JPH0689270B2 - 導電性発熱性塗料 - Google Patents

導電性発熱性塗料

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JPH0689270B2
JPH0689270B2 JP62263954A JP26395487A JPH0689270B2 JP H0689270 B2 JPH0689270 B2 JP H0689270B2 JP 62263954 A JP62263954 A JP 62263954A JP 26395487 A JP26395487 A JP 26395487A JP H0689270 B2 JPH0689270 B2 JP H0689270B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は導電性発熱性塗料に関し、詳しくは約450℃迄
の温度範囲において、任意の温度で且つ均一の温度分布
を発現し得、温度制御可能な発熱体を得るための導電性
発熱性塗料に関する。
従来の技術 従来から発熱体として、貝殻(Shell)状、鱗片(Flak
e)状、針(Needle)状、繊維(Fiber)状のカーボン
(炭素質)、グラファイト(黒鉛)などの炭素粒の導電
性微粉末を混合した合成樹脂フィルム及びその長手方向
両側に埋設した電極線より構成された面状発熱体素子
(特公昭60-59131号公報)等があり、これを固体面上に
張りつけて60℃位まで加温できるものは知られている。
しかし、このカーボン、グラファイト粉と合成樹脂とか
ら得られる発熱体は例えば塗膜の電極間距離が狭く、均
一温度分布の広い発熱面は得られず、これら従来のカー
ボン、グラファイト等の導電性微粉末を用いるものにあ
っては、これを合成樹脂に混合し、溶融押出し成形して
テープ状の発熱体素子として利用するものであり、これ
らの導電性微粉末を含む塗料又はペーストを用い、該塗
料を塗布して広い発熱面を有する発熱体を製造すること
はなされていない。
この発熱面に熱放散を阻害するような作用が働くと、従
来のものは局部的に酸化や焼損の危険があるので、60℃
位までしか昇温することができないものであった。
例えば、従来のものでは第10図に示すように面状発熱体
素子(テープ)2を基台1に貼付けたものであり〔第10
図(a)〕、金属端子3より通電すると発熱部(素子
2)は加熱され、基板上に温度分布6が生ずる〔第10図
(b)〕。
発明が解決しようとする問題点 このように、従来の貝殻状、鱗片状、針状、繊維状の炭
素質、黒鉛等の導電性粉末を用いるものでは、均一温度
分布で広い発熱面を有する発熱体は得られない。これら
の導電性粉末を含むペースト或いは塗料を塗布する場合
は塗膜の厚さを厳密にしなければならず、機械で例え
ば、1/10〜1/100mmの精度で、精密に塗布された塗膜で
あることが必要であり、手塗りによることができない。
即ち、従来のものでは塗膜の厚さが変わると、厚い所へ
電流が流れ、そのため、その部分が高温となる。又、温
度上昇に伴う抵抗の上昇が少ないために(第1図の
b)、熱放散の不均一作用が働くと、そのための局部過
熱が予想される。これを予防するためにサーモスタット
を用いたり、温度調節器を組みこんだりする対策をとっ
ているが、広い面ではどこに放熱を妨げる局部が出来る
か予測不能であり、そうした局部を多く想定してセンサ
ーを数多く設定取付けすることは不可能であり、従来の
これら導電性微粉末からなる面状発熱体はあまり普及し
ていない。
そして、従来のものでは機械的に厳密に塗布する必要が
あるため、機械的な塗布のできない曲面、穴の内面、凹
凸面を有するものでは、前記のような局部的過熱、過温
が生ずるので、それらの発熱体を製造することは極めて
困難であった。
しかしながら、導電性粉末として入手の面その他で有利
な炭素粉系を用いて、広い発熱面を有し、曲面、穴の内
面、凹凸面等の複雑な構造のものでも手塗り或いは浸漬
による厳密に均一な膜厚でないものでも、温度分布が均
一で、局部的な焼損或いは過熱がなく、加熱温度も自由
に調節できる発熱性塗料或いはペーストの出現が望まれ
ている。
問題を解決するための手段 本発明者は、すぐれた発熱体を製造するための導電性発
熱性塗料(ペーストを含む)について種々研究し、特に
導電材として耐薬品性、耐衛生面で最も好ましい黒鉛粒
についてその種類、形状、粒径及びそのバインダーであ
る樹脂及びそれらの配合比率或いは熱処理方法、塗布方
法等の組合わせについて研究した結果、特定の粒形と結
晶を有する黒鉛粒と合成樹脂を主要成分として含有する
ペースト或いは塗料により、前記の問題点が解決でき、
すぐれた発熱体が製造できることを見出し、本発明に到
達したものである。
即ち、本発明は粒子径500μm以下の球状体からなる粒
子を主とする黒鉛粒と合成樹脂を主成分として含有し、
該黒鉛と該合成樹脂の量割合が黒鉛100重量部に対して
合成樹脂25〜250重量部であることを特徴とする自己温
度制御性〔PTC(Positive Temperature Coefficien
t)〕を有する導電性発熱性塗料に関する。この塗料に
はペーストも含まれる。
本発明の黒鉛は球状体であり、少なくとも球状体が60%
以上占めることが必要である。従来の発熱体に用いられ
た炭素粒は鱗片状、針状、繊維状或いは貝殻状のもので
あるか或いは大部分がそれらの形状のものであり、球状
体の黒鉛粒を発熱塗料として用いた例は見られない。そ
のためこれら鱗片状、針状、繊維状或いは貝殻状の炭素
粒を用いる従来のものでは、局部加熱のない均一温度分
布の広い発熱面を有する発熱体は得られず、所謂電気抵
抗の温度係数が小さくて、自己温度制御性を有する発熱
体は得られなかったのである(第1図のb)。
本発明の球状体黒鉛粒の大きさは直径が500μm以下で
あり、該500μm以下のものが60%以上を占めるもので
ある。実用的には1〜200μmのものである。500μmφ
以上では黒鉛粒の分散が不均一になり、温度斑を生じや
すいので好ましくない。
本発明の球状黒鉛粒は1500〜3500℃の熱処理により結晶
構造の稠密層面間隔が3.425〜3.358Å以下のものとする
ことができ、好ましくは3.380〜3.358Åのものが使用さ
れる(第7図)。3.358Å以下のものは更に好ましいが
コスト高なる。該面間隔が3.425Å以上であると、抵抗
が大きくなって、電圧を上げてもWatt/cm2が上がらず
(例えば0.05Watt/cm2以下であり)、従って昇温しにく
く(例えば20℃以下となり)好ましくない。球状体の粒
子の黒鉛は1500℃以上の熱処理を受けた比抵抗が約5000
〜1300μΩcm以下であるものが好ましい。1300μΩcm以
下のものは好ましいがコスト高となる。
本発明の球状体からなる黒鉛粒は1965年テイラー等がそ
の製造方法を報告している〔Brooks and Taylor カーボ
ン(carbon)3,185(1965)〕。そして、最近、特殊炭
素材、層間化合物、吸着材、充填材等への利用が提案さ
れているが、これを発熱塗料として用いることについて
は前述のとおり、例を見ないのであり、それによりすぐ
れた効果が奏せられることは本発明者が初めて見出した
ものである。
本発明の球状黒鉛粒は、いずれの製造方法によっても構
わないが、石油、石炭、有機物を高温にし、炭素化、コ
ークス化し、ついで黒鉛化する等により製造される。
これらには例えば、テーラー等の方法によりコールター
ル、コールタールピッチ、石油系重質油等の歴青物を35
0〜500℃の温度で長時間加熱処理し、低分子化合物の重
縮合反応をくり返し、高分子化し、生成した炭素質より
光学的異方性球体を分離したメソ カーボン マイクロ
ビーズ(meso carbon micro beads)或るいは、合成
樹脂を炭素化した球状に近いコークスを、千数百度〜3
千数百度の熱処理還元により黒鉛化することにより製造
される。比抵抗は6000〜1300μΩcmであり、高抵抗用、
低抵抗用とその用途によって選択される。
本発明の黒鉛粒を用いることにより、黒鉛粒と溶剤及び
合成樹脂の液状塗料、又は黒鉛粒と合成樹脂からなる粉
体塗料における黒鉛粒の均一分散や塗膜の実用的な電気
電導度を得ることができる。
本発明で用いられる合成樹脂はバインダーであって、熱
可塑性、熱硬化性及び電子線硬化性樹脂であることがで
き、その発熱体の適用分野に応じて適宜選択することが
可能である。
熱可塑性樹脂としては軟化点が15℃以上、平均分子量が
数千〜数十万のものであり、熱硬化性樹脂又は反応型樹
脂としては塗布液の状態では200,000以下の分子量であ
り、塗布乾燥後、加熱により縮合、付加等の反応により
分子量は無限大のものとなる。又、ラジカル重合性を有
する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタクリル酸、
あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル系二
重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重結
合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の、放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱
可塑性樹脂の分子中に含有または導入した放射線硬化系
樹脂を用いることができる。
これらの合成樹脂は例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、シリコーン樹
脂、ポリチタノカルボシラン樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、
ポリフェニレンサルフィド樹脂、ポリフロン樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、塩ビ樹脂等であり、塗膜の所望の目的
温度に応じて軟化温度或いは分解温度を有する樹脂を選
択することができる。
本発明の黒鉛粒と合成樹脂バインダーの量割合は、所望
する発熱温度、発熱面の大きさ等により、又黒鉛粒、及
び合成樹脂の種類及び組合せ等により種々選択される
が、一般的には黒鉛粒100重量部(以下部と略す)に対
して、20〜250部好ましくは30〜200部である。
合成樹脂の割合が25部以下では抵抗値の小さいものが得
られ、高温の発熱体(広い発熱面をもつものに応用でき
る)が得られるが、塗膜強度が不足すると共に電気抵抗
の温度係数が小さくなって、温度むらが生じやすい。一
方、合成樹脂の量が250部以上では発熱に必要な電流が
得られず(抵抗値が過大になって)実用に適さないもの
となる。即ち、電気抵抗値が常温で1Ω/口(Ω/口と
は正方形面積に対する電気抵抗値を表す)以下では過電
流となり、その結果不均一な高温となりすぎるし、6,00
0Ω/口以上では過小電流になり、発熱せず所望の温度
が得られにくいのである。
そして、広い発熱面の場合は電気抵抗の小さい常温で1
Ω/口のものが、狭い面積の場合は電気抵抗値の高い常
温で6,000Ω/口のものが、一般にはその中間値のもの
が用いられる。そして本発明では、発熱体の表面温度を
黒鉛形状、熱処理温度、塗料配合、塗布厚さ、印加電圧
等の組合せにより最大約450℃までの任意温度に(環境
温度−30℃〜+40℃で)長時間安定して得ることができ
る。
この黒鉛粒と合成樹脂とを主成分とする塗料は各種塗装
方式、例えば、はけ塗り塗装、ローラー塗装、吹き付け
塗装、静電塗装、電着塗装或いは粉体塗装等の塗装剤に
又は浸漬用に応じて他の添加剤或いは補助剤を加えるこ
とができる。
これらの添加剤、補助剤は、例えば希釈溶剤、沈降防止
剤或いは分散剤、酸化防止剤、他の顔料その他の必要な
添加剤であることができる。
希釈溶剤としては、塗料に使用される溶剤、例えば脂肪
族炭化水素、芳香族石油ナフサ、芳香族炭化水素(トル
エン、キシレン等)、アルコール(イソプロピルアルコ
ール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール等)、エ
ーテルアルコール(エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチレングリコールモノエーテル等)、エーテル類
(ブチルエーテル)、酢酸エステル、酸無水物、エーテ
ルエステル(エチルセロソルブアセテート)、ケトン
(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)N−
メチル2ピロリドン、ジメチルアセトアミド、テトラヒ
ドロフラン等が使用される。これらはバインダーである
合成樹脂に応じて適宜、好ましいものが選択される。こ
の希釈溶剤の使用量は樹脂100部に対して400部以下の範
囲で選択される。
又沈降防止剤としては、メチルセルローズ、炭酸カルシ
ウム、変成ベントナイト微粉等が挙げられ、又分散剤と
しては、各種界面活性剤が使用され、アニオン系活性剤
(脂肪酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類)、カチオ
ン系活性剤(脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩
類)、両性系活性剤或いはノニオン系活性剤が挙げられ
る。又塗料又はペーストの乾燥固化又は硬化を短時間で
容易に行うために硬化剤を加えることができる。
これらの硬化剤は樹脂に応じて、それぞれ選択し得、脂
肪族、或いは芳香族ポリアミン、ポリイソシアネート、
ポリアミド、アミン、チオ尿素等の通常の硬化剤が用い
られる。
その他、安定剤、可塑剤、酸化防止剤等が適宜に用いら
れる。
本発明の導電性発熱性塗料は、プラスチック、セラミッ
クス、木質、繊維、紙、電気絶縁被覆した金属材料その
他の基材から形成される所望の形状の固体或いは固体表
面に塗布或いは浸漬して発熱体を製造することができ
る。
例えば、2本以上の金属製端子を固定した電気絶縁被覆
した金属材料、セラミックス、プラスチックス、木質体
又はそれらの組合せ体の基台に、本発明の塗料を約0.2m
m〜3.5mmの厚さに塗布する(硬化後の塗膜厚0.1mm〜0.3
mm)。
前記基台の形状は平面、曲面共に格別限定されず、線
状、棒状、円筒状、平面状、又はその他の3次元曲面状
のものからなる発熱体とすることができる。
基台表面はセラミックス皮覆が望ましいが、150℃以下
の所望温度であれば、木質によっても使用可能な場合が
ある。さらに木質、又はプラスチック体又は金属体に、
セラミックスを表面被覆し、複合体とする等の組合せ体
も可能である。
塗布される固体表面が広く、ハケ塗り、ロール塗り、ス
プレイ塗りをする時には、塗料の流動性を上げて作業性
をよくする。この場合は希釈用に溶媒を導電粉末の合計
100部に対して、400部以下の範囲で混合することがよ
く、それ以上では塗料が流れすぎて所定の塗膜厚さにな
りにくく、所望の塗膜表面温度をうるのに適当でない。
塗膜の硬化又は固化は、約350℃〜70℃の温度で硬化或
いは乾燥固化するか或いは電子線(放射線)硬化され
る。
乾燥固化或いは硬化を350℃〜70℃で充分な時間をかけ
ると、平滑な所定厚さの膜が得られる。それより高温で
は発砲、流動、変質の危険があり70℃以下では長時間を
要するので好ましくない。
膜厚約0.2mm〜3.5mmに塗布して、該塗料を350℃以下の
温度で反応硬化させると約0.1〜3.0mm厚さの乾燥固化し
た塗膜を得て、低温は勿論、高温の電気抵抗発熱塗膜体
をうる。塗布厚は約0.1mm〜3.0mmが好ましく0.1mm以下
では電気抵抗が過大となり、単位面積当り電力が過小と
なり、又膜強度が不足し、3.0mm以上では、粒子の沈降
分離が起って偏析しやすく、又均一な塗膜が得られにく
い。この塗膜の金属端子間の電気抵抗は、前述のとおり
常温で1〜6000Ω/口である(低電気抵抗の時には、導
電膜ともなる)。
漏電の心配がある場合は、発熱塗膜体の上に電気絶縁皮
膜を強度上必要限度に導くカバーする。厚すぎると熱の
移動が妨げられる。
又繊維、又は紙を本発明の球状黒鉛と合成樹脂とを含有
する塗料又はペーストで処理することにより、同様に発
熱体とすることができる。
又電子線(放射線)及び硬化性樹脂を用いることによ
り、すぐれた表面性を有する発熱体を得ることができ
る。
本発明の電導性発熱塗料では、黒鉛粒及び合成樹脂の種
類、配合比及び膜厚とそれらの組合せを選択することに
より、更に発熱面積を選択したり、又使用電圧を選択す
ることにより、発熱体の温度を所望の温度に調節するこ
とができる。
このことは本発明において、球状体の粒子の黒鉛粒を選
択したことによるものであって、従来の鱗片状、針状、
貝殻状、繊維状のカーボン及びグラファイトを使用する
ものでは到底得られない効果である。
本発明の導電性発熱性塗料は自己温度制御作用があり、
特に厳密に塗膜の厚さを均一化する必要がなく、所望の
形状の固体表面を手塗りで塗膜が形成でき、又、所望の
形状の含浸性固体物質(繊維、紙、)に浸漬して発熱体
を製造できるので、種々の分野、例えば室内壁面、床、
屋根、炉内面、管内外面、カーペット、毛布、簡易ヒー
ター、保温器、凍結防止器、等で広く利用される発熱体
とすることができる。特に暖房、保温、加熱部品のもの
として、すぐれた発熱体とすることができる。
作用 本発明の導電性発熱性塗料は、球状体からなる黒鉛粒と
合成樹脂を主成分とするため、自己温度制御作用があり
約450℃迄の間の温度範囲において、所望の温度に自由
に調節でき、又広い発熱面から狭い発熱面にわたり、又
種々の形状及び面(凹凸面等、含めて)において、均一
の温度分布を有する発熱体とすることができる。
実施例 本発明を実施例にて更に詳細に説明するが、本発明はこ
れらの例に限定されるものでないことは言う迄もない。
実施例1 バインダー合成樹脂としてPTFE(ポリテトラフルオロエ
チレン)を用い、樹脂固形分0.9重量部に対して本発明
の球状体黒鉛粒(20〜50μmφ)1重量部を混合した塗
料(a)及び従来の針状黒鉛粉末(10〜60μm)1重量
部を混合した塗料(b)からなる導電性発熱性塗料をそ
れぞれ製造した。
これら(a)及び(b)の塗料を面形状に塗膜約0.6mm
厚となるように塗布し、発熱体を製造した。
これらの発熱体の電気抵抗Ω/口と表面温度との関係を
第1図に示す。
第1図より明らかなとおり、本発明の導電性発熱性塗膜
(a)の場合、120℃で約30倍に電気抵抗が増大した。
この100℃で電気抵抗の温度係数が急増することは自己
温度制御が働くことを示すものである。
これに対して、従来の針状黒鉛粉末を用いた塗膜(b)
では電気抵抗は温度上昇に伴って殆ど変化しなかった。
このことは従来の針状の黒鉛粒では電気抵抗の温度係数
が非常に小さいことを示し、断熱片が発熱体に被った場
合に電流が減らず温度は上昇を続け過熱スポットが生ず
る。鱗片状、繊維状、貝殻状のものも針状のものと同一
傾向を示した。
又、第2図に示すように、120℃に通電加熱した塗膜面
2上に断熱片4(セラミックウール)をおいて通電し、
A点及び断熱片下のB点温度を測定した。第3図は、0.
55Watt/cm2の投入電力での通電時間に対する塗料(a)
及び塗料(b)から得られた発熱体のB点における温度
とA点における温度との温度差を示すグラフである。本
発明の導電性発熱性塗料(a)より得られる発熱体では
10分後に約3℃(123℃−120℃=3℃)の上昇があるだ
けであるのに対して、従来の導電性発熱性塗料(b)で
は約104℃(222℃−118℃=104℃)に上昇した。これよ
り明らかなとおり、本発明の導電性発熱性塗料による発
熱膜は局部的に放熱が妨げられても過熱が生じることが
なく、自己温度制御作用があることを示した。
実施例2 600μmφを最大とし500μmを中心とする球状黒鉛粒1
重量部に対してPTFE固形分2.2倍量配合した塗料から得
られた塗膜1.5mm厚さの発熱体は100Vの投入電圧で電気
抵抗が急増して温度が上昇せず、室温30℃時、100cm2
発熱面で70±30℃の温度斑が生じ局部的にしか昇温しな
かった。500μmφを最大とし400μmφを中心とする球
状黒鉛粒1重量部に対してPTFE固形分2倍量配合した同
様の実験では温度斑は75±12℃になった。温度均一化の
ための黒鉛の粒径の大きさと合成樹脂の配合量の限界を
示した。
実施例3 平均粒径30μmφ(面間隔3.36±0.02Å)の球状黒鉛粒
0.6重量部に対して、平均粒30μmの針状黒鉛粒0.4重量
部を混合した黒鉛粒1重量部に対してPEEK(ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂)固形分0.3重量部を配合した厚
さ1mmの導電性発熱性塗料膜では0.7Watt/cm2の通電下で
260℃に於いても電気抵抗は常温の7倍の約210Ω/口で
あった。断熱ウールを局部的に置くと、その下の温度が
290℃になった。PEEK0.25重量部では260℃で常温の4倍
の105Ω/口となり、断熱ウールを局部的に置くと、そ
の下の温度が300℃を越えて変質した。球状黒鉛60重量
%(炭素粒中)と合成樹脂30重量部(黒鉛粒100重量部
に対する)は自己温度制御作用が働く最下限の値であ
る。
実施例4 球状黒鉛粒を100部とし、ポリエステル、エポキシ、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリフロン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイ
ド、シリコーン、ポリチタノカルボシランの各合成樹脂
を200部迄配合した塗料を0.5mm厚さの導電発熱膜とし30
℃における抵抗を測定すると第4図のように、合成樹脂
と共に抵抗は増大した。粗粒(100μm)は低目
(a)、細粒(1〜8μm)は高目(b)を示した。30
〜200%の合成樹脂の配合で1〜6000Ω/口の任意の抵
抗のものが得られる。
抵抗が6000Ω/口の場合、100V、1.7Wで5cm角の面を、
室温0℃の時に20℃まで昇温でき(1.7W/5×5cm2=0.0
7Watt/cm2)、抵抗が3000Ω/口ならば、100V、3.3Wで7
cm角の面を20℃に昇温でき、又10Ω/口の場合は、100V
の電圧を印加すると、42cm角の面が120℃になる。
実施例5 球状黒鉛粒(約50μmφ)100重量部に対して、PTFE200
重量部、100重量部及び70重量部を配合した導電性発熱
性塗料を用い、0.5mm厚の塗膜とし、その抵抗と発熱温
度を測定した(第5図)。第5図より明らかなように、
合成樹脂量が多いと発熱温度が低く、PTFE200重量部で
は0℃時に最高約30℃であり(第5図のa)、樹脂量が
少くなるにしたがって発熱温度は上り、100重量部では
発熱温度約120℃(第5図のb)、70重量部では約220℃
の高温まで上げることができる(第5図のc)。
そして、この合成樹脂として耐熱性のポリチタノカルボ
シラン樹脂を用いた場合には最高約450℃までの高温と
することができる。
以上記載のとおり、本発明では球状黒鉛粒の粒径、合成
樹脂の配合量、合成樹脂の種類により、450℃までの発
熱温度に自由に容易に調節することがきる。
実施例6 面間隔が3.358〜3.425Åである30μmφの球状黒鉛粒を
100部としポリエステル、エポキシ、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリエチレン、ポリフロン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンサルファイド、シリコン、
ポリチタノカルボシランの各合成樹脂を50部、100部、1
50部配合した塗料を0.5mm厚さの導電発熱膜とし、30℃
における抵抗を測定した。結果を第6図に示す。第6図
から明らかにように、面間隔が3.40〜3.425ÅがΩ/口
が急増し、高電圧を印加しても温度が上がらず、面発熱
体としては不向きであった。
実施例7 第8図に示すように、波形凹凸面を有する固体1上に、
耐熱セラミックス5を被覆し、Niメッキ銅網帯(幅7mm,
0.2mm網目)を平行に電極端子3としてその上に平均粒
子径約30μmφの球状体黒鉛粒100重量部に対して、1
液性エポキシ樹脂100重量部を配合した導電性発熱性塗
料を塗布し、約0.4mm厚さの硬化塗膜2を固着した。
30cmの端子間に100Vの電圧を印加すると、全面にわたり
室温30℃+50℃=80℃±4℃のほぼ均一な温度分布6と
なった。
実施例8 第9図に示すような、大きいテーパーをもつ截頭円すい
セラミックス体1(上200mmφ、下300mmφ、高さ500m
m)に、金属端子3を固定し、その上に平均30μmφの
球状体黒鉛粒1重量部に対し、PTFE0.6重量部を配合し
た導電性発熱性塗料を用い、小径部に0.5mm、大径部に
0.8mm、平均約0.65mm厚さの硬化塗膜2を固着した。120
Vの電圧を端子間に印加し、全面220〜240℃(室温30
℃)のほぼ均一な温度を得た。端子線を0.3mmφNiメッ
キ銅線10本とすると、長時間連続加熱している間に抵抗
が増加してきたが、0.2mmφNiメッキ銅線網(網目0.3m
m、網幅7.5mm)とすると抵抗値は安定して数千時間変化
がなかった。この発熱膜の上にさらに同一銅線網リード
と同一発熱膜を固着させると電気抵抗が1/2となり、電
圧は120Vから85Vに下げても略々同一温度が得られた。
発明の効果 本発明は粒子径500μm以下の球状体の黒鉛粒と合成樹
脂を主成分とする塗料又はペーストであって、自己温度
制御作用があり、広い発熱面から狭い発熱面において、
種々の形状及び面(凹凸面系も含めて)において、塗膜
の膜厚が不同不均一であっても均一の温度分布を有する
発熱体を製造することができるうえに、本発明のペース
トは約450℃迄の間の温度範囲にわたり、所望の温度に
自由に調節でき、各分野で適用できる各種形状の発熱体
を容易に製造することができる、すぐれた発明と言え
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明及び従来の導電性発熱性塗料から得られ
る発熱体の電気抵抗Ω/口と表面温度との関係を示すグ
ラフ、第2図は塗膜上の温度測定位置を示す模式図、第
3図は本発明及び従来の導電性発熱性塗料から得られる
発熱体の局部放熱が妨げられた際の時間と温度差の関係
を示すグラフ、第4図は球状黒鉛粒の粒径の大きさと合
成樹脂の配合量における電気抵抗を示すグラフ、第5図
は黒鉛粒と合成樹脂の配合量に対する電気抵抗と発熱温
度を示すグラフ、第6図は球状体黒鉛粒の面間隔と電気
抵抗の関係を示すグラフ、第7図は熱処理と黒鉛粒の結
晶構造の稠密層面間隔との関係を示すグラフ、第8図
(a)(b)及び第9図は本発明の塗料を塗布した発熱
体の説明図、第10図(a)(b)(c)は従来の発熱体
の模式図である。 図中、1は基台、2は塗膜、3は端子、4は断熱片、5
はセラミックス被膜、A及びBは温度測定点。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子径500μm以下の球状体からなる粒子
    を主とする黒鉛粒と合成樹脂を主成分として含有し、該
    黒鉛と該合成樹脂の量割合が黒鉛100重量部に対して合
    成樹脂25〜250重量部であることを特徴とする自己温度
    制御性を有する導電性発熱性塗料。
  2. 【請求項2】黒鉛粒が球状体黒鉛粒60重量%以上からな
    るものである特許請求の範囲第1項記載の導電性発熱性
    塗料。
  3. 【請求項3】黒鉛粒が結晶構造の稠密層面間隔3.380〜
    3.358Åのものである特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の導電性発熱性塗料。
  4. 【請求項4】合成樹脂がポリエステル樹脂、エポキシ樹
    脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリフ
    ロン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレ
    ンサルファイド、シリコン樹脂、ポリチタノカルボシラ
    ン樹脂である特許請求の範囲第1項記載の導電性発熱性
    塗料。
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