JPH0689803A - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents
電圧非直線抵抗体の製造方法Info
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- JPH0689803A JPH0689803A JP4238716A JP23871692A JPH0689803A JP H0689803 A JPH0689803 A JP H0689803A JP 4238716 A JP4238716 A JP 4238716A JP 23871692 A JP23871692 A JP 23871692A JP H0689803 A JPH0689803 A JP H0689803A
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- voltage
- voltage non
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電圧非直線抵抗体への大電流印加時に素体周辺
部への電流集中を防ぐための表面部の高抵抗化を、抵抗
体のコーティングより低コストの方法で形成する。 【構成】ZnO粉末を主成分とする混合粉末を焼結したの
ち、その表面を酸処理して表面粗さ3〜80μmの粗面を
得、熱処理により内部結晶より微小の再結晶粒よりなる
高抵抗表面層を形成する。これにより電圧印加時の寿命
特性が向上し、また外装樹脂の抵抗体素体との密着性が
良くなるため、高湿、高圧での寿命特性も向上する。
部への電流集中を防ぐための表面部の高抵抗化を、抵抗
体のコーティングより低コストの方法で形成する。 【構成】ZnO粉末を主成分とする混合粉末を焼結したの
ち、その表面を酸処理して表面粗さ3〜80μmの粗面を
得、熱処理により内部結晶より微小の再結晶粒よりなる
高抵抗表面層を形成する。これにより電圧印加時の寿命
特性が向上し、また外装樹脂の抵抗体素体との密着性が
良くなるため、高湿、高圧での寿命特性も向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過電圧保護用素子とし
て用いられる酸化亜鉛 (ZnO) を主成分とした電圧非直
線抵抗体の製造方法に関する。
て用いられる酸化亜鉛 (ZnO) を主成分とした電圧非直
線抵抗体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧非直線抵抗体は一般にバリスタと呼
ばれ、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛バリスタは特に
電圧−電流特性の非直線に優れている。この酸化亜鉛バ
リスタは、主成分のZnOの粉末に副成分として、例えば
Pr、Co、Mn、Cr、Mg、Si等の1種あるいは多種の酸化物
の粉末を添加して混合し、得られた混合粉末を円盤状等
の形状に成形した後、1100〜1400℃で焼結する。こうし
て得た素体に、サージに対する安定性および優れた寿命
特性等を持たせるために、例えば図2に示すように、抵
抗体素体1の両面に電極11を形成後、電極周辺部および
側面部に硼珪酸鉛ガラス等の高抵抗層12を形成するなど
の表面処理を施している。
ばれ、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛バリスタは特に
電圧−電流特性の非直線に優れている。この酸化亜鉛バ
リスタは、主成分のZnOの粉末に副成分として、例えば
Pr、Co、Mn、Cr、Mg、Si等の1種あるいは多種の酸化物
の粉末を添加して混合し、得られた混合粉末を円盤状等
の形状に成形した後、1100〜1400℃で焼結する。こうし
て得た素体に、サージに対する安定性および優れた寿命
特性等を持たせるために、例えば図2に示すように、抵
抗体素体1の両面に電極11を形成後、電極周辺部および
側面部に硼珪酸鉛ガラス等の高抵抗層12を形成するなど
の表面処理を施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような抵
抗体による表面処理は、量産する上でのコスト高になる
ことに加え、複数回にわたる熱衝撃等により表面処理層
の剥離が起こり、さらに長期の寿命特性を考慮した場
合、信頼性が低下するという問題がある。本発明の目的
は、上記の問題を解決し、表面に高抵抗層を有し、寿命
特性の優れた電圧非直線抵抗体の低コストの製造方法を
提供することにある。
抗体による表面処理は、量産する上でのコスト高になる
ことに加え、複数回にわたる熱衝撃等により表面処理層
の剥離が起こり、さらに長期の寿命特性を考慮した場
合、信頼性が低下するという問題がある。本発明の目的
は、上記の問題を解決し、表面に高抵抗層を有し、寿命
特性の優れた電圧非直線抵抗体の低コストの製造方法を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法は、酸化亜
鉛を主成分とする焼結体の表面に酸処理を施して表面を
粗面化したのち熱処理を施し、表面層が内部の結晶粒よ
り小さい粒径の再結晶粒よりなる抵抗体素体を作製する
ものとする。そして、酸処理により焼結体の表面層を3
μm以上の厚さで除去すること、酸処理後の表面粗さが
山頂と谷底の標高差の平均値で3μmないし80μmであ
ること、ならびに熱処理を950 〜1250℃の範囲の温度で
行うことが有効である。また、抵抗体素体に電極を形成
し、その電極にリード線を接続したのち、外装樹脂によ
り被覆することが有効である。
めに、本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法は、酸化亜
鉛を主成分とする焼結体の表面に酸処理を施して表面を
粗面化したのち熱処理を施し、表面層が内部の結晶粒よ
り小さい粒径の再結晶粒よりなる抵抗体素体を作製する
ものとする。そして、酸処理により焼結体の表面層を3
μm以上の厚さで除去すること、酸処理後の表面粗さが
山頂と谷底の標高差の平均値で3μmないし80μmであ
ること、ならびに熱処理を950 〜1250℃の範囲の温度で
行うことが有効である。また、抵抗体素体に電極を形成
し、その電極にリード線を接続したのち、外装樹脂によ
り被覆することが有効である。
【0005】
【作用】酸処理と熱処理により形成される微小結晶粒層
は高抵抗であり、この高抵抗層が大電流印加時の抵抗体
素体周辺部への電流集中による素体破壊を防ぐが、熱な
どによる剥離することがなく、また表面部に緻密な結晶
粒を形成していることから、比較的化学的にも安定し、
例えば素体成分の水酸化物生成速度が遅くなる。さら
に、抵抗体素体表面に結晶粒と結晶粒界との段差が多数
存在することにより、素体と外装樹脂との密着性が向上
し、特に高湿中、高圧下での寿命特性を向上させる。
は高抵抗であり、この高抵抗層が大電流印加時の抵抗体
素体周辺部への電流集中による素体破壊を防ぐが、熱な
どによる剥離することがなく、また表面部に緻密な結晶
粒を形成していることから、比較的化学的にも安定し、
例えば素体成分の水酸化物生成速度が遅くなる。さら
に、抵抗体素体表面に結晶粒と結晶粒界との段差が多数
存在することにより、素体と外装樹脂との密着性が向上
し、特に高湿中、高圧下での寿命特性を向上させる。
【0006】
【実施例】ZnO粉末にPr6 O11、CO3 O4 、Cr
2 O3 、MgO、Al2 O3 を1.0モル%以下の微量添加
し、混合した後、直径17mm、厚さ2mmの円盤状に加圧成
形し、空気中1200℃で1時間焼成して、焼結体を0.2N
HCl水溶液に浸漬し、浸漬時間を変えて表面層を除去し
たのち、粗面化した表面の山頂と谷底の標高差を焼結体
の一つの直径上で測定して、その平均値をとって表面粗
さとした。次いで800 ℃、1000℃、1200℃、1400℃の温
度で熱処理をした。これにより図1に示すように表面層
が内部結晶3より小さい粒径の微小結晶2からなる抵抗
体素体1を得た。この微小結晶2の粒径を測定した。な
お、内部結晶3の粒径は25μmであった。そして、この
抵抗体素体1の表面にAgペーストを用いて電極を形成
し、リード線をその電極にろう付けしたのち、エポキシ
樹脂により被覆した。このようにして作製した24種類の
試料に2msec、100 Aの矩形波電流を20回印加して前後
のバリスタ電圧 (V1mA ) の変化を求めた。また、バリ
スタ電圧の90%を温度85℃、湿度85%の雰囲気中で2000
時間印加し、前後のバリスタ電圧の変化により課電寿命
の評価を行った。さらに、121 ℃、2気圧の条件下で10
00時間放置するプレッシャクッカーテストを行い、前後
のバリスタ電圧の変化を測定した。比較のために図2に
示すように硼珪酸ガラスコーティングを行った比較例1
および焼結体そのままの比較例2についても同様の評価
を行った。評価結果を表1に示す。なお、表面結晶粒径
の確認不可能のものは再結晶していないものである。
2 O3 、MgO、Al2 O3 を1.0モル%以下の微量添加
し、混合した後、直径17mm、厚さ2mmの円盤状に加圧成
形し、空気中1200℃で1時間焼成して、焼結体を0.2N
HCl水溶液に浸漬し、浸漬時間を変えて表面層を除去し
たのち、粗面化した表面の山頂と谷底の標高差を焼結体
の一つの直径上で測定して、その平均値をとって表面粗
さとした。次いで800 ℃、1000℃、1200℃、1400℃の温
度で熱処理をした。これにより図1に示すように表面層
が内部結晶3より小さい粒径の微小結晶2からなる抵抗
体素体1を得た。この微小結晶2の粒径を測定した。な
お、内部結晶3の粒径は25μmであった。そして、この
抵抗体素体1の表面にAgペーストを用いて電極を形成
し、リード線をその電極にろう付けしたのち、エポキシ
樹脂により被覆した。このようにして作製した24種類の
試料に2msec、100 Aの矩形波電流を20回印加して前後
のバリスタ電圧 (V1mA ) の変化を求めた。また、バリ
スタ電圧の90%を温度85℃、湿度85%の雰囲気中で2000
時間印加し、前後のバリスタ電圧の変化により課電寿命
の評価を行った。さらに、121 ℃、2気圧の条件下で10
00時間放置するプレッシャクッカーテストを行い、前後
のバリスタ電圧の変化を測定した。比較のために図2に
示すように硼珪酸ガラスコーティングを行った比較例1
および焼結体そのままの比較例2についても同様の評価
を行った。評価結果を表1に示す。なお、表面結晶粒径
の確認不可能のものは再結晶していないものである。
【0007】
【表1】
【0008】表1から明らかなように、特に酸溶液浸漬
後の表面粗さを3〜80μmにしたのち950 〜1250℃で熱
処理することにより、内部の粒径の25μmより小さい粒
径を持つ再結晶粒表面層を形成すると、寿命特性が大幅
に向上する。なお、3〜80μmの表面粗さは、焼結後3
μm以上の厚さの表面層を除去することにより得られ
る。
後の表面粗さを3〜80μmにしたのち950 〜1250℃で熱
処理することにより、内部の粒径の25μmより小さい粒
径を持つ再結晶粒表面層を形成すると、寿命特性が大幅
に向上する。なお、3〜80μmの表面粗さは、焼結後3
μm以上の厚さの表面層を除去することにより得られ
る。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、ZnOを主成分とする焼
結体の表面層を酸処理により除去し、熱処理により微小
結晶粒表面層を形成することにより、抵抗体自体の表面
層が高抵抗となるので、コーティング材を用いないで、
低コストの寿命特性の優れた電圧非直線抵抗体が得られ
た。
結体の表面層を酸処理により除去し、熱処理により微小
結晶粒表面層を形成することにより、抵抗体自体の表面
層が高抵抗となるので、コーティング材を用いないで、
低コストの寿命特性の優れた電圧非直線抵抗体が得られ
た。
【図1】本発明の実施例による電圧非直線抵抗体の素体
の断面図
の断面図
【図2】従来の電圧非直線抵抗体の断面図
1 抵抗体素体 2 微小結晶 3 内部結晶 11 電極
Claims (5)
- 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とする焼結体の表面に酸
処理を施して表面を粗面化したのち熱処理を施し、表面
層が内部の結晶粒より小さい粒径の再結晶粒よりなる抵
抗体素体を作製することを特徴とする電圧非直線抵抗体
の製造方法。 - 【請求項2】酸処理により焼結体の表面層を3μm以上
の厚さで除去する請求項1記載の電圧非直線抵抗体の製
造方法。 - 【請求項3】酸処理後の表面粗さが山頂と谷底の標高差
の平均値で3μmないし80μmである請求項1あるいは
2記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。 - 【請求項4】熱処理を950 〜1250℃の範囲の温度で行う
請求項1、2あるいは3記載の電圧非直線抵抗体の製造
方法。 - 【請求項5】抵抗体素体に電極を形成し、その電極にリ
ード線を接続したのち、外装樹脂により被覆する請求項
1、2、3あるいは4記載の電圧非直線抵抗体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4238716A JP2985527B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4238716A JP2985527B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0689803A true JPH0689803A (ja) | 1994-03-29 |
JP2985527B2 JP2985527B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=17034210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4238716A Expired - Lifetime JP2985527B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2985527B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7097168B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-08-29 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Pneumatically operated fluid filled engine mount |
JP2012124209A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Tdk Corp | チップバリスタ |
JP2019165103A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 積層バリスタ |
-
1992
- 1992-09-08 JP JP4238716A patent/JP2985527B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7097168B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-08-29 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Pneumatically operated fluid filled engine mount |
JP2012124209A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Tdk Corp | チップバリスタ |
JP2019165103A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 積層バリスタ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2985527B2 (ja) | 1999-12-06 |
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