JPH0693386B2 - 薄膜el素子 - Google Patents

薄膜el素子

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JPH0693386B2
JPH0693386B2 JP63279277A JP27927788A JPH0693386B2 JP H0693386 B2 JPH0693386 B2 JP H0693386B2 JP 63279277 A JP63279277 A JP 63279277A JP 27927788 A JP27927788 A JP 27927788A JP H0693386 B2 JPH0693386 B2 JP H0693386B2
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克 田村
隆博 中山
佐藤  明
健一 橋本
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和夫 田口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スペースフアクタに優れた平面デイスプレイ
用のマルチカラー及びフルカラーELパネルとして期待さ
れる表示品質に優れた薄膜EL素子及びELデイスプイに係
り、特に発光層の高輝度化に好適な薄膜EL素子及びELデ
イスプレイに関する。
更に、本発明は、薄膜EL素子の製造方法及び薄膜EL素子
製造方法を実施する装置に係り、特に発光層の高輝度化
に好適な薄膜EL素子の製造方法及び薄膜EL素子製造方法
を実施する装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に薄膜EL素子の発光の機構は次のように説明されて
いる。透明電極と背面電極との間に交流電界(106V/cm
程度)を印加することによつて絶縁層と発光層との界面
から電子が発光層の伝導帯に注入される。次にその電子
が電界により加速されて十分なエネルギーを得て発光セ
ンターを衝突励起することである。励起された発行セン
ターが基底状態に戻る際にEL発光が起こる。
硫化亜鉛を母体材料とし、発光センターとしてMnを添加
した発光層の両面を絶縁層で挾持し、さらにその両側を
少なくとも一方が透明な1対の電極で挟んだいわゆる二
重絶縁膜構造の薄膜EL素子は、その高輝度・長寿命特性
を生かして軽量薄型のELデイスプレイとして商品化に至
つている。ZnSにMnを添加した場合の発光は黄橙色であ
るが、Tm,Sm,Tbなどの元素を添加することで、その発光
色が異なりそれぞれ青色,赤色,緑色等が得られる。し
かしZnSでは未だ輝度の高いこれら三原色は得られてい
ない。
ELデイスプレイとしては、発光色の多色化が強く望まれ
ており、上記の添加元素に適合する母体材料の研究がな
されている。SrSに微量のCeを添加すると青緑色、CaSに
微量のEuを添加すると赤色、ZnSに微量のTbを添加する
と緑色に発光するEL層が得られる。硫化カルシウム(Ca
S)をEL層の母体材料として使用する場合、得られる発
光層(薄膜)の結晶が(222)面方向に配向するように
形成すると高輝度で発光するEL素子が得られる(特開昭
61-224292)。
硫化ストロンチウム(SrS)を発光層の母体とした場合
の結晶配向は、特に(111)面に強く配向するという報
告(SID85,Digest,219,p218〜221)がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のSrS膜は、良好な膜を蒸着するために、成膜速度
を5Å/s程度と遅くして、成膜をおこなつていた。
しかし、上記従来の硫化ストロンチウム膜を用いた薄膜
による発光素子では、輝度が低いという問題があつた。
この問題は、本発明者らの検討によると、発光層内部に
は成膜時に生ずる多くの結晶欠陥や格子歪み等が存在す
るため、散乱等により電子が効率よく加速されないこと
に起因して、発光輝度の低下が起こるものと考えられ
る。
薄膜EL素子において、その発光輝度を高めるには発光層
の結晶性、結晶面の配向性、あるいは発光層と絶縁層と
の界面の問題等の物性を十分明らかにし、発光のメカニ
ズムを究明することが必要となつてきている。しかし、
これらに関し現在のところ不明な点が多く十分な発光輝
度を有する薄膜EL素子を得るにはいたつていない。
本発明の目的は、発光輝度が高い薄膜EL素子及びELデイ
スプレを提供することを目的とする。
更に本発明の目的は、発光輝度が高い薄膜EL素子の製造
方法及び該薄膜EL素子製造方法を実施する装置を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するために本発明は、透明なる電気絶縁
体からなる基板と、該基板上に形成された第1の電極
と、該電極上に透明な第1の絶縁層を介して形成された
EL層と、該EL層を閉囲する透明な第2の絶縁層と、該第
2の絶縁層上に形成された第2の電極と、前記EL層に電
界を印加する手段とを有し、第1及び第2の電極の少な
くとも一方が透明である薄膜EL素子において、前記EL層
の母材が(200)面に強く配向している硫化ストロンチ
ウムであることを特徴とする薄膜EL素子である。
更に、前記EL層の母材が(200)面に強く配向し、かつ
(200)面とX線回折強度比即ちI(200)/I(100)で
3以上の硫化ストロンチウムであることを特徴とする薄
膜EL素子である。
一方、薄膜EL素子の製造方法には、透明基板上に第1の
電極を形成するステツプと、該第1の電極上に第1の絶
縁層を形成するステツプと、真空雰囲気内で前記EL層母
材の原料に電子ビームを当てて前記第1絶縁層の上に30
〜100Å/sなる成膜速度でEL層を蒸着するステツプと、
該EL層の上に第2の絶縁層を形成するステツプと、該第
2の絶縁層の上に第2の電極を形成するステツプと、該
EL層に電界を印加する手段を設けるステツプとを含む。
また、薄膜EL素子製造方法を実施する装置は透明基板上
に形成した第1の電極を第1の絶縁層で被覆し、真空雰
囲気内でEL層母材の原料に電子ビームを当てて該第1絶
縁層の上にEL層を蒸着し、該EL層を第2の絶縁層で被覆
し、該第2絶縁層の上に第2の電極を形成し、該EL層に
電界を印加する手段を設ける薄膜EL素子の製造方法にお
いて、該基板と該EL層母材の原料との間に加熱ヒータを
設けることを特徴とする。
本発明のELデイスプレイは、透明なる電気絶縁体からな
る基板と、該基板上に形成されたストライプ状の第1の
電極と該電極上に透明なる第1の絶縁層を介して形成さ
れたエレクトロルミネツセント(EL)層と該EL層上に閉
囲する透明なる第2の絶縁層と、該第2の絶縁層上に形
成されたストライプ状の第1の電極と直交するような第
2の電極と、前記EL層に電界を印加する手段とを有し、
第1及び第2の電極の少なくとも一方が透明であるELデ
イスプレにおいて、前記EL層の母材が(200)面に強く
配向している硫化ストロンチウムであることを特徴とす
る。
〔作用〕
SrSの結晶は、NaCl型の結晶構造をとる。上記本発明に
よれば、結晶の(200)面方向への成長の傾向が、他の
結晶の成長と比較して強い場合は、絶縁層と発光層との
界面から出た電子に対する散乱等の障害の少ない構造と
なり、発光に関与する電子の走行に対する障害が小さく
なるので、高い発光輝度が得られる。
本発明において、好適には(200)面と(111)面とのX
線回折強度を3以上とすると十分な発光輝度が得られ
る。
本発明の目的,効果、及び新規な特徴については、添付
図面を参照し、以下に述べる実施例の説明によつてさら
に明らかにする。
〔実施例〕
第1図は、本発明の第1実施例を示す薄膜EL発光素子の
縦断面構成図である。第1図において、ガラス基板1上
にITO(Indium Tin Oxide,In2O3とSnO2の混合物)を用
いた透明電極を形成し、その上にSiO2とTa2O5の二層か
らなる第1絶縁層3を高周波スパツタリング法で約0.5
μmの厚さに形成した。ここで絶縁層材料としては、上
記の他にY2O3,Al2O3,TiO2,SrTiO3,Si3N4またはそれらの
複合物を用いて形成してもよい。第1絶縁層3の上に発
光センターとして塩化セリウム(CeCl3)を0.05〜0.5mo
l%好ましくは0.1mol%添加したSrSの粉末をプレス成形
して得たペレツトを蒸着原料として、電子ビーム蒸着法
により発光層4を形成した。ここで発光層4の膜厚は、
約0.5〜1.5μm好ましくは約1μmとし、基板温度は50
0℃一定にして成膜速度(原料に当たる電子ビームの出
力を変えることで変えることが可能)を変えて6種類の
発光層4を作成した。
発光層4の上には第1絶縁層3と同様の材料からなる第
2絶縁層5をスパツタ法で積層し、更にその上にAlから
なる背面電極6を抵抗加熱蒸着法により形成した。この
EL素子は透明電極2と背面電極6との間に交流電圧7を
印加することによつて駆動される。SrSを母体材料とし
て発光センターにCeを用いた場合は青緑色発光を呈す
る。
第2図は、上記第1図に示すEL素子の発光輝度Bと発光
層(SrS:CeCl3)の結晶配向性との関係を示す特性図で
ある。第3図は、上記の方法で作成した発光層(SrS:Ce
Cl3)のX線回折パターンの一例を示す特性図である。
横軸は回折角度(2θ)縦軸はX線回折強度(I)を示
す。X線回折パターンは、SrS発光層の形成条件により
異なり、主に(200),(111),(220),(400),
(222)等の回折ピークが表われる。ここに結晶の1つ
の隅点を原点として3次元の座標系を考えた場合、x,y,
z各軸に沿つてそれぞれ長さが1である3つの点を通る
平面が(111)面であり、(200)面はx軸に沿つて長さ
が1/2の点を通りy軸とz軸に平行な面を示している。
これらの回折ピークのうち比較的強く表われる(200)
と(111)のピーク強度をそれぞれI(200),I(111)
とし、その相対強度比I(200)/I(111)を発光層の結
晶配向性の指標とする。第2図よりI(200)/I(111)
が大きくなると発光輝度が著しく増大していることがわ
かる。特に、その比が3以上のところで顕著である。
ここで、(200)面と(111)面とをパラメータにした理
由は、他の面では強度が小さいので数値のばらつきが大
きく、結晶の配向性を示すパラメータとして選択に適し
ないためである。
第4図は、SrSの粉末のX線回折の特性図でこの図から
明らかなように、(200)面は(111)面より約3倍の強
度に表われる。したがつて、(200)面の強度が(111)
面の強度の3倍以上になることにより、結晶が(200)
面に強く配向しているといえる。
成膜条件とSrS膜の配向性との関係を調べたところ、成
膜速度を上げると(200)面へ配向しやすくなることが
わかつた。第5図に、成膜速度VとX線回折強度Iの関
係を示す。第5図から明らかなように成膜速度が30Å/s
より小さくなると(200)面の回折強度が急激に小さく
なる。成膜速度が30Å/sから130Å/sの範囲では(200)
面の強度比は直線的に増加する。一方、(111)面の強
度比は減少をたどる。すなわち、成膜速度を上げること
で(200)面と(111)面の相対強度比I(200)/I(11
1)は増大することになる。成膜速度を上げるには蒸着
原料へ大きな電子線の出力を与えて原料を高温にする必
要がある。したがつて、成膜速度を高めるには、蒸発粒
子をより高温にすることが重要である。SrSを母体材料
とする発光層の場合は、(200)面を強く成長させるこ
とにより、電子の散乱等の障害の少ない構造となり、電
子が効率よく加速されるために高い発光輝度が得られ
る。さらに、成膜速度とSrS膜の配向性の関係を検討し
たところ、(200)への配向性は成膜速度の増加と共に
強くなるが、130Å/s以上では蒸着層内の真空度の低下
により異常な蒸発が起るため良好な発光層形成ができな
かつた。なお、SrSを母体とする発光層の形成には、本
実施例で用いた電子ビーム蒸着法の他にスパツタ法,CVD
法,MBE法,ALE法等を用いてもよく、また発光センターと
してEu,Tb,Sm,Pr,Tm等およびそれらの硫化物,塩化物,
弗化物等を用いることにより輝度の高い多色表示のEL素
子が得られる。また、本発明には、SrSのほかにCaS,Ba
S,MgS等各種硫化物を用いることができる。
次に本発明の第2の実施例について説明する。
前記実施例と同様にガラス基板上にI.T.O.を用いた透明
電極をストライプ状に形成し、その上にSiO2とTa2O5
二層からなる第1絶縁層を形成した。この上に発光層を
形成した。ここで発光層はSrS:CeCl3(0.1mol%)の原
料を用い、基板と原料との間に第6図に示す蒸発粒子加
熱用ヒータ70を設けて、更に成膜速度を変化させて形成
した。
第6図は、本発明に係る薄膜EL素子の実施例2の製造装
置の一実施例を示す構成図である。第6図においてSrS
原料72には電子ビーム源76から発した電子ビーム73が照
射され、蒸発したSrSはヒータ70により加熱され、ガラ
ス基板75上にSrS膜74となる。なお71は真空チヤンバを
示す。本実施例では、発光層の膜厚は、すべて約1μm
に統一した。発光層の上に第1絶縁層と同様の方法で、
第2絶縁層を形成し、更にその上にAlからなる背面電極
を形成した。
第7図は、実施例2により作製された薄膜EL素子の成膜
速度Vと(200)面のX線回折強度Iの関係を示す特性
図である。Aはガラス基板と原料との間に蒸発粒子を加
熱するヒータを設けて成膜した場合で、Bは上記ヒータ
を設けなかつた場合の結果である。成膜速度を上げるこ
とで(200)面に強く配向した発光層を作ることができ
るのが、ガラス基板と蒸発原料との間にヒータを設けて
蒸発粒子を加熱した場合はヒータを設けなかつた場合に
比較して(200)面に非常に強く配向するようになる。
これらのEL素子の輝度測定の結果、Aの素子はBの素子
に比べて輝度が高いことが明らかとなつた。
実施例3として第8図に示すような実施例1と同じ素子
構造のEL素子を作製した。ただし、第1及び第2絶縁層
としては高周波スパツタリング法によつて形成したそれ
ぞれ0.5μmの厚さのTa2O5単層膜を用いた。また、これ
らのTa2O5膜と発光層との間に電子ビーム蒸着法による
0.15μmの厚さのZnS膜を挿入した。これは発光層と絶
縁層との密着性を改善するためである。発光層の作製方
法を以下に述べる。
SrS粉末にそれぞれ0.1mol%のCeCl3及びPrCl3粉末を添
加し、十分混合した後、圧粉成型して蒸着原料のペレツ
トとした。次いで、このペレツトにH2Sガス中で900℃,1
時間の熱処理を加え、原料の脱水,還元をした。このペ
レツトを用い、成膜速度を15Å/sとした素子及び60Å/s
とした素子の2種類を作製した。この発光層作製時に
は、チヤンバ内にSを添加し、S分圧を1〜2×10-2Pa
とし、基板温度450℃とした。蒸着雰囲気中にSを添加
した理由は、発光層中のS欠乏を補うためである。
このようにして作製した2種類の素子の特性測定結果を
表1に示す。
X線回折の結果、成膜速度を15Å/sとした場合にはI
(200)/I(111)が1.8と小さく(200)配向性は示さな
いことがわかつた。この場合、作製したEL素子の輝度は
250Vにて80cd/m2に過ぎなかつた。これに対し、成膜速
度を60Å/sとした場合にはI(200)/I(111)が19と大
きいことがわかつた。この時のX線回折パターンを第9
図に示す。(111)に対し(200)の強度が著しく大きい
ことが明らかである。I(200)/I(111)が非常に大き
い理由はS分圧下で蒸着したためではないかと考えられ
る。この場合、60Å/sのNo.2EL素子の輝度は2,500cd/m2
の場合より30倍も大きいことがわかつた。
なお、SrS母材にPrとCoを同時に添加した発光層(SrS:P
r,Ceと表記)のEL発光は白色を示した。そこで、3原色
フイルタをこのNo.2EL素子の上に設置することにより、
3原色発光(赤,緑,青)できることを確認した。この
ことから、SrS:Pr,Ce発光層とフイルタとを組み合わせ
ることにより、マルチカラーELを実現できることがわか
る。
実施例4として、ガラス基板上に3本/mmの間隔でITOの
ストライプパターンを形成し、この上にTa2O5膜を高周
波スパツタリング法により0.4μmの厚さに形成した。
この上にZnS層を0.15μmの厚さに電子ビーム蒸着法に
よつて形成した。次に、SrS:Pr,Ce発光層を電子ビーム
蒸着法により、S分圧1.5×10-2Paの下で成膜速度を60
Å/sとして、1.5μmの厚さに形成した。その間の基板
温度は500℃とした。次いで、同一チヤンバ内で引き続
いて基板温度を200℃としてZnS層を0.15μmの厚さに形
成した。さらに、高周波スパツタリング法により、Ta2O
5を0.3μm、SiO2を0.1μmの厚さに続けて形成した。
次に、高周波スパツタリング法によりITO膜を0.25μm
の厚さに形成した。次いでこのITO膜を3本/mmの間隔
に、フオトリソグラフイー及びイオンミリングの両方法
を用いて、ガラス基板上のITOパターンと直角方向にパ
ターニングした。このEL素子は両電極共透明であるた
め、両側から発光を取り出せる。ここでは、ガラス基板
の下側に黒色板を設置し、コントラストの向上を図つ
た。また、最後に形成したITOパターン上にほぼ密着さ
せて3原色のフイルタパターン(電極間隔に合うような
ストライプ状パターン)を設置した。この構造の断面の
一部を第8図に模式的に示した。このELデバイスによ
り、赤,緑,青のフイルタパターンに対応した電極のON
-OFFにより中間色の黄,緑,紫及び白,黒の8色で文字
表示できることを確認した。
ELデイスプレイの構造及び動作原理について説明する。
ELデイスプレイはELパネル、駆動回路及びデイスプレイ
コントロール部の3つの部分から構成されている。これ
らの中でELパネルの一般的な構造を模式的に第10図に示
す。この図はパネルの一部の断面を示すもので各部の厚
さ、幅は任意である。ガラス基板1上に透明電極ITO(I
ndium Tin Oxide)2がストライプ状に配設されてい
る。この上に第1絶縁層3,発光層(つまりEL層)4,第2
絶縁層5が積層されている。第2絶縁層5上にはAl電極
6がストライプ状に、ITOのストライプと直交するよう
に配設されている。この図では省略しているが、この上
にさらに封止構造が形成されており、ELパネルの積層部
(特にEL層)を大気中の水分から保護する。ITO電極とA
l電極との交差部が一つの画素に相当し、以下に述べる
方法により所望の画素を選択して電圧パルスを印加する
ことで、文字,図形等の表示ができる。
ここで、一画素(EL素子)に着目するとその輝度−電圧
特性は特異な非直線性を示す。すなわち、印加電圧を上
昇させてゆくと、絶縁層、発光層の静電容量等で決まる
特定の電圧(しきい値電圧)Vthを越えると急激に輝度
が上昇する。今、選択したい画素を(i,j)で表わす
と、(i,jはITOまたはAlが構成する一連の電極群のそれ
ぞれ:i番目,j番目の電極を示す)、i電極(走査電極)
にVthより少し低い電圧パルス(Vth−V1)を印加し、j
電極(データ電極)にV2(>V1)の電圧パルスを印加す
ると画素(i,j)では印加電圧がVthを越えるのでこの画
素を発光させることができる。
画像入力信号を受けてデイスプレイコントロール部で
は、ELパネルにパターンを表示する駆動タイミングパル
スを発生し、駆動回路においてこのパルス信号を高電圧
出力に変換し、走査側、データ側それぞれへ高電圧パル
スを供給しパネルを駆動する。データ側駆動回路では線
順次駆動が行なわれる。
ELデイスプレイの用途は、情報端末機器の画像表示であ
り、フラツト形で占有面積が小さいことから、液晶デイ
スプレイと同様、ラツプトツプ形パーソナルコンピユー
タ、ワードプロセツサ及びワークステーシヨン等の表示
部に用いられる。なお、フルカラー表示が達成されれ
ば、パーソナルTV、壁かけTVへの適用も期待される。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明にかかる薄膜EL素子の発光層
である硫化ストロンチウムの(200)面方向への成長が
他の結晶面への成長と比較して大きいことにより、発光
に関与する電子の走行に対する障害が小さくなるため、
高い発光輝度を有する薄膜EL発光素子及びELデイスプレ
イを得ることができる。
更に、本発明によれば高い発光輝度を有する薄膜EL発光
素子を製造することができ、この薄膜EL発光素子製造方
法を実施する装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例にかかる薄膜EL素子の拡大縦
断面構成図、第2図は、第1図に示すEL素子の発光輝度
と発光層の結晶配向性との関係を示すグラフ、第3図
は、発光層のX線回折パターンの一例を示す特性図、第
4図はSrS粉末のX線回折の特性図、第5図はSrSの成膜
速度とX線回折速度との関係を示すグラフ、第6図は、
本発明に係る薄膜EL素子の製造装置の縦断面構成図、第
7図は、第6図の装置により作製された薄膜EL素子の成
膜速度と(200)面のX線回折強度との関係を示すグラ
フで、第8図は本発明の実施例4にかかる薄膜EL素子の
拡大縦断面構成図、第9図は実施例3にかかる発光層の
X線回折の特性図、第10図はELデイスプレの概略構成図
である。 1……基板、2……第1電極、3……第1絶縁層、4…
…EL層、5……第2絶縁層、6……第2電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 隆博 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 橋本 健一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 府山 盛明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 田口 和夫 東京都小平市上水本町1450番地 株式会社 日立製作所コンピユータ事業本部デバイス 開発センタ内 (56)参考文献 特開 昭64−10596(JP,A) 特開 平1−245086(JP,A) 特開 平1−245085(JP,A) 特開 昭61−224292(JP,A) 特開 昭62−108496(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁体からなる基板と、該基板上に形
    成された第1の電極と、該電極上に第1の絶縁層を介し
    て形成されたエレクトロルミネツセント(EL)層と、該
    EL層上に第2の絶縁層を介して形成された第2の電極
    と、前記EL層に電界を印加する手段とを有し、前記基
    板、前記第1の電極、及び前記第1の絶縁層と、前記第
    2の絶縁層及び前記第2の電極との少なくとも一方が透
    明である薄膜EL素子において、 前記EL層の母材が、(200)面と(111)面とのX線回折
    強度比で3以上の硫化ストロンチウムであることを特徴
    とする薄膜EL素子。
  2. 【請求項2】前記EL層の膜厚が0.5〜1.5μmである請求
    項1記載の薄膜EL素子。
  3. 【請求項3】前記EL層の母材が発光センターを0.05〜0.
    5mol%含む請求項1記載の薄膜EL素子。
  4. 【請求項4】電気絶縁体からなる基板と、該基板上に形
    成された第1の電極と、該電極上に第1の絶縁層を介し
    て形成されたエレクトロルミネツセント(EL)層と、該
    EL層上に第2の絶縁層を介して形成された第2の電極
    と、前記EL層に電界を印加する手段とを有し、前記基
    板、前記第1の電極、及び前記第1の絶縁層と、前記第
    2の絶縁層及び前記第2の電極との少なくとも一方が透
    明である薄膜EL素子において、 前記EL層の母材が、粉末の硫化ストロンチウムの(20
    0)面と(111)面とのX線回折強度比より大きい硫化ス
    トロンチウムであることを特徴とする薄膜EL素子。
  5. 【請求項5】電気絶縁体からなる基板と、該基板上に形
    成された第1の電極と、該電極上に第1の絶縁層を介し
    て形成されたエレクトロルミネツセント(EL)層と、該
    EL層上に第2の絶縁層を介して形成された第2の電極
    と、前記EL層に電界を印加する手段とを有し、前記基
    板,前記第1の電極、及び前記第1の絶縁層と、前記第
    2の絶縁層及び前記第2の電極との少なくとも一方が透
    明である薄膜EL素子を有するELパネル,駆動回路及びデ
    イスプレイコントロール部を具備するELデイスプレイに
    おいて、 前記EL層の母材が、(200)面と(111)面とのX線回折
    強度比で3以上の硫化ストロンチウムであることを特徴
    とするELデイスプレイ。
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