JPH0692836A - 化粧品 - Google Patents
化粧品Info
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- JPH0692836A JPH0692836A JP4255930A JP25593092A JPH0692836A JP H0692836 A JPH0692836 A JP H0692836A JP 4255930 A JP4255930 A JP 4255930A JP 25593092 A JP25593092 A JP 25593092A JP H0692836 A JPH0692836 A JP H0692836A
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- skin
- deodorizing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 悪臭がなく,肌に塗った際に,肌の保湿性,
整肌効果を発揮することができる化粧品を提供するこ
と。 【構成】 脱臭ペプタイドを添加してなる化粧品であっ
て,上記脱臭ペプタイドは,タンパク含有物質を加水分
解してなるペプタイド混合液を,吸着性樹脂のカラムに
より分画採取したものである。吸着性樹脂としては,疎
水性結合基を有する吸着状樹脂を用いることが好まし
い。移動相としては,水及び有機溶媒を用いることが好
ましい。
整肌効果を発揮することができる化粧品を提供するこ
と。 【構成】 脱臭ペプタイドを添加してなる化粧品であっ
て,上記脱臭ペプタイドは,タンパク含有物質を加水分
解してなるペプタイド混合液を,吸着性樹脂のカラムに
より分画採取したものである。吸着性樹脂としては,疎
水性結合基を有する吸着状樹脂を用いることが好まし
い。移動相としては,水及び有機溶媒を用いることが好
ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,悪臭がなく,肌に塗っ
た際に,肌の保湿性,整肌効果を発揮することができる
化粧品に関する。
た際に,肌の保湿性,整肌効果を発揮することができる
化粧品に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,化粧品には,コラーゲン,ケラ
チン等のタンパク質を加水分解することにより得られる
ペプタイドが配合されている。このペプタイドは,アミ
ノ酸とタンパク質の中間物質で,100〜10,000
ダルトンの幅広い分子量を有するものである。ペプタイ
ドは,肌に吸着されて肌の保湿性を高めること,整肌効
果を有すること,天然のタンパク質誘導体であるので肌
に対する刺激性が少なく安全性が高いこと等の特性を有
するものである。そのため,ペプタイドを化粧水やクリ
ームなどの化粧品に添加することが検討されている。
チン等のタンパク質を加水分解することにより得られる
ペプタイドが配合されている。このペプタイドは,アミ
ノ酸とタンパク質の中間物質で,100〜10,000
ダルトンの幅広い分子量を有するものである。ペプタイ
ドは,肌に吸着されて肌の保湿性を高めること,整肌効
果を有すること,天然のタンパク質誘導体であるので肌
に対する刺激性が少なく安全性が高いこと等の特性を有
するものである。そのため,ペプタイドを化粧水やクリ
ームなどの化粧品に添加することが検討されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかし,上記のごとく,酵素
分解により得られたペプタイドは,そのままでは強い臭
いを有している。そのため,これらの臭い,塩分,苦味
を効率的に除去し,脱臭されたペプタイドを製造する必
要がある。そして,従来,上記脱臭法としては,例えば
限外濾過膜を用いる濾過法が提案されている。しかし,
かかる濾過法はコスト高となり,また脱臭,脱塩,脱苦
味を同時に行なうことが困難である。本発明はかかる問
題点に鑑み,悪臭がなく,肌に塗った際に,肌の保湿
性,整肌効果を発揮することができる化粧品を提供しよ
うとするものである。
分解により得られたペプタイドは,そのままでは強い臭
いを有している。そのため,これらの臭い,塩分,苦味
を効率的に除去し,脱臭されたペプタイドを製造する必
要がある。そして,従来,上記脱臭法としては,例えば
限外濾過膜を用いる濾過法が提案されている。しかし,
かかる濾過法はコスト高となり,また脱臭,脱塩,脱苦
味を同時に行なうことが困難である。本発明はかかる問
題点に鑑み,悪臭がなく,肌に塗った際に,肌の保湿
性,整肌効果を発揮することができる化粧品を提供しよ
うとするものである。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は,脱臭ペプタイドを添加し
てなる化粧品であって,上記脱臭ペプタイドは,タンパ
ク含有物質を加水分解してなるペプタイド混合液を,吸
着性樹脂のカラムにより分画採取したものであることを
特徴とする化粧品にある。本発明において,上記タンパ
ク含有物質としては,豚,牛等の血液,大豆,牛乳タン
パク,鰯,鯖等の魚肉,オキアミ,プラズマ粉末,プラ
ズマ濃縮物などがある。
てなる化粧品であって,上記脱臭ペプタイドは,タンパ
ク含有物質を加水分解してなるペプタイド混合液を,吸
着性樹脂のカラムにより分画採取したものであることを
特徴とする化粧品にある。本発明において,上記タンパ
ク含有物質としては,豚,牛等の血液,大豆,牛乳タン
パク,鰯,鯖等の魚肉,オキアミ,プラズマ粉末,プラ
ズマ濃縮物などがある。
【0005】上記吸着性樹脂としては,疎水性結合基を
有する吸着性樹脂,例えばHP−20(ハイポラース・
ポリマー,三菱化成(株)製),XAD−2(オルガノ
(株)製)など,スチレンとジビニルベンゼンとの重合
体からなる多孔性ポリマーの吸着性樹脂を用いることが
好ましい。この多孔性ポリマーは,多数の細孔と,大表
面積(400〜800m2 /g)を有し,吸着性が強
い。そのため,上記分画採取に好適である。また,移動
相としては,水,有機溶媒を用いることが好ましい。有
機溶媒としては,アセトン水溶媒,アルコール水溶媒等
を用いることが好ましい。
有する吸着性樹脂,例えばHP−20(ハイポラース・
ポリマー,三菱化成(株)製),XAD−2(オルガノ
(株)製)など,スチレンとジビニルベンゼンとの重合
体からなる多孔性ポリマーの吸着性樹脂を用いることが
好ましい。この多孔性ポリマーは,多数の細孔と,大表
面積(400〜800m2 /g)を有し,吸着性が強
い。そのため,上記分画採取に好適である。また,移動
相としては,水,有機溶媒を用いることが好ましい。有
機溶媒としては,アセトン水溶媒,アルコール水溶媒等
を用いることが好ましい。
【0006】上記加水分解をする方法としては,蛋白質
分解酵素を用いる酵素法,或いは強酸または強塩基とと
もに加熱分解する化学法等がある。蛋白分解酵素として
は,アルカリプロテアーゼ,ペプシン,パンクレアチ
ン,微生物由来プロテアーゼ,パパイン,ブロメライ
ン,フィシンなどがある。そして,上記タンパク含有物
質の液中に上記蛋白分解酵素を添加して,蛋白分解酵素
反応を行わせる。これにより得られたペプタイド混合液
は,強い悪臭を放つ。尚,タンパク分解酵素反応を停止
させるために,上記ペプタイド混合液に加熱処理を行う
ことが好ましい。
分解酵素を用いる酵素法,或いは強酸または強塩基とと
もに加熱分解する化学法等がある。蛋白分解酵素として
は,アルカリプロテアーゼ,ペプシン,パンクレアチ
ン,微生物由来プロテアーゼ,パパイン,ブロメライ
ン,フィシンなどがある。そして,上記タンパク含有物
質の液中に上記蛋白分解酵素を添加して,蛋白分解酵素
反応を行わせる。これにより得られたペプタイド混合液
は,強い悪臭を放つ。尚,タンパク分解酵素反応を停止
させるために,上記ペプタイド混合液に加熱処理を行う
ことが好ましい。
【0007】通常は,上記ペプタイド混合液から未反応
タンパク,酵素タンパクを除去するために,遠心分離
(6000回転,30分),又は吸引濾過を行ない,そ
の後,このペプタイド混合液を濃縮する。濃縮方法とし
ては,加熱により濃縮する加熱法,限外濾過,減圧濃縮
によりペプタイドを含む濾液を回収する方法等がある。
尚,上記タンパク含有物質の中,プラズマ粉末又はプラ
ズマ濃縮物は,プラズマ物質を高濃度に含有しているた
め,加水分解反応後に通常行われる濃縮工程を行う必要
がない。
タンパク,酵素タンパクを除去するために,遠心分離
(6000回転,30分),又は吸引濾過を行ない,そ
の後,このペプタイド混合液を濃縮する。濃縮方法とし
ては,加熱により濃縮する加熱法,限外濾過,減圧濃縮
によりペプタイドを含む濾液を回収する方法等がある。
尚,上記タンパク含有物質の中,プラズマ粉末又はプラ
ズマ濃縮物は,プラズマ物質を高濃度に含有しているた
め,加水分解反応後に通常行われる濃縮工程を行う必要
がない。
【0008】次に,上記濃縮液を,吸着性樹脂を充填し
たカラムにより展開し,未吸着部分と,水溶出部分と,
有機溶媒溶出部分とに分画する。即ち,吸着性樹脂を充
填したカラムに,濃縮溶液を滴下し,次いで,移動相と
しての水,有機溶媒を順次滴下する。これにより,まず
塩分を含有する未吸着部分が流出される。次に,無臭で
無苦味の水溶出部分が流出される。その後,臭い成分を
含む有機溶媒溶出部分が流出される。それ故,本発明で
は,無臭,無塩,無苦味状態の上記水溶出部分を採取す
ることとなる。
たカラムにより展開し,未吸着部分と,水溶出部分と,
有機溶媒溶出部分とに分画する。即ち,吸着性樹脂を充
填したカラムに,濃縮溶液を滴下し,次いで,移動相と
しての水,有機溶媒を順次滴下する。これにより,まず
塩分を含有する未吸着部分が流出される。次に,無臭で
無苦味の水溶出部分が流出される。その後,臭い成分を
含む有機溶媒溶出部分が流出される。それ故,本発明で
は,無臭,無塩,無苦味状態の上記水溶出部分を採取す
ることとなる。
【0009】
【作用及び効果】本発明においては,上記ペプタイド混
合液を吸着性樹脂カラムにより分画採取することによ
り,上記のごとく悪臭成分を含まない脱臭ペプタイドを
分画採取している。そのため,該脱臭ペプタイドを化粧
品に添加した場合には,化粧品から悪臭が発生すること
がない。また,抽出精製の際には,脱色され,苦味も除
去される。
合液を吸着性樹脂カラムにより分画採取することによ
り,上記のごとく悪臭成分を含まない脱臭ペプタイドを
分画採取している。そのため,該脱臭ペプタイドを化粧
品に添加した場合には,化粧品から悪臭が発生すること
がない。また,抽出精製の際には,脱色され,苦味も除
去される。
【0010】また,脱臭ペプタイドは優れた抗酸化作用
を発揮するため,肌に現れるしみの原因物質であるメラ
ニンの形成を抑制することができる。即ち,メラニン
は,芳香族アミノ酸,特にチロシンが酸化反応により変
化を受けて,最後に非酵素的に重合して形成される。上
記脱臭ペプタイドは,この中の酸化反応を阻害する作用
を有するため,しみの発生を抑制することができる。
を発揮するため,肌に現れるしみの原因物質であるメラ
ニンの形成を抑制することができる。即ち,メラニン
は,芳香族アミノ酸,特にチロシンが酸化反応により変
化を受けて,最後に非酵素的に重合して形成される。上
記脱臭ペプタイドは,この中の酸化反応を阻害する作用
を有するため,しみの発生を抑制することができる。
【0011】また,脱臭ペプチドは,皮膚が火傷した後
に増加する過酸化脂質量を抑制し,火傷後症候を防止す
ることができる。また,脱臭ペプタイドは,肌の保湿
性,及び整肌効果に優れている。そのため,該脱臭ペプ
タイドを添加した化粧品を肌に塗った際には,肌の保湿
性,整肌効果を発揮することができる。
に増加する過酸化脂質量を抑制し,火傷後症候を防止す
ることができる。また,脱臭ペプタイドは,肌の保湿
性,及び整肌効果に優れている。そのため,該脱臭ペプ
タイドを添加した化粧品を肌に塗った際には,肌の保湿
性,整肌効果を発揮することができる。
【0012】また,脱臭ペプタイドは,細胞増殖作用,
火傷治癒効果がある。そのため,医薬品,微生物又は組
織培養の培地,食品蛋白素材等の用途もある。食品蛋白
素材は,経管流動食,消化吸収能力の弱っている高齢者
や病人用の食材等の易吸収蛋白素材,或いはアレルゲン
性のない蛋白素材等として用いることができる。本発明
によれば,悪臭がなく,肌に塗った際に,肌の保湿性,
整肌効果を発揮することができる,優れた化粧品を提供
することができる。
火傷治癒効果がある。そのため,医薬品,微生物又は組
織培養の培地,食品蛋白素材等の用途もある。食品蛋白
素材は,経管流動食,消化吸収能力の弱っている高齢者
や病人用の食材等の易吸収蛋白素材,或いはアレルゲン
性のない蛋白素材等として用いることができる。本発明
によれば,悪臭がなく,肌に塗った際に,肌の保湿性,
整肌効果を発揮することができる,優れた化粧品を提供
することができる。
【0013】
実施例1 本発明にかかる実施例について,図1〜図5を用いて説
明する。本例の化粧品は,脱臭ペプタイドを添加してな
る。該脱臭ペプタイドは,タンパク含有物質を加水分解
してなるペプタイド混合液を,吸着性樹脂のカラムによ
り分画採取したものである。
明する。本例の化粧品は,脱臭ペプタイドを添加してな
る。該脱臭ペプタイドは,タンパク含有物質を加水分解
してなるペプタイド混合液を,吸着性樹脂のカラムによ
り分画採取したものである。
【0014】上記脱臭ペプタイドの製造方法につき,図
1〜図5を用いて,具体的に説明する。まず,タンパク
含有物質として,豚プラズマ1リットルを用い,これに
蛋白分解酵素のアルカリ性プロテアーゼ(2.4アンス
ワンユニット,0.5%V/W)(アルカラーゼ2.4
Lノボノルディスク社製)5ミリリットルを加え,2N
−NaOHによりPHを8.0に保ちつつ,65℃,3
0分間攪拌し,加水分解反応を行い,ペプタイド混合液
を得た。
1〜図5を用いて,具体的に説明する。まず,タンパク
含有物質として,豚プラズマ1リットルを用い,これに
蛋白分解酵素のアルカリ性プロテアーゼ(2.4アンス
ワンユニット,0.5%V/W)(アルカラーゼ2.4
Lノボノルディスク社製)5ミリリットルを加え,2N
−NaOHによりPHを8.0に保ちつつ,65℃,3
0分間攪拌し,加水分解反応を行い,ペプタイド混合液
を得た。
【0015】反応終了後,不純物除去のために,上記ペ
プタイド混合液1リットルに対して2gの割合で活性炭
を加え,煮沸した。また,その後室温まで冷却した後,
濾過助剤(ハイフロースーパーセル)を用いて,ヌッチ
ェで吸引濾過した。得られたペプタイド混合液780ミ
リリットルを,加熱濃縮し,当初の液量の約10分の1
である80ミリリットルの濃縮液を得た。
プタイド混合液1リットルに対して2gの割合で活性炭
を加え,煮沸した。また,その後室温まで冷却した後,
濾過助剤(ハイフロースーパーセル)を用いて,ヌッチ
ェで吸引濾過した。得られたペプタイド混合液780ミ
リリットルを,加熱濃縮し,当初の液量の約10分の1
である80ミリリットルの濃縮液を得た。
【0016】一方,吸着性樹脂としては,疎水性結合基
を有する非極性の吸着性樹脂HP−20を400ミリリ
ットル用い,これを直径36mm,高さ57cm,ガラ
ス製のカラムに充填した。上記吸着性樹脂HP−20
は,スチレンとジビニルベンゼンを重合して製造した多
孔性ポリマーであり,表面積が大きく(400〜800
m2 /g),吸着性が強い。
を有する非極性の吸着性樹脂HP−20を400ミリリ
ットル用い,これを直径36mm,高さ57cm,ガラ
ス製のカラムに充填した。上記吸着性樹脂HP−20
は,スチレンとジビニルベンゼンを重合して製造した多
孔性ポリマーであり,表面積が大きく(400〜800
m2 /g),吸着性が強い。
【0017】そして,このカラム内に上記濃縮液40ミ
リリットルを注入し,その後,600ミリリットルの
水,600ミリリットルの90%アセトン水,更に40
0ミリリットルの水を順次通液した。通液はSV=1.
5とした。そして,未吸着部分,水溶出分,アセトン溶
出部分に分画し,各溶液分を乾燥し,粉末化した。
リリットルを注入し,その後,600ミリリットルの
水,600ミリリットルの90%アセトン水,更に40
0ミリリットルの水を順次通液した。通液はSV=1.
5とした。そして,未吸着部分,水溶出分,アセトン溶
出部分に分画し,各溶液分を乾燥し,粉末化した。
【0018】次に,各分画成分における乾燥重量,色,
NaCl含量,OD280nmのOD吸収比,皮膚感触
性,及び臭いを測定した。上記において,OD吸収比
は,ペプタイド含有量を測定するためのものである。該
吸収比は,上記各分画液について,ゲル濾過(Seph
adex G−25ファルマシア製)を行い,展開液の
OD280nmにおける吸収パターンを,ファルマシア
製のスタンダードクロマトグラフィシステムを用いて測
定したものである。
NaCl含量,OD280nmのOD吸収比,皮膚感触
性,及び臭いを測定した。上記において,OD吸収比
は,ペプタイド含有量を測定するためのものである。該
吸収比は,上記各分画液について,ゲル濾過(Seph
adex G−25ファルマシア製)を行い,展開液の
OD280nmにおける吸収パターンを,ファルマシア
製のスタンダードクロマトグラフィシステムを用いて測
定したものである。
【0019】その結果を図1及び図2に示す。図1は,
未吸着部分の吸収パターンを示す。図2は,水溶出部分
の吸収パターンを示す。両図からも知られるごとく,2
80nm吸収比は,水溶出部分が未吸着部分の約20倍
であることが分かる。
未吸着部分の吸収パターンを示す。図2は,水溶出部分
の吸収パターンを示す。両図からも知られるごとく,2
80nm吸収比は,水溶出部分が未吸着部分の約20倍
であることが分かる。
【0020】また,皮膚感触性は,上記分画液を,人間
の手の甲に塗布し,皮膚がスベスベする感じを評価した
ものである。また,苦味,旨味,臭いの有無は,官能試
験によった。塩分は,栄研化学(株)製の塩分試験紙を
用いて判定した。その結果を表1に示した。同表より知
られるごとく,水溶出部分に含まれるペプタイドは,ほ
とんど無臭である。
の手の甲に塗布し,皮膚がスベスベする感じを評価した
ものである。また,苦味,旨味,臭いの有無は,官能試
験によった。塩分は,栄研化学(株)製の塩分試験紙を
用いて判定した。その結果を表1に示した。同表より知
られるごとく,水溶出部分に含まれるペプタイドは,ほ
とんど無臭である。
【0021】また,上記水溶出部分に関して,薄層クロ
マトグラフィー(TLC)分析を行った。このTLCに
は,シリカゲルTLC(メルクプレートKieselg
el60F 254)を用い,展開溶媒には,n−ブタ
ノール:酢酸;水=4:1:1を用いた。また,スポッ
ト量は,1%水溶液10μ1である。
マトグラフィー(TLC)分析を行った。このTLCに
は,シリカゲルTLC(メルクプレートKieselg
el60F 254)を用い,展開溶媒には,n−ブタ
ノール:酢酸;水=4:1:1を用いた。また,スポッ
ト量は,1%水溶液10μ1である。
【0022】上記のTLCの結果を,10%硫酸検出に
ついて図3に,ニンヒドリン検出について図4に,ヨウ
素ガス検出について図5にそれぞれ示した。上記10%
硫酸検出及びヨウ素ガス検出は,主として有機物質全般
の検出を,ニンヒドリン検出は主としてアミノ酸類の検
出を示すものである。上記各図より,水溶出部分中の含
有物を知ることができる。該水溶出部分中の含有物が脱
臭ペプタイドである。
ついて図3に,ニンヒドリン検出について図4に,ヨウ
素ガス検出について図5にそれぞれ示した。上記10%
硫酸検出及びヨウ素ガス検出は,主として有機物質全般
の検出を,ニンヒドリン検出は主としてアミノ酸類の検
出を示すものである。上記各図より,水溶出部分中の含
有物を知ることができる。該水溶出部分中の含有物が脱
臭ペプタイドである。
【0023】上記より知られるごとく,上記ペプタイド
混合液を吸着性樹脂カラムにより分画採取することによ
り,上記のごとく悪臭成分を含まない脱臭ペプタイドを
分画採取できる。そのため,該脱臭ペプタイドを化粧品
に添加した場合には,化粧品から悪臭が発生することが
ない。また,抽出精製の際には,脱色され,苦味も除去
される。
混合液を吸着性樹脂カラムにより分画採取することによ
り,上記のごとく悪臭成分を含まない脱臭ペプタイドを
分画採取できる。そのため,該脱臭ペプタイドを化粧品
に添加した場合には,化粧品から悪臭が発生することが
ない。また,抽出精製の際には,脱色され,苦味も除去
される。
【0024】また,脱臭ペプタイドは優れた抗酸化作用
を発揮するため,肌に表れるしみの原因物質であるメラ
ニンの形成を抑制することができる。即ち,メラニン
は,芳香族アミノ酸,特にチロシンが酸化反応により変
化を受けて,最後に非酵素的に重合して形成される。上
記脱臭ペプタイドは,この中の酸化反応を阻害する作用
を有するため,しみの発生を抑制することができる。
を発揮するため,肌に表れるしみの原因物質であるメラ
ニンの形成を抑制することができる。即ち,メラニン
は,芳香族アミノ酸,特にチロシンが酸化反応により変
化を受けて,最後に非酵素的に重合して形成される。上
記脱臭ペプタイドは,この中の酸化反応を阻害する作用
を有するため,しみの発生を抑制することができる。
【0025】また,脱臭ペプチドは,皮膚が火傷した後
に増加する過酸化脂質量を抑制し,火傷後症候を防止す
ることができる。また,脱臭ペプタイドは,実施例3に
おいても詳述するごとく,肌の保湿性,及び整肌効果に
優れている。そのため,該脱臭ペプタイドを添加した化
粧品は,肌に塗った際には,肌の保湿性,整肌効果を発
揮することができる。
に増加する過酸化脂質量を抑制し,火傷後症候を防止す
ることができる。また,脱臭ペプタイドは,実施例3に
おいても詳述するごとく,肌の保湿性,及び整肌効果に
優れている。そのため,該脱臭ペプタイドを添加した化
粧品は,肌に塗った際には,肌の保湿性,整肌効果を発
揮することができる。
【0026】実施例2 次に,実施例1にかかる脱臭ペプタイドの成分組成(表
2)及びアミノ酸組成(表3)を測定した。両表は,
(財)日本食品油脂検査協会の分析によるものである。
表2より,脱臭ペプタイドは,高濃度にタンパク質を含
有していることが分かる。また,表3より,脱臭ペプタ
イドは,皮膚に多く含まれ皮膚の保湿性に関与している
といわれるスレオニン,セリンを多く含有していること
が分かる。
2)及びアミノ酸組成(表3)を測定した。両表は,
(財)日本食品油脂検査協会の分析によるものである。
表2より,脱臭ペプタイドは,高濃度にタンパク質を含
有していることが分かる。また,表3より,脱臭ペプタ
イドは,皮膚に多く含まれ皮膚の保湿性に関与している
といわれるスレオニン,セリンを多く含有していること
が分かる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例3 次に,実施例1で得られた脱臭ペプタイドの整肌効果に
ついて,20人の一般女性を対象に調査した。調査は,
本例の化粧品を,1日1回1か月にわたり肌に塗布し,
約10分間後に,水又は温水にて脱臭ペプタイドを洗い
流し,その後の肌の状態についてアンケートをとるとい
うものである。その結果を表4に示す。同表より,本発
明にかかる脱臭ペプタイドは,肌のさっぱり感,しっと
り感,なめらかさ及びきめのよさについて,いずれも優
れた効果を示していることが分る。
ついて,20人の一般女性を対象に調査した。調査は,
本例の化粧品を,1日1回1か月にわたり肌に塗布し,
約10分間後に,水又は温水にて脱臭ペプタイドを洗い
流し,その後の肌の状態についてアンケートをとるとい
うものである。その結果を表4に示す。同表より,本発
明にかかる脱臭ペプタイドは,肌のさっぱり感,しっと
り感,なめらかさ及びきめのよさについて,いずれも優
れた効果を示していることが分る。
【0031】実施例4 次に,上記脱臭ペプタイドを用いて,モルモット皮膚刺
激性実験を行った。実験方法は,まず,モルモット(H
artley系 ♂体重300g)5匹の背部を脱毛す
る。次に,ワセリンに上記脱臭ペプタイド10%(w/
w)を添加混合したものを,上記背部に塗布し,該塗布
部分をパッチテスト用絆創膏で保護した。そして,2
4,48,72時間後に背部を観察した。
激性実験を行った。実験方法は,まず,モルモット(H
artley系 ♂体重300g)5匹の背部を脱毛す
る。次に,ワセリンに上記脱臭ペプタイド10%(w/
w)を添加混合したものを,上記背部に塗布し,該塗布
部分をパッチテスト用絆創膏で保護した。そして,2
4,48,72時間後に背部を観察した。
【0032】その結果,いずれの場合も異常がみられな
かった。更に,14日間にわたり,1日1回連続塗布を
したが,この場合にも,何ら異常がみられなかった。こ
のことより,上記脱臭ペプタイドは起炎物質を含有して
いないことが分る。
かった。更に,14日間にわたり,1日1回連続塗布を
したが,この場合にも,何ら異常がみられなかった。こ
のことより,上記脱臭ペプタイドは起炎物質を含有して
いないことが分る。
【0033】実施例5〜7 本例においては,タンパク含有物質の加水分解を,酵素
法(実施例5,6)と化学法(実施例7)により行い,
実施例1の場合と比較した。尚,添加する酵素量は0.
5%(v/w)である。その反応の条件を表5に示す。
その結果,実施例1の場合は,製造コストが安く,反応
時間も短い。一方,実施例6,7の場合は,実施例1の
場合よりも反応生成物の臭いが少なかった。また,実施
例1,及び実施例5〜7の反応生成物は,苦味の点では
いずれも大差がなかった。
法(実施例5,6)と化学法(実施例7)により行い,
実施例1の場合と比較した。尚,添加する酵素量は0.
5%(v/w)である。その反応の条件を表5に示す。
その結果,実施例1の場合は,製造コストが安く,反応
時間も短い。一方,実施例6,7の場合は,実施例1の
場合よりも反応生成物の臭いが少なかった。また,実施
例1,及び実施例5〜7の反応生成物は,苦味の点では
いずれも大差がなかった。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【図1】実施例1における,未吸着部分のOD280n
mの吸収線図。
mの吸収線図。
【図2】実施例1における,水溶出部分のOD280n
mの吸収線図。
mの吸収線図。
【図3】実施例1における水溶出部分のTLCパターン
図。
図。
【図4】実施例1における水溶出部分のTLCパターン
図。
図。
【図5】実施例1における水溶出部分のTLCパターン
図。
図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/06 G 7329−4C 37/18 ADA 8314−4C // A23J 3/30 7236−4B
Claims (1)
- 【請求項1】 脱臭ペプタイドを添加してなる化粧品で
あって,上記脱臭ペプタイドは,タンパク含有物質を加
水分解してなるペプタイド混合液を,吸着性樹脂のカラ
ムにより分画採取したものであることを特徴とする化粧
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4255930A JPH0692836A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 化粧品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4255930A JPH0692836A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 化粧品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692836A true JPH0692836A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17285551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4255930A Pending JPH0692836A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 化粧品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692836A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5164122A (en) * | 1988-04-18 | 1992-11-17 | The Lubrizol Corporation | Thermal oxidatively stable synthetic fluid composition |
JPH06279229A (ja) * | 1993-03-31 | 1994-10-04 | Nippon Sanso Kk | 無臭化粧品原料及びその製造方法 |
JP2003146847A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-05-21 | Nonogawa Shoji Kk | 毛髪処理剤組成物およびその製造方法 |
JP2008500040A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | ノルケープ バイオテクノロジー エーエス | 海洋タンパク質加水分解産物、その製造方法及び応用。 |
WO2014092240A1 (ko) * | 2012-12-12 | 2014-06-19 | 신라대학교 산학협력단 | 고등어 가수분해물을 유효성분으로 포함하는 미백 조성물 |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP4255930A patent/JPH0692836A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5164122A (en) * | 1988-04-18 | 1992-11-17 | The Lubrizol Corporation | Thermal oxidatively stable synthetic fluid composition |
JPH06279229A (ja) * | 1993-03-31 | 1994-10-04 | Nippon Sanso Kk | 無臭化粧品原料及びその製造方法 |
JP2003146847A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-05-21 | Nonogawa Shoji Kk | 毛髪処理剤組成物およびその製造方法 |
JP2008500040A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | ノルケープ バイオテクノロジー エーエス | 海洋タンパク質加水分解産物、その製造方法及び応用。 |
JP4807593B2 (ja) * | 2004-05-26 | 2011-11-02 | ノルケープ バイオテクノロジー エーエス | 海洋タンパク質加水分解産物、その製造方法及び応用。 |
WO2014092240A1 (ko) * | 2012-12-12 | 2014-06-19 | 신라대학교 산학협력단 | 고등어 가수분해물을 유효성분으로 포함하는 미백 조성물 |
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