JPH06941B2 - 浸炭用鋼 - Google Patents
浸炭用鋼Info
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- JPH06941B2 JPH06941B2 JP62202521A JP20252187A JPH06941B2 JP H06941 B2 JPH06941 B2 JP H06941B2 JP 62202521 A JP62202521 A JP 62202521A JP 20252187 A JP20252187 A JP 20252187A JP H06941 B2 JPH06941 B2 JP H06941B2
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- Japan
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- less
- round bar
- steel
- hardenability
- diameter
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浸炭処理時に鋼材の表面層に現れる有害な不
完全焼入れ層を低減し、耐疲労性を具備する浸炭用鋼に
関するものである。
完全焼入れ層を低減し、耐疲労性を具備する浸炭用鋼に
関するものである。
浸炭鋼として、例えばJISに規定するSC材、SCr
材、SCM材、SMn材、SNC材、SNCM材等の機
械構造用鋼があり、ギア類から、ピン、ブッシュ、ボル
ト等の機械部品が製造されている。
材、SCM材、SMn材、SNC材、SNCM材等の機
械構造用鋼があり、ギア類から、ピン、ブッシュ、ボル
ト等の機械部品が製造されている。
これらの部品は、表面の耐摩耗性および疲労強度を高め
るために、浸炭焼入れ処理が施されるが、最表層部に内
部酸化層および異常組織が生成し、この結果疲労強度が
著しく低下するという問題を有している。
るために、浸炭焼入れ処理が施されるが、最表層部に内
部酸化層および異常組織が生成し、この結果疲労強度が
著しく低下するという問題を有している。
そこで従来は、浸炭処理後にラッピング等の表面加工を
行って表面の異常組織を機械的に除去したり、あるいは
部品を必要以上に大型化して所定強度を得ている。ある
いは特公昭55-32777号および特開昭59-182952号の公報
に、異常組織の原因である内部酸化層の現われない成分
範囲に関する鋼材が開示されている。
行って表面の異常組織を機械的に除去したり、あるいは
部品を必要以上に大型化して所定強度を得ている。ある
いは特公昭55-32777号および特開昭59-182952号の公報
に、異常組織の原因である内部酸化層の現われない成分
範囲に関する鋼材が開示されている。
しかしラッピング等の表面加工を行うと、製造工程数が
増加するほか複雑な形状部品には適用しがたいという問
題があり、また冷却速度を大きくすると熱処理歪が増大
し、寸法精度が低下するという欠点がある。
増加するほか複雑な形状部品には適用しがたいという問
題があり、また冷却速度を大きくすると熱処理歪が増大
し、寸法精度が低下するという欠点がある。
そのため酸素を含まない雰囲気中で行う真空浸炭法があ
るが、この処理を実施するためには真空装置をはじめ種
々の装置が必要で極めて複雑であり、さらに連続処理炉
が未開発のため、大量生産には不向きなバッチ処理とな
りコストが高い。
るが、この処理を実施するためには真空装置をはじめ種
々の装置が必要で極めて複雑であり、さらに連続処理炉
が未開発のため、大量生産には不向きなバッチ処理とな
りコストが高い。
一方、通常の浸炭作業において、これらの内部酸化層や
不完全焼入れ層を生成させない技術のひとつとして最
近、特公昭55-32777号、特開昭59-182952号の公報にみ
られるように、Si,Mn,Cr等の酸素との親和力の
強い合金元素をできるだけ少なくし、代りに酸化されに
くい合金元素として価格の高いMoやNiを添加し、粒
界酸化層を低減する鋼材が開示されている。
不完全焼入れ層を生成させない技術のひとつとして最
近、特公昭55-32777号、特開昭59-182952号の公報にみ
られるように、Si,Mn,Cr等の酸素との親和力の
強い合金元素をできるだけ少なくし、代りに酸化されに
くい合金元素として価格の高いMoやNiを添加し、粒
界酸化層を低減する鋼材が開示されている。
しかしこれらの鋼材は粒界酸化層の完全な抑制は困難で
あり、また異常組織も皆無にするには到っていない。ま
たこれらの元素はコストも高い。
あり、また異常組織も皆無にするには到っていない。ま
たこれらの元素はコストも高い。
本発明者らは浸炭鋼の疲労強度に対する粒界酸化層と不
完全焼入れ層の影響を分離して検討した結果、たとえ粒
界酸化層は存在していても、最表層部の不完全焼入れ層
の生成を防止すれば大幅な疲労強度の改善を期待できる
ことを知見した。
完全焼入れ層の影響を分離して検討した結果、たとえ粒
界酸化層は存在していても、最表層部の不完全焼入れ層
の生成を防止すれば大幅な疲労強度の改善を期待できる
ことを知見した。
この不完全焼入れ層の生成を防止するには、粒界酸化層
が発生していても十分焼入硬化するように安価なMnや
Crを添加して、鋼材の焼入れ性を高めておけば良いこ
とを確認した。
が発生していても十分焼入硬化するように安価なMnや
Crを添加して、鋼材の焼入れ性を高めておけば良いこ
とを確認した。
所要焼入れ性DI値は処理鋼材の寸法が大きく影響す
る。焼入れ性および等価丸棒径(直径)と、不完全焼入
れ組織の発生状況を調査した結果、C,MnおよびCr
による焼入れ性(DI′)および等価丸棒径(φmm)の
間に、 DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163…式 の関係を満足することにより、Moの添加なしに表層の
完全焼入れ組織を確保できることを見出した。
る。焼入れ性および等価丸棒径(直径)と、不完全焼入
れ組織の発生状況を調査した結果、C,MnおよびCr
による焼入れ性(DI′)および等価丸棒径(φmm)の
間に、 DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163…式 の関係を満足することにより、Moの添加なしに表層の
完全焼入れ組織を確保できることを見出した。
なおこの場合、DI′(=DIC×FMn×FCr)は
C,Mn,Crによる理想臨界直径であり、DICは基
本焼入れ性、またFMn,FCrは各元素の焼入れ性倍
数である。
C,Mn,Crによる理想臨界直径であり、DICは基
本焼入れ性、またFMn,FCrは各元素の焼入れ性倍
数である。
またこの等価丸棒径φ(mm)は丸棒に類似した形状の場
合;φ=丸棒の直径、板に類似した形状の場合;φ=板
厚/0.72、角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90
となり、各種鋼材形状の歯車等の製品に適用できる。
合;φ=丸棒の直径、板に類似した形状の場合;φ=板
厚/0.72、角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90
となり、各種鋼材形状の歯車等の製品に適用できる。
つまりこれによって設計される高焼入れ性鋼は、たとえ
一部が粒界酸化物として消費されたとしても、補うのに
必要な合金元素が添加されており、各寸法ごとに表面焼
入れ性が保持でき、不完全焼入れによる異常組織の発生
を抑制する。
一部が粒界酸化物として消費されたとしても、補うのに
必要な合金元素が添加されており、各寸法ごとに表面焼
入れ性が保持でき、不完全焼入れによる異常組織の発生
を抑制する。
次に疲労破壊の起点と伝播挙動を調査した結果、Al2
O3が表層部の疲労破壊の原因の一つになっており、こ
の生成を抑制するためにOを低減することが疲労強度向
上に有効であることが分かった。
O3が表層部の疲労破壊の原因の一つになっており、こ
の生成を抑制するためにOを低減することが疲労強度向
上に有効であることが分かった。
さらに疲労破壊は粒界破壊で進展するのに対し、オース
テナイト粒界にPが偏析して粒界を脆化させるため、そ
の量を低減することも疲労強度向上に効果的であり、試
験の結果、0.010%未満であればその悪影響は実質上問
題にならないことが分かった。
テナイト粒界にPが偏析して粒界を脆化させるため、そ
の量を低減することも疲労強度向上に効果的であり、試
験の結果、0.010%未満であればその悪影響は実質上問
題にならないことが分かった。
こうした知見をもとに本発明者らは最も粒界酸化しやす
いSiを低減し、各寸法に応じて安価なMn,Crで所
要の焼入れ性に調節することによって、表層の不完全焼
入れ組織の発生を抑制し、さらに介在物を低減し粒界を
強化することによって、本発明を完成した。
いSiを低減し、各寸法に応じて安価なMn,Crで所
要の焼入れ性に調節することによって、表層の不完全焼
入れ組織の発生を抑制し、さらに介在物を低減し粒界を
強化することによって、本発明を完成した。
すなわち本発明は重量%で、C:0.1%以上0.3%未満、
Si:0.10%未満、Mn:0.80%以上2.00%未満、C
r:0.80%以上2.00%未満を基本含有成分とし、残部F
eおよび不純物よりなり、かつC,Mn,Crによる焼
入れ性(DI′)および等価丸棒径φ(mm)の間に、
DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163の関係式を満足し、
あるいはこれにNi:0.5%以上5.0%未満、Mo:0.05
%以上0.4%未満の1種または2種を含有し、あるいは
これにさらにP:0.010%未満、O:0.0020%未満に制
御した浸炭用鋼を提供するものである。
Si:0.10%未満、Mn:0.80%以上2.00%未満、C
r:0.80%以上2.00%未満を基本含有成分とし、残部F
eおよび不純物よりなり、かつC,Mn,Crによる焼
入れ性(DI′)および等価丸棒径φ(mm)の間に、
DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163の関係式を満足し、
あるいはこれにNi:0.5%以上5.0%未満、Mo:0.05
%以上0.4%未満の1種または2種を含有し、あるいは
これにさらにP:0.010%未満、O:0.0020%未満に制
御した浸炭用鋼を提供するものである。
またD′の計算に用いるDIC,FMnおよびFCrは
Grossmanの相乗法で計算すること、AISIの値はGros
smanの相乗法から求められたことが公知であるが、これ
を示すと第1表の通りである。
Grossmanの相乗法で計算すること、AISIの値はGros
smanの相乗法から求められたことが公知であるが、これ
を示すと第1表の通りである。
以下に本発明の鋼の各構成成分について説明する。
まずCは構造用部品あるいは製品として必要な強度、特
に芯部強度を確保するために添加する元素であるが、0.
10%未満ではこのような効果を十分に得ることができ
ず、0.30%以上では靭性が低下して脆くなり、浸炭用鋼
として使用が困難となるので、その含有量を0.1%以上
0.3%未満とする。
に芯部強度を確保するために添加する元素であるが、0.
10%未満ではこのような効果を十分に得ることができ
ず、0.30%以上では靭性が低下して脆くなり、浸炭用鋼
として使用が困難となるので、その含有量を0.1%以上
0.3%未満とする。
Siは浸炭用鋼の粒界酸化に著しく悪影響を及ぼす元素
であり、含有量が0.10以上では浸炭層に粒界酸化が形成
され、浸炭用鋼の材質特性が著しく劣化するので、その
含有量を0.10%未満とする。
であり、含有量が0.10以上では浸炭層に粒界酸化が形成
され、浸炭用鋼の材質特性が著しく劣化するので、その
含有量を0.10%未満とする。
Mnは鋼に強度、靭性、焼入れ性を与えるのに必要な元
素であるが、2.00%以上では熱間圧延後の冷却において
ベイナイトやマルテンサイトの硬質な組織になり、その
後の切削等の二次加工には適さなくなるために2.00%未
満とする。しかしMnの添加量が0.80%未満では焼入れ
性の効果が十分でなく、その含有量は0.80%以上とす
る。
素であるが、2.00%以上では熱間圧延後の冷却において
ベイナイトやマルテンサイトの硬質な組織になり、その
後の切削等の二次加工には適さなくなるために2.00%未
満とする。しかしMnの添加量が0.80%未満では焼入れ
性の効果が十分でなく、その含有量は0.80%以上とす
る。
Crは鋼の機械的性質、焼入れ性、耐摩耗性の向上に寄
与するが、この元素も2.0%以上では、熱間圧延後の冷
却においてベイナイトやマルテンサイトの硬質な組織に
なり、その後の切削等の二次加工には適さなくなるため
に2.00%未満とする。しかしCrの添加量が0.80%未満
では焼入れ性の効果が十分でなく、その含有量は0.80%
以上とする。
与するが、この元素も2.0%以上では、熱間圧延後の冷
却においてベイナイトやマルテンサイトの硬質な組織に
なり、その後の切削等の二次加工には適さなくなるため
に2.00%未満とする。しかしCrの添加量が0.80%未満
では焼入れ性の効果が十分でなく、その含有量は0.80%
以上とする。
Sは鋼中の介在物量を増加し、冷間での塑性加工性に悪
影響を及ぼすので、0.010%未満に規制することがより
望ましい。
影響を及ぼすので、0.010%未満に規制することがより
望ましい。
本発明の鋼は上述した成分を有する鋼の他に、さらに以
下のような化学成分を適当量に調整した鋼を含むもので
ある。この場合の化学成分としてはNi,Mo,P,O
がある。
下のような化学成分を適当量に調整した鋼を含むもので
ある。この場合の化学成分としてはNi,Mo,P,O
がある。
NiおよびMoは無添加でも十分疲労強度を向上できる
が、これらは浸炭時の粒界酸化を促進しない元素であ
り、鋼の機械的特性や焼入れ性を向上させるため、1種
または2種を添加することにより、より一層の疲労強度
向上が図られる。
が、これらは浸炭時の粒界酸化を促進しない元素であ
り、鋼の機械的特性や焼入れ性を向上させるため、1種
または2種を添加することにより、より一層の疲労強度
向上が図られる。
Niは鋼の靭性向上、浸炭時のオーステナイト結晶粒粗
大化防止に寄与するが、多すぎると残留オーステナイト
が生成される疲労強度が低下するので5.0%未満とする
必要がある。しかしNiの添加量が0.5%未満では焼靭
性向上の効果が十分でなく、その含有量は0.5%以上と
する。
大化防止に寄与するが、多すぎると残留オーステナイト
が生成される疲労強度が低下するので5.0%未満とする
必要がある。しかしNiの添加量が0.5%未満では焼靭
性向上の効果が十分でなく、その含有量は0.5%以上と
する。
またMoは鋼の耐摩耗性、焼入れ性、機械的性質の向上
に寄与するが、多すぎると靭性を劣化させ、また経済的
にも好ましくないために、0.4%未満とする必要があ
る。しかしMoの添加量が0.05%未満では焼入れ性の効
果が十分でなく、その含有量は0.05%以上とする。
に寄与するが、多すぎると靭性を劣化させ、また経済的
にも好ましくないために、0.4%未満とする必要があ
る。しかしMoの添加量が0.05%未満では焼入れ性の効
果が十分でなく、その含有量は0.05%以上とする。
Oは鋼中の介在物量を増大し、転動疲労や回転曲げ疲労
等の疲労強度特性を劣化させるので、0.0020%未満とす
ることにより、またPは結晶粒界に偏析し粒界の破壊強
度を低下させるため、0.010%未満とすることにより、
より一層の疲労強度向上が図られる。
等の疲労強度特性を劣化させるので、0.0020%未満とす
ることにより、またPは結晶粒界に偏析し粒界の破壊強
度を低下させるため、0.010%未満とすることにより、
より一層の疲労強度向上が図られる。
第2表に示す化学成分の鋼を溶製したのち造塊し、次に
分塊圧延、棒鋼圧延して直系25mmの丸棒を製造した。表
中のDは、関係式:DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163
の右辺の値であり、浸炭処理を行う対象部品の寸法で計
算される。従って、化学成分から計算できるDI′(=
DIC×FMn×FCr)とこのDを比較することによ
り、関係式を満たすかどうかが分かる。続いて各圧延材
を925℃で焼きならし処理した後、直系25mmの丸棒よ
り、掴み部の直径が15mm、中央平行部の直径がNo.1〜N
o.4およびNo.8〜No.13までが9mmで、No.5とNo.14は
12mmで回転曲げ疲労試験片に機械加工した。また、同じ
く直径25mmの丸棒より、掴み部が7mm×20mmで、中央部
をNo.6およびNo.15では6.48mm×20mm(板に類似した形
状の円相当径=板厚/0.72=6.48/0.72=9mmφ)と
し、No.7およびNo.16では8.1mm×8.1mm(角棒に類似し
た形状の円相当径=板厚/0.90=8.1/0.90=9mmφ)
とした3点曲げ疲労試験片に機械加工した。
分塊圧延、棒鋼圧延して直系25mmの丸棒を製造した。表
中のDは、関係式:DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163
の右辺の値であり、浸炭処理を行う対象部品の寸法で計
算される。従って、化学成分から計算できるDI′(=
DIC×FMn×FCr)とこのDを比較することによ
り、関係式を満たすかどうかが分かる。続いて各圧延材
を925℃で焼きならし処理した後、直系25mmの丸棒よ
り、掴み部の直径が15mm、中央平行部の直径がNo.1〜N
o.4およびNo.8〜No.13までが9mmで、No.5とNo.14は
12mmで回転曲げ疲労試験片に機械加工した。また、同じ
く直径25mmの丸棒より、掴み部が7mm×20mmで、中央部
をNo.6およびNo.15では6.48mm×20mm(板に類似した形
状の円相当径=板厚/0.72=6.48/0.72=9mmφ)と
し、No.7およびNo.16では8.1mm×8.1mm(角棒に類似し
た形状の円相当径=板厚/0.90=8.1/0.90=9mmφ)
とした3点曲げ疲労試験片に機械加工した。
次に各加工材に対して、浸炭ガス雰囲気中で930℃×5
時間加熱→60℃油焼入れ→180℃×1時間焼戻しの条件
で浸炭焼入れし、焼戻しを行い、各々の処理材について
ミクロ観察による異常層深さを測定するとともに、小野
式回転曲げ疲労試験および3点曲げ疲労試験を行った。
時間加熱→60℃油焼入れ→180℃×1時間焼戻しの条件
で浸炭焼入れし、焼戻しを行い、各々の処理材について
ミクロ観察による異常層深さを測定するとともに、小野
式回転曲げ疲労試験および3点曲げ疲労試験を行った。
表3に示すように、Si含有量の多すぎるNo.1〜2、
およびCr含有量の多すぎるNo.3では粒塊酸化層の発
生が大で、異常組織の発明もあり疲労強度も低い。また
No.4〜No.7はSi含有量が低いものの、Cr,Mn含
有量が式を満たしておらず疲労強度は低い。
およびCr含有量の多すぎるNo.3では粒塊酸化層の発
生が大で、異常組織の発明もあり疲労強度も低い。また
No.4〜No.7はSi含有量が低いものの、Cr,Mn含
有量が式を満たしておらず疲労強度は低い。
さらにNi含有量の多すぎるNo.8では残留オーステナ
イト量が多く強度の低下をもたらし、Mo含有量の多す
ぎるNo.9では靭性の低下に繋がっている。
イト量が多く強度の低下をもたらし、Mo含有量の多す
ぎるNo.9では靭性の低下に繋がっている。
これに対してこの発明の化学成分範囲内にあるNo.10〜1
6では何れも異常組織の発生は皆無で、疲労強度も高い
ことが明らかである。
6では何れも異常組織の発生は皆無で、疲労強度も高い
ことが明らかである。
〔発明の効果〕 本発明により、通常のガス浸炭雰囲気中で浸炭を行った
時でも表面不完全焼入れによる異常組織の発生がなく、
真空中で浸炭処理が行わなくともその抑制が可能となる
ため、部品の性能が著しく向上し、且つ部品の製造コス
トを低減できると同時に生産性を高めることが可能であ
る。
時でも表面不完全焼入れによる異常組織の発生がなく、
真空中で浸炭処理が行わなくともその抑制が可能となる
ため、部品の性能が著しく向上し、且つ部品の製造コス
トを低減できると同時に生産性を高めることが可能であ
る。
また従来のように表面異常組織を除去するためのラッピ
ング等の表面加工を行う必要がなく、浸炭処理後の焼入
れ速度を大きくせずに異常組織の発生を抑制することが
できるため、熱処理歪の発生を極力低減することが可能
であり、各種浸炭用部品を高品質で且つ高疲労強度を持
つ部品として得ることができ、その産業上の効果は極め
て顕著なものがある。
ング等の表面加工を行う必要がなく、浸炭処理後の焼入
れ速度を大きくせずに異常組織の発生を抑制することが
できるため、熱処理歪の発生を極力低減することが可能
であり、各種浸炭用部品を高品質で且つ高疲労強度を持
つ部品として得ることができ、その産業上の効果は極め
て顕著なものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−235452(JP,A) 特開 昭63−118052(JP,A) JIS G 4502(1979)「焼入性を保 障した構造用鋼鋼材CH鋼」 表2 化学 成分
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で C :0.1%以上0.3%未満、 Si:0.1%未満、 Mn:0.80%以上2.00%未満、 Cr:0.80%以上2.00%未満、 残部がFeおよび不純物からなり、かつ焼入れ性DI′
(mm)が次の関係式を満足することを特徴とする浸炭用
鋼。 関係式: DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163 ただし、 DI′=DIC×FMn×FCrでC,Mn,Crの理
想臨界直径、そしてDICは基本焼入れ性、また
FMn,FCrは各元素の焼入れ性倍数である。 φ=(等価丸棒径mm) ただし 等価丸棒径φ(mm)は 丸棒に類似した形状の場合;φ=丸棒の直径、 板に類似した形状の場合;φ=板厚/0.72、 角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90 - 【請求項2】重量%で C :0.1%以上0.3%未満、 Si:0.1%未満、 Mn:0.80%以上2.00%未満、 Cr:0.80%以上2.00%未満、 かつ Ni:0.5%以上5.0%未満およびMo:0.05%以上0.4
%未満の1種または2種、 残部がFeおよび不純物からなり、かつ焼入れ性DI′
(mm)が次の関係式を満足することを特徴とする浸炭用
鋼。 関係式: DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163 ただし、 DI′=DIC×FMn×FCrでC,Mn,Crの理
想臨界直径、そしてDICは基本焼入れ性、また
FMn,FCrは各元素の焼入れ性倍数である。 φ=(等価丸棒径mm) ただし 等価丸棒径φ(mm)は 丸棒に類似した形状の場合;φ=丸棒の直径、 板に類似した形状の場合;φ=板厚/0.72、 角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90 - 【請求項3】重量%で C :0.1%以上0.3%未満、 Si:0.1%未満、 Mn:0.80%以上2.00%未満、 Cr:0.80%以上2.00%未満、 P :0.010%未満、 O :0.0020%未満、 残部がFeおよび不純物からなり、かつ焼入れ性DI′
(mm)が次の関係式を満足することを特徴とする浸炭用
鋼。 関係式: DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163 ただし、 DI′=DIC×FMn×FCrでC,Mn,Crの理
想臨界直径、そしてDICは基本焼入れ性、また
FMn,FCrは各元素の焼入れ性倍数である。 φ=(等価丸棒径mm) ただし 等価丸棒径φ(mm)は 丸棒に類似した形状の場合;φ=丸棒の直径、 板に類似した形状の場合;φ=板厚/0.72、 角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90 - 【請求項4】重量%で C :0.1%以上0.3%未満、 Si:0.1%未満、 Mn:0.80%以上2.00%未満、 Cr:0.80%以上2.00%未満、 Ni:0.5%以上5.0%未満およびMo:0.05%以上0.4
%未満の1種または2種、 P :0.010%未満、 O :0.0020%未満、 残部がFeおよび不純物からなり、かつ焼入れ性DI′
(mm)が次の関係式を満足することを特徴とする浸炭用
鋼。 関係式: DI′(mm)≧51・φ(mm)0.65−163 ただし、 DI′=DIC×FMn×FCrでC,Mn,Crの理
想臨界直径、そしてDICは基本焼入れ性、また
FMn,FCrは各元素の焼入れ性倍数である。 φ=(等価丸棒径mm) ただし 等価丸棒径φ(mm)は 丸棒に類似した形状の場合;φ=丸棒の直径、 板に類似した形状の場合;φ=板厚/0.72、 角棒に類似した形状の場合;φ=板厚/0.90
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202521A JPH06941B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | 浸炭用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202521A JPH06941B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | 浸炭用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6447838A JPS6447838A (en) | 1989-02-22 |
JPH06941B2 true JPH06941B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=16458869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62202521A Expired - Lifetime JPH06941B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | 浸炭用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06941B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07122118B2 (ja) * | 1991-07-18 | 1995-12-25 | 新日本製鐵株式会社 | 疲労特性の優れた浸炭用鋼 |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1987
- 1987-08-13 JP JP62202521A patent/JPH06941B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JISG4502(1979)「焼入性を保障した構造用鋼鋼材CH鋼」表2化学成分 |
Also Published As
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JPS6447838A (en) | 1989-02-22 |
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