JPH0689229B2 - ガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物

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JPH0689229B2
JPH0689229B2 JP63315749A JP31574988A JPH0689229B2 JP H0689229 B2 JPH0689229 B2 JP H0689229B2 JP 63315749 A JP63315749 A JP 63315749A JP 31574988 A JP31574988 A JP 31574988A JP H0689229 B2 JPH0689229 B2 JP H0689229B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた耐熱性を有し、かつ成形時のバリ、ハ
ナタレ(ドルーリング)が無く、成形品の耐衝撃性、伸
び、外観に優れたガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂
組成物に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
ガラス繊維で強化されたポリエチレンテレフタレートな
どの熱可塑性ポリエステルは、その優れた機械的性質、
熱的性質、化学的性質のバランスが良好であるため、エ
ンジニアリングプラスチックとして電気・電子部品、機
械部品、自動車部品などへの応用が期待されている。と
くに、熱可塑性ポリエステルにポリエーテル化合物を共
重合させる方法(特開昭56-38321号公報など)や結晶化
促進剤を配合する方法(特公昭46-29977号公報、特公昭
45-26225号公報など)は、比較的低い金型温度でも優れ
た耐熱性がえられるという点で優れている。
しかし、商品価値を付加するために、前記のように熱可
塑性ポリエステルにポリエーテル化合物を共重合させた
り結晶化促進剤を配合して結晶化特性を改良すると、ガ
ラス繊維で強化して酸化チタンで着色したばあいに、下
記のごとく、加工性および成形品物性に問題が生じる。
すなわち、加工性の問題としては、溶融粘度の大幅な低
下により成形品のバリが大きくなるため、後加工が必要
になること、および成形機ノズル先端からのハナタレが
ひどくなるため、作業性がわるくなることがあげられ
る。
また、成形品物性の問題としては、とくに耐衝撃性、伸
びが低下することがあげられる。
溶融粘度の低下を防止する方法としては、たとえば西独
国特許出願公開第2,158,432号、同第2,243,509号、同第
2,226,931号の各明細書に記載されているアスベスト、
コロイドシリカなどの無機化合物の添加、特開昭51-100
147号公報、同59-19148号公報に記載されているエポキ
シ樹脂に代表される2官能性エポキシ化合物の添加など
の方法が知られている。しかし、これらの方法では二酸
化チタンで着色するばあいには充分な効果がえられな
い。
一方、酸化チタンで着色したばいに生じるガラス繊維強
化熱可塑性ポリエステルの耐衝撃性、伸びの低下を改善
する方法として、酸化チタン以外の白色顔料を使用する
方法が知られている。しかし、特公昭55-24466号公報に
記載されている硫化亜鉛を用いると、着色力および隠蔽
力の点では比較的すぐれているが、二酸化チタンに比べ
ると劣り、しかも酸性雰囲気中で有毒な硫化水素を発生
して変色するという欠点や、耐光性が著しくわるく黒変
するといった致命的な欠点を有している。また、酸化亜
鉛を用いると隠蔽力が著しく低くなり、鉛白、硫酸鉛な
どは毒性の点で実際には使用できない。さらに、アント
ラキノン系などの染料は耐熱性がわるく、加工中に分解
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこのような実情に鑑み、100℃以下という
比較的低い金型温度でも優れた耐熱性がえられ、かつ前
記のごとき欠点のないガラス繊維強化白色ポリエステル
樹脂組成物をうるべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエー
テル化合物および結晶化促進剤によって結晶化特性が改
良されたガラス繊維強化熱可塑性ポリエステルを酸化チ
タンを含有する着色剤で白色化する際に、α‐オレフィ
ンとα,β‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルとか
らなる共重合体を添加することによって、優れた耐熱性
を有し、かつ成形時のバリ、ハナタレ(ドルーリング)
がなく、成形品の耐衝撃性、伸び、外観に優れたガラス
繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物がえられることを
見出し本発明に到達した。さらに、本発明の組成物を通
常の方法である押出機による混合ペレット化で調製した
ばあいには、驚くべきことに、押出中のストランド切れ
やペレットカッティング時に発生する粉体カスが減少し
て、作業性、収率の向上およびスクリュー表面のクリー
ニング性向上による色替、掃除の効率化が認められる。
すなわち、本発明は (A)ポリエチレンテレフタレートおよびエチレンテレ
フタレートオリゴマーとポリエーテル化合物との共重合
体の混合物からなり、該混合物中におけるポリエーテル
化合物に由来する単位の含有率が2〜30%(重量%、以
下同様)である熱可塑性ポリエステル100部(重量部、
以下同様)、 (B)結晶化促進剤0.05〜20部、 (C)α‐オレフィン70〜99重量%とα,β‐不飽和カ
ルボン酸グリシジルエステル1〜30%とからなる共重合
体0.5〜50部 (D)ガラス繊維10〜150部および (E)酸化チタンを含有する着色剤0.1〜30部からなる
ガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物 に関する。
〔実施例〕
本発明においては、(A)成分であるポリエチレンテレ
フタレートおよびエチレンテレフタレートオリゴマーと
ポリエーテル化合物との共重合体の混合物からなり、ポ
リエーテルに由来する単位の含有率が2〜30%である熱
可塑性ポリエステルが使用される。
前記ポリエチレンテレフタレートは、酸成分としてテレ
フタル酸またはそのエステル形成能を有する誘導体と、
グリコール成分としてエチレングリコールまたはそのエ
ステル形成能を有する誘導体とを用いてえられる環状飽
和のポリエチレンテレフタレートのことである。本発明
の効果を損わない範囲であれば、少量(たとえば酸成
分、グリコール成分の15モル%以下)の第3成分、たと
えばイソフタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフ
タル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを共
重合させてもよい。
前記のごときポリエチレンテレフタレートは、通常0.35
〜1.20の固有粘度(フェノール/テトラクロルエタン=
50/50(重量比)、0.5%濃度、25℃、以下同様)を有す
るものであるが、結晶化速度と機械的強度とのバランス
がよくなるという点から、固有粘度0.40〜0.70のものが
好ましく、0.45〜0.65のものがさらに好ましい。
前記エチレンテレフタレートオリゴマーとポリエーテル
化合物との共重合体とは、後述のごときエチレンテレフ
タレートオリゴマーと後述のごときポリエーテル化合物
とから製造された共重合体のことである。
なお、本明細書にいうエチレンテレフタレートオリゴマ
ーとは、共重合体中のポリエーテル以外の部分を指して
おり、その大半は低分子量のポリエチレンテレフタレー
トよりなるが、複数のエチレンテレフタレート単位を有
するエチレンテレフタレートオリゴマーのみならず、高
分子量のポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフ
タレート単位さらにはテレフタレート単位のみをも含む
概念である。
前記のごとき共重合体は、通常0.35〜1.20の固有粘度を
有するものであるが、結晶化速度と機械的強度とのバラ
ンスがよくなるという点からは、固有粘度0.50〜0.80の
ものが好ましい。
前記ポリエーテル化合物とは、一般式(II): −OR″Ol (II) (式中、lは好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜
30、R″は炭素数2〜18の2価の基で、l個のR″は同
じである必要はない)で表わされるセグメント(ポリエ
ーテルの末端の除く部分)を含有する化合物のことであ
る。
前記R″の具体例としては、たとえばエチレン、プロピ
レン、イソプロピレン、ブチレン、ビスフェノールA残
基などがあげられる。
一般式(II)で表わされるポリエーテルセグメントを含
有する化合物のうちでは、たとえばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、一般式(I) (式中、Xは、たとえば‐CH2-、‐C(CH32-、‐S
-、‐SO2-、‐CO-などの2価の結合基または直接結合、
mおよびnはそれぞれ5〜20の整数、RおよびR′はそ
れぞれ炭素数2〜4の2価の炭化水素基で、Rおよび
R′は同じである必要はなく、またm個のR、n個の
R′はそれぞれ同じである必要はない)で表わされる単
位を有するポエーテル化合物や、該ポリエーテル化合物
の誘導体などの組成物の結晶化速度を速くし、射出成形
時の熱安定性を良くするなどの点から好ましい。これら
のポリエーテル化合物は単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよい。
共重合体中におけるエチレンテレフタレートオリゴマー
に由来する単位の含有率は、好ましくは40〜96%、さら
に好ましくは60〜90%であり、該割合が40%未満になる
たとえられる組成物の機械的強度、耐湿性がわるくな
り、96%をこえると結晶化促進結果が低下する傾向があ
る。
前記共重合体はエチレンテレフタレートオリゴマーとポ
リエーテル化合物とをポリエチレンテレフタレート合成
反応容器中で共重合させて製造してもよく、押出機中で
共重合させて製造してもよい。
(A)成分である熱可塑性ポリエステル中のポリエーテ
ル化合物に由来する単位の含有率は2〜30%、好ましく
は5〜20%であり、該含有率が2%未満では結晶化促進
効果が充分でなくなり、30%をこえると機械的強度およ
び耐湿性が低下する。
本発明に使用する(B)成分である結晶化促進剤とは、
熱可塑性ポリエステルの結晶化を促進させるために使用
される成分で、分子中に少なくとも一個の有機カルボン
酸のアルカリ金属塩を含む化合物であり、たとえば有機
カルボン酸のアルカリ金属塩やα‐オレフィンとα,β
‐不飽和カルボン酸との共重合体のアルカリ金属塩など
が好ましい具体例としてあげられる。
前記有機カルボン酸のアルカリ金属塩としては、たとえ
ばパルミチン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、安
息香酸ナトリウム、p-t-ブチル安息香酸ナトリウムなど
があげられる。
また、前記α‐オレフィンとα,β‐不飽和カルボン酸
との共重合体のアルカリ金属塩を形成する共重合体とし
ては、たとえばエチレン、プロピレンなどのα‐オレフ
ィン70〜99.5モル%、好ましくは90〜98モル%と、アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸な
どのα,β‐不飽和カルボン酸0.5〜30モル%、好まし
くは2〜10モル%とを共重合させたもので、それに含ま
れるカルボキシル基の5モル%以上、さらには10モル%
以上が金属塩になっているものが好ましい例としてあげ
られる。
前記金属塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウ
ムまたはカリウムであるのが好ましい。
前記結晶化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。またその使用量は、熱可塑性ポリエステ
ル100部に対して0.05〜20部、好ましくは0.1〜10部であ
り、該使用量が0.05部未満では結晶化促進効果が充分で
なく、また20部をこえると成形品の機械的強度や耐湿性
などが損われる。
本発明に使用する(C)成分であるα‐オレフィンと
α,β‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルとからな
る共重合体は、酸化チタンを含有する着色剤を添加した
樹脂組成物を成形するときのバリ、ハナタレおよび成形
品の耐衝撃性、伸びの改良のために使用される成分であ
る。
該共重合体中のα,β‐不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルに由来する単位の含有量は1〜30%、好ましくは
5〜15%であり、α‐オレフィンに由来する単位の含有
量は70〜99%、好ましくは85〜95%である。前記α,β
‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する単位
の含有量が1%未満では、本発明の目的の1つである成
形時のバリ、ハナタレ防止効果が充分でなく、30%をこ
えると該共重合体自体の柔軟性が損われるため、成形品
の耐衝撃性、伸びを低下させるので好ましくなる。
前記共重合体を構成するα‐オレフィンの具体例として
は、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキ
サン、1-オクテンなどがあげられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。
また前記共重合体を構成するα,β‐不飽和カルボン酸
グリシジルエステルの具体例としては、たとえばアクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、テトラヒド
ロ安息香酸グリシジルなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記共重合体を製造する際に、α‐オレフィンおよび
α,β‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルに、さら
に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、スチレン、アクリロニトリルなどをα‐オレフィン
およびα,β‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルの
合計重量に対してたとえば30%以下の範囲で加えて共重
合体を製造してもよい。
α‐オレフィンとα,β‐不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとからなる共重合体の添加量は熱可塑性ポリエ
ステル100部に対して0.5〜50部、好ましくは2〜25部で
ある。該共重合体の添加量が0.5部未満では本発明の目
的の一つである成形時のバリ、ハナタレ防止および成形
品の耐衝撃性、伸び改良の効果が充分でなく、また50部
をこえると流動性不足により加工性が低下し、成形品の
耐熱性、機械的強度が損われる。
本発明に使用する(D)成分であるガラス繊維にはとく
に限定はなく、たとえば一般に市販されている繊維長1.
5〜50mm程度、好ましくは3〜6mm程度のごときチョップ
ドストランドガラス繊維などのガラス繊維であればいず
れも使用しうる。
ガラス繊維の配合量は、熱可塑性ポリエステル100部に
対して10〜150部、好ましくは20〜100部である。ガラス
繊維の配合量が10部未満でな耐熱性、機械的強度が低下
し、150部をこえると成形加工性が低下する。
本発明に使用する(E)成分である着色剤は、酸化チタ
ンを80%以上含有した白色顔料として一般に使用されて
いるものであればとくに限定はないが、良好な着色性と
隠蔽力をうるためにはJIS K 5116(顔料試験方法)で規
定されるふるい残分が0.2%以下の粒径を有するもので
あるのが好ましい。また、製造条件によりルチル型およ
びアナターゼ型の2種の結晶型のものがえられるが、い
ずれも使用しうる。そのほか、たとえば分散性を改良す
るために表面処理を施されたものであってもかまわな
い。
前記着色剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル100部に
対して0.1〜30部、好ましくは1〜20部である。着色剤
の配合量が0.1部未満では着色性、隠蔽力が不足し、30
部をこえると耐熱性、機械的強度が低下する。
本発明の組成物は上記(A)〜(E)成分から調製され
るが、調製方法にはとくに限定はなく、たとえば押出機
による混合ペレット化などの通常の方法で調製しうる。
本発明の組成物には、ガラス繊維以外の炭素繊維、チタ
ン酸カリウムなどの繊維状強化材、タルク、クレー、硫
酸バリウム、マイカ、ウォラストナイト、PMF、フェラ
イト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シ
リカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルー
ン、シリカバーンなどの無機充填材を適宜配合してもよ
い。さらに、これらの強化材のほかに、離型剤、滑剤、
酸化チタン以外の着色剤、安定剤、発泡剤などを配合し
てもよい。
本発明のガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物
は、ポリエーテル化合物、結晶化促進剤によって結晶化
特性が改良され、酸化チタンを含有する着色剤で白色化
された熱可塑性ポリエステルに、α‐オレフィンとα,
β‐不飽和カルボン酸グリシジルエステルとからなる特
定の共重合体が添加されているので、たとえば100℃以
下という比較的低い金型温度で成形したばあいにも優れ
た耐熱性を有し、かつ成形時のバリ、ハナタレがなく、
耐衝撃性、伸び、外観に優れた成形品がえられる。さら
に本発明の組成物を押出機により混合ペレット化して調
製したばあいには、驚くべきことに、押出中のストラン
ド切れやペレットカッテング時に発生する粉体カスが減
少して、作業性、収率の向上およびスクリュー表面のク
リーニング性向上による色替、掃除の効率化が認められ
る。
このような本発明のガラス繊維強化白色ポリエステル樹
脂組成物は、電気器具部品、弱電やOA機器のハウジン
グ、電動工具ハウジング、自動車の内装部品など、とく
に優れた外観色調、耐熱性、耐衝撃性、伸びが要求され
る分野に好適に使用されうる。
次に実施例および比較例をあげて本発明の組成物をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらになんら制約され
るものではない。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)(固
有粘度0.7)80%およびエチレンテレフタレートオリゴ
マーとビスフェノールA変性ポリエチレングリコールと
の共重合体(ポリエーテル共重合体30%)20%の混合物
100部、パルミチン酸ナトリウム0.6部、エチレン‐メタ
クリル酸グリシジル共重合体(エチレン/メタクリル酸
グリシジルが重量比で89/11で、190℃、荷重160gにおけ
るMFR(ASTM D-1238E)が3.0g/min.)4部、白色顔料と
して酸化チタン(ルチル型、TiO2含量93%、ZnO・SiO2
・Al2O3処理、ふるい残0.005%以下)3部をドライブレ
ンドしたものとガラス繊維(繊維長3mm)45部とを二軸
押出機(池貝鉄工(株)製のPCM-45)を用いて、樹脂温
度280℃以上で溶融混合してペレット化した。
このペレットを樹脂温度280℃、金型温度60℃、成形サ
イクル45秒で射出成形し、成形加工性おおよび成形品特
性を下記の方法によって評価した。結果を第1表に示
す。
(成形加工性) (1)溶融粘度 JIS K 7210(参考試験)に準拠し、ペレットの溶融粘度
(試験温度 280℃、試験荷重:100kg、ダイ径1mm、ダイ
長10mm)を測定した。
(2)バリ ASTM D638 1/8インチ厚ダンベル試験片を成形したと
き、ショートショットにならない最低射出圧力でバリの
有無を目視観察して評価した。
(3)ハナタレ ASTM D638 1/8インチ厚ダンベル試験片を全自動成形運
転時、ノズルが後退しているときのノズル先端よりのハ
ナタレ(ドルーリング現象)の有無をしらべた。
(成形品特性) (1)熱変形温度 ASTM D648-56 Note-1に準拠し、1/4インチ厚試験片を用
いて18.6kg/cm2負荷応力下で測定した。
(2)耐衝撃性 ASTM D256に準拠し、1/4インチ厚試験片を用いてノッチ
付アイゾット衝撃強度を測定した。
(3)伸び ASTM D638に準拠し、1/8インチ厚ダンベル試験片を用い
て測定した。
(4)白色度 ASTM D638 1/8インチ厚ダンベル試験片平行部分の表面
を色差計(日本電色工業(株)製のZ-1001DP)を用いて
測色してハンター色度値L、a、bをそれぞれ求め、次
式より白色度W(Lab)を計算した。
W(Lab)=100-{100-L)+a2+b21/2 (5)耐酸変色性 ASTM D648 1/4インチ厚試験片を23℃の10%塩酸中に7
日間浸漬したのち、取り出して表面の変色の有無を目視
観察して評価した。変色しないときを良、変色したとき
を不良とした。
実施例2 実施例1で用いたエチレン‐メタクリル酸グリシジル共
重合体4部を8部にしたほかは、実施例1と同様にして
評価した。結果を第1表に示す。
実施例3 実施例2で用いたエチレン‐メタクリル酸グリシジル共
重合体8部の代わりにエチレン‐メタクリル酸グリシジ
ル‐酢酸ビニル共重合体(エチレン/メタクリル酸グリ
シジル/酢酸ビニルが重量比で84/11/5で、190℃、荷重
2160gにおけるMFR(ASTM D-1238E)が7.0g/10min.)8
部を用いたほかは、実施例2と同様にして評価した。結
果を第1表に示す。
実施例4 実施例2で用いたパルミチン酸ナトリウム0.6部の代わ
りにエチレン‐メタクリル酸共重合体(エチレン/メタ
クリル酸が重量比で87/13)のナトリウム塩(中和率50
%)4部を用いたほかは、実施例2と同様にして評価し
た。結果を第1表に示す。
実施例5 実施例2で用いたパルミチン酸ナトリウム0.6部の代わ
りにモンタン酸ナトリウム1.2部を用いたほかは、実施
例2と同様にして評価した。結果を第1表に示す。
実施例6 実施例2で用いた白色顔料として酸化チタン(ルチン
型、TiO2含量93%、ZnO・SiO2・Al2O3処理、ふるい残0.
005%以下)3部の代わりに酸化チタン(アナターゼ
型、TiO2含量96%、Al2O3処理、ふるい残0.005%以下)
3部を用いたほかは、実施例2と同様にして評価した。
結果第1表に示す。
比較例1 実施例2で用いた熱可塑性ポリエステル(混合物)100
部をPET単独100部に代えたほかは、実施例2と同様にし
て評価した。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例2で用いたパルミチン酸ナトリウム0.6部を使用
しなかったほかは、実施例2と同様にして評価した。結
果を第1表に示す。
比較例3 実施例2で用いたエチレン‐メタクリル酸グリシジル共
重合体8部を使用しなかったほかは、実施例2と同様に
して評価した。結果を第1表に示す。
比較例4 実施例2で用いたエチレン‐メタクリル酸グリシジル共
重合体の代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂(シ
ェル化学(株)製ののエピコート 828)を使用したほ
かは、実施例2と同様にして評価した。結果を第1表に
示す。
比較例5 実施例2で用いた酸化チタン3部の代わりに硫化亜鉛
(ZnS含量97%、有機湿潤剤処理、ふるい残0.02%)3
部を用いたほかは、実施例2と同様にして評価した。結
果を第1表に示す。
比較例6 実施例2で用いた酸化チタン3部を使用しなかったほか
は、実施例2と同様にして評価した。結果を第1表に示
す。
〔発明の効果〕 本発明の組成物を用いると100℃以下という低温金型を
用いたばあいでも耐熱性に優れた成形品をうることがで
きる。しかも、成形時のバリ、ハナタレがなく、えられ
た成形品は耐衝撃性、伸び、外観(白色度および耐酸変
色性)に優れたものである。さらに、本発明の組成物を
押出機による混合ペレット化で調製したばあいには、押
出中のストランド切れやペレットカッテング時に発生す
る粉体カスが減少することによる作業性、収率の向上お
よびスクリュー表面のクリーニング性向上による色替、
掃除の効率化が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−45253(JP,A) 特開 昭60−35023(JP,A) 特開 昭63−108054(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエチレンテレフタレートおよび
    エチレンテレフタレートオリゴマーとポリエーテル化合
    物との共重合体の混合物からなり、該混合物中における
    ポリエーテル化合物に由来する単位の含有率が2〜30重
    量%である熱可塑性ポリエステル100重量部、 (B)結晶化促進剤0.05〜20重量部、 (C)α‐オレフィン70〜99重量%とα,β‐不飽和カ
    ルボン酸グリシジルエステル1〜30重量%とからなる共
    重合体0.5〜50重量部、 (D)ガラス繊維10〜150重量部および (E)酸化チタンを含有する着色剤0.1〜30重量部 からなるガラス繊維強化白色ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリエーテル化合物が、ポリエチレン
    グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
    チレングリコールおよび一般式(I): (式中、Xは2価の結合基または直接結合、mおよびn
    はそれぞれ5〜20の整数、RおよびR′はそれぞれ炭素
    数2〜4の2価の炭化水素基で、RおよびR′は同じで
    ある必要はなく、またm個のR、n個のR′はそれぞれ
    同じである必要はない)で表わされる化合物の少なくと
    も1種である請求項1記載のガラス繊維強化白色ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記Xが、‐CH2-、‐C(CH32-、‐S
    -、‐SO2-または‐CO-である請求項2記載のガラス繊維
    強化白色ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記結晶化促進剤が、分子中に少なくとも
    一個の有機カルボン酸のアルカリ金属塩を含む化合物で
    ある請求項1記載のガラス繊維強化白色ポリエステル樹
    脂組成物。
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