JPH06897A - バックアップロールの製造方法及びカレンダー装置 - Google Patents

バックアップロールの製造方法及びカレンダー装置

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JPH06897A
JPH06897A JP18585692A JP18585692A JPH06897A JP H06897 A JPH06897 A JP H06897A JP 18585692 A JP18585692 A JP 18585692A JP 18585692 A JP18585692 A JP 18585692A JP H06897 A JPH06897 A JP H06897A
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JP
Japan
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elastic body
roll
calender
backup roll
elastic material
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JP18585692A
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English (en)
Inventor
Jiyunichirou Hisamichi
純一郎 久道
Takashi Aotani
隆 青谷
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 バックアップロール52を製造するに際し、多
段式のカレンダー装置40によって弾性体材料24を圧延及
び予備硬化させ、得られた弾性体55を芯材14に巻付けた
状態で、不均一な外圧を実質的に加えることなしに本硬
化を行う方法。 【効果】 弾性体の幅方向及び長手方向における厚みが
均一となり、厚みムラが生じることがなく、バックアッ
プロールとしての表面の真直度、振れ精度も向上し、ま
た圧縮永久歪みの如き変形がなく、再研磨による再使用
回数を増やすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バックアップロール
(例えばグラビア塗布装置のバックアップロール等とし
て用いられるゴムロール)の製造方法及びカレンダー装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プでは、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の非磁
性支持体上に、強磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等
を有機溶媒に分散混練してなる磁性塗料を塗布すること
により磁性層が形成される。
【0003】こうした磁性塗料を非磁性支持体上に塗布
するには、これまで、高速生産性があり、操作、管理が
容易で生産コストも安価であるという観点から、グラビ
ア塗布方式が多用されてきた。
【0004】グラビア塗布装置は、図6に示すように、
表面に凹凸のセルパターンが刻設されたグラビアロール
1と、非磁性支持体4をグラビアロール1に圧着させる
バックアップロール2と、ノズル11からの磁性塗料12を
溜めながらグラビアロール1の凹部10に供給するファニ
ッシャロール13とによって構成されている。
【0005】そして、このグラビア塗布装置には更に、
磁性塗料6の塗布量を規定するドクターブレード7が設
けられ、これによって余剰の塗料はパン8内に集められ
る。また、塗布部9で所定厚に磁性塗料を塗布した非磁
性支持体4はガイドローラ3によって次工程(例えば乾
燥工程)へ案内される。
【0006】ところで、バックアップロール2は、グラ
ビアロール1と対向して設けられ、ポリエステルフィル
ム等の長尺状の非磁性支持体4をグラビアロール1の表
面に圧着させて、グラビアロール1のセル10内に充填さ
れる塗料を非磁性支持体4上に転写させるものであり、
例えばゴムロール等の弾性を有するものが使用される。
【0007】即ち、バックアップロール2は、Fe等の金
属の芯材14の周囲にエチレン−プロピレン共重合体等の
合成ゴム弾性体15を被覆したゴムロールからなっている
が、その使用時の特殊事情から次の (1)〜(3) の如き条
件を満たすものでなければならない。
【0008】(1) まず、弾性体15としては、非磁性支持
体4に傷を付けずに塗料の転写が容易に行えるような弾
性を有し、また、バックアップロール2が塗料12に含ま
れるメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン
等の溶剤雰囲気中で使用されることから、耐溶剤性も有
する材料(一般的には、エチレン−プロピレンゴム等の
合成ゴム)で形成される必要がある。
【0009】(2) 弾性体15は非磁性支持体4との摩擦で
帯電すると、上記溶剤雰囲気中での使用条件下で火災等
を起こす危険性があるため、帯電防止性のある、特にカ
ーボンブラックを練り込んだ材料を使用する必要があ
る。
【0010】(3) 上記のことから、弾性体15は溶融しに
くい材質となっており、一般には注型によっては成形す
ることができない。従って、未加硫のエチレン−プロピ
レンゴムを圧延ロールによって例えば厚さ 1.5〜2.0mm
のシート状に成形し、得られたシート状弾性体を芯材14
に巻付け、この状態で加硫を施し、表面研磨して上記の
弾性体15に仕上げ、バックアップロール2を作製してい
る。
【0011】バックアップロール2の製造方法を図7〜
図10について詳述する。まず、上記のシート状弾性体を
作製するには、図7に示す圧延装置20を使用するが、こ
の圧延装置20は2〜3段の圧延ロール21、22、23からな
っている。そして、エチレン−プロピレン共重合体等の
ゴム原材料とゴム硬度コントロール用のオイルや、カー
ボンブラック、加硫剤等の添加剤を調合し、練りゴム化
した成形材料24を供給し、ロール間で圧延しながら所定
厚のシート状弾性体25を得る。
【0012】こうして圧延引きにより練りゴムのシート
として得られる弾性体25は、一旦、巻取ロール26上に巻
取った後、図8のようにして芯材14上に巻付ける。な
お、この巻付けは、芯材14とロール27、28との間のシー
ト25を通しながら圧着して行うが、通常は、芯材14の周
りに7〜10層(即ち、巻付け回数は7〜10回)のシート
状弾性体25を巻付ける。
【0013】この巻付け状態のままでは、単にシート状
弾性体25は芯材14の周りに何重にも巻付けられているだ
けであるから、注型法による被着とは異なり、芯材14に
対する密着性が不十分であり、しかも未だ硬化もしてい
ない。従って、次に図9のようにして締付け処理を行う
(但し、シート状弾性体25は何重にも巻付けられるが、
図9ではその状態は簡略図示した)。
【0014】即ち、例えば20〜40mm幅の綿やナイロン
帯、或いは10〜20mmφのロープ等の締付け具29を弾性体
25上にスパイラル状に強く巻付けて、弾性体25を芯材14
に対して強制的に締付ける。この結果、弾性体25と芯材
14との間に隙間をなくし、両者を密着させると同時に、
弾性体25をある程度硬化(予備硬化)させる。
【0015】次に所定温度(例えば 150℃程度)の加硫
槽に入れ、エージングして弾性体25を加硫硬化(本硬
化)させる。そして、締付け具29を除去し、弾性体の表
面を研磨処理し、上記した弾性体15に仕上げる。
【0016】このようにして、バックアップロール2を
作製することができるが、本発明者が検討を加えたとこ
ろ、次の (a)〜(f) のような問題点があることが判明し
た。
【0017】(a) 図7の圧延装置20では圧延が不十分で
あり、圧縮不足によって弾性体25中に気泡が存在した
り、添加剤の分散不良により異物が凝集しやすい。
【0018】(b) また、圧延装置20によっては、得られ
る弾性体25のシート厚をあまり薄くはできないため、そ
の幅方向や長手方向に厚みムラが発生することがある。
【0019】(c) 圧延装置20による圧延力を増大させた
場合、上記の気泡が潰れてシートに穴が開いたり、斑点
模様等のムラを生じてしまう。従って、圧延力を必要以
上に上げられないから、上記の (a)及び(b) の欠点は解
消できないことになる。
【0020】(d) 図6に示した塗布段階では、非磁性支
持体4の厚みや塗布厚に応じてバックアップロール2の
押圧力を調整するが、この際、上記した表面研磨後でも
残っている弾性体内の気泡が潰れて穴が開いたり斑点模
様も生じ、更に上記した厚みムラがそのまま残っている
ことから、塗料の転写ムラが生じ易くなる。
【0021】(e) しかも、図9に示した如き締付け具29
による締付けで、図10に示すようにその締付け跡30が生
じ、圧縮永久歪みとして上記の表面研磨後も残ってしま
う。この歪みは、塗料の転写を行った後も図4(A)に
31として示すように残ってしまい、これが転写時に幅方
向に20〜40mmピッチの転写ムラを発生させる原因とな
る。この転写ムラは、塗料の塗布後の巻取り状態におい
て凹凸となって、隣接面に転写する等、悪影響を及ぼす
ことにもなる。
【0022】(f) また、締付け具29による締付け状態に
おいては、巻芯(即ち、芯材14)の近く程、弾性体の圧
縮歪みが大きいので、バックアップロール2を再研磨し
て繰返し使用する際、圧縮歪みの大きな部分は使えない
ことから、再研磨の回数(再使用できる回数)がせいぜ
い3回迄である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の (a)〜(f) の如き問題点を解消し、均一かつ均質で歪
みのないバックアップロールを作製でき、塗布に供した
場合には転写性がよく、高速、薄膜塗布を可能にする方
法と、これに使用するカレンダー装置を提供することに
ある。
【0024】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、芯材と
この芯材上に巻付けられた弾性体とからなるバックアッ
プロールを製造するに際し、弾性体材料を多段式のカレ
ンダー装置によって圧延及び予備硬化させ、所定厚の弾
性体に成形し、しかる後、この弾性体を芯材に巻付けた
状態で、不均一な外圧を実質的に加えることなしに本硬
化を行う、バックアップロールの製造方法に係るもので
ある。
【0025】この方法においては、5段以上(更には5
〜9段)のカレンダーロールからなるカレンダー装置を
使用し、成形された弾性体を加硫によって本硬化させる
ことが望ましい。また、成形された弾性体をラップ材の
みで被覆して本硬化を行うことが望ましい。
【0026】本発明の方法を実施するに際しては、弾性
体材料を圧延及び予備硬化させるために多段式に構成さ
れた(特に5段以上、更には5〜9段のカレンダーロー
ルとして構成された)カレンダー装置を使用する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1〜図
5は、本発明を磁気テープ等の磁気記録媒体の磁性塗料
の塗布装置に適用した実施例を示すものである。
【0028】本実施例によるバックアップロールの製造
方法では、図1に示す如く、シート状弾性体を成形する
ために5段式のカレンダー装置40を使用する。
【0029】このカレンダー装置40は5個の例えばスチ
ール製のカレンダーロール41、42、43、44、45の組み合
わせからなっており、上部から供給される練りゴム状の
弾性体成形材料24(これは従来例のものと同じであって
よい。)を4箇所で順次圧延、圧縮し、所定厚のシート
状弾性体55を成形するものである。
【0030】このカレンダー成形において重要なこと
は、5個のカレンダーロールを使用すると共に、その上
流側から下流側にかけて押圧力を順次増大させることに
より、一気に所定厚にするのではなく、例えばロール41
−42によって4mm厚のシート55aとし、更にロール42−
43によって3mm厚のシート55b、ロール43−44によって
2mm厚みのシート55c、ロール44−45によって最終的に
1mm厚のシート55に仕上げていることである。
【0031】即ち、まず、5段のカレンダーロールを使
用することによって、練りゴム(加硫前のゴム)を十二
分に圧延することができ、所定厚(例えば1mm厚)のシ
ート55を得るのに十分に圧縮を行うことができるのであ
る。
【0032】この結果、圧延及び圧縮を十二分に行え、
かつその圧延の間に予備硬化が進行するから、得られる
シート状弾性体55は、均一で所定の薄厚(例えば1mm程
度)に成形されると同時に、添加剤を良好に分散させて
その凝集を防止でき、かつ、気泡を圧延中に徐々に弾性
体の表面から効果的に放出することもできる。そして、
得られるシート状弾性体55は十二分に薄い厚みに成形さ
れるために、その幅方向及び長手方向における厚みが均
一となり、厚みムラが生じることがない。このことは、
後述するバックアップロールの弾性体の厚みを均一化で
きることにつながり、従って図6に示した如き塗布工程
において塗料の転写ムラを防止できることになる。
【0033】しかも、この圧延は5段のロール41〜45を
経て上記した如く順次行い、弾性体の厚みを一気に薄く
するのではなく徐々に薄くしているので、弾性体の層内
にある気泡は一気に圧縮されず、徐々に圧縮されること
になる。従って、層内に残存しても気泡は潰れることが
なく、弾性体に穴が開いたり、斑点模様等が付くことが
ない。このことは、図6に示した如き塗布工程において
も同様であり、塗布時の押圧力を高めても弾性体の層が
均質であることから、たとえ気泡が残存していても潰れ
ることがない。
【0034】上記のようにして均一かつ均質で薄厚に成
形されたシート状弾性体55は図2の如くにロール26上に
巻取るが、この巻取り後は、図8に示したと同様にロー
ル26から順次所定長ずつ繰出し、金属製の芯材14に巻付
ける。
【0035】そして、芯材14上に複数回数、例えば7〜
10層巻付けた状態で、図9で述べたように締付け具で締
付けるのではなく、図3のように単にポリエチレンフィ
ルムや広幅の綿シート等のラッピングフィルム59で均一
に弾性体55上を覆う。従って、この状態では弾性体55に
は実質的に外圧による圧縮力は加えられてはいないこと
になる。
【0036】このラッピング状態のまま、次に加硫槽に
入れ、例えば 150℃程度でエージングして弾性体55を加
硫硬化(本硬化)させ、図6に示した如きバックアップ
ロールに仕上げる。この際、加硫槽内では一定の蒸気圧
が作用するが、上記のラッピングフィルム59によって弾
性体55は蒸気圧から保護されると共に場所的にみて均一
な蒸気圧の作用を受けることになる。
【0037】この加硫硬化において、芯材14上に巻付け
られているシート状の弾性体55は均一かつ均質で膜厚の
薄いものであるため、芯材14に対して、及び隣接する弾
性体間においても十分に密着している。従って、密着力
を上げるために図9に示した如き締付けは全く不要とな
り、弾性体の表面は単にラッピングフィルム59で覆うだ
けでよいから、外圧の作用としては均一な蒸気圧のみで
あり、既述した締付け等の如き不均一な外圧の作用によ
る圧縮を受けることがなく、圧縮永久歪みの如き変形を
生じることがない。また、本硬化後には弾性体の表面研
磨を行ってよい。
【0038】従って、得られたバックアップロール52に
おいては、上記のシート状弾性体55から仕上げられた表
面側の弾性体65には永久歪みが存在せず、塗料の転写を
長時間行っても図4(B)に示すように均一な表面を保
持することになる。このため、塗料の転写時に転写ムラ
がなく、均一な塗料面を得ることができ、塗布後の巻取
り状態で隣接面に凹凸が転写することがない。また、バ
ックアップロールとしての表面の真直度、振れ精度も向
上することになり、ロール寿命の向上と共に、高速塗布
及び薄膜塗布を効果的に実現できる。
【0039】また、芯材14に対し弾性体65は均一に巻付
けられるので、再使用の際に再研磨して得られる弾性体
面は圧縮歪みがなく、従って再研磨による再使用回数が
従来の数倍以上となる。
【0040】次に、本発明に基づく方法で得られたバッ
クアップロールの優位性を一層明確にするため、本発明
の方法に基づく上記のバックアップロールと従来のバッ
クアップロールとについて、下記の条件で塗布を行っ
た。
【0041】初期のバックアップロールの真直度(ウネ
リ)及び振れ(回転ムラ):10μm 塗料塗布時のバックアップロールの圧力:15Kg/cm 非磁性支持体(ポリエステルフィルム)上への塗布速
度:300m/min グラビアロール:45°のヘリカルセルパターン付き(フ
ァニッシャロール及びドクターブレード付設) 磁性塗料:磁性粉:Co被着γ−Fe2O3 粉末 100重量部 結合剤:塩−酢ビ共重合体(UCC社製VAGH) 10重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製N−2304)10重量部 分散剤:レシチン 1重量部 研磨剤:酸化クロム 2重量部 カーボン:バルカンXC−72(キャボット社製) 3重量部 溶剤:シクロヘキサノン 適 量 メチルエチルケトン 適 量 トルエン 適 量
【0042】上記の条件で、磁性塗料を非磁性支持体上
に約 4.5μmの厚みで約50万m塗布した後、バックアッ
プロールの表面状態とロールの真直度をそれぞれ観察・
測定したところ、次に示す結果が得られた。
【0043】 *電子マイクロピックアップによって円筒研磨機上で測
定。
【0044】この結果から、本発明に基づく方法で作製
したバックアップロールを使用すると、ロール表面状態
は良好に保持され、かつ、真直度の劣化も著しく少ない
ことが分かるが、これは従来品に比べて圧縮永久歪みの
ないこと等による性能向上を如実に示している。
【0045】なお、上記において、バックアップロール
は、鉄、ステンレス等の金属等よりなる芯材14にシート
状の弾性体55が巻付けられて65に加硫硬化されたゴムロ
ールからなっていてよいが、弾性体65は一般にはエチレ
ン−プロピレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムが使用
される。
【0046】上記したバックアップロールは、磁性塗料
の塗布に際して使用することができるが、図5にはその
塗布によって製造された磁気記録媒体の一例(例えばビ
デオ用の磁気テープ)を示すものである。即ち、ポリエ
チレンテレフタレート等の非磁性支持体4の一方の面
に、磁性粉、研磨剤、結合剤等を含有した磁性塗料の塗
布によって形成された磁性層60を有してる。また、他方
の面に一点鎖線の如くに、非磁性粉末と結合剤とを主体
とするバックコート層61を有していてもよい。
【0047】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0048】例えば、上述したバックアップロールや、
バックアップロールの製造に用いる圧延ロール等の配
置、層構成や材質等は種々変更してよい。また、圧延装
置を構成する圧延ロールの個数(段数)は5個以上必要
であるが、4個以下では十分な圧延と予備硬化を行えな
いことがある。圧延ロールの個数は5個以上、9個以下
が望ましいが、5個以上、7個以下が更によい。
【0049】また、弾性体の加硫硬化時は図3に示した
ようなラッピング状態で行うのがよいが、これは必ずし
も必要ではない。
【0050】なお、本発明によるバックアップロール
は、上述した磁性塗料の塗布(塗布には上述したノズル
供給方式だけでなく、ロール方式等で塗料を供給してよ
いし、またグラビア塗布以外の塗布方式も可能であ
る。)だけでなく、バックコート層の塗布等にも適用で
きる。また、磁気記録媒体以外の用途、例えばグラビア
印刷に使用されるコンパウンドロールとしても応用する
ことができる。
【0051】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、バックアッ
プロールを製造するに際し、多段式のカレンダー装置に
よって弾性体材料を圧延及び予備硬化させているので、
弾性体材料を十二分に圧延することができ、所定厚の薄
い弾性体を成形するのに十分に圧縮を行うことができる
と共に、添加剤を良好に分散させてその凝集を防止で
き、かつ気泡を圧延中に徐々に弾性体の表面から効果的
に放出することもできる。そして、成形される弾性体は
十二分に薄い厚みに成形されるために、その幅方向及び
長手方向における厚みが均一となり、厚みムラが生じる
ことがない。
【0052】しかも、上記の圧延は多段式のカレンダー
装置を経て順次行い、弾性体の厚みを一気に薄くするの
ではなく徐々に薄くできるので、弾性体の層内にある気
泡は一気に圧縮されず、徐々に圧縮されることになる。
従って、層内に残存しても気泡は潰れることがなく、弾
性体に穴が開いたり、斑点模様等が付くことがない。
【0053】また、この圧延後は、弾性体を芯材に巻付
けた状態で、不均一な外圧を実質的に加えることなしに
本硬化を行っているので、締付け等の如き不均一な外圧
の作用による圧縮を受けることがなく、圧縮永久歪みの
如き変形を生じることがない。換言すれば、強制締付け
をしなくてもすむように、上記したカレンダー装置によ
るカレンダー成形で均一かつ均質で膜厚の薄い弾性体を
成形でき、芯材に対して、及び隣接する弾性体間におい
ても十分に密着させることができるのである。こうし
て、均一かつ均質なウネリのない弾性体を有することに
なるため、バックアップロールとしての表面の真直度、
振れ精度も向上することになる。
【0054】しかも、芯材に対し弾性体は均一に巻付け
られるので、再使用の際に再研磨して得られる弾性体面
は圧縮歪みがなく、従って再研磨による再使用回数を増
やすことができる。
【0055】バックアップロールの弾性体には永久歪み
が存在せず、塗料の転写を長時間行っても、均一な表面
を保持することになる。このため、塗料の転写時に転写
ムラがなく、均一な塗料面を得ることができ、塗布後の
巻取り状態で隣接面に凹凸が転写することがない。また
ロール寿命の向上と共に、高速塗布及び薄膜塗布を効果
的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるカレンダー装置の概略図
である。
【図2】同カレンダー装置で成形されたシート状弾性体
を巻取る部分の斜視図である。
【図3】同シート状弾性体を芯材に巻付け、ラッピング
して加硫硬化するときの斜視図である。
【図4】(A)は従来のバックアップロールの正面図及
びその一部分の断面図、(B)は本発明の実施例で得ら
れたバックアップロールの正面図及びその一部分の断面
図である。
【図5】上記バックアップロールを用いて製造された磁
気記録媒体の一部分の断面図である。
【図6】従来のグラビア塗布装置の構成例を示す概略図
である。
【図7】同塗布装置に用いるバックアップロールの弾性
体を成形するための圧延装置の概略図である。
【図8】同圧延装置で得られたシート状弾性体を芯材に
巻付けるときの概略図である。
【図9】締付け具で弾性体を締付けるときの斜視図であ
る。
【図10】同弾性体を本硬化したときの斜視図である。
【符号の説明】 1・・・グラビアロール 2、52・・・バックアップロール 4・・・非磁性支持体 7・・・ドクターブレード 11・・・ノズル 12・・・磁性塗料 13・・・ファニッシャロール 14・・・芯材 15、65・・・弾性体 20・・・圧延装置 24・・・成形材料(練りゴム) 25、55・・・シート状弾性体 26・・・巻取ロール 29・・・締付け具 30・・・締付け跡 31・・・圧縮永久歪み 40・・・カレンダー装置 41、42、43、44、45・・・カレンダーロール 59・・・ラッピングフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 13/00 B 8613−3J // B29K 21:00 105:24 B29L 31:32 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材とこの芯材上に巻付けられた弾性体
    とからなるバックアップロールを製造するに際し、 弾性体材料を多段式のカレンダー装置によって圧延及び
    予備硬化させ、所定厚の弾性体に成形し、 しかる後、この弾性体を芯材に巻付けた状態で、不均一
    な外圧を実質的に加えることなしに本硬化を行う、バッ
    クアップロールの製造方法。
  2. 【請求項2】 5段以上のカレンダーロールからなるカ
    レンダー装置を使用し、成形された弾性体を加硫によっ
    て本硬化させる、請求項1に記載した製造方法。
  3. 【請求項3】 成形された弾性体をラップ材のみで被覆
    して本硬化を行う、請求項1又は2に記載した製造方
    法。
  4. 【請求項4】 弾性体材料を圧延及び予備硬化させるた
    めに多段式に構成された、請求項1に記載した製造方法
    の実施に使用するカレンダー装置。
  5. 【請求項5】 5段以上のカレンダーロールからなる、
    請求項4に記載したカレンダー装置。
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JP18585692A Pending JPH06897A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 バックアップロールの製造方法及びカレンダー装置

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JP (1) JPH06897A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102294820A (zh) * 2011-06-15 2011-12-28 赵炳泉 上位湿法加砂复合管制造设备、方法及复合管
JP2012071651A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd 自動車用モール
JP2012108358A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Canon Inc 現像ローラ、現像ローラの製造方法、現像装置、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

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