JP2788517B2 - 導電性発熱体 - Google Patents

導電性発熱体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、発熱性塗料及びそれより得られた発熱体及
びその製造方法に関し、詳しくは約350℃以下の温度範
囲において任意の温度を発現し得る発熱体に関する。
(従来の技術) 従来より導電性粉末、例えばカーボンブラック、金属
などの粉末を合成樹脂と混合した導電性発熱性組成物を
用いた発熱体が知られており、特に最近では、正の温度
−抵抗特性、即ち発熱体の温度が上昇するに従ってその
抵抗値が増加する特性(以下PTC特性という)を有する
発熱体、即ち自己温度制御性を有する発熱体として、金
属酸化物と合成樹脂からなるもの(特開昭64−679号公
報、特開昭64−680号公報)、或いは粒子径が200μm以
下の球状体の粒子を主とする炭素と合成樹脂からなるも
の(特開昭1−108276号公報、特開昭1−107488号公
報)が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 前記の金属酸化物、即ちV2O3,CrO2等の電気抵抗の温
度係数が正の値をもち、電気比抵抗が常温で5×103μ
Ωcm以下の熱に対して安定な金属酸化物を用いる発熱体
は自己温度制御性があり、必ずしも均一な塗膜(被膜)
でなくてもよく、手塗りで各種形状の発熱体が得られる
等のすぐれた発明であるが合成樹脂と組合せ配合したと
きその粘度が高く、塗布作業に困難な場合が生じる。こ
れを解消するため溶剤を使用することが考えられるが、
溶剤を使用すると粘度についての問題は解決されるもの
の、環境上、樹脂の特性上、作業工程上、或いは表面加
熱体(SH)の特性上の制約があり、溶剤により粘度を下
げ塗布を容易にすることは必ずしも問題を解決すること
にならず、金属酸化物と合成樹脂の配合物の粘度の低下
による塗布作業の容易性と共に特性の維持向上を計るこ
とのできる手段が望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明のV2O3等の金属酸化物と合成樹脂とからなる塗
料の粘度を下げ作業性の向上と共に発熱体の特性の維持
向上を計るべく種々研究の結果、球状体からなる粒子を
主とする炭素又は黒鉛を配合することにより粘度の低下
により塗布作業が容易となると共に、塗料が均一にひろ
がり易くなり、そのため温度斑がより少なくなることを
見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は電気抵抗の温度係数が正の値をもち、
電気比抵抗が常温で5×103μΩcm以下の熱に対して安
定な金属酸化物及び粒子径500μm以下の球状体からな
る粒子を主とする炭素又は黒鉛と合成樹脂を主成分とし
て含有し、該金属酸化物と該炭素又は黒鉛粒子の合計量
に対して該炭素又は黒鉛が60重量%以下であることを特
徴とする導電性発熱性塗料又はペースト及びそれを用い
た発熱体及びその製造方法に関する。
本発明の金属酸化物としては、電気抵抗の温度係数が
正の値をもち、その電気比抵抗が常温で5×103μΩcm
以下、好ましくは1×103μΩcmより小さく、温度と共
に電気抵抗が増大するものであり、さらに高温に対して
安定で、酸化、焼損のない耐熱性の金属酸化物が好適で
ある。そして特に任意温度にて電気抵抗が急増するもの
が選択される。
本発明の金属酸化物の例としては、例えばV2O3(電気
比抵抗600〜5,000μΩcm、電気抵抗の温度係数約+1.8
μΩcm/℃)、CrO2(30〜600μΩcm、約+1.1μΩcm/
℃)、ReO3(20〜200μΩcm、約+0.1μΩcm/℃)等で
ある。
本発明の金属酸化物は電気比抵抗が通常の炭素粉末等
の数分の一〜数十分の一のものであり、その粒子径はバ
インダーである合成樹脂との分散性等を考慮して決定さ
れるが、0.02〜200μmのものが好ましい。一般に金属
酸化物の粒子径が0.02μm以下では電気抵抗値が高くな
り、単位面積当りのワット(Watt)数が小となるため好
ましくなく、又200μm以上では塗膜(被膜)内の粉粒
子の分数が不均一となる場合がある。
本発明の球状体炭素粒の大きさは直径が200μm以下
であり、該200μm以下のものが60%以上を占めるもの
であり。実用的には1〜200μmのものである。200μm
φ以上では分散が不均一になり、温度斑を生じやすいの
で好ましくない。球状炭素粒として好ましいものは球状
黒鉛である。
本発明の球状炭素粒は1500〜3500℃の熱処理により結
晶構造の稠密層面間隔が3.425〜3.358Å以下のものとす
ることができ、好ましくは3.380〜3.358Åのものが使用
される。球状体の粒子の黒鉛は1500℃以上の熱処理を受
けた比抵抗が約5000〜1300μΩcm以下であるものが好ま
しい。1300μΩcm以下のものは好ましいがコスト高とな
る。
本発明の球状炭素又は黒鉛粒は、いずれの製造方法に
よっても構わないが、石油、石炭、有機物を高温にし、
炭素化、コークス化し、ついで黒鉛化する等により製造
される。
これらには例えば、テーラー等の方法〔Brooks and T
aylor,カーボン(Carbon)3,185(1965)〕によりコー
ルタール、コールタールピッチ、石油系重質油等の歴青
物を350〜500℃の温度で長時間加熱処理し、低分子化合
物の重縮合反応をくり返し、高分子化し、生成した炭素
質より光学的異方性球体を分離したメソ カーボン マ
イクロ ビーズ(meso carbon micro beads)、或いは
合成樹脂を炭素化した球状に近いコークスを、千数百度
〜3千数百度の熱処理還元により黒鉛化することにより
製造される。
本発明では金属酸化物と球状炭素又は黒鉛との合計量
に対して球状炭素又は黒鉛を60重量%以下含有するもの
である。これにより粘度が著しく低下し、塗布作業が容
易となり、塗料が均一にひろがり易くなり、したがって
塗膜(被膜)が均一にひろがり、塗膜(被膜)が均一の
厚さになり温度斑も減少し、例えば粘度が高く温度斑が
±10℃もあったものが±2℃に減少する等である。
因みに、他の導電物質、例えば球状体でないカーボン
ブラック(ケッチンブラック)等を同様に配合した場合
はPTC特性が大巾に弱まるか、或いは負となり、不適当
である。又、その他金属粉を配合する場合は、それらが
沈降し好ましくない。
本発明で用いられる合成樹脂は熱可塑性、熱硬化性及
び電子線硬化性樹脂であることができ、その発熱体の適
応分野に応じて適宜に選択することができる。
熱可塑性樹脂としては、軟化点が15℃以上、平均分子
量が数千〜数十万のものであり、熱硬化性樹脂としては
塗布液の状態では200,000以下の分子量であり、塗布乾
燥後、加熱により縮合、付加等の反応により分子量は無
限大のものとなる。又放射線硬化系樹脂についてはラジ
カル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合乾燥
する基を熱可塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹
脂等を用いることができる。
これらの合成樹脂は例えば、ポリイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、シリコーン
樹脂、ポリチタノカルボシラン樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリウレタン樹
脂、塩ビ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、ポリフェニレンサルフィド樹脂、ポリフ
ロン樹脂、ポリオレフィン樹脂等であり、塗膜(被膜)
の所望の目的温度に応じて軟化温度或いは分解温度を有
する樹脂を選択することができる。
本発明の金属酸化物及び球状炭素又は黒鉛の合計量と
合成樹脂バインダーの量割合は、所望する発熱温度、発
熱面の大きさ等により、又金属酸化物及び合成樹脂の種
類及び組合せ等により種々選択されるが、一般的には金
属酸化物粉末と球状炭素又は黒鉛粉末の合計量100重量
部(以下部と略す)に対して、20〜360部であることが
できる。
本発明の金属酸化物及び球状炭素又は黒鉛に前記合成
樹脂を結合剤として用いると、塗膜(被膜)の強度を確
保し、発熱体として適当な電気抵抗値が常温で1〜1,50
0Ω/□(Ω/□とは正方形面積に対する電気抵抗値を
表わす)に調節することができる。
合成樹脂の割合が20部以下では抵抗値の小さいものが
得られ、高温の発熱体(広い発熱面をもつものに応用で
きる)が得られるが、塗膜(被膜)強度が不足する。一
方、合成樹脂の量が360部以上では発熱に必要な抵抗値
が得られず(抵抗値が過大になって)実用に適さないも
のとなる。即ち、電気抵抗値が常温で1Ω/□以下では
PTCが小となり、その結果自動温度制御が効きにくく、
1,500Ω/□以上では過小電流になり、発熱量が過小と
なり、所望の温度が得られにくいのである。そして広い
発熱面の場合は、常温で1Ω/□近辺、狭い面積の場合
は常温にて1,500Ω/□以下とすると、その表面温度を
塗料配合、塗布厚さ、印加電圧等の組合せにより低温か
ら最大300℃間の任意温度に長時間安定して保つことが
できた。
この金属酸化物及び球状体黒鉛と合成樹脂とを主成分
とする塗料は各種塗装方式、例えば、はけぬり塗装、ロ
ーラー塗装、吹き付け塗装、静電塗装、電着塗装或いは
粉体塗装等の塗装剤に又は浸漬用に応じて他の添加剤或
いは補助剤を加えることができる。
これらの添加剤、補助剤は、例えば希釈溶剤、沈降防
止剤或いは分散剤、酸化防止剤、他の顔料その他の必要
な添加剤であることができる。
希釈溶剤としては、塗料に使用される溶剤、例えば脂
肪族炭化水素、芳香族石油ナフサ、芳香族炭化水素(ト
ルエン、キシレン等)、アルコール(イソプロピルアル
コール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール等)、
エーテルアルコール(エチルセロソルブ、プチルセロソ
ルブ、エチレングリコールモノエーテル等)、エーテル
類(ブチルエーテル)、酢酸エステル、酸無水物、エー
テルエステル(エチルセロソルブアセテート)、ケトン
(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)N−
メチル2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、テトラ
ヒドロフラン等が使用される。これらはバインダーであ
る合成樹脂に応じて適宜、好ましいものが選択される。
この希釈溶剤の使用量は樹脂100部に対して410部以下の
範囲で選択される。又、沈降防止剤としては、メチルセ
ルローズ、炭酸カルシウム、変成ベントナイト微粉等が
挙げられ、又分散剤としては、各種界面活性剤が使用さ
れ、アニオン系活性剤(脂肪酸塩類、液体脂肪油硫酸エ
ステル塩類)、カチオン系活性剤(脂肪族アミン塩類、
第4級アンモニウム塩類)、両性系活性剤或いはノニオ
ン系活性剤が挙げられる。又塗料又はペーストの乾燥固
化又は硬化を短時間で容易に行なうために硬化剤を加え
ることができる。
これらの硬化剤は樹脂に応じて、それぞれ選択し得、
脂肪族、或いは芳香族ポリアミン、ポリイソシアネー
ト、ポリアミド、アミン、チオ尿素、酸無水物などの通
常の硬化剤が用いられる。
その他、安定剤、可塑剤、酸化防止剤などが適宜に用
いられる。
本発明の発熱体の基材は、プラスチックス、セラミッ
クス、木質、繊維、紙、電気絶縁被覆した金属材料その
他固体を形成するものであることができ、該固体よりな
る本発明の発熱体は任意の形状のものとすることがで
き、所望の形状の固体又は固体表面に前記本発明の金属
酸化物と合成樹脂を含有する塗料又はペースト含浸(浸
漬)させるか、或いは塗布して製造される。
例えば、相対して2本以上の金属製端子を固定した電
気絶縁被覆した金属材料、セラミックス、プラスチック
ス、木質体又はそれらの組合せ体の基台に、本発明の塗
料(ペースト)を約100μm〜3,000μm厚さに塗布す
る。
前記基台の形状は平面、曲面ともに格別限定されず、
線状、棒状、円筒状、平面状、又はその他の3次元曲面
状のものからなる発熱体とすることができる。
基台表面はセラミックス皮覆が望ましいが、150℃以
下の所望温度であれば、木質によっても使用可能な場合
がある。さらに木質、又はプラスチック体又は金属体
に、セラミックスを表面被覆し、複合体とする等の組合
せ体も可能である。
塗布される固体表面が広く、ハケ塗り、ロール塗り、
スプレイ塗りをする時には、塗料の流動性を上げて作業
性をよくする。この場合は希釈用の溶媒を導導粉末の合
計100部に対して、410部以下の範囲で混合することがよ
く、それ以上では塗料が流れすぎて所定の塗膜(被膜)
厚さになりにくく、所望の塗膜(被膜)表面温度をうる
のに適当でない。
塗膜(被膜)の表面固化又は硬化は約350℃以下の温
度で硬化或いは乾燥固化するか或いは電子線(放射線)
硬化される。
乾燥固化或いは硬化を約350℃以下で充分な時間をか
けると、平滑な所定厚さの膜がえられる。それより高温
では、発砲、波動、亀裂、変質の危険があり70℃以下で
は長時間を要する。
塗布厚約100μm〜3,000μmに塗布して、該塗料を約
350℃以下の温度で反応硬化させると70〜2000μm厚さ
の乾燥固化した塗膜(被膜)を得て、低温は勿論、高温
の電気抵抗発熱塗膜(被膜)体を得る。
炭素又は黒鉛粒及び金属酸化物と合成樹脂(エポキシ
樹脂、塩ビ樹脂等)とがペースト状となる場合には、押
出しあるいはロール成形することもできる。
塗布厚は約100μm〜3,000μmが好ましく100μm以
下では電気抵抗が過大となり、単位面積当り電力が過小
となり、又膜強度が不足し、3,000μm以上では、粒子
の沈降分離が起って偏析しやすく、又均一な塗膜(被
膜)が得られにくい。
この塗膜(被膜)の金属端子間の電気抵抗は、前述の
とおり常温で1〜1,500Ω/□(低電気抵抗の時には導
電膜ともなる)。
本発明の導電性発熱性塗料は球状黒鉛が配合されたこ
とにより塗料の粘度が低下し、溶媒を用いないか或いは
少量で済み、塗料が均一にひろがり易くなり塗膜(被
膜)が均一厚さとなり、温度斑が少ない。そして、得ら
れる発熱体は自己温度制御作用があり、種々の分野、例
えば室内壁面、床、屋根、炉内面、管内外面、カーペッ
ト、毛布、簡易ヒーター、保温器、凍結防止器、信号カ
バー、鍋等で広く利用される発熱体とすることができ
る。特に暖房、保温、加熱部品のものとして、すぐれた
発熱体とすることができる。
作用 電気抵抗の温度係数が正の値をもち、電気比抵抗が常
温で5×103μΩcm以下の熱に対して安定な金属酸化物
に粒子径200μm以下の球状体からなる粒子を主とする
黒鉛を配合し、合成樹脂をバインダーとして含有する塗
料は粘度が低く、均一にひろがり、塗布作業が容易であ
り、又均一な塗厚が得られるので、約300℃迄の間の所
望の温度に調節された均一な広い発熱面を有する種々の
形状及び面を有する発熱体を得ることがきわめて容易と
なる。
実施例 本発明を実施例にて更に詳細に説明するが、本発明は
これらの例に限定されるものでないことは言う迄もな
い。
実施例1 硬化剤を配合した1液性エポキシ樹脂110重量部と、V
2O3(5〜40μmφ)及び球状黒鉛(10〜30μmφ)の
合計量を100重量部とからなる発熱性塗料において、V2O
3100〜40重量部、球状黒鉛0〜60重量部としたときの粘
度は第1図に示すとおりである。第1図においてSC及び
Rはそれぞれ球状黒鉛及び合成樹脂を表わす。
第1図から明らかなとおり、球状黒鉛が配合されない
場合の粘度は8520CPであるのに対して、球状黒鉛を加え
るに従って、その粘度は5760CPへと低下する。この結
果、塗布作業時に塗料が均一にひろがり易くなった。
又、粘度が低下するに従って温度斑も減少し、球状黒
鉛を加えないものが温度70℃において±10℃とすると、
±2℃と減少した。
V2O3に対し加える球状黒鉛の量を増すと第2図に示す
ように、Ω/□が大きくなる。Ω/□が大きい場合でも
印加電圧を50Vから200Vへと増加させることにより、同
様の温度とすることができる。
Al板(12cm×12cm×0.03cm)をエポキシ樹脂0.3mm厚
で絶縁コートし、100メッシュの銅網(1cm×10cm)を10
cm間隔で両端に平行に固定し、V2O380重量部、球状黒鉛
20重量部及びエポキシ樹脂110重量部からなる塗料を20g
塗布した。粘度は球状黒鉛を加えない塗料の粘度が8520
CPに対して6410CPとなり塗料の流れがよく均一の膜とな
った。110℃で5時間加熱処理して完全硬化した塗膜の
抵抗は260Ω/□であった。この発熱体を50Vを印加する
と室温20℃で15分後に一定温度73℃となった(第3
図)。
この塗料の温度−抵抗曲線は第4図に示すとおりであ
る。第4図において、1はV2O380重量部、球状黒鉛20重
量部及びエポキシ樹脂110重量部からなる塗料、2はV2O
3100重量部、エポキシ樹脂110重量部からなる塗料、3
はV2O380重量部、ケッチンブラック20重量部、エポキシ
樹脂110重量部からなる塗料を用いたものである。第4
図から明らかなとおり、本発明の塗料はPTC特性をも向
上させるものであることがわかる。又、他のカーボンブ
ラックを用いたものでは、V2O3と合成樹脂からなる塗料
により得られるPTC特性を著しく損ない、PCT特性がなく
なるのである。
(発明の効果) 本発明では電気抵抗の温度係数が正の値をもち、電気
比抵抗が常温で5×103μΩcm以下の熱に対して安定な
金属酸化物と合成樹脂とからなる発熱性塗料に、粒子径
200μm以下の球状体からなる粒子を主とする黒鉛を添
加することにより、塗料の粘度を低下させて塗布作業を
容易にすると共に、PTC特性を向上させ、すぐれた発熱
体を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はV2O3、球状黒鉛及び合成樹脂の配合割合と粘度
を示すグラフ、第2図はV2O3、球状黒鉛及び合成樹脂の
配合割合と抵抗を示すグラフ、第3図は本発明の塗料を
塗布して発熱面が一定の時間後に一定の安定した発熱温
度となることを示すグラフ、第4図は本発明の発熱体の
電気抵抗の温度変化のグラフである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気抵抗の温度係数が正の値をもち、電気
    比抵抗が常温で5×103μΩcm以下の熱に対して安定な
    金属酸化物及び粒子径200μm以下の球状体からなる粒
    子を主とする炭素又は黒鉛と合成樹脂を主成分として含
    有し、該金属酸化物と該炭素又は黒鉛粒子の合計量に対
    して該炭素又は黒鉛が60重量%以下であることを特徴と
    する導電性発熱性塗料又はペースト。
  2. 【請求項2】金属酸化物と炭素又は黒鉛の合計量100重
    量部に対して合成樹脂20〜360重量部の割合で含有する
    請求項1記載の導電性発熱性塗料又はペースト。
  3. 【請求項3】金属酸化物がV2O3,CrO2,ReO3から選択さ
    れるものである請求項1または2記載の導電性発熱性塗
    料又はペースト。
  4. 【請求項4】合成樹脂が、シリコン樹脂、ウレタン樹
    脂、エポキシ樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリイミド樹
    脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフロ
    ン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニ
    レンサルファイド樹脂、ポリチタノカルボシラン樹脂か
    ら選択されるものである請求項1または2記載の導電性
    発熱性塗料又はペースト。
  5. 【請求項5】所望の形状の固体又は固体表面を請求項
    1、2、3、又は4記載の塗料又はペーストで塗布或い
    は浸漬処理して得られた導電性発熱体。
  6. 【請求項6】所望の形状の固体又は固体表面を請求項
    1、2、3、又は4記載の塗料又はペーストで塗布或い
    は浸漬し、次いで70℃〜350℃の温度で硬化することを
    特徴とする請求項5記載の導電性発熱体の製造方法。
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