JPH06949U - 自動車用側方ミラー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に且つ低コストで構成し得ると共に、不
使用時の見栄えが損なわれないようにした、自動車用側
方ミラー装置を提供する。 【構成】 自動車の前端に設けられたラジエターグリル
１２の一部が、可動部１３として、ラジエターグリルの
他の本体部分１４と分離して別体に形成されており、該
可動部が、本体部分に対して上昇し得るように且つ垂直
軸の周りに回動可能に支持されていて、その背面に取り
付けた反射ミラー１７を備えているように自動車用側方
ミラー装置１０を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】 この考案は、運転者が自動車の左右方向を視認することができるように、自動 車の前端付近に設けられる自動車用側方ミラー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このような自動車用側方ミラー装置は、例えばボンネットの前端にネジ 止め等により固定された断面が三角形状のミラー装置が知られているが、このよ うなミラー装置は、見通しの悪い交差点等においては、左右の安全を確認するた めには有用であるものの、通常の走行時には運転者の視界を妨げることになって しまうという問題があった。

【０００３】 このため、例えば自動車のバンパにパンタグラフ状のリンクにより昇降可能に 支持された、同様に断面が三角形状のミラーを支持するようにした側方ミラー装 置が、実開昭５９−１８６１５１号公報に開示されている。この側方ミラー装置 においては、不使用時には、ミラーがバンパ内に折り畳まれて、このバンパ内に 格納され得ることになる。

【０００４】 また、自動車の前部のボンネット上に、昇降可能に支持された側方ミラーを配 設した側方ミラー装置が、実開昭５９−８７３４２号公報にて開示されている。 この側方ミラー装置においては、不使用時には側方ミラーが下降せしめられて、 ボンネット内に格納されるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように構成された自動車用側方ミラー装置においては、バ ンパ内に格納する型式の場合にも、ミラー装置を格納するために、バンパ自体が 専用部品を必要とし、且つ大型化し複雑化してしまうため、部品コストが高くな ってしまうと共に、不使用時の見栄えが損なわれてしまうという問題がある。ま たボンネット内に格納する型式の場合には、ボンネット自体が専用部品を必要と すると共に、このボンネット内にミラー装置の格納スペースを確保する必要があ り、全体が大型化すると共に、全体の構造が複雑になってしまうという問題があ った。

【０００６】 この考案は、以上の点に鑑み、簡単に且つ低コストで構成し得ると共に、不使 用時の見栄えが損なわれないようにした、自動車用側方ミラー装置を提供するこ とを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案による自動車用側方ミラー装置は、自動車 の前端に設けられたラジエターグリルの一部が、可動部としてこのラジエターグ リルの他の本体部分と分離して別体に形成されており、この可動部が、本体部分 に対して上昇し得るように且つ垂直軸の周りに回動可能に支持されていて、その 背面に取り付けられた反射ミラーを備えていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、不使用時には可動部を下降させておくことにより、この可 動部はラジエターグリルとして一体化して視認され得ることにより、見栄えが損 なわれるようなことはなく、また使用時には、可動部をラジエターグリルの本体 部分から上昇させて、該可動部をボンネットより高い位置に持ち来し、その位置 でこの可動部を垂直軸の周りに適宜の角度だけ回動させることにより、所望の側 方がこの可動部の背面に取り付けられた反射ミラーを介して運転者によって視認 され得ることになる。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に示した実施例に基づいて、この考案を詳細に説明する。 図１はこの考案による自動車用側方ミラー装置の一実施例を示している。この 自動車用側方ミラー装置１０は、自動車１１の前端に設けられたラジエターグリ ル１２に組み込まれている。 即ち、自動車用側方ミラー装置１０は、自動車１１の前端に設けられたラジエ ターグリル１２の一部（図示の場合、ほぼ中央部）が、可動部１３としてこのラ ジエターグリル１２の他の本体部分１４と分離して別体に形成されている。

【００１０】 可動部１３はラジエターグリル１２の枠部１５に載置され且つ内蔵されたモー タの駆動軸がこの枠部１５上に取り付けられた歯車１６と噛合することにより、 該モータの駆動により垂直軸の周りに回動し得るように支持されていると共に、 その背面には反射ミラー１７が取り付けられている。

【００１１】 上記枠部１５は、図２に示すように、ラジエターグリル１２の本体部分１４の 上縁付近に一側が枢支されたフレーム１８の他側に対して枢支されていることに より、図示しないモータ等によりこのフレーム１８が回動されたとき、該本体部 分１４に対して平行移動せしめられる。これにより、可動部１３は、ラジエター グリル１２の本体部分１４と一体化した格納位置（図３参照）から、矢印で示す ように、前方へ突出し且つ上昇せしめられた使用位置（図４参照）まで、持ち来 され得るようになっている。

【００１２】 この考案による自動車用側方ミラー装置１０は以上のように構成されており、 不使用時には、図３に示すように可動部１３を下降させておくことにより、この 可動部１３はラジエターグリル１２として本体部分１４と一体化して視認され得 る。従って、このラジエターグリル１２そして自動車の見栄えが損なわれるよう なことはない。

【００１３】 この状態から、側方ミラー装置１０を使用する場合には、フレーム１８を図示 しないモータ等により回動させることにより、ラジエターグリル１２の枠部１５ が本体部分１４に対して前方に向かって上昇せしめられ、これによって図４に示 すように、可動部１３はラジエターグリル１２の本体部分１４から上昇せしめら れて、ボンネットより高い位置に持ち来たされる。

【００１４】 ここで、可動部１３に内蔵されたモータを駆動させることにより、この可動部 １３は垂直軸の周りに適宜の角度だけ回動せしめられる。これにより、自動車の 左右のうち、所望の方向がこの可動部１３の背面に取り付けられた反射ミラー１ ７を介して運転者によって視認され得ることになる。このとき、可動部１３は、 前方に移動されていることによって左右方向に対する見通しがよくなるようにな っている。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によれば、可動部をラジエターグリルの本体部分 から上昇させてボンネットより高い位置に持ち来し、その位置で可動部を垂直軸 の周りに適宜の角度だけ回動させることにより、所望の側方がこの可動部の背面 に取り付けられた反射ミラーを介して運転者によって視認され得ることになる。 そして、ラジエターグリル自体は、比較的小さい部品であることから、専用部品 を使用したとしても、あまりコストが上昇するようなことはなく、比較的低コス トで作製されることができる。 かくして、この考案によれば、簡単に且つ低コストで構成され得ると共に、不 使用時の見栄えが損なわれることのない、極めて優れた自動車用側方ミラー装置 が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による自動車用側方ミラー装置の一実
施例を自動車に装着した使用時の概略斜視図である。

【図２】図１の側方ミラー装置の分解斜視図である。

【図３】図１の側方ミラー装置の不使用時の斜視図であ
る。

【図４】図１の側方ミラー装置の使用時の斜視図であ
る。

【図５】図１の側方ミラー装置の可動部を回動させた状
態の概略斜視図である。

【符号の説明】

１０ 自動車用側方ミラー装置 １１ 自動車 １２ ラジエターグリル １３ 可動部 １４ 本体部分 １５ 枠部 １６ 歯車 １７ 反射ミラー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の前端に設けられたラジエターグ
   リルの一部が、可動部として該ラジエターグリルの他の
   本体部分と分離して別体に形成されており、該可動部
   が、本体部分に対して上昇し得るように且つ垂直軸の周
   りに回動可能に支持されていて、その背面に取り付けら
   れた反射ミラーを備えていることを特徴とする、自動車
   用側方ミラー装置。