JPH0720929B2 - ジヒドロカフェイン酸アミド化合物およびそれを有効成分として含有する治療剤 - Google Patents

ジヒドロカフェイン酸アミド化合物およびそれを有効成分として含有する治療剤

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JPH0720929B2
JPH0720929B2 JP63201866A JP20186688A JPH0720929B2 JP H0720929 B2 JPH0720929 B2 JP H0720929B2 JP 63201866 A JP63201866 A JP 63201866A JP 20186688 A JP20186688 A JP 20186688A JP H0720929 B2 JPH0720929 B2 JP H0720929B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジヒドロカフェイン酸アミド誘導体およびそ
の医薬品への利用に関する。さらに詳しくは、脳内特定
組織での神経成長因子(Nerve growth factor,以下NGF
と略す)の産生・分泌誘発作用を有するジヒドロカフェ
イン酸アミド誘導体およびそれを有効成分として含有す
る中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤に関す
る。
〔従来の技術〕
世界的に平均寿命の延長に伴い、各種老人病の早期診
断、原因治療の確立のための研究は急速に進展してい
る。中枢性の神経退行性疾患もその主要な研究対象であ
る。特に、その典型疾患であるアルツハイマー型老年性
痴呆症(Senile Dementia of Alzheimer Type,以下SDAT
と略す)は先進諸国を中心に増加の傾向が著しいこと、
進行性の悲惨な経過を辿ることから大きな社会問題とな
りつつある。とりわけ近年、本病態に関し多くの研究
者、臨床家が挑戦しているにもかかわらず、根本的な病
因解明はもとより、実効的な早期診断法および治療法は
未だ確立していない。
しかしながら、SDATの特徴的早期症状である記銘力の低
下や失見当識の直接原因が、大脳基底部から記憶・学習
中枢である大脳皮質や海馬へ投射する大細胞性コリン作
動性神経束の進行性の変性と、それによる該支配領域の
機能不全であることを示す病理学的所見は多数蓄積され
ている。また実際、脳内コリン作動系の賦活治療とし
て、アセチルコリン生合成前駆体ないしコリンエステラ
ーゼ阻害剤がSDAT患者に投与され、若干の症状改善例も
報告されているが、全般的には、期待されたほどの効果
は認められていない。
NGFは、R.Levi-MonterlciniやS.Cohen等によって発見さ
れて以来、数多くの研究の対象となり、すでに末梢神経
系とくに胎生期の知覚および交感神経細胞の分化と成
長、さらに成熟期の交感神経細胞の生存と機能保持に必
須の因子であることが生理学的実験によって証明されて
いる。
しかしながら、NGFは超微量生理活性物質であり、長年
の研究にもかかわらず、生体内での作用を直接裏付ける
組織内分布と動態についての正確な成績は得られなかっ
た。ごく最近、NGFの活性サブユニット(β‐NGF、以下
単にNGFと言う)に対する高感度酵素抗体測定法(Enzym
e-Linked Immunosorbent Assay,以下ELISA)の開発、改
良が進み、上記の検討に耐えうる検出感度と特異性とが
確保されるにいたった(S.Furukawaら:J.Neurochem.40,
734-744,1983およびS.KorshingとH.Thoenen:Proc.Natl.
Acad.Sci.USA80,3513-3516,1983)。
また、NGFの遺伝子がクローニングされ、構造解析され
て、β‐NGFの相補的DNA(cDNAと略す)をプローブとし
て、そのメッセンジャーRNA(mRNAと略す)を定量する
方法も確立された(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.
Natl.Acad.Sci.USA81,7951-7955,1984およびR.Heumann
ら:EMBO J.3,3183-3189,1984)。
これらの技法を用いて、まず、末梢神経系で交感神経支
配の度合いと支配組織におけるNGFの遺伝子発現との間
に正の相関が成り立つことが実証された。
さらに驚くべきことに、ラットの中枢、とりわけ、海
馬、新皮質、嗅球および前脳基底部の中隔野、ブローカ
対角帯、大細胞性基底核にもNGFが検出され、しかもそ
のmRNA含量は海馬、新皮質に高く、基底部の中隔野では
NGFの検出されない脳の他の領域程度に低いことが判明
した(S.Korshingら:EMBO J.4,1389-1393,1985)。本成
績は、その後他の研究グループによっても次々に追試さ
れた(D.L.SheltonとL.F.Reichardt:Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 83,2714-2718,1986およびS.Whittemoreら:Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 83,817-821,1986)。
この事実はNGFが末梢神経系のみならず、中枢神経系に
おいても遺伝子発現されていること、しかも大脳基底部
の起始核から記憶・学習の中枢である新皮質、海馬へ投
射しているコリン作動性神経束の支配領域で産生・分泌
されて、神経終末よりとりこまれ、逆軸策輸送によって
起始核の細胞本体に到ることを示している。NGFが本コ
リン作動性神経の生存と、機能維持に必須の因子である
ことはすでに一連の生理学的実験により証明されてお
り、したがって、この成績によって中枢神経系でもNGF
が「神経栄養因子」の一つとして特異的に機能している
ことが証明されたことになる。その後、この成績はいく
つかの研究グループによっても追試され、また脳におけ
るNGFレセプターおよび分布に関する研究からも裏付け
られた。
本発明者らは、NGFの中枢神経系での神経栄養因子とし
ての機能を研究して行く中で、SDATの早期症状である記
憶・学習障害の直接原因がコリン作動神経束の進行性の
変性とそれによっておこる支配領域の機能性不全にある
としても、該神経支配領域におけるNGFの産生・分泌不
全こそがより根本的な病因たり得るとの見地に立つに至
った。
すなわち、従来のSDATに対する対症療法、例えば、アセ
チルコリンの補充療法やavailabilityの向上療法では顕
著な改善は得られず、大脳皮質および海馬でのNGFの産
生・分泌を確保して、支配神経との間で成立している機
能上の悪循環を断つことが可能であれば、はるかに効果
的であると考えるものである。
尚、既に遺伝子のクローニングによってヒト型のβ‐NG
Fの大量調製への道は拓かれたとは言うものの、分子量1
0,000を越える蛋白質であるNGF自身の補充療法によって
は、薬理学および薬剤学上の制約が大きい。とくに中枢
神経系の適用に関しては現時点では開発の目途は立って
いない。
以上の様な観点から、NGFの実質的、かつ効果的補充療
法として、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発
する能力を有する低分子化合物の探索は重量な意味を持
つ。我々は既に本作用を有するカテコール誘導体につい
て報告した(池田:特開昭63-83020,特願昭63-63516
等)。さらに古川等の報告もある(Y.Furukawa等:J.Bio
l.Chem.,261,6039(1986)およびFEBS Letters 208 258
(1986))。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、NGFの実質的、かつ効果的補充療法と
して、NGFの特定組織における産生・分泌能を誘発する
能力のある医薬品を提供することである。すなわち、特
定神経に対して「神経栄養因子」として機能しているNG
Fの該神経支配組織の産生・分泌促進活性をもつ化合物
それ自身ないし薬理学および薬剤学的配慮に基づくその
修飾化合物は、通常の投与方法によって神経変性局部へ
のNGFの供給量を増大させ、該神経機能を回復させるこ
とを可能にすると期待される。特に、いまだに根本的治
療法の確立されていない中枢性疾患であるSDATに対し
て、これらの化合物の利用は理想的である。発症早期で
あれば、これらは末梢投与によって中枢神経系の大脳皮
質や海馬領域のNGFの産生・分泌能を高めて、支配神経
たるコリン作動性神経系の特徴的変性の進行を防止し、
損傷神経細胞の修復ないし残存神経細胞による再支配を
促して、脳機能の可塑性に依拠した新しい作用概念に基
づく画期的な治療法を提供しうるものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、NGFの特定組織における産生・分泌能を
誘発する能力を有する低分子化合物を探索してきた。
その結果、特定のジヒドロカフェイン酸アミド誘導体が
NGF産生・分泌能誘発作用を有し、中枢性神経退行性疾
患の進行防止および治療に有効であることを見出し本発
明を完成した。
すなわち、本発明は一般式(I) (式中、R1は水素原子またはアセチル基を、Xは無置
換、メチレン基、酸素原子または窒素原子を、R2は水素
原子、アルキル基、アリル基、置換アリル基、またはア
ルコキシカルボニル基を示す。)で表わされるジヒドロ
カフェイン酸アミド誘導体およびそれを有効成分として
含有する中枢性神経退行性疾患の進行防止および治療剤
である。
本発明の一般式(I)で表わされるジヒドロカフェイン
酸アミド誘導体において、アルキル基はメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基を示し、アリル基はフェニ
ル基、ナフチル基等を示し、置換アリル基はベンジル
基、フェネチル基、ジフェニルメチル基等を示し、アル
コキシカルボニル基は、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基等を示す。
さらに具体的に示せば、一般式(I)における下記の部
分構造である一般式(II) で表わされる置換基としては、ピペリジノ基、モルホリ
ノ基、ピペラジノ基、ピロリジノ基、4−メチルピペラ
ジノ基、4−ベンジルピぺラジノ基、4−ジフェニルメ
タンピペラジノ基、プロリル基、ニペコチニル基、イソ
ニペコチニル基等が好ましい。
次に本発明化合物の製造方法について述べる。
第1の方法は、入手容易なジヒドロカフェイン酸エチル
エステルと相当するアミン類を熱的に縮合させる方法で
ある。ここに熱的とは、室温から場合によっては200℃
までの範囲で加熱することをいう。この場合、多くは無
溶媒で反応は進行するが、場合によっては過剰の相当す
るアミン類、またはトルエン、キシレン等の不活性溶媒
を用いても良い。
第2の方法は入手容易なジヒドロカフェイン酸を無水酢
酸または塩化アセチルを用い通常の方法でジアセチル体
とした後、塩化チオニルで相当する酸塩化物とし、これ
と相当するアミン類を塩基の存在下で反応させる方法で
ある。この場合、塩基とは、ピリジン、トリエチルアミ
ン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の無機塩基、または過剰量の相当するアミン類である。
反応温度は0℃〜50℃の範囲が好ましく、溶媒としては
上記有機塩基、水、クロロホルム、THF、ベンゼン等の
有機溶媒が好ましい。
次に本発明化合物の中枢性神経退行性疾患の進行防止お
よび治療剤としての有効性は、以下の試験によって確認
した。
すなわち、古川(Y.Furukawa et al:J.Biol.Chem.,261,
6039(1986)により報告されている、マウス線維芽細胞
樹立株、L−M細胞(ATCC,CCLI,2)を用い、培地中に
一般式(1)の化合物を共存させることにより、産生・
分泌されるNGF濃度を高感度ELISA法によって測定する方
法を用いた。
さらに、中枢組織での主要なNGF産生・分泌細胞と考え
られるアストログリア細胞を用いた系においても、その
NGF濃度を測定した。これらの試験により一般式(1)
の化合物は非常に強いNGF産生・分泌促進能を有するこ
とが見出された。よって本発明化合物が中枢性神経退行
性疾患、とりわけSDATに対し有効な進行防止および治療
剤と成り得る可能性を確認した。
また、本発明の化合物を中枢性神経退行性疾患の進行防
止および治療剤として使用する場合、その投与量、剤形
は化合物の物性、投与対象の症状等により当然異なる
が、経口的に投与する場合、成人1日当たり50〜500mg
を1回または数回に分割し、錠剤、顆粒剤、散剤、懸濁
剤、カプセル剤等として、また非経口的に投与する場
合、1〜100mgを1回または数回に分割し、例えば注射
剤、座剤、輸液用等張液剤として投与できる。
例えば錠剤とする場合、吸着剤としては結晶性セルロー
ス、軽質無水ケイ酸等を用い、賦形剤としてはトウモロ
コシデンプン、乳糖、燐酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム等が用いられる。また注射剤とする場合、化
合物の水溶液または綿実油、トウモロコシ油、ラッカセ
イ油、オリーブ油等を用いた懸濁性水溶液、さらにはHC
O-60等の界面活性化剤等を用いた乳濁液として使用され
る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1 N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ピペリジン(化合物NO.1) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ル4.2gとピペリジン2.6gとを混合し、オートクレーブ中
150℃で4時間、加熱攪拌した。冷却後、濃縮し残査を
シリカゲルカラムクロマトにより精製する。
クロロホルム:メタノール=10:1で流出し、相当する画
分を濃縮し、残査をヘキサン−エーテルの混合溶媒で結
晶化させ濾取すると純粋なN−〔3−(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)プロピオニル〕ピペリジンが無色結晶と
して4.3g得られた。
mp 114〜115℃ NMR δppm(DMSO-d6): 1.2〜1.6(br,6H)、2.3〜2.7(m,4H)、 3.2〜3.5(m,4H)、6.25〜6.55(m,3H)、 8.5(br,2H) 実施例2 N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ピロリジン(化合物NO.2) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ルとピロリジンを用いて実施例1と同様な処理を行う事
により。N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プ
ロピオニル〕ピロリジンを得た。
mp. 172〜173℃ NMR δppm(DMSO-d6): 1.50〜2.00(m,4H)、2.20〜2.80(m,4H)、 3.10〜3.40(m,4H)、6.30〜6.70(m,3H)、 8.50(br,1H) 実施例3 N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕モルホリン(化合物NO.3) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ルとモルホリンを用い、実施例1と同様な処理を行なう
事によりN−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プ
ロピオニル〕モルホリンを得た。
mp 211〜213℃ NMR δppm(DMSO-d6): 2.4〜2.7(m,4H)、3.2〜3.6(m,8H)、 6.25〜6.60(m,3H)、8.40(s,1H)、 8.48(s,1H) 実施例4 N−メチル−N′−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル〕ピペラジン(化合物NO.4) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ルとN−メチルピペラジンを用いて実施例1と同様な処
理を行なう事によりN−メチル−N′−〔3−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ピペラジンを得
た。
mp. 190〜193℃ NMR δppm(DMSO-d6): 2.00〜2.40(m,7H)、2.40〜2.80(m,3H)、 3.20〜3.60(m,5H)、6.40〜6.70(m,3H)、 8.60(br,2H) 実施例5 N−ベンジル−N′−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル〕ピペラジン(化合物NO.5) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ルとN−ベンジルピペラジンを用いて実施例1と同様な
処理を行なう事によりN−ベンジル−N′−〔3−(3,
4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ピペラジン
を得た。
mp. 178〜180℃ NMR δppm(DMSO-d6): 2.20〜2.40(m,4H)、2.40〜2.70(m,4H)、 3.20〜3.60(m,6H)、6.30〜6.80(m,3H)、 7.20〜7.56(m,4H)、8.56(s,2H) 実施例6 N−ジフェニルメチル−N′−〔3−(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)プロピオニル〕ピペラジン(化合物NO.
6) 3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸エチルエステ
ルとN−ジフェニルメチルピペラジンを用いて実施例1
と同様な処理を行なう事によりN−ジフェニルメチル−
N′−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオ
ニル〕ピペラジンを得た。
mp. 163〜164℃ NMR δppm(CDCl3): 2.00〜3.00(m,8H)、3.10〜3.70(m,4H)、 4.12(s,1H)、6.00〜7.60(m,13H) 実施例7 N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕−L−プロリンメチルエステル(化合物NO.7) 1)3,4−ジアセチルフェニルプロピオン酸2gをクロロ
ホルム10mlに溶解し、塩化チオニル8.9gを加えた。50℃
で2時間加熱攪拌した後、減圧下溶媒を留去すると、残
渣として粗3,4−ジアセチルフェニルプロピオン酸クロ
ライドが2.1g得られた。これ以上精製する事なく以下の
反応に供した。
2)L−プロリンメチルエステル塩酸塩1.49gをクロロ
ホルム15mlに懸濁させ、トリエチルアミン3gを加えた。
氷冷下、1)で調整した酸クロライドの7mlクロロホル
ム溶液を滴下した。室温で一夜放置した後、50℃で1時
間加熱攪拌した。冷却後反応液を氷水10mlに注ぎ、クロ
ロホルム層は1規定塩酸25mlで2回、食塩水25mlで1回
洗浄した。無水芒硝で乾燥した後、濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトで精製した。クロロホルム:メタ
ノール50:1で流出させると、無色油状物としてN−〔3
−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニル〕−L
−プロリンメチルエステルが1.25g得られた。
NMR δppm(CDCl3): 1.60〜2.40(m,4H)、2.12(s,3H)、 2.30(s,3H)、2.40〜3.10(m,4H)、 3.72(s,3H)、3.20〜3.90(m,2H)、 4.32〜4.50(m,1H)、6.60〜7.20(m,3H) 3)N−〔3−(3,4−ジアセトキシフェニル)プロピ
オニル〕−L−プロリンメチルエステル1.0gをメタノー
ル5mlに溶解させ、氷冷下5%アンモニア水10mlを加
え、1時間攪拌した。氷冷下6規定塩酸で反応液を弱酸
性にした後、クロロホルムで2回抽出した。無水芒硝で
乾燥した後、溶媒を留去すると、無色油状物としてN−
〔3−(3,4−ジアセトキシフェニル)プロピオニル〕
−L−プロリンメチルエステルが0.7g得られた。
NMR δppm(CDCl3): 1.60〜2.30(m,4H)、2.30〜3.00(m,4H)、 3.00〜3.60(m,2H)、3.64(s,3H)、 4.40〜4.60(m,1H)、6.40〜6.80(m,3H)、 6.90(br,1H)、7.60(br,1H) 実施例8 N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕−ニペコチン酸エチルエステル(化合物NO.8) 実施例7におけるL−プロリンメチルエステル塩酸塩
を、ニペコチン酸エチルエステル塩酸塩に変えて、実施
例7と同様な処理を行う事により無色油状物としてN−
〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオニル〕
−ニペコチン酸エチルエステルを得た。
NMR δppm(CDCl3): 1.20〜1.48(m,3H)、1.46〜2.40(m,5H)、 2.40〜3.54(m,6H)、3.54〜4.68(m,4H)、 6.50〜7.20(m,4H)、7.66(br,1H) 実施例9 〈急性毒性〉 5週齢のddY系の雄性マウス1群1匹使用し、試験化合
物(化合物NO.1〜8)は0.5%Tween80に懸濁して実験に
供した。試験化合物を腹膣内に投与し、1日及び4日後
の死亡数を測定し、LD50値を算出した。
いずれの化合物もLD50値は1000mg/kg以上であり、急性
毒性は非常に弱かった。
実施例10 〈マウスL・M細胞に対するNGF産生・分泌促進作用〉 古川らの方法(Y.Furukawaら:J.Biol.Chem.261,6039-60
47,1986)に従った。
すなわち、0.5%ペプトン添加199培地(Gibco社製)に
てL−M細胞を前培養し、24孔培養プレート(Falcon社
製、培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/
培養孔の細胞をまき、3日間37℃にて培養して完全コン
フルエント(約106細胞/培養孔)とする。培地を0.5%
牛血清アルブミン(第五画分、Armour社製)添加199培
地(0.5ml/培養孔)に交換する。被検化合物は本培地中
に所定の濃度で含有させ、24時間後の培養培地中のNGF
濃度を高感度ELISA法(S.Furukawaら:J.Neurochem.40,7
34-744,1983)によって測定する。
結果は被検化合物を含まない培地にて培養した対象の培
養培地中の濃度に対する倍率として求めた。本ELISA法
の検出限界は0.25pg/mlであり、対照のNGF濃度は、通常
50-200pg/0.5ml/培養孔である。値は同一細胞標品を用
いた4回の試行の平均値として示してある。
結果を表1に示す。
実施例11 〈マウス脳アストログリア細胞に対するNGF産生・分泌
促進作用〉 アストログリア細胞はマウス前脳から誘導し、培養系に
移した(S.Furukawaら:Biochem.Biophys.Res.Commun.13
6,57-63.1986)。
すなわち、生後8日目のマウス脳を細切し、カルシウ
ム、マグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水(以下PB
S)で洗浄後、0.25%トリプシン含有PBS中で37℃、30分
間処理し、パスツール・ピペットで組織をほぐして懸濁
液とする。200×gで5分間遠心して細胞および細胞凝
集体を回収する。これを10%牛胎児血清、5×10-5ユニ
ットmlのペニシリン、5μg/mlのストレプトマイシンを
含有するダルベッコ変性イーグル培地(以下DMEM培地、
Gibco社製)に移し、3日毎に同培地を変換しながら、1
0〜14日間初代培養する。コンフルエントに達したら、
トリプシン処理して別の培養器に分配して植え継ぐ。さ
らに2回以上植え継いで形態的に均一な細胞集団とす
る。本実験に用いるのは、抗ヒトグリア線維タンパク質
(GFAP)ウサギ抗血清を用いたPAP染色法(パーオキシ
ダーゼ抗パーオキシダーゼ染色法)で、97%以上が染色
される細胞集団であり、これを以下アストログリア細胞
と呼ぶ。
アストログリア細胞を24孔培養プレート(Falcon社製、
培養孔あたりの培養面積2.1cm2)に約3×104個/培養
孔まき、10%牛胎児血清含有DMEM培地にて3日間培養し
完全コンフルエント(約107細胞/培養孔)とする。培
地を0.5%牛血清アルブミン(第五画分)含有DMEM培地
に交換(0.5ml/培養孔)して3日間培養する。さらに3
日間毎培地交換して細胞を培養静止期(quiscent stag
e)に誘導する。被検化合物を所定の濃度で含む0.5mlの
同培地に交換し、24時間後の培養培地中のNGF濃度を前
述の高感度ELISA法によって測定する。結果は被検化合
物を含まない培地で培養した対照の培養培地中の濃度に
対する倍率として求めた。本ELISAの検出限界は0.25pg/
mlであり、対照のNGF濃度は通常1〜10pg/0.5ml培養孔
であった。値は同一細胞標品を用いた4回の試行の平均
値として示してある。
結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 211/60 295/18 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1は水素原子またはアセチル基を、Xは無置
    換、メチレン基、酸素原子または窒素原子を、R2は水素
    原子、アルキル基、アリル基、ベンジル基、ジフェニル
    メチル基またはアルコキシカルボニル基を示す。)で表
    されるジヒドロカフェイン酸アミド誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(I) (式中、R1、R2およびXは前記した意味を有する。)で
    表されるジヒドロカフェイン酸アミド誘導体を有効成分
    として含有する中枢性神経退行性疾患の進行防止および
    治療剤。
JP63201866A 1988-03-18 1988-08-15 ジヒドロカフェイン酸アミド化合物およびそれを有効成分として含有する治療剤 Expired - Lifetime JPH0720929B2 (ja)

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