JPH069617A - ベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル−ピペラジン、その製法および医薬としてのその使用 - Google Patents

ベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル−ピペラジン、その製法および医薬としてのその使用

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JPH069617A
JPH069617A JP5115623A JP11562393A JPH069617A JP H069617 A JPH069617 A JP H069617A JP 5115623 A JP5115623 A JP 5115623A JP 11562393 A JP11562393 A JP 11562393A JP H069617 A JPH069617 A JP H069617A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、式I 【化1】 〔式中、mは、1または2の整数であり、それぞれのX
は、独立して水素、ハロゲン、低級アルコキシまたはト
リフルオロメチルであり、nは、2または3の整数であ
り、pは、0、1または2の整数であり、qは、1また
は2の整数であり、それぞれのRは、独立して水素、低
級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、−NH−ア
ルキル、−C(O)−アルキル、−CH(OH)−アルキル
または−NH−C(O)−アルキルであり、“アルキル”
は、1〜6個の炭素原子のアルキル基を意味する〕を有
する化合物またはその医薬的に許容し得る酸付加塩およ
びこれらの化合物の製造方法に関するものである。 【効果】 この化合物は抗精神病活性を有し医薬として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は以下に記載する式Iを有する化合
物に関するものである。
【0002】
【化4】 上記式において、mは、1または2の整数であり、それ
ぞれのXは、独立して水素、ハロゲン、低級アルコキシ
またはトリフルオロメチルであり、nは、2または3の
整数であり、pは、0、1または2の整数であり、q
は、1または2の整数であり、それぞれのRは、独立し
て水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、
−NH−アルキル、−C(O)−アルキル、−CH(OH)
−アルキルまたは−NH−C(O)−アルキルである。
【0003】“アルキル”なる用語は、1〜6個の炭素
原子のアルキル基を意味する。これらの化合物は、抗精
神病剤として有用である。特にことわらない限り、明細
書および特許請求の範囲を通して、次の定義が適用され
る。低級アルキルなる用語は、1〜6個の炭素原子を有
する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。こ
の低級アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、イソ−ブチル、第2ブチルおよび直
鎖状または分枝鎖状のペンチルおよびヘキシルである。
ハロゲンなる用語は、弗素、塩素、臭素または沃素を意
味する。
【0004】明細書および特許請求の範囲を通じて、与
えられた化学式および化学名は、存在する場合は、すべ
ての幾何学的異性体、立体異性体、光学異性体および互
変異性体を包含する。本発明の化合物は、次の反応スキ
ームを利用して製造することができる。合成工程の説明
を通じて、記号m、n、p、q、XおよびRは、特にこ
とわらない限り、上述した意義を有す。
【0005】工程A 式IIの3−アミノ−2−メトキシカルボニル−ベンゾ
〔b〕チオフェン化合物を脱カルボキシル化反応にうけ
しめて式IIIの化合物を得る。
【0006】
【化5】
【0007】この反応は、3−ヒドロキシ−2−メトキ
シカルボニルインドールの脱カルボキシル化についてPe
rregardの米国特許第4,710,500号に記載されて
いる方法と実質的に同様なやり方で達成することができ
る。
【0008】工程B 酸触媒の存在下または不存在下において化合物IIIをピ
ペラジンと反応させて式IVの化合物を得る。この反応の
詳細については、再びPerregardの米国特許第4,71
0,500号を参照されたい。式IIIの中間体化合物を単
離、精製することなしに、工程AおよびBを連続的に実
施することができる。
【0009】
【化6】
【0010】工程C 式Vの化合物を酸化して式VIの化合物を得る。この反応
の詳細については、例えばGeneste等、Bull. Soc. Chi
m. France, 271(1977)およびGeneste等、Tetrahedron L
etters, 28, 2345(1975)を参照されたい。
【0011】
【化7】
【0012】工程D 工程Bにおけると実質的に同じやり方で化合物VIをピペ
ラジンと反応させて式VIIの化合物を得る。
【0013】
【化8】
【0014】工程E 化合物Vを酸化して式VIIIのジオキシド化合物を得る。
この反応の詳細については、例えばBordruell等、J. Am
er. Chem. Soc. 70, 1558(1948)およびGeneste等、Bul
l. Soc. Chim. France, 27(1977)およびGeneste等、Tet
rahedron Letters, 28, 2345を参照されたい。
【0015】
【化9】
【0016】工程F 化合物VIIIを、工程Dにおけると実質的に同じやり方
で、ピペラジンと反応させて式IXの化合物を得る。
【0017】
【化10】
【0018】工程G 当業者に知られている普通のやり方で、工程B、Dまた
はFから得られた式X(式中、pは0、1または2であ
る)の化合物を、式XI(式中、HalはClまたはBr
である)のクロロまたはブロモ化合物と反応させて式I
の標的化合物を得る。
【0019】
【化11】
【0020】本発明の式Iの化合物は、哺乳動物におけ
るアポモルフィン−誘発登攀をブロックする化合物の能
力のために、精神病を治療するのに有用である。
【0021】抗精神病活性は、P. Protais等〔Psychoph
armacol., 50, 1(1976)およびB. Costal〔Eur. J. Phar
macol., 50, 39(1978)〕により記載されている方法と同
様な方法によって、登攀マウス検査で測定される。
【0022】被検動物CK−1雄マウス(23〜27
g)を、標準実験条件下でグループ別に飼育する。マウ
スを、個々に金網かご(4″×4″10)に入れそして
1時間新しい環境に適応させおよび探査させる。それか
ら、アポモルフィンを1.5mg/kg(すべての被検動物
が30分登攀する投与量)で皮下的に注射する。抗精神
病活性について試験される化合物を、10mg/kgのスク
リーニング投与量で、アポモルフィン挑戦の30分前に
腹腔内的に注射する。
【0023】登攀の評価のために、次のスケールにした
がって、アポモルフィンの投与後10、20および30
分において3回の判断を行う。 登攀行動 スコアー 底部に4本の足がある(登攀しない) 0 壁上に2本の足がある(後ろ足で立つ) 1 壁上に4本の足がある(完全に登攀する) 2 アポモルフィンの注射前に一貫して登攀するマウスは、
捨てる。
【0024】十分に進行したアポモルフィン登攀におい
ては、動物は、長時間にわたって、静止していないでか
ご壁にしがみつく。これに反して、異なるモーター刺激
による登攀は、普通数秒持続するにすぎない。
【0025】登攀スコアーを個々に総計し(最高のスコ
アー:3回の判断にわたり1匹のマウス当り6)そして
比較対照の全スコアー(腹腔内的にベヒクル−皮下的に
アポモルフィン)を100%とする。95%の信頼限界
のED50を線状回帰分析により計算する。ED50として
表示した抗精神病活性を、本発明の代表的化合物ならび
に2種の参照化合物について、表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】本発明の化合物の有効量は、種々な方法の
何れかの方法で、例えばカプセルまたは錠剤として経口
的に、滅菌溶液または懸濁液の形態で非経口的にそして
ある場合においては滅菌溶液の形態で静脈内的に患者に
投与することができる。遊離塩基の最終生成物は、それ
自体で有効であるけれども、安定性、結晶化の容易さ、
増加して溶解度などの目的のために医薬的に許容し得る
酸付加塩の形態で処方しそして投与することができる。
【0028】本発明の医薬的に許容し得る酸付加塩を製
造するのに有用な酸は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素
酸、硫酸、硝酸、燐酸および過塩素酸、にらびに有機
酸、例えば酒石酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、マレイ
ン酸、フマール酸、2−ナフタレンスルホン酸および蓚
酸を包含する。
【0029】本発明の活性化合物は、例えば不活性希釈
剤または可食担体とともに経口的に投与することができ
る、または、これらの化合物を、ゼラチンカプセル中に
封入することができる、またはこれらの化合物を錠剤に
圧縮することができる。経口的治療投与の目的のため
に、本発明の活性化合物を賦形剤と混合しそして錠剤、
トローチ、カプセル、エリキサー、懸濁液、シロップ、
ウエハース、チューインガムなどの形態で使用すること
ができる。これらの製剤は、活性化合物少なくとも0.
5%を含有しなければならないが、これらの量は特定の
形態により変化することができそして有利には単位の重
量の約4〜70%の間にある。このような組成物中の活
性化合物の量は、適当な投与量が得られるような量であ
る。本発明による好ましい組成物および製剤は、経口投
与単位形態が活性化合物1.0〜300mgを含有するよ
うに製造される。
【0030】錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、
また、次の成分、すなわち、結合剤、例えば微小結晶性
セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン、賦形
剤、例えば澱粉またはラクトース、崩壊剤、例えばアル
ギン酸、プリモゲル、とうもろこし澱粉など、滑沢剤、
例えばステアリン酸マグネシウムまたはステロテック
ス、滑走剤、例えばコロイド二酸化珪素および甘味剤、
例えばスクロースまたはサッカリン、風味剤、例えば薄
荷、サリチル酸メチルまたはオレンジ風味料を含有する
こともできる。投与単位形態がカプセルである場合は、
それは、上記型の物質以外に、液状担体、例えば脂肪油
を含有することができる。他の投与単位形態は、投与単
位の物理的形態を変性する他の種々な物質、例えばコー
ティングを含有することができる。すなわち、錠剤また
はピルは、糖、シェラックまたは他のエンテリック被覆
剤で被覆することができる。シロップは、活性化合物以
外に、甘味剤としてのシュクロースおよびある防腐剤、
染料、色素および風味料を含有することができる。これ
らの種々な組成物を製造するために使用される物質は、
医薬的に純粋でありそして使用される量において非毒性
であらねばならない。
【0031】非経口的治療投与にあたっては、本発明の
活性化合物を、溶液または懸濁液中に混合することがで
きる。これらの製剤は、活性化合物を少なくとも0.1
%含有しなければならないが、これらの量は、製剤の重
量の0.5〜約30%の間に変化することができる。こ
のような組成物中の活性化合物の量は、適当な投与量が
得られるような量である。本発明による好ましい組成物
および製剤は、非経口的投与単位が活性化合物0.5〜
100mgを含有するように製造される。
【0032】この溶液または懸濁液は、また、次の成
分、すなわち、滅菌希釈剤、例えば注射用の水、生理食
塩溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセ
リン、プロピレングリコールまたは他の合成溶剤、抗菌
剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン、
抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または酸性亜硫酸ナト
リウム、キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢
酸、緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩または燐酸塩お
よび緊張調節剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキスト
ロースを含有することができる。非経口製剤は、ガラス
またはプラスチックから製造された使い捨て注射器また
は多数投与バイアル中に封入することができる。
【0033】本発明の化合物の例は、次の化合物を包含
する。 1−〔4−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキ
シ〕−3−メトキシフェニル〕エタノン 1−〔4−〔3−〔4−(6−クロロベンゾ〔b〕タオ
フエン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕
−3−メトキシフェニル〕エタノンS,S−ジオキシド 1−〔4−〔3−〔4−(ベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕−3−メト
キシフェニル〕エタノン N−〔3−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキ
シ〕−4−メトキシフェニル〕アセトアミド 1−〔4−〔3−〔4−(6−クロロベンゾ〔b〕チオ
フェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕
−3−メトキシフェニル〕エタノン 1−〔4−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキ
シ〕−3−(メチルアミノ)フェニル〕エタノン N−〔3−〔2−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕エトキシ〕
フェニル〕アセトアミド N−〔3−〔3−〔4−ベンゾ〔b〕チオフェン−3−
イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕フェニル〕ア
セトアミド 6−フルオロ−3−〔4−(3−フエノキシプロピル)
−1−ピペラジニル〕ベンゾ〔b〕チオフェン 1−〔4−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキ
シ〕−3−ヒドロキシフェニル〕エタノン 4−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チオフェ
ン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕−3
−メトキシ−α−メチルベンゼンメタノール 6−フルオロ−3−〔4−〔3−(2−メトキシフエノ
キシ)プロピル〕−1−ピペラジニル〕ベンゾ〔b〕チ
オフェン、および 1−〔4−〔3−〔4−ベンゾ〔b〕チオフェン−3−
イル)−1−ピペラジニル〕プロポキシ〕−3−メトキ
シフェニル〕エタノンS−オキシド。
【0034】以下の実施例は、本発明を説明するために
示すものである。 実施例1 1−〔4−〔3−〔4−(6−フルオロベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−1−ピペラジニル〕プロポキ
シ〕−3−メトキシフェニル〕エタノン 1−〔4−(3−ブロモプロポキシ)−3−メトキシフ
ェニル〕エタノン(4.42g)、3−(1−ピペラジ
ニル)−6−フルオロベンゾ〔b〕チオフェン(4.0
0g)、炭酸カリウム(6.40g)、沃化ナトリウム
(0.30g)およびジメチルホルムアミド(50ml)
の混合物を、窒素雰囲気下65℃で6時間加熱する。混
合物を10%水酸化ナトリウム(300ml)でうすめそ
して50%エーテル/トルエン(3×100ml)で抽出
する。合した抽出液を水(100ml)および食塩水(1
00ml)で洗滌し、乾燥(硫酸ナトリウム)しそして減
圧下で濃縮する。残留物を、シリカゲル上でクロマトグ
ラフィー処理(ジクロロメタン中の5%メタノールで溶
離)してゴム状物質3.98gを得る。
【0035】アミン(3.62g)、エタノールおよび
トルエンの溶液に、フマール酸(0.960g)および
エタノールの溶液を加える。得られた溶液を濃縮して固
体を得、この固体をメタノール/エタノールから再結晶
して結晶性物質3.06gを得た。融点172〜174
℃。 分析値(C2831FN27Sに対する) 計算値:C 60.20%、H 5.59%、H 5.0
1% 実測値:C 60.27%、H 5.72%、N 5.0
5%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨン・ジー・ジユアカク アメリカ合衆国ニユージヤージー州07087. ユニオンシテイー.ストリート538−36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 〔式中、 mは、1または2の整数であり、 それぞれのXは、独立して水素、ハロゲン、C1〜C6
    アルコキシまたはトリフルオロメチルであり、 nは、2または3の整数であり、 pは、0、1または2の整数であり、 qは、1または2の整数であり、 それぞれのRは、独立して水素、C1〜C6−アルキル、
    1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、−NH−C1〜C6
    −アルキル、−C(O)−C1〜C6−アルキル、−CH
    (OH)−C1〜C6−アルキルまたは−NH−C(O)−C
    1〜C6−アルキルである〕の化合物またはその医薬的に
    許容し得る酸付加塩。
  2. 【請求項2】 化合物が、1−〔4−〔3−〔4−(6
    −フルオロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−1−
    ピペラジニル〕プロポキシ〕−3−メトキシフェニル〕
    エタノンまたはその医薬的に許容し得る酸付加塩である
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 活性成分として請求項1記載の化合物お
    よびそれに対する適当な担体を含有する医薬組成物。
  4. 【請求項4】 抗精神病活性を有する医薬を製造するた
    めの請求項1記載の化合物の使用。
  5. 【請求項5】 式X 【化2】 (式中、X、mおよびpは請求項1において定義した通
    りである)の化合物を式XI 【化3】 (式中、R、nおよびqは、請求項1において定義した
    通りであり、Halはクロロまたはブロモである)の化
    合物と反応させることからなる請求項1記載の化合物の
    製法。
JP5115623A 1992-05-19 1993-05-18 ベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル−ピペラジン、その製法および医薬としてのその使用 Expired - Lifetime JP2673089B2 (ja)

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US07/885,331 US5240927A (en) 1992-05-19 1992-05-19 Benzo[β]thiophen-3-yl piperazines as antipsychotic agents
US885331 1992-05-19

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JPH069617A true JPH069617A (ja) 1994-01-18
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