JPH11512396A - 化合物および方法 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(「CGRP」)受容体のリガンド、特に拮抗物質であるキニンおよびキニジン化合物に関する。加えて、本発明は、哺乳動物における頭痛、特に偏頭痛、非インスリン依存性糖尿病、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性鼻炎および喘息を含むがそれらに限定はされないCGRPを媒介とする病的状態の、キニンおよびキニジンCGRP受容体拮抗物質を用いることによる治療および予防に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
化合物および方法
発明の分野
本発明は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(Calcitonin Gene-Related Pep-t
ide(以下「CGRP」))受容体のリガンド、特に拮抗物質であるキニンおよびキ
ニジン化合物に関する。さらに、本発明は、哺乳類、好ましくは人間における頭
痛、特に偏頭痛、非インスリン依存性糖尿病(以下「NIDDM」)、心臓血管
系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性鼻炎および喘息を含
むがそれらに限定はされない、CGRPを媒介とする病的状態の、CGRP受容
体リガンド、特にキニンおよびキニジン拮抗物質を用いた治療および予防に関す
る。
発明の背景
CGRPは、中枢神経系および末梢神経系の神経末端に貯蔵され、そこから放
出される37個のアミノ酸からなるポリペプチドである(グッドマン(Goodman)ら
、ライフ・サイエンス(Life Sci.)、38巻、2169−2172ページ(198
6))。CGRPは、免疫組織化学法およびラジオイムノアッセイ法により心臓、
末梢血管、脳血管および腎臓を支配する神経内で検出されている(ヤマモト(Yama
moto)ら、プログレッシブ・ニュウロバイオロジー(Prog.Neurobiol.)、33巻、
335−386ページ(1989))。CGRPは、様々な組織で確認されている
特異的細胞表面受容体に結合することにより、その生物学的反応を媒介すること
が示されている。生化学的研究の証拠により、CGRP受容体はG−蛋白質結合
受容体のファミリーに属することが示唆されている。CGRP受容体の筋肉、腺
、上皮および神経細胞への広範な分布は、末梢血管および脳血管の拡張(ブレイ
ン(Brain)ら、ネイチャー(Nature)、313巻、54−56ページ(1985))、
心拍数増加(シグリスト(Sigrist)ら、エンドクリノロジー(Endocrinology)、1
19巻、381−389ページ(1986))、カルシウム
代謝の調節(グルンディッツ(Grunditz)ら、エンドクリノロジー(Endocrinology)
、119巻、2313−2324ページ(1986))、腸管運動の低下(ファージ
アス(Fargeas)ら、ペプタイズ(Peptides)、6巻、1167−1171ページ(1
985))、グルコース代謝の調節、例えばインスリン分泌およびインスリン感受
性の低下(ハーマンセン(Hermansen)ら、ペプタイズ(Pep-tides)、27巻、14
9−157ページ(1990)およびモリナ(Molina)ら、ダイアビーティス(Di
abetes)、39巻、260−265ページ(1990))、食欲減退および成長ホ
ルモン増加の低減(タネンバウム(Tannenbaum)ら、エンドクリノロジー(Endocrin
ology)、116巻、2685−2687ページ(1985))を含むその広範な生
物学的活性と一致する。
CGRPは心臓血管、中枢神経、胃腸、呼吸および内分泌系に多数の効果を及
ぼすため、CGRP受容体機構の限定的および選択的阻害は、CGRPに媒介さ
れる広範な種類の病的状態の新たな予防および治療方法につながることが、今回
判明した。特に活性CGRP受容体拮抗物質の開発は、哺乳類、好ましくは人間
における頭痛、特に偏頭痛,NIDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素シ
ョック、関節炎、アレルギー性鼻炎および喘息を含むがそれらに限定はされない
、CGRPを媒介とする様々な病的状態の治療に役立つことが期待されるであろ
う。
驚くべきことに、ある種の非ペプチド化合物、特に化学式(I)および化学式
(IA)のキニンおよびキニジン化合物は、その幾つかはマラリアの治療に有用
であることが以前に示されている(米国特許第3、663、552号、1972
年5月16日発行;およびヤードリー(Yardley)ら、ジャーナル・オブ・メディ
カル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、14巻、1号、62−65ページ(197
1))が、CGRP受容体の拮抗物質としても機能し、従って、CGRP受容体機
構の阻害が予防または治療方法として挙げられる病的状態の治療に有用であるこ
とが、今回判明した。
発明の概要
1の態様において、本発明は、治療を必要としている哺乳類に有効量の式(I
):
[式中、R1は水素、ヒドロキシ、CO2R4またはOR4;
R2はフェニル、αまたはβナフチル、ハロフェニル、ジハロフェニル、CF3
−フェニルまたは所望により置換されていてもよいフェノキシフェニル;
R3は水素、C1ないしC4アルキルまたはC2ないしC4アルケン;
R4はC1ないしC4アルキル;および
R5は水素またはヒドロキシを意味する]
で示されるキニンまたはキニジン化合物、またはそれらの医薬的に活性な塩を投
与することよりなる哺乳動物、好ましくは人間における頭痛、特に偏頭痛,NI
DDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性鼻
炎および喘息を含むがそれらに限定はされない、CGRPを媒介とする様々な病
的状態を治療する方法に関するものである。
もう1つの態様において、本発明は、式(IA):
[式中、R1はヒドロキシまたはCO2R4;
R2はフェニル、アルファまたはベータナフチル、ハロフェニル、ジハロフェ
ニル、CF3−フェニルまたは所望により置換されていてもよいフェノキシフェ
ニル;
R3は水素、C1ないしC4アルキルまたはC2ないしC4アルケン;
R4はC1ないしC4アルキル;および
R5は水素またはヒドロキシを意味する]
で表される一連の新規化合物またはそれらの医薬的に活性な塩に関するもので、
該化合物もまた上記のCGRPを媒介とする病的状態の治療に有用である。
さらにもう1つの態様において、本発明は、式(I)または式(IA)の化合
物およびそれらの医薬上許容される担体を含む医薬組成物に関するものである。
特に、本発明の医薬組成物は、哺乳動物、好ましくは人間における頭痛、特に偏
頭痛、NIDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレ
ルギー性鼻炎および喘息を含むがそれらに限定はされない、CGRPを媒介とす
る病的状態の治療に用いられる。
発明の詳細な説明
式(I)のキニンまたはキニジン化合物は、CGRP受容体のリガンドであり
、特にそれらの拮抗物質であることが今回判明した。また、式(I)の受容体リ
ガンド、またはそれらの医薬上許容される塩を用いた治療によるCGRP受容体
機構の選択的阻害は、哺乳動物、好ましくは人間における頭痛、特に偏頭痛、N
IDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性
鼻炎および喘息を含むがそれらに限定はされない様々な病的状態の新たな治療お
よび予防方法につながることも今回判明した。
本明細書で用いられる「アルキル」なる語は、全ての場合において、鎖の長さ
が限定されていない限り、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル,sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等を含むがそれらに限
定はされない1個ないし6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の基を意味する。
本明細書で用いられる「アルケン」なる語は、全ての場合において、鎖の長さ
が限定されていない限り、エチレン、プロピレン等を含むがそれらに限定はされ
ない2個ないし6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の基を意味する。
本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」なる語は、全ての場合にお
いて相互に変換して用いられ、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素の元素から誘導
された基を意味する。
本明細書で用いられる「αまたはβナフチル」なる語は、全ての場合において
、R2位におけるキノリン環へのナフチル基の結合位置を示すものである。
本明細書で用いる「ハロフェニル」なる語は、全ての場合において、前記定義
にあてはまるハロゲン基によって置換されたフェニル基を意味する。適当には、
ハロゲン基は、フェニルが結合しているキノリン核に対して、オルト、メタまた
はパラ位のフェニル基上に位置させることができる。
本明細書で用いる「CF3−フェニル」なる語は、全ての場合において、トリ
フルオロメチル(−CF3)基によって置換されたフェニル基を意味する。適当
には、トリフルオロメチル基は、フェニルが結合しているキノリン核に対してオ
ルト、メタまたはパラ位のフェニル基上に位置させることができる。
本明細書で用いる「ジハロフェニル」なる語は、全ての場合において、前記定
義にあてはまるハロゲン基2個によって置換されたフェニル基部位を意味する。
適当には、1個のハロゲン基は、フェニルが結合しているキノリン核に対してオ
ルト、メタまたはパラ位のフェニル基上に位置させることができる。さらに、2
個のハロゲン基は同一でも、異なるものでもよい。
本明細書で用いる「フェノキシフェニル」なる語は、全ての場合において、「
フェニル−酸素−フェニル」の式で表される部位を意味する。適当には、フェノ
キシフェニル部位の1個のフェニル環は、キノリン核に対してオルト、メタまた
はパラ位に結合する。
本明細書で用いる「所望により置換されていてもよい」なる語は、全ての場合
において、アルキル、ハロゲン、ニトロまたはトリフルオロメチルを含む1個な
いし3個の種々の官能基によって置換されていてもされていなくてもよいことを
意味する。任意の置換基は、キノリン核に対して、オルト、メタまたはパラ位に
位置させることができると理解されよう。好ましくは、任意の置換基は、キノリ
ン核に対してメタまたはパラ位に位置する。
本明細書で用いる「CGRPを媒介とする病的状態」なる語は、全ての場合に
おいて、カルシトニン遺伝子関連ペプチドによって媒介(または変調)されるい
ずれの病的状態も意味する。
当業者に理解されるように、医薬上許容される塩には、塩酸塩、硫酸塩、リン
酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩および硝酸塩のごとき有機酸の塩またはリンゴ
酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩
、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パルミチン酸塩、
サリチル酸塩およびステアリン酸塩のごとき有機酸の塩が含まれるがそれらに限
定はされるものではない。
式(I)の化合物につき様々な具体例は以下の通りである。
R1は適当には水素、ヒドロキシ,CO2R4またはOR4である。R1は好まし
くはヒドロキシまたはOR4であり、より好ましくはヒドロキシまたはメトキシ
である。
R2は適当にはフェニル、αまたはβナフチル、ハロフェニル、ジハロフェニ
ル、CF3−フェニルまたは所望により置換されていてもよいフェノキシフェニ
ルである。R2は好ましくはハロフェニルまたはフェノキシフェニルである。
R3は適当には水素、C1−C4アルキルまたはC2−C4アルケンである。
R3は好ましくは水素、メチルまたはC2アルケンである。
R4は適当にはC1ないしC4アルキルである。
R5は適当には水素またはヒドロキシである。R5は好ましくはヒドロキシであ
る。
通常の命名法に従えば、式(I)または式(IA)のキニン化合物と、式(I
)または式(IA)のキニジン化合物の違いは、キニンまたはキニジン分子のC
8位およびC9位の立体化学であることが理解されるであろう。本明細書で用い
られるナンバリングシステムは以下の通りである:
本発明の化合物は、1以上の不整炭素原子を含み、ラセミ体および光学活性体
として存在し得る。これら全ての化合物は、本発明の範囲内にある。特に、式(
I)または式(IA)の化合物のC8位およびC9位は、不整中心を含み得るこ
とが理解されるであろう。不整中心は、RおよびS立体配置のいずれの組合せ、
例えば、(R、R)、(R、S)、(S、S)、(S、R)であってもよい。
本発明の好ましい化合物には以下の化合物がある:
2’−(4−クロロフェニル)キニン;
2’−(4−トリフルオロメチルフェニル)キニン;
2’−(3−トリフルオロメチルフェニル)キニン;
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロキニン;
2’−フェニル−10,11−ジヒドロキニン;
2’−(4−クロロフェニル)キニジン;
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロキニジン;
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロシンコニジン;
2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロシンコ
ニジン;
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロ−6’−メトキシカルボニ
ルシンコニジン;および
2’−(1−ナフチル)−10,11−ジヒドロキニン。
医薬組成物の製剤化
本発明の医薬的に有効な化合物(およびその医薬上許容される塩)は、頭痛、
特に偏頭痛,NIDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎
、アレルギー性鼻炎および喘息の治療に十分な量の式(I)または式(IA)の
化合物(「有効成分」)を、当業者によく知られた通常の方法で、標準的医薬担
体または希釈剤と組み合わせることにより調製した、通常の剤形で投与される。
これらの方法では、望ましい製剤に適するよう、成分を混合、造粒、圧縮または
溶解することがある。
使用される医薬担体は、例えば、固体であっても液体であってもよい。代表的
な固体担体には、ラクトース、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチ
ン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウム等がある。代表的な液体担体には
、シロップ、落花生油、オリーブ油、水等がある。同様に、担体または希釈剤は
、モノステアリン酸グリセリンやジステアリン酸グリセリンのごとき当業者によ
く知られた遅延物質を単独でまたはロウと共に含有してもよい。
広範な種類の剤形が使用できる。従って、もし固体担体を用いれば製剤は錠剤
化でき、粉末またはペレット、あるいはトローチまたはロゼンジの形態でハード
ゼラチンカプセルに充填する。固体担体の量は、様々であろうが、好ましくは、
約25mgないし約1000mgとなろう。液体担体を用いる場合は、製剤はシ
ロップ、乳剤、ソフトゼラチンカプセル剤、アンプルのごとき無菌で注射可能な
液体または非水溶性の懸濁剤の形態となろう。
有効成分はまた、CGRPを媒介とする病的状態の治療を必要とする哺乳類に
局所投与することもできる。従って、有効成分は、頭痛、とくに偏頭痛,NID
DM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性鼻炎
、および喘息を含むがそれらに限定はされないCGRPを媒介とする病的状態の
予防および治療のために局所投与され得る。
局所投与で治療効果に必要な有効成分の量は、勿論、選択される化合物、治療
される病的状態の性質および重症度、および治療される哺乳動物により変化し、
最終的には、医師の裁量による。局所投与における有効成分の適当な用量は、1
.5mgないし500mgで、最も好ましい用量は、1mgないし100mg、
例
えば毎日2または3回投与される5ないし25mgである。
局所投与とは、非全身投与を意味し、有効成分を表皮や口腔に外用することや
、耳、眼および鼻にかかる化合物を点滴注入することを含み、ここに、著しい量
の該化合物は血流に入らない。全身投与とは、経口、静脈内、腹腔内および筋肉
内投与を意味する。
有効成分は、未加工の化学薬品として投与することもできるが、医薬製剤とし
て与えることが好ましい。有効成分は、局所投与では、0.001%ないし10
%w/w、例えば製剤の1重量%ないし2重量%を含み得るが、製剤の10%w
/wもと多くを含むことができ、しかしながら、好ましくは、5%w/wを超え
ず、より好ましくは0.1%ないし1%w/wを含むことができる。
本発明の、動物および人間の医療に用いる局所用製剤は、1種以上の許容され
る担体および所望により他の治療有効成分とともに有効成分を含有し得る。担体
は、製剤の他の成分と適合性があり、その受容者に害を及ぼさないという意味で
「許容される」ものでなければならない。
局所投与に適した製剤には、リニメント剤、ローション、クリーム、パスタ剤
または泥膏のごとき皮膚を通して炎症箇所に浸透させるのに適した液体または半
液体の製剤および眼、耳または鼻への投与に適した滴剤が含まれる。
本発明による滴剤は、滅菌した水溶液、油性溶液または懸濁液を含み、殺菌剤
および/または殺真菌剤および/または他の適当な防腐剤および好ましくは界面
活性剤を含む適当な水溶液またはアルコール溶液に有効成分を溶解させることに
より調製できる。次いで、得られた溶液を、ろ過により清澄化し、適当な容器に
移し、次いでこれを密閉し、30分間98−100℃でオートクレーブ処理する
かあるいはその状態に保つことにより滅菌する。別法として、溶液を濾過により
滅菌し、無菌的な手法により容器に移すこともできる。滴剤に含ませるのに適し
た殺菌剤および殺真菌剤の例には、例えば、硝酸フェニル水銀または酢酸フェニ
ル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)、および酢酸クロ
ルヘキシジン(0.01%)がある。油性溶液の調製に適した溶剤には、グリセ
ロール、希釈アルコールおよびプロピレングリコールが含まれる。
本発明によるローションは、皮膚または眼への使用に適したものを含む。眼用
ローションは、所望により殺菌剤を含有してもよい滅菌水溶液を含んでもよく、
滴剤の調製法と同様の方法で調製し得る。皮膚に使用するためのローションまた
はリニメントは、アルコールやアセトンのような乾燥を促し皮膚を冷却する剤お
よび/またはグリセロールのごとき保湿剤またはひまし油や落花生油のごとき油
も含有し得る。
本発明によるクリーム、軟膏およびパスタ剤は、有効成分を外用するための半
固体製剤である。それらは、細かく砕いたまたは粉状の有効成分を、単独に、ま
たは水性または非水性の液体中の溶液または懸濁液にて、適当な機械を用いて油
脂性または非油脂性の基剤と混合するみとにより作成し得る。基剤には、硬質、
軟質または液状パラフィン、グリセロール、蜜蝋、金属セッケンのごとき炭化水
素;粘漿剤;アーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ひまし油またはオリー
ブ油のごとき天然起源の油;羊毛脂またはその誘導体、またはプロピレングリコ
ールのごときアルコールを加えたステアリン酸またはオレイン酸のごとき脂肪酸
が含まれる。製剤は、陰イオン、陽イオンまたはソルビタンエステルやポリオキ
シエチレン誘導体のような非イオン界面活性剤のごとき適当な界面活性剤を含有
し得る。天然ガム、セルロース誘導体、またはケイ酸質シリカのような無機物質
のごとき懸濁化剤、およびラノリンのごとき他の成分も含有され得る。
有効成分は吸入投与することもできる。「吸入」とは、鼻および口からの吸入
投与を意味する。このような投与に適した剤形、例えばエロゾール剤または計量
吸入剤は、通常の手法を用いて調製できる。吸入投与する有効成分の1日量は、
1日当たり約0.1mgないし約100mg、好ましくは、1日当たり約1mg
ないし約10mgである。
1つの態様において、本発明は哺乳動物、好ましくは人間における頭痛、特に
偏頭痛、NIDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、ア
レルギー性鼻炎および喘息を、該哺乳類に有効量のCGRP受容体リガンド、特
に化学式(I)で表される拮抗物質を投与することにより治療する方法に関する
ものである。
「治療」なる語は、予防的または治療的療法を意味する。該式(I)の化合物
は、式(I)の化合物と通常の医薬上許容される担体または希釈剤を、公知の技
術に従って組み合わせることにより調製した通常の剤形を用いて、該哺乳類に投
与できる。医薬上許容される担体または希釈剤の形態および性質が、組み合わせ
る有効成分の量、投与経路および他のよく知られた変数により規定されることは
、当業者には理解されるであろう。式(I)の化合物は、頭痛、特に偏頭痛、N
IDDM、心臓血管系疾患、慢性炎症、内毒素ショック、関節炎、アレルギー性
鼻炎および喘息の治療を必要としている哺乳類に、これらの病的状態に関連した
症状を軽減するに十分な量にて投与される。投与経路は、経口でも非経口でもよ
い。
本明細書で用いられる非経口とは、静脈内、筋肉内、皮下、直腸内、膣内また
は腹腔内投与を含む。一般に、皮下および筋肉内への非経口投与が好ましい。非
経口投与の用量としては、1日当たり約30mgないし約300mgの有効成分
を投与するのが好ましく、経口投与の場合は1日当たり約100mgないし約2
000mgの有効成分を投与するのが好ましい。
式(I)の化合物の個々の投与の最適な量および投与頻度は、治療する症状の
性質および程度、投与の形態、経路および部位、ならびに治療すべき特定の哺乳
動物に応じて決定され、さらにそのような至適条件は通常の手法で決定されると
いうことは、当業者に理解されるであろう。さらに当業者は通常の治療方針決定
試験を用いて、最適な治療方針、すなわち定められた日数の間の、式(I)の化
合物の1回投与量および1日投与回数を決定できることも、当業者には明かであ
ろう。
調製の方法
反応図式1(実施例7)
試薬
(a)BBr3、CH2Cl2、-78℃→室温(「rt」);(b)H2、10%
Pd/C、MeOH;(c)4N HCl/ジオキサン
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロシンコニジン(3)およ
びその二塩酸塩(4、実施例7)の調製は反応図式1に示すように進めた。
2’−(4−クロロフェニル)キニン(1)(ヤードリー(Yardley)ら、ジャ
ーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、1971年、1
4巻、62−65ページ)に従って合成)で出発し、CH2Cl2のような不活性
溶媒中でBBr3で処理すると、6’位のメチルエーテルが開裂し、フェノール
化合物2が得られる。標準的な接触水素化法を用いて10位および11位の二重
結合を還元すると、飽和類似体3が生ずる。もし必要ならば、ジオキサンのごと
き有機溶媒中で塩化水素と処理することにより化合物3を二塩酸塩4に変換する
ことができる。
反応図式2(実施例8)
試薬
(a)NaH、PhN(Tf)2、0℃→室温、THF;(b)5%Pd(OAc)2
、5% 1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(「dppp」)、C
O、MeOH、Et3N、DMSO、70℃;(c)H2、10%Pd/C、Me
OH;(d)4N HCl/ジオキサン
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロ−6’−メトキシカル
ボニルシンコニジン(7)およびその二塩酸塩(8、実施例8)の調製を反応図
式2に示す。前記の6’−ヒドロキシシンコニジン2で出発し、THFのごとき
乾燥非プロトン性溶媒中で、NaHおよびN−フェニルトリフルオロメタンスル
ホンイミド(PhN(Tf)2)を用いて6’−ヒドロキシル基はトリフルオル
メタンスルホネート5に変換される。次いで、50ないし100℃の高温下でM
eOHおよび一酸化炭素を用いて、この中間生成物をパラジウムを触媒としたカ
ルボニル化反応に付す。この反応は、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)の
ごとき極性非プロトン性溶媒中、トリエチルアミンのごとき立体障害アミンの存
在下で行う。得られたメチルエステル6を標準的な接触水素化条件下で水素化し
て10位および11位の二重結合を還元し、飽和化合物7が得られる。所望なら
ば、ジオキサンのごとき有機溶媒中で塩化水素で処理することにより化合物7を
二塩酸塩8に変換することができる。
反応図式3(実施例9)
試薬
(a)3%(CHCl3)Pd2(ジベンジリデンアセトン)3、PPh3、1−ナ
フチルボロニック酸、エタノール、炭酸ナトリウム水溶液、ベンゼン、還流、2
0時間;(b)4規定 塩酸/ジオキサン
2’−アリールキニン誘導体の別の調製法を2’−(1−ナフチル)−10,
11−ジヒドロキニン ジヒドロクロリド(11)を例に図3に示す(例9)。
この方法は、アリールボロニック酸とオチアイ(Ochiai)ら、薬学雑誌(Yakugaku
Zasshi)1951年、71巻、260−262ページに従って合成した2’−ク
ロロ−10,11−ジヒドロキニン(9)をパラジウムを触媒としてカップリン
グさせるものである。アリールボロニック酸は、購入することも、対応するハロ
ゲン化アリールから通常の方法で調製することもできる。1−ナフチル誘導体1
0を例に示すように、1−ナフチルボロニック酸は、適当なパラジウム(0)触
媒(Pd0-catalyst)の存在下、水溶性エタノールのごときアルコール性溶剤中で、
炭酸ナトリウムを塩基として用い、反応溶液が緩やかな還流にて維持される温度
にて9とカップリングされる。所望ならば、ジオキサンのごとき有機溶媒中で塩
化水素で処理することにより化合物10を二塩酸塩11に変換することができる
。
当業者は、2’−(4−トリフルオロメチル−フェニル)キニンおよび2’−
(3−トリフルオロメチルフェニル)キニンが、適当な対応する試薬および出発
物質を用いることにより、反応図式3に描かれたのと類似の方法で合成されるこ
とを認識するであろう。
反応図式4(実施例10)
試薬
(a)マグネシウムモノペルオキシフタレート、EtOH;(b)SO2(ガス)
、CHCl3;(c)4−クロロフェノール、塩化トシル、トリエチルアミン、
CH2Cl2、0℃→室温
2’−(4−クロロフェノキシ)−10,11−ジヒドロキニン(15、実施
例10)の調製は反応図式4に示すように進行した。市販されているアルドリッ
チ(Aldrich)の10,11−ジヒドロキニン(12)で出発し、強ペルオキシ酸
で処理すると、両方の窒素原子が酸化され、ジ−N−オキシドが得られる。この
変換は、無水エタノール中でマグネシウムモノペルオキシフタレートを用いて達
成するのが好ましい。次に、トリアルキルアミンオキシドの選択的還元によって
、ジ−N−オキシド13をアリールN−オキシド(以下 ar-N-オキシドという)に
変換できる。これは、亜硫酸ガスのごとき緩やかな還元剤を用いることにより達
成される。従ってクロロホルムのごとき非プロトン性溶剤中でこのような方法で
13を処理することによりarN−オキシド14が得られる。次いで、最後の変
換は、アルコール存在下、CH2Cl2中でarN−オキシドを塩化トシルおよび
トリメチルアミンで処理することにより達成される。この例では、フェノールが
用いられている。特殊な例として、もし4−クロロフェノールを用いれば、フェ
ノキシエーテル15が得られる。
実施例1
2’−(4−クロロフェニル)キニン二塩酸塩の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)キニン
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、実施例11(14欄29行)およびヤ
ードリー(Yardley)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med
.Chem.)、1971年、14巻、62−65ページの例18における実験の開示
に従って調製した。特に、キニジンarN−オキシドの代わりにキニンarN−
オキシドを、ベンゼンの代わりにトルエンを、KOHの代わりにNaOHを、K2
CO3の代わりにNa2SO4で置き換え、そしてグリニャール試薬として臭化4
−クロロフェニルマグネシウムを用いる以外は2’−メチルキニジン(65ペー
ジ記載)の調製方法に従った。また、メタノールから再結晶する代わりに、粗生
成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール:酢酸エチル
:水酸化アンモニウムが5:95:0.5および10:90:0.5)により精製
した。MS(ES)m/e435.2[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェニル)キニジン二塩酸塩
実施例1(a)の化合物(66mg、0.15ミリモル)の4N HCl/ジ
オキサン中溶液を室温にて30分間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた
黄色油をジエチルエーテルでトリチュレートし、白濁した黄色の懸濁液を得た。
ジエチルエーテルを濾過により除去した後、黄色い残渣を真空下で20時間乾燥
して、標記化合物(55mg、69%)を黄色粉末として得た。元素分析(C26
H29O2N2Cl3・2/3H2Oとして) 計算値:C,60.07;H,
5.88;N,5.39 実測値:C,60.07;H,5.88;N,5.3
9
実施2
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニン二塩酸塩の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニン:
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、実施例11(14欄34行)およびヤ
ードリー(Yardley)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med
.Chem.)、1971年、14巻、62−65ページにおける実験の開示に従って
調製した。特に、2’−(4−クロロフェニル)キニジンの代わりに実施例1(a)
の化合物で置き換える以外は2’−(4−クロロフェニル)ジヒドロキニジン(
65ページ記載)の調製方法に従った。また、ジエチルエーテルから再結晶する
代わりに、粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタ
ノール:酢酸エチル:水酸化アンモニウムが5:95:0.5および10:90
:0.5)により精製した。MS(ES)m/e 437.2[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニン二塩酸塩 :
実施例2(a)の化合物(96mg、0.22ミリモル)を4N HCl/ジ
オキサン中溶液を室温にて30分間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた
黄色いオイルをジエチルエーテルでトリチュレートし、白濁した黄色の懸濁液を
得た。ジエチルエーテルを濾過により除去した後、黄色い残渣をメタノールに溶
解し、これを真空下で濃縮した。得られた黄色い固体を水(HPLCグレード)
に懸濁し、凍結乾燥して、標記化合物(92mg、82%)がアモルファス状の
黄色固体として得られた。元素分析(C26H31O2N2Cl3・1H2Oとして)計
算値:C,59.15;H,6.30;N,5.31 実測値:C,58.93
;H,6.15;N,5.04
実施例3
2’−フェニル−10、11−ジヒドロキニン二塩酸塩の調製
(a)2’−フェニル−10、11−ジヒドロキニン:
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、およびヤードリー(Yardley)ら、ジャ
ーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、1971年、1
4巻、62−65ページにおける実験の開示に従って調製した。特に、キニジン
arN−オキシドの代わりにキニンarN−オキシドで、ベンゼンの代わりにテ
トラヒドロフランで置き換え、そしてグリニャール試薬として臭化フェニルマグ
ネシウムを用いる以外は2’−アリールジヒドロキニジン(65ページ記載)の
一般的調製方法に従った。また再結晶する代わりに、粗生成物をフラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール:塩化メチレン:ギ酸が10:90
:3)により精製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05−
8.09(m,3H)、7.96(s,1H)、7.41−7.49(m,3H)
、7.33(dd,J=6.0Hz,1H)、7.17(d,J=7Hz,1H
)、5.57(d,J=2Hz,1H)、3.88(s,3H)、3.40−3
.53(m,1H)、3.20−3.40(m,1H)、3.05−3.11(
dd,J=25Hz,2H)、2.60−2.75(m,1H)、2.35−2
.45(m,1H)、1.80−2.25(m,1H)、1.65−1.85(
m,2H)、1.30−1.55(m,2H)、1.15−1.30(m,2H
)、0.79(t,J=19Hz,3H)
(b)2’−フェニル−10、11−ジヒドロキニン二塩酸塩
実施例3(a)の化合物(85mg、0.2ミリモル)の乾燥した塩化メチレ
ン(5mL)中溶液を、4N HCl/ジオキサン(0.5mL)で処理した。
溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を真空下で20時間乾燥して、標記化合物
(96mg、92%)をカナリア色固体として得た。元素分析(C26H32O3N2
Cl3・1.5H2Oとして) 計算値:C,60.23;H,6.80;N,5
.
40 実測値:C,60.59;H,6.86;N,5.02
実施例4
2’−(4−クロロフェニル)キニジン二塩酸塩の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)キニジン
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、実施例4およびヤードリー(Yardley)
ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、197
1年、14巻、62−65ページの例9における実験の開示に従って調製した。
特に、ベンゼンの代わりにトルエンで、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリ
ウムで、炭酸カリウムの代わりに硫酸ナトリウムで、そしてグリニャール試薬と
しで臭化4−クロルフェニルマグネシウムを用いる以外は2’−メチルキニジン
(65ページ記載)の調製方法に従った。またメタノールから再結晶する代わり
に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール:酢
酸エチル:水酸化アンモニウムが5:95:0.5および10:90:0.5)
により精製した。MS(ES)m/e435[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェニル)キニジン二塩酸塩
2’−(4−クロロフェニル)キニンの代わりに実施例4(a)の化合物(2
8mg,0.0065ミリモル)で置き換える以外は、実施例1(b)の手法に
従い、標記化合物(28mg、98%)を黄色固体として調製した。元素分析(
C26H29O2N2Cl3・1H2Oとして) 計算値:C,59.27;H,5.9
3;N,5.32 実測値:C,59.55;H,5.95;N,5.01
実施例5
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニジン二塩酸塩の調 製
(a)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニジン
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、実施例11(14欄、7行目)および
ヤードリー(Yard- ley)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J
.Med.Chem.)、1971年、14巻、62−65ページの例13における実験
の開示に従って調製した。特に、標記化合物(65ページ記載)の調製手法に従
った。ジエチルエーテルから再結晶する代わりに、粗生成物をフラッシュカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:酢酸エチル:水酸化アンモニウ
ムが5:95:0.5および10:90:0.5)により精製した。MS(ES
)m/e437.2[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニジン二塩酸 塩:
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニンの代わりに実施
例5(a)の化合物(82mg,0.188ミリモル)で置き換える以外は、実
施例2(b)の手法に従って、標記化合物(28mg、98%)をアモルファス
状の黄色固体として調製した。元素分析(C26H29O2N2Cl・17/8HClと
して) 計算値:C,62.13;H,6.18;N,5.57 実測値:C,
62.16;H,6.16;N,5.63
実施例6
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロシンコニジン二塩酸塩 の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロシンコニジン
標記化合物は、ヤードリー(Yardley)らに対して1974年6月18日に発行
された米国特許第3、663、552号、実施例11(14欄46行)およびヤ
ードリー(Yardley)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med
.Chem.)、1971年、14巻、62−65ページにおける実験の開示に従って
調製した。特に、キニジンar−N−オキシドの代わりにシンコニジンar−N
−オキシドで、ベンゼンの代わりにトルエンで、水酸化カリウムの代わりに水酸
化ナトリウムで、炭酸カリウムの代わりに硫酸ナトリウムで置き換え、そしてグ
リニャール試薬として臭化4−クロルフェニルマグネシウムを用いる以外は2’
−アリールジヒドロキニジン(65ページ記載)の調製方法に従った。また再結
晶する代わりに、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、メ
タノール:塩化メチレン:ギ酸が3:97:1、5:95:1および10:90
:1)により精製した。MS(ES)m/e407.2[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロシンコニジン二 塩酸塩:
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロキニンの代わりに実施
例6(a)の化合物(63mg,0.16ミリモル)で置き換える以外は、実施
例2(b)の手法に従って、標記化合物(63mg、78%)を淡黄色固体とし
て調製した。元素分析(C26H29ON2Cl3・13/4H2Oとして) 計算値:C
,58.72;H,6.41;N,5.48 実測値:C,58.72;H,6
.18;N,5.33
実施例7
2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシ−10、11−ジヒドロシ ンコニジン二塩酸塩の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシシンコニジン
実施例2(a)の化合物(250mg,0.57ミリモル)を乾燥した塩化メ
チレン(2.7mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却
した。BBr3(2.1mL、2.3ミリモル、塩化メチレン中1.1M溶液)
を10分間にわたって撹拌溶液に滴下した。−78℃にて1時間撹拌した後、反
応混合液を徐々に室温まで温め、さらに20時間撹拌した。水を注意深く加えて
、過剰なBBr3を分解させ、10%水酸化ナトリウムを用いて反応混合液を塩
基性(pH11−12)にした。反応混合液を塩化メチレン(2×)で抽出し、
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、フラッシュカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、メタノール:酢酸エチル:水酸化アンモニウムが5:
95:1および10:90:1)によって精製した。標記化合物を含む画分を真
空
下で濃縮し、得られた油を塩化メチレンに溶解し、水洗した。有機層を硫酸ナト
リウムで乾燥し真空下で濃縮して標記化合物(116mg、48%)をオレンジ
がかった黄色粉末として得られた。MS(ES)m/e421.2[M+H]+
。
(b)2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシ−10、11−ジヒ ドロシンコニジン
実施例7(a)の化合物(115mg,0.27ミリモル)の乾燥したメタノ
ール(1.3mL)中溶液に10%Pd/C(12mg)を加えた。得られた混
合物を、水素雰囲気下(二重壁バルーン圧)で2時間撹拌した。反応混合物を、
塩化メチレンで希釈し、セライト(Celite)を通して濾過した。濾液は真空下で濃
縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:酢酸エ
チル:水酸化アンモニウムが5:95:1、10:90:1または15:85:
1)により精製した。標記化合物を含む画分を真空下で濃縮し、得られた油は塩
化メチレンに溶解し、水洗した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し真空下で濃縮
して標記化合物(97mg、85%)を淡オレンジ色の固体として得た。MS(
ES)m/e423.6[M+H]+。
(c)2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシ−10、11−ジヒ ドロシンコニジン二塩酸塩:
2’−(4−クロロフェニル)キニンの代わりに実施例7(b)の化合物で置
き換える以外は、実施例1(b)の手法に従い、標記化合物を黄色固体として調
製した。元素分析(C25H27ON2Cl・21/2HCl・1/4H2O) 計算値:C
,57.90;H,5.83;N,5.40 実測値:C,57.74;H,5
.43;N,5.29
実施例8
2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロ−6’−メトキシカル ボニルシンコニジン二塩酸塩の調製
(a)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロ−6’−トリフ ルオロメチルスルホニルシンコニジン:
実施例7(b)の化合物(46mg,0.11ミリモル)の乾燥したテトラヒ
ドロフラン(0.5mL)中冷却(0℃)溶液にNaH(6mg)を加えた。反
応混合液を5分間撹拌した後、N−フェニルトリフルオロメタン スルホンイミ
ド(59mg,0.17ミリモル)を加え、得られた混合溶液を0℃にて2時間
撹拌し、室温にてさらに2時間撹拌した。反応混合液を塩化メチレンで希釈し、
10%塩酸、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真
空下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール
:塩化メチレンが1:99および3:97)により精製して標記化合物(43m
g、72%)をオフホワイトの固体として得られた。MS(ES)m/e555
[M+H]+。
(b)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロ−6’−メトキ シカルボニルシンコニジン:
実施例8(a)の化合物(43mg,0.08ミリモル)、酢酸パラジウム(
1mg,5ミリモル%)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(1
.6mg,5ミリモル%)、トリエチルアミン(0.03mL)およびメタノー
ル(0.4mL)の乾燥したジメチルスルホキシド(0.5mL)中混合物に一
酸化炭素を5分間パージし、一酸化炭素気流下(二重壁バルーン圧)、70℃にて
20時間撹拌した。反応混合液を塩化メチレンで希釈し、10%塩酸、水および
食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:酢酸エチル:水酸化
アンモニウムが3:97:1、および5:95:1)により精製した。標記化合
物を含む画分を真空下で濃縮し、得られた油を塩化メチレンに溶解し、水洗した
。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して標記化合物(15mg、
40%)を無色固体として得られた。MS(ES)m/e465.2[M+H]+
。
(c)2’−(4−クロロフェニル)−10、11−ジヒドロ−6’−メトキ シカルボニルシンコニジン二塩酸塩:
2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロキニンの代わりに実施
例8(b)の化合物で置き換える以外は、実施例2(b)の手法に従い、標記化
合物がアモルファス状の薄黄色固体として調製された。元素分析(C27H31O3
N2Cl3・13/8H2Oとして) 計算値:C,57.63;H,6.05;N,
4.98 実測値:C,57.83;H,5.66;N,4.85
実施例9
2’−(1−ナフチル)−10、11−ジヒドロキニン二塩酸塩の調製
(a)2’−クロロ−10、11−ジヒドロキニン
標記化合物はオチアイ(Ochiai)ら、薬学雑誌、1951年、71巻、260−
262ページにおける実験の開示に従って調製した。特に、標記化合物(261
ページ記載)の調製についての実験方法に従った。MS(ES)m/e361.
2[M+H]+。
(b)2’−(1−ナフチル)−10,11−ジヒドロキニン
トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムのクロロホルム付加物(27m
g,0.026ミリモル)のベンゼン(2.1mL)中溶液を、水分および酸素
を除いたフラスコ内で、トリフェニルホスフィン(28mg,0.10ミリモル
)で処浬した。15分間撹拌後、実施例9(a)の化合物(310mg,0.8
5ミリモル)および1−ナフチルボロニック酸(160mg,0.94ミリモル
)を溶液に加えた。次いで、エタノール(0.29mL)および2Mの炭酸ナト
リウム水溶液(0.95mL)を加えた。得られた溶液を、緩やかな還流下で2
0時間撹拌した。反応溶液を水および塩化メチレンで希釈した。有機層を硫酸ナ
トリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、クロマトトロン(Chromatotron)(塩化メチ
レンおよび96:4:1の塩化メチレン:メタノール:ぎ酸)により精製した。
標記化合物を含む画分を真空下で濃縮し、得られた油を塩化メチレンに溶解し、
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空
下で濃縮して表題化合物(301mg、85%)をガラス質の発泡体として得た
。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05−8.20(m,2H)
、7.78−7.96(m,3H)、7.68(d,J=17Hz,1H)、7
.
32−7.60(m,3H)、7.20−7.30(m,2H)、5.65(s
,1H)、3.87(s,3H)、3.40−3.60(m,2H)、3.15
−3.20(m,1H)、3.05−3.11(dd,J=25Hz,2H)、
2.60−2.75(m,1H)、2.35−2.45(m,1H)、1.80
−2.25(m,1H)、1.65−1.85(m,2H)、1.30−1.5
5(m,2H)、1.15−1.30(m,2H)、0.79(t,J=19H
z,3H)
(c)2’−(1−ナフチル)−10,11−ジヒドロキニン二塩酸塩
2’−(4−フェニル)−10,11−ジヒドロキニンの代わりに実施例9(b)
の化合物(301mg,0.67ミリモル)で置き換える以外は実施例3(b)
の手法に従い、標記化合物(337mg,96%)を黄色結晶性固体として調製
した。元素分析(C30H34O2N2Cl2・11/2H2Oとして) 計算値:C,6
5.21;H,6.75;N,5.07 実測値:C,65.6;H,6.69;
N,4.66
実施例10
2’−(4−クロロフェノキシ)−10、11−ジヒドロキニンの調製
(a)10、11−ジヒドロキニンarN−オキシド
10、11−ジヒドロキニン(ヒドロキニン、アルドリッチ(Aldrich);10
g,0.030モル)を無水エタノール(100mL)に溶かし、マグネシウム
モノペルオキシフタレート(35g,0.057モル)を2回に分けて加えて
処理した。反応混合液を室温にて24時間撹拌した。エタノールを真空下で除去
し、残渣をCHCl3(100mL)および水(100mL)で処理した。生成
物をCHCl3に抽出し、合わせた有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液お
よび食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過および蒸発により10、
11−ジヒドロキニンジ−N−オキシドが淡黄色の発泡体として得られ、さらに
精製することなく用いた。
前記で得られた粗ジ−N−オキシドをCHCl3(100mL)に溶解し、氷
−水浴に入れた。溶液に亜硫酸ガスを40分間通じ、次いで反応フラスコに蓋を
し、室温にて18時間撹拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液に
注意深く注いだ。生成物をCHCl3で抽出し、合わせた有機層を炭酸水素ナト
リウムの飽和水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過
および蒸発により暗黄色の発泡体が得られた。粗生成物は、熱酢酸エチル−メタ
ノール混合溶液に溶解した。冷却しても結晶化は起こらなかった。次に溶液を無
水ジエチルエーテルに注ぎ放置した。非結晶性沈澱物を収集し、乾燥して、10
、11−ジヒドロキニンarN−オキシド(4g,40%,2工程)が約90%
の純度で得られた。MS(ES)m/e343.2[M+H]+
(b)2’−(4−クロロフェノキシ)−10,11−ジヒドロキニン:
10,11−ジヒドロキニンarN−オキシド(51mg,0.15ミリモル)
をCH2Cl2(0.5mL)に溶解し、0℃に冷却し、4−クロルフェノール(
20mg,0.30ミリモル)および塩化トシル(36mg,0.19ミリモル
)で処理した。トリエチルアミン(0.05mL,0.36ミリモル)を反応溶
液に徐々に加え、0℃にて20分間撹拌を続け、続いて室温にてさらに18時間
撹拌した。反応溶液をCHCl3で希釈し、5%の炭酸ナトリウムおよび食塩水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。粗生成物は、フラッシュカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、メタノール:酢酸エチル:水酸化アンモニウムが5:
94:1、7:92:1および10:89:1)により精製した。所望の画分の
蒸発により無色油が得られた。該油を無水メタノールで処理して標記化合物が無
色固体(22mg,32%)として得られた。MS(ES)m/e453.2[
M+H]+。
CGRP受容体に対する化合物の影響
テスト化合物を、ヒトの神経芽細胞腫細胞(SK−N−MC)における[125I
]CGRP(アマーシャム(Amesham)、シカゴ(Chicago)、イリノイ州(IL)から
入手)結合阻害およびCGRPを媒介とするcAMPの形成阻害作用につき検定
した。
SK−N−MC細胞はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Ameri
can Type Culture Collection)((ロックビル(Rockville)、メリーランド州(MD))
から入手し、ウシ胎児血清(10%)を含む最小必須培地(「MEM」)で増殖させ
た。細胞をT−150フラスコまたはコスターマルチウェルプレート(Costar mu
ltiwell plates)(24ウェル)中で増殖させ、湿度90%、5%CO2および9
5%空気の雰囲気のインキュベーター内で温度を37℃に維持した。[125I]CGRP結合アッセイ:
SK−N−MC細胞を5mM トリス−塩酸(pH7.4)、10mM ED
TAナトリウム中でホモゲナイズし、ホモジネートを48000gで20分間、
4℃にて遠心分離した。ペレットを20mM Na−HEPES(pH7.4)
、10mM MgCl2に再懸濁し、前記のごとき再度遠心分離した。膜ペレッ
トを同じ緩衝液に再懸濁し、−70℃にて凍結保存した。蛋白質濃度は、ウシ血
清アルブミンを標準としてピアス(Pierce)BCA法により測定した。
[125I]CGRP受容体結合アッセイは、20mM Na−HEPES(p
H7.4)、10mM MgCl2、0.05%BSAおよび0.1mg/mLの
バシトラシンを含む緩衝液を用いて行った。膜(50μg蛋白質/mL)を全容
量500μL中、様々な濃度(1、10、30、60および100uM)のテス
ト化合物および40pMの[125I]CGRPと共に25℃で60分間インキュ
ベートした。2mLの0.9%氷冷塩化ナトリウム加えて反応を停止させた後、
予め0.5%ポリエチレンイミン(PEI)に浸したスカトロン・フィルターメ
ーツ(Skatron Filtermates)を通して急速ろ過を行った。フィルターを2mLの
0.9%冷塩化ナトリウムで2回洗浄し、ガンマカウンターで放射能を計測した
。結合データは全てコンピュータープログラムのリガンド2(LIGAND2)
によって解析した。
CGRPを媒介とするcAMP形成
コスター・マルチウェル・プレート(24ウェル)中で増殖させたSK−N−
MC細胞を1mLのリン酸緩衝溶液で、次いで0.5mM イソブチルメチルキ
サンチンを補足した新鮮な緩衝液450μLで洗浄した。様々な濃度のテスト化
合物(10μL)をウェルに加え、室温にて30分間インキュベートした。次に
、50μLの10nM hCGRPを加え10分間37℃にてインキュベートし
た。50μLの100%氷冷トリクロロ酢酸を各ウェルに加えることによってイ
ンキュベーションを停止させ、ナムビ(Nambi)ら、ジェイ・ピー・イー・ティ
ー(JPET)、1986、237、143により説明されているごとくにRI
AによってcAMPを測定した。
本発明の化合物は、CGRP受容体リガンド、特にその拮抗物質として、結合
活性を示し、0.001ないし100μMの範囲のIC50値を有する。本発明の
化合物につき構造/活性相関は、未だ確立されていない。しかしながら、本明細
書中の開示情報があれば、当業者は既存の検査法を用いて式(I)のいずれの化
合物がCGRP受容体のリガンドであり、いずれが0.001ないし100μM
の範囲のIC50値でCGRP受容体と結合するのかを決定することができる。
前記の記載は、その好ましい具体例を含め、本発明を完全に開示するものであ
る。本明細書中に開示された特定の具体例の修飾および改良は、以下の請求の範
囲内にある。当業者は、前記の記載をふまえれば、さらなる推敲なしに本発明を
最大限に活用できると考えられる。従って、いかなる実施例も単なる例示であり
決して本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。本発明の
具体例の中で独占的な所有権または特権が請求されるものを以下に定義する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 626 A61K 31/00 626A
629 629
637 637
31/49 31/49
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.有効量の式: [式中、R1は水素、ヒドロキシ、CO2R4またはOR4; R2はフェニル、αまたはβナフチル、ハロフェニル、ジハロフェニル、CF3 −フェニルまたは所望により置換されていてもよいフェノキシフェニル; R3は水素、C1ないしC4アルキルまたはC2ないしC4アルケン; R4はC1ないしC4アルキル;および R5は水素またはヒドロキシを意味する] で示される化合物またはその医薬上許容される塩を治療を必要とする哺乳動物に 投与することを特徴とする哺乳動物においてCGRPを媒介とする病的状態を治 療する方法。 2.式(I)の該化合物が、 2’−(4−クロロフェニル)キニン; 2’−(4−トリフルオロメチルフェニル)キニン; 2’−(3−トリフルオロメチルフェニル)キニン; 2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロキニン; 2’−フェニル−10,11−ジヒドロキニン; 2’−(4−クロロフェニル)キニジン; 2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロキニジン; 2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロシンコニジン; 2’−(4−クロロフェニル)−6’−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロシンコ ニジン; 2’−(4−クロロフェニル)−10,11−ジヒドロ−6’−メトキシカルボニ ルシンコニジン;および 2’−(1−ナフチル)−10,11−ジヒドロキニン から選択される請求項1記載の方法。 3.式(IA): [式中、R1はヒドロキシまたはCO2R4; R2はフェニル、アルファまたはベータナフチル、ハロフェニル、ジハロフェ ニル、CF3−フェニルまたは所望により置換されていてもよいフェノキシフェ ニル; R3は水素、C1ないしC4アルキルまたはC2ないしC4アルケン; R4はC1ないしC4アルキル;および R5は水素またはヒドロキシを意味する] で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
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