JPH0694938B2 - ターミナル型空調機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はビルの室内、屋外等に設置し、各室内に冷暖気
の送給および還気、排気の熱交換処理の全てを一台の機
器にて全自動的に行なわしめると共に、特に上記室内の
インテリア、ペリメータ側等夫々の空気環境に同時に理
想的な空調分布を求めることができ得るターミナル型空
調機に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ビル等多数の室内毎に冷暖空調を送給する手段と
して給気、還気、排気等の各機構装置部分を各室内の夫
々に配置が行なわれていたのであるが、此れら機構部分
の分散配置は取付、メンテ等の諸作業が非常に煩雑であ
り、且つ設置スペースは勿論のこと、コスト高となる懸
念があった。

斯かる欠点を解決する手段として、上記夫々の機構を一
体化とした所謂ターミナル型空調機が開発されるに至っ
たのである。

〔発明が解決しようとする課題〕

而るに上記構造によるターミナル型空調機は一体的構造
にて非常に至便である反面、例えば近時、課題と為され
ている同一室内であってもインテリア側とペリメータ側
等の如く人員数、窓際、建築構造等によって空気条件を
全く異とする箇所範囲において夫々に適した理想的な空
気温度を求めることは不可能であった。

本発明は叙上の問題に鑑みて機体内の一方熱交換室内に
複数箇の熱交換器を斜設配置し、該熱交換器と連通する
送風路、吹出口をインテリア、ペリメータ方向側に必要
において切換え自在に構成したことによって、各方向側
に同時に最適なる冷暖空気分布を確実に求め得ようとす
るをその主な目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成する手段として機体上部に外気
取入口、還気口、インテリアおよびペリメータ側の給気
口、排気口の各空気出入口を開口設け、機体内部に上記
外気取入口と、給気口を連通する送風通路（ａ）を、ま
た還気口と排気口を連通する送風通路（ｂ）を隣接に形
成設け、上記送風通路（ａ）内に全熱交換器、給気用SA
送風機を他方の送風通路（ｂ）内には還気用RA送風機等
の機構を各配置し、上記両送風通路（ａ）、（ｂ）間に
バイバスダンパー機構を設置してなるターミナル型空調
機の上記送風通路（ａ）内に熱交換室（ｃ）を形成し、
該熱交換室内に数箇の冷却、加熱コイルを左右または前
後方向に斜設し、夫々の冷却、加熱コイルの送風通路
（a₁）、（a₂）を上記インテリア側給気口、ペリメータ
側給気口に連通すると共に上記送風通路内に設けた風量
調整機構の開閉操作によって室内のインテリア側、ペリ
メータ側に同時に或は一方のみに必要とする冷、暖気を
送給行なわしめんとすることを特徴とするターミナル型
空調機を提供しようとするものである。

〔作 用〕

外気取入口（２）から取入れられた外気は全熱交換器
（８）を径て給気用SA送風機（９）により熱交換室
（ｃ）内に流れ冷却、加熱コイル（11）、（12）にて適
当温度に熱交換しインテリア側給気口（５）、ペリメー
タ側給気口の（６）よりダクト（図示省略）を介して室
内側に各設置せるインテリア、ペリメータ夫々の送風ユ
ニットに送給し室内の必要とする箇処に最適なる冷暖気
を供給する。

また上記、給配作動と同時に室内側よりの汚染空気はダ
クト（図示省略）還気口（４）より送風通路（ｂ）内に
流れ、排気口（３）より室外に排気するがその途中にお
いて全熱交換器（８）にて熱回収が行なわれているが、
その一部はバイバスダンパー（25）の作動によって上記
送風通路（ａ）内を流れる外気と混流し、該排気の使用
熱量を有効に利用しようとするものである。

本発明は叙上の構成による空調機においてインテリア側
送風通路（a₁）或はペリメータ側（a₂）の風量調整機構
（19）、（20）を開閉調整により左右両側の冷却、加熱
コイル（11）、（12）よりの冷、暖空気が夫々のコイル
機能に応じて何れか一方側のみ或は同時に送風通路
（a₁）、（a₂）を流れ、以て必要とする室内の箇処に最
適なる冷、暖空気を送給分布を行なわしめることゝな
る。

〔実施例〕

以下、本発明の実施の態様を例示図に付いて詳説する
と、機体（１）の上方前面部に外気取入口（２）、排気
口（３）、室内空気の還気口（４）およびインテリア側
給気口（５）、ペリメータ側給気口（６）を各開口設
け、該外気取入口（２）を機内にＵ型状に形成せる送風
通路（ａ）を介して上記インテリア、ペリメータ側の各
給気口（５）、（６）と連通すると共に上記送風通路
（ａ）と併設に隣接して還気口（４）と排気口（３）を
連通する送風通路（ｂ）を形成する。

また上記、送風通路（ａ）内には全熱交換器（８）、給
気用SA送風機（９）、同上電動機（10）を配置し、該通
路一方の熱交換室（ｃ）内に必要能力の冷却、加熱コイ
ル（11）、（12）を前後方向或は左右に対向する略Ｖ型
状に斜設し、該コイル下方にドレンパン（13）、（1
4）、加湿器（15）、（16）を各配置する。

また上記、一方側のペリメータ側の冷却、加熱コイル
（12）には更に能力を上げる目的にて加熱コイル（17）
を併設する場合もある。

なお、上記両側冷却、加熱コイル（11）、（12）の上部
送風通路は（18）にて上記のインテリア側給気口
（４）、ペリメータ側給気口（６）に夫々連通する送風
通路（a₁）、（a₂）に分割形成し、各通路内に開閉自在
のダンパー機構、即ち風量調整機構（19）、（20）およ
びメインフイルタ（21）等の機構を各設置する。

一方の送風通路（ｂ）内にはプレフイルタ（22）、還気
用RA送風機（28）、同上電動機（24）を、更に上記両送
風通路（ａ）、（ｂ）間にRA用バイバスダンパー（25）
を設置し、排気熱の一部を還元し、該残熱を有効に利用
しようとしている。

またより消音機能を求める場合には送風通路（ａ）の一
部に消音機構（図示省略）を有した消音室（26）を設け
るか、上記給気口（５）、（６）部分を一体的に形成せ
る消音チャンバー（27）として機体（１）上に連接し超
低騒音型として用いる。

なお、上記説明における各機構装置の配置は実施例のみ
に限定されるものではなく、必要においてその棄捨撰
択、変更可能であることは勿論である。

〔発明の効果〕

本発明は、上記の如く給、排、還気側の各送風通路
（ａ）、（ｂ）をＵ型状に形成したことによって夫々の
送風距離が長くなり、以て機内にて発生せる雑振音の流
出が自然的に抑制すると共に、従来最も騒振音発生の起
因と謂われていたSA用送風機が機体最下部に配置してい
るがために給・還気口部と離隔され、此れが各口部より
の騒振音流出を完全に防止し、安全性も頗ぶる良好であ
る。

特に本発明においては熱交換室（ｃ）内に複数箇の冷
却、加熱コイル（11）、（12）を前後、或は左右方向逆
Ｖ型状、または斜設配設してなるものであるから、従来
単体であった給気口が複数系統に分離行なわれると共に
夫々の給気口をインテリアゾーンへの給気口（５）とペ
リメータゾーンへの給気口（６）としてダクト連結し、
室内側に開設せるインテリアゾーン送気口およびペリメ
ータゾーン送気口に連通して該室内の多層ゾーンに対し
て各空気条件に最適の冷、暖空調展開を同時にまたは必
要とする部分にのみ容易に送配することができ得るので
ある。

而も上記、冷却、加熱コイル（11）、（12）を送風通路
（ａ）の熱交換室（ｃ）内に逆Ｖ型状或はＶ型状または
Ｗ型状、同一平面状等に斜設することによって通路全体
をして熱交換作用が確実、良好に行なわれ、消費電力の
節減および空調機全体を頗ぶるコンパクト、小型化に形
成でき得ることは謂うまでもない。

更に請求項第記載の如く機体中央部に還気用RA送風
機、給気用SA送風機の送風機構部分が夫々上下に位置配
置されているがために外部への送風振動が非常に寡少と
なり、安定性も頗ぶる良好であると謂う利点をも併せ有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るターミナル型空調機の内部構造を
明示せる正面図、 第２図は同上、縦断側面図、 第３図は本発明機の空気流通回路図である。 符号の説明 （ａ）……SA送風通路、（ｂ）……RA送風通路、（ｃ）
……熱交換室 （８）……全熱交換器 （11）……インテリアゾーン側冷却、加熱コイル （19）……同上、風量調整機構 （12）……ペリメータゾーン側冷却、加熱コイル （20）……同上、風量調整機構、（27）……消音チャン
バー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機体上部の適宜箇処に外気取入口、還気
   口、インテリアゾーンとペリメータゾーンへの給気口お
   よび排気口の空気出入口を各開口設け、機体内部に上記
   外気取入口と給気口を連通する送風通路（ａ）および熱
   交換室（ｃ）を、還気口と排気口を連通する送風通路
   （ｂ）を夫々併列に形成設けると共に、該送風通路
   （ａ）内には全熱交換器、給気用SA送風機を、一方の送
   風通路（ｂ）内には還気用RA送風機等の諸機構を各配置
   し、且つ両送風通路（ａ）、（ｂ）間にバイバスダンパ
   ー機構を設置し還気の全量または一部を上記送風通路
   （ａ）内に還流すべく空気流れを変更自在としたターミ
   ナル型空調機で、上記熱交換室（ｃ）内に熱交換コイル
   を斜設配置し、該熱交換室送風側通路内を仕切板にて複
   数の送風路（a₁）、（a₂）に分断形成すると共に、該分
   断送風通路（a₁）、（a₂）を上記インテリアゾーン側の
   給気口、ペリメータゾーン側の給気口に夫々連通し、該
   送風通路内に設けた風量調整機構の開閉操作によって室
   内のインテリアゾーン、ペリメータゾーンに必要とする
   冷、暖空調を同時、或は箇別任意自在に送給行なわしめ
   んとすることを特徴とするターミナル型空調機。
2. 【請求項２】上記構成において、熱交換室（ｃ）に熱交
   換コイルを左右或は前後方向に逆Ｖ型状またはＶ型状、
   Ｗ型状等の形状に配置し、該熱交換コイルの送風側通路
   内を仕切板にてインテリアゾーン、ペリメータゾーン送
   風通路等複数の送風通路に分断形成せしめたことを特徴
   とする請求項第項記載のターミナル型空調機。
3. 【請求項３】上記、熱交換室（ｃ）内に配設してなる熱
   交換コイル、即ち冷却、加熱コイルのコイルの一面に必
   要とする室内温度、環境等の条件能力に応じて、更に加
   熱コイルを併設せしめたことを特徴とする請求項第項
   記載のターミナル型空調機。
4. 【請求項４】上記構成において、機体中央部に還気用RA
   送風機および給気用SA送風機を夫々上下に位置せしめた
   ことを特徴とする請求項第項記載のターミナル型空調
   機。
5. 【請求項５】上記構成において、機体の上部に、外気取
   入口、還気口、給気口等の各空気出入口を開口設け、且
   つ内部に適宜の消音機構を配設してなる消音チャンバー
   を一体的に連設せしめたことを特徴とする請求項第項
   記載のターミナル型空調機。