JP5729797B1 - 導電性塗料および導電性塗料を用いた面状発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期電流値と経時電流値の変化がほとんどなく、残存溶媒による通電作用がきわめて低いSTS特性を有する導電性塗料と、これを用いた面状発熱体を提供する【解決手段】導電性材料と、バインダー樹脂と、結晶性低分子有機化合物と、STS特性発現溶媒と、を分散配合したSTS特性を有する導電性塗料であって、前記STS特性発現溶媒が比誘電率6以下の非水溶媒であることを特徴とするSTS特性を有する導電性塗料であり、STS特性発現溶媒のSP値が、17〜22(MPa)1/2である。STS特性を有する導電性塗料を、電極を備える保持材に含浸又は積層した面状発熱層を絶縁シート基体で被覆する。【選択図】図1

Description

本発明は、温度上昇がある一定値に達すると熱平衡(温度飽和)状態になるSTS(Self Temperature Saturation)特性を有する導電性塗料およびSTS特性を有する面状発熱体に関するものである。
面状発熱体は、ニクロム線ヒータ等の線状発熱体とは異なり、二次元的に広がる発熱体であることから、大面積を確保することが可能である。このため、面状発熱体は、例えばマット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等に広く利用されている。
このような面状発熱体の一種に、PTC(Positive Temperature Coefficient)特性(自己温度制御性:温度上昇につれて抵抗値が増大する性質)を示すものがある。PTC特性を示す面状発熱体(以下、「PTC面状発熱体」という。)は、負荷電圧が一定の場合に電流値が低下し、抵抗値が急激に増大することにより、自己温度制御が可能となる。これにより、PTC面状発熱体は、日差しやこもり熱による過熱を自動的に制御するため、人体に対して火傷等の危険性を与えることがなく、また低消費電力を実現可能な発熱体として汎用されている。
PTC面状発熱体は、PTC特性を有する導電性塗料(以下、「PTC導電性塗料」という。)を不織布等の基布に含浸又は塗布し、あるいは高分子フィルム等の基材に塗布又は印刷した後、これを焼成、乾燥、エイジング等の工程を経て製造される。PTC導電性塗料は、通常、PTC付与剤としてのパラフィン、導電性付与剤としてのカーボンブラック又はグラファイトや、構造材としての熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の樹脂成分、さらには有機溶媒成分等を含有する。
特許文献1には、織布を構成する縦繊維糸或いは横繊維糸の一部を導電線とし、このようにして織成された織布にカーボン系の導電性塗料を塗布して導電材を付着させ、これらカーボン系導電材の上下両面を電気絶縁性被覆材で被覆し、該各電極帯体の端部に電極端子を取り付けた面状発熱体が開示されている。しかしながら、カーボン系導電性塗料におけるカーボン系導電性のバインダー樹脂である高分子熱可塑性樹脂に対する割合は10〜30重量%であり、面状発熱体として導電性を十分に発揮しているとは言えない。また、STS特性については開示されていない。
特許文献2、3には、温度上昇とともに抵抗値が増大するPTC特性を有する面状発熱体として、非動作時の室温抵抗値が十分低くく、室温抵抗値と動作時の抵抗値の変化率が十分大きく、繰り返し動作による抵抗値の変化が小さい自己制御型発熱体として、ワックス等の結晶性低分子有機化合物(以下、「結晶性低分子有機化合物」という。)を用い、バインダーとして熱可塑性高分子及び熱可塑性高分子(以下、「バインダー樹脂」という。)をマトリックスとする導電性材料を配合した自己制御型発熱体が開示されている。結晶性低分子有機化合物を動作物質に用いると、一般に高分子に比べて結晶化度が高いため、昇温により抵抗が増大する際の立ち上がりが急峻になるという利点がある。また、高分子は過冷却状態を取りやすいため、通常、昇温時に抵抗値が増大する温度より降温時に抵抗値が減少する温度の方が低くなるようなヒステリシスを示すが、結晶性低分子有機化合物を用いることでこのヒステリシスを抑えることができる。さらには、融点の異なる結晶性低分子有機化合物を用いれば、抵抗が増大する温度(動作温度)を簡単に制御できるからである。
しかしながら、導電性材料を配合したバインダー樹脂に結晶性低分子有機化合物を分散配合したPTC導電性塗料を、電極を備える保持材に含浸又は積層した面状発熱層を絶縁シート基体で被覆した面状発熱体(PTCヒーター)では、導電性材料への結晶性低分子有機化合物による被覆が十分でないため、低温時に被覆が十分でない導電性材料同士の接触により、通電開始時電流値(以下、「初期電流値」という。)が高くなる。一方、高温時にはバインダー樹脂の膨張により導電性材料の接触が解かれ、抵抗値が経時で大きくなる(図3参照)。このため、初期電流値を考慮して、ブレーカーの電気容量を上げる必要がある。また、PTCヒーターを温度制御ユニットに接続するため、温度制御ユニットの定格電流量以下にする必要があり、これを避けるため、面状発熱体(例、マット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等)の用途では、PTCヒーターの敷設面積を小さくしなくてはならないという問題がある。 また、通電経時による電流値(以下、「経時電流値」という。)が漸減するため、面状発熱体の発熱温度を一定値以上に高くできないという問題もある(図5上段参照)。さらに、PTC導電性塗料を不織布等の基布に含浸又は塗布し、乾燥によって塗膜を形成した面状発熱層を絶縁性シート基体でラミネート被覆した後の、残存溶媒の通電作用によって、昇温による抵抗値の増大が十分ではなく、PTC特性を発揮できないという問題もある。
特開平11−040329号公報 特開2000−200704号公報 特開平9−027383号公報
本発明は、上記課題、具体的には、初期電流値が高く、経時電流値の変化が大きく、定格電流量のある面状発熱体(例、マット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等)として敷設面積を小さくする必要があること、発熱層を絶縁性シート基体でラミネート被覆した後の、残存溶媒による通電作用による抵抗値の抑制、という課題を解決するため、面状発熱層を絶縁性シート基体でラミネート被覆した面状発熱体に用いたときに、初期電流値と経時電流値の変化がほとんどなく、残存性の低い溶媒、すなわち、STS特性発現溶媒(以下、「STS特性発現溶媒」という。)を分散配合したSTS特性を有する導電性塗料を提供するとともに、定格電流量のある面状発熱体(例、マット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等)の用途に最適なSTS特性を有する導電性塗料を提供することにある。
上述した課題は、以下の態様により解決できる。具体的には、
(態様1) 導電性材料と、バインダー樹脂と、結晶性低分子有機化合物として融点が40〜100℃のワックス、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスのいずれか又はこれらの混合物と、STS特性発現溶媒として比誘電率6以下、かつSP値が、17〜22(MPa) 1/2 の特性を有するDMC、EMC、DEC、1,4−DOx、CPME、METHFのいずれか又はこれらの混合物と、を分散配合したSTS特性を有する導電性塗料であって、前記STS特性を有する導電性塗料を含浸又は積層した面状発熱体の電流値が通電経時で一定である、ことを特徴とするSTS特性を有する導電性塗料である。比誘電率6以下の溶媒を用いることにより、STS特性を有する導電性塗料を電極を備える保持材に含浸または塗布した面状発熱層を絶縁性シート基体で被覆した面状発熱体に用いた場合に、STS特性を発現溶媒が面状発熱体に残存したとしても、低分極性であることから通電性に寄与しせず、通電経時で電流量の変化を生じにくいという効果があるからである。また、STS特性発現溶媒のSP値を17〜22(MPa) 1/2 の範囲に設定することにより、導電性材料の表面での結晶性低分子有機化合物の被膜の形成が促され、かつ、昇温した場合でも結晶性低分子有機化合物がバインダー樹脂に溶解することなく、導電性材料の表面に被覆された状態で膨潤するに留まり、導電性材料の接合が維持されるため、昇温時の電流量が低下しないという効果があるからである。特に、DMC、EMC、DECなどの低級鎖状炭酸エステルは、比誘電率が3以下であるため、残存溶媒となった場合でも通電経時で電流量の変化を生じにくいという効果が大きいからである。結晶性低分子有機化合物としては、面状発熱体の温度設定との関係から、融点が40〜100℃であることが適切だからである。
(態様) 前記結晶性低分子有機化合物に対する前記STS特性発現溶媒の重量比率が、3.8〜5.8であることを特徴とする前記態様1に記載したSTST特性を有する導電性塗料である。結晶性低分子有機化合物に対する前記STS特性発現溶媒の重量比率を、3.8〜5.8の範囲とすることにより、導電性材料表面への被膜形成が促されるからである。
(態様) 前記導電性材料が炭素系導電性粒子であって、該炭素系導電性粒子の前記バインダー樹脂に対する重量比率が、0.3〜0.9であることを特徴とする前記態様1又は2のいずれかに記載したSTS特性を有する導電性塗料である。炭素系導電性粒子のバインダー樹脂に対する重量比率を、0.3〜0.9の範囲にすることにより、通電性、すなわち抵抗値を所定の範囲内にする効果がある。
(態様) 電極を備える保持材に、前記態様1乃至3のいずれかに記載したSTS特性を有する導電性塗料を、含浸又は積層した面状発熱層を絶縁シート基体で被覆した面状発熱体である。
本発明のSTS特性を有する導電性塗料は、導電性材料のバインダー樹脂に対する配合比、SP値、誘電率が特定の範囲のSTS特性発現溶媒の選択、により、初期電流値と経時電流値の変化がほとんどなく、残存溶媒による通電作用がきわめて低く、定格電流量のある面状発熱体(例、マット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等)の用途に最適な導電性塗料である。
本発明の面状発熱体の構造の実施態様の1例を示す説明図である。 本発明の面状発熱体の断面の実施態様の1例を示す説明図である。 PTC発熱体の原理を示す模式図 STS発熱体の原理を示す模式図 PTC発熱体(上段)及びSTS発熱体(下段)の通電時間と発熱体電流値・温度の関係を比較したグラフ
(1)STS特性
本発明の導電性塗料が有するSTS特性について説明する。
本発明の導電性塗料が有するSTS特性とは、自己温度緩和(Self Temperature Saturation)特性をいい、具体的には、導電性材料の表面を結晶性低分子有機化合物層で被覆することにより、導電性材料を構成する分子同士の熱振動を起こりにくくすること、すなわち導電性分子の熱振動を緩和することにより、発熱を抑制できる特性をいう。このSTS特性は、STS特性発現溶媒を導電性塗料に添加することにより発現する。
STS特性を有する発熱体は、表面を被覆する結晶性低分子有機化合物の融解により、通電加熱時における発熱体の発熱量増が抑制され、所定温度に達すると熱平衡(温度緩和)状態となる。導電性材料自体の熱振動を抑制することに特徴があり、通電加熱によっても導電性材料の接触は維持されるので、電流量は一定である(図4参照)。この点において、温度上昇とともに導電性材料の接触が解かれて抵抗値が増大して、電流量が抑制されるPTC(positive temperature coefficient of resistivity)特性とは異なる。
(2)導電性塗料
本発明のSTS特性を有する導電性塗料に用いる導電性材料とバインダー樹脂を含む導電性塗料について、それを構成する導電性材料、バインダー樹脂、塗料溶媒等について説明する。
(2−1) 導電性材料
本発明の導電性塗料に用いる導電性材料としては、後述する面状発熱層の通電機能発揮させるものであれば、特に制限はない。球状、フレーク状、繊維状の金属粒子(例、ニッケル、銀コートニッケル)、炭素系導電粒子(例、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属被覆カーボンブラック)、セラミック系導電粒子(例、炭化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化チタン)、導電性チタン酸カリウムウイスカーがある。導電性材料としては、充填量を増やすことで初期抵抗値を下げることができ、後述するSTS特性を発現させるSTS特性発現溶媒の選択により十分な抵抗変化率を得られれば、コスト的にも炭素系導電粒子が好ましい。
本発明の導電性塗料において、後述するバインダー樹脂に対する炭素系導電粒子の重量比率は、0.3〜0.9が好ましく、0.4〜0.9がより好ましく、0.6〜0.9がさらに好ましい。重量比率が0.3未満であると初期抵抗値が高く、0.9を超えると温度上昇による熱エネルギーが大きく、STS特性を発揮できなくなるからである。
(2−2) バインダー樹脂
本発明の導電性塗料に用いるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を用いる。低分子化合物と導電性材料のみでは、低分子有機化合物の溶融粘度が低いために、塗膜形成した面状発熱層の形状を保てないからである。このため、低分子有機化合物より高い融点を有する熱可塑性樹脂、不溶不融の熱硬化性樹脂を配合することで、塗膜形成した面状発熱層の形状を保持することができる。したがって、バインダー樹脂の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の種類、配合比は、導電性材料の分散性、塗膜形成した面状発熱層の形状保持の観点から適切に選択できる。
本発明の導電性塗料に用いる熱可塑性樹脂としては、低分子有機化合物より高い融点を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、ポリオレフィン系ポリマー(例、ポリエチレン、ポリプロピレン)、1種または2種以上の極性基を含有するオレフィン性不飽和モノマーとから誘導されたモノマー単位で構成されたコポリマー(例、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー)、ハロゲン系ポリマー(例、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン)、ポリアミド(例、12−ナイロン)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアセタール、熱可塑性変性セルロース、ポリスルホン類、ポリエチルアクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ブチラール樹脂等が挙げられる。このような熱可塑性高分子の重量平均分子量Mwは1万〜500万程度であることが好ましい。アクリル樹脂が好ましく用いられる。
本発明の導電性塗料に用いる熱硬化性樹脂としては、塗膜形成した面状発熱層の形状を保持するものであれば、特に制限されない。具体的には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が用いられ、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。用いる熱硬化製樹脂は、所望の性能、用途に応じて適宜選択することができるが、中でも、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂は、末端に反応性のエポキシ基をもつオリゴマー(分子量数百から一万程度)を各種硬化剤で硬化(架橋)したものであり、ビスフェノールAに代表されるグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型に分類される
不飽和ポリエステル樹脂は、主に不飽和二塩基酸もしくは二塩基酸と多価アルコールとを主体としたポリエステル(分子量1000〜5000程度)を架橋の働きをするビニルモノマーに溶解したもので、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物を重合開始剤として硬化させて得られる。
ポリイミドは、製造方法により縮合型と付加型とに大別されるが、付加重合型ポリイミドのビスマレイミド型ポリイミドが好ましい。ビスマレイミド型ポリイミドは、単独重合、他の不飽和結合との反応、芳香族アミン類とのマイケル付加反応あるいはジエン類とのDiels-Alder反応等を利用して硬化できる。
ポリウレタンは、ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応で得られる。ポリイソシアネートとしては、芳香族系と脂肪族系とがあるが、芳香族系が好ましく、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート等が好ましく用いられる。ポリオールには、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等があるが、ポリプロピレングリコールが好ましい。触媒には、アミン系(トリエチレンジアミン等の3級アミン系とアミン塩)でもよいが、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の有機金属系を用いることが好ましい。
フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒド等のアルデヒドとを反応させて得られ、合成条件によってノボラック型とレゾール型とに大別される。酸性触媒下で生成するノボラック型はヘキサメチレンテトラミン等の架橋剤とともに加熱することで硬化し、塩基性触媒下で生成するレゾール型はそれ単独で加熱または酸触媒存在下で硬化する。本発明では、どちらを用いてもよい。合成・硬化条件は適宜決めればよい。
(2−3) 塗料溶媒
導電性塗料に用いる溶媒としては、前記バインダー樹脂成分を溶解できるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、メタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール化合物、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル化合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロプレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの溶媒の中で、樹脂成分の溶解性、及び塗布したときの乾燥速度の観点より、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。溶媒の使用量に特に制限はなく、樹脂成分の粘度や、樹脂成分と炭素成分との混合比等を考慮して混合及び混練により均一な組成物を調製できる範囲内で適宜使用することができる。具体的な溶媒な量としては、前記硬化性樹脂(B)100質量部に対して10〜1000質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましく、100〜300質量部が更に好ましい。
(2−4) その他の成分
前記塗料溶媒には、必要に応じて硬化触媒、硬化剤、カップリング剤、レベリング剤、分散剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、酸化防止剤、及び可塑剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
(3) 結晶性低分子有機化合物と分散溶媒
本発明のSTS特性を有する導電性塗料に用いる結晶性低分子有機化合物とその分散溶媒について説明する。
(3−1) 結晶性低分子有機化合物
本発明のSTS特性を有する導電性塗料に用いる結晶性低分子有機化合物は、分子量が2000程度まで、好ましくは1000程度まで、さらに好ましくは200〜800の結晶性物質であれば特に制限はないが、常温(25℃程度の温度)で固体であるものが好ましい。
結晶性低分子有機化合物としては、ワックス(例、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスのような天然ワックス等)、油脂(例、脂肪または固体脂と称されるもの)などがある。ワックスや油脂の成分は、炭化水素(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素等)、脂肪酸(具体的には、炭素数12以上のアルカン系の直鎖炭化水素の脂肪酸等)、脂肪酸エステル(具体的には、炭素数20以上の飽和脂肪酸とメチルアルコール等の低級アルコールとから得られる飽和脂肪酸のメチルエステル等)、脂肪酸アミド(具体的には、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド等)、脂肪族アミン(具体的には、炭素数16以上の脂肪族第1アミン)、高級アルコール(具体的には、炭素数16以上のn−アルキルアルコール)、塩化パラフィンなどであるが、これら自体を単独で、もしくは併用して結晶性低分子有機化合物として用いることができる。結晶性低分子有機化合物は、各成分の分散を良好にするために、高分子マトリックスの極性を考慮して適宜選択すればよい。結晶性低分子有機化合物としては価格が安く、品質と供給が安定している石油系ワックスが好ましい。
本発明の導電性塗料に用いる結晶性低分子有機化合物としては、融点mpが40〜100℃であるものを用いることが好ましい。このようなものとしては、パラフィンワックス(例、テトラコサンC2450;mp49〜52℃、ヘキサトリアコンタンC3674;mp73℃、商品名HNP−10(日本精蝋社製);mp75℃、HNP−3(日本精蝋社製);mp66℃)など、マイクロクリスタリンワックス(例、商品名Hi−Mic−1080(日本精蝋社製);mp83℃、商品名Hi−Mic−1090(日本精蝋社製);mp88℃、Hi−Mic−1045(日本精蝋社製);mp70℃、Hi−Mic2045(日本精蝋社製);mp64℃、Hi−Mic3090(日本精蝋社製);mp89℃、セラッタ104(日本石油精製社製);mp96℃、155マイクロワックス(日本石油精製社製);mp70℃)など、脂肪酸(例、ベヘン酸(日本精化製);mp81℃、ステアリン酸(日本精化製);mp72℃、パルミチン酸(日本精化製);mp64℃)など、脂肪酸エステル(例えば、アラキン酸メチルエステル(東京化成製);mp48℃)など、脂肪酸アミド(例、オレイン酸アミド(日本精化製);mp76℃)、ポリエチレンワックス(例、商品名三井ハイワックス110(三井石油化学工業社製);mp100℃)などがある。また、パラフィンワックスに樹脂類を配合した配合ワックスやこの配合ワックスにマイクロクリスタリンワックスを混合したものであって融点を40〜100℃にしたものも好ましく用いることができる。さらに、動作温度等によって1種あるいは2種以上を選択して用いることができる。
本発明の導電性塗料に用いる結晶性低分子有機化合物としては、少なくともマイクロクリスタリンワックスを含むものが好ましい。マイクロクリスタリンワックスは、分岐炭化水素や飽和環状炭化水素の成分比が高いため、融点と溶融粘度が比較的高く、STS特性の発現、面状発熱体用途の制御温度域の観点から適切だからである。
結晶性低分子有機化合物の重量は、高分子マトリックス(硬化剤等も含む)の合計重量の0.2〜4倍、特に0.2〜2.5倍であることが好ましい。この混合比が小さくなって低分子有機化合物の量が少なくなると、抵抗変化率が十分得られにくくなってくる。反対に混合比が大きくなって低分子有機化合物の量が多くなると、低分子化合物が溶融する際に素体が大きく変形する他、導電性材料との混合が困難になってくる。
(3−2) 分散溶媒
本発明の結晶性低分子有機化合物の分散溶媒は、結晶性低分子有機化合物を導電性塗料中に配合するための粘度調整のために用いる溶媒である。結晶性低分子有機化合物は、その融点以上において、分散溶媒を添加して、例えば3本ロールミル等の分散装置により分散する。したがって、分散溶媒は、その沸点が導電性塗料中に配合する結晶性低分子有機化合物の融点を超え、結晶性低分子有機化合物と溶解度パラメーター(SP値)が近接している溶媒を適宜選定することができる。分散溶媒の具体例としては、例えば、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられる。
なお、結晶性低分子有機化合物を分散溶媒を用いずに、導電性塗料に分散配合させることもできる。
(4) STS特性発現溶媒
本発明のSTS特性を有する導電性塗料に用いるSTS特性発現溶媒は、(i)STS特性を発現させるために結晶性低分子有機化合物の被膜層を導電性材料に形成すること、(ii)塗料を後述する電極を有する保持材上に塗布するための適切な粘度を実現すること、(iii)後述する面状発熱体に残存しにくく、かつ残存しても通電性に寄与しないこと、を目的として導電性塗料に加える溶媒である。
かかる目的を達成するため、本発明のSTS特性発現溶媒は、比誘電率が6以下である。比誘電率が6を超えると本発明のSTS特性を有する導電性塗料を用いた面状発熱層を絶縁性シート基体でラミネート被覆した面状発熱体に残存した場合、溶媒の分極により通電性に寄与するからである。
また、25℃における粘度が0.4〜0.9mPa・sであることが好ましい。粘度が0.4mPa・s未満であると自己拡散係数(粘度の逆数に比例)が高く、残存した溶媒の移動性が高く、通電性に寄与するからであり、粘度が0.9mPa・sを超えると自己拡散係数が低く、導電性材料等との相溶性、分散性を欠くからである。
さらに、STS特性発現溶媒のSP値は、17〜22(MPa)1/2である。STS特性発現溶媒(SP値:17〜22(MPa)1/2)が結晶性低分子有機化合物(SP値:14〜16(MPa)1/2)に対して貧溶媒として作用することにより、結晶性低分子有機化合物の導電性材料表面への被覆が促進されるからである。
(4−1)比誘電率
ここで、比誘電率(εr)について説明する。比誘電率(Relative permittivity、 Dielectric constant)とは媒質の誘電率と真空の誘電率の比 (ε / ε0 =εr)のことであり、媒質の誘電分極のしやすさを示すものである。比誘電率は無次元量であり、用いる単位系によらず、一定の値をとる。本発明に用いるSTS特性発現溶媒として用いられる非水溶媒(有機溶媒)は、比誘電率が6以下であれば特に限定されない。比誘電率が6以下の非水溶媒として、例えば、比誘電率が2.8であるジメチルカーボネート(DMC),比誘電率が2.8であるジエチルカーボネート(DEC),比誘電率が2.9であるエチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート、比誘電率が2.2である1,4−ジオキサン等の環状エーテル、比誘電率が4.27のジエチルエーテル、比誘電率が4.5のギ酸メチル、比誘電率が5.24の2−メチルテトラヒドロフラン、比誘電率が4.84のシクロペンチルメチルエーテル(CPME)等が挙げられる。かかる非水溶媒は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、比誘電率が3以下の鎖状カーボネートがより好ましい。
(4−2) SP値
ここで、SP値( 溶解性パラメータ/Solubility Parameter)について説明する。 前記SP値とは、溶解性パラメータと言われ るもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。 前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。本発明におけるSP値は、SI単位(MPa)1/2で表記している。SP値は、プラスチック素材辞典等から引用し、(cal/cm31/2表記のデータは、以下の換算を行った。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=2.05×(cal/cm1/2=(J/cm31/2=(MPa)1/2・・式(I)
(4−3) 低級鎖状炭酸エステル
本発明のSTS特性発現溶媒としては、低級鎖状炭酸エステルが好ましい。低級鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(比誘電率;2.8,粘度;0.59mPa・s,SP値;20.3(MPa)1/2,bp;90.3℃)、エチルメチルカーボネート(比誘電率;2.9,粘度:0.70mPa・s,SP値:19.1(MPa)1/2,bp;109℃)、ジエチルカーボネート(誘電率;2.8,粘度;0.75mPa・s,SP値;18.0(MPa)1/2,bp;127℃)がある。
本発明において、結晶性低分子有機化合物に対するSTS特性発現溶媒の重量比率が、3.8〜5.8である。結晶性低分子有機化合物に対するSTS特性発現溶媒の重量比率が、3.8未満では、結晶性低分子有機化合物の炭素系導電性粒子およびバインダー樹脂への分散が不十分であり、5.8を超えると残存溶媒濃度が高くなるからである。
(5) 面状発熱体
本発明の面状発熱体は、STS特性を有する導電性塗料を、電極を有する保持材に含浸又は積層した面状発熱層を絶縁性シート基体で被覆したものである(図2)。以下に説明する。
(5−1)電極を有する保持材
本発明の電極を有する保持材は、一定の耐熱性と可撓性を有するシート材に電極を備えた構成であれば特に限定されるものではない。具体的には、織布を構成する縦繊維糸又は横繊維糸の一部を同程度の径を有する導電線に置換した織布(図1)、耐熱性合成繊維からなる不織布に電極シートを印刷または貼合したものである。
(5−2) 絶縁性シート基体
本発明の絶縁性シート基体は、面状発熱体を被覆する電気絶縁性のラミネートフィルムである。プラスチックフィルムは、体積固有抵抗(Ω・cm)が高く、電気絶縁性シート基体に用いられる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムがある。
以下、本発明の実施例および比較例とともに示し(表1)、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
(1)結晶性低分子有機化合物含有導電性塗料の調製
バインダー樹脂として、アクリル樹脂(DIC社製、アクリディック56−700)、エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名JER828)、低分子有機化合物としてマイクロクリスタリンワックス(日本精蝋社製、商品名HiMic1080、融点83℃)、導電性粒子としてカーボンブラック(キャボット社製、VALCAN XC-305)を用いた。
アクリル樹脂3080g 、エポキシ樹脂190g 、カーボンブラック1500g 、塗料溶媒(酢酸-n-ブチル2275ml、プロピレングリコールモノメチルエーテル9100ml)をディゾルバーで約10分混合し、その後3本ロール分散機にて2回通し、約10分混合して塗料状の混合物を得た。
上記混合物を、予めキシレン3600g、メチルエチルケトン900gの混合溶剤にマイクロクリスタリンワックス1125gを添加し、ディゾルバーで約30分混合溶解していた溶液に加え、結晶性低分子有機化合物含有導電性塗料を得た。
(2)STS特性を有する導電性塗料の調製
前記結晶性低分子有機化合物含有導電性塗料に、ジメチルカーボネート6187mlを加え、ディゾルバーで10分混合して、STS特性を有する導電性塗料を得た。
(3)面状発熱体の作製
図1に示す縦繊維の一部を銅線4とした銅線群からなる電極4aに電極端子部2を取り付けた織布に調製したSTS特性を有する導電性塗料を含浸し、乾燥温度170℃で、20分乾燥して面状発熱体1を得た。得られた面状発熱体1にポリエステル製ラミネートフィルム3(帝人デュポンフィルム社製、商品名GE、膜厚100μm)を被覆した(図2)。
(4)電流値測定
製作したラミネート処理した面状発熱体1の初期電流値と経時電流値(360分経過後)を測定した。電流値の測定は、DIGITAL POWER METER(YOKOGAWA製、商品名:WT310)を用いて測定した。
(5)表面抵抗値測定
製作したラミネート処理した面状発熱体1の表面抵抗値の測定は、DIGITAL HITESTER(HIOKI製、商品名:3238)を用いて測定した。
(6)STS特性評価
上記電流値測定、表面抵抗値測定を踏まえて、STS特性の判断を行った。判断基準は、以下の通りである。
◎:経時電流値/初期電流値が1.0であって、表面抵抗値が0.3未満のもの
○:経時電流値/初期電流値が1.0であって、表面抵抗値が0.3〜0.4のもの
△:経時電流値/初期電流値が1.0であって、表面抵抗値が0.5〜0.6のもの
×:経時電流値/初期電流値が1.0を下まわる、または、抵抗値が0.7を超えるもの
<実施例2〜7>
バインダー樹脂(A)に対する炭素系導電性粒子(B)の組成比(B/A)、STS発現溶媒(S)に対する結晶性低分子有機化合物(C)の組成比(S/C)を変えた他は、実施例1と同様に行った。
<実施例9>
結晶性低分子有機化合物として、パラフィンワックス(日本精蝋社製、115、融点47℃)を用いた他は、実施例4と同様に行った。
<実施例8、13>
STS特性発現溶媒をメチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)に変えた他、実施例4と同様とした。
<実施例10〜12>
STS特性発現溶媒を1,4−ジオキサン(1,4-DOx)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、2−メチルテトラヒドロフラン(METHF)に変えた他、実施例1と同様とした。
<比較例1>
STS発現溶媒(S)を添加しない他、実施例1と同様とした。
<比較例2、3>
STS発現溶媒(S)の結晶性低分子有機化合物(C)に対する組成比(S/C)をそれぞれ5.9、3.6とした他、実施例1と同様とした。
<比較例4>
バインダー樹脂(A)に対する炭素系導電性粒子(B)の組成比(B/A)をそれぞれ0.28とした他、実施例1と同様とした。
<比較例5〜7>
STS特性発現溶媒をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、メチルエチルケトン(MEK)に変えた他、実施例1と同様とした。
<まとめ>
表1の結果から、
(1)比誘電率6以下、SP値17〜20(MPa)1/2である非水溶媒(STS特性発現溶媒)を導電性塗料に添加すると、STS特性(経時電流値/初期電流値、が一定)を示し、特に、低級鎖状炭酸エステル(DMC、EMC)では、表面抵抗値が0.37kΩ以下であった(実施例1−13)。一方、STS発現溶媒を加えないとSTS特性を示さなかった(比較例1)。
(2)STS発現溶媒(S)の結晶性低分子有機化合物(C)に対する組成比(S/C)をそれぞれ5.9、3.6とした場合には、STS特性の発現性が低かった(比較例2、3)。
(3)バインダー樹脂(A)に対する炭素系導電性粒子(B)の組成比(B/A)が0.29の場合は、STS特性を発現するが、表面抵抗値が0.7kΩを超えた(比較例4)。
(4)比誘電率が6を超える非水溶媒を添加すると、STS特性を発現しない(比較例5−7)。
STS面状発熱体は、所定温度を超えると発熱体自体が温度緩和して熱平衡状態を保ち、人体に対して火傷等の危険性を与えることがなく、また低消費電力を実現可能な発熱体として、例えばマット、床暖房用ヒータ、融雪用ヒータ等の熱暖房器具、乾燥用器具、農業用器具等にも適用できる。
1 面状発熱体
2 電極端子部
3 ラミネートフィルム
4 銅線
4a 銅線群からなる電極
5 繊維糸
5a 横糸
11 導電性材料
12 バインダー樹脂
13 結晶性低分子有機化合物による被膜

Claims (4)

  1. 導電性材料と、バインダー樹脂と、結晶性低分子有機化合物として融点が40〜100℃のワックス、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスのいずれか又はこれらの混合物と、STS特性発現溶媒として比誘電率6以下、かつSP値が、17〜22(MPa) 1/2 の特性を有するDMC、EMC、DEC、1,4−DOx、CPME、METHFのいずれか又はこれらの混合物と、を分散配合したSTS特性を有する導電性塗料であって、前記STS特性を有する導電性塗料を含浸又は積層した面状発熱体の電流値が通電経時で一定である、ことを特徴とするSTS特性を有する導電性塗料。
  2. 前記結晶性低分子有機化合物に対する前記STS特性発現溶媒の重量比率が、3.8〜5.8であることを特徴とする請求項1に記載したSTST特性を有する導電性塗料。
  3. 前記導電性材料が炭素系導電性粒子であって、該炭素系導電性粒子の前記バインダー樹脂に対する重量比率が、0.3〜0.9であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載したSTS特性を有する導電性塗料。
  4. 電極を備える保持材に、請求項1乃至3のいずれかに記載したSTS特性を有する導電性塗料を、含浸又は積層した面状発熱層を絶縁シート基体で被覆した面状発熱体。
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