JP2762599B2 - アルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池

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JP2762599B2 JP1216349A JP21634989A JP2762599B2 JP 2762599 B2 JP2762599 B2 JP 2762599B2 JP 1216349 A JP1216349 A JP 1216349A JP 21634989 A JP21634989 A JP 21634989A JP 2762599 B2 JP2762599 B2 JP 2762599B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池等のア
ルカリ蓄電池に関し、特にその集電体構造の改良によ
り、電池としての高率放電特性を改善するものである。
従来の技術 従来この種のアルカリ蓄電池は、第８図および第９図
に示されているように、セパレータ31を間に介在して渦
巻状に巻回された正極板32と負極板33とにより構成され
た電極体34を有している。該電極体はその正、負いずれ
か一方の極の端子を兼ねた外装缶35に収納されている。
該電極体の一端側には正極板の端縁部36のみが突出さ
れ、該電極体の他端側には負極板の端縁部37のみが突出
されている。正極板の端縁部36には上部集電体38が接続
されている。上部集電体は正極板の端縁部に一括溶接さ
れる円形集電部39と該円形集電部の直径より狭い幅で円
形集電部から延び出たリード部40とからなっている。リ
ード部の先端部は、外装缶35の蓋となり、かつ電池に構
成された際その正極端子となる封口板41にスポット溶接
されている。負極板の端縁部には下部集電体42が接続さ
れている。該下部集電体は負極板の端縁部37に一括溶接
される円形集電部43と該円形集電部の中央部に設けられ
た略舌片状のリード部44からなっている。リード部44は
該円形集電部43の中央部の位置で外装缶35の内底部にス
ポット溶接されている。
このような構成をもつアルカリ蓄電池の高率放電特性
は、電池の内部抵抗により大きく変化することが知られ
ている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、集電体を電極体の端縁にスポット溶接
するに際し、一般には電極体端縁と片面が接する集電体
の他面に対をなすスポット溶接電極を当てがい、集電体
を電流の出入口として、電極体端縁ならびに電極体へと
溶接電流を通電させいる。このようなアルカリ蓄電池に
おいて、集電部とリード部の厚みが等しい単一の集電体
では、全体の厚みを厚くして集電体の抵抗を低減させる
ことは、電極端縁に集電体を溶接する際に、集電体自身
を通じ流れる無効電流を増大させ、電極端縁と集電部と
の接点に流れる溶接電流の減少を招いて、接合局部の溶
接性を損なわせる。そのため、集電体の厚みは、溶接時
の無効電流を少なくする上から、薄くすることが好まし
い。しかしこの集電体の厚みを薄くすることは、電流が
集中するリード部の抵抗を高める結果となってリード部
の抵抗低減は難しく、集電体全体としての抵抗低減は達
成できないという課題があった。
本発明の目的は、接合局部の溶接性を損なわせること
なく、集電体自身の抵抗を低減させ、低内部抵抗で高率
放電特性に優れたアルカリ蓄電池を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 本発明のアルカリ蓄電池は、複数の集電体を用いるこ
とにより、あるいは電流が集中するリード部の厚みを集
電体の他の部分の厚みよりも厚くした集電体を用いるこ
とにより接合局部の溶接性を損なわせることなく、集電
体自体の抵抗を低減させ、アルカリ蓄電池の高率放電特
性を改良させることを要旨とするものである。また複数
の集電体を電極体端縁に直接溶接された第１集電体の集
電部の上に重なるよう第２、第３の集電部層を順次溶接
させて用いることは、接合局部の溶接性を損なわせるこ
となく、集電体自体の抵抗を低減させる上で特に役立
つ。また更に、複数の集電体の使用方法として、集電部
とリード部とを有する集電体に、集電部のみを有する集
電体やリード部のみを有する集電体を電気的に接続させ
て電流の集中する部位の抵抗を低減させて用いることも
接合局部の溶接性を損なわせることなく、集電体自体の
抵抗を低減させる上で有効である。
作用 このように複数の集電体あるいはリード部の厚い集電
体を用いることにより、集電体の電流が集中する部位の
抵抗低減が容易となり、集電体自体の抵抗を低減させ、
低内部抵抗で高率放電特性に優れたアルカリ蓄電池を提
供することができる。また複数の集電体は、電極体端縁
にまず第１集電体の集電部を溶接させ、次いで第２集電
体の集電部を第１集電体の集電部上に重なるよう溶接さ
せ、第３、第４の集電体を次々と下側の集電体の集電部
上に溶接したアルカリ蓄電池は、接合局部の溶接性を損
なわせることなく、集電体自体の抵抗を限り無く低減さ
せて、低内部抵抗で高率放電特性に優れたアルカリ蓄電
池を提供することができる。また更に、集電部とリード
部とを有する集電体に、集電部のみを有する集電体やリ
ード部のみを有する集電体を電気的に接続させて電流の
集中する部位の抵抗を低減させた集電体を用いてなるア
ルカリ蓄電池も、接合局部の溶接性を損なわせることな
く、集電体自体の抵抗を限り無く低減させて、低内部抵
抗で高率放電特性に優れたアルカリ蓄電池を提供するこ
とができる。
実施例 以下、実施例を図を参照して詳細に説明する。
実施例１ 第１図および第２図は、集電体を複数使用してなる本
発明のアルカリ蓄電池の第１実施例を示す図である。こ
の実施例では、上部集電体１、２のみが従来品を変更
し、他はすべて公称容量1.2Ahのニッケル−カドミウム
蓄電池である従来品と同一構成要素としている。正極板
３の電極体上方へ突出した端縁部４に一括して抵抗溶接
された集電部５、６と、この集電部から延び出たリード
部７、８とを有する従来と同じ0.15mmの厚みの２枚の上
部集電体１、２は各リード部７、８の先端部を外装缶９
の蓋となり、かつ電池の正極端子を兼ねた封口板10にそ
れぞれスポット溶接し、公称容量1.2Ahのニッケル−カ
ドミウム蓄電池を構成している。この本発明の電池をＡ
とした。このように２枚の集電体１、２の集電部５、６
から導出される電流は、それぞれの集電部５、６に連な
った２本のリード部７、８を通じて封口板へと流れる。
この本発明の電池Ａは、集電部およびリード部の通電電
流密度が半減して集電体の実質的な抵抗が減少し、従来
品電池にくらべ、内部抵抗がおよそ20％低いニッケル−
カドミウム蓄電池となった。
またこの第１実施例では、電極体の正極端縁を経て正
極の芯材を伝わる以外に電気的に導通のない集電部５と
６に対をなす溶接用電極をそれぞれ当接し、この両電極
間に溶接電流を通電させることによって、接合局部への
溶接電流の集中を可能となしうる、そこで本発明の電池
Ａの上部集電体よりも厚みの厚い0.20mmの集電体を用い
て上記と同様の方法で蓄電池を組み立て本発明の電池Ｂ
とした。この集電体の抵抗をＡよりもさらに減少させた
本発明の電池Ｂは、従来品電池にくらべ、内部抵抗がお
よそ25％低いニッケル−カドミウム蓄電池となった。本
実施例１では上部集電体を２枚使用した例を示したが、
さらに数多くの集電体の使用や複数の下部集電体の使用
も本発明の主旨を損なうものでない。
実施例２ 第３図は本発明の集電体を複数枚使用するアルカリ蓄
電池の第２実施例を示す図である。この実施例でも、上
部集電体11、12のみを改善し、その他の要素はすべて前
述の例通りとして公称容量1.2Ahのニッケル−カドミウ
ム蓄電池とした。２枚の上部集電体11、12のうち一枚11
は正極板の突出端縁部に一括して溶接される集電体13と
該集電部から切り起こして設けた上方に延び出たリード
部15を有している。他の一枚12は直接正極板の端縁部に
接する部位のみを、前記端縁部に溶接し、集電部13を介
して正極の端縁部に面する部位は集電部13に溶接してな
る集電部14と該集電部から延びるリード部16となし本発
明の電池Ｃとした。本発明の電池Ｃは、従来品電池にく
らべ、内部抵抗がおよそ30％低いニッケル−カドミウム
蓄電池となった。この第２実施例では上部集電体を２枚
使用した例を示したが、抵抗低減のためには、さらに数
多くの集電体を使用し、第１集電体の集電部に第２集電
体の集電部を溶接させ、第２の上には第３の集電体とい
う順に次々と集電部相互を溶接させることが望ましい。
また下部集電体を２枚以上用い、上記上部集電体同様と
することも本発明の主旨を損なうものではない。
実施例３ 第４図は本発明の集電体を複数使用してなるアルカリ
蓄電池の第３実施例を示す図である。この実施例でも、
上部集電体17、18のみを従来品より変更し、他はすべて
これまで通りとして、公称容量1.2Ahのニッケル−カド
ミウム蓄電池とした。第４図に示すように、集電部19と
リード部20からなる上部集電体17にリード部のみからな
る上部集電体18を集電部19に近接する部位21ならびに封
口板にスポット溶接されるリード部先端に近接する部位
22で予めスポット溶接により電気的に接続し、本発明の
電池Ｄとした。また第５図に示すように、本発明の電池
Ｄの集電体の集電部19に、集電部のみからなる上部集電
体23をスポット溶接により電気的に接続し、本発明の電
池Ｅとした。本発明の電池D,Eは、それぞれ従来品電池
にくらべ、内部抵抗がおよそ35％ならびに40％低いニッ
ケル−カドミウム蓄電池となった。またこの第３実施例
に加え、下部集電体を上記上部集電体同様とすることも
その主旨を損なうものではない。
実施例４ 第６図はリード部が集電部よりも厚く設けられた集電
体を使用した本発明のアルカリ蓄電池の第４実施例を示
す図である。この実施例でも、上部集電体24のみ従来品
より変更し、他はすべてこれまで通りとして公称容量1.
2Ahのニッケル−カドミウム蓄電池とした。この上部集
電体の厚みを、集電部25は0.15mmとし、リード部26は0.
50mmと集電部より厚くして、本発明の電池Ｆとした。本
発明の電池Ｆは従来品電池にくらべ、内部抵抗がおよそ
20％低いニッケル−カドミウム蓄電池となった。またこ
の第４実施例に加え、下部集電体を上記上部集電体を同
様とすること、さらに上記第1,第２、ならびに第３実施
例の少なくとも１つと組み合わせることもその主旨を損
なうものではない。
第７図は、上記本発明になるニッケル−カドミウム蓄
電池A,B,C,D,EならびにＦと従来品電池Ｇを、完全充電
した後、電流を20Aとし放電した時のそれぞれの放電電
圧を示した図である。本発明の電池A,B,C,D,Eならびに
Ｆは、その内部抵抗を低減させた結果、そのどれらもが
従来品電池Ｇにくらべ、放電電圧の高い高率放電特性に
優れたアルカリ蓄電池であることがわかる。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、集電体自身の電気抵
抗を低減させることにより、高率放電特性の良好なアル
カリ蓄電池、すなわち高率放電において、より高い放電
電圧が維持できるアルカリ蓄電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の第１実施例における電池の縦断面図、
第２図は同電池の上部集電体と電極体の関係を示す斜視
図、第３図は本発明の第２実施例おける電池の上部集電
体と電極体の関係を示す斜視図，第４図と第５図は本発
明の第３実施例における電池の上部集電体と電極体の関
係を示す斜視図，第６図は本発明の第４実施例における
電池上部集電体と電極体の関係を示す斜視図，第７図は
本発明の各電池と従来品電池の放電特性を示す図、第８
図、第９図は従来品電池の縦断面図ならびに上部集電体
と電極体の関係を示す斜視図である。 １、２…上部集電体、３…電極体の正極体、４…正極板
の端縁部、５、６…集電部、７、８…リード部、９…外
装缶、10…封口板。
フロントページの続き (72)発明者 星野 謙一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−74769（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−164181（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−70671（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−112768（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) H01M 2/22 H01M 2/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】正極板と負極板とが、セパレータを相互の
    間に介在させて渦巻状に巻回された電極体と、 この電極体を内部に収容し、正、負いずれか一方の極の
    端子を兼ねた外装缶と、 この外装缶の開口部に絶縁体ガスケットを介して装着さ
    れ他方の極の端子を兼ねる封口板と、 前記電極体のうち一方の極板の下部端縁と前記外装缶と
    の間を電気的に接続する下部集電体、および前記電極体
    の他方の極板の上部端縁と封口板との間を電気的に接続
    する上部集電体を備えた電池であり、 前記上部および下部両集電体のうち、少なくとも一方は
    複数の集電体から構成されていることを特徴とするアル
    カリ蓄電池。
  2. 【請求項２】請求項１において、複数の集電体は電極体
    の端縁に溶接される集電部と、外装缶あるいは封口板に
    溶接されるリード部とをそれぞれ有し、この複数の集電
    体のうち第１の集電体の集電部は電極体の一方の極板の
    端縁の一部に溶接され、かつそのリード部は前記外装缶
    あるいは封口板のいずれかに溶接されていて、 複数の集電体のうち第２の集電体以降の集電体の集電部
    は、前記一方の極板の端縁の残りの一部に溶接され、か
    つそのリード部は前記第１の集電体のリード部が溶接さ
    れた同じ外装缶あるいは封口板にそれぞれ溶接されてい
    るアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項３】請求項１において、複数の集電体は電極体
    の端縁に溶接される集電部と、外装缶あるいは封口板に
    溶接されるリード部とをそれぞれ有し、第１の集電体の
    集電部は電極体の一方の極板の端縁に溶接され、第２の
    集電体以降の集電体の集電部は前記第１の集電部上に順
    次溶接されるアルカリ蓄電池。
  4. 【請求項４】請求項１において、複数の集電体は電極体
    の一方の極板の端縁に溶接されるほぼ円板状集電部と、
    この集電部の一部を切り起こして設けられ外装缶あるい
    は封口板に溶接されるリード部とを有し、 第１の集電体の集電部は前記電極体の一方の極板の端縁
    に直接溶接されており、第２の集電体の集電部は前記電
    極体の一方の極板の露呈した残りの端縁と前記第１の集
    電体の集電部とにそれぞれ溶接され、かつその切り起こ
    して設けられたリード部は前記第１の集電体のリード部
    と対向しているアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項５】請求項１において、複数の集電体は、電極
    体の一方の極板の端縁に溶接される集電部と、外装缶あ
    るいは封口板に溶接されるリード部とを有した少なくと
    も１個の集電体と、 集電部のみからなる集電体と、リード部のみからなる集
    電体のうち少なくともどちらか一方とが溶接され、かつ
    電気的に接続されているアルカリ蓄電池。
  6. 【請求項６】請求項１において、複数の集電体は、電極
    体の一方の極板の端縁に溶接される集電部と、外装缶あ
    るいは封口板に溶接されるリード部とをそれぞれ有し、
    複数の集電体中１個の集電体のリード部は他の集電体の
    リード部よりも厚く形成されているアルカリ蓄電池。
  7. 【請求項７】正極板と負極板とが、セパレータを相互の
    間に介在させて渦巻状に巻回された電極体と、 この電極体を内部に収容し、正、負いずれか一方の極の
    端子を兼ねた外装缶と、 この外装缶の開口部に絶縁体ガスケットを介して装着さ
    れ他方の極の端子を兼ねた封口板と、 前記電極体のうち一方の極板の下部端縁と前記外装缶と
    の間を電気的に接続する下部集電体、および前記電極体
    の他方の極板の上部端縁と封口板との間を電気的に接続
    する上部集電体を備えた電池であり、 前記上部および下部両集電体にあって、少なくとも一方
    は集電部に比べてリード部が厚み的に厚く設けられてい
    るアルカリ蓄電池。
  8. 【請求項８】請求項７において、集電体のリード部に比
    べて厚み的に薄い集電部は、電極体の一方の極板の端縁
    との溶接に際し、集電部の表面を流れる溶接時の無効電
    流を少なくする厚さに保たれているアルカリ蓄電池。
JP1216349A 1989-08-23 1989-08-23 アルカリ蓄電池 Expired - Lifetime JP2762599B2 (ja)

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