JPH068863Y2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案はポンプにより液噴出体から洗浄液を噴射させて
食器を洗浄する食器洗い機に関する。

〈従来技術〉 従来の食器洗い機の一例としては第2,3図のものが知ら
れている。すなわち、この食器洗い機は、第２図の食器
篭を取出した状態の斜視図、第３図の食器篭の斜視図の
如く、開閉扉１付の箱形本体２の内部に洗浄槽３が形成
され、該洗浄槽３内に食器を配列する四角形食器篭４が
装着され、該食器篭４に水または湯からなる洗浄液を噴
出させる洗浄ノズル５を有する液噴出体６が設けられ、
洗浄槽３の底板７に落下した洗浄液が流れ込むフイルタ
ー付タンクが底板７の下側に配設され、該タンク内の洗
浄液を循環洗浄ポンプを介して前記液噴出体６へ左送す
る圧送管８が設けられている。

また、液噴出体６は放射状に配されると共にその中央部
６aは圧送管８の上端に回転自在に嵌合され、液噴出体
６には上向の噴出ノズル５以外にその先端部に後向の回
転ノズル５aが設けられている。また食器篭４は洗浄槽
３の前後方向の座板９に摺動自在に載置され、扉１の閉
状態で固定されている。

また、前記食器篭４は、第３図の洗浄中の食器姿勢を示
す側面図の如く、直方体の十二辺を構成する基線材１０
a〜１０eと、その底部に差し渡された四本の底線材１１
と、各底線材１１に植立された多数本の仕切線材１２と
から成り、各食器Ａは仕切線材１２間に第４図の姿勢で
挿入されている。

したがって、上記構造においては、扉１の開状態で引出
した食器篭４の仕切線材１２間に食器Ａを配列し、食器
篭４を入れて、扉１を閉じ、スタートスイッチをオンす
る。すると、ポンプモーターの駆動により、洗浄液はポ
ンプでタンクから液噴出体６へ圧送され、液噴出体６が
回転式の場合は一部の洗浄液は回転ノズル５aから後方
へ噴射されるので、液噴出体６は回転する。これと同時
に、残部の洗浄液は洗浄ノズル５から上方および斜め側
方へ噴射されるので、この洗浄ノズル５からの洗浄液の
噴射圧により食器は洗浄される。

しかし、洗浄中は洗浄液は食器Ａの内面に激しく衝突
し、食器Ａの重心Ｇ周りに反時計方向のモーメントの方
をより大きく作用させるので、洗浄前には第４図の如
く、食器Ａはその上部Ｂが仕切線材１２の上端１２aに
当るように下向姿勢にセットされ洗浄液が衝突し易いよ
うにされていても、洗浄中に洗浄液の噴射圧により徐々
に食器Ａの下部Ｃが底線材１１上を滑って行き、第５図
の様に食器Ａは、その下部Ｃが仕切線材１２の下部１２
bに当たる上向姿勢となり、食器Ａの内面に洗浄液が衝
突し難くなるので洗浄能力が低下してしまう欠点があっ
た。

〈目的〉 本考案は、上記従来の欠点を除去するためになされたも
ので、食器篭に対する洗浄前後の食器の出し入れが行な
い易くかつ食器は洗浄中に洗浄液の噴出圧により姿勢が
変わることがなく、常に洗浄液が衝突し易い姿勢を保
ち、洗浄能力を向上させ得る食器洗い機の提供を目的と
している。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面により説明する。第１図は
食器篭を備えた食器洗い機の要部正面図であり、図示の
ごとく、この実施例は、食器Ａを配置保持する食器篭４
と、該食器篭４に配された前記食器Ａに湯または水から
なる洗浄液（すすぎ液を含む）を噴出する管状の液噴出
体６と、前記食器篭４に形成された複数の保持体である
仕切線材Ｄとが設けられ、該仕切線材Ｄは、洗浄時に前
記食器Ａの洗浄面が前記液噴出体６側を向くよう変形す
る感温変形素子から構成され、前記食器Ａの洗浄時に前
記仕切線材Ｄを加熱するための加熱手段として洗浄液の
熱を利用するようにされている。

前記仕切線材Ｄは、たとえばＴi−Ｎi(チタン・ニッケ
ル)合金等の形状記憶合金製の感温変形素子から形成さ
れている。そして、その形状記憶は６０℃の洗浄液の噴
出によって起こり、仕切線材Ｄは、変態時に仮想線図示
のＤ２で示すごとく変形する。

また、前記各仕切線材Ｄは、前記食器Ａをその収納時に
洗浄面がある程度下方を向くことができる程度の間隔で
配されている。

なお、底線材１１には食器Ａの下部Ｃの滑り止め用に軟
質プラスチック管を外嵌してもよい。

また、その他の構成は、第2,3,4,5図の従来例と同様で
あるので、詳細な説明は省略する。

次に作用を説明する。扉の開状態で引出した食器篭４の
仕切線材Ｄ間に食器Ａを配列する。このとき、仕切線材
Ｄは、低温で変態温度に達していないので、直立した状
態Ｄ１である。この状態で食器Ａを実線図示のごとく少
し下向きに傾斜した姿勢で仕切線材Ｄに立て掛ける。そ
して食器篭４を洗浄槽内へ入れて、扉を閉じ、スタート
スイッチをオンする。すると、ポンプモーターの駆動に
より、洗浄液はポンプでタンクから液噴出体へ圧送さ
れ、液噴出体が回転式の場合は一部の洗浄液は回転ノズ
ルから後方へ噴射されるので、液噴出体は回転する。こ
れと同時に、残部の洗浄液は洗浄ノズルから上方および
斜め側方へ噴射されるので、この洗浄ノズルからの洗浄
液の噴射圧により食器は洗浄される。

この洗浄中は、タンク内の洗浄液は約６０℃であるの
で、これにより液噴出体６から６０℃の液温の洗浄液が
噴出され、仕切線材Ｄの感温変形素子の温度が所定温度
まで上昇すると、形状記憶合金製の仕切線材Ｄが直立状
態Ｄ１から仮想線で示す液噴出体６側に傾いた洗浄状態
Ｄ２に変形する。そして、食器Ａの底部Ｅを仕切線材Ｄ
の上部１３aが押圧するかまたは仕切線材Ｄの上部１３a
に乗り掛かっている食器Ａは仕切線材Ｄに乗ったまま洗
浄姿勢Ａ２となる。そして、洗浄時６０℃の噴流が洗浄
面に当たることによって特に茶碗やお碗等の円錘台形の
食器Ａの洗浄面に液噴出体６からの噴流が良く当たり、
洗浄効果が大となる。

また、洗浄中は洗浄液が食器Ａの内面に激しく衝突し食
器Ａの重心Ｇ周りに反時計方向のモーメントの方をより
大きく作用させても、食器Ａはその上部Ｂが仕切線材Ｄ
の上端１３aに当った下向の洗浄姿勢Ａ２は変わらな
い。

さらに、洗浄が終了し、洗浄槽の内部温度が下がれば、
仕切線材Ｄは弾力性に豊んだ状態となり、食器Ａを容易
に引き出せる。

なお、本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修正および変
更を加え得ることは勿論である。

たとえば、本考案の食器篭は、食器洗い機の洗浄槽内に
固定する型式に限らず、モーターを用いて回転駆動する
型式に適用してもよい。また洗浄液噴出体は、食器篭の
横側から洗浄液を噴射させる固定式としてもよいし、食
器篭の下側から噴射させる回転式としてもよい。

また、保持体(実施例では仕切線材)に二方向性の形状記
憶合金を用いてもよく、この場合、保持体は本体内の温
度が所定温度まで下がった状態で、洗浄前の直立した状
態となるので食器の取出しが容易となる。さらに保持体
の形状は上記実施例に限定されるものではない。

〈効果〉 本考案の食器洗い機は、上記のように感温変形体で形成
された保持体自体が液噴出体から噴出される洗浄液の温
度に応じて食器の洗浄面を液噴出体に対向させる方向に
変形するので、食器の洗浄面に洗浄液が衝突するのを妨
げるような部材が食器篭に全くなく、食器の洗浄面に洗
浄液が効率的に衝突し、食器の汚れを確実に落とすこと
ができ、洗浄能力を向上させることができる。

また、液噴出体から噴出する洗浄液の温度を食器の種類
（椀状や皿状の形状の違い）に応じて変えて洗浄を行う
ことにより、この洗浄液の温度に応じて保持体の変形度
合、即ち食器の傾斜角度を簡単に調整することができ、
食器の種類に応じた洗浄状態を簡単な構成で得ることが
でき、各種食器の洗浄を良好に行うことができる。

しかも、保持体自体が変形するので従来通り食器篭を本
体より着脱することが可能であり、食器の食器篭への出
し入れを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の食器洗い機の要部正面図、第
２図は一般的な食器洗い機の食器篭を取出した状態の斜
視図、第３図は従来例の食器篭の斜視図、第４図は従来
例の洗浄後の食器姿勢を示す正面図、第５図は従来例の
洗浄中の食器姿勢を示す正面図である。 Ａ：食器、Ｂ：食器の上部、Ｃ：食器の下部、Ｇ：重
心、Ｄ：保持体の一例としての仕切線材、４：食器篭、
１１：底線材、、１３a：仕切線材の上端、１３b：仕切
線材の下部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食器洗い機本体内に食器を配置保持する食
   器籠を着脱自在に設けるとともに、該食器籠内に配置保
   持された食器に温水の洗浄液を噴出する液噴出体を設
   け、上記食器籠に上記食器を保持する保持体を当該食器
   籠の底面に対し垂直に設けた食器洗い機において、 上記保持体を、上記液噴出体から噴出される洗浄液の温
   度に応じて上記食器の洗浄面を上記液噴出体に対向させ
   る方向へ変形する感温変形体で形成したことを特徴とす
   る食器洗い機。