JPH0687865A - 新規な1−オキサ−1−デチアセフエム化合物 - Google Patents

新規な1−オキサ−1−デチアセフエム化合物

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JPH0687865A
JPH0687865A JP5007084A JP708493A JPH0687865A JP H0687865 A JPH0687865 A JP H0687865A JP 5007084 A JP5007084 A JP 5007084A JP 708493 A JP708493 A JP 708493A JP H0687865 A JPH0687865 A JP H0687865A
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Tsuneo Okonogi
恒夫 小此木
Yasushi Murai
安 村井
Shunzo Fukatsu
俊三 深津
Taro Niida
太郎 仁井田
Tadashi Wakazawa
正 若澤
Burton G Christensen
ジー.クリステンセン バートン
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D505/00Heterocyclic compounds containing 5-oxa-1-azabicyclo [4.2.0] octane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. oxacephalosporins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】一般式(I)の1−オキサ−1デチアセファロ
スポリン抗生物質を合成するための中間体を提供する。 【構成】一般式(IIb)で示される1−オキサ−1−デ
チアセフェム化合物 〔式中Rは、たとえば2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−メトキシ(あるいはエトキシ)イミノ
アセトアミド基であり、R,Rは式(IIb)の
,Rでの定義と同じ〕 〔IIb式において、R=H,R=CH;またはR
=CH,R=Hであり;X=Cl,Br,Iであ
り;R=H又は保護基である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は抗菌活性をもつ新規な1−オキサ
−1−デチアセフアロスポリン化合物に関するものであ
る。
【0002】本発明者らは、広範囲な抗菌スペクトルを
有ししかも耐性菌に有効である新規なセファロスポリン
化合物の合成と探索の研究を続け、ヒトを含む動物に対
する化学療法用の抗菌剤として有効な新規1−オキサ−
1−デチアセファロスポリン化合物を創製することに成
功した。
【0003】即ち、本発明者らは、次の一般式(I)
【化2】 〔式中、R1 は式
【化3】 (但しR4 は低級アルキル(C1 6 )たとえばメチル
基又はエチル基である)で表わされる基、あるいは式
【化4】 (但しR5 は水素原子又は4−エチル−2,3−ジオキ
ソピペラジン−1−イル基、または環内に唯一のヘテロ
置換として窒素を2原子有し且つ下記の式の環窒素に隣
る炭素上に少なくとも1つのヘテロ基を有する5員また
は6員ヘテロ環基であり、
【化5】 *を付した炭素原子の部位の立体配置は(R)型又は
(S)型、あるいはこれらの混合物である)で表わされ
る基であり、R2 とR3 は両者とも水素原子であるか、
又はR2 とR3 の何れか一方が水素原子で他方がメチル
基である〕で示される1−オキサ−1−デチアセファロ
スポリン化合物を合成することに成功し、この一般式
(I)で表わされるように、3位に(2,5−ジヒドロ
−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,
4−トリアジン−3−イル)チオメチル基を有する1−
オキソ−1−デチアセファロスポリン類が耐性菌を含む
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌
力を持ち且つ動物に筋肉中あるいは静脈内に投与した場
合、その抗菌剤としての効果が極めて大きいことを見い
出した。
【0004】3位に(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン
−3−イル)チオメチル基を有するセファロスポリン化
合物は特開昭55−154980号公報に報告されてい
るが、1−オキサ−1−デチアセファロスポリンに関す
る記載はこの公開公報になく、式(I)の化合物は新規
な化合物である。
【0005】また、一般に、7位アミノ基の上に2−ア
ミノチアゾール−4−酢酸誘導体を置換基として有する
1−オキサ−1−デチアセファロスポリン化合物は、対
応するセファロスポリンに比べて抗菌力が劣ることが知
られている{R.B.モリン、M.ゴーマン、ケミスト
リー・アンド・バイオロジー・オブ・β−ラクタム・ア
ンチビオチックス・、1〜98頁、(1982)、ア
カデミック・プレス(ニューヨーク)}。然るに、一般
式(I)の本発明化合物は7位アミノ基の置換基として
2−アミノチアゾール−4−酢酸誘導体を有しているに
も拘らず、対応のセファロスポリン類(前述した特開昭
55−154980号公報記載のもの)が全く無効なス
タフィロコッカス・フエカリスおよびシュードモナス・
エルギノーサを強く阻止すること;更に2位にメチル基
を導入すること、及び式(I)の化合物の置換基R4
種類を適宜選択(R4 がメチル又はエチル基であるのが
好ましい)することによりその抗菌力が更に増強される
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】従って、第一の本発明は、前記一般式
(I)の1−オキサ−1−デチアセファロスポリン化合
物、及びこれの薬学的に許容できる水和物、塩ならびに
エステルを要旨とするものである。
【0007】一般式(I)による本発明化合物の例に
は、次のものがある。化合物No. 1. (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセトア
ミド]−(2S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒド
ロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,
2,4−トリアジン−3−イル)チオメチル−1−オキ
サ−1−デチアセフ−3−エム−4−カルボン酸
【化6】
【0008】化合物No. 2. (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(エトキシイミノ)アセトア
ミド]−(2S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒド
ロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,
2,4−トリアジン−3−イル)チオメチル−1−オキ
サ−1−デチアセフ−3−エム−4−カルボン酸
【化7】
【0009】化合物No. 3. (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセトア
ミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2
−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−
イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチアセフ−3−
エム−4−カルボン酸
【化8】
【0010】化合物No. 4. (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(エトキシイミノ)アセトア
ミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2
−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−
イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチアセフ−3−
エム−4−カルボン酸
【化9】
【0011】化合物No. 5. (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1
−ピペラジンカルボキサミド)アセトアミド]−(2
S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリア
ジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア
セフ−3−エム−4−カルボン酸
【化10】
【0012】化合物No. 6. (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(ホルムアミド)アセトアミド]−
(2S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−ト
リアジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デ
チアセフ−3−エム−4−カルボン酸
【化11】
【0013】化合物No. 7. (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1
−ピペラジンカルボキサアミド)アセトアミド]−3−
(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメ
チル−1−オキサ−1−デチアセフ−3−エム−4−カ
ルボン酸
【化12】
【0014】化合物No. 8. (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(ホルムアミド)アセトアミド]−3
−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−
5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオ
メチル−1−オキサ−1−デチアセフ−3−エム−4−
カルボン酸
【化13】
【0015】なお、上記の化合物No. は後記の表及び実
施例で参照される。
【0016】本発明化合物(I)は一般式(I)の化合
物の溶媒和物、特に水和物を包含する。さらに本発明は
式(I)の化合物の後に詳述する如き無毒性塩及び無毒
性エステル、特に代謝上不安定なエステルを包含する。
無毒性とは医薬的に許容し得る意味である。
【0017】本発明の式(I)で示され具体例として挙
げた新規化合物は次の特長を持っている。 (イ) 試験管におけるグラム陽性及びグラム陰性菌に
対する抗菌スペクトルとして本発明化合物No. 1〜No.
8の各種細菌に対する最低発育阻止濃度(MIC)を示
す表1から明らかなように、本発明化合物は広範囲の細
菌に対して高い抗菌力を有する。比較のため、ラタモキ
セフ(Latamoxef)及びセフトリアキソン(Ceftriaxone)
のMICも表1に示す。
【0018】また、表1から明らかな様に、本発明によ
る新規化合物は耐性菌を含む各種細菌に実用上十分に高
い抗菌力を有しているのみならず、特に、実施例1、
2、5、6で示される化合物はストレプトコッカス・フ
アエカリスに有効である大きな特長があり、また実施例
1、2、4、5、7で示される化合物はシュードモナス
・エルギノーサに有効である特長がある。
【0019】また、本発明による一般式(I)の化合物
は本発明と同一出願人によって先に出願公開された特開
昭59−46287号公報に具体的に開示されている1
−オキサ−1−デチア−セファロスポリン誘導体と比べ
て、抗菌活性、血清中濃度およびその持続性等がすぐれ
ている特長がある。
【0020】
【化14】
【化15】
【0021】(ロ) 本発明化合物は投与された後の動
物体内に於ける血清中濃度のピーク値及びその持続性が
高いという薬理学的長所がある。これの例証実験とし
て、1群3匹のマウス(平均体重20g)を用い、供試
化合物の25mg/kgを皮下投与した後、適時採血し、血
清を分離しその中の供試化合物濃度をエシエリヒア・コ
リを検定菌とする抗菌力検定で測定した。その結果を表
2に示す。 表 2 ────────────────────────────── 血清中濃度(mcg/ml) ─────────────────── 供試化合物 1/12 1/4 1/2 1(時間) ────────────────────────────── 化合物No. 1 27 47.7 41 24.8 化合物No. 5 24 44 25 10 化合物No. 7 25 34 32 13 ──────────────────────────────
【0022】上記(イ)、(ロ)に例証されるごとく、
本発明による式(I)の化合物は抗菌剤として優れた性
質を有するためにヒトを含む哺乳動物の細菌感染症の治
療又は予防に非経口的又は経口的に投与しうる有用な抗
生物質である。特に、血中濃度の持続性の良さは、試験
管(in vitro) 内抗菌力を動物体(in vivo)内で発現さ
せる上で重要な要素である。
【0023】従って第2の本発明の要旨によると、さら
に、前記一般式(I)で示される1−オキサ−1−デチ
アセファロスポリン化合物及びその無毒性の水和物塩も
しくは無毒性エステルの少くとも一つを有効成分とする
抗菌剤を提供する。
【0024】一般式(I)の化合物の無毒性塩、すなわ
ち医薬上許容し得る塩類としては、該化合物中に存在す
るカルボキシル基との反応により生成される慣用的な非
毒性の塩(カルボキシレート)、特に無毒塩基との塩
類、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ
金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩のよう
なアルカリ土類金属塩があり、またリジン、アルギニ
ン、オルニチン、ヒスチジンのような塩基性アミノ酸と
の付加塩があり、さらに有機アミン塩、その他のセファ
ロスポリンと通常塩を形成するような塩基性塩との付加
塩がある。
【0025】本発明化合物(I)の他の無毒性塩として
は、該化合物のアミノ基又は他の塩基性基における塩
酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との
付加塩があり、またトリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、酒石酸、p−ト
ルエンスルホン酸のような有機カルボン酸又は有機スル
ホン酸との付加塩、並びにアスパラギン酸、グルタミン
酸のような酸性アミノ酸との付加塩があり、さらに分子
間又は分子内塩等をあげることができる。
【0026】更に、本発明化合物(I)の無毒性エステ
ルとしては、該化合物のカルボキシル基における薬学的
に許容できるエステル形成基とのエステルがあるが、そ
の中でも代謝上不安定なエステルが好ましい。後者は生
体内で加水分解して脱離し得るエステル形成基を有する
化合物である。かかるエステル形成基の例としてはアセ
トキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、α−エト
キシカルボニルオキシエチル基、フタリジル基、フェニ
ル基等をあげることができる。
【0027】抗菌剤として使用に際し、本発明化合物
(I)はヒトの細菌性感染症の治療に対しては、成人に
対し一回投与量として50〜1500mg、好ましくは1
00〜1000mgを1日1〜5回、非経口的又は経口的
に投与される。
【0028】本発明の抗菌剤は通常、本発明の化合物と
固体又は液体の賦形剤とから構成される。剤型として
は、錠剤、カプセル、散剤、予製散剤のような固形製
剤、または注射液、点滴静注液、懸濁液、シロップのよ
うな液体製剤の型に製造される。ここに使用される固体
または液体の賦形剤としては、当該分野で公知のものが
使用される。前述のように、成分で例示したような1回
の投与量に必要な量の本発明の化合物を含むように製剤
化するのが好ましい。
【0029】一般式(I)の本発明化合物の製造は、例
えば、次の一般式(IIa)
【化16】 〔式中、R2 とR3 は両者とも水素原子であるか、又は
2 とR3 の何れか一方が水素原子で他方がメチル基で
あり、R6 はカルボキシル保護基であり、Xは塩素、臭
素又はヨウ素原子である〕の1−オキサ−1−デチアセ
フエム化合物を次式 R1COOH (III) 〔式中、R1 は一般式(I)で定義したと同じ意味であ
る〕のカルボン酸又はこれの活性誘導体でアシル化し
て、次式
【化17】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R6 及びXは前記と同じ意
味である〕の7−N−アシル化生成物を生成する工程
と、得られた式(IV)の化合物に対して次式
【化18】 の2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−3−メルカプト−1,2,4−トリアジン
を、成るべくハロゲン化水素結合剤として作用する塩
基、例えばアルキルアミンの存在下で反応させて、次式
【化19】 〔式中、R1 、R2 、R3 及びR6 は前と同じ意味であ
る〕の化合物を生成する工程と、この式(VI)の化合物
中に残留する保護基を常法で脱離する工程とより成る方
法によって実施できる。
【0030】次にこの方法において、一般式(II)の化
合物から一般式(I)の化合物に至る工程を説明する。
先ず化合物(II)の7位アミノ基に所望するアシル基を
導入するために式(III)のカルボン酸を式(II)の化合
物と反応させ、これにより7位アミノ基をアシル化する
のであり、これにより式(IV)の7−N−アシル化生成
物が得られる。このアシル化法は一般によく知られる方
法でよい。
【0031】この場合、式(III)のカルボン酸は、これ
の活性誘導体の形で用いるのが好ましく、カルボン酸
(III)の活性化体は酸ハロゲン化、酸活性エステル化、
酸無水物、混合酸無水物等であり得る。式(III)のカル
ボン酸は、活性化せずに用いてアシル化反応を行うこと
もでき、この場合には、カルボジイミド類による脱水縮
合、あるいはオキシ塩化燐法で行なわれる。アシル化反
応はジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルム
アミド、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル等
の、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で反応温度−5
0℃から+50℃で行なわれる。
【0032】次いで、式(IV)の7−N−アシル化生成
物の3′位ハロゲン原子(X)を、所望の3′位置換基
の導入剤としての2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2−メチル−5−オキソ−3−メルカプト−1,2,4
−トリアジン(V)と反応することにより、化合物(V
I)を得る。この置換反応自体は公知で特開昭55−1
54980号公報に開示されている。化合物(IV)と化
合物(V)とを不活性有機溶媒中、好ましくはジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド又はジ
オキサン中で混合し、0℃〜80℃の温度で反応させ
る。式中のXが塩素の場合、1〜2当量のヨウ化ソーダ
(NaI )を反応系に添加することにより収率よく反応が
進行する。
【0033】次いで化合物(VI)から残留する保護基を
脱保護することにより一般式(I)の本発明化合物を得
る。化合物(VI)に残留する保護基は1−オキサセフエ
ム環4位のカルボキシル保護基と7位側鎖2−アミノチ
アゾール部の2位アミノ基保護基である。これらの保護
基は常法で段階的あるいは同時に脱離される。R6 がジ
フェニルメチル基あるいはp−ニトロベンジル基で、2
−アミノチアゾール部の2位アミノ基がトリチル基で保
護されている場合は、接触還元法あるいは酸性試薬によ
る加水分解等で同時に脱保護される。これらの脱保護反
応それ自体は公知であり、酸性試薬としては塩酸等の鉱
酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、あるいは塩化アルミ
等のルイス酸を用い得る。
【0034】本発明化合物(I)の前記製造法で原料化
合物として用いられる一般式(IIa)の化合物は以下の
反応式で示される通りに製造される。
【化20】
【化21】 但し、上記の反応式においてR2 、R3 、R6 及びXは
前記と同じ意味を有する。
【0035】上記の反応式で示される原料化合物(II
a)の調製法で出発物質として用いられる化合物(VII)
におけるR1 もしくはR2 がメチル基の化合物は、本出
願人らにより特開昭59−46287号、特開昭59−
51291号公報に開示した方法で合成される。また、
そのR1 およびR2 が水素原子の化合物は特開昭54−
3088号、特開昭53−25551号公報に開示され
た公知物質である。式中R6 は前述した通りカルボキシ
ル保護基であり、一般にペニシリン、セファロスポリ
ン、1−オキサ−1−デチアセファロスポリンに広く使
用される保護基が適用できる。好ましくはt−ブチル
基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基などのアル
キル基、ベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メト
キシベンジル基、フエナシルメチル基、ジフェニルメチ
ル基などのアラルキル基がよい。中でも弱酸性下、ある
いは還元的条件下で容易に脱離できるものが最適で、例
えばジフェニルメチル基、p−ニトロベンジル基が好適
である。
【0036】化合物(IIa)の調製に当っては、先ず第
1段階として、出発物質の化合物(VII)の7位アミノ基
を保護する目的のホルミル化により化合物(VIII)を得
る。このホルミル化は一般に知られている方法でよく、
ギ酸と無水酢酸との混合物による処理、またはギ酸の活
性エステル好ましくはトリクロロフェニルエステル
【化22】 によりホルミル化するのが便利であり、これにより7−
N−ホルミル化化合物(VIII)を生成する。反応溶媒は
通常の有機溶媒、特に不活性溶媒が良く、好ましくは塩
化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等である。
【0037】次の段階として、化合物(VIII)の3位N
−メチルテトラゾール基を還元的に脱離し、3−メチレ
ン−1−オキサセフアム体(IX)を得る。これには還元
剤として、亜鉛、鉄、マグネシウム等の金属粉末を用
い、水素供給源として有機酸あるいは無機酸の存在下、
不活性溶媒中、−5℃から50℃の間で還元が行なわれ
る。好ましくは亜鉛あるいはマグネシウムをギ酸あるい
は酢酸の存在下で用い塩化メチレンあるいはジオキサン
中で還元させる。
【0038】次いで、第3段階として化合物(IX)をハ
ロゲン化剤で処理することにより対応する3−ハロゲノ
メチル体(X)を得る。なお化合物(X)でR2 、もし
くはR3 がメチル基の化合物は新規化合物であるが、一
般のセファロスポリンあるいはR2 とR3 とが水素原子
である化合物は公知であり、そのハロゲン化については
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテ
ィー、99、2822頁、(1977)及びテトラヘド
ロン、39、No. 15、2515〜2526頁(198
3)に発表されたハロゲン化法が適用できる。好ましく
は、化合物(IV)に有機塩基DBUの存在下に臭素ある
いはヨウ素を反応させることにより、3−ブロムメチル
体(X)(X=Br)あるいは3−ヨードメチル体
(X)、(X=I)を得る。3−クロルメチル体
(X)、(X=Cl)は化合物(IX)にフェニルセレニル
クロリドを作用させ、得られる3−フェニルセレノ−1
−オキサセフアム体を酸化的に脱セレニル化して得られ
る。
【0039】次いで第4段階として化合物(X)の7位
アミノ保護基のホルミル基を脱離することにより一般式
(IIa)の化合物を得る。酸処理による脱ホルミル化反
応は広く知られる反応であるが、分子内の他の酸不安定
保護基、すなわち化合物(X)の4位カルボン酸保護基
に影響することなく選択的に脱ホルミル化を行うには無
水塩酸が好ましい。反応は不活性溶媒中−5℃から+2
0℃の温度で、2〜8当量の無水塩酸で行なわれる。反
応後の処理の違いにより、一般式(IIa)の化合物は遊
離塩基、あるいは塩酸塩の型で単離される。
【0040】第3の本発明によると、一般式(IIa)の
化合物のうちでの新規化合物、すなわち次の一般式(II
b)
【化23】 〔式中、Ra が水素原子でRb がメチル基であるか、又
はRa がメチル基でRb が水素原子であり、Xは塩素、
臭素又はヨウ素原子であり、R7 は水素原子又はカルボ
キシル基の保護基である〕の1−オキサ−1−デチアセ
フエム化合物が重要な中間体化合物として提供される。
【0041】次に本発明を実施例について詳細に説明す
る。
【0042】実施例1 (1) 7β−ホルムアミド−2β−メチル−3−(1−メ
チル−1H−テトラゾール−5−イル)チオメチル−1
−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸
ジフェニルメチルエステルの製造
【化24】 (但しMe はメチル基、Ph はフェニル基を示す、以下
同様)。7β−アミノ−2β−メチル−3−(1−メチ
ル−1H−テトラゾール−5−イル)チオメチル−1−
オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジ
フェニルメチルエステル800mgとギ酸2,4,5−ト
リクロルフェニルエステル440mgを塩化メチレン40
mlに溶解し、室温で20時間放置後濃縮した。残留物を
酢酸エチルで洗浄し、塩化メチレンで再結晶すると表題
の化合物の664mg(79%)を得た。 IR(ヌジョール)、νmax (cm-1) :1779、17
22、1662 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.55 (3H, d, J=6.6Hz)、
3.82 (3H, s)、4.73、4.05 (2H, ABq, J=13.7Hz)、4.89
(1H, q, J=6.6Hz) 、5.11 (1H, d, J=3.9Hz)、5.76 (1
H, dd, J=9.5 、6.5Hz)、6.89 (1H, s)、7.10〜7.70 (1
0H, m) 、8.28(1H, s)
【0043】(2) 7β−ホルムアミド−2β−メチル−
1−オキサ−1−デチア−3−メチレンセフアム−4−
カルボン酸ジフェニルメチルエステルの製造
【化25】 前項(1)の生成物、すなわち7β−ホルムアミド−2β
−メチル−3−(1−メチル−1H−テトラゾール−5
−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セ
フエム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステル37
0mgを塩化メチレン7mlに溶解し、酢酸2.0ml、金属
マグネシウム170mgを加え、室温で40分間攪拌した
後、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶
解し、飽和重曹水、水で洗浄後 MgSO4で乾燥し、濃縮し
た。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで
精製し、表題化合物の166mg(58%)を得た。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1780、1741、
1695 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.37 (3H, d, J=6.3Hz)、
4.37 (1H, q, J=6.3Hz) 、5.13 (1H, s)、5.29 (1H,
s)、5.36 (1H, s)、5.41 (1H, d, J=3.5Hz) 、5.61 (1
H, dd, J=10.1、3.5Hz)、6.20 (1H, d, J=10.1Hz)、6.8
5 (1H, s)、7.10〜7.40 (10H, m) 、8.19 (1H, s)
【0044】(3) 7β−ホルムアミド−2β−メチル−
3−クロルメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフ
エム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルの製造
【化26】 前項(2)の生成物、すなわち7β−ホルムアミド−2β
−メチル−1−オキサ−1−デチア−3−メチレンセフ
エム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステル300
mg、フェニルセレニルクロライド280mgを塩化メチレ
ン8mlに溶解し、室温で5時間攪拌後、氷冷下40%水
性過酢酸300mgを加え室温で30分間攪拌した。反応
液を飽和重曹水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、次に水で
洗浄し、 MgSO4で乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲル
のカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物の2
50mg(77%)を得た。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1797、1723、
1697 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.51 (3H, d, J=6.6Hz)、
4.11、5.16 (2H, ABq,J=12.5Hz)、4.78 (1H, q, J=6.6H
z) 、5.12 (1H, d, J=3.7Hz) 、5.77 (1H, dd, J=9.9
、3.7Hz)、6.28 (1H, d, J=9.9Hz) 、6.90 (1H, s)、
7.10〜7.60 (10H,m) 、8.24 (1H, s)
【0045】(4) 7β−アミノ−2β−メチル−3−ク
ロルメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−
4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルの製造
【化27】 前項(3)の生成物、すなわち7β−ホルムアミド−2β
−メチル−3−クロルメチル−1−オキサ−1−デチア
−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエス
テル200mgをメタノール2mlに溶解し、6N−HCl ジ
オキサン溶液、75μl を加え、室温で30分間攪拌し
濃縮した。残留物をエーテルで洗浄し乾燥すると、表題
化合物を塩酸塩として200mg(定量的収量)を得た。
下記の物性は表題化合物の遊離塩基の値を示す。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1783、1720 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.52 (3H, d, J=6.7Hz)、
1.85 (2H, s)、4.11、5.15 (2H, ABq, J=12.8Hz)、4.49
(1H, d, J=4.0Hz) 、4.77 (1H, q, J=6.8Hz)、5.04 (1
H, d, J=4.0Hz) 、6.90 (1H, s)、7.10〜7.60 (10H, m)
【0046】(5) (6R,7R)−7−[(Z)−2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(メトキシ
イミノ)アセトアミド]−(2S)−2−メチル−3−
(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメ
チル−1−オキサ−2−デチア−3−セフエム−4−カ
ルボン酸(化合物No. 1)ジナトリウム塩の製造
【化28】 (イ)(Z)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−
4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸108mgと前項
(4)で得られた7β−アミノ−2β−メチル−3−クロ
ルメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4
−カルボン酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩100mg
を塩化メチレン3mlに溶解し、−20℃でピリジン87
μl 、オキシ塩化リン29μl を加え、同温度で30分
間、さらに氷冷下で30分間攪拌してアシル化反応を行
った。反応液を氷水、飽和重曹水、水で順次洗浄し、Mg
SO4 で乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エチル
(5:1))で精製すると、次式
【化29】 (但しTr はトリチル基)で示される7β−[(Z)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2
−(メトキシイミノ)アセトアミド]−2β−メチル−
3−クロルメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフ
エム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルの14
0mg(75%)を得た。 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.48 (3H, d, J=6.8Hz)、
4.10、5.18 (2H, ABq,J=12.3Hz)、4.05 (3H, s)、4.77
(1H, q, J=6.8Hz) 、5.13 (1H, d, J=3.9Hz)、5.77 (1
H, dd, J=3.8 、10.5Hz) 、6.80 (1H, s)、6.89 (1H,
s)、7.10〜7.90(25H, m)
【0047】(ロ) 前項(イ)の生成化合物140m
g、2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−
3−メルカプト−5−オキソ−1,2,4−トリアジン
・ナトリウム塩36mg、沃化ナトリウム25mgをDMF
1mlに溶解し、室温で1時間攪拌して置換反応を行っ
た。反応液を酢酸エチル6mlで希釈し、酸性水(pH3.
0)、次に水で洗浄し、MgSO4 で乾燥後濃縮した。残留
物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム−メタノール(20:1))で精製す
ると、次式
【化30】 で示される7β−[(Z)−2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセ
トアミド]−2β−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−
6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4
−トリアジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1
−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメ
チルエステルの130mg(81%)を得た。 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.50 (3H, d, J=6.9Hz)、
3.59 (3H, s)、4.06 (3H, s)、4.08、4.50 (2H, ABq, J
=13.0Hz)、4.72 (1H, q, J=6.8Hz) 、5.12 (1H, d, J=
3.8Hz) 、5.73 (1H, dd, J=3.8 、10.3Hz) 、6.77 (1H,
s)、6.92 (1H,s)、7.10〜7.80 (25H, m)
【0048】(ハ) 前項(ロ)の生成化合物120m
gを氷冷したトリフロル酢酸1.2mlとアニソール0.
2mlとの混液に加え、同温度で30分間攪拌して脱保護
反応を行った後、イソプロピルエーテル(IPE)6ml
を加え生成する沈殿を濾取した。この沈殿物70mg及び
重曹30mgを水1mlに溶解し、ダイヤイオンHP−20
のカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:水)で精製す
ると、目的の表題化合物である(6R,7R)−7−
[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2−(メトキシイミノ)アセトアミド]−(2S)−2
−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3
−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セ
フエム−4−カルボン酸のジナトリウム塩40mgを得
た。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1660、1
600 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.44 (3H, d, J=6.6Hz)、3.
63 (3H, s)、3.97 (3H, s)、3.96、4.46 (2H, ABq, J=1
3.9Hz)、5.24 (1H, d, J=3.4Hz) 、5.51 (1H,d, J=3.4H
z) 、7.06 (1H, s)
【0049】実施例2 (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(エトキシイミノ)アセトア
ミド]−(2S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒド
ロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,
2,4−トリアジン−3−イル)チオメチル−1−オキ
サ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸(化合
物No. 2)ジナトリウム塩の製造
【化31】 (但しEt はエチル基)実施例1(5)の(イ)項で用い
た(Z)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)−2−メトキシイミノ酢酸の代りに(Z)−2−
(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2−エ
トキシイミノ酢酸を用いて実施例1(5)の(イ)、
(ロ)、(ハ)と同様の反応を行なうと、目的とする表
題化合物のジナトリウム塩を得た。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1660、1
600 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.20 (3H, t, J=7.1Hz)、1.
36 (3H, d, J=6.8Hz)、3.54 (3H, s)、3.87、4.40 (2H,
ABq, J=14.0Hz)、4.15 (2H, q, J=7.1Hz) 、5.16 (1H,
d, J=3.6Hz) 、5.44 (1H, d, J=3.6Hz) 、6.96 (1H,
s)
【0050】実施例3 (1) 7β−ホルムアミド−3−クロルメチル−1−オキ
サ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェ
ニルメチルエステルの製造
【化32】 実施例1(2)で得た7β−ホルムアミド−1−オキサ−
1−デチア−3−メチレンセフアム−4−カルボン酸ジ
フェニルメチルエステル400mgを塩化メチレン10ml
に溶解し、これにフェニルセレニルクロライド458mg
を加え、室温で1時間攪拌後、氷冷下に40%水性過酢
酸500mgを加え、室温で30分間攪拌した。反応液を
飽和重曹水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で順次洗浄
し、MgSO4 で乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エ
チル(3:1))で精製すると、表題化合物の330mg
(75%)を得た。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1782、1720、
1691 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 4.47 (4H, s) 、5.05 (1
H, d, J=3.9Hz) 、5.73(1H, dd, J=9.6 、3.9Hz)、6.43
(1H, d, J=9.6Hz) 、6.88 (1H, s)、7.10〜7.60 (10H,
m) 、8.18 (1H, s)
【0051】(2) 7β−アミノ−3−クロルメチル−1
−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸
ジフェニルメチルエステルの製造 前項(1)で得た7β−ホルムアミド−3−クロルメチル
−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボ
ン酸ジフェニルメチルエステル330mgをメタノール3
mlに溶解し、6N−塩酸ジオキサン溶液0.60mlを加
え、室温で30分間攪拌後濃縮した。残留物を塩化メチ
レンから結晶化すると、表題化合物を塩酸塩として26
9mg(89%)得た。遊離塩基としての物性を下記に示
す。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1790、1722 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 2.50 (2H, s) 、4.30〜4.
75 (5H, m)、4.97 (1H, d)、6.90 (1H, s)、7.20〜7.60
(10H, m) (3) (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセ
トアミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−
3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−
セフエム−4−カルボン酸(化合物No.3)ジナトリウ
ム塩の製造
【0052】(イ)(Z)−2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸25
0mgと前項(2)で得た7β−アミノ−3−クロルメチル
−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボ
ン酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩200mgを塩化メ
チレン4mlに溶解し、−20℃でピリジン180μl 、
オキシ塩化リン60μl を加え、同温度で30分間そし
て氷冷下で30分間攪拌した。反応液を氷水4ml×2、
飽和重曹水、水で順次洗浄し、MgSO4 で乾燥後濃縮し
た。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:トルエン−酢酸エチル(5:1))で精製
すると、次式
【化33】 で示される。7β−[(Z)−2−(2−トリチルアミ
ノチアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)ア
セトアミド]−3−クロルメチル−1−オキサ−1−デ
チア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメチル
エステルの260mg(69%)を得た。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1800、1725、
1685 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 4.05 (3H, s) 、4.54 (4
H, s)、5.12 (1H, d, J=3.8Hz) 、5.77 (1H, dd, J=9.3
、3.8)、6.76 (1H, s)、6.91 (1H, s)、7.10〜7.60 (2
5H, m)
【0053】(ロ) 前項(イ)の生成化合物133mg
、2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−
3−メルカプト−5−オキソ−1,2,4−トリアジン
・ナトリウム塩34mg、沃化ナトリウム28mgをDMF
1mlに溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エ
チル6mlで希釈し、酸性水(pH3.0)、水で洗浄し、
乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール(1
0:1))で精製すると、7β−[(Z)−2−(2−
トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2−(メトキ
シイミノ)アセトアミド]−3−(2,5−ジヒドロ−
6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4
−トリアジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1
−デチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメ
チルエステルの120mg(79%)を得た。
【0054】(ハ) 前項(ロ)の生成化合物120mg
を氷冷下トリフルオロ酢酸1.5mlとアニソール0.2
mlとの混液に加え、同温度で30分間攪拌後イソプロピ
ルエーテル(IPE)6mlを加え、生成する沈殿を濾取
した。この沈殿物72mg、重曹30mgを水2mlに溶解
し、ダイヤイオンHP−20のカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:水)で精製すると、目的の表題化合物と
して(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセ
トアミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−
3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−
セフエム−4−カルボン酸ジナトリウム塩を得た。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1660、1
600 NMR(D2O)、δ(ppm) : 3.60 (3H, s) 、3.95 (3H,
s)、4.04、4.33 (2H,d, J=14Hz)、4.54 (2H, s)、5.25
(1H, d, J=3.6Hz) 、5.56 (1H, d, J=3.6Hz)、6.96 (1
H, s)
【0055】実施例4 (6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(エトキシイミノ)アセトア
ミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2
−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−
イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフ
エム−4−カルボン酸(化合物No. 4)ジナトリウム塩
の製造 実施例3(3)の(イ)項で用いた(Z)−2−(2−ト
リチルアミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノ酢酸の代りに(Z)−2−(2−トリチルアミノチ
アゾール−4−イル)−2−エトキシイミノ酢酸を用い
て同様に反応を行なうと、目的とする表題化合物のジナ
トリウム塩を得た。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1670、1
600 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.33 (3H, t, J=7.0Hz)、3.
69 (3H, s)、4.14、4.40 (2H, ABq, J=12.0Hz)、4.30
(2H, q, J=7.0Hz) 、4.63 (2H, s)、5.34 (1H,d, J=3.7
Hz) 、5.64 (1H, d, J=3.7Hz) 、7.05 (1H, s)
【0056】実施例5 (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1
−ピペラジンカルボキサミド)アセトアミド]−(2
S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリア
ジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア
−3−セフエム−4−カルボン酸(化合物No. 5)ジナ
トリウム塩の製造
【0057】(1) 7β−アミノ−2β−メチル−3−ク
ロルメチル−1−オキサデチア−3−セフエム−4−カ
ルボン酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩227mgと、
DL−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペ
ラジンカルボキサミド)−2−(トリチルアミノチアゾ
ール−4−イル)酢酸カリウム塩341mgを塩化メチレ
ン6mlに溶解し、−20℃でピリジン160μl 、オキ
シ塩化リン65μl を加え同温度で30分間、さらに氷
冷下で30分間攪拌した。反応液を酸性水(pH3.
0)、飽和重曹水、水で順次洗浄し、MgSO4 で乾燥後濃
縮した。得られたジアステレオマー、Rf =0.43の
化合物とRf =0.26の化合物(シリカゲルのクロマ
トグラフィー上酢酸エチルで展開)をシリカゲルのカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エチ
ル(1:2))で分離、精製すると、次式
【化34】 で示される7β−[2−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−2−(2−トリ
チルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−2
β−メチル−3−クロルメチル−1−オキサ−1−デチ
ア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエ
ステルを、それぞれ172mg(Rf =0.43の化合
物)、149mg(Rf =0.26の化合物)を得た。Rf =0.43の化合物 : NMR(CDCl2)、δ(ppm) : 1.22 (3H, t, J=7.3Hz)、
1.26 (3H, d, J=5.9Hz) 、3.47〜4.20 (4H, m)、4.04、
5.11 (2H, ABq, J=12.4Hz)、4.11 (2H, q, J=7.3Hz) 、
4.65 (1H, q, J=5.9Hz) 、5.07 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.
55 (1H, d, J=7.3Hz) 、5.71 (1H, dd, J=3.7 、9.5H
z)、6.26 (1H, s)、6.58 (1H, s)、6.88 (1H, s)、7.20
〜7.60 (25H, m) 、7.85 (1H, d, J=9.5Hz) 、9.75 (1
H, d, J=7.4Hz)Rf =0.26の化合物 : NMR(CDCl2)、δ(ppm) : 1.21 (3H, t, J=7.1Hz)、
1.39 (3H, d, J=6.6Hz) 、3.50〜4.18 (4H, m)、4.04、
5.16 (2H, ABq, J=12.4Hz)、4.11 (2H, q, J=7.1Hz) 、
4.73 (1H, q, J=6.6Hz) 、4.75 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.
50 (1H, d, J=6.9Hz) 、5.64 (1H, dd, J=4.0 、9.1H
z)、6.29 (1H, s)、6.58 (1H, s)、6.87 (1H, s)、7.20
〜7.50 (25H, m) 、7.57 (1H, d, J=9.1Hz) 、9.77
(1H, d, J=6.9Hz)
【0058】(2) 以下、上記化合物(Rf =0.4
3)について記述するが、他の化合物(Rf =0.2
6)も同様に処理する。この化合物(Rf =0.43)
113mgと2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メ
チル−3−メルカプト−5−オキソ−1,2,4−トリ
アジン・ナトリウム塩23mgとNaI 17mgとDMF0.
5mlに溶解し、室温で2時間攪拌した。反応液を酢酸エ
チル4mlで希釈し、酸性水(pH3.0)、次に水で洗浄
し、MgSO4 で乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メ
タノール(20:1))で精製すると、7β−[2−
(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカル
ボキサミド)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−
4−イル)アセトアミド]−2β−メチル−3−(2,
5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキ
ソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメチル−
1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カルボン
酸ジフェニルメチルエステルの115mgを得た。
【0059】(3) 前項(2)の生成化合物115mgをトリ
フルオロ酢酸1.2mlとアニソール0.2mlとの混液に
氷冷下加え、同温度で30分間攪拌後、IPEを加え、
生成する沈殿を濾取した。この沈殿と重曹35mgを水1
mlに溶解し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:水)で精製すると目的の表題化合物(化合
物No. 5)のジナトリウム塩を得た。このものは下記の
物性を示した。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1710、1
675、1610 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.18 (3H, t, J=7.4Hz)、1.
35 (3H, d, J=6.6Hz)、3.30〜4.10 (4H, m)、3.50 (2H,
q, J=7.4Hz) 、3.61 (3H, s)、3.94、4.43 (2H, ABq,
J=13.3Hz)、5.12 (1H, d, J=4.6Hz) 、5.42 (1H, s)、
5.43 (1H, d, J=4.6Hz) 、6.76 (1H, s)、 他方、前記の化合物(Rf =0.43)と同様にして、
Rf =0.26の異性体から得た(6R,7R)−7−
[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(4
−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキ
サミド)アセトアミド]−(2S)−2−メチル−3−
(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメ
チル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カ
ルボン酸(化合物No. 5)ジナトリウム塩は下記の物性
を示した。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1763、1710、1
678、1610 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.18 (3H, t, J=7.3Hz)、1.
42 (3H, d, J=6.6Hz)、3.30〜4.10 (4H, m)、3.50 (2H,
q, J=7.3Hz) 、3.62 (3H, s)、3.94、4.44 (2H, ABq,
J=13.9Hz)、5.17 (1H, d, J=3.6Hz) 、5.37 (1H, d, J=
3.6Hz) 、5.43(1H, s)、6.74 (1H, s)
【0060】実施例6 (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(ホルムアミド)アセトアミド]−
(2S)−2−メチル−3−(2,5−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−ト
リアジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デ
チア−3−セフエム−4−カルボン酸(化合物No. 6)
ジナトリウム塩の製造
【0061】(1) 7β−アミノ−2β−メチル−3−ク
ロルメチル−1−オキサデチア−3−セフエム−4−カ
ルボン酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩130mgとD
L−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)
−2−ホルムアミド酢酸ナトリウム塩136mgを塩化メ
チレン10mlに溶解し、−20℃でピリジン105μl
、オキシ塩化リン35μl を加え、同温度で30分
間、さらに氷冷下で30分間攪拌した。反応液を酸性水
(pH3.0)、飽和重曹水、水で順次洗浄し、MgSO4
乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エチル(1:
1))で精製すると、7β−[DL−2−[2−トリチ
ルアミノチアゾール−4−イル)−2−(ホルムアミ
ド)アセトアミド]−2,3−メチル−3−クロルメチ
ル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カル
ボン酸ジフェニルメチルエステルの160mgを得た。 IR(CHCl3)、νmax (cm-1) :1776、1725、
1660 NMR(CDCl3)、δ(ppm) : 1.27 、1.38 (3H, d)、4.
05、5.13 (2H, ABq)、4.66、4.73 (1H, q)、4.95、5.07
(1H, d)、5.50、5.55 (1H, d)、5.64、5.71 (1H, dd)
、6.29 (1H, s)、6.58 (1H, s)、6.88 (1H, s)、7.20
〜7.60 (25H, m)、8.34 (1H, s)、9.77 (1H, d)
【0062】(2) 前項(1)の生成化合物160mgと2,
5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−メル
カプト−5−オキソ−1,2,4−トリアジン・ナトリ
ウム塩41mgと沃化ナトリウム34mgとをDMF1mlに
溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル1
0mlで希釈し、酸性水(pH3.0)、次に水で洗浄し、
MgSO4 で乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノ
ール(10:1))で精製すると、7β−[DL−2−
[2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2−
(ホルムアミド)アセトアミド]−2β−メチル−3−
(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメ
チル−1−オキサデチア−3−セフエム−4−カルボン
酸ジフェニルメチルエステルの150mgを得た。
【0063】(3) 前項(2)の生成化合物150mgを氷冷
下にトリフルオロ酢酸2ml、アニソール0.2mlの混液
に加え、同温度で30分間攪拌後IPE10mlを加え、
生成する沈殿を濾取した。この沈殿物100mg及び重曹
50mgを水1mlに溶解し、ダイヤイオンHP−20のカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:水)で精製する
と、目的とする表題化合物(化合物No. 6)のジナトリ
ウム塩の55mgを得た。 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.39 、1.45 (3H, d)、3.61
(3H, s)、3.81、4.42(2H, ABq)、5.12、5.16 (1H,
d)、5.37、5.43 (1H, d)、5.42、5.43 (1H, s)、6.76
(1H, s)、8.18 (1H, s)
【0064】実施例7 (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1
−ピペラジンカルボキサアミド)アセトアミド]−3−
(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−5
−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオメ
チル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−カ
ルボン酸(化合物No. 7)ジナトリウム塩の製造
【0065】(1) 7β−アミノ−3−クロルメチル−1
−オキサデチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェ
ニルメチルエステル塩酸塩350mgとDL−2−(4−
エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサ
ミド)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イ
ル)酢酸カリウム塩560mgを塩化メチレン20mlに溶
解し、−20℃でピリジン260μl 、オキシ塩化リン
85μl を加え、同温度で30分間さらに氷冷下に30
分間攪拌した。反応液を酸性水(pH3.0)、飽和重曹
水、水で順次洗浄し、MgSO4 で乾燥後濃縮した。得られ
るジアテレオマー、Rf =0.46の化合物、Rf =
0.24の化合物(シリカゲルのクロマトグラフィー上
酢酸エチルで展開)をシリカゲルのカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エチル(1:1))
で分離、精製すると、7β−[2−(4−エチル−2,
3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−2−
(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトア
ミド]−3−クロルメチル−1−オキサデチア−3−セ
フエム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルをそ
れぞれ180mg(Rf =0.46の化合物)、200mg
(Rf=0.24の化合物)を得た。Rf =0.46の化合物 NMR(CDCl2)、δ(ppm) : 3.40 〜4.30 (4H, m)、4.
35、4.23 (2H, ABq, J=18Hz)、4.48、4.37 (2H, ABq, J
=15Hz)、5.04 (1H, d, J=40Hz)、5.59 (1H, d,J=10H
z)、5.75 (1H, dd, J=4.10Hz) 、6.23 (1H, s)、6.68
(1H, s)、6.90 (1H, s)、7.10〜7.60 (25H, m)Rf =0.24の化合物 NMR(CDCl2)、δ(ppm) : 3.40 〜4.30 (4H, m)、4.
47 (2H, s)、4.59、4.40 (2H, ABq, J=12Hz)、5.66 (1
H, d, J=4Hz) 、5.52 (1H, d, J=9Hz) 、5.67 (1H, dd,
J=4 、9Hz)、6.28 (1H, s)、6.68 (1H, s)、6.89 (1H,
s)、7.10〜7.60(25H, m)
【0066】(2) 以下、上記化合物(Rf =0.46)
について記述するが他の化合物(Rf =0.24)も同
様に処理した。この化合物(Rf =0.46)125mg
と2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−3
−メルカプト−5−オキソ−1,2,4−トリアジン・
ナトリウム塩25mgとNaI 21mgとDMF1mlに溶解
し、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル6mlで
希釈し、酸性水(pH3.0)、水で洗浄し、MgSO4で乾
燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール(1
0:1))で精製すると、7β−[2−(4−エチル−
2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−
3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デチア−3−
セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルの
120mgを得た。
【0067】(3) 前項(2)の生成化合物120mgをトリ
フルオロ酢酸1.2mlとアニソール0.2mlとの混液に
氷冷下加え、同温度で30分間攪拌後、IPEを加え、
生成する沈殿を濾取した。この沈殿物と重曹32mgとを
水2mlに溶解し、ダイヤイオンHP−20のカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:水)で精製すると、目的と
する表題化合物(化合物No. 7)のジナトリウム塩50
mgを得た。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1762、1710、1
673、1600 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.18 (3H, t, J=7.4Hz)、3.
50 (2H, q, J=7.4Hz)、3.40〜4.10 (4H, m)、3.59 (3H,
s)、4.04、4.28 (2H, ABq, J=14.5Hz)、4.43(2H, s)、
5.12 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.43 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.
45 (1H, s)、6.68 (1H, s) 他方化合物(Rf =0.24)より同様に得られる表題
化合物( 化合物No. 7)のジナトリウム塩は下記の物性
を示した。 IR(KBr)、νmax (cm-1) :1765、1710、1
677、1610 NMR(D2O)、δ(ppm) : 1.18 (3H, t, J=7.4Hz)、3.
48 (2H, q, J=7.4Hz)、3.40〜4.10 (4H, m)、3.59 (3H,
s)、4.07、4.29 (2H, ABq, J=14.3Hz)、4.47(2H, s)、
5.18 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.43 (1H, d, J=4.0Hz) 、5.
45 (1H, s)、6.68 (1H, s)
【0068】実施例8 (6R,7R)−7−[2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(ホルムアミド)アセトアミド]−3
−(2,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−
5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イル)チオ
メチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエム−4−
カルボン酸(化合物No. 8)ジナトリウム塩の製造
【0069】(1) 7β−アミノ−3−クロルメチル−1
−オキサデチア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェ
ニルメチルエステル塩酸塩174mgとDL−2−(2−
トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2−ホルムア
ミド酢酸ナトリウム塩279mgを塩化メチレン10mlに
溶解し、−20℃でピリジン130μl 、オキシ塩化リ
ン47μl を加えて同温度で30分間、さらに氷冷下で
30分間攪拌した。反応液を酸性水(pH3.0)、飽和
重曹水、水で順次洗浄し、MgSO4 で乾燥後濃縮した。残
留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:トルエン−酢酸エチル(1:1))で精製すると、
7β−[DL−2−(2−トリチルアミノチアゾール−
4−イル)−2−(ホルムアミド)アセトアミド]−3
−クロルメチル−1−オキサ−1−デチア−3−セフエ
ム−4−カルボン酸ジフェニルメチルエステルの235
mgを得た。 NMR(CDCl2)、δ(ppm) : 4.30 、4.61、4.32、4.60
(2H, ABq)、4.30、4.43 (2H, s)、5.00、5.05 (1H,
d)、5.50、5.52 (1H, d)、5.55、5.66 (1H, dd)、6.2
0、6.22 (1H, s)、6.60、6.64 (1H, s)、6.89、6.96 (1
H, s)、7.10〜7.70(25H, m) 、8.20、8.24 (1H, s)
【0070】(2) 前項(1)の生成化合物190mgと2,
5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−メル
カプト−5−オキソ−1,2,4−トリアジン・ナトリ
ウム塩50mgとNaI 42mgとをDMF1mlに溶解し、室
温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル7mlで希釈
し、酸性水(pH3.0)、次に水で洗浄し、MgSO4 で乾
燥後濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール(1
0:1))で精製すると、7β−[DL−2−(2−ト
リチルアミノチアゾール−4−イル)−2−(ホルムア
ミド)アセトアミド]−3−(2,5−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−1,2,4−ト
リアジン−3−イル)チオメチル−1−オキサ−1−デ
チア−3−セフエム−4−カルボン酸ジフェニルメチル
エステルの176mgを得た。
【0071】(3) 前項(2)の生成化合物176mgを氷冷
下でトリフロル酢酸2mlとアニソール0.2mlとの混液
に加え、同温度で30分間攪拌後、IPE10mlを加
え、生成する沈殿を濾取した。この沈殿物105mgと重
曹54mgとを水1mlに溶解し、ダイヤイオンHP−20
のカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:水)で精製す
ると、目的とする表題化合物(化合物No. 8)のジナト
リウム塩62mgを得た。 NMR(D2O)、δ(ppm) : 3.60 (3H, s) 、3.96、4.25
(2H, ABq)、4.43、4.48 (2H, s)、5.10 (1H, d)、5.45
(1H, s)、5.38、5.56 (1H, d)、6.64 (1H, s)、8.1
3 (1H, s)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴原 聖至 東京都町田市つくし野3−18−30 (72)発明者 小此木 恒夫 神奈川県横浜市緑区すすき野2丁目5−11 −402 (72)発明者 村井 安 神奈川県横須賀市二葉2−37−19 (72)発明者 深津 俊三 東京都新宿区市ヶ谷田町1−13 (72)発明者 仁井田 太郎 神奈川県横浜市旭区中希望が丘127 (72)発明者 若澤 正 神奈川県横浜市金沢区釜利谷町2602−53 (72)発明者 バートン ジー.クリステンセン アメリカ合衆国.07010 ニュージャーシ ィ.クリフサイド.アンダーソン アヴェ ニュー 770.アパートメント 19エッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 〔式中、Ra が水素原子でRb がメチル基であるか、又
    はRa がメチル基でRb が水素原子であり、Xは塩素、
    臭素又はヨウ素原子であり、R7 は水素原子又はカルボ
    キシル基の保護基である〕で示される1−オキサ−1−
    デチアセフエム化合物。
JP5007084A 1984-12-28 1993-01-20 新規な1−オキサ−1−デチアセフエム化合物 Expired - Lifetime JPH0739421B2 (ja)

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