JPH0687849A - 1,3−ジオキソールの製造方法 - Google Patents
1,3−ジオキソールの製造方法Info
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Abstract
ゲン化による1,3−ジオキソールの製造方法。 【構成】(1)たとえば式C(OF)2X5X6のビス
(フルオロオキシ)ペルフルオロアルカンと、式CX1
X2=CX3X4(但しX2とX4とは実質的にトラン
ス位置にある)のハロゲン化オレフィンとを反応させて
式(II)のジオキソランを製し、(2)次いで該ジオキ
ソランと脱ハロゲン剤(特に、Zn,Mg,Hg,等の
金属)とを+30℃〜+130℃で反応させることによ
る、式(I)の1,3−ジオキソールの製造方法。 〔式中、X1,X3はFまたはH;X2,X4はClま
たはBr;X5,X6はFまたはCF3である〕 【効果】式(II)の化合物において、抜き取られる二つ
のハロゲン原子(即ち、X2とX4)がアンチ位置にあ
る場合に、脱ハロゲン反応は高収率で進行する。
Description
ソランの脱ハロゲン化による1,3−ジオキソールの製
造方法に関する。
るものであって、FまたはHであり、X5 およびX
6 は、同一であるか、または異なるものであって、Fま
たはCF3である)のフッ素化1,3−ジオキソールの
製造方法に関する。
して使用するためのフルオロジオキソールの需要は増大
しており、その製造方法の確立が重要になってきてい
る。マグネシウムまたは亜鉛の様な金属の存在下での
4,5−ジハロ−1,3−ジオキソランの脱ハロゲン化
によりジオキソールを製造する方法が公知である。
3,978,030号は、マグネシウムの存在下、有機
溶剤中で、58モル%の収率でフッ素化ジオキソランを
脱ハロゲン化する方法を開示している。さらに、ペルフ
ルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールを臭
素で処理して調製したペルフルオロ−2,2−ジメチル
−4,5−ジブロモ−1,3−ジオキソランを金属亜鉛
で脱臭素化し、原料ジオキソールを18モル%の収率で
得る反応を記載している。この方法の収率は、低いこと
に加えて、ほとんど再現性がない。
ネシウム、金属水銀または水銀塩、ヨウ素およびテトラ
ヒドロフランによる、改良された脱塩素化方法を記載し
ており、この方法によって収率の再現性は改善されてい
る。しかし、この方法の欠点は、金属同士のモル比が僅
かに変わってもジオキソールの収率が著しく低下するの
で、そのモル比を正確に規定しなければならない点であ
る。
は、テトラヒドロフラン中、LiAlH4 およびTiC
l3 またはTiCl4 の存在下で1,3−ジオキソラン
を脱塩素化する方法を開示している。しかし、使用され
る方法が極めて複雑で、脱ハロゲン化剤同士のモル比、
および脱ハロゲン化剤の出発ジオキソランに対するモル
比が限定された範囲内になければならない。
ハロジオキソランの脱ハロゲン化により、高収率、高再
現性で1,3−ジオキソールを製造できる、容易な工業
的製法を提供する必要のあることが分る。これまでの努
力はすべて本質的に脱ハロゲン化剤の改良に向けられて
いる。
られる二つのハロゲン原子がアンチ位置にある場合、使
用する脱ハロゲン化剤に関係なく、4,5−ジハロジオ
キソランの脱ハロゲン化反応は高収率を示すことを発見
した。
るものであって、FまたはHであり、X5 およびX
6 は、同一であるか、または異なるものであって、Fま
たはCF3である)のジオキソールの製造方法であっ
て、 a)式 (式中、X2 およびX4 は、同一であるか、または異な
るものであって、ClまたはBrであり、X1 、X3 、
X5 およびX6 は上記と同じ意味を有する)のジオキソ
ランを、ハロゲンX2 およびX4 が実質的にトランス位
置にある試薬から出発するか、あるいは得られるジオキ
ソラン中のアンチ/シン異性体比が出発試薬のトランス
/シス異性体比よりも高くなる様な方法により製造し、 b)該ジオキソランをすくなくとも一種の脱ハロゲン化
剤と反応させ、 c)続いて工程b)の反応生成物からジオキソール
(I)を分離する、ことを特徴とする製造方法を提供す
ることである。
好ましくは+50℃〜+100℃の温度で行う。
ソラン(II)の製造を、本出願人によるヨーロッパ特許出
願第460,948号に記載する方法により行うと、該
ジオキソランが、出発試薬のトランス/シス比よりも高
いアンチ/シン異性体比を示すことが分かった。
式C(OF)2 X5 X6 のビス(フルオロオキシ)ペル
フルオロアルカンと、式CX1 X2 =CX3 X4 (式
中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 およびX6 は上記の
意味を有する)のハロゲン化オレフィンとの反応により
得られる。
0℃、好ましくは−100℃〜+30℃の範囲内であ
る。上記反応の特徴はすべて上記ヨーロッパ特許出願第
460,948号に含まれており、その内容は本明細書
中に包含される。この製法を使用することにより、ジオ
キソラン中のアンチ異性体の比率は通常少なくとも60
%、より一般的には少なくとも80%になる。
中のトランス異性体とシス異性体の比は少なくとも1:
1である。
X5 およびX6 は好ましくはFである。特に好ましいの
は4,5−ジクロロ−テトラフルオロ−1,3−ジオキ
ソランおよび4,5−ジブロモ−テトラフルオロ−1,
3−ジオキソランである。上記の好ましいジオキソラン
から出発すると、得られる生成物はペルフルオロ−1,
3−ジオキソールである。
ハロゲン化剤/ジオキソランのモル比は、比較的広い範
囲内で変えることができるが、通常は1より高く、好ま
しくは1.5〜3.0の範囲内である。脱ハロゲン化剤
は、当該技術分野で通常使用する脱ハロゲン化剤から選
択するが、好ましくはZn、Mg、Hg、Cu、Fe、
Snからなるグループから選択された金属である。特に
好ましいのは亜鉛である。
ンを、反応温度に維持した、脱ハロゲン化剤、並びに所
望により使用する溶剤、および好ましくは少量のヨウ化
ナトリウムまたはヨウ化カリウム、および炭酸ナトリウ
ムまたは炭酸カリウム(通常、脱ハロゲン化剤に対して
約1重量%まで)を含む反応容器に供給する。
沸点より低い温度に維持したトラップに集める。この操
作を行い易くするために、好ましくは気体窒素流を反応
容器に供給する。
下で不活性であり、好ましくは、アミド(ジメチルホル
ムアミドの様な)、エーテル(ジオキサンの様な)およ
びスルホキシド(ジメチルスルホキシドの様な)から選
択する。
かし、減圧および1気圧より高い圧力を使用することも
可能である。反応時間は重要なパラメータではなく、通
常、反応は数分で終了する。
ロッパ特許出願第80,187号および米国特許第4,
535,175号および3,978,030号に記載さ
れている様に、共重合体および単独重合体の製造にモノ
マーとして使用できる。上記の重合体は、例えば耐腐食
性塗装材料または光ファイバー用のシースとして使用で
きる。以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、無論、それによって本発明の範囲を制限するもの
ではない。
ランの製造 攪拌機、還流冷却器、熱電対および気体導入のための内
部浸漬パイプを備え、−78℃の温度に維持した100
ml容積の5つ口ガラス製反応容器に、10gの1,2−
ジクロロペルフルオロ−エチレン(50%シスおよび5
0%トランスの混合物)および75mlのジクロロジフル
オロメタンを導入し、反応容器を−65℃の温度に維持
した。その様に装填し、−65℃の温度に維持した反応
容器に、0.851リットルのビス(フルオロオキシ)
ジフルオロメタン(BDM)を、0.4 l/hの流量で、
N2 (0.5 l/h)で希釈して供給した。溶剤の大部分
を除去した後、反応粗生成物から反応生成物を、トレー
カラム中で、大気圧で分留により分離した。純度99.
2%で7.25gの4,5−ジクロロ−テトラフルオロ
−1,3−ジオキソランからなる、沸点47℃の画分が
得られ、不純物は1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタンであった。分離したジオキソラン
は、シン異性体(20%)およびアンチ異性体(80
%)の混合物であった。反応副生成物1,2−ジクロロ
テトラフルオロエタンがジオキソランに対して等モル量
で生成し、3〜4℃の沸点を有する蒸留画分中に主とし
て集められた。蒸留カラムは800mgのCF2 ClCF
ClCFClCF2 Clを含んでいた。得られたジオキ
ソランのモル数と使用したBDMのモル数の比として定
義されるジオキソランの収率は88%であった。
ランの製造 磁気攪拌機、還流冷却器、熱電対、内部浸漬パイプを備
え、−80℃に冷却した浴に浸漬した50ml容積の複数
の口を有するガラス製反応容器に、35.3gの1,2
−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(50%シス
および50%トランスの混合物)を導入した後、0.6
lのビス(フルオロオキシ)ジフルオロメタンを、0.
4 l/hの流量で、N2 (0.5 l/h)で希釈して供給し
た。反応粗生成物を、スパルトロアー−フィッシャート
レーカラム中で、大気圧で蒸留することにより、生成物
として、2.3gのCF2 Cl−CF2 Cl、28.3
gのCFCl=CFCl、4.5gの4,5−ジクロロ
−テトラフルオロ−1,3−ジオキソランおよび2.1
gのCF2 Cl(CFCl)2 CF2 Clを得た。分離
したジオキソランは、シン異性体(20%)およびアン
チ異性体(80%)の混合物であった。実施例1と同様
に計算したジオキソランの収率は78%であった。
ランの製造 磁気攪拌機、還流冷却器、熱電対、内部浸漬パイプを備
え、−80℃に冷却した浴に浸漬した100ml容積の複
数の口を有するガラス製反応容器に、75mlのCF2 C
l2 および10gの1,2−ジブロモ−1,2−ジフル
オロエチレン(22%シスおよび78%トランスの混合
物)を導入した。その様に装填し、−80℃の温度に維
持した反応容器に、0.5lのビス(フルオロオキシ)
ジフルオロメタンを、N2 (0.5 l/h)で希釈し、
0.4 l/hの流量で供給した。反応が終了し、溶剤を留
去した後、CF2 Br2 (3.8%)、CF2 BrCF
2 Br(37.8%)、4,5−ジブロモ−テトラフル
オロ−1,3−ジオキソラン(49.4%)およびCF
Br2 CF2 Br(8.8%)からなる混合物12.2
gが回収されたが、該混合物は、ガスクロマトグラフィ
ーによりカラムsp.1000中で、50℃から200
℃までの温度勾配(10℃/min.)で分析した。かかる混
合物から、スパルトロアー−フィッシャートレーカラム
中で、大気圧で蒸留することにより、沸点69〜72℃
のジオキソラン5.4gが回収された。このジオキソラ
ンは、シン異性体(10%)およびアンチ異性体(90
%)の混合物であった。実施例1と同様に計算したジオ
キソランの収率は79.6%であった。
ランの脱ハロゲン化 窒素雰囲気中で、温度計、滴下漏斗、蒸留カラムおよび
磁気攪拌機を備えた50mlフラスコ中に、Zn(4.4
g)、KI(180 mg)、K2 CO3 (300mg)およ
びジメチルホルムアミド(DMF)(7 ml)を導入し
た。次いで、この混合物を60℃にした後、その中に、
非常にゆっくり(1時間)、2.5mlのDMFに溶解し
た2.75gの4,5−ジクロロ−テトラフルオロ−
1,3−ジオキソラン(実施例1に記載する方法により
合成)を滴下した。滴下の間に、混合物を100℃に加
熱し、形成されるペルフルオロ−1,3−ジオキソール
を蒸留により除去した。採集フラスコ中に、1.76g
の蒸留物が凝縮したが、これはガスクロマトグラフィー
(カラムsp.1000、50℃〜180℃、10℃/m
in.)により、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール(8
2.2%)、4−クロロ−2,2,4,5−テトラフル
オロ−1,3−ジオキソラン(3%)および4,5−ジ
クロロ−2,2,4,5−テトラフルオロ−1,3−ジ
オキソラン(15%)と分析された。次いで、この混合
物を通常の真空ライン中で、それぞれ−80℃、−13
0℃、−150℃および−196℃に冷却したトラップ
を通して蒸留した。1.370gのペルフルオロ−1,
3−ジオキソールが−150℃に冷却したトラップに採
集された。分離されたペルフルオロ−1,3−ジオキソ
ールの収率は、出発ジオキソランに対して82%であっ
た。
−1,3−ジオキソラン(2.3g)の異性体混合物を
アンチ異性体86.3%およびシン異性体13.7%で
構成した以外は、前の実施例を同じ条件で、試薬間の同
じ比率を使用して繰り返した。反応中に採集された混合
物から、実施例1と同様続く蒸留により、1.250g
のペルフルオロ−1,3−ジオキソールおよび110mg
の未反応4,5−ジクロロ−2,2,4,5−テトラフ
ルオロ−1,3−ジオキソランが回収された。ペルフル
オロ−1,3−ジオキソールの収率は、実施例1と同様
に計算して85%であった。
4,5−ジクロロ−2,2,4,5,−テトラフルオロ
−1,3−ジオキソランの異性体混合物2gを使用し、
前の実施例を繰り返した。842mgのペルフルオロ−
1,3−ジオキソールおよび150mgの未反応4,5−
ジクロロ−2,2,4,5−テトラフルオロ−1,3−
ジオキソランが反応から回収された。ペルフルオロ−
1,3−ジオキソールの収率は、前の実施例と同様に計
算して68%であった。
Claims (10)
- 【請求項1】式 (式中、X1 およびX3 は、同一であるか、または異な
るものであって、FまたはHであり、X5 およびX
6 は、同一であるか、または異なるものであって、Fま
たはCF3である)のジオキソールの製造方法であっ
て、 a)式 (式中、X2 およびX4 は、同一であるか、または異な
るものであって、ClまたはBrであり、X1 、X3 、
X5 およびX6 は上記と同じ意味を有する)のジオキソ
ランを、ハロゲンX2 およびX4 が実質的にトランス位
置にある試薬から出発するか、あるいは得られるジオキ
ソラン中のアンチ/シン異性体比が出発試薬のトランス
/シス異性体比よりも高くなる様な方法により製造し、 b)前記ジオキソランをすくなくとも一種の脱ハロゲン
化剤と、+30℃〜+130℃の温度で反応させ、 c)工程b)の反応生成物からジオキソール(I)を分
離する、ことを特徴とする方法。 - 【請求項2】ジオキソラン(II)が、式C(OF)2 X5
X6 のビス(フルオロオキシ)ペルフルオロアルカン
と、式CX1 X2 =CX3 X4 (式中、X1 、X2 、X
3 、X4 、X5 およびX6 は上記の意味を有する)のハ
ロゲン化オレフィンとの、−140℃〜+60℃の温度
における反応により得られることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】ジオキソランとすくなくとも一種の脱ハロ
ゲン化剤との反応が+50℃〜+100℃の範囲の温度
で行われることを特徴とする、請求項1または2に記載
の方法。 - 【請求項4】脱ハロゲン化剤が、Zn、Mg、Hg、C
u、FeおよびSnからなる群から選択された金属であ
ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項5】脱ハロゲン化剤が金属亜鉛であることを特
徴とする、請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】ジオキソランとすくなくとも一種の脱ハロ
ゲン化剤との反応が、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カ
リウム、および炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの存
在下で行われることを特徴とする、請求項1〜5のいず
れか1項に記載の方法。 - 【請求項7】ジオキソランとすくなくとも一種の脱ハロ
ゲン化剤との反応が、その反応条件下で不活性な溶剤中
で行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項8】溶剤が、アミド、エーテルおよびスルホキ
シドから選択されることを特徴とする、請求項7に記載
の方法。 - 【請求項9】X1 およびX3 がFであることを特徴とす
る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項10】X5 およびX6 がFであることを特徴と
する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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