JP3589866B2 - 逆止弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体、気体等を対象とする流体用機器に適用され、その流体の逆流を防いで一方向にだけ流体を流すようにする逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流体用機器の流路には、流体制御の必要性から、流体の逆流を防いで流体を一方向にだけ流す逆止弁が設けられることがある。
【0003】
図8は、この種の液体用機器の流路に設けられる逆止弁51の一例を示す。この逆止弁51は、筒状のケーシング52と、そのケーシング52の中に設けられ、その入口53を閉じるための弁体54とを備える。弁体54は、入口53のテーパ面55に整合する弁部54aと、その弁部54aの外周に装着されたOリング56と、弁部54aの中心から下方へ延びる軸部54bとを有する。軸部54bは、ケーシング52の中心に設けられた軸受52aに組み付けられて軸線方向、即ち、同図の上下方向へ摺動可能をなす。弁体54は、その弁部54aがテーパ面55に当接するように、軸受52aの外周に装着されたコイルスプリング57により付勢される。従って、逆止弁51が液体をシールする機能は、Oリング56がコイルスプリング57の付勢力に基づいてテーパ面55に押し付けられることにより得られる。
【0004】
上記の逆止弁51を適用した液体用機器の一つとして、例えば、図9に示すような風呂の給湯装置がある。この給湯装置は、浴槽61や炊事場等に供給される新しい湯を作るための給湯部62と、浴槽61に溜まった湯を必要に応じて追い焚きするための追い焚き部63と、給湯部62と追い焚き部63とを接続するための接続部64とを有する。給湯部62は、冷水管65に供給される水を熱交換器66で加熱して給湯管67に送り込むものである。追い焚き部63は、浴槽61の湯水を循環ポンプ68により循環管69で循環させ、その湯水を別の熱交換器70で加熱して循環管69を通じて浴槽61へ循環させるものである。給湯管67に接続された接続部64は、接続管71において互いに直列に接続された開閉弁72、逆流防止器73及び切換弁74を有する。開閉弁72は、給湯部62の湯を追い焚き部63を介して浴槽61へ供給するために開かれるものである。切換弁74は、給湯部63の湯を浴槽61に供給するか、或いは、追い焚きのために浴槽61の湯水を循環させるかを選択する際に切り替えられるものである。従って、浴槽61に新しい湯を供給するには、切換弁74を切り換えて開閉弁72を開くことにより、給湯部62の湯を接続部64及び追い焚き部63を通じて浴槽61に落とし込む。一方、浴槽61の湯水を追い焚きするには、切換弁74を切り換え、循環ポンプ68を作動させて浴槽61の湯水を熱交換器70で加熱しながら循環管69を通じて循環させる。逆流防止器73は、給湯管67と循環管69とを縁切りし、浴槽61の湯水が冷水管65、熱交換器66及び給湯管67に逆流するのを防止するためのものである。
【0005】
ここで、上記の逆流防止器73として、前述した逆止弁51を二個直列に設けたものがある。逆止弁51を二個直列に設けるのは、湯水の逆流防止機能を高めるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように逆流防止器73に採用された逆止弁51では、構造上、その出口58に微圧が加わる場合の逆流防止機能に問題があった。即ち、上記のような風呂の給湯装置では、浴槽61の湯水が少なくなった場合に、新しい湯を浴槽61に自動的に補給することにより、浴槽61の水位を一定に保つ制御を行うものがある。ここで、浴槽61に新しい湯を補給するには、接続管71を循環管69に連通可能にするために切換弁74が切り換えられるが、このとき、逆止弁51の出口58に浴槽61の湯水による二次圧力が加わることがある。この出口58にかかる二次圧力は、それら逆止弁51と浴槽61との位置関係、詳しくは、浴槽61の水位と逆止弁51の高さ位置との関係により変わるものである。二個ある逆止弁51のうち、下流側の逆止弁51に不具合がある場合には、上流側の逆止弁51の出口58にも湯水による二次圧力が加わることがある。
【0007】
例えば、浴槽61の水位が両逆止弁51の位置よりも十分に高い場合、それらの出口58に加わる二次圧力は十分に大きくなる。従って、逆止弁51には、その弁体54をテーパ面55に強く押し付ける力が作用し、逆止弁51は強固に閉じられることになる。或いは、浴槽61の水位が両逆止弁51の位置よりも十分に低い場合、それらの出口58に二次圧力圧力は加わらない。従って、浴槽61の湯水が両逆止弁51を通って給湯部62側へ逆流するおそれは全くない。
【0008】
しかしながら、浴槽61の水位が両逆止弁51の位置とほぼ同じになるような場合、それらの出口58に微圧が加わることがある。従って、逆止弁51には、その弁体54をテーパ面55へ押し付ける力が作用するものの、その力は十分に強くはなく、場合によっては、弁体54の姿勢が不安定になる傾向にある。特に、上記の逆止弁51では、図8に示すように、弁体54の中心の軸部54bが軸受52aに支持される構造であることから、軸部54bと軸受52aとの間の設定クリアランス(両者54b,52aの相対移動を許容するために必要なクリアランス)の大きさによっては、軸部54bが入口53の中心軸線に対して微妙にずれるおそれがある。しかも、上記の逆止弁51では、シール性を確保するために弁部54aのOリング56をテーパ面55に当接させる構造をとっている。このため、逆止弁51を閉じるために弁体54に作用する力の全てが、Oリング56をテーパ面55に垂直に押し付ける力、即ち、シール性を得るのに最も有効な力として作用する訳ではない。従って、弁体54が微圧の作用によって微妙に傾いたり、弁体54の中心軸線が入口53の中心軸線からずれたりしたときには、Oリング56とテーパ面55との間に隙間が生じ、逆止弁51が湯水の逆流を許容してしまうおそれがある。つまりは、浴槽61の汚れた湯水が給湯部62側へ逆流するおそれがあり、給湯部62の衛生管理の上で問題であった。
【0009】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、出口に微圧が加わる場合に十分なシール性を確保して逆流を未然に防止するようにした逆止弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入口及び出口を有する筒状のケーシングと、そのケーシングの中において入口に対応して設けられた弁座と、ケーシングの中において弁座に対応して設けられた弁体と、弁体を弁座に対して垂直に押し付けるためのスプリングとを備え、入口から弁体に流体圧力が作用したときには、スプリングの付勢力に抗して弁体が弁座から引き離されることにより流体の流通を許容し、出口から弁体に流体圧力が作用したときには、スプリングの付勢力及び流体圧力に基づいて弁体が弁座に対して垂直に押し付けられることにより流体の逆流を防ぐようにした逆止弁であって、弁座に対する弁体の移動を案内するために弁体に設けられ、入口の内壁に沿って摺動可能であり、弁体から弁体の摺動方向に突設された複数の中央リブを有する第1の案内部と、ケーシングに対する弁体の移動を案内するために弁体の外周に設けられ、ケーシングの内壁に沿って摺動可能であり、弁体の外周から半径方向に放射状に突設された複数の外周リブを有する第2の案内部と、スプリングを、弁座の外径よりも外側寄りの位置において弁体に係合させ、そのスプリングにより弁体を弁座に対して垂直に押し付けるようにしたこととを備えたことを趣旨とする。
【0011】
上記の構成によれば、弁体に設けられた複数の中央リブを有する第1の案内部が弁座に対応する入口の内壁に沿って摺動することにより、弁座に対する弁体の移動が案内される。従って、弁体においてシール性に影響の大きい弁座に近い部分の移動が、複数の中央リブを有する第1の案内部により入口の中心軸線に沿って案内されることになる。加えて、弁体の外周に設けられた複数の外周リブを有する第2の案内部がケーシングの内壁に沿って摺動することにより、ケーシングに対する弁体の移動が案内される。従って、弁体の移動が、複数の外周リブを有する第2の案内部により、ケーシングの中心軸線に沿って案内されることになる。このように、二種類の案内部の協働により、弁座に対する弁体の移動が、安定した姿勢をもって案内されることになる。
弁体が、弁座の外径よりも外側寄りの位置においてスプリングにより付勢されることから、スプリングの付勢力が弁体を介して弁座の当接面に均等に作用することになる。又、弁体が弁座に対して垂直に押し付けられることから、逆止弁を閉じるために弁体に作用する力の全てが、弁体を弁座に押し付けるための力として有効に作用することになる。
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1の発明の構成において、弁体の弁座に押し付けられる部位及び弁座の少なくとも一方をゴム製の弁シートにしたことを趣旨とする。
【0013】
上記の構成によれば、請求項1の発明の作用に加え、弁体と弁座との間にゴム製の弁シートが介在されることになり、両者の間の密着度が向上する。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、入口及び出口を有する筒状のケーシングと、ケーシングの中において入口に対応して設けられた弁座と、ケーシングの中において弁座に対応して設けられた弁体と、弁体を弁座に押し付けるためのスプリングとを備え、入口から弁体に流体圧力が作用したときには、スプリングの付勢力に抗して弁体が弁座から引き離されることにより流体の流通を許容し、出口から弁体に流体圧力が作用したときには、スプリングの付勢力及び流体圧力に基づいて弁体が弁座に押し付けられることにより流体の逆流を防ぐようにした逆止弁であって、弁座に対する弁体の移動を案内するために弁体に設けられ、入口の内壁に沿って摺動可能であり、弁体から突設された複数の中央リブを有する第1の案内部と、ケーシングに対する弁体の移動を案内するために弁体の外周に設けられ、ケーシングの内壁に沿って摺動可能であり、弁体の外周から放射状に突設された複数の外周リブを有する第2の案内部と、それら各外周リブは、弁体の移動方向に沿って延びる脚部を有することと、スプリングを、弁座の外径よりも外側寄りの位置において弁体に係合させ、そのスプリングにより弁体を弁座に対して垂直に押し付けるようにし、各脚部を内包して各外周リブに係合するコイルスプリングとしたことと、弁体の弁座に押し付けられる部位及び弁座の少なくとも一方をゴム製の弁シートにしたこととを備えたことを趣旨とする。
【0015】
上記の構成によれば、弁体に設けられた複数の中央リブが弁座に対応する入口の内壁に沿って摺動することにより、弁座に対する弁体の移動が案内される。従って、弁体においてシール性に影響の大きい弁座に近い部分の移動が、複数の中央リブにより入口の中心軸線に沿って案内されることになる。加えて、弁体の外周に設けられた複数の外周リブがケーシングの内壁に沿って摺動することにより、ケーシングに対する弁体の移動が案内される。従って、弁体の移動が、複数の外周リブにより、ケーシングの中心軸線に沿って案内されることになる。このように、中央リブ及び外周リブの案内部の協働により、弁座に対する弁体の移動が、安定した姿勢をもって案内されることになる。
弁体が、複数の脚部を内包して各外周リブに係合するコイルスプリングにより付勢されることから、弁体に対してコイルスプリングが各脚部によって位置決めされ、コイルスプリングの付勢力が弁体を介して弁座の当接面に均等に作用することになる。又、弁体が弁座に対して垂直に押し付けられることから、逆止弁を閉じるために弁体に作用する力の全てが、弁体を弁座に押し付けるための力として有効に作用することになる。
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3の発明の構成において、弁体の外周とコイルスプリングの内周との間に流体の通過を許容するための隙間を設け、その隙間に対応する弁体の外周縁をテーパ面としたことを趣旨とする。
【0017】
上記の構成によれば、請求項3の発明の作用に加え、弁体の外周とコイルスプリングの内周との間の隙間により流体の通過が許容されることから、逆止弁が開いたときの流体の流路が確保される。又、その隙間に対応する弁体の外周縁がテーパ面をなすことから、隙間における流路抵抗が軽減される。
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4の発明の構成において、各脚部の外面を、弁体の内方へ向かって傾斜させたことを趣旨とする。
【0019】
上記の構成によれば、請求項3又は請求項4の発明の作用に加え、各脚部の外面が傾斜していることから、各脚部とコイルスプリングとの間の摩擦が緩和され、弁体とコイルスプリングとの間の動きが円滑になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の逆止弁を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態では、逆止弁が風呂の給湯装置に適用されるものとし、その給湯装置の基本構成を図9に示す従来のそれと同じものとする。即ち、この実施の形態の逆止弁は、従来と同様に接続部73の逆流防止器73に適用されるものとする。従って、以下において、風呂の給湯装置については、図9を参照して説明するものとする。
【0021】
図1,2は、本実施の形態の逆止弁1を示す断面図であり、図3はその逆止弁を一部破断して示す正面図である。この逆止弁1は、ケーシング2、弁体3、コイルスプリング4及びストッパ5を備える。ストッパ5はケーシング2の一部を構成する。ケーシング2は、円筒状をなし、入口6及び出口7を有する。ケーシング2は、その中に入口6に対応して設けられた弁座8を有する。弁体3は、ケーシング2の中において弁座8に対応して設けられる。コイルスプリング4は、弁体3を弁座8に押し付けるためのものである。ストッパ5は、その中央に出口7を含み、ケーシング2の一端開口に嵌め込まれて弁体3及びコイルスプリング4の脱落を規制する。コイルスプリング4は、ストッパ5と弁体3との間に介在される。従って、この逆止弁1は、その入口6から弁体3に対して液体による一次圧力が作用したときに、図2に示すように、コイルスプリング4の付勢力に抗して弁体3が弁座8から引き離されることにより、液体の流通を許容するようになっている。この逆止弁1は、その出口7から弁体3に対して液体による二次圧力が作用したときには、図1に示すように、コイルスプリング4の付勢力及び液体による二次圧力に基づいて弁体3が弁座8に押し付けられることにより、液体の逆流を防止するようになっている。この実施の形態では、弁体3における弁座8に押し付けられる部位に、ゴム製の弁シート9が取り付けられる。
【0022】
図4は弁体3の正面図を、図5は図4の平面図を、図6は図4の底面図をそれぞれ示す。この弁体3は、弁座8に対する弁体3の移動を案内するために、入口6の内壁に沿って摺動可能をなす第1の案内部を有する。この実施の形態の逆止弁1は、第1の案内部として、上方の弁体の摺動方向へ突設された三つの中央リブ10を有する。これら中央リブ10は、弁体3の中心に対して等角度間隔をもって配置される。更に、弁体3は、自身のケーシング2に対する移動を案内するために、ケーシング2の内壁に沿って摺動可能をなす第2の案内部を有する。この実施の形態の逆止弁1は、第2の案内部として、弁体3の外周から半径方向に放射状に等角度間隔をもって突設された四つの外周リブ11を有する。各外周リブ11は、弁体3の移動方向に沿って下方へ延びる脚部12をそれぞれ有する。コイルスプリング4は、その一端部が各脚部12を内包して各外周リブ11に係合するように組み付けられる。コイルスプリング4は、弁座8の外径よりも外側寄りの位置において各外周リブ11に係合され、そのスプリング4により弁体3が弁座8に対して垂直に押し付けられるようになっている。
【0023】
この実施の形態では、図4に示すように、各脚部12の外面12aが弁体3の内方へ向かって所定角度(例えば「1°」)だけ傾斜している。各脚部12の長さは、コイルスプリング4が最も圧縮されても必要流路が確保できる高さなっている。
【0024】
図1,2に示すように、この実施の形態の逆止弁1は、弁体3の外周とコイルスプリング4の内周との間に、液体の通過を許容するための隙間Gaを有する。図4,6に示すように、上記の隙間Gaに対応する弁体3の外周縁は、テーパ面13となっている。
【0025】
この逆止弁1は、図9に示す風呂の給湯装置の接続部64の逆流防止器73において、二個が直列に配置される。図7は、その接続部64の具体的構成を一部破断して示す正面図である。この接続部64は、接続管71と、その接続管71に互いに直列に接続された開閉弁72、逆流防止器73及び切換弁74とを有する。
【0026】
この実施の形態において、開閉弁72はソレノイド21を駆動源とするパイロット式のダイヤフラム弁より構成される。開閉弁72に通じる第1の接続口22は、給湯部62の給湯管67に接続される。切換弁74は、モータ23を駆動源とするボール弁より構成され、その第2及び第3の接続口24,25は、追い焚き部63の循環管69にそれぞれ接続される。従って、浴槽61に新しい湯を供給するには、開閉弁72を開き、切換弁74を切り換えて第1の接続口22と第2又は第3の接続口24,25とを互いに連通可能な状態とする。これにより、給湯部62の湯を接続部64及び追い焚き部63を介して浴槽61に落とし込む。一方、浴槽61の湯水を追い焚きするには、切換弁74を切り換えて第2及び第3の接続口24,25を互いに連通させると共に、循環ポンプ68を作動させて浴槽61の湯水を熱交換器70で加熱しながら循環管69を通じて循環させる。
【0027】
逆流防止器73は、二つの逆止弁1が各々入口6を上にして上下に重ねられて配置される。この実施の形態の接続部64は、二つの逆止弁1と直列に配置される流量センサ26を更に備える。この流量センサ26は、回転式のマグネットホール素子より構成され、接続部64を流れる湯量を検出するためのものである。逆流防止器73は、その二つの逆止弁1の協働により給湯管67と循環管69とを縁切りし、浴槽61の湯水が給湯管6に逆流するのを防止するためのものである。この実施の形態の給湯装置は、浴槽61の湯が少なくなったときに、新しい湯を浴槽61に自動的に補給して浴槽61の水位を一定に保つ制御を行うようになっている。
【0028】
次に、上記のように構成した逆止弁1及びそれを含む風呂の給湯装置の動作等について説明する。
【0029】
風呂の給湯装置において、浴槽61に新しい湯を補給するには、接続管71を循環管69に連通させるために切換弁74が切り換えられる。このとき、浴槽61の水位と逆流防止器73の位置との関係から、逆止弁1の出口7には、浴槽61の湯水による二次圧力が加わることがある。二個ある逆止弁1のうち、下流側の逆止弁1に不具合がある場合には、上流側の逆止弁1の出口7にも湯水による二次圧力が加わることがある。ここで、浴槽61の水位が逆止弁1の位置よりも十分に高い場合、それらの出口7にかかる二次圧力は十分に大きくなる。このとき、逆止弁1には、コイルスプリング4の付勢力及び浴槽61の湯水による二次圧力の両方に基づき、弁体3を弁座8に垂直に強く押し付ける力が作用し、図1に示すように、逆止弁1はそれぞれ強固に閉じられることになる。或いは、浴槽61の水位が両逆止弁1の位置よりも十分に低い場合、それらの出口7には浴槽61の湯水による圧力が加わることはなく、コイルスプリング4の付勢力のみにより、図1に示すように、弁体3が弁座8に垂直に押し付けられる。このような逆止弁1の機能により、浴槽61の湯水が給湯部62側へ逆流することは全くない。
【0030】
一方、浴槽61の水位が両逆止弁1の位置とほぼ同じになるような場合、それらの出口7には浴槽61の湯水により微圧が加わることがある。このとき、逆止弁1には、その弁体3を弁座8へ押し付けようとする力が作用するものの、その力は十分には強くない。この逆止弁1の構成によれば、弁体3に設けられた各中央リブ10が入口6の内壁に沿って摺動することにより、弁座8に対する弁体3の移動が案内される。従って、弁体3においてシール性に影響の大きい弁座8に近い部分、即ち弁シート9の移動が、複数の中央リブ10により入口6の中心軸線に沿って案内されることになる。加えて、弁体3の外周に設けられた複数の外周リブ11がケーシング2の内壁に沿って摺動することにより、ケーシング2に対する弁体3の移動が案内される。従って、弁体3の移動が、各外周リブ11により、ケーシング2の中心軸線に沿って案内されることになる。このように、各中央リブ10及び各外周リブ11の協働により、弁座8に対する弁体3の移動が安定した姿勢をもって案内されることになる。
【0031】
更に、弁体3が、弁座8の外径よりも外側寄りの位置においてコイルスプリング4により付勢されることから、コイルスプリング4の付勢力が弁体3を介して弁座8の当接面に均等に作用することになる。弁体3が弁座8に対して垂直に押し付けられることから、逆止弁1を閉じるために弁体3に作用する力の全てが、弁体3を弁座8に押し付けるための力として有効に作用することになる。
【0032】
このため、浴槽61の湯水により逆止弁1の出口7に微圧が加わる場合でも、弁体3と弁座8とを精密に接合させて十分なシール性を確保することができるようになる。この結果、浴槽61の汚れた湯水が逆止弁1を通じて給湯部62側へ逆流することを未然に防止することができ、給湯部62の衛生管理を適正に行うことができるようになる。
【0033】
この実施の形態の逆止弁1によれば、弁体3に設けられたゴム製の弁シート9が弁座8との間に介在されることから、両者3,8の間の密着度が向上する。この意味でも、出口7に微圧が加わる場合の弁体3と弁座8との間のシール性を向上させることができる。
【0034】
この実施の形態の逆止弁1によれば、弁体3の外周とコイルスプリング4の内周との間の隙間Gaにより湯の通過が許容されることから、逆止弁1が開いたときの湯の流路がその隙間Gaにより確保される。即ち、図2に示すように、逆止弁1が全開になると、弁体3はその各脚部12がストッパ5に底付きするかたちとなり、コイルスプリング4は最も圧縮された状態となる。このため、コイルスプリング4の外周から出口7へは湯が流れ難くなるが、弁体3とコイルスプリング4との隙間Gaにより、湯が出口7へ流れやすくなる。更に、その隙間Gaに対応する弁体3の外周縁がテーパ面13をなすことから、隙間Gaにおける流路抵抗が軽減される。このため、給湯部62から浴槽61へ新しい湯を供給する際には、各逆止弁1において湯を円滑に流すことができ、比較的大きい流量を確保することができるようになる。
【0035】
この実施の形態の逆止弁1によれば、コイルスプリング4が各脚部12を内包するかたちで各外周リブ11に係合することから、各脚部12とコイルスプリング4との接触により、弁体3又はコイルスプリング4の横ずれが規制されることになる。この意味においても、弁体3の姿勢を安定的に保つことができる。ここで、各脚部12の外面12aが傾斜していることから、各脚部12とコイルスプリング4との間の接触摩擦が緩和されることになり、弁体3とコイルスプリング4との間の相対的な動きが円滑になる。この意味において、逆止弁1の動作上の応答性を確保することができるようになる。
【0036】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で以下のように実施することもできる。
【0037】
(1)前記実施の形態では、本発明の逆止弁を風呂の給湯装置の逆流防止器73に適用される逆止弁1に具体化したが、給湯装置以外の液体用機器に適用される逆止弁に具体化したり、気体用機器に適用される逆止弁に具体化したりすることもできる。
【0038】
(2)前記実施の形態では、弁体3に対して弁シート9を設けたが、弁座8の当接面に弁シートを設けたり、弁体3及び弁座8の両方に弁シートを設けたりしてもよい。或いは、弁シートを省略することもできる。
【0039】
(3)前記実施の形態では、弁体3とコイルスプリング4との間の隙間Gaに対応する弁体3の外周縁をテーパ面13としたが、このテーパ面13を省略することもできる。
【0040】
(4)前記実施の形態では、外周リブ11に脚部12を設け、その脚部12の外面12aを弁体3の内方へ向かって傾斜させたが、この傾斜を省略することもできる。或いは、各脚部12そのものを省略することもできる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、逆止弁において、弁座に対する弁体の移動を、入口の内壁に沿って摺動可能に弁体に設けられた弁体から弁体の摺動方向に突設された複数の中央リブを有する第1の案内部により案内し、ケーシングに対する弁体の移動を、ケーシングの内壁に沿って摺動可能に弁体の外周に設けられた弁体の外周から半径方向に放射状に突設された複数の外周リブを有する第2の案内部により案内するようにしている。更に、弁座の外径よりも外側寄りの位置において弁体に係合させたスプリングにより、弁体を弁座に対して垂直に押し付けるようにしている。
従って、各中央リブ及び各外周リブの協働により、弁座に対する弁体の移動が、安定した姿勢をもって案内されるようになる。又、スプリングの付勢力が弁体を介して弁座の当接面に均等に作用し、逆止弁を閉じるために弁体に作用する力の全てが弁体を弁座に押し付ける力として有効に作用するようになる。この結果、出口に微圧が加わるような場合に、十分なシール性を確保することができ、流体の逆流を未然に防止することができるという効果を発揮する。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明において、弁体の弁座に押し付けられる部位及び弁座の少なくとも一方をゴム製の弁シートにしている。従って、弁体と弁座との間に介在される弁シートにより、両者の間の密着度が向上する。この結果、請求項1の発明の効果に加え、出口に微圧が加わる場合に弁体と弁座との間のシール性を更に向上させることができるという効果を発揮する。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、第1の案内部を複数の中央リブとし、第2の案内部を複数の外周リブとし、各外周リブに脚部を設け、各脚部を内包するように各外周リブにコイルスプリングを係合させている。
従って、各中央リブ及び各外周リブの協働により、弁座に対する弁体の移動が、安定した姿勢をもって案内されるようになる。又、コイルスプリングの付勢力が弁体を介して弁座の当接面に均等に作用し、逆止弁を閉じるために弁体に作用する力の全てが弁体を弁座に押し付ける力として有効に作用するようになる。この結果、出口に微圧が加わるような場合に十分なシール性を確保することができ、流体の逆流を未然に防止することができるという効果を発揮する。
【0044】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の発明の構成において、弁体の外周とコイルスプリングの内周との間に流体を通過させるための隙間を設け、その隙間に対応する弁体の外周縁をテーパ面としている。
従って、逆止弁が開いたときの流体の流路が隙間により確保され、その隙間における流路抵抗が軽減される。この結果、請求項3の発明の効果に加え、開弁時の逆止弁において流体を円滑に流すことができ、比較的大きい流量を確保することができるという効果を発揮する。
【0045】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は請求項4の発明の構成において、各脚部の外面を傾斜させている。
従って、各脚部とコイルスプリングとの間の接触摩擦が緩和され、弁体とコイルスプリングとの間の動きが円滑になる。この意味で、請求項3又は請求項4の発明の効果に加え、逆止弁の動作上の応答性を確保することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、逆止弁を示す断面図である。
【図2】同じく、逆止弁を示す断面図である。
【図3】同じく、逆止弁を示す分解断面図である。
【図4】同じく、弁体を示す正面図である。
【図5】同じく、図4の平面図である。
【図6】同じく、図4の底面図である。
【図7】同じく、給湯装置の接続部を一部破断して示す正面図である。
【図8】従来の逆止弁を示す断面図である。
【図9】従来の風呂の給湯装置を示す概念構成図である。
【符号の説明】
1 逆止弁
2 ケーシング
3 弁体
4 コイルスプリング
6 入口
7 出口
8 弁座
9 弁シート
10 中央リブ(第1の案内部を構成する。)
11 外周リブ(第2の案内部を構成する。)
12 脚部
12a 外面
13 テーパ面
Ga 隙間

Claims (5)

  1. 入口及び出口を有する筒状のケーシングと、
    前記ケーシングの中において前記入口に対応して設けられた弁座と、
    前記ケーシングの中において前記弁座に対応して設けられた弁体と、
    前記弁体を前記弁座に押し付けるためのスプリングと
    を備え、前記入口から前記弁体に流体圧力が作用したときには、前記スプリングの付勢力に抗して前記弁体が前記弁座から引き離されることにより流体の流通を許容し、前記出口から前記弁体に前記流体圧力が作用したときには、前記スプリングの付勢力及び前記流体圧力に基づいて前記弁体が前記弁座に押し付けられることにより前記流体の逆流を防ぐようにした逆止弁であって、
    前記弁座に対する前記弁体の移動を案内するために前記弁体に設けられ、前記入口の内壁に沿って摺動可能であり、前記弁体から前記弁体の摺動方向に突設された複数の中央リブを有する第1の案内部と、
    前記ケーシングに対する前記弁体の移動を案内するために前記弁体の外周に設けられ、前記ケーシングの内壁に沿って摺動可能であり、前記弁体の外周から半径方向に放射状に突設された複数の外周リブを有する第2の案内部と、
    前記スプリングを、前記弁座の外径よりも外側寄りの位置において前記弁体に係合させ、そのスプリングにより前記弁体を前記弁座に対して垂直に押し付けるようにしたことと
    を備えたことを特徴とする逆止弁。
  2. 請求項1に記載の逆止弁において、
    前記弁体の前記弁座に押し付けられる部位及び前記弁座の少なくとも一方をゴム製の弁シートにしたことを特徴とする逆止弁。
  3. 入口及び出口を有する筒状のケーシングと、
    前記ケーシングの中において前記入口に対応して設けられた弁座と、
    前記ケーシングの中において前記弁座に対応して設けられた弁体と、
    前記弁体を前記弁座に押し付けるためのスプリングと
    を備え、前記入口から前記弁体に流体圧力が作用したときには、前記スプリングの付勢力に抗して前記弁体が前記弁座から引き離されることにより流体の流通を許容し、前記出口から前記弁体に前記流体圧力が作用したときには、前記スプリングの付勢力及び前記流体圧力に基づいて前記弁体が前記弁座に押し付けられることにより前記流体の逆流を防ぐようにした逆止弁であって、
    前記弁座に対する前記弁体の移動を案内するために前記弁体に設けられ、前記入口の内壁に沿って摺動可能であり、前記弁体から突設された複数の中央リブを有する第1の案内部と、
    前記ケーシングに対する前記弁体の移動を案内するために前記弁体の外周に設けられ、前記ケーシングの内壁に沿って摺動可能であり、前記弁体の外周から放射状に突設された複数の外周リブを有する第2の案内部と、
    前記各外周リブは、前記弁体の移動方向に沿って延びる脚部を有することと、
    前記スプリングを、前記弁座の外径よりも外側寄りの位置において前記弁体に係合させ、そのスプリングにより前記弁体を前記弁座に対して垂直に押し付けるようにし、前記各脚部を内包して前記各外周リブに係合するコイルスプリングとしたことと、
    前記弁体の前記弁座に押し付けられる部位及び前記弁座の少なくとも一方をゴム製の弁シートにしたことと
    を備えたことを特徴とする逆止弁。
  4. 請求項3に記載の逆止弁において、
    前記弁体の外周と前記コイルスプリングの内周との間に前記流体の通過を許容するための隙間を設け、その隙間に対応する前記弁体の外周縁をテーパ面としたことを特徴とする逆止弁。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の逆止弁において、
    前記各脚部の外面を、前記弁体の内方へ向かって傾斜させたことを特徴とする逆止弁。
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