JPH0690982A - 椅 子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 膝や足腰の弱った老人等の立上り動作を補助
して、立上がりにおける負担を軽減し得る椅子を提供す
る。 【構成】 背部１に立上り補助用座部２を昇降自在に取
付ける。背部１に、左右一対の主竪レール部材13，13
と、副竪レール部材14を設ける。座部２に、副竪レール
部材14に転動自在に係合して座部２の左右の傾きを防止
する第１ガイドローラ22…と、主竪レール部材13に転動
自在に係合して座部２の前後の傾きを防止する第２ガイ
ドローラ23…と、を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は立上り補助用椅子に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】膝や足腰の弱った老人、あるいは膝や足
の不自由な身体障害者等は、腰掛けた椅子から、特に、
座椅子のように座り込んだ姿勢から、自力でスムーズに
立上がることが困難で、立上がるにも非常に労力を要
し、体への負担が大きかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、上述の
ような老人等の立上り動作を補助するに適した椅子がな
かった。

【０００４】そのため、本発明は、座椅子として使用で
き、膝や足腰の弱った老人等の立上り動作を補助して、
立上がりにおける負担を軽減し得る椅子を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、背部に立上り補助用座部を昇降自在に取付け、さら
に、該背部に、左右一対の主竪レール部材と、副竪レー
ル部材を設けると共に、上記座部に、該副竪レール部材
に転動自在に係合して該座部の左右の傾きを防止する第
１ガイドローラと、該主竪レール部材に転動自在に係合
して該座部の前後の傾きを防止する第２ガイドローラ
と、を設けたものである。

【０００６】

【作用】本発明の椅子によれば、座部の高さを床等に接
地乃至近接させた状態にして座椅子として使用でき、座
部をモータ等の動力により上昇させれば、座り込んだ姿
勢から中腰乃至起立姿勢となるまでの立上り動作を補助
することができる。

【０００７】座部は、主・副竪レール部材及び第１・第
２ガイドローラにて、前後左右の傾きが防止されるの
で、座部に、偏荷重が掛かってもスムースな昇降が可能
である。

【０００８】

【実施例】以下実施例を示す図面に基づいて本発明を詳
説する。

【０００９】図１は、本発明に係る椅子の一実施例を示
し、この椅子は、床等に載置される背部１と、背部１に
昇降自在に取付けられた立上り補助用座部２と、を備え
ている。

【００１０】３は肘掛けで、この肘掛け３、座部２及び
背部１の所定部位には、図２において、仮想線で示すよ
うなクッションやケーシング等のカバー部材４…が装着
される。

【００１１】しかして、図１，図２及び図３に示すよう
に、背部１は、床等に載置される矩形状の支持部材５
と、支持部材５に立設され上部が後方に傾斜するコの字
状基枠６と、を備えている。

【００１２】支持部材５は、支持プレート７の左右に角
柱状支脚部８，８を固着してなり、各支脚部８には、丸
棒状の床載置部材９が着脱自在に取付けられ、支脚部８
前端より所定長さ分が前方へ突出する。

【００１３】また、支持部材５後部の左右には、左右方
向の水平軸心廻りに回転自在な移動用ローラ10，10が取
付けされる。このローラ10，10を支点として、背部１を
後方へ傾斜させて、支持部材５及び床載置部材９，９を
床等から浮かし、椅子全体を容易に移動させることがで
きる。

【００１４】基枠６は、水平状の上枠部11と、この上枠
部11と支持部材５を連結する左右一対の竪枠部12，12
と、からなる。

【００１５】各竪枠部12には、チャンネル型の直線状主
竪レール部材13が固着される。さらに、基枠６の上枠部
11と、支持部材５の支持プレート７には、中空角パイプ
製等の直線状副竪レール部材14の上下端部が、夫々固着
され、副竪レール部材14は、左右の主竪レール部材13，
13の間（略中間部）に平行に配置される。

【００１６】一方、座部２は、金属板材等からなるフレ
ーム15と、左右一対のＬ字状側枠部16，16を前後一対の
水平杆17，17で連結してなるシート18と、を有してい
る。

【００１７】フレーム15は、Ｔ字型のフレーム本体部19
と、フレーム本体部19と直交状の左右の側板部20，20
と、からなる。

【００１８】側板部20，20の下部には、リベットやボル
トナット等の枢着具により、シート18の側枠部16，16が
連結され、シート18が、左右方向の軸心Ａ，Ａ廻りに揺
動自在となる。

【００１９】この各側板部20の下端部には、シート18が
水平状となった時に側枠部16と係合してシート18の下方
への揺動を規制するストッパ片21が突設されており、シ
ート18は、（図２の矢符号Ｅの如く）水平状の位置から
上方のみへ揺動可能となり、基枠６と平行状に折畳みで
きる。

【００２０】また、各側板部20の上下略中間部には、肘
掛け３が、左右方向の軸心Ｂ廻りに揺動自在に取付けさ
れ、シート18と同様にして図示省略のストッパ片等に
て、（図２の矢符号Ｆの如く）水平状の位置から上方の
みへ揺動可能に構成され、基枠６と平行状に折畳みでき
る。

【００２１】フレーム本体部19には、図３と図４に示す
ように、前後方向の軸心Ｃ廻りに回転自在な複数（図例
では４個）の第１ガイドローラ22…が設けられ、この第
１ガイドローラ22…が、副竪レール部材14に転動自在に
係合する。

【００２２】第１ガイドローラ22…は、フレーム本体部
19の前面に、副竪レール部材14を左右から挟むようにし
て配設され、第１ガイドローラ22…の外周面が、副竪レ
ール部材14の左右側面を転動する。

【００２３】側板部20の外面には、左右方向の軸心Ｄ廻
りに回転自在な複数（一つの側板部20に対して上下一
対）の第２ガイドローラ23…が設けられ、第２ガイドロ
ーラ23…が、主竪レール部材13に転動自在に係合する。

【００２４】主竪レール部材13，13の開口部は左右内方
に面しており、主竪レール部材13の前後壁部24ａ，24ｂ
内面に沿って形成された浅凹溝部25ａ，25ｂを、第２ガ
イドローラ23…の外周面が転動する。

【００２５】従って、座部２は、主・副竪レール部材1
3，13，14に沿って昇降可能となり、座部２の左右の傾
き（振れ）が第１ガイドローラ22…で規制されると共
に、座部２の前後の傾き（振れ）が第２ガイドローラ23
…で規制される。

【００２６】フレーム本体部19の後面には、図４と図５
に示すように、Ｌ型の取付片26が固着され、この取付片
26に、上下保持片27，28と、上下保持片27，28に挟持状
に保持されたナット部材29と、がボルト30等にて取付け
られる。42は、上下保持片27，28の上下間隔を設定する
ためのスペーサである。

【００２７】上下保持片27，28の受け面31，32は凹球面
に形成されると共に、ナット部材29の保持面33，33は凸
球面に形成され、この受け面31，32に保持面33，33が摺
接する。

【００２８】ナット部材29は突起部34を有し、この突起
部34が下保持片28の一端部に、所定の遊び量をもって係
合連結され、ナット部材29は、上下保持片27，28に、上
下左右に所定角度だけ回動自在に保持される。

【００２９】ナット部材29には、副竪レール部材14と平
行なスクリューシャフト35が螺合する。スクリューシャ
フト35の上端部は、基枠６の上枠部11に、枢着片36を介
して枢着され（図２参照）、スクリューシャフト35の下
端部は、支持部材５に、枢着部材37を介して枢着され、
スクリューシャフト35は、軸心廻りに回転自在となる。

【００３０】また、スクリューシャフト35の下端部と、
支持部材５に取付けられたモータ38の出力軸には、夫
々、スプロケットやタイミングプーリや平滑プーリ等の
回転輪39，40が取付けられる。

【００３１】この回転輪39，40に噛合又は懸架するチェ
ーンやタイミングベルトやＶベルト等のエンドレス状動
力伝達部材41を介して、モータ38の回転がスクリューシ
ャフト35に伝達される。なお、モータ38の正逆回転駆動
は、図示省略のリモコン操作等にて行われる。

【００３２】スクリューシャフト35が回転すると、ナッ
ト部材29が螺進退し、座部２が主・副竪レール部材13，
13，14に沿って昇降する。

【００３３】このとき、スクリューシャフト35の軸心に
倒れがあっても、ナット部材29が、螺進退しつつ、スク
リューシャフト35の軸心と一致するように傾動して自動
調芯が行われる。従って、座部２の昇降時に異音や振動
が生じることがなく、スクリューシャフト35やナット部
材29等の損傷や損壊の虞がない。また、各部品の製作及
び組立に高精度を必要としない。

【００３４】また、座部２は、主・副竪レール部材13，
13，14及び第１・第２ガイドローラ22…，23…にて、前
後左右の傾きが防止されるので、座部２に、偏荷重が掛
かっても（例えば端の方に座っていても）、スムースな
昇降が可能である。

【００３５】しかも、座部２は、スクリューシャフト35
とナット部材29によって昇降させる構造であるので、モ
ータ38の回転が停止しても、座部２が自走下降せず、任
意高さで確実に停止させることができる。

【００３６】本発明の椅子は、座部２のシート18を、水
平状に展開させ、床等に接地乃至近接させた状態にして
座椅子として使用でき、モータ38の動力により座部２を
上昇させて、座り込んだ姿勢から中腰乃至起立姿勢とな
るまでの立上り動作を補助することができる。

【００３７】なお、図示省略するが、ガススプリングや
機械的弾発部材にて座部２を下方より補助的に支持する
も望ましく、そのようにすればモータ38を小型化できる
利点がある。

【００３８】また、座部２を昇降させるために、図６に
示す如く、背部１の上枠部11に枢支具47を介して回転自
在にスプロケット45を枢支し、両端が座部２のフレーム
本体部19に固着されたチェーンベルト44を、スプロケッ
ト45と、モータ43の出力軸に取付けたスプロケット46に
懸架させた構成とするも自由である。

【００３９】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載するような著大な効果を奏する。

【００４０】座部２をモータ等の動力にて上昇させるこ
とにより、座り込んだ姿勢から中腰乃至起立姿勢となる
までの立上り動作を補助できる。従って、膝や足腰の弱
った老人、あるいは膝や足の不自由な身体障害者等で
も、一人でスムーズに立上がることができ、体に負担が
かからない。

【００４１】座部２は、主・副竪レール部材13，13，14
及び第１・第２ガイドローラ22…，23…にて、前後左右
の傾きを防止できるので、座部２に、偏荷重が掛かって
も（例えば、端の方に座っていても）、スムースな昇降
が可能である。

【００４２】また、構造が簡単で、各部品の製作及び組
立に高精度を必要としないので安価製作が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】側面図である。

【図３】正面図である。

【図４】要部平面図である。

【図５】要部側面断面図である。

【図６】変形例を後方から見た斜視図である。

【符号の説明】

１ 背部 ２ 座部 13 主竪レール部材 14 副竪レール部材 22 第１ガイドローラ 23 第２ガイドローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 背部１に立上り補助用座部２を昇降自在
   に取付け、さらに、該背部１に、左右一対の主竪レール
   部材13，13と、副竪レール部材14を設けると共に、上記
   座部２に、該副竪レール部材14に転動自在に係合して該
   座部２の左右の傾きを防止する第１ガイドローラ22と、
   該主竪レール部材13に転動自在に係合して該座部２の前
   後の傾きを防止する第２ガイドローラ23と、を設けたこ
   とを特徴とする椅子。