JPH068783A - 自動車用エアバッグのガイドシュート - Google Patents

自動車用エアバッグのガイドシュート

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JPH068783A
JPH068783A JP5035619A JP3561993A JPH068783A JP H068783 A JPH068783 A JP H068783A JP 5035619 A JP5035619 A JP 5035619A JP 3561993 A JP3561993 A JP 3561993A JP H068783 A JPH068783 A JP H068783A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 助手席側エアバッグモジュールに輸送、保管
中に異物が侵入することを防止するとともに、エアバッ
グが適切に展開するようにガイドする手段を提供する。 【構成】 エアバッグキャニスター14上部に、折り畳
まれた状態ではキャニスターのカバー50を形成して外
部からの異物の侵入を防止するとともに、エアバッグ1
2の展開に際しては膨張するエアバッグに押されて折り
畳まれない状態に復帰してエアバッグをガイドするシュ
ート16を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、乗用自動車の
膨張式モジュール形乗員拘束装置、またはエアバッグ拘
束装置としてより広く知られている装置に関する。上記
の装置は、衝突時に運転者を保護するために少なくとも
ステアリングホイールの一部として、また乗客を保護す
るためダッシュボードまたは計器パネルの一部として自
動車または他の車両に装備される。更に詳細には、本発
明はクッションの最初の展開を所定の経路に沿って導く
手段の改良構造に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ拘束装置は通常、インフレー
タと少なくともエアバッグの一部を収容する、一端が開
放されたキャニスタと、モジュールを視界から隠すカバ
ーとを備えている。エアバッグモジュールが車両の助手
席側用に設計される場合には、エアバッグの収容容器は
車両のダッシュボード、化粧板、助手席側計器パネル
(以下「ダッシュボード」という)の背後に配置され、
前記カバーは車両のダッシュボードの一部を形成するよ
うにしても良い。また、構造上や美観上の配慮から、上
記の代わりに助手席用エアバッグは前記収容容器の開口
のエッジがダッシュボードの背後数センチメータ程度の
位置に来るように取り付けてもよい。
【0003】車両が衝突事故にあったとき衝突信号がイ
ンフレータを作動させ、エアバッグを展開させる。上記
インフレータは不活性ガス(例えば窒素)を発生し、こ
の不活性ガスは圧力を持ってエアバッグ内に導かれてエ
アバッグをモジュールに設けた収容容器から外に出して
車両の客室内に展開させる。エアバッグが前記収容容器
の外に押し出されるときにダッシュボードは、加わる圧
力によりその所定の部分が破裂用継ぎ目、または破断用
継ぎ目(以下「破断用継ぎ目」という)に沿って割れ、
エアバッグが客室内に導入されるようにする。
【0004】エアバッグは、客室内に導入されるとイン
フレータが引き続き発生するガス流により膨張する。従
って、展開中にエアバッグがダッシュボードの破断した
継ぎ目やダッシュボード背後の支持構造の鋭い角等によ
って裂けたり破裂したりしないように考慮を払う必要が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】計器パネルやダッシュ
ボードの背後に少し距離をあけて取り付けられた助手席
用エアバッグでは展開の際、エアバッグはダッシュボー
ドの破断継ぎ目を破るのに十分な圧力が生じるまで膨張
することになる。従って、もし十分な圧力が生じなかっ
たり、もっと抵抗の少ない経路があったような場合、エ
アバッグは適切に展開しない。
【0006】また、エアバッグが膨張する、もっと抵抗
の少ない経路がダッシュボード背後にあった場合、エア
バッグはその抵抗の少ない経路に沿って膨張を続け、ダ
ッシュボードの背後で完全に膨張してしまうため、エア
バッグが車両乗員保護のために使用できなくなる。ま
た、エアバッグが他の開口部、例えばダッシュボードの
下部に達するまで膨張を続け、この部分から客室の床に
向けて膨張するようになる可能性もある。エアバッグが
上記のような展開をすると車両乗員の胴部と上半身の十
分な保護が得られないことになる。
【0007】さらに、エアバッグが膨張を続け、ダッシ
ュボードを背後から押圧してダッシュボードを所定の破
断点以外の場所で破断させる可能性もある。この場合、
エアバッグはダッシュボードを乗員に向けて運びながら
膨張することになり、乗員を負傷させる可能性がある。
助手席側のエアバッグの上記のような不適切な展開は、
エアバッグを乗員保護のために使用できなくするととも
に、乗員に更に負傷を負わせる可能性がある。
【0008】また、製造、輸送、保管等の間に金属の小
片、ナット、ボルト、留め具等のような異物がキャニス
タ内に落ち込む可能性もある。なお、ここでいう保管と
は、車両に装着する前のモジュールの倉庫等における保
管、または他の物体と衝突して展開する前の車両ダッシ
ュボード背後における保管を意味するものとする。エア
バッグの展開の際に、上記の異物が放出されることは車
両乗員の負傷を生じさせる恐れがある。
【0009】運転者保護用のエアバッグの展開をガイド
するための提案がなされている。例えば米国特許第4,
903,986号と第5,013,064号は、クッシ
ョンが運転者に向かう所定の正常な経路に沿って展開す
ることを妨げられた場合、それに変わって運転者に平行
な経路に沿って展開できるようにしたカバーと収容容器
を備えた装置を提案している。
【0010】上記問題に鑑み、本発明は輸送、保管等の
間エアバッグモジュールを保護する事を目的の一つとし
ている。更に、本発明は輸送、保管の際に異物がキャニ
スタ内に落ち込むことを防止することを目的の一つとし
ている。更に、本発明は助手席側のエアバッグを、展開
の際にダッシュボードの破断用継ぎ目を通るように導く
手段を提供することを目的の一つとしている。
【0011】更に、本発明はダッシュボード背後に距離
を置いて配置された助手席側エアバッグを、ダッシュボ
ードの背面と収容容器の縁との間のギャップを越えるよ
うに導くことを目的の一つとしている。更に、本発明は
ダッシュボード背後に距離を置いて配置された助手席側
エアバッグがダッシュボード背後で膨張することを防止
することを目的の一つとしている。
【0012】更に、本発明は展開中のエアバッグを、ダ
ッシュボードの破断面に生じた鋭い角部により裂かれた
り破裂させられたりすることから保護することを目的の
一つとしている。更に、本発明は展開中のエアバッグ
を、ダッシュボードの背後の支持構造の鋭い角部により
裂かれたり破裂させられたりすることから保護すること
を目的の一つとしている。
【0013】本発明の上述の目的及び、以下の説明から
明らかとなる他の目的は、助手席側エアバッグの輸送、
保管、衝突時の展開の際に用いられる新規なカバーとガ
イド手段とによって達成される。助手席側エアバッグは
展開に際して布製シュート若しくは筒状構造物(以下
「シュート」という)によりガイドされる。このシュー
トは、シュートが取り付けられるキャニスター開口また
はインフレータが発生するガスの入口開口に隣接したエ
アバッグの筒口に合致した形状とされている。輸送や車
両のダッシュボード背後に保管される際には、シュート
の側壁の上部はエアバッグを部分的に覆うようにモジュ
ールのキャニスター開口部の上に内側に折り畳まれて、
次いでシュートの前部壁と後部壁は内側に折り畳まれて
前記側壁を覆うようにされる。上記前部壁と後部壁の上
端は破断可能な留め具により係止して、内側に折り畳ま
れた壁面により形成されたカバーを確実にするようにし
てもよい。シュートの内側に折り畳まれた壁面により形
成されたカバーはエアバッグモジュール上に輸送や保管
の間に落ち込む恐れのある異物からエアバッグを遮断し
保護する。
【0014】展開に際してエアバッグは膨張する。これ
により、前部壁と後部壁の上端を合わせて係止する前記
破断可能な留め具を用いていた場合には、留め具は膨張
するエアバッグの力により破断し、シュート上部壁面は
折り畳まれていない状態に復帰してシュートを形成す
る。上記シュートはキャニスター開口とダッシュボード
背面との間をつなぎ、更にダッシュボードを僅かに越え
て延びるのに充分な長さとなっている。シュートに用い
られる布地とシュートを一体に保持する縫い目は展開す
るエアバッグの力を受けて裂けたり破断したりしないだ
けの充分な強度を持っている。この布製シュートは展開
するエアバッグをダッシュボード背面へとガイドする。
圧力が上昇するとエアバッグはダッシュボードの破断用
継ぎ目を破り、ダッシュボードを通り抜けて車両乗員に
向けて展開する。シュートの壁面はダッシュボードの開
口を通り抜けて、これによりエアバッグを開口近傍の鋭
い角部から保護する。
【0015】
【実施例】以下に添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。なお、添付の図面において同様な要素は同一の
参照符号を用いて示している。図1においてその全体を
10で示すのは、エアバッグクッション12のモジュー
ルキャニスター14からの展開をガイドするガイド装置
である。
【0016】モジュールキャニスター14は、その開口
部に取り付けられたシュート16を備えている。上記の
代わりに、シュート16はエアバッグクッション12を
膨張させるガスを受け入れるために設けられた入口部
(図7参照)近くでエアバッグに取り付けてもよい。シ
ュート16は間隔をあけた第一の対の柔軟な側壁20と
24(上から見た場合それぞれ左側側壁と右側側壁とな
る)と間隔をあけた第二の対の柔軟な側壁22と26
(上から見た場合それぞれ上部側壁と底部側壁となる)
とを備えている。キャニスター14は、図7に示す上部
開口32と底部開口34とをそれぞれ形成する一対の第
三の側壁28と一対の第四の側壁30とを備えている。
【0017】エアバッグインフレータ36はディフュー
ザ38と、キャニスター14の底部34に取着されたキ
ャップ40との間に保持されている。上記インフレータ
36に隣接して、インフレータ36に取り付けられた形
でエアバッグクッション12が設けられている。シュー
ト16は上述のようにキャニスター14またはエアバッ
グクッション12に取着され、前記第一の対の間隔をあ
けた柔軟な側壁20と24と前記第二の対の間隔をあけ
た柔軟な側壁22と26との上部それぞれ42と44と
は内側にそれぞれ互いにに向かって折り畳まれて上面パ
ネル50(図7参照)を形成している。上記第二の対の
柔軟な側壁22と26の上部それぞれ46と48とは図
3に示すような破断可能な留め具手段52を用いて互い
に係止するようにしてもよい。
【0018】前記第一の対の柔軟な側壁の上部42と4
4にはそれぞれ剛性手段それぞれ54と56とを取り付
けるようにしてもよい。また、前記第二の対の柔軟な側
壁の上部46と48にはそれぞれ剛性手段それぞれ58
と60とを取り付けるようにしてもよい。エアバッグク
ッション12が展開するとき、膨張するエアバッグクッ
ション12は折り畳まれたシュート16の上面パネル5
0を押圧して上述の留め具手段52が設けられている場
合はこれを破断させて前記第一の対の側壁20と24及
び第二の対の側壁22と26とを折り畳む前の状態に復
帰させ、これにより展開時のエアバッグクッション12
をガイドするシュートを形成する。
【0019】図3と図5に示すように、第一の対の側壁
20と24とはそれぞれ上部42と44、それぞれ底部
62(図5参照)と64、それぞれ上縁66と68、そ
れぞれ底縁70(図5参照)と72、それぞれ右と左の
側部縁(シュート外側から見て)74aと74b、76
aと76b、とを備えている。また、第二の対の側壁2
2と26とはそれぞれ上部46と48、それぞれ底部7
8(図5参照)と80、それぞれ上縁82と84、それ
ぞれ底縁86(図5参照)と88、それぞれ右と左の縁
(シュート外側から見て)90aと90b、92aと9
2b、とを備えている。
【0020】シュート16は膨張するエアバッグの力に
より破断しないように充分な強度を持ったものであれば
任意の適宜な柔軟な材料を用いて製作できる。シュート
の製作に使用される材質としては展開するエアバッグの
力による伸びが5.0パーセント以下、好ましくは2.
5パーセント以下であることが必要である。エアバッグ
の製作に使用する材料をシュートの製作に使用すること
も可能である。本発明に使用する適当な材質としては例
えば、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド繊維から作
られた織布がある。ニット生地は以下に説明するシュー
トの機能に許容できる以上の伸びを示すので使用すべき
ではない。
【0021】例えば、ポリエステル、ポリプロピレン等
の薄いポリマフィルム等のようなものも使用することが
できる。これらの薄いポリマフィルムは上述の繊維の一
つまたはそれ以上を用いて補強すべきである。天然繊維
や、細菌や黴による構造的劣化を受けやすい繊維は本発
明に使用すべきではない。更に、車両の内装に使用する
ことが認められていない材料は使用すべきではない。
【0022】ヒンジ手段94(図5参照)と96が第一
の対の側壁の上部42と44と底部62(図5参照)と
64との間にそれぞれ設けられている。また、ヒンジ手
段98と100(図7参照)が第二の対の側壁の上部4
6(図5参照)と48と底部78と80との間にそれぞ
れ設けられている。ヒンジ手段は二つの柔軟な材質の部
材を接続し、シュートの構造の一体性を保ちながら必要
な可撓性を与えることができる物であれば任意の適当な
ヒンジ手段が使用できる。ヒンジ手段は別の織物部材と
して側壁の上部と底部とに縫い付けることにより、また
は接着により側壁の上部と底部とに取り付けるようにす
ることも可能である。布製のヒンジ手段の固有の柔軟性
を用いてヒンジとして機能させることが製作コストと時
間とを低減する上で好ましい。
【0023】側壁の構造上の一体性を向上させるために
(図1参照)、第一の対の側壁の上部42と44とに剛
性手段54と56とを取着することもできる。また、剛
性手段58と60とを第二の対の柔軟な側壁の上部46
と48とに取着することもできる(図2参照)。必要に
応じて取着される剛性手段54、56、58、60は、
膨張するエアバッグ12により側壁平面に対して垂直に
作用する力に対抗する側壁の強度を増大させ、それによ
りシュート16のガイド作用を増大させる。
【0024】剛性手段はシュート16の柔軟な側壁に構
造上の一体性を与えるのに適当な任意の軽量材料を用い
て製作することができる。剛性手段として使用するのに
適切な材料には薄いポリマーシート、織布、織物のスク
リーンが含まれる。好ましくは、剛性手段は容易に縫い
付けることのできる固い布、または最も好ましくは、も
っと固くすることができ、同時に縫い付けることが容易
な織物のスクリーン又はメッシュとされる。
【0025】織物のスクリーンを製作する糸の直径は2
00から600ミクロンの間とすべきであり、好ましく
は400から600ミクロン、最も好ましくは500ミ
クロンとされる。織物のスクリーン又はメッシュはナイ
ロン6/6、ナイロン6、ナイロン12、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン(ECTFE)、テトラフルオロエチレン(E
TFE)、等のような繊維から製作される。この種の織
物のメッシュはTETKO社(ニューヨーク)により市
販されている。剛性手段は柔軟な側壁の上部に接着剤又
は、好ましくは側壁に縫い付けることにより側壁に取り
付けられる。最も好ましい方法は、柔軟な側壁を2層の
布地で形成して剛性手段をこの2層の布地の間に挿入
し、縫い付けて固定することである。
【0026】図5に示されるように、シュート16は第
一の側壁20を第二の側壁22に側部縁74aと90b
とに沿って縫い付けることにより製作することもでき
る。次いで、第二の側壁22は残りの第一の側壁24に
側部縁90aと76bとに沿って縫い付けられる。更
に、第一の側壁24は第二の側壁26に側部縁76aと
92bとに沿って縫い付けられる。そして、最後に第二
の側壁26は第一の側壁20に側部縁92aと74bと
に沿って縫い付けられる。上記側壁を互いに縫い付ける
のに使用する糸は、例えばナイロン、ポリエステル等の
適宜な糸が使用できる。側壁20、22、24及び26
の上縁それぞれ66、82、68及び84は対応する底
縁70、86、72、及び88より短くしても良い。そ
れにより得られる台形または逆漏斗状の形状は展開中の
エアバッグ16を良好にガイドしてエアバッグ16がダ
ッシュボードに形成された開口を通るのに適当な状態に
する。
【0027】更に、シュートを構成する側壁はそれぞれ
同じ長さとする必要はない。側壁の長さはモジュールキ
ャニスター14及び、シュートを取り付ける上での必要
から決定される。例えば、第一の対の側壁の一つは第二
の対の側壁のうち少なくとも一つの側壁の側部縁と第一
の対の側壁の側部縁の上縁から底縁までが前記第二の対
の一つの側壁の側部縁の上縁と底縁との中間の部分まで
接するようにすることもできる。
【0028】図5はシュート16を折り曲げと縫い付け
とで形成するための平面パターンを示すシュート16を
製作するより好ましい方法を表す図である。図5は単一
の柔軟性のある材料から二層構造のシュートを製作する
ための平面パターンを示している。図において、線A−
A′と線B−B′が一致するように材料が線AB−A′
B′に沿って縫い合わされる。側壁20、24、22、
26の上縁66、68、82、84は材料にダーツを入
れて縫い合わせることによりそれぞれ底縁70、72、
86、88より短くするようにしても良い。布地は線C
−C′に沿って点DとD′が一致するように折り畳ま
れ、線C−DD′と線C′DD′に沿って縫い合わされ
る。この工程は線E−E′、G−G′、及びI−I′に
ついて繰り返される。
【0029】これにより形成される台形形状の側壁はシ
ュートを構成する材料の固有の伸びを補償し、それによ
りシュートの上部開口が確実にダッシュボードに生じる
開口を通過するようにさせる。更に、シュートの狭まっ
た上部開口は膨張するエアバッグによりシュートの上部
開口が変形したり、または楕円形状になったりすること
を防止する。第二の側壁22は底縁86に沿って折り畳
まれる。最後に、柔軟な材料は線K−K′に沿って、各
側壁の底縁が一致するように折り畳まれる。第二の側壁
22と26とは線L−L′と線M−M′に沿ってそれぞ
れ縫い合わされる。
【0030】シュートを製作する最も好ましい方法は図
13と14のシュート16を折り曲げと縫い付けとで形
成するための平面パターンにより示される。図13と1
4は単一の柔軟性のある材料から二層構造のシュートを
製作するための平面パターンを示している。図13の材
料は線A−Bと線C−Dとが一致するように線N−Nに
沿って折り畳まれる。図14の材料は線A−Bと線C−
Dとが一致するように線O−Oに沿って折り畳まれる。
【0031】図13、14の線A−Bの対は重ねて縫い
合わされる、また図13、14の線C−Dの対も同様に
重ねて縫い合わされる。これにより、図5に示した方法
のようにダーツを縫い合わせる必要を生じることなく台
形形状が形成される。次いで材料は、線G−Hと線E−
Fとに沿って穴130と132が一致するように折り畳
まれ縫い合わされる。
【0032】インフレータ36は多数の公知の構造のう
ち任意のものが使用できる。例えば本願出願人に譲渡さ
れた米国特許第4,296,084号に示されたものも
使用できる。インフレータ36はフランジ102と10
4とを有するディフューザ38とフランジ106と10
8とを有するキャップ40との間にクランプされてい
る。留め具110は、それぞれフランジ116と118
(上から見てキャニスターの上部と下部)の留め穴11
2と114とディフューザフランジ102と104の留
め穴120と122とキャップフランジ106と108
の穴124と126とを貫通してナットまたは同等なも
の128により固定されている。シュート16は第二の
側壁22と26の底縁86、88近傍の留め穴130と
132を通る留め具110により固定されている。
【0033】シュートをキャニスター14に取り付ける
好ましい方法を図7に示す。エアバッグ12はそれぞれ
キャニスターフランジ116と118及びディフューザ
フランジ102と104の間のガス入口18近傍にクラ
ンプされる。エアバッグ12の製作と折り畳みは本技術
分野で知られている通常のもので良い。第二の側壁26
の底縁88はディフューザフランジ104とキャップフ
ランジ108との間にクランプされる。次いでシュート
16はキャニスター開口32上を覆うように配置され、
もう一方の第二の側壁26の底縁76の留め穴130に
キャニスタータブ134を通すことにより固定される。
【0034】タブ134は内側に折り曲げられてシュー
ト16を固定する。この方法は、シュートを一方の側に
取り付けてモジュールを組み立て、次いで出荷に先立っ
てエアバッグを折り畳んでシュートをタブで固定するこ
とができるためシュートの取り付け方法として好まし
い。第一の対の柔軟な側壁20と24及び第二の対の柔
軟な側壁22と26の長さはキャニスターの形状により
決定される。第一の対の側壁20と24とは少なくとも
第二の対の側壁22と26のうち一方にそれぞれ縁90
a、90b、92a及び92bに沿って接合され、第一
の対の側壁20と24が、その側部の縁それぞれ74、
74、76と76に沿って上縁66と68から底縁70
と72まで第二の対の側壁22と26の対応する側部の
縁に沿って上縁82と84から上縁と底縁との間の点ま
でに接合するようにされている。本実施例では、第一の
側壁20と24と上部の第二の側壁22の長さは底部の
側壁26の長さより短くなっている。
【0035】シュート16は、図12に示すように、エ
アバッグクッション12に縫い目136に沿って取り付
けることもできる。エアバッグはキャニスター14に上
述のように、また、シュート16は上述したと同様な取
り付け構造を用いてキャニスターの内側に取り付けるこ
ともできる。シュートは留め具とタブとを用いてキャニ
スターの外側に取り付けることが好ましい。シュートを
キャニスターの外側に取り付けることによりキャニスタ
ー内部をエアバッグ様に最大限使用することができるか
らである。
【0036】製作後、シュートは第二の側壁22と26
の上縁82と84とを破断可能な留め具手段52を用い
て係止するようにすることもできる。破断可能な留め具
手段52は図3に示すように上縁に垂直な一つまたは一
連の縫い目、またはVelcro(登録商標)のような
フックアンドループ式の留め具(図4、53参照)とす
ることができる。
【0037】シュートに余分な厚さを加えないため、破
断可能な留め具手段としては、上縁に垂直な縫い目が好
ましい。縫い目は、同時に破断するように、上縁82と
84とに垂直に、いくらか距離をあけて配置する。破断
可能な留め具は上縁82と84の接合部の長さ方向に設
けた縫い目の形としてはならない。このようにすると、
縫い目はエアバッグの一方の側から他方の側に向かって
徐々に破断しエアバッグ12が部分的に破断した縫い目
を通って展開することになるからである。
【0038】図7からわかるように、シュートは製造後
キャニスター開口を覆い、輸送中及び車両の客室ダッシ
ュボード背後に保管されている間に異物がキャニスター
内に落ち込むことを防止する。図8に示すようにエアバ
ッグモジュールは展開前はダッシュボードの背後に位置
している。衝突センサ(図示せず)からの信号がインフ
レータのガス発生をトリガーする。
【0039】ガスはエアバッグのガス入口を通ってイン
フレータからエアバッグ内に流入する。膨張するエアバ
ッグはシュートの破断可能な留め具を破断し、それによ
りシュートの第二の側壁が折り畳まない状態に復帰でき
るようにする。エアバッグはダッシュボードに向けて膨
張しシュートの側壁を折り畳まない状態に復帰させ、ダ
ッシュボードの破断用継ぎ目を破る。図9に示すよう
に、エアバッグが展開に際してダッシュボードの背後で
膨張することがシュートの存在によって防止される。エ
アバッグはダッシュボードを通って乗員に向けて展開を
続ける。図10に示すように、シュートによりエアバッ
グが開口周囲の鋭い角部により破れる事が防止される。
さらに、エアバッグが膨張すると、シュートは、その目
的を終えた後ダッシュボードの開口に向けて押し戻され
ると考えられる。
【0040】上述のように、本発明によれば、エアバッ
グモジュール製造後にエアバッグを覆って保護する手段
が提供される。更に、本発明によれば展開時にエアバッ
グを乗用自動車のダッシュボードを通ってガイドする手
段が提供される。また、エアバッグが車両ダッシュボー
ドの背後で不適切に展開することを防止する手段が提供
される。
【0041】上記本発明の詳細な説明から、本技術分野
に知識を有する者であれば、本発明の技術思想から逸脱
することなく種々の改変が可能であることが理解されよ
う。従って、本発明は上記に説明した特定の実施例に限
定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガイドシュートが展開した状態の外形を示す斜
視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】ガイドシュートが折り畳まれた状態を示すエア
バッグカバーとキャニスターの上面図である。
【図4】ガイドシュートが折り畳まれた状態を示すエア
バッグカバーとキャニスターの上面図である。
【図5】縫い目と折り目の位置を示すシュートのパター
ンの平面図である。
【図6】シュートを構成する各セクションの平面図であ
る。
【図7】ガイドシュートが折り畳まれた状態を示すエア
バッグカバーとキャニスターの端面図である。
【図8】保管状態にあるカバーを示す、ダッシュボード
背後に配置されたエアバッグシュートとモジュールキャ
ニスターの側面図である。
【図9】エアバッグ展開時のシュートの状態を示す、ダ
ッシュボード背後に配置されたエアバッグシュートとモ
ジュールキャニスターの側面図である。
【図10】シュートが完全に展開した状態を示す、ダッ
シュボード背後に配置されたエアバッグシュートとモジ
ュールキャニスターの側面図である。
【図11】シュートの側壁のテーパー形状を示すエアバ
ッグシュートの部分側面図である。
【図12】シュートがエアバッグを膨張させるガスの入
口近傍に取り付けられた状態を示す一部正面図である。
【図13】縫い目と折り目の位置を示すシュートのパタ
ーンの正面図である。
【図14】縫い目と折り目の位置を示すシュートのパタ
ーンの正面図である。
【符号の説明】
10…ガイド装置 12…エアバッグクッション 14…キャニスター 16…シュート 18…ガス入口 20、24…第一の側壁 22、26…第二の側壁 36…インフレータ 42、44…上部 46、48…上部 50…上面パネル 62、64…底部 66、68、82、84…上縁 70、72、86、88…底縁 74a、74b…側部縁 76a、76b…側部縁 78、80…底部 90a、90b…側部縁 92a、92b…側部縁 98、100…ヒンジ手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の助手席側保安クッションの展開
    をガイドするガイド装置であって、 折り畳まない状態で上部と下部の開口を有するシュート
    を形成する第一の対と第二の対の間隔をあけた柔軟な側
    壁であって、上縁と、底縁と、側部縁と、上部と、底部
    と、前記上部と底部との間のヒンジ手段と有し、前記第
    二の対の側壁は前記第一の対の側壁の側部縁に沿って該
    第一の対の側部縁に接続され、前記第一の対の側壁の前
    記上部は前記ヒンジ手段の所で互いの方向に向けて内側
    に折り畳まれ、前記第二の対の側壁の前記上部は前記ヒ
    ンジ手段の所で互いの方向に向けて内側に折り畳まれて
    前記内側に折り畳まれた前記第一の対の側壁の上部を覆
    い、それにより内側と外側とを有する上面パネルを形成
    する第一の対と第二の対の側壁と、 前記シュートの上面パネルの内側に覆われた、折り畳ま
    れた膨張式乗員拘束クッションであって、該クッション
    を膨張させ、展開させるためのガス入口を有する膨張式
    乗員拘束クッションと、 ガスジェネレータのための空洞部を形成する壁と、折り
    畳まれた膨張式乗員拘束クッションの少なくとも一部と
    を含む、内側と外側とを有する車両用エアバッグキャニ
    スターであって、前記壁は更にキャニスター内の前記空
    洞部の開口を形成し、前記ガスジェネレータは作動して
    圧力を持ったガスをキャニスター内の前記空洞部と空洞
    部内の前記折り畳まれた膨張式乗員拘束クッション内に
    発生可能であるエアバッグキャニスターと、を備え、 前記ガスジェネレータが作動して前記空洞部内に圧力を
    もったガスを発生すると、それにより前記クッションが
    膨張して前記シュートの前記上面パネルを押圧すること
    により前記前記第一の側壁の内側に折り畳まれた上部と
    前記第二の側壁の内側に折り畳まれた上部とが折り畳ま
    れない状態に復帰して前記シュートを形成し、それによ
    り前記クッションの展開をガイドする自動車の助手席側
    保安クッションの展開ガイド装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の対の側壁は前記第二の対の側
    壁のうち少なくとも一つの側壁とその側部縁に沿って接
    続しており、、前記第一の対の側壁の側部縁の上縁から
    底縁までが、前記第二の対の側壁の側部縁の上縁から上
    縁と底縁との中間の点までに接している請求項1に記載
    の装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔をあけた柔軟な側壁は布地で作
    られている請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記間隔をあけた柔軟な側壁はエアバッ
    グに使用される布地で作られている請求項3に記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 前記間隔をあけた柔軟な側壁の材質はナ
    イロン、ポリエステル、ポリアミドのうち一つまたはそ
    れ以上からなる織布である請求項3に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記シュートの前記底縁は、前記膨張式
    乗員拘束クッションの前記ガス入口近傍に取り付けられ
    ている請求項2記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記第二の側壁の前記上縁は互いに破断
    可能な留め具で係止されている請求項1に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記破断可能な留め具はフックアンドル
    ープ式の留め具である請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記破断可能な留め具は破断可能な縫い
    目である請求項7に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記第一の側壁の上縁は対応する第一
    の側壁の底縁の長さより短い請求項1に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記第二の側壁の上縁は対応する第二
    の側壁の底縁の長さより短い請求項1に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記側壁の前記上部と前記下部と前記
    ヒンジ手段とは連続した布地からなる請求項1に記載の
    装置。
  13. 【請求項13】 前記側壁の前記上部は剛性手段により
    補強されている請求項1に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記剛性手段の材質は、ナイロン、ポ
    リプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、クロロト
    リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンからなる
    グループから選ばれた一つのポリマーである請求項13
    に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記側壁は二層の布地からなり、前記
    剛性手段は前記上部の前記2層の布地の間に挿入される
    請求項13記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記シュートの前記底部の前記底縁は
    前記キャニスターの前記外側に取り付けられる請求項1
    に記載の装置。
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