン化物を塩
基存在下に存在させる方法で製造できる。この方法で使
用する酸無水物とは、無水酢酸、無水プロピオン酸、無
水ブタン酸等であり、酸ハロゲン化物とは、塩化アセチ
ル、塩化プロピオニル、塩化ブタノイル等である。また
塩基とはトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基また
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が使
用できる。
さらに、一般式においてR2、R3の一方、または両方が低
級アルキル基を有する化合物群は、例えば、上記の方法
で製造したR2、R3のいずれかが低級アルカノイル基を有
する化合物を、適当な還元剤と反応させることにより製
造できる。適当な還元剤としては、リチウムアルミニウ
ムハイドライド(LiAlH4)、ジボラン等が使用できる。
級アルキル基を有する化合物群は、例えば、上記の方法
で製造したR2、R3のいずれかが低級アルカノイル基を有
する化合物を、適当な還元剤と反応させることにより製
造できる。適当な還元剤としては、リチウムアルミニウ
ムハイドライド(LiAlH4)、ジボラン等が使用できる。
具体的な製造例を示すと次の通りである。
製造例1 a)N−アセチル−3,4−ジアセトキシフェネチルアミ
ン ドーパミン2.5gをピリジン10mlに溶解させ、トリエチル
アミン2.7gを添加する。さらに無水酢酸8gを加えた後、
反応液を1時間60〜70℃で加熱攪拌する。反応液を氷水
200mlに注ぎ、2.5規定の水酸化ナトリウム水溶液50mlを
加えた後クロロホルム100mlで抽出した。クロロホルム
層を2規定塩酸30mlで3回洗浄し、さらに無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒は減圧下留去し、残査をシリ
カゲルカラムクロマトによって精製した。クロロホル
ム:メタノール=50:1の混合溶媒で流出させ、3.5gの純
水なN−アセチル−3,4−ジアセトキシフェネチルアミ
ンを無水油状物として得た。
ン ドーパミン2.5gをピリジン10mlに溶解させ、トリエチル
アミン2.7gを添加する。さらに無水酢酸8gを加えた後、
反応液を1時間60〜70℃で加熱攪拌する。反応液を氷水
200mlに注ぎ、2.5規定の水酸化ナトリウム水溶液50mlを
加えた後クロロホルム100mlで抽出した。クロロホルム
層を2規定塩酸30mlで3回洗浄し、さらに無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒は減圧下留去し、残査をシリ
カゲルカラムクロマトによって精製した。クロロホル
ム:メタノール=50:1の混合溶媒で流出させ、3.5gの純
水なN−アセチル−3,4−ジアセトキシフェネチルアミ
ンを無水油状物として得た。
NMRδppm(CDCl3): 1.96(S,3H)、2.32(S,6H)、2.78(t,2H)、3.32〜3.
56(m,2H)、6.00(br,1H)、7,00〜7.16(m,3H) b)N−アセチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミ
ン 先に合成したN−アセチル−3,4−ジアセトキシフェネ
チルアミン1gをメタノール60mlに溶解させ、氷冷下、水
30mlおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを添加し
た後、室温で12時間攪拌した。氷冷下、3規定塩酸を滴
下し、反応液を弱酸性にした後、クロロホルム50mlで4
回抽出した。さらに水層を酢酸エチル40mlで3回抽出
し、両抽出液を乾燥後、減圧下留去する。残渣を合わせ
てシリカゲルカラムクロマトグラフで精製した。クロロ
ホルム:メタノール=20:1で流出させ、純粋なN−アセ
イル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン0.3gを得
た。
56(m,2H)、6.00(br,1H)、7,00〜7.16(m,3H) b)N−アセチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミ
ン 先に合成したN−アセチル−3,4−ジアセトキシフェネ
チルアミン1gをメタノール60mlに溶解させ、氷冷下、水
30mlおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを添加し
た後、室温で12時間攪拌した。氷冷下、3規定塩酸を滴
下し、反応液を弱酸性にした後、クロロホルム50mlで4
回抽出した。さらに水層を酢酸エチル40mlで3回抽出
し、両抽出液を乾燥後、減圧下留去する。残渣を合わせ
てシリカゲルカラムクロマトグラフで精製した。クロロ
ホルム:メタノール=20:1で流出させ、純粋なN−アセ
イル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン0.3gを得
た。
NMRδppm(DMSO−d6): 1.78(S,3H)、2.30〜2.60(m,2H)、2.90〜3.24(m,2
H)、6.30〜6.68(m,3H)、7.76(t,1H)、8.50(br,2
H) 製造例2 N−エチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン・臭
化水素酸塩 ホモベラトリルアミン5gをピリジン20mlに溶解し、無水
酢酸5.6gを添加した後、65〜70℃で2時間加熱攪拌す
る。氷水150mlに反応液を注ぎ、6規定塩酸50mlで弱酸
性にする。クロロホルム50mlで3回抽出し、抽出液は合
わせて重曹水で洗浄後、無水芒硝で乾燥する。減圧下、
溶媒を留去し、残渣にエーテルを加え、析出した結晶を
濾取して、mp.101〜102℃のN−アセチルホモベラトリ
ルアミン5.7gが無色結晶として得られた。
H)、6.30〜6.68(m,3H)、7.76(t,1H)、8.50(br,2
H) 製造例2 N−エチル−3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン・臭
化水素酸塩 ホモベラトリルアミン5gをピリジン20mlに溶解し、無水
酢酸5.6gを添加した後、65〜70℃で2時間加熱攪拌す
る。氷水150mlに反応液を注ぎ、6規定塩酸50mlで弱酸
性にする。クロロホルム50mlで3回抽出し、抽出液は合
わせて重曹水で洗浄後、無水芒硝で乾燥する。減圧下、
溶媒を留去し、残渣にエーテルを加え、析出した結晶を
濾取して、mp.101〜102℃のN−アセチルホモベラトリ
ルアミン5.7gが無色結晶として得られた。
リチウムアルミニウムハイドライド0.98gを乾燥テトラ
ヒドロフラン(THF)50mlに懸濁し、攪拌下、N−アセ
チルホモベラトリルアミン3gのTHF25ml溶液を滴下す
る。3時間加熱還流した後、反応液を氷冷する。激しく
攪拌下、水10mlとTHF10mlの混合溶媒を徐々に滴下す
る。不溶物を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣を酢酸エ
チル50mlに溶解させる。2回水洗した後、無水芒硝で乾
燥する。溶媒を減圧下留去すると油状物質としてN−エ
チルホモベラトリルアミンが2.3g得られた。
ヒドロフラン(THF)50mlに懸濁し、攪拌下、N−アセ
チルホモベラトリルアミン3gのTHF25ml溶液を滴下す
る。3時間加熱還流した後、反応液を氷冷する。激しく
攪拌下、水10mlとTHF10mlの混合溶媒を徐々に滴下す
る。不溶物を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣を酢酸エ
チル50mlに溶解させる。2回水洗した後、無水芒硝で乾
燥する。溶媒を減圧下留去すると油状物質としてN−エ
チルホモベラトリルアミンが2.3g得られた。
N−エチルホモベラトリルアミン1.0gを48%臭化水素酸
6mlおよび酢酸4mlの混合溶媒に溶解させ、5時間、120
〜130℃で加熱攪拌させる。溶媒を減圧下留去し、残渣
をエーテルより結晶化させ、粗結晶1.2gを得る。イソプ
ロピルアルコールより再結晶すると、mp.149〜151℃の
N−エチル−3,4−ジヒドロキフェネチルアミン・臭化
水素酸塩が0.68g得られた。
6mlおよび酢酸4mlの混合溶媒に溶解させ、5時間、120
〜130℃で加熱攪拌させる。溶媒を減圧下留去し、残渣
をエーテルより結晶化させ、粗結晶1.2gを得る。イソプ
ロピルアルコールより再結晶すると、mp.149〜151℃の
N−エチル−3,4−ジヒドロキフェネチルアミン・臭化
水素酸塩が0.68g得られた。
NMRδppm(DMSO−d6): 1.20(t,3H)、2.60〜3.20(m,6H)、6.40〜6.80(m,3
H)、8.50(m,4H) 次に本発明化合物の中枢性神経退行性疾患の進行防止お
よび治療剤としての有効性は、以下の試験によって確認
した。
H)、8.50(m,4H) 次に本発明化合物の中枢性神経退行性疾患の進行防止お
よび治療剤としての有効性は、以下の試験によって確認
した。
すなわち、古川等(Y.Furukawa et al:J.Biol.Chem,261
63039(1986)により報告されている、マウス線繊芽細
胞樹立株、L-M細胞(ATCC,CCL1,2)を用い、培地中に本
発明化合物を共存させることにより、産生・分泌される
NGF濃度を高感度ELISA法によって測定する方法を用い
た。
63039(1986)により報告されている、マウス線繊芽細
胞樹立株、L-M細胞(ATCC,CCL1,2)を用い、培地中に本
発明化合物を共存させることにより、産生・分泌される
NGF濃度を高感度ELISA法によって測定する方法を用い
た。
さらに、中枢組織での主要なNGF産生・分泌細胞と考え
られるアストログリア細胞を用いた系においても、その
NGF濃度を測定した。これらの試験により、本発明化合
物は非常に強いNGF産生・分泌促進能を有することが発
見され、よってカテコールアミン誘導体が中枢性神経退
行性疾患、とりわけSDATに対し有効な進行防止および治
療剤と成り得る可能性を確認した。
られるアストログリア細胞を用いた系においても、その
NGF濃度を測定した。これらの試験により、本発明化合
物は非常に強いNGF産生・分泌促進能を有することが発
見され、よってカテコールアミン誘導体が中枢性神経退
行性疾患、とりわけSDATに対し有効な進行防止および治
療剤と成り得る可能性を確認した。
また、本発明の化合物を中枢性神経退行性疾患の進行防
止および治療剤として使用する場合、その投与量、剤形
は化合物の物性、投与対象の症状等により当然異なる
が、経口的に投与する場合、成人1日当たり、50〜500m
gを1回または数回に分割し、錠剤、顆粒剤、散剤、懸
濁剤、カプセル剤等として、また非経口的に投与する場
合、1〜100mgを1回または数回に分割し、例えば注射
剤、座剤、輸液用等張液等として投与できる。
止および治療剤として使用する場合、その投与量、剤形
は化合物の物性、投与対象の症状等により当然異なる
が、経口的に投与する場合、成人1日当たり、50〜500m
gを1回または数回に分割し、錠剤、顆粒剤、散剤、懸
濁剤、カプセル剤等として、また非経口的に投与する場
合、1〜100mgを1回または数回に分割し、例えば注射
剤、座剤、輸液用等張液等として投与できる。
例えば錠剤とする場合、吸着剤としては結晶性セルロー
ス、軽質無水ケイ酸等を用い、賦形剤としてはトウモロ
コシデンプン、乳糖、燐酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム等が用いられる。また注射剤とする場合、化
合物の水溶液または綿実油、トウモロコシ油、ラッカセ
イ油、オリーブ油等を用いた懸濁性水溶液、さらにはHC
O-60等の界面活性化剤等を用いた乳剤液として使用され
る。
ス、軽質無水ケイ酸等を用い、賦形剤としてはトウモロ
コシデンプン、乳糖、燐酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム等が用いられる。また注射剤とする場合、化
合物の水溶液または綿実油、トウモロコシ油、ラッカセ
イ油、オリーブ油等を用いた懸濁性水溶液、さらにはHC
O-60等の界面活性化剤等を用いた乳剤液として使用され
る。
以下、本発明を生物試験した実施例により示す。ただ
し、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
し、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1 〈マウスL.M細胞に対するNGF産生・分泌促進作用〉 古川らの方法(Y.Furukawaら:J.Biol.Chem.261,6039-60
47,1986)に従った。
47,1986)に従った。
すなわち、0.5%ペプトン添加199培地(Gibco社製)に
てL-M細胞を前培養し、24孔培養プレート(Falcon社
製、培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/
培養孔の細胞をまき、3日間37℃にて培養して完全コン
フルエント(約106細胞/培養孔)とする。培地を0.5%
牛血清アルブミン(第五画分、Armour社製)添加199培
地(0.5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培地中
に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培地中のNGF
濃度を高感度ELISA法(S.Furukawaら:J.Neurochem.40,7
34-744,1983)によって測定する。
てL-M細胞を前培養し、24孔培養プレート(Falcon社
製、培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/
培養孔の細胞をまき、3日間37℃にて培養して完全コン
フルエント(約106細胞/培養孔)とする。培地を0.5%
牛血清アルブミン(第五画分、Armour社製)添加199培
地(0.5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培地中
に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培地中のNGF
濃度を高感度ELISA法(S.Furukawaら:J.Neurochem.40,7
34-744,1983)によって測定する。
結果は被検化合物を含まない培地にて培養した対象の培
養培地中の濃度に対する倍率として求めた。本−ELISA
法の検出限界は0.25pg/mlであり、対照のNGF濃度は、通
常50-200pg/0.5ml/培養孔である。値は同一細胞標品を
用いた4回の試行の平均値として示してある。
養培地中の濃度に対する倍率として求めた。本−ELISA
法の検出限界は0.25pg/mlであり、対照のNGF濃度は、通
常50-200pg/0.5ml/培養孔である。値は同一細胞標品を
用いた4回の試行の平均値として示してある。
結果を表1に示す。
実施例2 〈マウス脳アストログリア細胞に対するNGF産生・分泌
促進作用〉 アストログリア細胞はマウス前脳から誘導し、培養系に
移した(S.Furukawaら:Biochem.Biophys.Res.Commun.13
6,57-63.1986)。
促進作用〉 アストログリア細胞はマウス前脳から誘導し、培養系に
移した(S.Furukawaら:Biochem.Biophys.Res.Commun.13
6,57-63.1986)。
すなわち、制御8日目のマウス脳を細切り、カルシウ
ム、マグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水(以下PB
S)で洗浄後、0.25%トリプシン含有PBS中で37℃、30分
間処理し、パスツール・ピペットで組織をほぐして懸濁
液とする。200×gで5分間遠心して細胞および細胞凝
集体を回収する。これを10%牛胎児血清、5×10-5ユニ
ットmlのペニシリン、5μg/mlのストレプトマイシンを
含有するダルベッコ変法イーグル培地(以下DMEM培地、
Gibco社製)に移し、3日毎に同培地を変換しながら、1
0〜14日間初代培養する。コンフルエントに達したら、
トリプシン処理して別の培養器に分配して植え継ぐ。さ
らに2回以上植え継いで形態的に均一な細胞集団とす
る。本実験に用いるのは、抗ヒトグリア線維タンパク質
(GFAP)ウサギ抗血清を用いたPAP染色法(パーオキシ
ダーゼ抗パーオキシダーゼ染色法)で、97%以上で染色
される細胞集団であり、これを以下アストログリア細胞
と呼ぶ。
ム、マグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水(以下PB
S)で洗浄後、0.25%トリプシン含有PBS中で37℃、30分
間処理し、パスツール・ピペットで組織をほぐして懸濁
液とする。200×gで5分間遠心して細胞および細胞凝
集体を回収する。これを10%牛胎児血清、5×10-5ユニ
ットmlのペニシリン、5μg/mlのストレプトマイシンを
含有するダルベッコ変法イーグル培地(以下DMEM培地、
Gibco社製)に移し、3日毎に同培地を変換しながら、1
0〜14日間初代培養する。コンフルエントに達したら、
トリプシン処理して別の培養器に分配して植え継ぐ。さ
らに2回以上植え継いで形態的に均一な細胞集団とす
る。本実験に用いるのは、抗ヒトグリア線維タンパク質
(GFAP)ウサギ抗血清を用いたPAP染色法(パーオキシ
ダーゼ抗パーオキシダーゼ染色法)で、97%以上で染色
される細胞集団であり、これを以下アストログリア細胞
と呼ぶ。
アストログリア細胞を24孔培養プレート(Falcon社製、
培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/培養
孔まき、10%牛胎児血清含有DMEM培地にて3日間培養し
完全コンフルエント(約107細胞/培養孔)とする。培
地を0.5%牛血清アルブミン(第五画分)含有DMEM培地
に交換(0.5ml/培養孔)して3日間培養する。さらに3
日間毎培地交換して細胞を培養静止期(quiscent stag
e)に誘導する。被検化合物を所定の濃度で含む0.5mlの
同培地に交換し、24時間後の培養培地中のNGF濃度を前
述の高感度ELSA法によって測定する。結果は被検化合物
を含まない培地で培養した対照の培養培地中の濃度に対
する倍率として求めた。本ELISAの検出限界は0.25pg/ml
であり、対照のNGF濃度は通常1〜10pg/0.5ml培養孔で
あった。値は同一細胞標品を用いた4回の試行の平均値
として示してある。
培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/培養
孔まき、10%牛胎児血清含有DMEM培地にて3日間培養し
完全コンフルエント(約107細胞/培養孔)とする。培
地を0.5%牛血清アルブミン(第五画分)含有DMEM培地
に交換(0.5ml/培養孔)して3日間培養する。さらに3
日間毎培地交換して細胞を培養静止期(quiscent stag
e)に誘導する。被検化合物を所定の濃度で含む0.5mlの
同培地に交換し、24時間後の培養培地中のNGF濃度を前
述の高感度ELSA法によって測定する。結果は被検化合物
を含まない培地で培養した対照の培養培地中の濃度に対
する倍率として求めた。本ELISAの検出限界は0.25pg/ml
であり、対照のNGF濃度は通常1〜10pg/0.5ml培養孔で
あった。値は同一細胞標品を用いた4回の試行の平均値
として示してある。
結果を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 233/25 (56)参考文献 特開 昭63−832020(JP,A) 特開 昭63−170311(JP,A) The Journal of Bio logical Chemistry,V ol.261,No.13(1986),P.6039 −6047
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 (式中、R1は水素原子またはアセチル基を、R2、R3は独
立してそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルカノイル基を、nは1、2または3の整数を示す。た
だしR1、R2、R3がともに水素原子であり、かつ、nが2つ
の整数である場合、およびR1、R2が水素原子、R3がメチ
ル基であり、かつ、nが2の整数である場合を除く)で
表されるカテコールアミン誘導体を有効成分として含有
する中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6351588A JPH0696520B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
NZ228329A NZ228329A (en) | 1988-03-18 | 1989-03-14 | Catechol derivatives and pharmaceutical compositions thereof |
FI891227A FI891227A (fi) | 1988-03-18 | 1989-03-15 | Katekolderivat och farmaceutiska preparat som innehaoller dessa. |
NO89891191A NO891191L (no) | 1988-03-18 | 1989-03-17 | Fremgangsmaate for fremstilling av nye, terapeutisk virksomme catecholderivater. |
AU31443/89A AU602628B2 (en) | 1988-03-18 | 1989-03-17 | Catechol derivatives and pharmaceutical preparations containing same |
DK130389A DK130389A (da) | 1988-03-18 | 1989-03-17 | Catecholderivater og farmaceutiske praeparater omfatende samme |
KR1019890003387A KR910008665B1 (ko) | 1988-03-18 | 1989-03-18 | 카테콜아민 유도체 및 유효성분으로서 이를 함유하는 중추신경계 퇴행성 질환의 예방 및 치료제 |
EP89302742A EP0333522B1 (en) | 1988-03-18 | 1989-03-20 | Catechol derivatives and pharmaceutical preparations containing same |
DE68917499T DE68917499T2 (de) | 1988-03-18 | 1989-03-20 | Catechol-Derivate und sie enthaltende pharmazeutische Präparate. |
US07/689,098 US5232923A (en) | 1988-03-18 | 1991-04-22 | Catechol derivatives and pharmaceutical preparations containing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6351588A JPH0696520B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01238524A JPH01238524A (ja) | 1989-09-22 |
JPH0696520B2 true JPH0696520B2 (ja) | 1994-11-30 |
Family
ID=13231435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6351588A Expired - Lifetime JPH0696520B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | カテコールアミン誘導体を含有してなる中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0696520B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8694024B2 (en) | 2006-01-03 | 2014-04-08 | Apple Inc. | Media data exchange, transfer or delivery for portable electronic devices |
US8966470B2 (en) | 2006-01-03 | 2015-02-24 | Apple Inc. | Remote content updates for portable media devices |
US9063697B2 (en) | 2006-09-11 | 2015-06-23 | Apple Inc. | Highly portable media devices |
US9602929B2 (en) | 2005-06-03 | 2017-03-21 | Apple Inc. | Techniques for presenting sound effects on a portable media player |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5338745A (en) * | 1990-08-10 | 1994-08-16 | Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporation | Amide derivatives of dihydrocaffeic acid and their application to pharmaceuticals |
WO2006043710A1 (ja) * | 2004-10-19 | 2006-04-27 | Reverse Proteomics Research Institute Co., Ltd. | 創薬標的タンパク質及び標的遺伝子、並びにスクリーニング方法 |
JP4940424B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2012-05-30 | 国立大学法人名古屋大学 | 神経細胞の酸化的損傷のマーカー及びその利用 |
US20140221485A1 (en) * | 2011-09-06 | 2014-08-07 | Novaliq Gmbh | Lipophilic dopamine derivatives and their use |
-
1988
- 1988-03-18 JP JP6351588A patent/JPH0696520B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
TheJournalofBiologicalChemistry,Vol.261,No.13(1986),P.6039−6047 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9084089B2 (en) | 2003-04-25 | 2015-07-14 | Apple Inc. | Media data exchange transfer or delivery for portable electronic devices |
US9602929B2 (en) | 2005-06-03 | 2017-03-21 | Apple Inc. | Techniques for presenting sound effects on a portable media player |
US8694024B2 (en) | 2006-01-03 | 2014-04-08 | Apple Inc. | Media data exchange, transfer or delivery for portable electronic devices |
US8966470B2 (en) | 2006-01-03 | 2015-02-24 | Apple Inc. | Remote content updates for portable media devices |
US9063697B2 (en) | 2006-09-11 | 2015-06-23 | Apple Inc. | Highly portable media devices |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01238524A (ja) | 1989-09-22 |
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