JPH0689506B2 - セルロース系布帛の加工剤及び加工方法 - Google Patents

セルロース系布帛の加工剤及び加工方法

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JPH0689506B2 JP1102545A JP10254589A JPH0689506B2 JP H0689506 B2 JPH0689506 B2 JP H0689506B2 JP 1102545 A JP1102545 A JP 1102545A JP 10254589 A JP10254589 A JP 10254589A JP H0689506 B2 JPH0689506 B2 JP H0689506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はセルロース系布帛の加工剤及び加工方法に関
し、更に詳しくは、染色したセルロース系布帛の汗−日
光堅牢度を向上させるため、セルロース系布帛の耐収縮
性を改善するため、さらにはセルロース系布帛に消臭効
果を付与するための加工剤及び加工方法に関するもので
ある。
[従来技術及び発明が解決しようとする課題] セルロース繊維は吸湿性、染色性の良さ等から広く衣
料、医用材料、工業製品等に用いられている。
しかしながらこれ等用途に対する品質要求は近年ますま
す高度化しており、セルロース系繊維に対してもいくつ
かの要望あるいは改善すべき点が指摘されている。その
1つに汗−日光堅牢度の問題がある。夏期又は運動中に
おいて多量の汗の存在下で染色物が日光に曝された場
合、染色物は著しく変退色する。これに対する対策とし
て染色物を紫外線吸収剤や酸化防止剤で処理することが
提案がされている(例えば特開昭63−67589号公報)。
しかし紫外線吸収剤や酸化防止剤はセルロース繊維との
親和力が弱く、洗濯により容易に離脱し耐洗濯性のある
ものは現時点において見出されておらず、耐洗濯性のあ
る加工剤出現が望まれていた。
次にセルロース繊維を含む布帛の問題として洗濯による
布帛の収縮の問題がある。しかもこの収縮は洗濯回数の
増加に従い収縮率が徐々に増大する、いわゆる進行的な
収縮であり、特に再生繊維素系の場合に進行収縮性は大
きく、この改善が望まれていた。
さらにセルロース系布帛に関しては耐洗濯性のある消臭
剤の開発が望まれている。従来数多くの消臭剤が提案さ
れてきたが、消臭効果はすぐれていても耐洗濯性のない
もの(例えば特開昭59−132937号公報参照)が殆んどで
あり、また耐洗濯性を得ようとすれば製品の風合いを損
ねるなどの問題がある。耐水性、耐洗濯性を有し、長時
間消臭効果を保持出来る消臭剤は未だ完成していないの
が現状である。
従って本発明の目的は、(イ)洗濯を繰り返してもセル
ロース系布帛の汗−日光堅牢度を維持することができ
る、(ロ)洗濯を繰り返してもセルロース系布帛の収縮
を防止することができる、(ハ)洗濯を繰り返しても消
臭剤としての働きを保持できる等の利点を有するセルロ
ース系布帛の加工剤およびこれを用いるセルロース系布
帛の加工方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結
果、燐酸アミド系化合物と金属塩を組合せることによ
り、上記目的が達成せられることを見い出し、これに基
づいて本発明に到達した。
すなわち本発明は、燐酸アミド系化合物と金属塩とを主
成分として含むことを特徴とするセルロース系布帛の加
工剤を要旨とするものである。
また本発明は燐酸アミド系化合物と金属塩とを主成分と
して含むセルロース系布帛の加工剤の水溶液をセルロー
ス系布帛に付着させ、次いで熱処理することを特徴とす
るセルロース系布帛の加工方法を要旨とするものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる燐酸アミド系化合物は燐酸トリアミ
ド、燐酸トリアミド縮合物及びそれらのアミド基の一部
が他の置換基で置換された形のアミド置換誘導体の1種
又は2種以上で構成される。燐酸トリアミド縮合物の例
としては2分子の燐酸トリアミドから1分子のNH3を放
出して縮合したイミド2燐酸テトラアミドNH(PO)2(NH2)
4,3分子の燐酸トリアミドから2分子のNH3を放出して縮
合したジイミド3燐酸ペンタアミド(NH)2(PO)3(NH2)5
同様にして燐酸トリアミドの4分子縮合物、燐酸トリア
ミドの5分子縮合物、燐酸トリアミドの6分子縮合物等
があげられる。
アミド置換誘導体を用いても良く、その例としては、燐
酸アミド及び燐酸トリアミド縮合物のアミド基の一部
が、-OCH3,-OC2H5,-OC3H7,-OC4H9,-OC5H11-NHCH3,-NHC2H5,-ONH4等にて置換された形のものがあ
る。
また少量の未反応の塩素(−Cl)が残存しているもの、
また未反応の塩素(−Cl)が加水分解により水酸基(−
OH)になったものもアミド置換誘導体を構成する。前記
燐酸アミド系化合物の製造に於で塩化アンモニウム(NH
4Cl)が副生するが、本発明においては、これが燐酸ア
ミド系化合物中に含まれていてもよい。
燐酸アミド系化合物は熟成を行なうことができるが、熟
成の有無に拘らず良好な効果を得ることができるので、
熟成は必須条件ではないが熟成について以下に説明す
る。熟成とは、燐酸アミド系化合物を水に溶解して水溶
液とし、化学変化を与えることをいう。上記水溶液のpH
は酸性、中性、アルカリ性のいずれであってもよい。ま
た水溶液中には有機溶媒等の有機化合物、酸、アルカ
リ、塩類などの無機化合物が含まれていてもよい。アン
モニア、アンモニウムイオンを含む水溶液は特に好まし
い結果を与える。熟成温度は10〜70℃が好ましく、熟成
時間は熟成温度によっても異なるが、好ましくは1時間
以上、特に好ましくは5時間以上とするのがよい。熟成
中において燐酸アミド系化合物は化学変化を生じるが、
このことは熟成前後の燐酸アミド系化合物の31PのNMR曲
線の変化によって裏付けられる。第1図は、粗製燐酸ア
ミド系化合物(日本曹達(株)製ロットNo.GL−08,純分
36.6%、塩化アンモニウム63%)の熟成前の31PのNMR曲
線を示す。ピークD及びEは主成分のピークである。第
2図は、第1図に31PのNMR曲線を示した粗製燐酸アミド
系化合物を10%アンモニア水溶液に溶解し、400g/lの粗
製燐酸アミド系化合物の濃度とした水溶液を、50℃にて
50時間熟成した後の31PのNMR曲線を示す。第2図によれ
ば、第1図に見られたピークD及びEは消失し、第1図
には見られなかったピークF及びGで示される成分にほ
とんど変化している。
本発明の金属塩としてはアルカリ金属塩以外のものであ
って水溶性のものであればいずれも使用できる。
本発明において用いられる金属塩を構成する好ましい金
属種としては、以下のものが挙げられる。元素の周期律
表(長周期型)において IB族のCu,Ag,Au IIA族のBe,Mg,Ca,Sr,Ba IIB族のZN,Cd,Hg IIIB族のSc,Y IIIA族のAl,Ga,In IVB族のTi, IVA族のGe,Sn,Pb VB族のV VA族のSb,Bi VIB族のCr,Mo VIA族のSe,Te VIIB族のMn VIII族のFe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd 上記の金属種のうち、IIA族、IIB族、IIIA族、VIII属の
金属が特に好ましい。
金属塩の陰イオン成分は、本発明の効果に影響を及ぼす
ものではない。従って水溶性である限り塩酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩のいずれの塩であって
もよい。
燐酸アミド系化合物及び金属塩を主成分として含む水溶
液は、燐酸アミド系化合物及び金属塩を中性の水又は酢
酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫
酸ナトリウム等の中性の化合物の水溶液に溶解した中性
水溶液;燐酸アミド系化合物及び金属塩を、アンモニア
水溶液、炭酸ソーダ水溶液、苛性ソーダ水溶液、燐酸水
素2アンモニウム水溶液、燐酸ナトリウム水溶液、水酸
化カルシウム水溶液、シュウ酸ナトリウム水溶液等のア
ルカリ水溶液に溶解したアルカリ性水溶液;並びに燐酸
アミド系化合物及び金属塩を燐酸水溶液、塩化アンモニ
ウム水溶液、燐酸水素1アンモニウム水溶液、燐酸水素
1ナトリウム水溶液、酢酸水溶液、シュウ酸水溶液、コ
ハク酸水溶液等の酸性水溶液に溶解した酸性水溶液等か
ら構成される。
燐酸2アンモニウム、塩化アンモニウム、有機アミン塩
酸塩、塩酸、燐酸等の酸性触媒、従来から用いられてき
た少量の樹脂加工剤、柔軟剤、浸透剤、撥水剤、及び/
又はセルロース架橋剤等をこの燐酸アミド系化合物及び
金属塩を主成分とする水溶液に補助成分として添加する
こともできる。
粗製の燐酸アミド系化合物は副生成物の塩化アンモニウ
ムを多量に含んでいるが、粗製の燐酸アミド系化合物及
び金属塩の水溶液は好ましい実施態様の1つである。
以上説明した燐酸アミド系化合物及び金属塩を主成分と
する水溶液を以下「加工剤水溶液」と略記する。
布帛に加工剤水溶液を付着させる方法としては、加工剤
水溶液中に布帛を浸漬した後、そのままか、あるいはロ
ールないしマングルで絞る方法、加工剤水溶液を布帛に
噴霧、塗布する方法等が挙げられる。
加工剤水溶液の布帛への付着量としては、乾燥後に布帛
に対し有効成分を2〜7重量%付着させるのが好まし
く、特に好ましくは3〜6重量%である。付着量が少な
いと本発明の効果が小さくなり、付着量が多いと素材に
よっては強力が低下する場合もあるからである。
布帛の繊維基材であるベース素材はセルロース系繊維で
あり、木綿、ラミー、リネン等の天然繊維、ビスコース
レーヨン、ポリノジック、キュプラなどの再生セルロー
ス繊維の両者を含む。又前記ベース素材に少量のベース
素材以外の繊維、例えばポリアミド、ポリエステル、ポ
リアクリロニトリル、スパンデックスのような有機合成
繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、シリコンカーバイト
繊維のような無機繊維のいかなるものを混合しても良
く、また布帛は織物、編物、不織布、樹脂加工布、縫製
品などいかなる形態であってもよい。
染色物への本発明の加工剤の適用は、セルロース布帛が
染色される前でも染色された後でも可能である。また染
料の種類によって本発明の効果が左右されることはな
い。本発明では加工剤を布帛に付着させた後に熱処理を
行なうが、この熱処理の方法として、熱風、赤外線、マ
イクロウェーブ、水蒸気等のいかなる熱源を用いる方法
を採用することができる。1回の熱処理でもよいし2回
以上の熱処理を行なってもよい。好ましい熱処理の温度
は50〜190℃で好ましい熱処理の時間は1〜30分であ
る。この温度、時間については布帛を損傷しないような
条件を適宜選択すればよい。
熱処理により加工剤は水に難溶性となり布帛に固着され
る。熱処理後、湯洗い等を行ない布帛中の水溶性成分を
除去するのが好ましい。
本発明の加工方法により得られる布帛は、加工上りの布
帛に付着している加工剤中の燐含量が原布重量に対し0.
3〜1.5重量%であるのが好ましい。
[作用] 燐酸アミド系化合物と金属塩とを主成分として含む、本
発明のセルロース系布帛の加工剤を用いてセルロース系
布帛を処理すると、洗濯を繰り返してもすぐれた汗−日
光堅牢度、耐収縮性、消臭性等の効果が維持されるが、
これは、燐酸アミド系化合物中のアミド基の一部がセル
ロース繊維中の水酸基と、熱処理中に化学反応して共有
結合を形成し、一方、金属塩中の金属イオンは、上で生
成したセルロース−燐酸アミド系化合物と錯化合物を形
成することにより、安定なセルロース−燐酸アミド系化
合物−金属イオン複合体を生じることによるものと推定
される。この複合体の形成は、洗濯を繰り返した後の布
帛中の燐含量(燐酸アミド系化合物に由来する)及び洗
濯を繰り返した後に布帛を焼却して得られる灰分量(金
属塩に由来する)が、洗濯前の布帛中の燐含量及び洗濯
前の布帛を焼却して得られる灰分量と殆んど変らないこ
とからも裏付けられる。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに説明する。
実施例1 粗製燐酸トリアミド(日本曹達(株)製ロットNo.HG−0
10,純分約37%、塩化アンモニウム63%)150g/l、塩化
亜鉛70g/l、ノニオン性界面活性剤3g/lを含む液よりな
る加工剤水溶液を調製した。次にセルマゾールブラック
B(三井東圧染料(株)製)を用いて浸漬法(対被染物
重2%、浴比1:20)で染色した綿ニット(120g/m2
を、上記加工剤水溶液中に浸漬しマングルで絞った。ピ
ックアップは100%であった。次に100℃で乾燥した後15
0℃で1.75分間熱処理した後、ソーダ灰2g/lを含む水で6
0℃で2分間洗浄してから、さらに60℃で1分間の湯洗
を3回行なった後、十分水洗して、100℃で乾燥して加
工剤で処理された綿ニットを得た。
実施例2 粗製燐酸トリアミド(日本曹達(株)製、ロットNo.HG
−010,純分37%,塩化アンモニウム63%)150g/l,塩化
亜鉛70g/l,ノニオン性界面活性剤3g/lを含む液よりなる
液を50℃にて10時間熟成して加工剤水溶液を調製した。
その後は実施例1と同様な方法により処理して加工布を
得た。
実施例3〜4 実施例1における加工剤水溶液を第1表に示す組成の加
工剤水溶液に代えたこと以外は実施例1と同様の方法に
より処理して加工布を得た。
比較例1〜3 比較のため燐酸アミド系化合物を含むが金属塩を含まな
い水溶液(比較例1)、金属塩を含むが燐酸アミド系化
合物を含まない水溶液(比較例2)、燐酸アミド系化合
物及び金属塩の両者を含まない水溶液(比較例3)を用
いた以外は実施例1と同様な方法で加工布を得た。
実施例3〜4及び比較例1〜3の加工剤の組成を一括し
て第1表に示す。
試験例1 実施例1〜4で調製した加工布をJIS−L−0217の103に
基づく洗濯法により5回洗濯し、試験用の試料とした。
次にこの試料を用いてJIS−L−0888による光及び汗に
対する染色堅牢度の試験、および下記の硫酸分解−比色
法による試料中の燐含量(%)の測定を行なった。
燐含量%の測定方法: 絶乾試料200〜300mgを化学天秤を用いて精秤し、50mlケ
ールダールフラスコに採る。水5ml、硫酸5ml、沸石を加
え、ケールダール加熱分解台にセットし、加熱分解す
る。
試料が炭化し硫酸に溶けて褐色を呈したら加熱を止め、
5分間放冷して60%過塩素酸3滴を加え再び加熱分解す
る。分解液が無色透明になるまで、加熱分解−冷却、過
塩素酸添加操作をくり返し完全に分解させる。室温まで
冷却して分解液を25mlメスフラスコに水で洗い出し秤線
まで希釈する。次に分解液を推定燐含量に応じ50mlメス
フラスコに秤取し、水30mlを加えた後モリブデン酸アン
モニウム溶液(モリブデン酸アンモニウム17.7gを水に
溶かして500mlにしたもの)5ml、メタバナジン酸アンモ
ニウム溶液(メタバナジン酸アンモニウム0.6gを水に溶
かし、60%過塩素酸100mlを加えて水で500mlに希釈した
もの)5mlを加え、水で秤線まで希釈する。併行してブ
ランクテストを同様の操作で行なう。30分間放置後、ブ
ランクを対照液として400nmでの吸光度を測定する。
試料中の燐の重量%は次式で計算する。
なお比較例1〜3で調製した加工布についても上と同様
の試験を行なった。これらの結果を一括して第2表に示
す。
第2表より、実施例1〜4で得られた加工布は、比較例
1〜3のものに比べ汗−日光堅牢度に優れていることが
明らかとなった。
実施例5 実施例1において染色した綿ニットを用いる代りに、染
色しない綿ニット(120g/m2)を用いた他は実施例1と
同様にして燐酸トリアミドと酸化亜鉛とを主成分とする
加工剤水溶液を用いて処理して加工布を得た。
実施例6 実施例5における加工剤水溶液を第3表に示す組成の加
工剤水溶液に代えたほかは実施例1と同様の方法により
処理して加工布を得た。
比較例4 比較のため燐酸アミド系化合物、金属塩のいずれをも含
まない水溶液で処理した布も同様の方法で調製した。
実施例5〜6及び比較例4の加工剤の組成を一括して第
3表に示す。
試験例2 本発明の加工剤で処理した布帛の進行収縮率の測定をJI
S−L−1042の方法に準じて行なった。すなわち、洗濯
前後における布帛の縦および横の長さを求めて次式より
進行収縮率を計算した。
ここにL:洗濯前の布帛の長さ(mm) L′:洗濯後の布帛の長さ(mm) なお洗濯は昭和48年6月1日付消防庁告示第11号「防炎
性能に係る耐洗濯性の基準」(以下「告示第11号」とい
う)の水洗い洗濯試験法に準じ次のように行なった。
(i)洗浄を60℃の液で75分間連続して行なう。
なお告示11号の方法は洗浄時間が15分間あるが、本法で
は15分×5(回)=75分とする。洗浄時間以外の条件は
告示第11号と同じとする。洗剤は粉末洗濯石鹸(JIS−
K−3303に規定された1種)とし水1当り1gを用い
た。
(ii)(i)の洗濯方法を9回繰り返した。なお(i)
の洗濯試験は5回繰り返しに相当し、これを9回繰り返
すので、合計45回繰り返したことに相当する。
実施例5〜6,比較例4によって得られた加工布の進行収
縮率の測定結果、および洗濯後における加工布中の燐含
量をまとめて第4表に示す。
第4表より、実施例5〜6で得られた加工布は、比較例
4のものに比べ、特に縦方向の進行収縮率が低く、防縮
性に優れており、また洗濯後の燐含量も洗濯前とほぼ同
一であり、耐洗濯性に優れていた。
試験例3 実施例5〜6、比較例4によって調製した加工布につい
て試験例2に示した45回繰り返し洗濯を行ない、洗濯後
の加工布を試料として以下に示す方法でそのアンモニア
ガス吸着量を測定した。
アンモニアガス吸着量測定方法: 試験装置の概要は第3図に示すごとくである。初期濃度
約500ppm(X1ppm)に調整したアンモニアガスをテドラ
パックA(約2l容)にとり、このアンモニアガスを流速
1/分で、1gの被験試料を充填したガラスカラムC中
にミニポンプPで送気する。流速は流量計Bにより測定
する。60分後パックの中のアンモニアガス残留濃度(Y1
ppm)を測定する。新しい初期濃度約500ppm(X2ppm)の
アンモニアガスをテドラパックAに詰め替えて第1回目
と同様の操作で、アンモニアガス残留濃度(Y2ppm)を
測定する。以後、同様にして残留濃度の80〜90%になる
まで繰り返す。Xn及びYnの値により次式によりアンモニ
アガス吸着量を算出する。
試料のアンモニアガス吸着量(mg/g)=C1+C2+……+
Cn+…… 測定結果を第5表に示す。
[発明の効果] 燐酸アミド系化合物と金属塩を主成分とする本発明の加
工剤でセルロース系布帛を処理すると次の効果が得られ
る。
(1)汗−日光堅牢度が顕著に改善され、その効果は洗
濯に十分耐え得るものである。
(2)洗濯による進行性収縮を大幅に軽減できる。
(3)耐水性、耐洗濯性に優れ、繰り返して水処理や洗
濯を行なっても、すぐれた消臭効果を維持する。
【図面の簡単な説明】
第1図は粗製リン酸アミド系化合物の熟成前の31PのNMR
曲線図、第2図は粗製リン酸アミド系化合物を熟成した
後の31PのNMR曲線図、第3図は本発明の加工剤の消臭効
果を評価するために用いられたアンモニアガス吸着量測
定装置の概略図である。 A……テドラパック、B……流量計、C……カラム、P
……ミニポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燐酸アミド系化合物と金属塩とを主成分と
    して含むことを特徴とするセルロース系布帛の加工剤。
  2. 【請求項2】燐酸アミド系化合物と金属塩とを主成分と
    して含むセルロース系布帛の加工剤の水溶液をセルロー
    ス系布帛に付着させ、次いで熱処理することを特徴とす
    るセルロース系布帛の加工方法。
JP1102545A 1989-04-21 1989-04-21 セルロース系布帛の加工剤及び加工方法 Expired - Lifetime JPH0689506B2 (ja)

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