JPH0518238B2 - - Google Patents
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- JPH0518238B2 JPH0518238B2 JP61020453A JP2045386A JPH0518238B2 JP H0518238 B2 JPH0518238 B2 JP H0518238B2 JP 61020453 A JP61020453 A JP 61020453A JP 2045386 A JP2045386 A JP 2045386A JP H0518238 B2 JPH0518238 B2 JP H0518238B2
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Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
<技術分野>
本発明は電界の印加に応答してEL発光を呈す
る薄膜EL素子に関し、特に発光中心としてテル
ビウム(Tb)をドープした緑色発光EL素子に関
するものである。
る薄膜EL素子に関し、特に発光中心としてテル
ビウム(Tb)をドープした緑色発光EL素子に関
するものである。
<従来技術とその問題点>
発光中心をドープした硫化亜鉛(ZnS)に交流
電界を印加することにより高輝度のEL発光が得
られることが見い出されて以来、高輝度多色表示
パネルへの応用を目指した薄膜EL素子の研究が
盛んに行われている。
電界を印加することにより高輝度のEL発光が得
られることが見い出されて以来、高輝度多色表示
パネルへの応用を目指した薄膜EL素子の研究が
盛んに行われている。
これらEL素子の発光色は添加する発光中心の
種類によつて異なり、マンガン(Mn)や希土類
元素を添加した場合、可視域で種々の発光色が得
られる。現在、すでに実用化されている薄膜EL
パネルは発光中心としてMnを用いたものである
が発光色が黄燈色に限られており、このためフル
カラー化を実現する上で必要な赤、緑、青の3原
色発光を呈する薄膜EL素子の開発が望まれてい
る。
種類によつて異なり、マンガン(Mn)や希土類
元素を添加した場合、可視域で種々の発光色が得
られる。現在、すでに実用化されている薄膜EL
パネルは発光中心としてMnを用いたものである
が発光色が黄燈色に限られており、このためフル
カラー化を実現する上で必要な赤、緑、青の3原
色発光を呈する薄膜EL素子の開発が望まれてい
る。
Tbを発光中心として用いた薄膜EL素子は黄色
がかつた緑色発光を呈するが、希土類元素の中で
は最も高い輝度が得られるため、近年研究が活発
化している。この素子の場合、発光層の母材とし
てZnS、発光中心用材料としてTbのフツ化物を
用いてスパツタ法あるいは真空蒸着法で発光層が
成膜されている。
がかつた緑色発光を呈するが、希土類元素の中で
は最も高い輝度が得られるため、近年研究が活発
化している。この素子の場合、発光層の母材とし
てZnS、発光中心用材料としてTbのフツ化物を
用いてスパツタ法あるいは真空蒸着法で発光層が
成膜されている。
Tbイオンからの発光は4f軌道の電子配置に
よつて定まる固有な発光スペクトルを示し、5D4
準位から7FJ準位(J=3,4,5,6)への電
子遷移に基づく比較的強い発光がそれぞれ波長
620、590、545および490nm付近に観察される。
最も強い発光は545nm付近にピークを有する5D4
から7F5への遷移に基づくものであり、純緑色に
近いが、その他に490nm付近の青色発光、590お
よび620nm付近の燈色および赤色の発光が混つ
ているため、全体としては黄色味がかつた緑色発
光となる。また、Tb以外にもエルビウム(Er)、
セリウム(Ce)などが緑色発光材料として研究
されているが、それらはTbに比べて輝度が低く、
実用段階には達していない。従つて、Tbを緑色
発光源としたフルカラーELパネルあるいはMnの
黄燈色発光と組み合せたマルチカラーELパネル
を実現するためには、Tbの発光をより緑色に近
づけることが重要な課題となる。
よつて定まる固有な発光スペクトルを示し、5D4
準位から7FJ準位(J=3,4,5,6)への電
子遷移に基づく比較的強い発光がそれぞれ波長
620、590、545および490nm付近に観察される。
最も強い発光は545nm付近にピークを有する5D4
から7F5への遷移に基づくものであり、純緑色に
近いが、その他に490nm付近の青色発光、590お
よび620nm付近の燈色および赤色の発光が混つ
ているため、全体としては黄色味がかつた緑色発
光となる。また、Tb以外にもエルビウム(Er)、
セリウム(Ce)などが緑色発光材料として研究
されているが、それらはTbに比べて輝度が低く、
実用段階には達していない。従つて、Tbを緑色
発光源としたフルカラーELパネルあるいはMnの
黄燈色発光と組み合せたマルチカラーELパネル
を実現するためには、Tbの発光をより緑色に近
づけることが重要な課題となる。
Tbを始めとする希土類イオンの4f−4f電
子遷移に基づく発光は、主として電気双極子遷移
(EL遷移)と磁気双極子遷移(M1遷移)から成
つている。E1遷移は厳密に禁止された禁制遷移
であり、自由イオンの状態では起きないが、イオ
ンが反転対称のない奇のパリテイの結晶場中に置
かれた場合など、結晶場の作用でこの禁制が破れ
ると4f−4f間のE1遷移が可能となる。一
方、M1遷移は4f−4f間では許容遷移であり
更にその遷移確率は結晶場の影響をあまり受けな
いことが知られている。
子遷移に基づく発光は、主として電気双極子遷移
(EL遷移)と磁気双極子遷移(M1遷移)から成
つている。E1遷移は厳密に禁止された禁制遷移
であり、自由イオンの状態では起きないが、イオ
ンが反転対称のない奇のパリテイの結晶場中に置
かれた場合など、結晶場の作用でこの禁制が破れ
ると4f−4f間のE1遷移が可能となる。一
方、M1遷移は4f−4f間では許容遷移であり
更にその遷移確率は結晶場の影響をあまり受けな
いことが知られている。
Tbイオンの場合、E1遷移については5D4から
7FJの全てのJに対して可能であり、またM1の
遷移についてはJ=3、4、5が可能である。従
つて5D4から7F6への遷移についてはE1遷移のみ
が許されていることになり、上記理由によつてそ
の遷移確率は他の7FJへの遷移に比べて結晶場の
影響を受けて大きく変化しやすい。このことは
Tbイオンの禁制遷移が結晶場の作用で破れてE
1遷移に基づく発光が強くなつた場合、特にE1
遷移のみから成る490nm付近の発光強度が相対
的に大きくなることを意味しており、その結果、
発光色はより緑色に近づくものと考えられる。
7FJの全てのJに対して可能であり、またM1の
遷移についてはJ=3、4、5が可能である。従
つて5D4から7F6への遷移についてはE1遷移のみ
が許されていることになり、上記理由によつてそ
の遷移確率は他の7FJへの遷移に比べて結晶場の
影響を受けて大きく変化しやすい。このことは
Tbイオンの禁制遷移が結晶場の作用で破れてE
1遷移に基づく発光が強くなつた場合、特にE1
遷移のみから成る490nm付近の発光強度が相対
的に大きくなることを意味しており、その結果、
発光色はより緑色に近づくものと考えられる。
<発明の概要>
本発明は上述の問題点および改善主眼に基づい
て製作されたものであり、発光層母材中に発光中
心であるTbを、発光中心用材料としてTbの硫化
物などを用いて添加することにより、Tbイオン
の禁制遷移を許容化して5D4から7F6への遷移確率
を増大させ、発光輝度を低下させることなくより
緑色に近いEL発光を得ることを目的とする。
て製作されたものであり、発光層母材中に発光中
心であるTbを、発光中心用材料としてTbの硫化
物などを用いて添加することにより、Tbイオン
の禁制遷移を許容化して5D4から7F6への遷移確率
を増大させ、発光輝度を低下させることなくより
緑色に近いEL発光を得ることを目的とする。
<実施例>
第1図は本発明の一実施例を示す薄膜EL素子
の構成図である。
の構成図である。
以下、製作工程順に説明する。まずガラス基板
1の表面を清浄化した後、透明電極2であるITD
膜をストライプ状に生成し、この上に下部誘電体
層3としてSiO2、Y2O3、Si3N4などを適宜選択し
てスパツタ法、真空蒸着法などの薄膜生成技術に
より厚さ1000〜3000Å程度に堆積させる。次に、
この上に発光層4としてZnS:Tb膜を3000〜
10000Åの厚さに生成するがこれはTbの硫化物
(Tb2S3など)とZnSの混合された焼結ペレツト
をターゲツトとしてスパツタ法で成膜する。また
上記混合物の焼結ペレツトを用いて真空蒸着法で
成膜してもよい。更に上部誘電体層5として
SiO2、Al2O3、Y2O3、Si3N4などを適宜選択して
単層あるいは複合膜の状態で堆積させる。上部誘
電体層5の成膜法は下部誘電体層3と同様であ
り、また膜厚は1000〜5000Åに設定する。最後
に、上記透明電極2と直交する方向にストライプ
状にAl電極6を真空蒸着してマトリツクス型表
示電極を形成する。この素子は透明電極2とAl
電極6の間に交流電圧を印加することによつて発
光する。
1の表面を清浄化した後、透明電極2であるITD
膜をストライプ状に生成し、この上に下部誘電体
層3としてSiO2、Y2O3、Si3N4などを適宜選択し
てスパツタ法、真空蒸着法などの薄膜生成技術に
より厚さ1000〜3000Å程度に堆積させる。次に、
この上に発光層4としてZnS:Tb膜を3000〜
10000Åの厚さに生成するがこれはTbの硫化物
(Tb2S3など)とZnSの混合された焼結ペレツト
をターゲツトとしてスパツタ法で成膜する。また
上記混合物の焼結ペレツトを用いて真空蒸着法で
成膜してもよい。更に上部誘電体層5として
SiO2、Al2O3、Y2O3、Si3N4などを適宜選択して
単層あるいは複合膜の状態で堆積させる。上部誘
電体層5の成膜法は下部誘電体層3と同様であ
り、また膜厚は1000〜5000Åに設定する。最後
に、上記透明電極2と直交する方向にストライプ
状にAl電極6を真空蒸着してマトリツクス型表
示電極を形成する。この素子は透明電極2とAl
電極6の間に交流電圧を印加することによつて発
光する。
上記発光層4の成膜によつて、発光中心である
Tbは基板上へ堆積される際、成膜用材料として
Tbの硫化物を用いているためにTbとS原子の結
合状態を保持したままZnS格子中に取り込まれ
る。一方、従来のようにTbのフツ化物を用いた
場合にはTbはF原子に囲まれた状態でZnS格子
い組み込まれ易くなる。
Tbは基板上へ堆積される際、成膜用材料として
Tbの硫化物を用いているためにTbとS原子の結
合状態を保持したままZnS格子中に取り込まれ
る。一方、従来のようにTbのフツ化物を用いた
場合にはTbはF原子に囲まれた状態でZnS格子
い組み込まれ易くなる。
発光中心用材料にTbの硫化物(Tb2S3)を用
いた場合の発光スペクトルをTbのフツ化物
(TbF3)を用いた場合のそれと比較して第2図に
示す。図より明らかなように、Tbの硫化物を用
いることにより5D4から7F6への遷移に基づく
490nm付近の発光が著しく増大しておりこの結
果、TbF3を用いて成膜した場合に比べて良好な
緑色発光が得られる。またTb2S3に代えて金属
Tbを用いても同様なスペクトルを示した。これ
はZnS中のS原子がTbと結合しているためと考
えられる。このような発光スペクトルの変化の原
因としては、Tb2S3を用いた時にはTbが置かれ
ている結晶場が前述の条件を満たしていること、
あるいはフツ化物に比べると硫化物の方が配位子
の電子がTbイオンの4f軌道と混る傾向が強い
ため、4f−4f間のE1遷移の禁制が解けやす
いことが考えられる。また一般に禁制遷移が解け
ると発光の減衰時定数が短くなることが知られて
いるため、発光の減衰特性を調べたところ、減衰
時定数はそれぞれ約200μs(Tb2S3)および約
600μs(TbF3)であり上記考案の正当性を裏付け
る結果を示した。
いた場合の発光スペクトルをTbのフツ化物
(TbF3)を用いた場合のそれと比較して第2図に
示す。図より明らかなように、Tbの硫化物を用
いることにより5D4から7F6への遷移に基づく
490nm付近の発光が著しく増大しておりこの結
果、TbF3を用いて成膜した場合に比べて良好な
緑色発光が得られる。またTb2S3に代えて金属
Tbを用いても同様なスペクトルを示した。これ
はZnS中のS原子がTbと結合しているためと考
えられる。このような発光スペクトルの変化の原
因としては、Tb2S3を用いた時にはTbが置かれ
ている結晶場が前述の条件を満たしていること、
あるいはフツ化物に比べると硫化物の方が配位子
の電子がTbイオンの4f軌道と混る傾向が強い
ため、4f−4f間のE1遷移の禁制が解けやす
いことが考えられる。また一般に禁制遷移が解け
ると発光の減衰時定数が短くなることが知られて
いるため、発光の減衰特性を調べたところ、減衰
時定数はそれぞれ約200μs(Tb2S3)および約
600μs(TbF3)であり上記考案の正当性を裏付け
る結果を示した。
第3図にTb2S3あるいはTbF3を用いた場合の
発光輝度一印加電圧特性を示す。発光中心用材料
をTbF3からTb3S3に代えたことによる輝度の低
下はあまり認められず、Tbの高輝度性を保持し
たままより高品位の緑色発光が得られることがわ
かつた。
発光輝度一印加電圧特性を示す。発光中心用材料
をTbF3からTb3S3に代えたことによる輝度の低
下はあまり認められず、Tbの高輝度性を保持し
たままより高品位の緑色発光が得られることがわ
かつた。
<発明の効果>
以上のように本発明は、ZnSを母材、Tbを発
光中心とする薄膜EL素子において、発光層はTb
とS原子の結合状態を保持したままのTb硫化物
を発光中心とするものであり、従来の黄色味かか
つた緑色発光をより緑色に近い発光色に改善で
き、発光輝度を低下させることなく高品位の緑色
発光EL素子が得られる。
光中心とする薄膜EL素子において、発光層はTb
とS原子の結合状態を保持したままのTb硫化物
を発光中心とするものであり、従来の黄色味かか
つた緑色発光をより緑色に近い発光色に改善で
き、発光輝度を低下させることなく高品位の緑色
発光EL素子が得られる。
第1図は本発明の一実施例の説明に供する薄膜
EL素子の構成図である。第2図は発光中心用材
料としてそれぞれTb2S3およびTbF3を用いた薄
膜EL素子の発光スペクトル図である。第3図は
第2図に発光スペクトルを示した薄膜EL素子の
発光輝度一位加電圧特性図である。 1:ガラス基板、2:透明電極、3:下部誘電
体層、4:発光層、5:上部誘電体層、6:Al
電極。
EL素子の構成図である。第2図は発光中心用材
料としてそれぞれTb2S3およびTbF3を用いた薄
膜EL素子の発光スペクトル図である。第3図は
第2図に発光スペクトルを示した薄膜EL素子の
発光輝度一位加電圧特性図である。 1:ガラス基板、2:透明電極、3:下部誘電
体層、4:発光層、5:上部誘電体層、6:Al
電極。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ZnSを母材、Tbを発光中心とする発光層を
有する薄膜EL素子において、 前記発光層はTbイオンの5D4から7F6エネルギ
ー順位への電子遷移に基づく発光の強度を増大さ
せるTbとS原子の結合状態を保持したままのTb
硫化物より形成された発光中心を有することを特
徴とする薄膜EL素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61020453A JPS62177895A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 薄膜el素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61020453A JPS62177895A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 薄膜el素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62177895A JPS62177895A (ja) | 1987-08-04 |
JPH0518238B2 true JPH0518238B2 (ja) | 1993-03-11 |
Family
ID=12027489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61020453A Granted JPS62177895A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 薄膜el素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62177895A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59146192A (ja) * | 1983-02-10 | 1984-08-21 | 松下電器産業株式会社 | El素子 |
-
1986
- 1986-01-31 JP JP61020453A patent/JPS62177895A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59146192A (ja) * | 1983-02-10 | 1984-08-21 | 松下電器産業株式会社 | El素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62177895A (ja) | 1987-08-04 |
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