JPH0694420B2 - 血栓溶解剤 - Google Patents

血栓溶解剤

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JPH0694420B2
JPH0694420B2 JP58055460A JP5546083A JPH0694420B2 JP H0694420 B2 JPH0694420 B2 JP H0694420B2 JP 58055460 A JP58055460 A JP 58055460A JP 5546083 A JP5546083 A JP 5546083A JP H0694420 B2 JPH0694420 B2 JP H0694420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ミミズ例えばルムブリカス・ルベラス(Lumb
ricus rubellus)からの抽出物として得られる新規プロ
テアーゼ、すなわちプロテアーゼF−III−1−HM-27
(以下HM-27と略称する)、F−III−2−HM-89(以下H
M-89と略称する)、F−I−0−HM-45(以下HM-45と略
称する)、F−I−1−HM-54(以下HM-54と略称す
る)、F−I−2−HM-15(以下HM-15と略称する)又は
F−II-HM-64(以下HM-64と略称する)、を活性成分と
した新規な血栓溶解剤に関するものである。
本発明者らは、先にミミズの抽出物から数種類の新規な
プロテアーゼを単離することに成功したが(特公平4-2
9350号公報)、その後さらに研究を重ねた結果これらの
プロテアーゼが、血栓溶解作用を有することを見出し、
この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、HM-27、HM-89、HM-45、HM-54、HM
-15及びHM-64の中から選ばれた少なくとも1種のプロテ
アーゼを活性成分としてなる血栓溶解剤である。これら
のプロテアーゼはいずれも単一成分のプロテアーゼであ
るが、HM-27とHM-89の2種又はHM-54とHM-15の2種ある
いはHM-45とHM-54とHM-15の3種からなる精製プロテア
ーゼもそのままで血栓溶解剤として用いることができ
る。
近年、血液凝固に起因する種々の疾患は、壮、老年者に
多発することから注目を集め、その疾病、例えば、心筋
梗塞、脳血栓症、播種性血管内凝固症候群等がよく知ら
れ、また、それらの治療薬としてヒトウロキナーゼ、ス
トレプトキナーゼが有効であることが知られている。し
かしながら、ヒトウロキナーゼは、原料(ヒトの尿)の
入手難、ストレプトキナーゼは、抗原性を持つ等の欠点
を有する上に、両治療薬ともに点滴静注で使用されるた
めに患者に多大の苦痛を与えている欠点がある。
本発明の血栓溶解剤は、このような欠点を克服したもの
であり、広範囲の疾患の治療用として好適である。
これらの新規なプロテアーゼは、すべて白色無定形粉末
で以下の理化学的性質を有する酵素である。
A)活性と基質特異性: 前記した各種新規なプロテアーゼのフィブリン分解活
性、プラスミノーゲン活性化活性、カゼイン加水分解活
性、その他の各種基質の加水分解活性は、下記の方法に
より測定した。その結果は次のとおりである。
HM-27は、フィブリン塊に対してフィブリン分解活性を
有し、プラスミノーゲン活性化活性を有し、カゼイン、
p−トルエンスルホニル−L−アルギニンメチルエステ
ル塩酸塩(以下TAMeと称する)、N−α−p−トシル−
L−リジンメチルエステル塩酸塩(以下TLMeと称す
る)、L−ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン
−p−ニトロアニリド塩酸塩(通常テストチームS−24
44発色基質といい第一化学薬品工業社製品である。以下
単にS−2444と称する)及びH−D−バリル−L−ロイ
シル−L−リジン−p−ニトロアニリド二塩酸塩(通常
テストチームS−2251発色基質といい第一化学薬品工業
社製品である。以下単にS−2251と称する)に作用す
る。しかも、N−ベンゾイル−L−アラニンメチルエス
テル(以下BAMeと称する)及びN−ベンゾイル−L−チ
ロシンエチルエステル(以下BTEeと称する)にはほとん
ど作用しない。
HM-89は、フィブリン塊に対してフィブリン分解活性を
有し、プラスミノーゲン活性化活性を有し、カゼイン、
TAMe、TLMe、S−2444及びS−2251には作用するが、BA
Me及びBTEeにはほとんど作用しない。
HM-45は、フィブリン塊に対してフィブリン分解活性を
有し、プラスミノーゲン活性化活性を有し、カゼイン、
TAMe及びBTEeに作用する。またS−2444及びS−2251に
はごくわずかに作用するが、BAMe及びTLMeにはほとんど
作用しない。
HM-54は、フィブリン分解活性を有し、プラスミノーゲ
ン活性化活性を有し、カゼイン、TAMe及びBTEeに作用す
る。TLMe及びS−2444にはわずかに作用するが、BAMe及
びS−2251にはほとんど作用しない。
HM-15は、フィブリン塊に対してフィブリン分解活性を
有し、プラスミノーゲン活性化活性を有し、カゼイン、
TAMe及びBTEeに作用する。TLMe及びS−2444にはわずか
に作用するが、BAMe及びS−2251にはほとんど作用しな
い。
HM-64は、フィブリン塊に対してフィブリン分解活性を
有し、プラスミノーゲン活性化活性を有し、カゼインに
作用し、TAMeにはやや作用する。TLMe及びS−2444には
わずかに作用し、S−2251にはごくわずかに作用する
が、BAMe及びBTEeにはほとんど作用しない。
前記のとおり、これら6種の新規プロテアーゼHM-27、H
M-89、HM-45、HM-54、HM-15及びHM-64の基質特異性は、
若干その活性作用を異にする。前記の各6種の新規プロ
テアーゼの各基質に対する加水分解作用活性の強弱の評
価においては第1表に示したその酵素単位(u/mg)が1
以上のときを「作用する」、同じく0.1以上1未満の範
囲のときを「やや作用する」、同じく0.01以上0.1未満
の範囲のときを「わずかに作用する」、同じく0.001以
上0.01未満の範囲のときを「ごくわずかに作用する」、
同じく0.001未満のほとんど検出されないときをN.D.と
し、かつ「ほとんど作用しない」と表現して使い分け
た。
(1)フィブリン分解活性は、アストラップ(T.Astru
p)の方法 [Arch.Biophy.,40:346(1952)]に類似の方法で測定
した。すなわち、凝固可能性タンパクが0.15%になるよ
うにフィブリノーゲンを0.01M塩化ナトリウムを含む0.1
7Mホウ酸緩衝液(pH7.8)に溶解後、10mlを直径80mmの
殺菌シャーレに流し込み、トロンビン溶液(20u/ml)を
0.5ml加え混和し、蓋をして室温にて1時間放置する
(標準フィブリン平板)。適当に希釈した被検酵素液
(粉末酵素の場合は1mg/mlの溶液を調製したのち適当に
希釈した酵素水溶液)0.03mlを標準フィブリン平板上に
垂直に滴下し、ろ紙を蓋の間に挟み、10分間放置後37℃
の恒温器に入れて18時間反応させる。このフィブリン塊
のフィブリン分解活性(線溶活性)は、標準フィブリン
平板上にできた溶液部分の直径と短径とを測り、その積
(mm2)と希釈倍数を乗じて表示した(水溶液の場合はm
m2/ml、粉末の場合は、mm2/mgで活性単位を表示し
た)。
(2)プラスミノーゲン活性化活性は、プラスミノーゲ
ン(シグマ社製)、5u/mlのもの10μl、被検酵素水溶
液20μl、0.01M塩化ナトリウムを含む0.17Mホウ酸緩衝
液(pH7.8)30μlを混和し37℃、10分間放置したの
ち、この反応液の0.03mlをプラスミノーゲンフリーのフ
ィブリン(マイルズ社製品)平板に垂直に滴下し、37
℃、18時間反応させ、溶解部分の面積(直径と短径の
積)を測定した値(mm2でもって表示する)を(X)と
し、同じように反応系中のプラスミノーゲンの代わりに
0.17Mホウ酸緩衝液10μlを用いたもので同じように測
定して得られた値を(Y)とし、プラスミノーゲン活性
化活性は(X)−(Y)で表示した。
(3)カゼインの加水分解活性は、クニツツ(M.Kunit
z)の方法 [J.Gen.physiol.,30:291(1947)]に類似の方法で測
定した。すなわち、1.5%ミルクカゼイン(メルク社製
品)のリン酸緩衝液(0.1M,pH8.0)溶液1mlに被検酵素
水溶液1mlを加え、37℃で30分間反応させ、0.4Mトリク
ロル酢酸水溶液2.0mlを加えて反応を停止させたのち、1
5分間インキュベートし、4000rpm、15分間で遠心分離
し、その上清液をとり波長280nmにおける吸光度を測定
した。カゼイン溶液、トリクロル酢酸水溶液、被検酵素
水溶液の順に加えて同様に操作したものを対照とし、活
性単位をクニツツ(Kunitz)単位で表わした。
(4)TAMeの加水分解活性は、「メソッズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymology)」、第19巻、
第41ページ(1970)に記載の方法により測定した。0.1M
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)50mlに19.7mgのTAMeを溶解
させ、このTAMe溶液3.0mlと被検酵素水溶液0.15mlを25
℃で反応させ、1分間経過後の波長247nmにおける吸光
度を測定した。なお同測定系において酵素水溶液の代わ
りに精製水を用いたものを対照とした。活性単位は1分
間に1μモルのTAMeを加水分解するときの酵素量を1単
位とした。
(5)TLMeの加水分解活性は前記(4)におけるTAMeの
代わりにTLMeを用い、測定波長250nmを使用する以外は
すべてTAMeの活性測定法と同じ操作法により測定した。
活性単位は1分間に1.0のΔA250nmを生ずるときの酵素
量を1単位とした。
(6)BTEeの加水分解活性は、「メソッズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymology)」、第19巻、
第31ページ(1970)に記載の方法により測定した。すな
わち、メタノール30mlにBTEe15.7mgを溶解させ、これに
精製水を加えて50mlとし、さらに0.1Mトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)46.7mlを加えて調製したBTEe溶液3.0mlと酵素
水溶液0.15mlを25℃で反応させ、1分間経過後の波長25
6nmの吸光度を測定した。なお同測定系において酵素水
溶液の代わりに精製水を用いたものを対照とした。活性
単位は1分間に1μモルのBTEeを加水分解するときの酵
素量を1単位とした。
(7)BAMeの加水分解活性は、BAMe19.7mgを0.1Mトリス
塩酸塩緩衝液(pH8.0)50mlに溶解した溶液を用い、測
定波長255nmを使用する以外は前記(6)のBTEeの活性
測定法と同じ操作法により測定した。活性単位は、1分
間に1.0のΔA255nmを生ずるときの酵素量を1単位とし
た。
(8)S−2444の加水分解活性は、「ザ・ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of
Biological Chemistry)」第265巻、第2005ページ(19
80)に記載の方法により測定した。
S−2444を0.1M食塩を含む0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.4)に0.5mMの濃度になるように溶解し、この基質溶液
1mlに酵素水溶液10μlを混合し、25℃で反応させ、1
分間経過後の波長405nmの吸光度の増加を測定した。活
性単位は、1分間に1μモルのS−2444を加水分解する
ときの酵素量を1単位とした。
(9)S−2251の加水分解活性は、前記(8)のS−24
44の代わりにS−2251を用い、基質濃度を0.1mMとする
以外は、すべてS−2444の活性測定法により測定した。
活性単位は、1分間に1μモルのS−2251を加水分解す
るときの酵素量を1単位とした。
このようにして、本発明の6種の新規酵素プロテアーゼ
HM-27、HM-89、HM-45、HM-54、HM-15及びHM-64を用い種
々の基質に対して得られた結果を第1表に示した。
B)至適pH及び安定pHの範囲: フィブリン塊を基質として使用したプロテアーゼHM-27
のフィブリン分解作用の至適pHは約8以上であった。ま
た、フィブリン塊を基質としてのpH安定範囲は、pH5〜1
2でほぼ安定であった。なお6種の新規プロテアーゼのp
H安定性は37℃で60分間放置した後の個々のプロテアー
ゼの残存活性を測定することによって決定した。
また、プロテアーゼHM-89の至適pHは8付近にあり、HM-
45、HM-54及びHM-15の至適pHは、それぞれ8〜10付近に
あり、プロテアーゼHM-64の至適pHは7〜8付近にあっ
た。そしてプロテアーゼHM-45、HM-54、HM-15及びHM-89
のpH安定範囲はpH4〜12でほぼ安定であり、プロテアー
ゼHM-64のpH安定範囲はpH5〜12でほぼ安定であった。
C)作用適温の範囲: pH7.8のフィブリン塊を用い、種々の温度で2時間反応
させたときのプロテアーゼHM-27のフィブリン分解の際
の作用適温は30〜60℃の範囲であり、最適温度は50℃付
近であった。
また、プロテアーゼHM-45、HM-54、HM-15、HM-64及びHM
-89の5種の酵素はいずれも作用適温の範囲が30〜60℃
の範囲であり、最適温度は約50〜60℃であった。
D)種々の温度による失活の条件: プロテアーゼHM-27はpH7.8において70℃で60分間保温す
ることによって完全に失活した。また、プロテアーゼHM
-89、HM-45、HM-54、HM-15及びHM-64は、pH7.8におい
て、いずれも70℃で60分間保温することによって完全に
失活した。
E)分子量: 分子量は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
り測定した。結果は次のとおりであった。
HM-27 32,400±2,000 HM-89 32,800±2,000 HM-45 24,500±2,000 HM-54 27,500±2,000 HM-15 27,000±2,000 HM-64 27,800±2,000 牛血清アルブミン(分子量:67,000)、オブアルブミン
(分子量:43,000)及びキモトリプシノーゲンA(分子
量:25,000)を各種プロテアーゼの分子量決定の標準物
質として使用した。
F)紫外線吸収スペクトル: HM-27の吸収極大は280nm付近に、吸収極小は250nm付近
に存在する。同じようにプロテアーゼHM-89、HM-45、HM
-54、HM-15及びHM-64の吸収極大はいずれも280nm付近に
あり、吸収極小はいずれも250nm付近にあった。
G)等電点: 6種のプロテアーゼの等電点は次のとおりであった。
HM-27 PI=3.6±0.1 HM-89 PI=3.5±0.1 HM-45 PI=4.1±0.1 HM-54 PI=4.0±0.1 HM-15 PI=3.9±0.1 HM-64 PI=3.8±0.1 H)阻害剤の影響: プロテアーゼHM-27、HM-89、HM-45、HM-54、HM-15及びH
M-64のフィブリン塊のフィブリン分解活性に対する種々
の酵素阻害剤の影響を検討した。即ち各種の阻害剤水溶
液(4mg/ml)20μlをHM-27水溶液(2.5μg/ml);HM-89
水溶液(2.5μg/ml);HM-45水溶液(25μg/ml);HM-54
水溶液(12.5μg/ml);HM-15水溶液(12.5μg/ml)及び
HM/64水溶液(25μg/ml)の各80μlと混合し、37℃で1
0分間保温したのち反応液30μlをとり、フィブリン塊
のフィブリン分解活性を測定した。その結果を第2表に
示した。この表より明らかなように、プロテアーゼHM-2
7は、プロテアーゼ阻害剤のリマ豆トリプシンインヒビ
ター、セリン試薬のジフルオロホスフェート、大豆トリ
プシンインヒビター、アンチパイン、ロイペプチン及び
トラジロール(商品名バイエル社製品以下同じ)によっ
て完全に阻害され、トランス−4−(アミノメチル)シ
クロヘキサンカルボン酸(以下t−AMCHAと略称する)
及び卵白トリプシンインヒビターによってかなり阻害さ
れるが、ペプスタチン、キモスタチン及びε−アミノカ
プロン酸によりある程度阻害される結果を示した。
しかしながら、SH試薬のN−エチルマレイミド及び二価
陽イオンキレート化剤であるエチレンジアミン四酢酸二
ナトリウム(以下EDTAと略称する)は活性を阻害しなか
った。HM-89はリマ豆トリプシンインヒビター、ジフル
オロホスフェート、大豆トリプシンインヒビター、アン
チパイン、ロイペプチン及びトラジロールによって完全
に阻害され、t−AMCHAによってかなり阻害され、ペプ
スタチン、キモスタチン、ε−アミノカプロン酸及び卵
白トリプシンインヒビターによってある程度阻害される
が、N−エチルマレイミド及びEDTAには全く阻害されな
かった。
HM-45は、リマ豆トリプシンインヒビター、ジフルオロ
ホスフェート、大豆トリプシンインヒビター、アンチパ
イン、キモスタチン、ロイペプチン及びトラジロールに
よって完全に阻害され、ε−アミノカプロン酸及びt−
AMCHAによってかなり阻害され、ペプスタチン、N−エ
チルマレイミド及び卵白トリプシンインヒビターによっ
てある程度阻害されるが、EDTAには全く阻害されなかっ
た。HM-54はリマ豆トリプシンインヒビター、ジフルオ
ロホスフェート及びN−エチルマレイミドによって完全
に阻害され、ロイペプチン及び大豆トリプシンインヒビ
ターによってかなり阻害され、キモスタチン、t−AMCH
A及び卵白トリプシンインヒビターによってある程度阻
害されるが、EDTA、ペプスタチン、アンチパイン、トラ
ジロール及びε−アミノカプロン酸には全く阻害されな
かった。HM-15は、リマ豆トリプシンインヒビター、ジ
フルオロホスフェート及びN−エチルマレイミドによっ
て完全に阻害され、卵白トリプシンインヒビター及びロ
イペプチンによってかなり阻害され、アンチパイン、大
豆トリプシンインヒビター、ペプスタチン、ε−アミノ
カプロン酸、キモスタチン、EDTA及びt−AMCHAによっ
てある程度阻害されるが、トラジロールには全く阻害さ
れなかった。HM-64は、リマ豆トリプシンインヒビタ
ー、ジフルオロホスフェート、N−エチルマレイミド及
び大豆トリプシンインヒビターによって完全に阻害さ
れ、卵白トリプシンインヒビター、トラジロール、ペプ
スタチン、t−AMCHA及びキモスタチンによってかなり
阻害され、アンチパイン及びε−アミノカプロン酸によ
ってある程度阻害されるが、EDTA及びロイペプチンには
全く阻害されなかった。
なお、完全に阻害されるとは、第2表中の相対活性値が
0の場合であり、かなり阻害されるとは、相対活性値が
50%未満であり、ある程度阻害されるとは、相対活性値
が50%以上であり、全く阻害されないとは相対値が100
%の場合と表現した。
I)アミノ酸組成: 各プロテアーゼの0.2mg相当を内部標準のノルロイシン
とともに0.5mlに希釈し6N塩酸を加え、110℃で24時間加
水分解した後、アミノ酸自動分析装置で分析した。その
結果は第3〜8表に示した。
J)元素分析値: 各々のプロテアーゼの元素分析値は次のとおりである。
1)プロテアーゼHM-27の元素分析値(%); C 48.61 H 6.58 N 14.75 S 2.03 2)プロテアーゼHM-89の元素分析値(%); C 47.53 H 6.55 N 14.59 S 2.06 3)プロテアーゼHM-45の元素分析値(%); C 48.30 H 6.84 N 15.88 S 2.07 4)プロテアーゼHM-54の元素分析値(%); C 48.93 H 6.65 N 15.95 S 1.34 5)プロテアーゼHM-15の元素分析値(%); C 46.15 H 6.64 N 16.02 S 2.05 6)プロテアーゼHM-64の元素分析値(%); C 48.23 H 6.53 N 15.93 S 1.43 これらの新規プロテアーゼは次のようにして調製するこ
とができる。
すなわち、ミミズに水性溶媒を加えて適当な時間、適当
な温度に保持して抽出液を得たのち、抽出液をそのまま
又は適当な時間、適当な温度に保持したのち、濃縮又は
乾燥することによりプロテアーゼ粗製物が得られた。原
料のミミズは新鮮な生ミミズ、新鮮な生ミミズから内容
物除去後の本体及びその内容物又はそれらの加温、減圧
又は凍結乾燥したミミズ粉末、もしくはそれらの脱脂粉
末等のいずれの形状のミミズでも使用できる。最も好ま
しいのは、生ミミズの凍結乾燥粉末又は凍結乾燥脱脂粉
末である。水性溶媒はpH5〜10、最も好ましいのはpH6〜
8の水性溶媒である。例示すると、水、生理的食塩水、
緩衝液、調製液又はそれらの1種類以上の水性溶媒、も
しくはそれらの溶媒に極性有機溶剤例えばエタノール、
メタノール、プロパノール、アセトン、エーテル、ジオ
キサン等を少量加えた水性溶媒が使用できる。最も好ま
しい水性溶媒は生理的食塩水、緩衝液である。緩衝液は
リン酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、トリス−塩酸などの
pH5〜10好ましくはpH6〜8の各種組成の緩衝液の1種以
上が使用できる。ここでいうpH5〜10好ましくはpH6〜8
の調製液とは、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエ
ン酸、コハク酸等の水溶性の無機酸、有機酸とナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及び
アンモニアから自家調製した希薄水溶液を意味する。適
当な時間とは500日以内の時間であり、特に30分間から
約30日間が好ましい。また、適当な温度とは60℃以下の
温度であり、特に5℃ないし40℃が最も好ましい。使用
する水性溶媒の原料ミミズに対する倍率は1粗100倍で
あり、好ましいのは5〜30倍である。
原料ミミズに水性溶媒を加えて適当な時間及び適当な温
度に保持して行う抽出方法は、通常の撹拌、振盪、向流
等の抽出方法のほかに、特にミミズの組織(細胞)破壊
方法としてホモジナイザー、ブレンダー、音波処理、加
圧型細胞破壊装置、擂潰機等の機器を利用するミミズ細
胞成分の懸濁液(ホモジネート)を調製し、インキュベ
ートする抽出方法が好ましい。次にろ過し、得られた抽
出液をそのまま又は適当な時間及び適当な温度に保持し
たのち、減圧、加温又は限外ろ過等の濃縮方法により濃
縮、減圧又は凍結等の乾燥方法によりプロテアーゼ粗製
物を製造することができる。前記、抽出の際、又は抽出
液のインキュベーションの際に、公知の防腐剤を僅量添
加して使用することが好ましい。その点から水性溶媒と
して前記に示すように、極性有機溶媒を少量添加した水
性溶媒の使用の意味があると共に、抽出効果を高めるこ
とができた。
次に、ミミズ抽出濃縮液、又はその乾燥物を少量の水性
溶媒に溶解した溶液からプロテアーゼを分画、精製する
方法は、例えば一般的なプロテアーゼの精製方法が使用
できる。本発明の好ましいプロテアーゼの分画、精製方
法は下記のとおりである。
前記の操作により得られた抽出濃縮液又は乾燥物を少量
の水性溶媒に溶解した溶液を吸着剤、極性有機溶剤、塩
析、限外ろ過、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル
ろ過、アフィニティクロマトグラフィー、疏水的クロマ
トグラフィー等の処理のいずれか一方、もしくはそれら
の適時な組合せにより不純物を除去する。本発明方法に
おいて使用する吸着剤は活性炭、酸性白土、活性白土、
アンバーライトXAD(商品名)などの合成樹脂系合成吸
着剤などが使用できる。また、本発明方法で分別沈殿に
用いる極性有機溶媒としてはエタノール、メタノール、
プロパノール、アセトン、エーテル、ジオキサン等が使
用できる。最も好ましいのはエタノール、アセトン、プ
ロパノールである。塩析に用いる塩類は硫酸アンモニ
ア、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウ
ムなどが使用できるが、最も好ましいのは硫酸アンモニ
アである。陰イオン交換クロマトグラフィーとして使用
できる陰イオン交換体はセルロース、デキストラン、ア
ガロース等の親水性多糖類を基本とするものである。特
に、陰イオン交換体としては、ジエチルアミノエチルセ
ルロース(以下DEAE−セルロースという)、トリエチル
アミノエチルセルロース(以下TEAE−セルロースとい
う)、アミノエチルセルロース(以下AE−セルロースと
いう)、エピクロルヒドリンとトリエタノールアミンと
セルロースとの反応生成物(以下ECTEOLA−セルロース
という)、クオータナライズドアミノエチルセルロース
(以下QAE−セルロースという)、ポリエチレンイミン
セルロース(以下PEI−セルロースという)、ジエチル
アミノエチルセルロファイン(以下DEAE−セルロファイ
ンという)及びジエチルアミノエチルセファロース(以
下DEAE−セファロースという)等が好ましい。また、イ
オン交換樹脂として好ましいものを商品名で例示すると
アンバーライトIR-4B、同じくIR-45、同じくIRA-400、
ダウエックス3等の強又は弱塩基性イオン交換樹脂であ
る。ゲルろ過としては、商品名で例示するとセファデッ
クス、セファローズ、バイオゲル、トヨパールウルトラ
ゲル、セルロファイン等が好ましい。また、アフィニテ
ィクロマトグラフィーとしてはセファロース又はトヨパ
ールを支持体とする各種のものが使用できる。疏水性ク
ロマトグラフィーとしては炭素数2〜20の脂肪族、脂環
族、芳香族及びそれらにアミノ基を結有する化合物を疏
水性基としてもつアガロース、セルロースの吸着体が用
いられる。
本発明の血栓溶解剤は、本発明者らがはじめてミミズか
ら抽出、単離した安全な酵素を活性成分としたものであ
り、その優れた線溶活性及び血栓溶解活性を有する効果
を通して次に示す臨床効果が期待される。
一般に、酵素により線維素原から転化された線維素は、
血栓症及び塞栓症発症の重要な要因の一つである。本発
明の血栓溶解剤は、前記の活性作用により末梢動静脈血
栓症、肺塞栓症、冠動脈閉塞症、心筋梗塞症、脳血管閉
塞症、網膜動静脈血栓症、硝子体出血、前房出血等の予
防ならびに治療効果が期待される。さらに制癌剤との併
用により癌に対する併用効果も期待できると共に、輸血
の際の抗凝固剤として、また、血管手術における縫合線
の塞栓形成防止、又は血液透析における動静脈シャント
の長期機能維持にも効果が期待される。
本発明の血栓溶解剤を臨床用として投与するときの形態
は、非経口剤又は経口剤のいずれでもよいが、特に経口
投与が好ましい。臨床用の投与量を勘案すると、ヒトに
一日当り0.1μgから1000mg程度が好ましい。最も好ま
しいのは、ヒトに一日当り10μgから300mgである。本
発明の血栓溶解剤はヒト以外の哺乳動物にも有効な血栓
溶解剤であり、この場合の投与量は0.1μg/kg〜100mg/k
gが好ましい。
本発明の血栓溶解剤の製剤は、例えば、所定のプロテア
ーゼの水溶液に必要に応じて添加剤を加えた後、凍結乾
燥して粉末とする方法、又は所定のプロテアーゼの凍結
乾燥粉末に必要に応じて添加剤を混合する方法によって
行われる。この際の添加剤としては、マンニット、デキ
ストリン、アルブミン、ゼラチン、ヒドロキシエチルデ
ンプン、グリシン、リジン、アルギニン、ショ糖などの
安定剤;リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの
pH調節剤;塩化ナトリウム、マンニット、ソルビット、
ブドウ糖などの等張化剤;そのほか、プラスミンインヒ
ビター活性又は吸収促進剤としてデキストラン硫酸エス
テル、ショ糖硫酸エステルなどの糖類の硫酸エステル又
はこれらの糖類硫酸エステルのナトリウム塩などがあげ
られる。本発明の血栓溶解剤としては、前記添加剤の少
なくも1種を用いることが好ましい。本発明の血栓溶解
剤については経口用の剤形として通常の錠剤、顆粒剤、
粉剤及びカプセル剤または腸溶カプセル剤にしたもの、
もしくはリン脂質から製造される公知の脂肪小胞体(リ
ポソーム)の空隙中に取り込まれた製剤などが用いられ
る。
脂肪小胞体の形成のために用いられる脂質は、無毒の生
理的に許容され、かつ代謝され得る脂質であれば、本発
明製剤に用いられる。使用できる脂質としてはリン脂質
が代表的であり、その脂質としては、ホスファチジルコ
リン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、
ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、
スフィンゴミエリン及びフォスファチジン酸が例示で
き、その単味又は混合物が用いられる。その他、リン脂
質を多量に含有する植物レシチン又はこれらの植物油も
利用できる。
非経口剤の形態としては、特に外用剤として軟膏剤、ロ
ーション剤、リニメント剤及び座薬などが好ましい。軟
膏の基剤としては、油脂性基剤及び乳剤性基剤が用いら
れる。これらの基剤には、例えば流動パラフィン、アイ
ソパー(Isopar,ESSO社発売)、ワセリン、シリコン
油、C16〜C20の脂肪族高級アルコール類、C14〜C20の高
級脂肪酸類、C16〜C30のワックス類、ヒマシ油、水素添
加改良植物油、ラノリン及びその誘導体、スクワレン及
びスクワランが用いられる。その他軟膏用の乳化剤、分
散剤として多価アルコールエステル型非イオン性界面活
性剤[C14〜C20の脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン
脂肪酸エステル類(脂肪酸はC14〜C20)、ショ糖及びポ
リグリセリン脂肪酸エステル(脂肪酸はC14〜C20)]、
ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤[C12〜C18
の脂肪族アルコールのポリオキシエチレン誘導体、C12
〜C20の脂肪酸のポリオキシエチレン誘導体、多価アル
コール(例えばソルビタン)脂肪酸エステルのポリオキ
シエチレン誘導体(C14〜C20の脂肪酸)]などが用いら
れる。また、軟膏剤の湿潤剤としてグリセリン、プロピ
レングリコール、ソルビット及びアミノ酸が用いられ
る。その外に公知の安全性の高い安定剤及び/又は各種
の公知の公用されている酸化防止剤などを配合すること
もできる。
ローション剤としては、懸濁型(振とう)、乳剤型(エ
マルション型)及び溶液型ローション剤が用いられる。
懸濁型ローション剤は、アルギン酸ナトリウム、トラガ
ント、メチルセルロース、CMCナトリウム、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、モノステアレー
トなどの1種以上が懸濁剤として用いられる。乳剤型ロ
ーション剤は乳化剤として非イオン界面活性剤[例え
ば、ステアリルアルコール、セトスラアリルアルコー
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、Span 20(商品名)、Twe
en 20(商品名)など]その他、安息香酸ベンジル、パ
ラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸
プロピル、その他公知で安全な防腐剤を配合して用いら
れる。ま、ソニメント剤としては、基剤としてオリーブ
油、ゴマ油、ヘントウ油、綿実油などの植物油脂が用い
られる。座薬としては、基剤としてカカオ脂、ウイテプ
ソール(Witepsol)、サバナール(Subanal)、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセ
ロゼラチン及びゼラチンカプセルなどが用いられる。
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
参考例 (イ)プロテアーゼHM-45、HM-54、HM-15の製造; 生ミミズの凍結乾燥粉末1kgに0.1%の安息香酸ナトリウ
ムを含む生理食塩水10lを加え、30℃に保ちながら、72
時間かきまぜたのち、固形分をろ去し、ろ過残留物を再
洗浄することにより合計13lの抽出液を得た。次にこの
抽出液を分子量カット6,000の限外ろ過膜を用いて710ml
に濃縮したのち、この濃縮液にエタノール2.8lを加え、
沈殿を生成させた。この沈殿をろ別し、さらにエタノー
ルで洗浄したのち、真空乾燥することにより、線溶活性
1,322mm2/mgをもつプロテアーゼ粗製物の乾燥粉末42gを
得た。
次にこの乾燥粉末42gを、精製水1に溶解し、10mMリ
ン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したDEAE−セルロファイ
ン(チッソ株式会社製)に通し、プロテアーゼ類を吸着
させたのち、同じ緩衝液で洗浄した。次いで、0〜100m
Mの範囲の濃度勾配で食塩水溶液により、吸着したプロ
テアーゼ類を順次溶出させ、F−0、F−I−1、F−
I−2、F−II、F−IIIの5種のプロテアーゼ粗分画
を得た。その各フラクションに対応するフィブリン分解
活性(▲印)及びA280nm(○印)のパターンを第1図に
示す。
次に、上記の各粗分画について、硫安0.6飽和濃度での
塩析を行い、生成した沈殿をろ別して少量の水に溶解
し、10mMリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したセファク
リルS−200に通してゲルろ過を行い、活性画分を集め
て限外ろ過による脱塩濃縮を行った。この際の粗分画F
−IIIについてのゲルろ過のパターンの例を第2図に示
す。
このようにして得たF−0、F−I−1、F−I−2の
脱塩濃縮液のそれぞれについて、さらにDEAE−セルロフ
ァインの再クロマトグラフィーを行い、プロテアーゼ活
性の主ピーク付近の画分を集め、これを硫安0.6飽和濃
度での塩析及びセファデックスG−75(ファルマシア
製)によるゲルろ過することにより、プロテアーゼHM-4
5、HM-54及びHM-15をそれぞれ0.02g、0.07g及び0.06g得
た。
この際のHM-54のゲルろ過のパターンの例を第3図に示
す。これらのプロテアーゼはいずれもポリアクリルアミ
ド電気泳動により単一なバンドを示すものであった。
(ロ)プロテアーゼHM-64の製造; 前記の(イ)におけるF−II画分の脱塩濃縮液を、硫安
0.3飽和濃度で平衡化したトヨパールHW-55(東洋ソーダ
製)のカラムに通し、活性画分を吸着させた。次いで同
じ硫安溶液で洗浄したのち、硫安飽和度0.3ないし0.1の
範囲の濃度勾配に付して順次溶出させた。比活性の高い
画分を集めて、脱塩したのち、10mMリン酸緩衝液(pH6.
0)で平衡化したアミノヘキシルセファロースのカラム
に通して吸着させ、同じ緩衝液を用いて洗浄した。次い
で、同一の緩衝液により、食塩0〜150mMの濃度勾配で
吸着した活性成分を順次溶出させた。このゲルろ過パタ
ーンを第4図に示す。次にこの主ピーク付近の活性画分
を集め、硫安塩析により沈殿させ、少量の水に溶解さえ
て、セファデックスG−75によるゲルろ過を行った。こ
のゲルろ過パターンを第5図に示す。この際の活性ピー
クを捕集することにより、ポリアクリルアミド電気泳動
において単一のバンドを示すプロテアーゼHM-64の精製
品0.1gを得た。
(ハ)プロテアーゼHM-27及びHM-89の製造; 前記の(イ)におけるF−III画分の脱塩濃縮液を、活
性化セファロースに卵白トリプシンインヒビターを共有
結合させ、20mMリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化させた
アフィニティカラムに通し、活性成分を吸着させ、1M食
塩を加えた上記の緩衝液及び1M食塩を加えた0.1M酢酸緩
衝液(pH5.0)で洗浄したのち、0.5Mアルギニン及び1M
食塩を含む0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)で溶出した。この
際の溶出パターンを第6図に示す。この溶出画分の活性
ピーク付近のものを集め、0.3飽和濃度の硫安で平衡化
したトヨパールHW-55のカラムに通し、活性成分を吸着
させた。次いで、同じ硫安溶液で洗浄後、0.3ないし0.1
の範囲の飽和濃度勾配をもつ硫安により活性成分を溶出
した。この際の溶出パターンを第7図に示す。
この際のそれぞれの活性ピーク付近の画分を集めて、濃
縮後、セファデックスG−75を用いてゲルろ過を用い、
ポリアクリルアミド電気泳動において単一のバンドを示
すプロテアーゼHM-27及びHM-89の精製品をそれぞれ0.07
g及び0.06gを得た。この際のプロテアーゼHM-27につい
てのゲルろ過のパターンを第8図に示す。
実施例1 参考例で得たプロテアーゼHM-27、HM-89、HM-45、HM-5
4、HM-15及びHM-64についての血栓溶解試験をチャンド
ラーループ(Chandler′s loop)法により行った。
すなわち、各プロテアーゼ及び比較のためのウロキナー
ゼ(大塚製薬株式会社製品)を生理食塩水に溶解し、血
液を同一人物の健康男子成人の静脈より採血し、採血直
後の1/10容の3.8%クエン酸ナトリウム水溶液を加えて
試料を調製した。
また、対照液としては生理食塩水を用いた。
血栓の形成は、内径3mm、長さ250mmのポリビニル管中
に、クエン酸ナトリウム添加新鮮血0.8mlと3%塩化カ
ルシウム(CaCl2・2H2O)水溶液0.1mlを加えた後、直ち
に管の両端をつなぎ円形輪(ループ)とし、その円形輪
の中心が回転の中心と一致するように置き、傾斜角度60
°、37℃で毎分17回転、30分間回転させることにより、
溶解率の測定は、ループに各プロテアーゼ溶液、ウロキ
ナーゼ溶液または対照液0.1mlを注入し、再び37℃で毎
分17回転、60分間回転させた。この後、残存血栓を取り
出し、ブアン氏液(ピクリン酸飽和水溶液75mlに市販ホ
ルマリン液25ml及び氷酢酸5mlを混和して作成)で固定
した後、血栓の湿重量を秤量することにより行った。
各プロテアーゼの血栓溶解活性は、生理食塩水(対照)
の平均血栓湿重量(平均43.3mg;径約3mm、長さ10mm)に
対する各プロテアーゼ又はウロキナーゼ添加群の重量比
率で求め、これを血栓溶解率(%)として第9〜11表に
示した。
また、第9〜11表の結果に基づいて、求めた血栓溶解率
50%に対応する必要濃度を第12表に示す。
なお、比較例として示したウロキナーゼの血栓溶解率50
%の必要濃度は130Iu/ml血液であった。このチャンドラ
ループ法による血栓溶解活性の検査は試験管実験系では
あるが、生体内系に最も近い検定法として認められた簡
便な方法[J.Exp.Physiol.XLIV(4),377〜384(195
9)]であり、本発明の血栓溶解剤の性能を十分に表わ
すものと考えられる。
実施例2 参考例1で得た各プロテアーゼについて、急性毒性試験
を行った。供試動物としては、30±2gのddy系の雄マウ
ス(4週令)を各群5匹を用いた、投与方法は各プロテ
アーゼを生理食塩水に溶解し、経口、腹腔内および静脈
内で投与し、観察を各プロテアーゼ投与後14日間にわた
り毒性症状及び死亡状況について行った。LD50値はLitc
hfield-Wilcoxon法[J.Pharmac.Exp.Ther.,96,99(194
9)]により算出した。経口投与では、いずれの群も技
術的投与可能限界量の5,000mg/kg投与において死亡する
マウスは全く認められず、かつ中毒症状の所見、また剖
検では異常は全く認められなかった。
腹腔内投与では、死亡例は窒息性けいれんを起こし、投
与後90分以内に死亡した。死亡例の剖検では腹腔内への
血液性腹水の貯留及び内壁、腸壁への点状出血が認めら
れた。生存例の剖検では何等の異常は認められなかっ
た。
静脈内投与では、死亡例は窒息性けいれんを起こして死
亡し、死亡例の剖検では肺の出血が認められた以外に異
常は観察されなかった。生存例の剖検ではなんらの異常
は認められなかった。
各プロテアーゼのLD50値は第13表に示すとおりであっ
た。
参考例2 参考例1の(イ)と同様に操作して得た線溶活性1,322m
m2/mgのプロテアーゼ粗製物の乾燥粉末42gを精製水1000
mlに溶解し、10mMリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したD
EAE−セルロースのカラムに通し、活性成分を吸着させ
た。同じ緩衝液を用いて洗浄したのち、食塩濃度0〜10
0mMの範囲の濃度勾配で活性成分を順次溶出させた。こ
の結果を第9図に示す。このようにして得た分画F−
I、F−II及びF−IIIのそれぞれについて、0.6飽和硫
安を用いて塩析し、生成した沈殿を少量の10mMリン酸緩
衝液(pH8.0)に溶解し、同じ緩衝液で平衡化したセフ
ァクリルS−200(チッソ株式会社製)でゲルろ過を行
い、活性画分を集めて分子量カット6,000の限外ろ過膜
を用いて脱塩濃縮を行ったのち、凍結乾燥した。
このようにして、F−I画分からは線溶活性13,780mm2/
mgの粉末(以下F−I′という)0.629g、F−II画分か
らは線溶活性9,290mm2/mgの粉末(以下F−II′とい
う)0.879g、F−III画分からは線溶活性17,620mm2/mg
の粉末(以下F−III′という)1.07gを得た。
これらの粉末について、さらに分離、精製操作を行った
結果、F−I′はプロテアーゼHM-54及びHM-15の2種の
混合物を、F−II′はプロテアーゼHM-64を、F−III′
はプロテアーゼHM-27及びHM-89の2種の混合物をそれぞ
れ含有することが確認された。
実施例3 参考例2で得た画分F−III′(プロテアーゼHM-27及び
HM-89の混合物を含有)の粉末600mgを、試験薬とし60
歳;73歳;59歳の3名の動脈硬化症を有する男性患
者各人に経口投与し、経時的に各人の末梢血液を採血
し、オイグロブリン各画分によるフィブリン溶解力(mm
2)を調べたところ第10図の結果が得られた。第10図中
の白抜きの丸印は完全溶解を、黒塗りの丸印は不完全溶
解を示す。この結果より本試験薬投与後、2時間で末梢
血液中の線溶活性が上昇し、かつ血液中の線溶活性は投
与後4〜6時間で最大となることがわかった。
実施例4 参考例2で得た画分F−I′(プロテアーゼHM-54及びH
M-15の混合物を含む)、画分F−II′(プロテアーゼHM
-64を含む)及び画分F−III′(プロテアーゼ27及びHM
-89の混合物を含む)について、フィブリン、フィブリ
ノーゲンに対する作用を調べた。すなわち、ヒト血清0.
18mlと250mMのCaCl2水溶液0.02ml、各濃度の精製プロテ
アーゼ溶液0.02mlを37℃で30分反応させ生じるFDP(フ
ィブリン分解ペプタイド)量をラテックス凝集反応によ
るトロンボウエルコテスト(ウエルカム社製)キットを
用いて測定した。その結果、第14表のCaCl2(+)の欄
に示される結果が得られた。表中(+)、(++)、
(+++)はフィブリンからFDPを生成することを示
し、+の増加はFDP生成の強さを示す。(−)はフィブ
リンからのFDP生成がないことを示す。
一方、CaCl2溶液の非存在下即ちCaCl2水溶液に代えて生
理食塩水を用いて上記と同様の反応を行なったところ、
いずれの種類またいずれの濃度の線溶活性画分も第14表
のCaCl2(−)欄に示されるようにFDPの生成は認められ
なかった。このことは本発明のプロテアーゼはフィブリ
ンに作用するものの、フィブリノーゲンには作用しない
ことを示すものである。
実施例5 参考例2で得た画分F−I′、F−II′及びF−III′
を健康人にそれぞれ経口投与(1μg/kg)し、経時的に
末梢血液を採血し、オイグロブリン分画を得、オイグロ
ブリン完全溶解時間及びオイグロブリン分画による標準
フィブリン平板溶解能(mm2)のそれぞれを測定した。
その結果を第11図に示した。
第11図(A)より明らかなように、F−I′、F−II
I′は経口投与後、約2時間後においてオイグロブリン
溶解に要する時間が著しく短かくなり、かつ持続時間も
長時間持続することを示している。また、F−II′の場
合も経口投与後6時間ころからオイグロブリン溶解時間
がしだいに短かくなっていくことを示している。
このように、F−I′、II′及びIII′もヒトへ経口投
与することにより末梢血液中の線溶活性を上昇せしめる
ことがわかった。さらに、第11図(B)より明らかなよ
うに、ヒトにより個人差があるものの経口投与後2〜7
時間後に末梢血液を採血して得られたオイグロブリン分
画のフィブリン溶解能は最大となり、かつまた投与後、
10時間経過してもそのフィブリン溶解能は持続すること
がわかった。
以下に本発明プロテアーゼ製剤の処方例を示す。
実施例6 錠剤 HM-27 0.1mg 結晶セルロース 44.5 乳糖 73.4 トウモロコシデン粉 31.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 計150 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機により
錠剤化した。
実施例7 錠剤 HM-54 0.1mg 結晶セルロース 85.4 乳糖 10.0 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 ステアリン酸 1.5 計100 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機により
錠剤化した。
実施例8 顆粒剤 HM-89 0.1mg 結晶セルロース 85.4 マンニトール 10.0 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 硬化油 1.5 計100 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を押出機により
顆粒剤化した。
実施例9 顆粒剤 F−III′ 0.5mg 結晶セルロース 64.5 マンニトール 15.0 トウモロコシデン粉 15.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 ポリビニルピロリドン 2.0 計100 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を押出機により
顆粒剤化した。
実施例10 顆粒剤 F−I′ 0.5mg 結晶セルロース 60.0 乳糖 21.5 トウモロコシデン粉 15.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 計100 mg 上記処方に従い、流動層造粒装置を用い、F−I′、結
晶セルロース、乳糖及びトウモロコシデン粉を混合し、
ヒドロキシプロピルセルロースの5%水溶液を結合剤と
して噴霧し、乾燥後顆粒とした。
実施例11 顆粒剤 HM-15 0.2mg 結晶セルロース 47.8 マンニトール 38.0 バレイショデン粉 10.0 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 ポリビニルピロリドン 2.0 計100 mg 上記処方に従い、流動層造粒装置を用い、HM-15、結晶
セルロース、マンニトール、バレイショデン粉及びポリ
ビニルピロリドンを混合し、ヒドロキシプロピルセルロ
ースの5%水溶液を結合剤として噴霧し、乾燥後顆粒と
した。
実施例12 カプセル剤 HM-27 0.1mg 結晶セルロース 46.9 乳糖 28.0 マンニトール 10.0 トウモロコシデン粉 10.0 ポリビニルピロリドン 2.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 計100 mg 上記処方に従い、流動層造粒装置を用い、HM-27、結晶
セルロース、乳糖、マンニトール、トウモロコシデン粉
及びポリビニルピロリドンを混合し、ヒドロキシプロピ
ルセルロースの5%水溶液を結合剤として噴霧し、乾燥
後顆粒とした。この顆粒をNo.3の硬カプセルに160mgず
つ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例13 カプセル剤 実施例11により製造した顆粒をNo.3の硬カプセルに160m
gずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例14 カプセル剤 実施例8により製造した顆粒をNo.2の硬カプセルに200m
gずつ充填して硬カプセル剤とした。
実施例15 カプセル剤 HM-45 0.5mg マンニトール 197.0 ステアリン酸マグネシウム 2.5 計200 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末をNo.2のゼラチ
ンカプセルに200mgずつ充填したのち腸溶皮膜を施し、
腸溶カプセル剤を製造した。
実施例16 カプセル剤 F−I′の1gとデキストラン硫酸ナトリウム(硫黄含量
17.0〜20.0%、極限粘度0.022〜0.028)199gに蒸留水を
加えて溶解させ、全量を300mlとし、これにリン酸水素
ナトリウムを加えてpH7.0に調整し、これを十分に凍結
乾燥した。この凍結乾燥物にマンニトール98gとステア
リン酸マグネシウム2gを加え、均一に混合したのち、混
合粉末をNo.1のゼラチンカプセルに300mgずつ充填し、
カプセル剤を製造した。
実施例17 カプセル剤 HM-15の2gとデキストラン硫酸ナトリウム(硫黄含量3.0
〜6.0%、極限粘度0.030〜0.045)198gに蒸留水300mlに
溶解し、これに5%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH
7.0に調整し、これを十分に凍結乾燥した。この凍結乾
燥物にマンニトール49g、アルブミン49g及びステアリン
酸マグネシウム2gを加えてよく混合した。この混合粉末
をNo.2のゼラチンカプセルに200mlずつ充填したのち、
腸溶皮膜を施し、腸溶カプセル剤を製造した。
実施例18 顆粒剤 実施例17においてHM-15の代りにF−I′を用いた以外
は実施例17と同じ操作により得た凍結乾燥物1gに、結晶
セルロース65g、マンニトール15g、トウモロコシデン粉
15g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース3g及びビニ
ルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(General Aniline
& Film Corp.製品)1gを加え均一に混合したのち、押
出機で球形の顆粒を製造した。この顆粒を例えばヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート74%、グリセ
リルトリアセテート11.6%、ステアリン酸11.6%及び軽
質無水ケイ酸2.8%からなる組成のコーティング剤でコ
ーティングし、腸溶顆粒剤を製造した。
実施例19 錠剤 HM-64 0.1mg 結晶セルロース 85.4 マンニトール 10.0 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 硬化油 1.5 計100 mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機により
素錠に製したのち、次に示す腸溶剤皮のコーティング剤
でコーティングし、腸溶錠剤を製造した。
コーティング剤 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート14.8mg
ジオクチルフタレート 2.3 ステアリン酸 2.3 軽質無水ケイ酸 0.6 計20 mg 実施例20 カプセル剤 F−II′ 0.2mg トウモロコシデン粉 32.5 ヒドロキシプロピルセルロース 3.8 計36.mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を転動式又は遠
心式で核を生成せしめ、次にこの核を下記に示す均一混
合した賦形剤で希釈したものを通常の結合剤で付着して
コーティングして顆粒を製した。次にこの顆粒130mg
に、実施例19に示した腸溶剤皮のコーティング剤30mgで
コーティングし、腸溶顆粒を製造した。この腸溶顆粒を
No.3のゼラチンカプセルに160mgずつ充填してカプセル
剤を製造した。
賦形剤 グラニュー糖 32.5mg トウモロコシデン粉 58.5 ヒドロキシプロピルセルロース 2.5 計93.5mg 実施例21 散剤 F−I′ 0.5mg マンニトール 49.5 乳糖 50.0 計100 mg 上記処方に従い均一によく混合し散剤とした。
実施例22 糖衣錠 実施例19においてHM-64の代りにHM-54を用い処方し、均
一に混合した粉末を打錠機で素錠としたのち、通常の方
法でフィルムコーティングし、次に常法により糖をコー
ティングして糖衣錠を製造した。
実施例23 トローチ剤 HM-27 0.3g 乳糖 116.0g ショ糖 116.0g トラガント末 18.0g ペパーミント油 1.0g 防腐剤 少量 上記処方のうち、HM-27以外の成分を均一に混合し、別
にHM-27の0.3gを蒸留水40mlに溶解した水溶液を作り、
この両者をよく練合する。次にバレイショデン粉を散布
したガラス板上にめん棒でこれを展延し、厚さ約5mmの
シート状としたのち、型で打ち抜いた。10〜24時間冷蔵
庫に放置し、乾燥して1剤1gのHM-27のトローチ剤を製
造した。
実施例24 トローチ剤 ショ糖粉末970gを希エタノール約110gを用いて湿式造粒
し、これを35℃以下で乾燥し、得られた顆粒にHM-89の1
gと乾燥乳糖20gの均一混合粉末を加え、次にステアリン
酸マグネシウム10gをよく練合して直径15mmの杵で1錠1
gのトローチ剤に成型した。
実施例25 トローチ剤 あらかじめサッカリンナトリウム2gと少量の香料とを添
加したポリエチレングリコール6000の500gとソルビトー
ル500gとの等量混合物に、F−III′の3gとデキストリ
ン20gとの均一混合粉末を加え、次にステアリン酸マグ
ネシウム10gをよく練合して1錠1gのF−III′のトロー
チ剤に成型した。
実施例26 バッカル錠 実施例25においてサッカリンナトリウムの使用量を0.2g
に変え、F−III′の代りにF−I′を用いるほかは実
施例25と同じように操作して1錠1gのF−I′のバッカ
ル錠を製造した。
実施例27 軟膏剤 精製ラノリン5g、漂白ミツロウ(white feeswax)5g及
び白色ワセリン(White petrolatum)89.6gを通常の方
法で熔融液化し、これに少量の防腐剤及び酸化防止剤を
加え、よく混合したのち冷却し、これにHM-54の0.4gを
加えて混合、均質化を行い、HM-54の軟膏剤とした。
実施例28 軟膏剤 下記の成分比の軟膏剤を実施例27と同じ操作法により製
造した。
HM-45 0.2g 固体パラフィン 20.0 ミクロクリスタリンワックス 10.0 イソプルピルミリステート 69.8 計100 g 実施例29 軟膏剤 下記の成分比の軟膏剤を実施例27と同じ操作法により製
造した。
F−I′ 0.5g ポリエチレングリコール400 57.0 ポリエチレングリコール1500 20.0 ポリエチレングリコール4000 22.5 計100 g 実施例30 通常の方法により少量の防腐剤、酸化防止剤及び香料を
加え、使用時調製して製剤としたものである。以下にそ
の処方例を示す。
処方例A 軟膏剤 F−I′ 0.6g パラオキシ安息香酸エチル 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 ラウロマクロゴール(lauro macrogol) 0.5 セスキオレイン酸ソルビタン 5.0 セタノール 18.0 白色ワセリン 40.0 精製水 35.7 計100 g 処方例B 軟膏剤 F−II′ 0.5g セタノール 15.0 白色ワセリン 40.0 エマルゲン(Emalgen)408 2.0 エマゾール(Emasol)310 3.0 精製水 39.5 計100 g 処方例C 軟膏剤 F−I′ 0.5g 高粘度型カルボキシメチルセルロース 2.0 グリセリン 80.0 精製水 17.5 計100 g 処方例D ローション剤 F−III′ 0.5g カラミン(calamine) 8.0g アルギン酸ナトリウム 1.25g 酸化亜鉛 8.0g グリセリン 4.0g パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.2g Tween 0.01g 精製水を加えて全量を100mlとする。
処方例E ローション剤 HM-15 0.3g ステアリルアルコール 2.1g 流動パラフィン 40.0ml ラウリル硫酸エステルナトリウム 1.0g Span 20 5.5g Tween 20 2.5g パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.025g パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.015g 精製水を加えて全量を100mlとする。
処方例F リニメント剤 HM-45 0.2g ヒマシ油 50.0ml Span 80 7.0ml Tween 80の0.67%水溶液を加えて全量を100mlとする。
実施例31 座剤 ウイテツプソール(Witepsol)E−85の27.0gとウイテ
ツプソールW−35の72.7gを熔融して混合し、さらに防
腐剤としてメチルパラヒドロキシベンゾエート0.05gと
ブチルパラヒドロキシベンゾエート0.05gを少量のプロ
ピレングリコールに溶解した溶液を添加して混合したの
ち、約50℃でHM-89の粉末0.2gを添加して十分に混合し
た。この熔融物をアルミニウム製の型に注入し、冷却し
て座剤を製造した。
実施例32 座剤 ゼラチン57.6g、グリセリン20.6g、メチルパラヒドロキ
シベンゾエート0.1g、プロピルパラヒドロキシベンゾエ
ート0.02g、エチルバニリン0.14g、酸化チタンとグリセ
リン混合物(40:60)3.0g、DC黄色No.5レーキ0.6g及び
精製水10gの混合物を熔融してよく混合したのち、約50
℃でF−I′の0.3gを精製水7.64gに溶解した水溶液を
添加して十分に混合して座剤を製造した。
実施例33 脂肪小胞体(リポソーム)経口剤 卵黄レシチンとコレステロールとジアセチルホスフェー
トを7:2:1の重量比で混合し、この100mgをフラスコにと
り、80mlのクロロホルムに溶解させたのち、クロロホル
ムを揮発させてフラスコの壁に薄いフィルムを形成させ
た。このフィルムとHM-89の100mgを含有する13mlのリン
酸緩衝液(pH7.2)とを混合し、よく振とうしたのち、
超音波処理を実施した。超音波処理後、約1時間放置
し、次に50,000Gで1時間遠心処理し、2度前記リン酸
緩衝液で洗浄した。得られた沈殿を2mlの生理食塩水で
懸濁させ、除菌処理し、HM-89のリポソーム経口剤を製
造した。このものは、0〜5℃に保存し、要時希釈して
医薬に供することができる。
実施例34 リポソーム経口剤 卵黄レシチン85mgとコレステロール15mgを8mlのクロロ
ホルムに溶解させたのち、クロロホルムを揮発させてフ
ラスコの壁に薄いフィルムを形成させた。このフィルム
とHM-45の100mgとアルブミン50mgを含有する15mlのリン
酸緩衝液(pH7.2)とを混合したのち、超音波処理を実
施した。超音波処理後、約30分間放置し、次に100,000G
で30分間遠心処理し、2度前記リン酸緩衝液で洗浄し
た。得られた沈殿を2mlの生理食塩水に懸濁させ、除菌
処理し、HM-45のリポソーム経口剤を製造した。このも
のは、0〜5℃に保存し、要時希釈して医薬に供するこ
とができる。
実施例35 リポソーム経口剤 大豆レシチン(カンペステロール25.4%、スチグマステ
ロール26.4%、β−シトステロール48.2%)100mgをク
ロロホルム5mlに溶解したのち、クロロホルムを揮発さ
せてフラスコの壁に薄いフィルムを形成させた。この容
器中にF−I′の120mgとマンニトール50mgを含有する5
mlのリン酸緩衝液(pH7.2)を加えて混合し、よく振と
うしたのち、超音波処理を行った。この懸濁液を約1時
間放置したのち、35,000Gで2時間遠心処理し、2度前
記リン酸緩衝液で洗浄した。得られた沈殿を回収し、1m
lの生理食塩水に懸濁させ、除菌処理し、F−I′のリ
ポソーム経口剤を製造した。このものは、0〜5℃に保
存し、要時希釈して医薬に供することができる。
実施例36 リポソーム経口剤 ホスファチジン酸5mg、大豆レシチン45mg及び卵黄レシ
チン50mgをクロロホルム5mlに溶解したのち、クロロホ
ルムを揮発させてフラスコの壁に薄いフィルムを形成さ
せた。この容器中にHM-15の100mg、デキストリン50mg、
リジン10mgを含有する5mlのリン酸緩衝液(pH7.2)を加
えて混合し、よく振とうしたのちは、実施例33と同じ操
作法によりHM-15のリポソーム経口剤を製造した。この
ものは、0〜5℃に保存し、要時希釈して医薬に供する
ことができる。
実施例37 リポソーム経口剤 卵黄レシチン100mgをクロロホルム5mlに溶解したのち、
クロロホルムを揮発させてフラスコの壁に薄いフィルム
を形成させた。この容器中にF−III′100mg、マンニッ
ト40mg及びアルギニン20mgを含有する5mlのリン酸緩衝
液(pH7.2)を加えて混合し、よく振とうしたのちは、
実施例33と同じ操作法によりF−III′のリポソーム経
口剤を製造した。このものは、0〜5℃に保存し、要時
希釈して医薬に供することができる。
実施例38 リポソーム経口剤 ホスファチジルエタノールアミン35mg、ホスファチジル
イノシトール20mg、ホスファチジルセリン35mg及びコレ
ステロール10mgの混合物をクロロホルム10mlに溶解した
のち、クロロホルムを揮発させてフラスコの壁に薄いフ
ィルムを形成させた。この容器中にHM-27の100mgと、安
定剤としてヒドロキシエチルデン粉200mg、ポリビニル
ピロリドン20mgを含有する5mlのリン酸緩衝液(pH7.2)
を加えて混合し、よく振とうしたのちは、実施例33と同
じ操作法によりHM-27のリポソーム経口剤を製造した。
このものは、0〜5℃に保存し、要時希釈して医薬に供
することができる。
実施例39 リポソーム経口剤 ホスファチジルエタノールアミン5%とスフインゴミエ
リン10%を含有する卵黄レシチン100mg及びケノデオキ
シコール酸10mgをクロロホルム10mlに溶解したのち、ク
ロロホルムを揮発させてフラスコの壁に薄いフィルムを
形成させた。この容器中にHM-64の40mgと人血漿由来の
アルブミン20mgとショ糖10mgを含有する5mlのリン酸緩
衝液(pH7.2)を加えて混合し、よく振とうしたのち
は、実施例33と同じ操作法によりHM-64のリポソーム経
口剤を製造した。このものは、0〜5℃に保存し、要時
希釈して医薬に供することができる。
実施例40 リポソーム経口剤 大豆レシチン60mg、ウルソデオキシコール酸30mg及び卵
黄レシチン10mgをクロロホルム5mlに溶解したのち、ク
ロロホルムを揮発させてフラスコの壁に薄いフィルムを
形成させた。この容器中にF−I′の100mgとポリビニ
ルピロリドン30mgとゼラチン15mgを含有する5mlのリン
酸緩衝液(pH7.2)を加えて混合し、よく振とうしたの
ちは、実施例33と同じ操作法によりF−I′のリポソー
ム経口剤を製造した。このものは、0〜5℃に保存し、
要時希釈して医薬に供することができる。
製造例41 細粒剤 HM-27 0.2g 結晶セルロース 64.5 乳糖 15.0 バレイショデン粉 15.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 ポリビニルピロリドン 2.3 計100 g 上記処方に従い均一によく混合した粉末を造粒機により
30〜100メッシュの粒子径の細粒剤とした。
製造例42 細粒剤 HM-89 0.2g 結晶セルロース 55.0 マンニトール 26.8 トウモロコシデン粉 15.0 メチルセルロース 3.0 計100 g 上記処方に従い均一によく混合した粉末を造粒機により
30〜100メッシュの粒子径の細粒剤とした。
【図面の簡単な説明】
第1図はミミズ抽出液のDEAE−セルロファインクロマト
グラフィーによる分画パターン、第2図は、粗分画F−
IIIについてのゲルろ過の分画パターン、第3図はHM-54
のゲルろ過の分画パターン、第4図はF−II分画をトヨ
パールHW-55及びアミノヘキシルセファロースで処理し
たときのゲルろ過の分画パターン、第5図は第4図の主
ピーク付近の活性画分のセファデックスG−75によるゲ
ルろ過の分画パターン、第6図はF−III画分の脱塩濃
縮液をアフィニティカラムに通したときの溶出パター
ン、第7図は第6図の活性ピーク付近の活性をトヨパー
ルHW-55に通したときの溶出パターン、第8図はプロテ
アーゼHM-27についてのゲルろ過の分画パターン、第9
図はプロテアーゼ粗製物のDEAE−セルロースによる分画
パターン、第10図は画分F−III′のフィブリン溶解力
を示すグラフ、第11図は画分F−I′、F−II′及びF
−III′の経口投与した場合のフィブリン平板溶解能を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 日本血液学会雑誌 第45巻 第2号 (昭和57−4−1) P355

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(A)ないし(F)に示される6種
    のプロテアーゼの中から選ばれた少なくとも1種を活性
    成分としてなる血栓溶解剤。 (A)プロテアーゼF-III-1-HM-27 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼイン、p−トシル−L−アルギ
    ニンメチルエステル塩酸塩、N−α−p−トシル−L−
    リジンメチルエステル塩酸塩、L−ピログルタミル−グ
    リシル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩及
    びH−D−バリル−L−ロイシル−L−リジン−p−ニ
    トロアニリド・ジ塩酸塩に対する強い作用を有するが、
    N−ベンゾイル−L−アラニンメチルエステル及びN−
    ベンゾイル−L−チロシンエチルエステルに対する作用
    をほとんど有しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したときのフィブリン分
    解作用の至適pH約8付近、pH安定範囲5〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対してのフィブリン分解反応に
    おける作用適温30〜60℃、最適温度約50℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 32,400±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=3.6±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート、大豆
    トリプシンインヒビター、アンチパイン、ロイペプチン
    及びトラジロールにより完全に阻害され、卵白トリプシ
    ンインヒビター及びトランス−4−(アミノメチル)シ
    クロヘキサンカルボン酸によりかなり阻害され、ε−ア
    ミノカプロン酸、キモスタチン及びペプスタチンにより
    ある程度阻害されるが、エチレンジアミン四酢酸ジナト
    リウム塩及びN−エチルマレイミドでは実質的に阻害さ
    れない。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 48.61%,H 6.58%,N 14.75%,S 2.03% (B)プロテアーゼF-III-2-HM-89 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼイン、p−トシル−L−アルギ
    ニンメチルエステル塩酸塩、N−α−p−トシル−L−
    リジンメチルエステル塩酸塩、L−ピログルタミル−グ
    リシル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩及
    びH−D−バリル−L−ロイシル−L−リジン−p−ニ
    トロアニリド・ジ塩酸塩には作用するが、N−ベンゾイ
    ル−L−アラニンメチルエステル及びN−ベンゾイル−
    L−チロシンエチルエステルに対する作用をほとんど有
    しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したときのフィブリン分
    解作用の至適pH8付近、pH安定範囲4〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対してのフィブリン分解反応に
    おける作用適温30〜60℃、最適温度約50〜60℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 32,800±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=3.5±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート、大豆
    トリプシンインヒビター、アンチパイン、ロイペプチン
    及びトラジロールにより完全に阻害され、トランス−4
    −(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸によりか
    なり阻害され、卵白トリプシンインヒビター、ε−アミ
    ノカプロン酸、キモスタチン及びペプスタチンによりあ
    る程度阻害されるが、エチレンジアミン四酢酸ジナトリ
    ウム塩及びN−エチルマレイミドでは全く阻害されな
    い。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 47.53%,H 6.55%,N 14.59%,S 2.06% (C)プロテアーゼF-0-HM-45 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼイン、p−トシル−L−アルギ
    ニンメチルエステル塩酸塩及びN−ベンゾイル−L−チ
    ロシンエチルエステルに対する強い作用を有するが、L
    −ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン−p−ニ
    トロアニリド塩酸塩及びH−D−バリル−L−ロイシル
    −L−リジン−p−ニトロアニリド・ジ塩酸塩にはごく
    わずかに作用し、N−ベンゾイル−L−アラニンメチル
    エステル及びN−α−p−トシル−L−リジンメチルエ
    ステル塩酸塩にはほとんど作用しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したときのフィブリン分
    解作用の至適pH約8〜10、pH安定範囲4〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対してのフィブリン分解反応に
    おける作用適温30〜60℃、最適温度約50〜60℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 24,500±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=4.1±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート、アン
    チパイン、キモスタチン、ロイペプチン及びトラジロー
    ルによって完全に阻害され、ε−アミノカプロン酸及び
    トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボ
    ン酸によってかなり阻害され、ペプスタチン、N−エチ
    ルマレイミド及び卵白トリプシンインヒビターによって
    ある程度阻害されるが、エチレンジアミン四酢酸ジナト
    リウム塩には全く阻害されない。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 48.30%,H 6.84%,N 15.88%,S 2.07% (D)プロテアーゼF-I-1-HM-54 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼイン、p−トシル−L−アルギ
    ニンメチルエステル塩酸塩及びN−ベンゾイル−L−チ
    ロシンエチルエステルに対する強い作用を有するが、N
    −α−p−トシル−L−リジンメチルエステル塩酸塩及
    びL−ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン−p
    −ニトロアニリド塩酸塩にはわずかに作用し、N−ベン
    ゾイル−L−アラニンメチルエステル及びH−D−バリ
    ル−L−ロイシル−L−リジン−p−ニトロアニリド・
    ジ塩酸塩にはほとんど作用しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したときのフィブリン分
    解作用の至適pH約8〜10、pH安定範囲4〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対してのフィブリン分解反応に
    おける作用適温30〜60℃、最適温度約50〜60℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 27,500±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=4.0±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート及びN
    −エチルマレイミドによって完全に阻害され、ロイペプ
    チン及び大豆トリプシンインヒビターによってかなり阻
    害され、キモスタチン、トランス−4−(アミノメチ
    ル)シクロヘキサンカルボン酸及び卵白トリプシンイン
    ヒビターによってある程度阻害されるが、エチレンジア
    ミン四酢酸ジナトリウム塩、ペプスタチン、アンチパイ
    ン、トラジロール及びε−アミノカプロン酸では阻害さ
    れない。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 48.93%,H 6.65%,N 15.95%,S 1.34% (E)プロテアーゼF-I-2-HM-15 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼイン、p−トシル−L−アルギ
    ニンメチルエステル塩酸塩及びN−ベンゾイル−L−チ
    ロシンエチルエステルに対する強い作用を有するが、N
    −α−p−トシル−L−リジンメチルエステル塩酸塩及
    びL−ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン−p
    −ニトロアニリド塩酸塩にはわずかに作用し、N−ベン
    ゾイル−L−アラニンメチルエステル及びH−D−バリ
    ル−L−ロイシル−L−リジン−p−ニトロアニリド・
    ジ塩酸塩にはほとんど作用しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したフィブリン分解作用
    の至適pH約8〜10、pH安定範囲4〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対しての作用適温30〜60℃、最
    適温度約50〜60℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 27,000±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=3.9±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート及びN
    −エチルマレイミドによって完全に阻害され、卵白トリ
    プシンインヒビター及びロイペプチンによりかなり阻害
    され、アンチパイン、大豆トリプシンインヒビター、ペ
    プスタチン、ε−アミノカプロン酸、キモスタチン、エ
    チレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩及びトランス−4
    −(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸によって
    ある程度阻害されるが、トラジロールでは阻害されな
    い。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 46.15%,H 6.64%,N 16.02%,S 2.05% (F)プロテアーゼF-II-HM-64 a)活性及び基質特異性: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用、プラスミノ
    ーゲン活性化作用、カゼインに対する強い作用、p−ト
    シル−L−アルギニンメチルエステル塩酸塩に対する作
    用を有するが、N−α−p−トシル−L−リジンメチル
    エステル塩酸塩及びL−ピログルタミル−グリシル−L
    −アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩にはわずかに
    作用し、H−D−バリル−L−ロイシル−L−リジン−
    p−ニトロアニリド・ジ塩酸塩にはごくわずかに作用
    し、N−ベンゾイル−L−アラニンメチルエステル及び
    N−ベンゾイル−L−チロシンエチルエステルにはほと
    んど作用しない。 b)至適pH及び安定pH範囲: フィブリン塊を基質として使用したときのフィブリン分
    解作用の至適pH約7〜8、pH安定範囲5〜12。 c)作用適温範囲: pH7.8のフィブリン塊に対してのフィブリン分解反応に
    おける作用適温30〜60℃、最適温度約50〜60℃。 d)失活条件: 70℃に60分間保持すると完全に失活する。 e)分子量: 27,800±2,000 f)紫外線吸収スペクトル: 280nm付近に吸収極大、250nm付近に吸収極小を示す。 g)等電点: PI=3.8±0.1 h)阻害剤の影響: フィブリン塊に対するフィブリン分解作用は、リマ豆ト
    リプシンインヒビター、ジフルオロホスフェート、N−
    エチルマレイミド及び大豆トリプシンインヒビターによ
    り完全に阻害され、卵白トリプシンインヒビター、トラ
    ジロール、ペプスタチン、キモスタチン及びトランス−
    4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸によっ
    てかなり阻害され、アンチパイン及びε−アミノカプロ
    ン酸によりある程度阻害されるが、エチレンジアミン四
    酢酸ジナトリウム塩及びロイペプチンでは阻害されな
    い。 i)アミノ酸組成: j)元素分析値: C 48.23%,H 6.53%,N 15.93%,S 1.43%
  2. 【請求項2】経口投与剤の形にした特許請求の範囲第1
    項記載の血栓溶解剤。
  3. 【請求項3】(A)及び(B)のプロテアーゼを活性成
    分とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の血栓溶
    解剤。
  4. 【請求項4】(D)及び(E)のプロテアーゼを活性成
    分とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の血栓溶
    解剤。
  5. 【請求項5】(C)、(D)及び(E)のプロテアーゼ
    を活性成分とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の血栓溶解剤。
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