JPH0690239A - 通信制御装置およびこれを用いた光通信システム - Google Patents

通信制御装置およびこれを用いた光通信システム

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JPH0690239A
JPH0690239A JP4239765A JP23976592A JPH0690239A JP H0690239 A JPH0690239 A JP H0690239A JP 4239765 A JP4239765 A JP 4239765A JP 23976592 A JP23976592 A JP 23976592A JP H0690239 A JPH0690239 A JP H0690239A
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隆元 米村
Takanori Sawai
孝典 沢井
Koji Kishimoto
光司 岸本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】光ファイバ1を伝搬する光信号は、光受信機7
で電気信号に変換され、さらに復調器9で復調されて受
信バッファ12に書き込まれる。送信データには送信デ
ータ長が含まれており、この送信データ長に基づいてデ
ータの終了が検知される。光信号衝突検出部10は、デ
ータの終了が検知された後の所定の監視期間において、
光受信機7の出力を監視する。この監視期間中に何らか
の電気信号が光受信機7から出力されたときは、衝突が
生じたものとして、衝突検出信号がライン32に導出さ
れる。 【効果】簡単で、かつ、安価な構成により、光ファイバ
1における光信号の衝突を確実に検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、端末装置にそれぞれ接
続された複数の通信制御装置を共通の光伝送路に接続し
て構成される光通信システムに用いられる上記通信制御
装置およびこれを用いた光通信システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】たとえば、FA−LAN(Factory Auto
mation - Local Area Network )などでは、従来から光
通信システムが採用されているが、光信号の衝突検知が
容易でないために、通常はポイント・ツー・ポイントの
リング型のネットワークが採用されている。
【0003】このような光通信システムにおいて、共通
の光伝送路を介してデータの多重伝送を実現する方法の
1つに、波長分割による方法がある。すなわち、複数の
通信制御装置に異なる波長の光信号が割り当てられ、各
通信制御装置は自己に割り当てられた波長の光信号のみ
が受信可能であるように構成される。また、各通信制御
装置は、光伝送路に接続された他の複数の通信制御装置
に割り当てられた波長の光信号を切り換えて送信するこ
とができるように構成される。
【0004】或る通信制御装置から他の通信制御装置へ
の光信号の伝送が行われるときには、送信元の通信制御
装置は送信先の通信制御装置に割り当てられた波長の光
信号を光伝送路に送出する。したがって、光伝送路に送
出された光信号は、送信先の通信制御装置のみにおいて
受信可能である。光伝送路中を複数の波長の光信号が伝
搬しても、各波長の光は、当該波長が割り当てられた通
信制御装置において選択的に受信される。このため、共
通の光伝送路を用いた多重伝送が実現される。
【0005】ところが、或る通信制御装置に対して同時
に2つ以上の通信制御装置から光信号が送信されると、
信号の衝突が生じる。すなわち、同一波長の光信号が異
なる通信制御装置から同時に光伝送路に送出されると、
当該波長が割り当てられた送信先の通信制御装置では、
いずれか1つの通信制御装置のみからの信号を抽出する
ことができない。したがって、送信先の通信制御装置で
は、2つ以上の送信元の通信制御装置からの混合された
信号が受信される。このため、信号の衝突が生じると、
送信先の端末装置にデータを伝送することができない。
【0006】そこで、従来から、光伝送路における上記
のような光信号の衝突を検知し、衝突が検知されたとき
には、送信元の通信制御装置から信号を再送させる技術
が採用されている。光信号の衝突を検出するための1つ
の先行技術は、たとえば、特開平3−201838号公
報に開示されている。この先行技術では、送信元の通信
制御装置では、光信号の送信に先立ち、光伝送路を伝搬
中の光信号群と、送信先の通信制御装置に対応した波長
λk の光信号とが合波器に入力される。この合波器の出
力信号中には、光伝送路を伝搬中の光信号と送信元の通
信制御装置が発生した波長λ k の光信号とのビート成分
が含まれている。
【0007】もしも、光伝送路中を波長λk の光が伝搬
しているとすれば、合波器の出力信号の周波数スペクト
ラムにおいて、低周波域にピークが形成される。したが
って、上記周波数スペクトラムの低周波域におけるピー
クの有無を調べることにより、光信号の衝突の可能性が
検出できる。したがって、衝突の可能性があるときに
は、光信号の送出を見合わせることにより、光信号の衝
突を回避できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成では、合波器や上記のビート成分の有無を検出
するための複雑な構成の検出器などが必要となる。した
がって、通信制御装置の構成が複雑になり、コスト高と
なるという問題があった。この問題を解決するために、
光電変換後の信号パターンを監視することが考えられ
る。さらに詳細に説明すると、各通信制御装置は、光信
号を電気信号に変換し、さらにこの電気信号を所定の閾
値レベルで二値化してパルス信号を作成する光受信機を
備えている。信号の衝突が生じていないときには、光受
信機の出力信号は、所定のパターンになる。これに対し
て、信号の衝突が生じると、2つ以上の通信制御装置か
らの光信号が重畳された結果、信号パターンが乱れる。
したがって、光受信機の出力信号の信号パターンを監視
することによって、光伝送路において光信号の衝突が起
こっているか否かを検出することができるはずである。
【0009】ところで、光受信機には、通常、送信元の
通信制御装置毎の光強度のばらつきに対応する目的でA
TC(Automatic Threshold Control )回路が用いられ
ている。すなわち、光受信機で受信される光信号の強度
には、光伝送路との結合状態のばらつきなどに起因し
て、送信元の通信制御装置毎にばらつきがある。このた
め、二値化のための閾値を固定化すると、受信が不良に
なるおそれがある。そこで、ATC回路を設けて光信号
の強度に対応した閾値を自動的に設定し、これにより光
信号強度のばらつきによらずに安定した受信を達成しよ
うとしているのである。
【0010】ところがこのATC回路の存在のために、
上記の信号パターンの監視により光信号の衝突を検出す
る提案技術では、たとえば、高強度の光信号と低強度の
光信号とが同時に光伝送路に送出された場合に問題が生
じる。すなわち、このような場合には、ATC回路は高
強度の光に対応した閾値を設定する。このため、低強度
の光信号を変換して得られた電気信号の振幅が設定され
た閾値未満であるときには、低強度の光信号は全く無視
されてしまう。このため、光信号の衝突を検出すること
ができない。この結果、低強度の光信号を送出した通信
制御装置において、通信が達成されたものと誤認される
おそれがある。
【0011】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、光伝送路における光信号の衝突を簡単な構
成で確実に検出することができる通信制御装置を提供す
ることである。また、本発明の他の目的は、光伝送路に
おける光信号の衝突を簡単な構成で確実に検出すること
ができ、したがって、通信の確実性を高めることができ
る光通信システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の通信制御装置は、複数の通信制御装
置が共通の光伝送路に接続される光通信システムに適用
される上記通信制御装置であって、送信データ長を含む
送信データを光信号に変換して上記光伝送路に送出する
送信手段と、上記光伝送路を介して伝送された光信号を
受信して上記送信データを復元する受信手段と、この受
信手段で受信されたデータ中の上記送信データ長に基づ
き、上記受信手段において時系列に従って受信されるデ
ータ長を監視し、受信データ長が上記送信データ長に対
応する値になったときにデータ終了信号を出力するデー
タ長監視手段と、このデータ長監視手段が上記データ終
了信号を出力した直後の所定の監視期間において上記光
伝送路を伝搬する光信号の有無を監視し、上記所定の監
視期間内に上記光伝送路における光信号の伝搬が検出さ
れたときに衝突検出信号を出力する衝突検出手段とを含
むことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の通信制御装置は、上記衝突
検出信号に応答して上記光伝送路にデータの再送を要求
するための再送要求信号を送出する手段と、上記送信手
段がデータを送信した直後に上記再送要求信号が受信さ
れたときに、送信データに対応する光信号を再び光伝送
路に送出する再送手段とをさらに含むことを特徴とす
る。
【0014】請求項3記載の光通信システムは、複数の
通信制御装置が共通の光伝送路に接続される光通信シス
テムであって、各通信制御装置は、送信データ長を含む
送信データを光信号に変換して上記光伝送路に送出する
送信手段と、上記光伝送路を介して伝送された光信号を
受信して上記送信データを復元する受信手段と、この受
信手段で受信されたデータ中の上記送信データ長に基づ
き、上記受信手段において時系列に従って受信されるデ
ータ長を監視し、受信データ長が上記送信データ長に対
応する値になったときにデータ終了信号を出力するデー
タ長監視手段と、このデータ長監視手段が上記データ終
了信号を出力した直後の所定の監視期間において上記光
伝送路を伝搬する光信号の有無を監視し、上記所定の監
視期間内に上記光伝送路における光信号の伝搬が検出さ
れたときに衝突検出信号を出力する衝突検出手段とを含
むことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の光通信システムは、上記通
信制御装置は、上記衝突検出信号に応答して上記光伝送
路にデータの再送を要求するための再送要求信号を送出
する手段と、上記送信手段がデータを送信した直後に上
記再送要求信号が受信されたときに、送信データに対応
する光信号を再び光伝送路に送出する再送手段とをさら
に含むものであることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の光通信システムは、上記光
伝送路に共通に接続された複数の通信制御装置は、相互
に異なるデータ長の送信データに対応する光信号を光伝
送路に送出するものであることを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1および請求項3記載の構成によれば、
送信手段からの送信データ長を含む送信データを表す光
信号が光伝送路に送出される。そして、受信手段で受信
された送信データ中の送信データ長に基づき、受信デー
タ長が監視される。受信データ長が上記送信データ長に
対応する値となると、データ長監視手段からデータ終了
信号が出力され、その直後の所定期間が監視期間とな
る。
【0018】この監視期間には、衝突検出手段により、
光伝送路中を伝搬する光信号の有無が監視される。そし
て、監視期間中にいずれかの光信号が光伝送路中を伝搬
すると、上記衝突検出手段は、衝突検出信号を出力す
る。すなわち、光伝送路に接続された一の通信制御装置
からのデータの伝送が終了してもなお光信号が伝搬して
いるときには、この光信号は当該一の通信制御装置から
の光信号の伝送が行われている期間に他の通信制御装置
が送出を開始した信号である。すなわち、光信号の衝突
が生じた場合であると言える。
【0019】そこで、上記の監視期間における光信号の
有無を監視すれば、光信号の衝突を検出することができ
る。請求項2および請求項4記載の構成によれば、衝突
検出手段が衝突検出信号を出力すると、これに応答して
再送要求信号が光伝送路に送出される。そして、データ
を送信し終わった直後の通信制御装置に備えられた再送
手段は、送信データに対応する光信号を再び光伝送路に
送出する。これにより、データの再送を確実に行えるの
で、所望のデータ通信を確実に達成することができる。
【0020】請求項5記載の構成によれば、複数の通信
制御装置が相互に異なるデータ長の送信データに対応す
る光信号を光伝送路に送出するため、2つ以上の通信制
御装置が同時に送信を開始しても、いずれかの通信制御
装置の送信が先に終了する。このため、先に終了した送
信に対応した監視期間には、光伝送路内に光信号を存在
させることができる。これにより、信号の衝突を確実に
検出できる。
【0021】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図2は本発明の一実施例の光通
信システムの構成を示すブロック図である。この光通信
システムは、車両30に搭載された複数の電子制御ユニ
ット6a,6b,6c,6d(以下、総称するときには
「電子制御ユニット6」という。)の間におけるデータ
通信のために用いられる。電子制御ユニット6は、たと
えば、電子式燃料噴射量制御装置(EFI:Electric F
uel Injection )、アンチロックブレーキシステム(A
BS:Anti-lock Breaking System )およびサスコント
ローラなどの制御部をなすものである。
【0022】端末装置としての電子制御ユニット6に
は、それぞれ通信制御装置5a,5b,5c,5d(以
下、総称するときには「通信制御装置5」という。)が
接続されている。この複数個の通信制御装置5は、光伝
送路をなす一本の光ファイバ1に、光ファイバ4を介し
て共通に接続されている。複数の通信制御装置5は、等
しい波長の光信号を光ファイバ4に送出して、光通信を
行う。
【0023】図1は通信制御装置5の構成を示すブロッ
ク図である。この通信制御装置5は、光ファイバ1から
光分岐器2で光ファイバ4に分岐された光信号を受信す
る光受信機7と、光結合器3により光ファイバ1に結合
されたもう1本の光ファイバ4に光信号を送出する光送
信機8とを有している。送信すべきデータは、電子制御
ユニット6から送信部13に与えられる。この送信部1
3は、与えられたデータに所定の変調を施し、この変調
信号を光送信機8に与える。この光送信機8は、フォト
ダイオードなどの発光素子を備えている。この発光素子
が上記変調信号により駆動され、これにより光ファイバ
4に光信号が送出される。上記送信部13および光送信
機8などにより送信手段が構成されている。
【0024】送信データはまた、ライン31から再送部
14にも与えられて保持される。この再送部14は、後
述するように、データの送信が達成されたかったとき
に、光送信機8に発光素子駆動用の変調信号を与えて、
同じデータに対応する光信号を再び光ファイバ4に送出
させるためのものである。データの送信が達成されたと
きには、ライン31には、送信終了信号が導出され、こ
の送信終了信号に応答して、再送部14はその保持デー
タをクリアする。
【0025】光送信機8にはまた、当該通信制御装置5
における光信号の受信に不具合が生じたときに、信号の
再送を要求するための再送要求信号であるNACK信号
を光ファイバ4に送出させるためのNACK信号送信部
15が接続されている。NACK信号は、たとえば、通
常のデータの送信時の光信号に比較して充分に高強度の
高出力光パルスである。
【0026】図3は、送信フレームの構成を示す図であ
る。光送信機8から時系列に従って光ファイバ4に送出
される送信フレームは、先頭に、開始信号SOMを有し
ている。この開始信号SOMに引き続いて送信先の通信
制御装置5に付与されたアドレスが送信され、さらに、
送信元の通信制御装置5に付与されたアドレスが送信さ
れる。これに引続き、送信されるデータのデータ長LD
が送信され、続いてデータが送信される。そして、最後
に誤り訂正のためのチェック符号CRC (Cyclic Redun
dancy Check : 巡回冗長性検査)および終了信号EOM
が送信される。
【0027】次に、再び図1を参照して光信号の受信の
ための構成について説明する。光受信機7に与えられた
光信号は、この光受信機7で電気信号に変換され、さら
にこの電気信号が所定の閾値レベルで二値化される。こ
の光受信機7にはたとえばATC(Automatic Threshol
d Control )回路が内蔵されており、これにより、送信
元の通信制御装置5毎の光信号の強度のばらつきに対応
可能な構成となっている。
【0028】光受信機7からの信号は復調器9に入力さ
れ、元のデータに復元される。このように光受信機7お
よび復調器9などにより受信手段が構成されている。復
調器9は、送信フレーム中に含まれる送信先アドレスを
参照し、この送信先アドレスが当該通信制御装置5に付
与されたアドレスに等しいか否かを判別する。そして、
送信先アドレスが自局のアドレスであれば、復調したデ
ータを順次受信バッファ12に書き込む。また、送信先
アドレスが他局のアドレスであるときには、復調動作は
行うが、受信バッファ12へのデータの書込を行わな
い。受信バッファ12の保持データは、所定のタイミン
グで電子制御ユニット6に転送される。
【0029】復調器9はまた、送信先アドレスおよび送
信元アドレスのいずれかが自局のアドレスであるとき
に、光信号衝突検出部10に上記のデータ長やその他の
制御信号を与える。この光信号衝突検出部10は、光受
信機7からの直接の信号を参照して、後述する構成によ
り、光ファイバ1における光信号の衝突を検出する。復
調器9における上記の動作により、本実施例の光通信シ
ステムでは、送信元の通信制御装置5と送信先の通信制
御装置5とにおいてそれぞれ光信号の衝突の検出が行わ
れることになる。
【0030】光信号衝突検出部10は、光ファイバ1に
おける光信号の衝突を検出すると、ライン32に衝突検
出信号を導出する。ライン32からの信号に応答してN
ACK信号送信部15が動作し、光ファイバ1にNAC
K信号が送出される。これにより、送信元の通信制御装
置5に光信号の衝突が生じており、したがってデータの
再送が必要であることが通知される。また、ライン32
に導出された衝突検出信号に応答して、受信バッファ1
2の記憶内容がクリアされる。これにより、光信号の衝
突により破壊されたデータが電子制御ユニット6に転送
されることが防止される。
【0031】復調器9ではさらに、上記のチェック符号
CRCを参照して、復調エラーが検出される。そして、
復調エラーが生じたときには、直ちにライン34にエラ
ー検出信号を導出する。これにより、NACK信号送信
部15が動作するとともに、受信バッファ12の保持デ
ータが廃却される。また、再送部14は、保持データを
再送すべく動作する。
【0032】一方、光ファイバ1に送出されたNACK
信号は、光受信機7を介して、NACK信号受信部11
で受信される。このNACK受信部11は、NACK信
号の受信に応答して、ライン35に所定の検出信号を出
力する。この検出信号に応答して、再送部14は、保持
データを再び光ファイバ1に送出すべく動作する。再送
部14がデータを保持していない場合には、この再送部
14が再送動作を行うことはない。すなわち、光ファイ
バ1にデータを送出した直後の通信制御装置5が備える
再送部14のみが再送動作を行う。
【0033】この構成により、送信元の通信制御装置5
では、復調器9で送信元のアドレスが自局のアドレスと
等しいことが検出されたことに基づき、光信号衝突検出
部10が動作する。これにより、光ファイバ1における
光信号の衝突の有無が検出される。光信号の衝突が検出
されると、NACK信号送信部15が動作して、光ファ
イバ1にNACK信号が送出される。このNACK信号
は、当該送信元の通信制御装置5のNACK信号受信部
11で受信され、その検出信号がライン35から再送部
14に与えられる。当該送信元の通信制御装置5の再送
部14は送信データを保持しているから、光ファイバ1
には先に送出されたデータに対応する光信号が再び送出
されることになる。ただし、この再送動作は、各通信制
御装置5毎に固有に設定されたタイミングで行われる。
【0034】当該送信元の通信制御装置5ではまた、復
調器9において復調エラーの監視が行われ、復調エラー
が生じたときには上記の光信号の衝突が生じたときと同
様な動作が行われる。さらに、送信元の通信制御装置5
では、図外のデータ照合部において、復調器9で復調さ
れたデータと再送部14に保持されているデータとの照
合が行われる。そして、2つのデータに食い違いがある
ときには、他の通信制御装置5が同時にデータの送信を
行ったものとして、データ照合部はNACK信号送信部
15を動作させるとともにデータ送信を停止させる。
【0035】なお、送信部13は光ファイバ1に他の通
信制御装置5が送出した光信号が既に伝搬中であるとき
には、送信動作を行わない。したがって、光信号の衝突
は、2つ以上の通信制御装置5が同時にデータの送信を
開始したときにのみ生じることになる。光ファイバ1に
おける光信号の有無は、たとえば図外の構成により光受
信機7の出力を監視することによって検知できる。
【0036】一方、送信先の通信制御装置5では、復調
器9において、送信フレーム中に含まれる送信先アドレ
スが自局のアドレスと等しいものと判別され、光信号衝
突検出部10が動作するとともに、復調されたデータが
順次受信バッファ12に書き込まれていく。受信期間中
において光信号の衝突または復調エラーが検出される
と、NACK信号送信部15が動作し、光ファイバ1に
NACK信号が送出されることになる。このNACK信
号は、当該送信先の通信制御装置5のNACK信号受信
部11でも受信され、その検出信号が再送部14に与え
られる。しかし、このとき、当該送信先の通信制御装置
5の再送部14には送信データは保持されていないか
ら、この再送部14が再送動作を行うことはない。
【0037】送信元および送信先のいずれでもない通信
制御装置5では、復調器9において、送信元アドレスお
よび送信先アドレスのいずれもが自局のアドレスとは等
しくないことが検出される。その結果、光信号の衝突の
検出も、復調エラーの検出も行われない。もしも、この
通信に関与しない通信制御装置5のNACK信号受信部
11でNACK信号が受信されると、このことを表す検
出信号が再送部14に与えられる。しかし、このときに
は再送部14には何らのデータも保持されていないの
で、この再送部14が再送動作を行うことはない。
【0038】図4は光信号衝突検出部10の内部構成を
示すブロック図である。光信号衝突検出部10には、デ
ータ長を計数するデータ長監視手段であるデータ長カウ
ンタ16が備えられている。このデータ長カウンタ16
には、復調器9からライン41を介して上記のデータ長
LDがセットされ、またライン42を介して動作クロッ
クが与えられる。この動作クロックは、復調器9におい
て単位データの復調が行われるたびごとに生成される。
このため、データ長カウンタ16では、時系列に従って
受信されるデータの長さが計測されることになる。
【0039】データ長カウンタ16は、動作クロックに
基づいて計数動作を行い、計数値が上記のデータ長LD
に達するとライン43にデータ終了信号を導出する。こ
のデータ終了信号は、衝突検出部17に与えられる。こ
の衝突検出部17には、光受信機7からの直接の電気信
号がライン44を介して与えられている。この衝突検出
部17は、データ終了信号が与えられた後の所定時間
(たとえば10μ秒間)の監視期間TMに渡ってライン
44からの信号を監視する。そして、この監視期間TM
に何らかの電気信号がライン44に導出されたときに、
衝突検出信号をライン32に導出する。すなわち、衝突
検出部17は、監視期間TM中に光ファイバ1を何らか
の光信号が伝搬したことに応答して、衝突検出信号を出
力する。
【0040】図5および図6は光信号衝突検出部10の
動作を具体的に説明するためのタイミングチャートであ
る。図5は光信号の衝突が生じない場合を示し、図6は
光信号の衝突が生じた場合を示している。なお、次の説
明では、図1の通信制御装置5aから通信制御装置5c
への光信号の送信が行われ、この送信と相前後して通信
制御装置5bから通信制御装置5dへの光信号の送信が
行われる場合を想定する。
【0041】先ず図5を参照して、光信号の衝突が生じ
ない場合について説明する。通信制御装置5aが時刻t
1からの期間に光ファイバ1にデータD1を送出する。
このデータD1の送出が終了した時刻t2からの所定時
間の期間が上記の監視期間TMである。時刻t3からは
通信制御装置5bが光ファイバ1にデータD2を送出し
ている。しかし、時刻t3は監視期間TMが経過した後
の時刻であり、監視期間TM中には光ファイバ1には何
らの光信号も送出されていない。このため、送信元およ
び送信先の通信制御装置5a,5cがそれぞれ備える光
受信機7は有意な電気信号を出力することはない。した
がって、光信号の衝突は検出されない。
【0042】なお、データD1は時刻t1〜t2の期間
に送信先の通信制御装置5cの受信バッファ12に書き
込まれ、監視期間TM中に信号の衝突が検出されなけれ
ば、この監視期間TMの経過後に電子制御ユニット6c
に転送される。たとえば、図6に示すように、通信制御
装置5aが時刻t11からの期間に光ファイバ1にデー
タD11を送出し、同時に通信制御装置5bが光ファイ
バ1にデータD12の送出を開始すると、光信号の衝突
が生じる。
【0043】たとえば、通信制御装置5a,5cにおい
てデータD11に対応する光信号が、通信制御装置5b
からのデータD12に対応する光信号の強度よりも充分
に高い強度で受信された場合を想定する。このときに
は、通信制御装置5aとデータD11の送信先の通信制
御装置5cとでは、データD11の伝送が完了した時刻
t12からの監視期間TMにおいて、光受信機7からの
信号の有無を監視する。ところが、監視期間TMには、
データD12に対応したパルス信号が光受信機7から出
力される。これに基づいて、光信号衝突検出部10で
は、光信号の衝突が検出され、衝突検出信号が出力され
ることになる。
【0044】この場合に、たとえば通信制御装置5bか
ら通信制御装置5a,5cに与えられる光信号の強度が
低いことは問題とはならない。すなわち、通信制御装置
5aから送出されて通信制御装置5a自身および送信先
の通信制御装置5cで受信される光信号の強度が極めて
高い場合には、光受信機7内のATC回路は、二値化の
ための閾値を高く設定する。このため、通信制御装置5
bからの弱い光を光電変換した信号は、設定された閾値
以下の振幅となることも考えられる。
【0045】しかし、このような場合であっても、デー
タD11の送信が完了した後の期間には、ATC回路は
通信制御装置5bからの弱い強度の光に対応した閾値を
設定するから、監視期間TMには図4のライン44には
何らかの電気信号が導出される。このため、光信号の衝
突の検出が阻害されることはない。上記の場合におい
て、通信制御装置5bでもデータD11に対応する光信
号の受信強度がデータD12に対応する光信号の強度よ
りも高い場合には、上述のデータ照合部による送信デー
タとの照合の結果、当該通信制御装置5bからのデータ
送信は停止される。そして、NACK信号送信部15が
動作してNACK信号が光ファイバ1に送出されるとと
もに、この通信制御装置5bにおいて固有に設定された
タイミングで再送部14が再送動作を行う。
【0046】次に、通信制御装置5aにおいて、データ
D12に対応する光信号が、データD11に対応する光
信号よりも充分に高い強度で受信された場合について説
明する。このときには、通信制御装置5aではデータD
11を送信したにもかかわらず、データD12が受信さ
れることはない。その結果、データ照合部での照合結果
に基づき、NACK信号送信部15および再送部14が
動作することになる。
【0047】さらに、たとえば、データD11の送信先
である通信制御装置5cにおいて、データD11,D1
2が同程度の強度の光信号として受信された場合につい
て説明する。この場合には、当該通信制御装置5cの復
調器9で復調エラーが生じる。その結果、NACK信号
送信部15が動作することになる。このようにして、い
ずれの場合であっても、光信号の衝突を良好に検知し
て、NACK信号を光ファイバ1に送出することができ
る。
【0048】ところで、もしも通信制御装置5a,5b
から等しいデータ長のデータが同時に送出された場合に
は衝突検知処理が不確実になるおそれがある。すなわ
ち、データの送信が同時に開始され、かつ、同時に終了
するから、実際には光信号の衝突が生じているにもかか
わらず、監視期間TMには光ファイバ1に何らの光信号
も導出されず、この監視期間TMにおける衝突検知処理
によっては、光信号の衝突を検出することができない。
【0049】このような事態は極めて稀であるため現実
には考慮されなくてもよいが、上記の不具合は、各通信
制御装置5a,5b,5c,5dの送信データ長を相互
に異ならせることで解決される。すなわち、たとえば通
信制御装置5a,5bが必ず異なるデータ長のデータを
送信するならば、たとえ各通信制御装置5a,5bが同
時にデータの送出を開始しても、いずれかデータ長の短
いデータを送出した通信制御装置とその送信先の通信制
御装置において、光信号衝突検出部10での処理により
光信号の衝突を検出できる。
【0050】なお、この場合には、各通信制御装置5が
送出するデータ長を固定化する必要はなく、複数種類の
固有のデータ長を各通信制御装置5に割り当ててもよ
い。この場合であっても、各通信制御装置5に割り当て
られた固有のデータ長を相異ならせることで、上記の不
具合が解決される。以上のように本実施例によれば、デ
ータ伝送終了後に所定の監視期間TMを設け、この監視
期間TMにおける光ファイバ1での光信号の有無に基づ
き、光信号の衝突を検出している。このため、送信信号
と受信信号とを合波する合波器やこの合波器の出力中に
おける低周波域のビート成分の有無を検出する複雑な構
成の検出器が必要な上記の従来技術に比較して、構成が
極めて簡素化される。しかも、上記のように、送信元の
通信制御装置5毎の光信号強度のばらつきにも問題なく
対処できる。
【0051】また、本実施例の光通信システムでは、光
信号の衝突または復調エラーが生じたときには、データ
の再送を要求するNACK信号が光ファイバ1に送出さ
れる。これに応答して、送信元の通信制御装置5はデー
タを再送する。これにより、データの送信が確実に行え
るから、信頼性の高い通信を行える。また、データの再
送を要求するために所定のフレーム構成を有する再送要
求データなどを送信元に送信するのではなく、高出力光
パルスのNACK信号を光ファイバ1に送出し、これに
より再送要求信号を達成している。このため、再送要求
を速やかに行えるから、通信のスループットを向上する
ことができる。
【0052】本発明の実施例の説明は以上のとおりであ
るが、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
い。たとえば、上記の実施例では、単一波長の光信号が
用いられているが、波長分割による多重通信が行われて
もよい。すなわち、各通信制御装置5a,5b,5c,
5dにそれぞれ異なる波長の光信号を割り当て、各通信
制御装置5を、光学的なフィルタなどを用いて割り当て
られた波長の光信号のみの受信が可能な構成とする。ま
た、各通信制御装置5は、他の全部の通信制御装置5に
割り当てられた波長の光信号を選択的に出力できる構成
とする。こうすれば、送信先の異なる光通信を同時進行
で行える。そして、同一の送信先に宛てて2つ以上の通
信制御装置が光信号を送信したときには、送信元および
送信先において、上述の光信号衝突検出処理を行えば、
確実に光信号の衝突を検出することができる。
【0053】また、上記の実施例では、送信元および送
信先の通信制御装置において衝突の検出が行われるよう
にしたが、衝突の検出は、光ファイバ1に共通に接続さ
れた全ての通信制御装置で行われてもよい。この場合に
は、いずれか1つの通信制御装置がNACK信号を送出
することでデータの再送が行われることになるから、通
信の信頼性が一層向上される。
【0054】さらに、上記の実施例では、車載用の光通
信システムを例にとって説明したが、本発明はたとえば
発電所や製鉄所のような電気的ノイズの多い環境下で多
用されているFA−LANなどにおいても容易に適用す
ることができる。その他、本発明の要旨を変更しない範
囲て種々の設計変更を施すことが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、データ伝
送の終了後に監視期間が設けられ、この監視期間内にお
ける光伝送路での光信号の有無に基づき光信号の衝突が
検出される。すなわち、監視期間における光信号の有無
が検出されれば足りるから、簡単で、かつ、安価な構成
により光信号の衝突を検出することができる。しかも、
監視期間中における光信号の有無の検出は、光信号の強
度の影響を受けることはないから、光信号の衝突を確実
に検出できる。
【0056】また、衝突が検出されたときに光伝送路に
再送要求信号を送出することとし、送信終了直後の通信
制御装置の再送手段から送信データの再送を行わせれ
ば、データ通信の信頼性が格段に向上される。しかも、
再送要求信号には必ずしも送信元などを特定する情報を
含ませる必要がないから、この再送要求信号はたとえば
高出力光パルスなどのような単純な信号とすることがで
きる。その結果、光信号の衝突が検出されたことに応答
して、即座に再送要求信号を発生させることができるか
ら、データ通信のスループットを向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の通信制御装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】上記通信制御装置を用いた光通信システムの構
成を示すブロック図である。
【図3】送信フレームの構成を説明するための図であ
る。
【図4】上記通信制御装置に用いられる光信号衝突検出
部の構成を示すブロック図である。
【図5】光信号の衝突検出処理を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図6】光信号の衝突検出処理を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
1 光ファイバ 5,5a,5b,5c,5d 通信制御装置 6,6a,6b,6c,6d 電子制御ユニット 7 光受信機 8 光送信機 9 復調器 10 光信号衝突検出部 11 NACK信号受信部 13 送信部 14 再送部 15 NACK信号送信部 16 データ長カウンタ 17 衝突検出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の通信制御装置が共通の光伝送路に接
    続される光通信システムに適用される上記通信制御装置
    であって、 送信データ長を含む送信データを光信号に変換して上記
    光伝送路に送出する送信手段と、 上記光伝送路を介して伝送された光信号を受信して上記
    送信データを復元する受信手段と、 この受信手段で受信されたデータ中の上記送信データ長
    に基づき、上記受信手段において時系列に従って受信さ
    れるデータ長を監視し、受信データ長が上記送信データ
    長に対応する値になったときにデータ終了信号を出力す
    るデータ長監視手段と、 このデータ長監視手段が上記データ終了信号を出力した
    直後の所定の監視期間において上記光伝送路を伝搬する
    光信号の有無を監視し、上記所定の監視期間内に上記光
    伝送路における光信号の伝搬が検出されたときに衝突検
    出信号を出力する衝突検出手段とを含むことを特徴とす
    る通信制御装置。
  2. 【請求項2】上記衝突検出信号に応答して上記光伝送路
    にデータの再送を要求するための再送要求信号を送出す
    る手段と、 上記送信手段がデータを送信した直後に上記再送要求信
    号が受信されたときに、送信データに対応する光信号を
    再び光伝送路に送出する再送手段とをさらに含むことを
    特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
  3. 【請求項3】複数の通信制御装置が共通の光伝送路に接
    続される光通信システムであって、 各通信制御装置は、 送信データ長を含む送信データを光信号に変換して上記
    光伝送路に送出する送信手段と、 上記光伝送路を介して伝送された光信号を受信して上記
    送信データを復元する受信手段と、 この受信手段で受信されたデータ中の上記送信データ長
    に基づき、上記受信手段において時系列に従って受信さ
    れるデータ長を監視し、受信データ長が上記送信データ
    長に対応する値になったときにデータ終了信号を出力す
    るデータ長監視手段と、 このデータ長監視手段が上記データ終了信号を出力した
    直後の所定の監視期間において上記光伝送路を伝搬する
    光信号の有無を監視し、上記所定の監視期間内に上記光
    伝送路における光信号の伝搬が検出されたときに衝突検
    出信号を出力する衝突検出手段とを含むことを特徴とす
    る光通信システム。
  4. 【請求項4】上記通信制御装置は、 上記衝突検出信号に応答して上記光伝送路にデータの再
    送を要求するための再送要求信号を送出する手段と、 上記送信手段がデータを送信した直後に上記再送要求信
    号が受信されたときに、送信データに対応する光信号を
    再び光伝送路に送出する再送手段とをさらに含むことを
    特徴とする請求項3記載の光通信システム。
  5. 【請求項5】上記光伝送路に共通に接続された複数の通
    信制御装置は、相互に異なるデータ長の送信データに対
    応する光信号を光伝送路に送出するものであることを特
    徴とする請求項3または4記載の光通信システム。
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