JPH0694301B2 - 方向変換搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は被搬送物の搬送方向を可変することのできる方
向変換搬送装置に関する。

〔発明の概要〕

本発明は方向変換搬送装置に関し、回転軸を備え、外周
面の上端部に被搬送物に当接する当接部が設けられたロ
ータの回転軸にプーリが挿着され、回転軸を基台に対し
所定の傾斜角を持たせる如く軸受によって軸支し、傾斜
角変更部によって回転軸の傾斜角が変更せしめられる複
数の搬送ロータを設け、その各搬送ロータの回転軸がプ
ーリに懸架された動力伝達ベルトにより回転駆動せしめ
られるようにして成ることにより、被搬送物の搬送方向
を任意に、しかも容易に可変することができるようにし
たものである。

〔従来の技術〕

従来の被搬送物の搬送方向を可変する方法としては、例
えば次のようなものが有る。a.カーブコンベアを用い
て、被搬送物の搬送方向を可変する。b.直線コンベアを
用い、ガイドによって被搬送物の搬送方向を可変する。
c.直線コンベアを用い、プッシャによって被搬送物の搬
送方向を可変する。d.クロスコンベアを用いて、被搬送
物の搬送方向を可変する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述の従来の方法には、次のような欠点がある。a.の方
法は、コンベアの曲率半径が大きくなり、設備の規模が
大きくなり過ぎる。b.の方法は、被搬送物がガイドに圧
接するので、被搬送物が破損する虞がある。c.の方法
は、被搬送物の大きさ以上の大きさのシリンダで被搬送
物を押すので、そのためのスペースが大きく成り、又、
被搬送物に力が加わるので、被搬送物の底部が摩耗した
り、タクトが遅くなる。e.の方法は、下側のコンベアの
一部から交叉したコンベアを持ち上げ、方向を変えて搬
送するので、被搬送物が重くなると、それに応じてクロ
スコンベアの持ち上げ力を大きくしなければならない。

かかる点に鑑み、本発明は被搬送物の搬送方向を任意
に、しかも容易に可変することのできる方向変換搬送装
置を提案しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による方向変換搬送装置は、基台（６）と、回転
軸（２）を備え、外周面の上端部に被搬送物に当接する
当接部（1A）が設けられたロータ（１）と、回転軸
（２）に挿着されたプーリ（９）と、回転軸（２）を基
台（６）に対し所定の傾斜角を持たせる如く軸支する軸
受（３）、（４）と、回転軸（２）の傾斜角を変更する
傾斜角変更部（3A,4A,7）とを具備する複数の搬送ロー
タを設け、その各搬送ロータの回転軸（２）は、プーリ
（９）に懸架された動力伝達ベルト（10）により回転駆
動せしめられるようにしたものである。

〔作用〕

上述せる本発明によれば、複数のロータ（１）の軸
（２）の傾きを、互いに関連して可変することにより、
被搬送物の搬送方向を任意に可変することができる。

〔実施例〕

以下に、第１図及び第２図を参照して、本発明の一実施
例の一部を詳細に説明しよう。（１）は金属からなるロ
ータ、（２）はその回転軸（軸）である。ロータ（１）
の外周面の上端部、即ち、上面側の角部に、被搬送物に
当接する当接部（1A）が設けられ、その当接部（1A）は
僅か平坦（凸曲面も可）になされている。（６）は基台
としての固定プレート、（７）は可動プレートで、固定
プレート（６）に対し並行移動し得るようになされてい
る。（８）はガイドで、固定プレート（６）に取付けら
れており、可動プレート（７）を案内する。ロータ
（１）の軸（２）には、その延在方向に沿って、一対の
自動調芯型軸受（３）、（４）が取付けられている。

又、軸（２）の傾斜角を変更する傾斜角変更部（3A、4
A、７）が設けられる。即ち、軸受（３）、（４）の各
フランジ（3A）、（4A）が、夫々固定プレート（６）及
び可動プレート（７）に取付けられている。ロータ
（１）の軸（２）の下端には、駆動プーリ（９）が取付
けられ、このプーリ（９）に、駆動源からの動力伝達ベ
ルトとしての伝導ベルト（10）が巻付けられており、こ
れによりロータ（１）が回転駆動せしめられる。

そして、かかるロータ（１）が複数（３個以上で、実際
にはこれよりかなり多い）設けられ、夫々一対の軸受
（３）、（４）を介して、共通のプレート（６）、
（７）に取り付けられている。複数のロータ（１）の回
転方向及び回転速度は、本例では同一であるが、所定の
分布を以て異ならせても良い。又、複数のロータ（１）
の軸（２）の傾きの方向及び角度は、本例では同一であ
るが、所定の分布を以て異ならせても良い。

第２図はロータ（１）の軸（２）を垂直方向に対し、僅
か傾けた場合を示し、ロータ（１）は軸受（３）の中心
ａの周りに回動自在とされて、軸（２）の傾きが変化す
る。図示の場合は、ロータ（１）の角部（1A）の一部ｂ
が被搬送物（11）に回転接触し、その反対側の他部ｃは
被搬送物（11）から大きく離間している。この場合、複
数のロータ（１）の角部（1A）の被搬送物（11）に接触
している部分ｂは、略同一平面内に位置するようになさ
れている。

第３図は、ロータ（１）の軸（２）の傾きの方向を変え
たときの、被搬送物（11）の搬送方向を示したものであ
る。これによれば、ロータ（１）の傾きの方向を変化さ
せることにより、被搬送物（11）を360度のあらゆる方
向に搬送することができることが分かる。

次ぎに、第４図〜第８図を参照して、上述の方向変換搬
送装置とコンベアとを組み合わせた搬送装置の例を説明
する。第４図は、コンベア（15）から搬送されて来た被
搬送物を、方向変換搬送装置（14）にて搬送方向を90度
変更した後、他のコンベア（16）にて搬送させ得るよう
にした場合である。

第５図は、コンベア（17）から搬送されて来た被搬送物
を、方向変換搬送装置（14）にて搬送方向を360度変更
した後、他のコンベア（18）にて搬送させ得るようにし
た場合である。

第６図は、コンベア（45）から搬送されて来た被搬送物
を、方向変換搬送装置（14）によって、コンベア（45）
と同方向で、方向変換搬送装置（14）に対し反対側の２
基のコンベア（46）、（47）に振り分けて搬送し得るよ
うにした場合である。

第７図は、コンベア（48）から搬送されて来た被搬送物
を、方向変換搬送装置（14）によって、コンベア（48）
と同方向で、方向変換搬送装置（14）に対し反対側のコ
ンベア（49）と、コンベア（48）に対し±90度の方向の
コンベア（50）、（51）とに振り分けて搬送し得るよう
にした場合である。

同８図は、コンベア（52）から搬送されて来た被搬送物
を、方向変換搬送装置（14）によって、コンベア（45）
と同方向で、方向変換搬送装置（14）に対し反対側のコ
ンベア（53）に搬送し、且つコンベア（53）に対し90度
の方向のコンベア（54）からの被搬送物を、方向変換搬
送装置（14）にて搬送方向を変換して、コンベア（53）
に搬送し得るようにした場合である。

次に、第９図〜第14図を参照して、本発明の他の実施例
を説明するも、第１図の実施例と対応する部分に同一符
号を付して説明する。この実施例は、コンベア（34）か
ら搬送されてきた被搬送物の搬送方向を90度変更して、
他のコンベア（図示せず）に搬送し得るようにした場合
である。

（１）は金属からなるロータ、（２）はその回転軸
（軸）である。ロータ（１）の外周面の上端部、即ち、
上面側の角部に、被搬送物に当接する当接部（1A）が設
けられ、その当接部（1A）は僅か平坦（凸曲面も可）に
なされている。（６）は基台としての固定プレート、
（７）は可動プレートで、固定プレート（６）に対し並
行移動し得るようになされている。（８）はガイドで、
固定プレート（６）に取付けられており、可動プレート
（７）を案内する。ロータ（１）の軸（２）には、その
延在方向に沿って、一対の自動調芯型軸受（３）、
（４）が取付けられている。

又、軸（２）の傾斜角を変更する傾斜角変更部（3A、4
A、７）が設けられる。即ち、軸受（３）、（４）の各
フランジ（3A）、（4A）が、夫々固定プレート（６）及
び可動プレート（７）に取付けられている。ロータ
（１）の軸（２）の下端には、駆動プーリ（９）が取付
けられ、このプーリ（９）に、駆動源としてのモータ
（21）からの動力伝達ベルトとしての伝導ベルト（10）
が巻付けられており、これによりロータ（１）が回転駆
動せしめられる。

（20）は基板で、この上にプレート（６）が所定間隔を
置いてポールを介して取り付けられている。この基板
（20）上にはモータ（21）が取り付けられる。モータ
（21）の軸（22）には歯車（23）が取り付けられる。プ
レート（６）には、同軸の歯車（26）及びプーリ（27）
が軸（25）を介して植立されている。又、プレート
（６）には、プーリ（31）が軸（30）を介して取り付け
られている。そして、両歯車（23）、（26）間にはチェ
ーン（24）が架張されている。又、プーリ（27）、（3
1）及び各ロータ（１）の駆動プーリ（９）間にベルト
（10）が架張されている。かくして、各ロータ（１）は
モータ（21）によって等回転速度で回転せしめられる。

次ぎに、プレート（７）をプレート（６）に対し並行に
移動させる手段について説明する。（36）はシリンダ
で、これによってラック（37）が駆動せしめられる。プ
レート（７）の下面には、一対のピニオン（38）、（3
9）が取り付けられ、上述のラック（37）と歯合せしめ
られる。ピニオン（38）、（39）にはこれと一体に偏芯
ピン（42）が設けられ、これがプレート（６）に設けら
れた孔と嵌合しうるようになされている。

（33）は、コンベア（34）から被搬送物（11）が連続し
て搬送されてくる場合に上昇して、これを阻止するスト
ッパで、方向変換搬送装置で被搬送物（11）の90度変更
が終了したら降下する。（32）はこのストッパ（33）を
駆動するシリンダである。

（29）、（43）は直線ガイドで、互いに直角と成るよう
にプレート（６）の２辺に配され、コンベア（34）から
搬送されて来た被搬送物（11）をガイド（43）によって
案内し、方向変換搬送装置によって搬送方向が90度変更
せしめられた被搬送物（11）をガイド（29）によって案
内し得るようになされている。（40）は、コンベア（3
4）から搬送されてきた被搬送物（11）の先端がガイド
（29）の位置まで来たことを検知するセンサで、このセ
ンサ（40）の検出出力によってモータ（21）を制御し、
各ロータ（１）の傾きを一斉に変え、これにより被搬送
物（11）の搬送方向を90度変更する。

〔発明の効果〕

上述せる本発明によれば、簡単な構成にて、被搬送物の
搬送方向を、任意の方向に容易に変更することのできる
方向変換搬送装置を得ることができる。又、かかる本発
明によれば、設置場所のスペースが少なくて済み、被搬
送物に無理な力が加わることが無く、被搬送物に損傷を
与える虞が無く、方向変換のための動作が頗る少なく、
変換動作が小さな動力で済み、動作量が小さいのでタク
トが速く、ロータの回転軸の傾斜角を変更することがで
きる等の利点も有る。更に、本発明によれば、基台か
ら、ロータの外周面の上端部に設けた当接部までの高さ
の精度は、その当接部の寸法精度と軸受の精度のみに依
存するので、頗る高精度となり、このため複数の搬送ロ
ータが共同して被搬送物の方向変換を行う際に、被搬送
物に対応する搬送ロータの全てが被搬送物に転接するの
で、被搬送物の方向変換が確実且つ迅速に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図はその
動作状態を示す断面図、第３図はその一部の動作状態を
示す斜視図、第４図〜第８図は本発明を適用した搬送装
置の各例を示す平面図、第９図〜第14図は本発明の他の
実施例の夫々左側面図、平面図、底面図、右側面図、背
面図及び他の背面図である。 （１）はロータ、（２）は軸、（３）、（４）は軸受、
（６）は固定プレート、（７）は可動プレート、（８）
はガイド、（11）は被搬送物である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、 回転軸を備え、外周面の上端部に被搬送物に当接する当
   接部が設けられたロータと、 上記回転軸に挿着されたプーリと、 上記回転軸を上記基台に対し所定の傾斜角を持たせる如
   く軸支する軸受と、 上記回転軸の傾斜角を変更する傾斜角変更部と を具備する複数の搬送ロータを設け、 該各搬送ロータの回転軸は、上記プーリに懸架された動
   力伝達ベルトにより回転駆動せしめられるようにしたこ
   とを特徴とする方向変換搬送装置。