JPH069140B2 - スパイラル形非水電解液電池 - Google Patents

スパイラル形非水電解液電池

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JPH069140B2
JPH069140B2 JP63139368A JP13936888A JPH069140B2 JP H069140 B2 JPH069140 B2 JP H069140B2 JP 63139368 A JP63139368 A JP 63139368A JP 13936888 A JP13936888 A JP 13936888A JP H069140 B2 JPH069140 B2 JP H069140B2
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浩平 山本
吉郎 原田
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、スパイラル形非水電解液電池に関し、特に
正極集電体の改良に関する。
《従来の技術》 スパイラル形非水電解液電池は、リチウムなどの軽金属
を活物質とする負極と金属酸化物,金属硫化物などを活
物質とする正極とをセパレータを介して巻回し、ケース
の内部に収装するとともに、有機電解液を充填した状態
で前記正負極に設けた集電体から突出するリード板をそ
れぞれ正負極端子部に接続した構造となっている。
前記正極集電体には、一般にステンレスのパンチングメ
タル,エキスパンドメタルなどが用いられ、前記負極集
電体には一般にエンボス加工を施したニッケル板が用い
られ、負極を内周として巻回された状態で負極集電体の
下部に突出する負極リード板をケースの底面にスポット
溶接する一方、正極集電体の上部に突出する正極リード
板を正極端子板にスポット溶接し、有機電解液を充填
後、封口ガスケットを介して正極端子板をケースの開口
部にカシメ付けて密封するようにしている。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、前記集電体に用いられるステンレス材料
では、一般に電気伝導性が低く、例えばSUS304に
代表されるオーステナイト系ステンレスは、銅の1/4
0程度の電気伝導性しかなく、また材料としては高価で
あり、重いなど電池の高率放電性能の向上、低コスト化
を図る上での障害となっていた。
また、この種のステンレス系集電体素材に替えて、チタ
ンも使用されているが、この場合には電気伝導性、重量
などの問題は改善されるものの、価格面では不利となっ
ていた。
ところで、この種のスパイラル形非水電解液電池では、
その構造に起因する問題、すなわち集電体とケースある
いは端子板との電気的接続を取る上で以下に説明する技
術的課題もあった。
すなわち、前述のごとくステンレス製の集電体の電気伝
導性は低いので、ケースおよび端子板に対する接続をよ
り確実なものとするためにスポット溶接を行なうことが
採用されていた。
例えば、負極集電体から突出する負極リード板をケース
の内底面にスポット溶接するためには、巻回中心に電極
棒を差し込み、先端をリード板に押し当てた状態でスポ
ット溶接を行うようにしている。
この工程では、リード板の内底部中心への位置決めが難
しく、中心にない場合は、溶接されず、加えて電極棒を
挿入する上で巻回群を破損するおそれがあり、また溶接
不良を正確に検出する手段が難しいなど、製造上の多く
の問題があり、歩留まり低下要因となっていた。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたもので、正極集
電体の素材としてアルミニウム合金を用いることで、電
気伝導性を大巾に向上させ、また正極集電体の最外周端
部をケースに接触させることで十分な電気的接続を長期
にわたって得られるようにしたスパイラル形非水電解液
電池を提供することを目的とするものである。
《課題を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この発明は、リチウムなどの
軽金属を活物質とする負極と金属酸化物、金属硫化物な
どを活物質とする正極とをセパレータを介して巻回し、
ケースの内部に収装するとともに、有機電解液を充填し
た状態で前記正負極に設けた集電体をそれぞれ正負極端
子部に接続してなるスパイラル形非水電解液電池におい
て: 前記正極集電体をアルミニウム合金で構成し、該集電体
の最外周端部を露出した状態で前記ケースの内周部に接
触させてケースに設けた正極端子部と電気的に接続した
ものである。
また前記アルミニウム合金は、アルミニウムにCu,M
g,Mn,Siの群より選ばれた少なくとも一種を0.
1〜15重量%添加したものを用いることができる。
《作用》 以上の構成によれば、アルミニウム合金の電気伝導性は
極めて高い。また集電体の最外周端部をケースの内筒部
に全面的に接触させて電気的接続を取るようにしている
ので、従来のケースに対するスポット溶接を省略でき
る。
接触状態は広い接触面積であり、しかも巻回群のばね効
果とともに、有機電解液をケース内部に充填することに
よってスパイラルが膨脹して拡がった状態でケースの内
筒部を圧するので、集電体とケース間は高い接触圧を維
持でき、十分な電気的接続状態を得られ、また長期に亘
る抵抗増加がない。
集電体として前述の組成のアルミニウム合金を用いるこ
とで耐食性、強度も十分に向上する。
《実施例》 以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図はこの発明にかかるスパイラル形リチウム電池を
示すもので、この電池は、リチウム負極1と二酸化マン
ガンを主剤とする正極2とをセパレータ3を介して積層
し、この積層体をリチウム負極1を内周側に位置させて
スパイラル状に巻回し、有底円筒形のケース4の内部に
収装するとともに、前記リチウム負極1に設けた集電体
(図示省略)から突出する負極リード板5を、端子板6
にスポット溶接し、正極2に設けた正極集電体7をケー
ス4側に接続した後、内部に有機電解液8を注入し、前
記端子板6を封口ガスケット9を介してケース4の開口
部にカシメ付け、内部を密封したものである。
前記正極2に用いる正極集電体7は板状,パンチングメ
タル,エキスパンドメタルなどに形成されたアルミニウ
ム合金からなる集電体素材からなるものであって、その
最外周端部の正極2を切除して正極集電体7の最外周端
部7aを露出させた状態とし、第2図に拡大して示すよ
うにこの露出した最外周端部7aをケース4の内筒部に
全面的に接触させ、ケース4に電気的に接続させてい
る。
したがって、この構造は従来とは逆にケース4の底面が
正極端子部4aとなり、端子板6側が負極端子部を構成
する。また負極リード板5を端子板6にスポット溶接し
た後有機電解液をケース4の内部に充填した状態では、
積層体のスパイラル形状が膨脹して径方向に拡がるた
め、巻回群のばね効果とともに、前記露出端部7aのケ
ース4の内筒部に対する接触圧を長期にわたって十分に
取ることができる。
なお、正極集電体7のアルミニウム合金は、アルミニウ
ムにCu、Mg、Mn、Siの群より選ばれた少なくと
も一種を0.1〜15重量%添加したものとすることが
望ましい。上記下限値0.1重量%を下回った場合には
効果が十分でなく、上記上限値15重量%を上回った場
合には伝導性の低下が無視できなくなり、アルミニウム
合金を集電体として用いた特徴を失ってしまう。
以上の構造において、前記正極集電体7の厚みは5〜5
00μmの範囲が望ましい。
この理由は、5μmを下回った場合には集電体としての
強度が不足し、巻回時に集電体切れが発生し、また厚み
が500μmを越えた場合には電池容量が不足し、また
集電体強度が大きくなり過ぎ、巻回不良を生ずる。
したがって、以上の範囲内の厚みとすることが望まし
い。
次に、スパイラル形リチウム電池の正極集電体としてア
ルミニウム合金を使用した場合とアルミニウム単体を使
用した場合の強度を比較するために振動試験を行い、そ
の結果を以下の表に示した。
なお、合金組成は以下のものを用いた。
アルミニウム合金:Al99−Mg0.5−Si0.
5wt%、厚さ10μm アルミニウム単体:厚さ10μm 試験条件:加速度3G、振幅20〜200Hz前後左右
上下方向各々3時間加振 上記試験で、異状のあった3ケを分解して調べたとこ
ろ、集電体が切れており、放電持続時間に著しく影響す
る。したがって、合金化することにより、強度が向上す
ることが確認された。
次に、合金化することによる電気伝導度の減少度合い、
およびそれに伴う内部抵抗の増加具合をアルミニウムに
Cuを添加した場合における添加量と電気伝導度および
内部抵抗の変化を測定したところ、第3図および第4図
のグラフに示す結果を得られた。
アルミニウム合金を用いた場合における電気伝導度は、
少なくとも30(m/Ωmm)以上あることが望まし
い。
したがって各図に示すようにCuの添加量の上限を15
重量%以下にすることによって、望ましい電気伝導度お
よび抵抗値を得ることができる。
なお、前記以外のその他の成分および添加割合に付いて
は明示しなかったが、望ましい電気伝導度、抵抗値の範
囲内であれば耐腐蝕性や強度向上などを目的とする種々
の組み合わせを提供できる。
また、前記実施例ではこの発明のリチウムを負極とする
電池に適用した場合を示したが、この発明はリチウム電
池だけではなく、軽金属を負極とするスパイラル形非水
電解液電池一般に適用することができることはいうまで
もない。
《発明の効果》 以上実施例によって詳細に説明したように、この発明に
よるスパイラル形非水電解液電池にあっては、以下の効
果がある。
アルミニウム合金の電気伝導性は極めて高く、また集電
体の最外周端部をケースの内筒部に全面的に接触させて
電気的接続を取るようにしているので、従来のケースに
対するスポット溶接を省略でき、組立工数の削減を図る
ことができる。
また、正極集電体とケースとは広い接触面積で接触し、
しかも巻回群のばね効果とともに、有機電解液をケース
内部に充填することによってスパイラルが膨脹して拡が
った状態でケースの内筒部を圧するので、集電体とケー
ス間は高い接触圧を維持でき、十分な電気的接続状態を
得られ、また長期に亘る抵抗増加がない。
集電体としてアルミニウム合金を用いることで耐食性、
強度も十分に向上するため長期貯蔵性に優れた電池を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るスパイラル形リチウム電池の断
面図、第2図は第1図のII−II線における要部拡大断面
図、第3図はアルミニウム合金中のCu含有量と電気伝
導度の関係を示すグラフ、第4図はアルミニウム合金中
のCu含有量と内部抵抗との関係を示すグラフである。 1…リチウム負極 2…正極 3…セパレータ 4…ケース 4a…正極端子部 5…負極リード板 6…端子板 7…正極集電体(アルミニウムないしその合金) 7a…最外周露出端部 8…有機電解液 9…封口ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北方 雅一 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−26462(JP,A) 特開 昭49−101824(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムなどの軽金属を活物質とする負極
    と金属酸化物、金属硫化物などを活物質とする正極とを
    セパレータを介して巻回し、ケースの内部に収装すると
    ともに、有機電解液を充填した状態で前記正負極に設け
    た集電体をそれぞれ正負極端子部に接続してなるスパイ
    ラル形非水電解液電池において、前記正極集電体をアル
    ミニウム合金で構成し、該集電体の最外周端部を露出し
    た状態で前記ケースの内周部に接触させてケースに設け
    た正極端子部と電気的に接続したことを特徴とするスパ
    イラル形非水電解液電池。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム合金は、アルミニウムに
    Cu、Mg、Mn、Siの群より選ばれた少なくとも一
    種を0.1〜15重量%添加したことを特徴とする請求
    項1記載のスパイラル形非水電解液電池。
JP63139368A 1988-06-08 1988-06-08 スパイラル形非水電解液電池 Expired - Lifetime JPH069140B2 (ja)

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JPH01311569A JPH01311569A (ja) 1989-12-15
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