JPH0694145A - 水 栓 - Google Patents

水 栓

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JPH0694145A
JPH0694145A JP4959393A JP4959393A JPH0694145A JP H0694145 A JPH0694145 A JP H0694145A JP 4959393 A JP4959393 A JP 4959393A JP 4959393 A JP4959393 A JP 4959393A JP H0694145 A JPH0694145 A JP H0694145A
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cam
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spindle
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八平 渡邊
Hiroshi Oshima
浩 大島
Katsuaki Nakamura
克昭 中村
Yoshihide Hayashida
義秀 林田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単水栓やシングルレバー式の湯水混合栓等に
おいて、操作性及び耐久性をより一層向上させ、各種の
分野での有効活用を図ること。 【構成】 回転式のハンドル又はシングルレバーによっ
て操作されるスピンドルにカムを連接し、このカムの位
置に応じてそれぞれ開弁方向への自由度が変わるように
配置した弁体を備え、この弁体を供給圧によって開弁可
能とし、カムに対する開弁方向への自由度に応じてそれ
ぞれの弁体の開度を設定する。吐出端側からの逆流や供
給圧の低下の際には、弁体は開弁方向への動きをカムに
よって規制されるだけでカムとは機械的には無縁なの
で、弁体は閉弁し逆止弁としての機能も果たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単水栓又は水と湯とを
混合する混合栓等の水栓に係り、とくに流路の開閉機構
部分に逆止弁機能をも含ませた水栓の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】湯水混合栓の最も簡単な例は、水側と湯
側にそれぞれ開閉弁を設けてこれらを別々のハンドルに
よって開閉する2バルブ式である。この他、2バルブに
よる温度調整や流量の設定の手間を簡単にしたたとえば
一軸操作式のものも広く利用されている。
【0003】このような方式の湯水混合栓の中で、単一
のレバーによって水と湯との混合比及び混合水の流量を
変えられるようにしたシングルレバー式のものも、主と
して洗面台やキッチン用として使用されている。
【0004】このシングルレバー式の湯水混合栓は、た
とえばセラミックス製の2枚の弁板を本体の内部流路に
組み込み、一方の弁板を固定し他方のものをレバーに連
接し、これらの弁板どうしの相対位置によって、水と湯
との混合比及び吐水端側への流路面積を変更して混合水
の温度と流量を調整可能としたものである。
【0005】図29はキッチン用のシングルレバー式湯
水混合栓の一例を示す外観斜視図である。
【0006】キッチンのカウンターの上面に固定する本
体50に給水管51と給湯管52とを接続し、本体50
の内部には給水室,給湯室及び混合室を形成してこの混
合室を吐水管53への流路に接続したものとして構成さ
れている。そして、給水,給湯室と混合室との間に、先
に説明した2枚の弁板を組み込みんだバルブユニットを
備え、弁板の一方をレバー54に機械的に連接してい
る。
【0007】また、壁配管のものに連結する場合では、
図示のような給水管51及び給湯管52に代えて、水及
び湯用の脚管を本体50の背部に接続し、これらの脚管
を建屋の壁配管に連結固定する機種が採用される。
【0008】ここで、給湯設備では、湯が給水源側に逆
流しないようにすることが必要であり、給水,給湯圧に
対応した逆止弁を流路に組み込むことが規格によって定
められている。このことから、湯水混合栓にはその混合
室よりも上流側に逆止弁を組み込むことが必要であり、
図示の例の場合では、給水管51及び給湯管52には継
手を兼ねる逆止弁51a,52aが設けられる。また、
このような逆止弁を本体50の中に組み込むものや、壁
固定式の場合では脚管の中に内蔵するものが一般的であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、逆止弁を湯
水混合栓の本体の内部や脚管の中に設けると、水栓の全
体の嵩が大きくなりやすく、浴槽やその他の設備との位
置関係によって仕様の選択に規制を受ける。また、図示
のように配管中に設けたりする場合では、配管のスペー
スを確保する必要があり、配管の自由度に影響を及ぼ
す。更に、逆止弁を組み込むこと自体がコスト的にも不
利である。
【0010】一方、給湯管から熱湯を連続供給すると
き、弁板を備えたバルブユニットと給水管の逆止弁との
間に溜まっている水も次第に加熱される。このため、給
水管側の水が体積膨張してその内部流路の圧力が上昇
し、2枚の弁板に与える負荷も大きくなる。したがっ
て、弁板を操作するときにその重合圧の上昇による摩擦
抵抗の発生によって、レバーを操作する力も強くしなけ
ればならず、操作性の面での障害が発生する。
【0011】また、2枚の弁板を利用するものでは、そ
の摺動摩擦による摩耗対策としてセラミックスがその素
材として一般に用いられる。しかしながら、セラミック
ス自体のコストだけでなく、摺動式の弁であることから
高い加工精度が要求されるので、コストの低減にも限界
がある。そして、この不利を無くすために、摺動面をゴ
ム等の弾性材とすることも考えられるが、摩耗の問題は
無視できずまた異物を噛み込んだときの止水不良も避け
られない。
【0012】このようにシングルレバー式の湯水混合栓
では、バルブユニットの低コスト化の問題があるほか、
逆止弁との関連においても改良すべき点が残っている。
【0013】また、単水栓では、一般にスピンドルを回
す操作で弁の開度を変えるものが一般的であるが、湯水
混合栓の場合と同様の問題がある。
【0014】本発明において解決すべき課題は、単水栓
やシングルレバー式の湯水混合栓等の各種の水栓におい
て、操作性及び耐久性をより一層向上させ、各種の分野
での有効活用を図ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、水及び/又は
湯の流入路と吐出端との間の流路に弁機構を組み込んだ
水栓であって、前記弁機構は、流路内供給圧によって独
立して開弁動作する弁体を備え、前記弁体の着座面と反
対側の面に被さるカムを前記吐出端側に連通する流路内
に設けると共に該カムを操作用のスピンドルに連接し、
前記カムの前記弁体に対する位置に応じて弁体の開度を
変更可能とし、逆流時に前記弁体を逆流圧によって閉弁
動作可能としたことを特徴とする。
【0016】また、水及び湯のそれぞれの流入路と、こ
れらの流入路と吐出端との間の流路に組み込んだ弁機構
と、該弁機構を1本のスピンドルとこれに連接したレバ
ーによって操作可能としたシングルレバー式の湯水混合
用の水栓であって、前記弁機構は、水及び湯の供給圧に
よってそれぞれ独立して開弁動作する弁体を前記水及び
湯の流入路に備え、前記弁体の着座面と反対側の面に被
さるカムを前記吐出端側に連通する流路内に設けると共
に該カムを前記スピンドルに連接し、前記カムの前記弁
体に対する位置に応じて弁体の開度を変更可能とし、逆
流時に前記弁体を逆流水圧によって閉弁動作可能な構成
とすることもできる。
【0017】また、弁体の着座面を受ける弁座を、弁体
方向に向けて付勢する弾性手段によって支持する構成と
することもできる。
【0018】更に、弁体がその閉弁時に着座する弁座を
筒状とすると共に、弁体には弁座の中に進入可能な先細
り状のコーンを設け、このコーンの外周面と弁座の内周
面との間を相互の着座面としてもよい。
【0019】そして更に、弁体とカムとの間に弾性シー
ト材を介在させてこのシート材によって弁体側とカム側
の収納空間を区画し、カム側の収納空間に潤滑剤を封入
するようにしてもよい。
【0020】
【作用】流路に配置した弁体は、その着座面と反対側の
カムの位置によって、閉弁状態に拘束されるか、または
開弁方向に自由となって供給圧によって開弁し、吐出端
から放出される。すなわち、カムと弁体とは機械的に連
接されず、弁体の着座面と反対側の面がカムに臨んで被
さるだけなので、弁体に対するカムの位置を変更するこ
とで、閉弁状態への拘束、及び開弁方向へ自由としたと
きの供給圧による開弁が可能となる。
【0021】また、湯水混合栓の場合でも同様に、水側
及び湯側の流路にそれぞれ配置した弁体は、その着座面
と反対側のカムの位置によって、閉弁状態に拘束される
か、または開弁方向に自由となって水及び湯の供給圧に
よって開弁し、吐出端から放出される。すなわち、カム
と弁体とは機械的に連接されず、弁体の着座面と反対側
の面がカムに臨んで被さるだけなので、水側及び湯側の
それぞれの弁体に対するカムの位置を変更することで、
閉弁状態への拘束、及び開弁方向へ自由としたときの供
給水圧による開弁が可能となる。
【0022】このような湯水混合栓では、弁体が開いて
るときには、カムは弁体に対する開弁方向の移動を自由
にしているため、先に述べたように供給水圧による閉弁
が行われる。そして、もし供給水圧の低下や吐出端側か
らの混合水の逆流を生じると、弁体はその設定されたま
まの位置に静止しているカムとは機械的に無縁なので、
逆流水圧によって閉弁する。したがって、水側及び湯側
のそれぞれに組み込んだ弁体は、流路の開閉だけでな
く、逆止弁としての機能も持つことになる。
【0023】弁体はその着座面を弁座に被せることによ
って閉弁する。このとき、弁体の着座面方向に向けて弁
座をスプリング等の弾性体によって付勢しておき、閉弁
時にこの弾性体が収縮する程度に閉弁されるものとすれ
ば、弾性反力を利用して弁体と弁座との間のシール圧が
高くなる。このため、弁体をたとえばバタフライ弁式と
してその自重によって閉弁するようなものであっても、
止水不良を生じることのない閉弁状態の維持が可能とな
る。
【0024】また、弁座を円筒状として弁体にこの弁体
の中に進入できるコーンを備えることによって、コーン
周りの弁座の内周との間での流路面積が変化するので、
流量調整を細かく行うことが可能となる。また、コーン
の外周と弁座の内周との間を着座面とすることによっ
て、二次側流路内での平面的な着座と比べると、逆流に
よるシール面の剥離等がなく、確実な止水が可能とな
る。
【0025】更に、弁体とこれに被さるカムとの間に弾
性変形するシート材を挟み込んでも、カムの動きによる
弁体への拘束力はシート材を介して伝達され、弁体の動
作は前記と同様に可能である。そして、シート材によっ
てカム側と弁体側とを区画して分割した室とし、カム側
の室にグリース等の潤滑材を封入すれば、カムの摩耗が
低減され同時に弁体にはシート材を介して接触するので
この弁体の摩耗も抑えられる。
【0026】
【実施例】図1は湯水混合栓の流路構成の概略を説明す
るための図である。
【0027】図において、湯水混合栓の本体60の内部
にバルブユニット1が組み込まれ、このバルブユニット
1の底部に給水管61及び給湯管62をそれぞれ接続し
ている。バルブユニット1の周りは本体60の混合水流
路1aにより包囲され、この混合水流路1aを吐水管6
3に連通させることによって、混合水を吐水管63から
吐出可能とする。
【0028】図2はバルブユニット1の詳細を示す正面
縦断面図である。
【0029】バルブユニット1は、そのハウジング2に
全ての部材を一体に組み込んで湯水混合栓の本体60に
着脱可能なカートリッジ式としたものである。そして、
ハウジング2の下端には、給水管61及び給湯管62を
それぞれ接続するソケット付きの水流入口2a及び湯流
入口2bを備え、これらに連通する混合チャンバ2cを
内部に設ける。そして、この混合チャンバ2cの周壁に
は、混合水流路1aに向けて開放する混合水流出口2d
を開ける。
【0030】水流入孔2a及び湯流入口2bのそれぞれ
の上端には、パッキン3,4を弁座として組み込む。こ
れらのパッキン3,4は、水や湯の流れ方向に対してほ
ぼU字状の断面を持つ環状体であり、スプリング3a,
4aによって混合チャンバ2c側に向けて付勢されてい
る。
【0031】混合チャンバ2cの内部には、水側及び湯
側の流路を独立して開閉可能なバタフライ式の一対の弁
体5,6を組み込む。これらの弁体5,6は、図示のよ
うに上面側からの拘束負荷によってパッキン3,4に着
座して流路を閉じ、負荷が無くなると給水圧及び給湯圧
を受けて、図3に示すようにパッキン3,4から離れて
流路を開放可能としたものである。
【0032】図4に水側の弁体5の詳細図、図5にこれ
らの弁体5,6の概略分解斜視図を示す。
【0033】弁体5は合成樹脂を素材としたもので、一
端側にアーム5aを突き出し、その突き出し方向と直交
する向きに連接孔5bを開けている。アーム5aの他端
側には円形横断面のベース5cを設け、このベース5c
の一面に半球体状の着座面5dを形成する。また、アー
ム5aからベース5cの上面には、半円形の縦断面形状
を持つ1条の突起5eを立ち上げて設ける。
【0034】一方、湯側の弁体6も水側のものと全く同
様の形状を持つ共通部品であり、アーム6a,連接孔6
b,ベース6c,着座面6d及び突起6eを備えてい
る。そして、図5のように、水側の弁体4と点対称とし
た平面配置としてアーム5a,6aどうしを重ね合わ
せ、整合した連接孔5b,6bにピン7を差し込むこと
によって、水側及び湯側の弁体5,6を一体化する。
【0035】両方の弁体5,6はピン7の周りに自由に
旋回動作可能であり、ピン7を混合チャンバ2cの中に
組み込んで固定したとき、図2に示すようにこれらの弁
体5,6の着座面5d,6dがそれぞれの弁座であるパ
ッキン3,4とほぼ整合しあう構造とする。
【0036】2個の弁体5,6を同時に操作するため、
スピンドル8とカム9をリテーナブロック10と共にハ
ウジング2の中に組み込む。スピンドル8はハウジング
2から突き出た上端に操作用のハンドル(図示せず)を
連結し、リテーナブロック10に差し込んだ部分に球体
状のジョイナ8aを形成したものである。
【0037】図6は図2のC−C線矢視によるジョイナ
8aとリテーナブロック10との連接構造を示す横断面
図である。
【0038】ジョイナ8aにはその直径方向にピン8b
を貫通させ、このピン8bの両端をリテーナブロック1
0に切開した扇状の一対のガイド孔10aに差し込んで
いる。また、球体状のジョイナ8aの上半分に対応する
リテーナブロック10には環状のパッキン10bを設け
てハウジング2の内外をシールする。このようなジョイ
ナ8aのリテーナブロック10への組込みにより、図2
においてスピンドル8の上端を図面と直交する向きにピ
ン8bを回動軸として前後方向に揺動操作でき、図6に
示すようにピン8bのガイド孔10aの中での動きによ
ってスピンドル8はその軸線周りにも回動する。
【0039】図7はカム9を示す図であって、同図の
(a)は上から見た斜視図、同図の(b)は下から見た
斜視図である。
【0040】カム9はほぼ二等辺三角形の平面形状を持
ち、その上面にはスピンドル8との連接座9aを立ち上
げている。この連接座9aはスピンドル8の四角形状の
横断面の先端部を嵌合する凹みを設けたものとし、スピ
ンドル8の下端を一体に結合する。なお、同図の(a)
に示すように、スピンドル8の下端には曲面状の外周を
持つ接合部8cを設け、この接合部8cの周面がスピン
ドル8の前後方向に対応する姿勢として連接座9aの凹
みに嵌め込む。これにより、スピンドル8の前後方向の
揺動の際には、カム9の姿勢を変えることなく水平面内
で移動させることが可能となる。
【0041】また、カム9の頂角部分には下に突き出る
円形断面の保持ピン9bを突き出す。そして、この保持
ピン9bと対向する側には閉弁圧下部9cを設けると共
に、これらの間に一対の水用及び湯用の開弁エリア9
d,9eを設ける。カム9を図7の(a)の姿勢とした
とき、閉弁圧下部9cは保持ピン9bの下端のレベルと
同じであり、開弁エリア9d,9eはこの閉弁圧下部9
cから保持ピン9b側に向けて次第に上向きの傾斜を持
つものとして形成されている。そして、これらの開弁エ
リア9d,9eの境界部分には、保持ピン9bから閉弁
圧下部9cにかけて最も下に突き出る高さのノーズ9f
を持たせ、開弁エリア9d,9eには幅方向にも傾斜を
形成し、縁部の下面が高くなるような形状とする。
【0042】図8はスピンドル8の操作によるカム9の
ハウジング2の中での動きを示す概略底面図である。
【0043】同図の(a)は、カム9は混合チャンバ2
cの最も奥側に位置し、頂角に保持ピン9bを持つ三角
形状のカム9の底面側の角がそれぞれ水側及び湯側の弁
体5,6の芯の上になるように設定されている。このと
き、カム9の下面の中で最も下に突き出ている閉弁圧下
部9cが弁体5,6の突起5e,6eの上に載る。この
状態は、図2の弁体5,6とカム9との位置関係に相当
し、リテーナブロック10によって上面を拘束されてい
るカム9により、弁体5,6はそれぞれのアーム5a,
6aの下面がハウジング2の内壁に突き当たる姿勢に保
持される。そして、各弁体5,6の着座面5d,6dが
それぞれのパッキン3,4に着座し、水側及び湯側の流
路を閉じた閉弁状態に維持される。
【0044】なお、パッキン3,4はそれぞれスプリン
グ3a,4aによって弁体5,6側に付勢されている。
そして、図2のように弁体5,6のアーム5a,6aの
下面がハウジング2の内壁に当たり上面がカム9によっ
て拘束されている姿勢のとき、着座面5d,6dがパッ
キン3,4を下に押してスプリング3a,4aを少し収
縮させる位置関係としてこれらのスプリング3a,4a
を組み込む。これにより、弁体5,6に対してパッキン
3,4はスプリング3a,4aの弾性反力によって強く
密着する。したがって、弁体5,6をバタフライ弁式と
してその自重も利用して閉弁するものであっても、安定
した閉弁状態の維持が可能となる。
【0045】ここで、スピンドル8を操作してハウジン
グ2の正面側から見てスピンドル8の上端を奥側に押す
と、ジョイナ8aを回動中心としてその下端部が前側に
移動する。これにより、図8の(a)の位置にあるカム
9がそのまま図において真下に移動し、弁体5,6の突
起5e,6eから閉弁圧下部9cが外れ、これに代わっ
て開弁エリア9d,9eがそれぞれ突起5e,6eに被
さるようになる。開弁エリア9d,9eは図7で説明し
たように、保持ピン9b側に向けて上向きの傾斜を持つ
ので、閉弁圧下部9cによる弁体5,6への拘束が無く
なり上側への自由度を持つようになる。
【0046】この自由度は開弁エリア9d,9eが直線
的に傾斜していることから、カム9が前側に移動するほ
ど大きくなり、図8の(c)のようにカム9がそのスト
ロークエンドに設定されたときに最大となる。このカム
9の設定のときに相当するのが、先に述べた図3の状態
であり、水側及び湯側の弁体5,6は水及び湯の供給圧
によってそれぞれ斜め上に傾斜して流路を開放してい
る。
【0047】カム9を移動させるとき、図8の(a)の
状態から前側に直進させて同図の(c)の最終位置に設
定するようにすれば、水側及び湯側の弁体5,6の開弁
方向の自由度は、開弁エリア9d,9eの傾斜によっ
て、前進量に比例して大きくなる。このため、カム9を
直線的に前進させる操作では、弁体5,6のそれぞれの
開度を増加させていくことができ、弁開度も同一に設定
できる。したがって、カム9の直線的な移動は、水と湯
との混合比は一定であって混合水の流量の設定を行うこ
とになる。
【0048】これに対し、スピンドル8をその軸線周り
に回転操作すると、水と湯との混合比を変更することが
できる。すなわち、図8の(a)の状態からカム9を前
進させながら図6においてスピンドル8を時計方向に回
転させると、カム9は図8の(b)のように湯側の弁体
6の上に大きく被さるようになる。一方、カム9の下面
の開弁エリア9d,9eはその境界部分のノーズ9f部
分が最も下に突き出ているので、カム9が被さる量が大
きい程弁体5,6の開弁方向への自由度は小さい。した
がって、図9に示すように、湯側の弁体6の自由度を拘
束する開弁エリア9eは水側の弁体5に対応する開弁エ
リア9dよりも下レベルとなり、水側の弁体5の開度の
ほうが湯側の弁体6よりも大きく設定される。逆に、カ
ム9を図8の(b)とは逆向きに右前に移動させると、
湯側の弁体6の弁開度は水側の弁体5よりも大きく設定
される。
【0049】このように、カム9の開弁エリア9d,9
eのノーズ9fを挟む傾斜を利用することにより、水側
及び湯側の弁体5,6のそれぞれの開度を同時に変更す
ることができる。このため、スピンドル8の回転操作に
より、水と湯との混合比の設定が行え、混合水の温度の
調整も可能となる。
【0050】ここで、図3のように、水側及び湯側の弁
体5,6がそれぞれ開いているとき、水及び湯の供給が
停止されたり供給圧が急激に低下しても、混合水の供給
側への逆流の防止が可能である。これは弁体5,6はそ
れぞれ水及び湯の供給圧によって開弁状態を維持してい
るので、供給停止や供給圧の低下があったときには、そ
れぞれピン7周りに回動して図10に示すようにその着
座面5d,6dをパッキン3,4に着座させることによ
る。このとき、弁体5,6はそれぞれのアーム5a,6
aの先端にベース5c,6c及び着座面5d,6dを設
けて重心をベース5c,6c側に偏らせているので、ピ
ン7周りの回転も速やかであり、供給圧の低下にも敏感
に反応して流路を閉じることができる。
【0051】このように、弁体5,6は逆止弁としての
機能も果たすことができ、流量設定及び湯と水の混合比
の設定の弁機構のほかに逆止弁を必要としない。そし
て、開閉弁機能と逆止弁機能とが弁体5,6によって行
われるので、湯だけを連続供給しても弁体5の下流側の
水が加熱されて膨張することがなく、弁操作が重くなる
こともない。更に、弁体5,6の着座面5d,6dは、
パッキン3,4の上に被さって閉弁する動きなので、2
枚の弁板の摺動を利用する場合に比べると、異物がシー
ル面に付着しても水や湯の流れによって剥離除去でき、
良好なシールが維持される。
【0052】図11は別の実施例を示すバルブユニット
1の縦断面図である。
【0053】先の例では、スピンドル8によって動作す
るカム9の下面を弁体5,6の突起5e,6eに接触さ
せていた。この方式では、これらの接触面の摺動摩耗に
ついての耐久性が一つの課題となる。これに対し、図1
1の例では、カム9と弁体5,6との間に弾性素材のシ
ート11を組み込み、このシート11によって区画され
たカム9側のハウジング2の内部にグリース等の潤滑剤
Rを封入する。シート11は、弁体5,6の開弁動作に
支障がないように、その縁部側を上に逃がした断面形状
とする。その他の構成は、先の例と全く同様であり、ス
ピンドル8によるカム9の動作に基づいた流量及び水と
湯の混合比の設定等も同様の操作によって行う。
【0054】カム9をスピンドル8によって動作させる
と、弁体5,6との間にシート11を介在させていて
も、このシート11はカム9の下面及び弁体5,6の上
面のそれぞれの形状に倣って弾性変形する。このため、
弁体5,6の自由度の設定等は前記のものと同様に行わ
れ、逆流についても弁体5,6のみが閉弁方向に回動し
て防止することができる。そして、カム9の下面はシー
ト11に突き当たりしかも封入している潤滑剤Rによっ
て摩耗が抑えられ、弁体5,6の突起5e,6eも弾性
材のシート11に接触するだけなのでその摩耗も少な
い。
【0055】このように、シート11を組み込みカム9
側に潤滑剤Rを封入することによって、カム9と弁体
5,6の突き当たり面の摩耗が防止され、耐久性の向上
が図られる。
【0056】図12は更に別の実施例を示すバルブユニ
ット1の正面縦断面図であり、前記の例と同じ部材に相
当するものについては共通の符号で指示し、その詳細な
説明は省略する。
【0057】ハウジング2の中に差し込んだスピンドル
8の下端にはカム12を連接し、スピンドル8を支持す
るリテーナブロック13及びスピンドル8と一体になっ
て回転するロータ14をそれぞれ組み込む。
【0058】図13はカム12の詳細であって、前記の
例と同様にほぼ三角形状の平面形状を持ち、その上面に
連接座12aを立ち上げると共に、頂角に位置する部分
には保持ピン12bを下に向けて突き出している。連接
座12aは四角形の横断面形状を持ち、その凹みに図7
の(a)で示したスピンドル8の下端の接合部8cを嵌
め込んで結合される。また、カム12の底面は、図7の
(b)で示したものと同様に平坦な閉弁圧下部12cを
保持ピン12bから離れた側の縁に設け、この閉弁圧下
部12cから保持ピン12bに向けて緩やかな曲面を持
つ開弁エリア12dを形成している。
【0059】図14はリテーナブロック13及びロータ
14の分解斜視図であり、それぞれの接合面を示すため
の図である。
【0060】リテーナブロック13は、図12に示す姿
勢としてハウジング2の中に固定されて常に静止した状
態を保ち、パッキン13aを備えてスピンドル8のジョ
イナ8aを転動自在に支持する。一方、ロータ14は、
スピンドル8の操作によって回転するカム12と共に一
体に回転可能であり、カム12の連接座12aが嵌まり
込む連接孔14aを開けたものである。この連接孔14
aはロータ14の半径方向に長くした長方形状の開口を
持ち、連接座12aはこの連接孔14aの中を移動可能
である。すなわち、図12においては定位置にあるロー
タ14に対して、連接座12aは図面と直交する向きに
移動でき、スピンドル8の前後方向の揺動操作によって
カム12はハウジング2の内部で前後に位置を変えるこ
とができる。
【0061】静止しているリテーナブロック13に対し
て、ロータ14の回転角度を規制しこれによってカム1
2の回転角度を或る範囲に決める。この機構のために、
リテーナブロック13の下面に設けた優弧状のリブ13
bと、ロータ14の上面に設けた劣弧状のフランジ14
bとを設ける。そして、ハウジング2の中に回転自在に
組み込んだロータ14に対して、そのフランジ14bの
周方向の両端部を挟み込むようにリブ13bを位置させ
てリテーナブロック13を重ねると、ロータ14が回る
ときにはそのフランジ14bの周方向の両端がリテーナ
ブロック13のリブ13bの端面に突き当たり、これに
よってロータ14の回転角度が規制される。
【0062】図12に戻って、水側及び湯側のそれぞれ
の流入口2a,2bに配置したパッキン3,4に接離す
る弁体15,16を組み込む。これらの弁体15,16
は、ほぼ長円状の縦断面形状を持ち、図15に示すよう
にその外周には4枚のガイドリブ15a,16aを半径
方向に突き出し、これらのガイドリブ15a,16aの
外周面をハウジング2の内部流路壁に摺動可能として組
み込まれる。
【0063】更に、カム12の動きによって、水側及び
湯側の弁体15,16の開閉弁動作をそれぞれ独立して
行わせるため、図16に示す一対のレバー17,18を
設ける。水側の流路に組み込むレバー17はその一端の
アーム17aに連接孔17bを開け、アーム17aから
他端側に突き出した部分を受圧部17cとしたものであ
る。この受圧部17cは先細りさせたテーパ状の縦断面
形状を持ち、その上端面がカム12の下面に突き当たる
配置として組み込まれる。一方の湯側のレバー18も水
側のそれと共通部品であり、アーム18a,連接孔18
b及び受圧部18cをそれぞれ備えている。そして、こ
れらのレバー17,18はそれぞれの連接孔17b,1
8bに通してハウジング2の内部に固定するピン19に
よって枢着される。
【0064】レバー17,18はそれぞれの下面が弁体
15,16の上端部分に突き当たり、カム12の位置に
よって水側,湯側の弁開度の調整による流量及び混合比
の設定を行う。すなわち、弁体15,16は先の例と同
様にその拘束を解くことによって水及び湯の供給圧によ
って開弁するので、これらの弁体15,16を圧下する
レバー17,18の姿勢をカム12によって設定すれ
ば、流量及び混合比の設定が可能となる。
【0065】図17はカムの位置による水側及び湯側の
弁開度の設定を示すための図であり、カム12の位置に
よる弁体15,16のそれぞれの開度の設定は、先の例
における図8で示したものとほぼ同様であり、以下簡単
に説明する。
【0066】図17の(a)では、カム12の閉弁圧下
部12cがレバー17,18の受圧部17c,18cの
上に載り、図12のようにレバー17,18は弁体1
5,16を下側に拘束してパッキン3,4に密着させて
閉弁している。
【0067】ここで、スピンドル8を図12において奥
側に押せば、その下端の接合部8cが前側に移動してカ
ム12を図17の(c)のように前進させる。このと
き、カム12は上側にくり抜いた形状の開弁エリア12
dがレバー17,18のそれぞれの受圧部17c,18
cに臨むようになり、弁体15,16に対する下向きの
拘束が小さくなり、供給圧によって水側及び湯側の流路
が開く。この図17の(c)のカム12の姿勢では、レ
バー17,18の受圧部17c,18cに対する位置関
係が同じであり、開弁エリア12dの形状はその幅方向
に同じであるため、水側及び湯側の弁体15,16の最
大弁開度は等しい。
【0068】また、図12において正面から見てスピン
ドル8を左側に回すように操作すると、これに連接され
ているカム12は図17の(b)のように姿勢を変え
る。このとき、水側のレバー17に対しては保持ピン1
2b側に近い開弁エリア12dが対応し、湯側のレバー
18には閉弁圧下部12cに近い開弁エリア12dが臨
む。したがって、図13に示したカム12の形状によっ
て、水側のレバー17の上側への揺動の自由度は大き
く、湯側のレバー18のそれは小さくなる。このため、
水側の流量が増え、湯側の流量が減ることになり、湯と
水の混合比が変更される。逆に、カム12を右側に振る
操作を行えば、水側が絞られ湯側が増量されるようにな
り、混合水の温度が高温側に設定される。
【0069】図18は図12で示したバルブユニット1
を更に改良した例を示す正面縦断面図である。
【0070】図12の例と同様に、水流入口2a及び湯
流入口2bのそれぞれのパッキン3,4に着座する弁体
20,21を備え、これらを上から押し付ける一対のレ
バー22,23がハウジング2の中に組み込まれてい
る。
【0071】図19は水側の弁体20の詳細であって、
同図の(a)はその平面図、同図の(b)は同図(a)
のD−D線矢視による縦断面図である。
【0072】弁体20は、レバー22側を向く面を半球
体状の受圧面20aとすると共に下端側には先細りする
コーン20bを形成し、これらの受圧面20aとコーン
20bとの間に4個のリブ20cを備えたものである。
これらのリブ20cは図18の閉弁時の際にその下端が
パッキン3の上端面に突き当たり、このときコーン20
bの上端部の外周がパッキン3の内周面に密着してシー
ル可能とする。
【0073】また、湯側の弁体21も図19の例と同じ
形状を持ち、受圧面21c,コーン21b及びガイドリ
ブ21cをそれぞれ備え、パッキン4に対するシールも
同様である。
【0074】これらの弁体20,21を押し下げるレバ
ー22,23は、図20に示すように、その基端にアー
ム22a,23aを設けてこれにピン24を差し込む連
接孔22b,23bを先の例と同様に備えたものであ
る。そして、基端側から先端側に向けて上側に先細りす
る断面形状を持つ受圧部22c,23cを形成し、先端
には下向きに先細りする係合ヘッド22d,23dを設
ける。
【0075】レバー22,23は、その連接孔22b,
23bの芯から係合ヘッド22d,23dの先端面まで
の長さをハウジング2の半径にほぼ等しいか僅かに小さ
くしたものである。そして、閉弁時においてレバー2
2,23のガタの発生を無くすことを目的として、係合
ヘッド22d,23dをハウジング2側に預ける構造と
する。
【0076】図21の(a)は係合ヘッド22d,23
dの保持構造を持つハウジング2の概略斜視図である。
【0077】ハウジング2に開けた混合水流出口2dの
円周方向のほぼ中央であって下側の開口縁には下に向け
て切開した保持溝2eを設ける。この保持溝2eは係合
ヘッド22d,23dの高さ寸法にほぼ等しい深さを持
ち、同図の(b)に示すように係合ヘッド22d,23
dをその中に落とし込み可能とする。
【0078】図22はカム25の詳細を示す図である。
【0079】このカム25は先の例における図13に示
したカム12と基本的には同じ構成であり、連接座25
a,保持ピン25b,閉弁圧下部25c及び開弁エリア
25dをそれぞれ形成したものである。但し、図13の
例と比較して、閉弁圧下部25cがが全体で占める面積
比を大きくした点が相違している。
【0080】なお、リテーナブロック13,ロータ14
及びスピンドル8等は図12のものと同様であり、ハウ
ジング2への組込みやカム25との連接構造も同じであ
る。また、カム25とレバー22,23の位置関係も図
17に示したものと同様である。
【0081】図18の止水時からハンドル操作によって
スピンドル8を奥側に押すと、カム25は前進してその
開弁圧下部25cがレバー22,23の受圧部22c,
23cから離れて、開弁エリア25dが受圧部22c,
23cに臨むようになる。このため、弁体20,21へ
の拘束が解かれ、水流入口2a及び湯流入口2aからの
給水,給湯圧によって弁体20,21がパッキン3,4
から離れ、図23に示すように流路が開かれる。
【0082】水側及び湯側の弁開度の調整は先に述べた
ものと同様であり、スピンドル8を右側に回せば湯側の
開度が大きくなり、逆に回せば水側の開度が大きくなっ
て、水と湯との混合比を変えることができる。また、ス
ピンドル8を奥側に移動させるほど流量が大きく手前側
であれば小さくできる操作も同様である。
【0083】ここで、弁体20,21はそれぞれパッキ
ン3,4に嵌まり込むコーン20b,21bを備えてい
るので、弁体20,21の軸線方向の移動量に対する流
路面積の変化は小さい。このため、単純な形状のカム2
5を使ってはいても、流量調整を細かく行うことが可能
となる。
【0084】図23の開弁時に逆流を生じると、先の各
例と同様に弁体20,21はそれぞれのパッキン3,4
側へ移動して着座して流路を閉じ、給水,給湯源側への
混合水の逆流を防ぐ。そして、このような弁体20,2
1の動きのとき、それぞれのコーン20b,21bがパ
ッキン3,4の中に嵌まり込むときのガイドとなり、パ
ッキン3,4の内壁に倣って速やかに移動する。すなわ
ち、弁体20,21はその周囲をハウジング2によって
拘束されず、開弁時のときにおいてもコーン20b,2
1bの下端側だけがパッキン3,4の中に落ち込んでい
るだけなので、コーン20b,21bがパッキン3,4
の内壁に倣いながら調心して閉弁する。したがって、急
に逆流を生じても、弁体20,21はこれに対応して瞬
時に流路を閉じてしまい、逆流防止機能も向上する。
【0085】図23の開弁状態から閉弁するときには、
スピンドル8を手前に移動させ、カム25の閉弁圧下部
25cによって受圧部22c,23cを下に押して弁体
20,21をパッキン3,4に着座させ、図18の止水
状態に戻す。
【0086】この止水完了時及び止水の期間を通じて
は、図21に示したように、レバー22,23の係合ヘ
ッド22d,23dがそれぞれハウジング2側の保持溝
2eの中に入り込む。このため、レバー22,23は一
端をピン25によって及び先端をハウジング2側によっ
て拘束され、ガタ付くことなく保持される。したがっ
て、パッキン3,4に着座いている弁体20,21も安
定した姿勢に維持され、確実な止水が保たれる。
【0087】図25は先の例で用いたカム12と閉弁圧
下部25cが占める面積比率をこのカム12よりも大き
くしたカム25を用いた場合の操作の比較を示す概略図
である。
【0088】同図の(a)は、図12の例において、水
側の開度を小さく且つ湯側の開度を小さく設定するカム
12の姿勢の位置から、図中の実線で示す位置にカム1
2を移動させて閉弁させようとしている状況である。こ
の例において、カム12は図中の矢印方向に移動してき
て停止するが、カム12の閉弁圧下部12cがレバー1
7,18を下に押す領域な図中の一点鎖線のハッチング
で示す部分に限られる。このように、レバー17,18
を押す範囲が狭いと圧下が充分でなくなり、特に湯側の
レバー17に対する拘束その基端部のみなので、給湯圧
に耐えきれず、止水不良を生じる。
【0089】このような止水不良を無くすには、スピン
ドル8を左向きに回してカム17を図17の(c)の姿
勢に設定し、その後手前に引くことによって、図25の
(b)に示すようなカム17の軌跡とすることが必要で
ある。すなわち、閉弁する前にカム17を中立位置に戻
した後、最終的な閉弁操作をするという2つステップと
なる。
【0090】これに対し、閉弁圧下部25cを大きくし
た図25の(c)の場合では、開弁位置から図示の実線
の位置にカム25を移動させたとき、レバー22,23
の基端部の上面及び受圧部22c,23cを広い範囲に
閉弁圧下部25cが被さる。このため、各レバー22,
23を押し下げる力は充分であり、水側も湯側も閉弁し
て止水が維持される。
【0091】このように、閉弁圧下部25cを広くした
ことによって、ハンドルを中立位置に戻すことなくその
まま手前に引くだけの操作で、湯側も水側も閉弁させる
ことができ、使い勝手も向上する。
【0092】図26は単水栓に組み込むバルブユニット
の例を示す縦断面図である。
【0093】図において、ハウジング26の下端の水流
入口26aに連通する流路には、図18の湯水混合栓の
例の水側に配置したものと同様のパッキン27及び弁体
28を組込み、パッキン27をスプリング27aによっ
て上に付勢する。ハウジング26の上端側にはスピンド
ル29を連接し、図中の矢印方向に操作可能とすると共
にその下端にカム30を連接する。このカム30も先の
各例と同様に閉弁圧下部30aと開弁エリア30bを形
成したもので、開弁エリア30bの傾斜を利用して弁体
28のパッキン27からの開度を可変とする。
【0094】図示の状態では、閉弁圧下部30aが弁体
28の上面に被さって弁体をパッキン27に着座させて
閉弁している。そして、スピンドル29の上端を右側に
押すと、開弁エリア30bが弁体28の上に次第に被さ
って行き、移動量に比例して弁体28の自由度を拡大し
ていく。このため、水圧によって弁体28がパッキン2
7から離れて開弁し、その流量はスピンドル29の右側
への移動量に比例して調整される。
【0095】図27は単水栓の他の例であり、これは回
転操作式のスピンドル31を設けた点のみが異なり、そ
の他の構成は図26のものと同様である。
【0096】スピンドル31の下端には、図28に示す
形状のカム32を一体にして設け、閉弁圧下部32aと
開弁エリア32bをそれぞれ形成する。これらの閉弁圧
下部32aと開弁エリア32bの境界部分は緩やかに連
なる曲面状である。
【0097】図27では閉弁圧下部32aによって弁体
28はパッキン27に着座している。そして、スピンド
ル31をその上面から見て時計又は反時計方向に回す
と、次第に開弁エリア32bの領域に弁体28の上端面
が含まれていき、弁体28に上向きの自由度を与える。
これにより、弁体28は給水圧によって開弁し、その開
度は閉弁圧下部32aと開弁エリア32bとの間の傾斜
面を利用して調整可能である。
【0098】
【発明の効果】本発明では、水又は水及び湯のそれぞれ
の流路を開閉するように動く弁体と、これらの弁体の開
弁方向の自由度を変えるカムとの組合せによって、開閉
弁機能と逆止弁機能とを持たせることができる。このた
め、開閉弁とは別に逆止弁を備える必要がなく、湯水混
合栓の場合では連続給湯しても水側の内圧上昇がなく、
弁機構の操作が重くなることがない。また、逆止弁を別
途設けなくて済むので、従来製品に比べるとコストの低
減が可能となり、逆止弁のためのスペースも不要となる
ので、配管等の自由度の向上も図られる。
【0099】弁体の着座面を受けるパッキンを弾性体に
よって着座面側に付勢することで、自重によって閉弁状
態を維持する弁体の構造とした場合でも、高いシール圧
が得られ、止水不良を生じることもない。
【0100】また、弁座を円筒状として弁体にこの弁体
の中に進入できるコーンを備えれば、細かな流量調整が
できる他、コーンの外周と弁座の内周との間を着座面と
することによって、二次側流路内にシール面が直接臨ま
ないようにすることができ、逆流によるシール面の剥離
を防いで確実な止水が維持される。
【0101】更に、弁体とこれに被さるカムとの間に弾
性変 更に、カムと弁体との間に弾性シート材を介在さ
せて2室に区画しカム側の室に潤滑剤を封入すれば、カ
ムと弁体との間の摺動摩耗が抑えられ、耐久性の大幅な
向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブユニットを組み込んだ本発明の湯水混合
栓の概略切欠図である。
【図2】バルブユニットの正面縦断面図である。
【図3】水側及び湯側を同じ弁開度で開弁したときのバ
ルブユニットの正面縦断面図である。
【図4】弁体の詳細であって、同図の(a)はその平面
図、同図の(b)は同図(a)のA−A線矢視による縦
断面図、同図の(c)は同図(a)のB−B線矢視図で
ある。
【図5】バルブユニットに組み込む一組の弁体を示す概
略分解斜視図である。
【図6】図2のC−C線矢視図であってスピンドルの回
動角の規制構造を示す横断面図である。
【図7】カムの詳細であって、同図の(a)はスピンド
ルの下端と共に示す上方斜視図、同図の(b)は下から
見た斜視図である。
【図8】ハウジング内でのカムの動きを示す図であっ
て、同図の(a)は閉弁時、同図の(b)は水側の流量
を大きくしたとき、同図の(c)は水と湯とを同じ開弁
度としたときをそれぞれ示す。
【図9】図8の(b)のカムの位置に対応する水側及び
湯側の弁体の開弁姿勢を示すバルブユニットの正面縦断
面図である。
【図10】図3の開弁状態のとき逆流を生じたときの水
側及び湯側の弁体の閉弁を示すバルブユニットの正面縦
断面図である。
【図11】カム側と弁体側とをシートで区画しカム側の
空間に潤滑剤を封入した例のバルブユニットの正面縦断
面図である。
【図12】弁体をカムとの間に配置したレバーによって
拘束する例を示すバルブユニットの正面縦断面図であ
る。
【図13】図12の例のバルブユニットに組み込むカム
の詳細であって、同図の(a)は上から見た斜視図、同
図の(b)は下から見た斜視図、同図の(c)はカムの
下面形状を示すための縦断面図である。
【図14】リテーナブロックとロータとによる回転角の
規制構造を示すための分解斜視図である。
【図15】図12のバルブユニットに組み込む弁体の横
断面図である。
【図16】弁体を拘束するレバーを示す斜視図である。
【図17】ハウジング内におけるカムの動きを示す概略
図であって、同図の(a)は閉弁時、同図の(b)は水
側の流量を大きくした時、同図の(c)は水側と湯側と
を同じ弁開度とした時を示す。
【図18】コーンを備えた弁体をカムとレバーによって
開閉操作可能としたバルブユニットの例を示す正面縦断
面図である。
【図19】図18の例に用いた弁体の詳細であって、同
図の(a)はその平面図、同図の(b)は同図(a)の
D−D線矢視による縦断面図である。
【図20】図18の例に用いた2個のレバーの分解斜視
図である。
【図21】レバーを保持する保持溝を示す図であって、
同図の(a)はハウジングの概略斜視図、同図の(b)
は保持溝への係合ヘッドの嵌まり込みを示す図である。
【図22】図18の例に用いたカムの詳細であって、同
図の(a)は上面から見た斜視図、同図の(b)は下面
から見た斜視図、同図の(c)は縦断面図、同図の
(d)は底面図である。
【図23】図18の例において水側及び湯側を全開とし
たときの正面縦断面図である。
【図24】図23の開弁時において逆流を発生したとき
の弁体の閉弁を示す正面縦断面図である。
【図25】図12の例で用いたカムと図18以降の例で
用いたカムとの操作上の比較を示す図であって、同図の
(a)は図12の例によるレバーの圧下状況を示す概略
図、同図の(b)は同図(a)の場合の止水までのスピ
ンドルが採るべき移動軌跡の概略図、同図の(c)は図
18の例のカムによるレバーへの圧下を示す概略図であ
る。
【図26】単水栓に適用したバルブユニットの縦断面図
である。
【図27】単水栓用のバルブユニットであって、スピン
ドルを回転操作式とした例を示す縦断面図である。
【図28】図27のバルブユニットのスピンドルを上下
逆として見た斜視図である。
【図29】逆止弁を供給路に備える湯水混合栓の従来例
を示す図である。
【符号の説明】
1 本体 20,21 弁体 2 ハウジング 20b,21b コー
ン 3,4 パッキン 22,23 レバー 5,6 弁体 24 ピン 7 ピン 25 カム 8 スピンドル 26 ハウジング 9 カム 27 パッキン 10 リテーナブロック 28 弁体 11 シート 29 スピンドル 12 カム 30 カム 13 リテーナブロック 31 スピンドル 14 ロータ 32 カム 15,16 弁体 17,18 レバー 19 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 克昭 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林田 義秀 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水及び/又は湯の流入路と吐出端との間
    の流路に弁機構を組み込んだ水栓であって、前記弁機構
    は、流路内供給圧によって独立して開弁動作する弁体を
    備え、前記弁体の着座面と反対側の面に被さるカムを前
    記吐出端側に連通する流路内に設けると共に該カムを操
    作用のスピンドルに連接し、前記カムの前記弁体に対す
    る位置に応じて弁体の開度を変更可能とし、逆流時に前
    記弁体を逆流圧によって閉弁動作可能としたことを特徴
    とする水栓。
  2. 【請求項2】 水及び湯のそれぞれの流入路と、これら
    の流入路と吐出端との間の流路に組み込んだ弁機構と、
    該弁機構を1本のスピンドルとこれに連接したレバーに
    よって操作可能としたシングルレバー式の湯水混合用の
    水栓であって、前記弁機構は、水及び湯の供給圧によっ
    てそれぞれ独立して開弁動作する弁体を前記水及び湯の
    流入路に備え、前記弁体の着座面と反対側の面に被さる
    カムを前記吐出端側に連通する流路内に設けると共に該
    カムを前記スピンドルに連接し、前記カムの前記弁体に
    対する位置に応じて弁体の開度を変更可能とし、逆流時
    に前記弁体を逆流水圧によって閉弁動作可能としたこと
    を特徴とする湯水混合用の水栓。
  3. 【請求項3】 前記弁体の着座面を受ける弁座を、前記
    弁体方向に向けて付勢する弾性手段によって支持してい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の水栓。
  4. 【請求項4】 前記弁体がその閉弁時に着座する弁座を
    筒状とすると共に、前記弁体には前記弁座の中に進入可
    能な先細り状のコーンを設け、該コーンの外周面と前記
    弁座の内周面との間を相互の着座面としたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の水栓。
  5. 【請求項5】 前記弁体とカムとの間に弾性シート材を
    介在させると共に該シート材によって前記弁体側とカム
    側の収納空間を区画し、前記カム側の収納空間に潤滑剤
    を封入していることを特徴とする請求項2記載の水栓。
JP5049593A 1992-07-31 1993-03-10 水 栓 Expired - Lifetime JP2706208B2 (ja)

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