JPH06919Y2 - 簡易乗用型のバインダ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、座りながらの刈取り作業ができる簡易乗用型
のバインダ構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しょうとする問題点］ 従来、茎桿の刈取りを行うバインダは歩行型にして機動
性を付与し、狭い圃場や複雑形状の圃場においても刈取
り作業ができるようになっている。このため作業者は歩
き作業による労働が強いられることとなって労働し易い
ものである。そこでバインダに座席を設けて簡易的に座
り作業が出来るようにしたものも提案されているが、こ
のものでは座席が機体と一体化されているため、座した
ままでのハンドル操作ができず、そこで旋回や刈取り条
に添う等の操向作業を行うためには、いちいち座席から
降りなければならない必要があって作業性に著しく劣る
という欠点があり直ちには採用できないものである。

［問題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃す
ることができる簡易乗用型のバインダ構造を提供するこ
とを目的として創案されたものであって、茎桿を刈取っ
て機外に放出する刈取り装置が設けられた機体前半部を
走行車輪が軸支される主フレームに一体的に連結すると
共に、前記主フレームは、エンジン等の動力装置、座席
および補助輪が設けられる機体後半部に対して左右揺動
自在に枢結せしめられていることを特徴とするものであ
る。

そして本考案は、この構成によって、簡易的な座席を設
けたものでありながら、機体の操向作業を座したままで
容易に行うことができる様にしたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１はバインダの機体であって、該機体１は
機体前半部Ａと後半部Ｂとによって構成されている。機
体前半部Ａには、刈刃７、茎桿梳起し体８、結束部等の
部材からなる刈取り部２が設けられている。この刈取り
部２が支持される前部フレーム３の後端部は、幅広一輪
型の走行車輪（駆動輪）４が軸着された主フレーム５に
一体的に取付けられている。そして主フレーム５の上端
部にはハンドル６が一体的に設けられている。

一方、１０は前記主フレーム５に前端のボス部１０ａが
揺動自在に枢支された連結フレームであって、該連結フ
レーム１０に続く後部フレーム１１にはエンジン１２、
トランスミッションケース１３、ステー１４ａを介して
支持される補助輪（尾輪）１４、およびエンジン１２の
上方に配された座席１５、燃料タンク１６等の部材が設
けられていて機体後半部Ｂを構成している。そして機体
前半部Ａは、ハンドル操作をすることで、機体後半部Ｂ
とは独立した状態で主フレーム５を支軸として走行車輪
４と共に一体的に操向作動できるようになっている。さ
らに１６はトランスミッションケース１３から延びる動
力伝動軸であって、ユニバーサルジョイント１６ａ（図
示しないカバーによって覆われていることは勿論であ
る）を介して機体前半部Ａ側の入力軸１７に連結されて
いて、走行車輪４、刈刃７、茎桿梳起し体８等の駆動部
材に動力伝動するようになっている。またトランスミッ
ションケース１３には変速レバー１８が設けられてい
て、例えば前進二段、後進一段の走行変速ができるよう
になっている。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、茎桿の
刈取り作業を行う場合に、作業者は、座席１５に座した
楽な作業姿勢でバインダ作業を行うことができる。即
ち、このものは、機体後半部Ｂに座席１５が設けられる
一方、機体前半部Ａは走行車輪４と一体化されて、機体
後半部Ｂに対して主フレーム５を軸芯として独立して揺
動することになる。この結果、作業者は、機体後半部Ｂ
側の座席１５に座したままの状態でのハンドル操作が可
能になって、旋回等の操向操作を自由に行うことができ
る。従ってバインダに簡易型の座席１５を設けたもので
あっても、座したままの楽な作業姿勢での継続した刈取
り作業が可能となって、作業者の疲労を大幅に軽減でき
ることになる。しかも機体前半部Ａは、走行車輪４と一
体的に操向偏移するため、機動性と共に追従性に優れた
ものにできる。

しかも、機体は、刈取り装置２が機体前半部Ａで、エン
ジン１２等の動力装置は機体後半部Ｂと、重量物が前後
に分配配置された構成となって機体バランスが良好に保
たれるうえ、前記操向作業に際しては、動力装置が設け
られる機体後半部Ｂを基準として、刈取り装置２が設け
られる機体前半部Ａをハンドル操作で操向すれば良いこ
とになって、エンジン１２等の動力装置が機体前半部Ａ
にない分、軽い操向作業ができることになって、作業者
の疲労を可及的に軽減し得る。そのうえ、操向車輪４
は、エンジン１２等の操向装置に何ら邪魔されることな
く機体前半部Ａの後部位置に配し得て、後車輪１４との
間隔を可及的に小さくすることができ、この結果、機体
の回行半径が小さくなって、刈取り条が複雑に曲がって
いるような狭い山間部のような圃場の場合であっても機
動性に富んだ刈取り作業を確実に行うことができる。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでないことは
勿論であって、走行車輪は一輪型でなく二輪型であって
もよく、また補助輪についても同様である。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、機体後半部に設けられる座席に座した状態でハ
ンドル操作することで、主フレームが刈取り装置と操向
車輪と共に一体的に左右揺動することになる。この結
果、作業者は、座席に座したままの楽な作業姿勢でハン
ドル操作をして機体操向することができる。

しかも、機体は、刈取り装置が機体前半部で、エンジン
等の動力装置は機体後半部にそれぞれ設けられていて、
重量物が前後に分散配置された構成となって機体バラン
スが良好に保たれるうえ、前記操向作業に際しては、動
力装置が設けられる機体後半部を基準として、刈取り装
置が設けられる機体前半部をハンドル操作で操向すれば
良いことになって、エンジン等の動力装置が機体前半部
にない分、軽い操向作業ができることになって、作業者
の疲労を可及的に軽減し得る。そのうえ、操向車輪は、
エンジン等の操向装置に何ら邪魔されることなく機体前
半部の後部位置に配し得て、後車輪との間隔を可及的に
小さくすることができ、この結果、機体の回行半径が小
さくなって、刈取り条が複雑に曲がっているような場合
であっても機動性に富んだ刈取り作業を確実に行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る簡易乗用型のバインダ構造の実施
例を示したものであって、第１図はバインダの斜視図で
ある。 図中、Ａは機体前半部、Ｂは機体後半部、２は刈取り
部、４は操向車輪、５は主フレーム、１２はエンジンで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】茎桿を刈取って機外に放出する刈取り装置
   が設けられる機体前半部の後部が一体的に設けられる上
   下方向を向く主フレームの上部に操向ハンドルを設け、
   下部に操向車輪を軸支すると共に、該主フレームは、エ
   ンジン等の動力装置、座席および後車輪が設けられる機
   体後半部の前部に左右揺動自在に枢結せしめて構成され
   ていることを特徴とする簡易乗用型のバインダ構造。