JPS63210258A - 高炭素浸炭焼入れ用鋼部材 - Google Patents
高炭素浸炭焼入れ用鋼部材Info
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- JPS63210258A JPS63210258A JP62043548A JP4354887A JPS63210258A JP S63210258 A JPS63210258 A JP S63210258A JP 62043548 A JP62043548 A JP 62043548A JP 4354887 A JP4354887 A JP 4354887A JP S63210258 A JPS63210258 A JP S63210258A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高炭素浸炭焼入れ用鋼部材に関し、特に表層
部の硬さをHv>800とすることが可能で、歯車等の
機械構造部品を製作するのに適した鋼部材に関するもの
である。
部の硬さをHv>800とすることが可能で、歯車等の
機械構造部品を製作するのに適した鋼部材に関するもの
である。
従来、自動車用変速機の歯車等の機械構造部品は、クロ
ムm(SCr)、クロムモリブデン鋼(SCM)或いは
ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)などの焼入れ
用合金鋼を用いて製作されて来た。
ムm(SCr)、クロムモリブデン鋼(SCM)或いは
ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)などの焼入れ
用合金鋼を用いて製作されて来た。
最近では機械構造部品に対して小型軽量化・高速化・高
負荷の要請が高まり、曲げ疲労強度・耐摩耗性・耐ピツ
チング性・耐焼付き性などの性能向上が研究されつつあ
る。
負荷の要請が高まり、曲げ疲労強度・耐摩耗性・耐ピツ
チング性・耐焼付き性などの性能向上が研究されつつあ
る。
ところで、従来より合金鋼の硬さ・疲労強度・耐摩耗性
等の向上のため、浸炭焼入れ処理が広く実用化されてい
る。
等の向上のため、浸炭焼入れ処理が広く実用化されてい
る。
この浸炭焼入れ処理は表層部がCポテンシャル0.8〜
0.9%となるように浸炭することにより、焼入れ性向
上を図り、焼入れ処理でマルテンサイトと残留オーステ
ナイトの基地Mi織とし、表層部にHV=800程度の
高硬度層を形成する方法である。
0.9%となるように浸炭することにより、焼入れ性向
上を図り、焼入れ処理でマルテンサイトと残留オーステ
ナイトの基地Mi織とし、表層部にHV=800程度の
高硬度層を形成する方法である。
これに対して、より一層の高硬度層を形成するため、1
.0%以上のCポテンシャルとなるように浸炭焼入れ処
理する高炭素浸炭焼入れ処理技術も従来より知られてい
る。この高炭素浸炭焼入れ処理は焼入れ性向上に加えて
セメンタイトなどの炭化物の析出を図り、より一層の高
硬度層を形成しようとするものであるが、理論通りの成
果が得られないので工業的には余り活用されていない。
.0%以上のCポテンシャルとなるように浸炭焼入れ処
理する高炭素浸炭焼入れ処理技術も従来より知られてい
る。この高炭素浸炭焼入れ処理は焼入れ性向上に加えて
セメンタイトなどの炭化物の析出を図り、より一層の高
硬度層を形成しようとするものであるが、理論通りの成
果が得られないので工業的には余り活用されていない。
発明者等は、変速機用歯車の表面層にビ・7カース硬さ
Hv > 800の高硬度層を形成すべく、高炭素浸炭
焼入れ処理に着目し、5Cr420やSCM420製鋼
部材を1.7%のCポテンシャルとなるように高炭素浸
炭焼入れ処理したところ、表層部に炭化物の析出は確認
されたが十分な硬さの高硬度層を形成することは出来な
かった。これは表層部の基地がマルテンサイトではな(
トルースタイトやヘイナイトであることが原因である。
Hv > 800の高硬度層を形成すべく、高炭素浸炭
焼入れ処理に着目し、5Cr420やSCM420製鋼
部材を1.7%のCポテンシャルとなるように高炭素浸
炭焼入れ処理したところ、表層部に炭化物の析出は確認
されたが十分な硬さの高硬度層を形成することは出来な
かった。これは表層部の基地がマルテンサイトではな(
トルースタイトやヘイナイトであることが原因である。
即ち、焼入れ性向上のための添加元素であるCrやMo
が析出炭化物中に固溶し、その結果基地の焼入れ性が低
下したためであると考えられる。
が析出炭化物中に固溶し、その結果基地の焼入れ性が低
下したためであると考えられる。
そこで、焼入れ性向上元素であり且つ炭化物に固溶され
にくいNiを含んでいるSNCM420製の鋼部材を上
記同様1.7%のCポテンシャルとなるように高炭素浸
炭焼入れ処理したところ、表層部の基地組織は改善され
たけれども、炭化物の析出が少なく、十分な硬さの高硬
度層を形成することは出来なかった。
にくいNiを含んでいるSNCM420製の鋼部材を上
記同様1.7%のCポテンシャルとなるように高炭素浸
炭焼入れ処理したところ、表層部の基地組織は改善され
たけれども、炭化物の析出が少なく、十分な硬さの高硬
度層を形成することは出来なかった。
これは、SNCM420の合金鋼中には炭化物生成阻害
作用をもつNiの含有量が過剰であり且つ炭化物生成作
用をもつCrの含有量が過少であることが原因であると
考えられる。
作用をもつNiの含有量が過剰であり且つ炭化物生成作
用をもつCrの含有量が過少であることが原因であると
考えられる。
以上のような実験と検討の結果、発明者等は主としてC
r量とNi量の組合せに着目し、HV >800の高硬
度層を形成し得る下記のような高炭素浸炭焼入れ用鋼部
材を発明した。
r量とNi量の組合せに着目し、HV >800の高硬
度層を形成し得る下記のような高炭素浸炭焼入れ用鋼部
材を発明した。
本発明に係る高炭素浸炭焼入れ用鋼部材は、表面炭素濃
度が1.0%以上となるように高炭素浸炭焼入れが施さ
れる合金鋼であって、少なくとも、重量比で0.05〜
0.25%のCと、0.5%以下のSiと、0.6〜1
.8%のCrと、0.5〜1.5%のMnと、0.4〜
1.6%のNiとを含んでいるものである。
度が1.0%以上となるように高炭素浸炭焼入れが施さ
れる合金鋼であって、少なくとも、重量比で0.05〜
0.25%のCと、0.5%以下のSiと、0.6〜1
.8%のCrと、0.5〜1.5%のMnと、0.4〜
1.6%のNiとを含んでいるものである。
但し、必要に応じて0.1〜0.5%のMoを含んでい
でもよい。
でもよい。
本発明に係る高炭素浸炭焼入れ用鋼部材の作用について
説明する。
説明する。
C元素について説明すると、マルテンサイトの硬さは主
に固溶C量に左右されるので、C量が0.05%未満の
場合には基地Mi織の硬さが不十分となり、また0、2
5%より多い場合には過大な硬さとなって靭性が低下す
る。加えて、高炭素浸炭処理においては、浸炭深さが深
くなるので、通常の浸炭焼入れ用合金鋼のCiL (0
,15〜0.30%)よりも若干低目に設定することが
望ましい。
に固溶C量に左右されるので、C量が0.05%未満の
場合には基地Mi織の硬さが不十分となり、また0、2
5%より多い場合には過大な硬さとなって靭性が低下す
る。加えて、高炭素浸炭処理においては、浸炭深さが深
くなるので、通常の浸炭焼入れ用合金鋼のCiL (0
,15〜0.30%)よりも若干低目に設定することが
望ましい。
よって、Ciは0.05〜0.25%に限定した。
次に、Cr元素について説明すると、Crは焼入れ性向
上作用を有し且つセメンタイトに固溶して高硬度の炭化
物を析出する。Cr量が0.6%未満の場合には炭化物
の生成が不十分となり、また1、8%より多くなると焼
入れ性が過大となって表層部具外の芯部の硬さが高くな
りすぎ靭性低下の原因となる。よって、CrNは0.6
〜1.8%に限定した。
上作用を有し且つセメンタイトに固溶して高硬度の炭化
物を析出する。Cr量が0.6%未満の場合には炭化物
の生成が不十分となり、また1、8%より多くなると焼
入れ性が過大となって表層部具外の芯部の硬さが高くな
りすぎ靭性低下の原因となる。よって、CrNは0.6
〜1.8%に限定した。
次にNi元素について説明すると、Niは焼入れ性向上
作用を有し且つ芯部への浸炭を促進するので炭化物生成
阻害作用を有する。特に炭化物が析出した表層部におい
ては焼入れ性向上に有効な固溶Cr量が減少する関係上
、炭化物に固溶しにくいNiは基地の焼入れ性向上のた
め重要な役割を果たすことになる。Ni量が0.4%未
満の場合には焼入れ性が不十分となりまた1、6%より
多くなると炭化物生成阻害作用が顕著になり硬さの低下
を招く。よって、Ni量は0.4〜1.6%に限定した
。
作用を有し且つ芯部への浸炭を促進するので炭化物生成
阻害作用を有する。特に炭化物が析出した表層部におい
ては焼入れ性向上に有効な固溶Cr量が減少する関係上
、炭化物に固溶しにくいNiは基地の焼入れ性向上のた
め重要な役割を果たすことになる。Ni量が0.4%未
満の場合には焼入れ性が不十分となりまた1、6%より
多くなると炭化物生成阻害作用が顕著になり硬さの低下
を招く。よって、Ni量は0.4〜1.6%に限定した
。
次にSt元素について説明すると、Stは基地の強度に
影響するものであるが、浸炭阻害作用を有する。よって
、5iliは一般的な浸炭焼入れ用合金鋼と同様に0.
5%以下に限定した。
影響するものであるが、浸炭阻害作用を有する。よって
、5iliは一般的な浸炭焼入れ用合金鋼と同様に0.
5%以下に限定した。
次にMn元素について説明すると、Mnは焼入れ性向上
元素としてCrの焼入れ性向上作用を補う。Mn量が0
.5%未満の場合には焼入れ性向上作用が不十分でまた
1、5%より多くなると焼入れ性が過大となって芯部の
硬さが高くなりすぎ靭性の低下を招く。
元素としてCrの焼入れ性向上作用を補う。Mn量が0
.5%未満の場合には焼入れ性向上作用が不十分でまた
1、5%より多くなると焼入れ性が過大となって芯部の
硬さが高くなりすぎ靭性の低下を招く。
よって、Mn量は0.5〜1.5%に限定した。
次に、Mo元素について説明すると、MOは必要に応じ
て添加すればよいが、MOはCrと同様に焼入れ性向上
作用を有し且つ炭化物生成作用を有する。特にMOはC
rと複合して炭化物を生成し炭化物の硬さを高くする。
て添加すればよいが、MOはCrと同様に焼入れ性向上
作用を有し且つ炭化物生成作用を有する。特にMOはC
rと複合して炭化物を生成し炭化物の硬さを高くする。
M a ilが0.1%未満の場合にはその作用が不十
分となりまた0、5%より多くなるとその作用が過剰と
なる。よって、MO量は0.1〜0.5%にすることが
望ましい。
分となりまた0、5%より多くなるとその作用が過剰と
なる。よって、MO量は0.1〜0.5%にすることが
望ましい。
本発明に係る高炭素浸炭焼入れ用鋼部材によれば、以上
説明したように、適量のCrを添加することにより焼入
れ性向上を図ると同時に硬い炭化物の析出を可能としな
がらも、過剰とならない量のNiを添加することにより
焼入れ性を高めてCr炭化物の生成で焼入れ性が低下す
るのを防止することが出来る。
説明したように、適量のCrを添加することにより焼入
れ性向上を図ると同時に硬い炭化物の析出を可能としな
がらも、過剰とならない量のNiを添加することにより
焼入れ性を高めてCr炭化物の生成で焼入れ性が低下す
るのを防止することが出来る。
このように、CrとNiとで焼入れ性を確保する一方、
高炭素浸炭焼入れにより表層部のc4を増加させつつF
eとCrの炭化物を析出させることが可能となり、焼入
れ後には基地を硬く安定したマルテンサイト組織にする
ことが出来、その表層部の硬さをCr炭化物によりHv
> 800に高め且つ芯部の靭性を確保することが出
来る。
高炭素浸炭焼入れにより表層部のc4を増加させつつF
eとCrの炭化物を析出させることが可能となり、焼入
れ後には基地を硬く安定したマルテンサイト組織にする
ことが出来、その表層部の硬さをCr炭化物によりHv
> 800に高め且つ芯部の靭性を確保することが出
来る。
以下、本発明の実施例を図や表を参照しつつ説明する。
下記第1表に示すように、C,、S i、Mn、Cr、
Ni、Moなどの合金元素の含有量の異なる16種の合
金鋼素材を用い、第1図の工程にて自動車用変速機のフ
ァイナルギヤを製作し、表層部と歯元のビッカース硬さ
を測定した結果、第1表のような結果が得られた。
Ni、Moなどの合金元素の含有量の異なる16種の合
金鋼素材を用い、第1図の工程にて自動車用変速機のフ
ァイナルギヤを製作し、表層部と歯元のビッカース硬さ
を測定した結果、第1表のような結果が得られた。
先ず、第1図の製作工程について概説する。
各合金鋼の素材を所定のサイズに切断し、鍛造し、焼準
又は焼鈍してからギヤの形状に機械加工し、高炭素浸炭
焼入れ処理(但し、これに代えて高炭素浸炭焼入れ処理
と再加熱焼入れ処理を採用してもよい)を施し、次に通
常の温度に焼戻し処理し、そのギヤの表面にショットピ
ーニングを施した。
又は焼鈍してからギヤの形状に機械加工し、高炭素浸炭
焼入れ処理(但し、これに代えて高炭素浸炭焼入れ処理
と再加熱焼入れ処理を採用してもよい)を施し、次に通
常の温度に焼戻し処理し、そのギヤの表面にショットピ
ーニングを施した。
ここで、上記高炭素浸炭焼入れ処理について説明すると
、機械加工されたギヤを浸炭処理炉に投入し、浸炭濃度
(Cポテンシャル(C,P、) )が第1表のように
1.4%以上となるような雰囲気中でAI変態点(約7
30℃)以上の850℃に3時間保持して高炭素浸炭処
理を施した。但し、浸炭濃度は1〜3%程度であれば高
炭素浸炭処理が可能であり、処理時間はワークのサイズ
や形状に応じて変動し約1〜20時間の範囲になる。上
記高炭素浸炭処理後、ギヤを油冷(但し、ソルト冷却で
もよい)により冷却した。
、機械加工されたギヤを浸炭処理炉に投入し、浸炭濃度
(Cポテンシャル(C,P、) )が第1表のように
1.4%以上となるような雰囲気中でAI変態点(約7
30℃)以上の850℃に3時間保持して高炭素浸炭処
理を施した。但し、浸炭濃度は1〜3%程度であれば高
炭素浸炭処理が可能であり、処理時間はワークのサイズ
や形状に応じて変動し約1〜20時間の範囲になる。上
記高炭素浸炭処理後、ギヤを油冷(但し、ソルト冷却で
もよい)により冷却した。
尚、上記のように高炭素浸炭焼入れ後、仮想線で図示の
ように析出炭化物の球状化のため多少低目の温度(約8
00〜900°C)で再熱焼入れを行ってもよい。この
再熱焼入れ処理もCポテンシャル1〜3%となる雰囲気
中で行うことが望ましい。
ように析出炭化物の球状化のため多少低目の温度(約8
00〜900°C)で再熱焼入れを行ってもよい。この
再熱焼入れ処理もCポテンシャル1〜3%となる雰囲気
中で行うことが望ましい。
ここで、上記のように製造した16種のギヤについて、
第1表に基いて検討を加えてみる。
第1表に基いて検討を加えてみる。
比較例(No、1〜No、6)のものにおいては、No
、 1のように合金鋼の材料中のC量が不足するとマル
テンサイト基°地中の固溶Cが不足して硬さが低下し、
またNo、2のようにC量が過大になると歯元の硬さつ
まり芯部の硬さが過大となり芯部の靭性が低下する。ま
た、No、3のようにCr量が不足する(No、3)
と炭化物生成量が不足して表層部の硬さが不十分となり
、またNo、4のようにCr量が過剰になると焼入れ性
が過大となって芯部の硬さが過大となる。そして、No
、5のようにNi量が不足すると焼入れ性が不十分とな
って表層部の硬さが不十分となり、またNo、6のよう
にNi量が過剰となると炭化物生成阻害作用が顕著とな
り表層部の硬さが低下する。
、 1のように合金鋼の材料中のC量が不足するとマル
テンサイト基°地中の固溶Cが不足して硬さが低下し、
またNo、2のようにC量が過大になると歯元の硬さつ
まり芯部の硬さが過大となり芯部の靭性が低下する。ま
た、No、3のようにCr量が不足する(No、3)
と炭化物生成量が不足して表層部の硬さが不十分となり
、またNo、4のようにCr量が過剰になると焼入れ性
が過大となって芯部の硬さが過大となる。そして、No
、5のようにNi量が不足すると焼入れ性が不十分とな
って表層部の硬さが不十分となり、またNo、6のよう
にNi量が過剰となると炭化物生成阻害作用が顕著とな
り表層部の硬さが低下する。
従来材のうちNo、 15のクロムモリブテン合金鋼(
SCM420)では、Cr量は適当であるがNiが含ま
れていないので、Crを含んだ炭化物の生成で低下した
焼入れ性をNiで補うことができず、表層部の硬さが低
くなる。また従来材のうちNo、16のニッケルクロム
モリブテン合金鋼(SNCM420)では、Cr1lが
不足し且つ炭化物化。
SCM420)では、Cr量は適当であるがNiが含ま
れていないので、Crを含んだ炭化物の生成で低下した
焼入れ性をNiで補うことができず、表層部の硬さが低
くなる。また従来材のうちNo、16のニッケルクロム
モリブテン合金鋼(SNCM420)では、Cr1lが
不足し且つ炭化物化。
成阻害作用を持つNi量が過剰であるため、Cr炭化物
の生成が不十分となり表層部の硬さが低くなる。
の生成が不十分となり表層部の硬さが低くなる。
本案例のように重量比で0.05〜0.25%のCと、
0.5%以下のSiと、0.5〜1.5%のMnと、0
゜6〜1.8%のCrと、0.4〜1.6%のNiを含
んでいる合金鋼では、表層部のビッカース硬さがHv>
800となり且つ芯部(歯元)のビッカース硬さが25
0〜450の望ましい範囲に入っている。
0.5%以下のSiと、0.5〜1.5%のMnと、0
゜6〜1.8%のCrと、0.4〜1.6%のNiを含
んでいる合金鋼では、表層部のビッカース硬さがHv>
800となり且つ芯部(歯元)のビッカース硬さが25
0〜450の望ましい範囲に入っている。
上記本案例の高炭素浸炭焼入れ用鋼部材で製作すると、
上記高炭素浸炭焼入れ処理により、ギヤの表層部に浸炭
してC量が増加しマルテンサイト基地の硬さが向上する
ばかりでなく、高濃度のCにより高硬度のFe、l!:
Crとの複合炭化物が析出して表層部の硬さがHv>8
00となる。
上記高炭素浸炭焼入れ処理により、ギヤの表層部に浸炭
してC量が増加しマルテンサイト基地の硬さが向上する
ばかりでなく、高濃度のCにより高硬度のFe、l!:
Crとの複合炭化物が析出して表層部の硬さがHv>8
00となる。
このCr炭化物の生成により焼入れ性向上に有効なCr
量が減少するが、焼入れ性向上元素である適量のNiが
含まれているため十分な焼入れ性が得られ、表層部の硬
さが著しく改善される。
量が減少するが、焼入れ性向上元素である適量のNiが
含まれているため十分な焼入れ性が得られ、表層部の硬
さが著しく改善される。
尚、浸炭温度については、少なくともA、変態点以上で
あることが必要で、温度が低いと浸炭速度が小さいため
800℃以上が好ましい。逆に温度が高いとA cm点
の0%が大きくCポテンシャルを大きくする必要があり
、またコスト及び炉の能力」二も1050°C以下が好
ましい。
あることが必要で、温度が低いと浸炭速度が小さいため
800℃以上が好ましい。逆に温度が高いとA cm点
の0%が大きくCポテンシャルを大きくする必要があり
、またコスト及び炉の能力」二も1050°C以下が好
ましい。
浸炭時間については、必要な炭化物生成層及び浸炭深さ
が得られる時間であること。但し、長すぎると浸炭深さ
の過大とともにコスト面でも問題となり20時間以下が
好ましい。
が得られる時間であること。但し、長すぎると浸炭深さ
の過大とともにコスト面でも問題となり20時間以下が
好ましい。
Cポテンシャルについては、少なくともAc1)点の0
%以上つまり1.0%以上は必要である。(温度が高く
なれば、c、p、も高くする必要がある)但し、3%以
上にすることはコスト・炉の操作上好ましくない。
%以上つまり1.0%以上は必要である。(温度が高く
なれば、c、p、も高くする必要がある)但し、3%以
上にすることはコスト・炉の操作上好ましくない。
以上説明したように、上記実施例の鋼部材によれば、適
量のCrとNiとで焼入れ性を確保し、高炭素浸炭焼入
れにより表層部のC量を増加させなからFeとCrの複
合炭化物を析出させることが可能となる。焼入れ処理後
には、硬く安定したマルテンサイト組織の基地とするこ
とが出来、芯部の靭性を確保しながら表層部の硬さをH
v > 800に高めることができる。
量のCrとNiとで焼入れ性を確保し、高炭素浸炭焼入
れにより表層部のC量を増加させなからFeとCrの複
合炭化物を析出させることが可能となる。焼入れ処理後
には、硬く安定したマルテンサイト組織の基地とするこ
とが出来、芯部の靭性を確保しながら表層部の硬さをH
v > 800に高めることができる。
第3図・第4図・第5図は夫々本案例(No、 14)
・従来材(No、15) ・従来材(No、1.6)で
製造したギヤの表層部の金属組織の400倍拡大写真で
あり、第3図の本案例では黒色のマルテンサイト基地組
織中に白色の炭化物が析出しており、第4図の従来材で
は黒色のトルースタイト基地組織中に白色の炭化物が析
出し、第5図の従来材では白色の炭化物の析出量が少な
い。
・従来材(No、15) ・従来材(No、1.6)で
製造したギヤの表層部の金属組織の400倍拡大写真で
あり、第3図の本案例では黒色のマルテンサイト基地組
織中に白色の炭化物が析出しており、第4図の従来材で
は黒色のトルースタイト基地組織中に白色の炭化物が析
出し、第5図の従来材では白色の炭化物の析出量が少な
い。
図面は本発明の実施例に係るもので、第1図はファイナ
ルギヤの製造工程説明図、第2図は高炭素浸炭焼入れ及
び再燃焼入れの処理条件を示す線図、第3図は本案例の
金属組織の断面400倍拡大写真、第4図・第5図は夫
々従来材SCM420− SNCM420の金属組織の
断面400倍拡大写真である。 特 許 出 願 人 マツダ株式会社第1図 第2図 第3図 第4図 第5図
ルギヤの製造工程説明図、第2図は高炭素浸炭焼入れ及
び再燃焼入れの処理条件を示す線図、第3図は本案例の
金属組織の断面400倍拡大写真、第4図・第5図は夫
々従来材SCM420− SNCM420の金属組織の
断面400倍拡大写真である。 特 許 出 願 人 マツダ株式会社第1図 第2図 第3図 第4図 第5図
Claims (1)
- (1)表面炭素濃度が1.0%以上となるように高炭素
浸炭焼入れが施される合金鋼であって、少なくとも、重
量比で0.05〜0.25%のCと、0.5%以下のS
iと、0.6〜1.8%のCrと、0.5〜1.5%の
Mnと、0.4〜1.6%のNiとを含んでいることを
特徴とする高炭素浸炭焼入れ用鋼部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62043548A JPS63210258A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高炭素浸炭焼入れ用鋼部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62043548A JPS63210258A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高炭素浸炭焼入れ用鋼部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63210258A true JPS63210258A (ja) | 1988-08-31 |
Family
ID=12666808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62043548A Pending JPS63210258A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高炭素浸炭焼入れ用鋼部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63210258A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6447838A (en) * | 1987-08-13 | 1989-02-22 | Nippon Steel Corp | Curburizing steel |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935630A (ja) * | 1982-08-24 | 1984-02-27 | Komatsu Ltd | 歯車の熱処理方法 |
-
1987
- 1987-02-25 JP JP62043548A patent/JPS63210258A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935630A (ja) * | 1982-08-24 | 1984-02-27 | Komatsu Ltd | 歯車の熱処理方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6447838A (en) * | 1987-08-13 | 1989-02-22 | Nippon Steel Corp | Curburizing steel |
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