JPH0687083B2 - カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法

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JPH0687083B2
JPH0687083B2 JP24108489A JP24108489A JPH0687083B2 JP H0687083 B2 JPH0687083 B2 JP H0687083B2 JP 24108489 A JP24108489 A JP 24108489A JP 24108489 A JP24108489 A JP 24108489A JP H0687083 B2 JPH0687083 B2 JP H0687083B2
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color
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清一郎 横山
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法、特にはミ
セル電解法によって形成された色素膜を有し、かつ電極
取出領域を有するカラーフィルタ及びその製造方法に関
する。
[従来の技術] 従来から、液晶テレビやパソコンのディスプレイ等に用
いるカラーフィルタの製造方法としては、(1)基板上
のゼラチン層を染色してからフォトレジスト及び紫外線
硬化を行う染色法、(2)レジスト剤中に顔料を分散さ
せ、そして紫外線硬化を行う分散法、(3)基板に色素
膜パターン等を直接印刷する印刷法、(4)適当な溶媒
に顔料を分散させ、基板上に形成された電極を利用して
電着塗装を行う電着法、(5)界面活性剤と顔料又は塗
料(色素)とを水などの液体中に分散させ、電極上に各
色素を順次製膜して、色素層を形成するミセル電解法等
が知られている。
しかし、前記(1)の染色法は、耐候性が悪く、前記
(2)の分散法は工程が複雑で生産性が低い。前記
(3)の印刷法は精度が低く、耐候性も悪い。これらの
方法に対して、前記(4)の電着法は耐候性や耐熱性が
良好であるが、色素層を形成するために透明電極が必要
であるだけでなく、形成される色素層が絶縁膜となるの
で、前記(1)〜(3)の方法と同様に、カラーフィル
タの表面に液晶駆動等のために透明電極を設ける必要が
あった。また、(5)のミセル電解法の場合において
も、たとえば、ストライプ型透明電極に三原色、すなわ
ち赤(Red),緑(Green)、及び青(Blue)(以下R,G,
Bと略すことがある。)別々の色素層をミセル電解法に
よって形成するためには、R,G,B各々の製膜用電極をま
とめ、製膜のために導電性ペーストなどを用いて外部へ
取り出す(電極取り出し線を配する)必要があった。
具体的に、R,G,Bの順に製膜する場合を例にとって説明
する。
R色素製膜前に各R製膜用電極から電極取り出し線を配
し、その電極取り出し線をまとめて、外部に取り出され
た端子であるr端子よりR製膜用電極に電圧を印可して
製膜する。続いてG製膜用電極取り出し線を配線する
と、R,G各々の取り出し線どうしが接触し、g端子より
電圧を印可してG製膜を行うと、R色素を製膜した上に
もG色素が製膜されてしまう。そこで従来はR色素製膜
終了後、R製膜用電極取り出し線を剥離除去し、G色素
製膜のための電極取り出し線をつけ直すという作業が必
要であった。(R,Gだけの製膜なら、取り出し線を基板
の上下に配すれば可能だが3色目は無理であった。) 従って、本発明の目的は、透明電極を、カラーフィルタ
製造時の色素層の形成と製造後の液晶駆動等との両方に
共用することのできる構成を有するとともに、予めR,G,
B製膜のための取り出し線を一度に配することが可能
で、それを剥離除去する必要がないカラーフィルタ及び
その製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上述の目的を達成するため、本発明によれば、絶縁性基
板、透明電極、導電性多孔質の疎水性色素薄膜からなる
色素層、及び配向層をこの順に積層して有するカラーフ
ィルタにおいて、カラーフィルタ表面の一部に電極取出
領域を有し、かつ、その電極取出領域が、電気的に独立
するとともに色分解された個別の色に対応して配設され
た透明電極の相互間を電気的に被覆絶縁するように形成
された絶縁層と、その絶縁層の一部に前記透明電極のそ
れぞれの一部を露出するように形成された電極取出窓口
と、その電極取出窓口から露出した透明電極のうち同色
の色に相当する透明電極の相互間を帯状の導電層によっ
てそれぞれ電気的に接続するとともに帯状の導電層相互
間は電気的に接続しないように形成された電極取出窓口
帯とからなることを特徴とするカラーフィルタが提供さ
れる。
また、前記色素層と配向層との間に、さらにコーティン
グ層を積層してなることを特徴とするカラーフィルタが
提供される。
また、絶縁性基板、透明電極、色素層、及び配向層を、
この順に積層、形成するカラーフィルタの製造方法にお
いて、カラーフィルタ表面の一部に電極取出領域を形成
し、その後前記色素層をミセル電解法によって形成する
こと、およびその電極取出領域の形成が、電気的に独立
するとともに色分解された個別の色に対応して配設され
た透明電極の相互間を電気的に被覆絶縁するように絶縁
層を形成し、その絶縁層の形成と同時または前後にその
絶縁層の一部に前記透明電極のそれぞれの一部を露出す
るように電極取出窓口を形成し、さらに、その電極取出
窓口から露出した透明電極のうち同色の色に相当する透
明電極の相互間を帯状の導電層によってそれぞれ電気的
に接続するとともに帯状の導電層相互間は電気的に接続
しないように電極取出窓口帯を形成することからなるこ
とを特徴とするカラーフィルタの製造方法が提供され
る。
また、前記色素層と配向層との間に、さらにコーティン
グ層を積層、形成することを特徴とするカラーフィルタ
の製造方法が提供される。
また、前記絶縁性基板上に、色素層を形成する前又は後
にフォトリソマトグラフィー法によってブラックマトリ
ックスをさらに積層、形成することを特徴とするカラー
フィルタの製造方法が提供される。
さらに、前記ブラックマトリックスの積層、形成が、前
記電気的に独立するとともに色分解された個別の色に対
応して配設された透明電極の相互間を電気的に絶縁する
ための絶縁層の形成と同時に行われるものであることを
特徴とするカラーフィルタの製造方法が提供される。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明のカラーフィルタにおいては、色素層が導電性多
孔質の疎水性色素薄膜からなる。本明細書において「導
電性多孔質」とは、当該膜又は層が多孔質であるので導
電性を有すること、すなわち、当該膜又は層の下に配置
された透明電極を液晶駆動用等に用いることができる程
度の導電性であることを意味する。従って、当該膜又は
層を構成する材料それ自体が導電性である必要はない。
前記の導電性多孔質の疎水性色素薄膜は、例えば、ミセ
ル電解法(特開昭63−243298号公報参照)によって形成
することができる。
すなわち、ガラス板等の絶縁基板上に所望形状に透明電
極を形成しておき、その上に所謂ミセル電解法にて、疎
水性色素薄膜を形成する。
このミセル電解法で前記色素の薄膜を形成するには、次
のような操作手順を用いることができる。つまり、水に
必要に応じて支持電解質等を加えて電気伝導度を調節し
た水性媒体に、フェロセン誘導体よりなるミセル化剤と
色素材料(疎水性色素)とを加えて充分に混合攪拌して
分散させると、該色素材料を内部にとり込んだミセルが
形成される。これを電解処理するとミセルが陽極に引き
寄せられて陽極(透明電極)上でミセル中のフェロセン
誘導体が電子e-を失い(フェロセン中のFe2+がFe3+に酸
化される)、それとともにミセルが崩壊して内部の色素
材料が陽極上に折出して薄膜を形成する。一方、酸化さ
れたフェロセン誘導体は陰極に引き寄せられて電子e-
受け取り、再びミセルを形成する。このようなミセルの
形成と崩壊が繰返される過程で、色素材料の粒子が透明
電極上に折出して薄膜上のものとなり、所望する色素薄
膜が形成される。こうして形成される色素薄膜は一般に
膜厚0.1〜10.0μm、特には0.1〜2.0μmであり、多孔
質となるので、高い導電性を有する。膜厚が0.1μm未
満だと色素層の色相を充分に表示することができず、1
0.0μmを越えると導電性が低くなるので好ましくな
い。
ミセル電解法で用いるミセル化剤は、フェロセン誘導体
よりなるものである。ここでフェロセン誘導体としては
各種のものがあるが、例えば 一般式 〔式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数6以下のアルキル
基、炭素数6以下のアルコキシ基、アミノ基、ジメチル
アミノ基、水酸基、アセチルアミノ基、カルボキシル
基、メトキシカルボニル基、アセトキシ基、アルデヒド
基あるいはハロゲンを示し、R3は水素又は炭素数4〜18
の直鎖あるいは分岐アルキル基又はアルケニル基を示
し、R4及びR5はそれぞれ水素又はメチル基を示し、Yは
酸素、オキシカルボニル基あるいはアシルオキシ基を示
し、aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、mは1〜1
8、の整数、nは2.0〜70.0の実数を示す〕で表されるフ
ェロセン誘導体を代表例として挙げることができる。こ
れらの化合物は、例えばPCT国際公開WO88/07538号公
報、WO89/01939号公報及び特願昭63−233797号明細書等
に記載されている。R1及びR2の炭素数6以下のアルキル
基は例えばメチル基(CH3)又はエチル基(C2H5)であ
り、アルコキシ基は例えばメトキシ基(OCH3)又はエト
キシ基(OC2H5)でありハロゲンは例えば塩素、臭素、
フッ素又は沃素である。R1及びR2は同一であっても異な
っていてもよく、さらにR1及びR2がそれぞれ複数個のフ
ェセロンの五員環に存在した場合にも、複数の置換基が
それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、前
記式〔I〕中の 等である。
またnは上記オキシアルキレン基の繰り返し数を示すも
ので、2.0〜70.0の整数のみならず、これらを含む実数
を意味し、オキシアルキレン基の繰り返し数の平均値を
示すものである。
本発明のミセル電解法で用いるフェロセン誘導体は、前
記一般式〔I〕で表されるもののほかに、様々なものが
あり、アンモニウムタイプ、ピリジンタイプ(PCT国際
公開WO88/07538号公報等)をはじめ、特願昭63−233797
号明細書、同63−233798号明細書、同63−248600号明細
書、同63−248601号明細書、特願平1−45370号明細
書、同1−54956号明細書、同1−70680号明細書、同1
−70681号明細書、同1−76498号明細書及び同1−7649
9号明細書に記載されたフェロセン誘導体を挙げること
ができる。
これらのフェロセン誘導体は極めて効率良く疎水性物質
を水性媒体に可溶化ないし分散することができる。
本発明で用いるミセル電解法では、まず水性媒体中に上
記のフェロセン誘導体よりなるミセル化剤、支持塩なら
びに色素材料を入れて、超音波、ホモジナイザーあるい
は攪拌機等により充分に分散させてミセルを形成させ、
その後必要に応じて過剰の色素材料を除去し、得られた
ミセル溶液(あるいは分散液)を静置したままあるいは
若干の攪拌を加えながら透明電極を用いて電解処理す
る。また、電解処理中に前記の色素材料をミセル溶液
(分散液)に補充添加してもよく、あるいは陽極近傍の
ミセル溶液を系外へ抜き出し、抜き出したミセル溶液
(分散液)に色素材料を加えて充分に混合攪拌し、しか
る後にこの液を陰極近傍へ戻す循環回路を併設してもよ
い。この際のミセル化剤の濃度は、限界ミセル濃度以
上、具体的には約0.1mM以上であればよい。一方、色素
材料の濃度は、飽和濃度以上であればよい。また電解条
件は、各種状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は
液温0〜70℃、好ましくは5〜40℃であり、また電圧は
ミセル化剤であるフェロセン誘導体の酸化還元電位以上
で水素発生電位以下の電圧、具体的には0.03〜1.00V、
好ましくは0.15〜0.7Vとし、電流密度は10mA/cm2以下、
好ましくは50〜300μA/cm2とする。
この電解処理を行うと、ミセル電解法の原理にしたがっ
た反応が進行する。これをフェロセン誘導体中のFeイオ
ンの挙動に着目すると、陽極ではフェロセンのFe2+がFe
3+となって、ミセルが崩壊し、色素材料の粒子が陽極
(透明電極)上に折出する。一方、陰極では陽極で酸化
されたFe3+がFe2+に還元されてもとのミセルに戻るの
で、繰り返し同じ溶液で製膜操作を行うことができる。
このような電解処理により、陽極(透明電極)上には所
望する色素材料の薄膜が形成される。
ミセル電解法で用いる支持塩(支持電解質)は、水性媒
体の電気伝導度を調節するために必要に応じて加えるも
のである。この支持塩の添加量は、可溶化あるいは分散
している色素材料の折出を妨げない範囲であればよく、
通常は上記ミセル化剤の0〜300倍程度の濃度、好まし
くは50〜200倍程度の濃度を目安とする。この支持塩を
加えずに電解を行うこともできるが、この場合支持塩を
含まない純度の高い薄膜が得られる。また、支持塩を用
いる場合、その支持塩の種類は、ミセルの形成や電極へ
の前記色素素材の折出を妨げることなく、水性媒体の電
気伝導度を調節しうるものであれば特に制限はない。
具体的には、一般に広く支持塩として用いられている硫
酸塩(リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、
アルミニウムなどの塩)、酢酸塩(リチウム、カリウ
ム、ナトリウム、ルビジウム、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニ
ウムなどの塩)、ハロゲン化物塩(リチウム、カリウ
ム、ナトリウム、ルビジウム、カルシウム、マグネシウ
ム、アルミニウムなどの塩),水溶性酸化物塩(リチウ
ム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、カルシウム、
マグネシウム、アルミニウムなどの塩)が好適である。
本発明のカラーフィルタで用いる透明電極の材料は、フ
ェロセン誘導体の酸化電位(+0.15〜0.30V対飽和甘コ
ウ電極)より貴な金属もしくは導電体であればよい。具
体的にはITO(酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化
物)、二酸化スズ、導電性高分子フィルムなどが挙げら
れる。
本発明のカラフィルターにおいて、色素膜を形成する色
素材料は光の三原色を呈する色素材料、即ち赤色
(R),緑色(G)及び青色(B)の疎水性色素をはじ
め、各種の色を呈するものがあげられる、赤色色素とし
ては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナ
クリドン系顔料、アントラキノン系顔料あるいはアント
ラセン系顔料等があり、例えばペリレン顔料、レーキ顔
料(Ca,Ba,Sr,Mn)、キナクリドン、ナフトールAS、シ
コミン顔料、アントラキノン(Sudan I,II,III,R)、ジ
スアゾ、ベンゾピラン、硫化カドミウム系顔料、Fe(II
I)酸化物系顔料などがあり、そのうちペリレン顔料や
レーキ顔料が好ましい。また、緑色色素としては、ハロ
ゲン多置換フタロシアニン系顔料、ハロゲン多置換銅フ
タロシアニン系顔料あるいはトリフェニルメタン系塩基
性染料等があり、例えばクロロ多置換フタロシアニン、
その銅錯体あるいはバリウム−トリフェニルメタン染料
などがあり、青色色素としては、銅フタロシアニン系顔
料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料あ
るいはシアニン系顔料などがあり、例えばクロロ銅フタ
ロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、バナ
ジン酸フタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、
亜鉛フタロシアニン、鉄フタロシアニン、コバルトフタ
ロシアニンなどのフタロシアニン金属錯体、フタロシア
ニン、メロシアニンあるいはインドフェノールブルーな
どがある。
本発明のカラーフィルタにおいて三原色の疎水性色素薄
膜を形成するには、最初に赤色(R),緑色(G)及び
青色(B)の疎水性色素のいずれか一つを水性媒体に加
えて、前記のミセル電解法を行い、最初の所望色調の薄
膜を形成し、次いで疎水性色素の種類を変えて次々にミ
セル電解法を繰り返し行うことによって、三原色の疎水
性色素をそれぞれの各透明電極上に形成することができ
る。なお、赤色(R),緑色(G)又は青色(B)の疎
水性色素を同時に水性媒体中に存在させて、これにミセ
ル電解法を適用することによっても同様のカラーフィル
タを製造することができる。
本発明のカラーフィルタは、色素層と配向層との間に、
場合によりコーディング層を有する。コーティング層を
設けることによって液晶との接触面を平滑化することが
できる。コーティング層を導電性材料で調製すれば、コ
ーティング層による電圧降下を防ぐことができる。
本発明のカラーフィルタは、最上層として配向層を有す
る。この配向層によって液晶を配向させる。
次に、本発明のカラーフィルタの一実施態様を示す第1
図を参照して本発明方法を更に具体的に説明する。
本発明によるカラーフィルタ10を製造するには、最初に
絶縁性ガラス基板(例えば、青板ガラス、無アルカリガ
ラス、石英ガラス製の板)1の表面をアルカリ水溶液又
は純水等で充分に洗浄する。
次に、ガラス基板1の一方の表面上に、蒸着法、スパッ
タ法、パイオゾル法又は超微粒子キャスト法等を利用し
て透明電極用材料(例えば、前記のITO、二酸化スズ
等)の層を形成する。この電極用材料層に表面酸化処理
又はベーキング処理を行って、抵抗値を調整する。更
に、その層の上から、レジスト剤(例えば紫外線硬化性
樹脂)をスピンコート、ディップ又はキャスト法によっ
て塗布し、適当なマスクを用いて露光(例えば紫外線露
光)し、末硬化レジスト剤の部分を洗浄除去する。残留
したレジスト剤を硬化してから、露光した電極用材料を
適当なエッチング液でエッチングし、レジスト層を剥離
し、洗浄して、原色の各々に相当する透明電極2(2B,2
G,2R)を形成する。
次に、透明電極2を担持したガラス基板1上に例えばフ
ォトリソマトグラフィー法を利用して、ブラックマトリ
ックス又はストライプ3を形成する。例えば、紫外線硬
化性樹脂と黒色顔料とからなるレジスト剤をスピンコー
タ又はロールコータによって塗布し、適当なブラックス
トライプ用マスクを用いて露光し、続いて常法どおり水
洗、現像、洗浄及びベーキングを行う。
透明電極用のマスク及びブラックマトリックス用マスク
を適当に選択すると、ブラックマトリックスの形成と同
時にカラーフィルタの一部に電極取出窓口帯を形成する
ことができる。例えば、第2図に示すマスク20を用いて
透明電極をガラス基板上に形成すると、光の三原色であ
る青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)に相当するよ
うに形成した三本の線21B,21G,21Rに各々対応して、最
も短い電極線2Bと中間的長さの電極線2Gと最も長い電極
線2Rとが三本一組を繰返し単位として10単位形成され
る。
ブラックマトリックスは、例えば第3図に示すマスク30
を用いて形成する。マスク30はブラックマトリックス形
成用パターン31だけでなく、電極取出領域形成用パター
ン32をも有している。パターン32は3組の電極取出窓口
帯を形成するためのパターンからなる。すなわち、電極
線(B)用の電極取出窓口帯形成用パターン32Bと、電
極線(G)用の電極取出窓口帯形成用パターン32Gと、
電極線(R)用の電極取出窓口帯形成用パターン32Rと
からなる。ブラックマトリックスと絶縁層とを同時に形
成するには、紫外線硬化型ポリマーを用いるのが好まし
い。
マスク20及びマスク30を用いて調製したカラーフィルタ
の電流取出領域を第4図及び第5図に示す。第4図は、
マスク30のIV−IV線に沿って形成されるカラーフィルタ
の断面図であり、第5図はマスク30のV−V線に沿って
形成されるカラーフィルタの断面図である。第4図及び
第5図に示すように、電極線2Gと2Rとは絶縁層41によっ
て被覆されているのに対し、電極線2Bは相互に電極取出
窓口40を介して形成された導電層(電極取出窓口帯)42
によって電気的に接続されている。
ガラス基板上に透明電極とブラックマトリックスとを形
成してから、前記のミセル電解法を用いて色素層を形成
する。色分解された色が3色の場合には、各々の色素材
料についてミセル電解、洗浄及びベーキング(一般に15
0〜300℃)を3回繰返す。
なお、色素層を形成してからブラックマトリックスを形
成することもできる。
次に、場合により、色素層及びブラックマトリックスの
上から、トップコート剤例えば、アクリル系樹脂、ポリ
エーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、フォスファゼン樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド系樹脂をスピンコータ又はロールコータによって塗
布し、80〜150℃で5〜60分間乾燥して導電性コーティ
ング層を形成することができる。
最後に、ポリアミック酸モノマー、ポリイミド系樹脂オ
リゴマー等をスピンコータ又はロールコータによって塗
布し、200〜300℃で30分間〜2時間重合し、純水等で洗
浄し、乾燥(60〜100℃で30分間〜2時間又は紫外線照
射等)して配向層を形成する。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明の範囲を限定するものではない。
透明ITO電極の形成 ガラス基板(NA45:HOYA製:サイズ320×300×0.5mm)を
0.1NのNaOHで洗浄した後、純水による洗浄を、排水の液
抵抗が1010Ω/cmになるまで繰り返した。このガラス基
板を真空スパッタ装置の中に入れ、ITOをスパッタし
た。更に、形成されたITO層を空気中で100℃で表面酸化
して表面抵抗100Ω/cm2に調整した。その後、レジスト
剤(FH−2130:富士ハントエレクトロニクステクノロジ
ー社製)をローラーコータで塗布し、80℃で5分間プレ
ベークした後、500W高圧水銀灯を用い、第2図に示すス
トライブマスクを介して紫外線露光(60秒)を行った、
なお、第2図に示すマスクの各々の線の幅は90μmで各
線の間隔は40μmである。
次に水洗を行い、残ったレジスト剤付ITOを現象液(HPR
D−410富士ハントエレクトロニクステクノロジー製)に
つけ5分間現像した。更に水洗し230℃で5分間加熱し
た。レジスト剤が充分硬化した後、IN・HCl/IM・FeCl3
のエッチング液につけ、ITOを20分間エッチングした。
エッチング終了後、純水で洗浄し、レジスト剥離剤(マ
イクロストリップ2001:富士ハントエレクトロニクステ
クノロジー製)を用いて硬化しレジストを剥離した。更
に水洗を行った。
ブラックストライプ 前記工程で得られたITO電極担持ガラス基板上に、紫外
線硬化ポリマーと黒色顔料とを含むカラーレジスト剤
(カラーレジストCK:富士ハントエレクトロニクステク
ノロジー製)を3,000rpmでスピンコートしてレジスト膜
を形成した。80℃で5分間プリベークした後、酸素レジ
スト剤としてポリビニルアルコールを400rpmでスピンコ
ートした。更に、80℃で5分間プリベークした後、500W
高圧水銀灯を用い、第3図に示すブラックストライブ用
マスクを介して紫外線露光を行った。なお、第3図のマ
スクにおいてブラックストライブ用のパターンは内寸90
×310μmで線幅20μmであり、電極取出窓口用パター
ンは内寸90μm×5mmである。水洗を行った後、カラー
レジスト現像液CD(富士ハントエレクトロニクステクノ
ロジー製)を用いて現像した。純水で洗浄し、230℃で1
0分間ポストベークを行った。こうして、ブラックスト
ライプを形成すると同時に、三原色の各々に対応する各
電極線の電極取出窓口を形成した。次に、同じ色の電極
線同志が電気的に接続するが他の色の電極線とは電気的
接続しないように、導電性銀ペーストを帯状に塗布して
3本の電極取出窓口帯を形成した。
色素層の形成 で表される化合物(FPEG) の2mM水溶液に赤色顔料(Lithol Scarlet K3700:BASF
製)、緑色顔料(Heliogen Green L9361:BASF製)又は
青色顔料(Heliogen Blue B7080:BASF製)を各々1〜2g
加えて分散させ、更に臭化リチウム(支持塩)0.1Mを加
え、超音波ホモジナイザで30分間分散させ、更にスター
ラで3日間撹拌して色素分散液を調製した。
赤色顔料分散液中に前記工程で得られた基板を浸漬し
(電極取出領域は浸漬しない)、赤色色素用電極線の電
極取出窓口帯を用い、参照電極として飽和甘コウ電極及
び陰極としてアルミニウム板を利用し、ミセル電解を行
った(0.5V,25℃,30分間)。電解処理終了後、純水で洗
浄し、180℃で1時間ベーキング処理し、赤色色素層4R
を形成した。
同様にして、緑色色素層4G及び青色色素層4Bを順次形成
した。
各色素層の平均膜厚は、それぞれ0.5μm(赤色色素
層)、0.4μm(緑色色素層)及び0.6μm(青色色素
層)であった。
コーティング層及び配向層の形成 トップコート剤(オプトマーJHR:日本合成ゴム製)を3,
000rpmでスピンコートし、80℃でプレベーク処理を行っ
た。更に、ポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液
を同様にスピンコートし、真空中で250℃で1時間重合
させた。純水で洗浄した後、80℃で1時間乾燥して、導
電性コーティング層5(0.2μm)と配向層6(0.1μ
m)とを有する本発明のカラーフィルタを得た。
こうして得られたカラーフィルタの配向層6の上に、更
にITOを前記と同様にスパッタし、カラーフィルタ内部
のITO2との抵抗値をテスターで測定したところ105Ω/cm
2であった。また、ITO間の絶縁抵抗は108Ω/cm2であ
り、導電性のカラーフィルタが形成されたことがわかっ
た。
[発明の効果] 本発明のカラーフィルタにおける色素層は極めて薄く多
孔質であるので、その下に配置されている電極の電位抵
抗降下が小さくなり、直接液晶駆動側のフィルタとして
使用できるという利点がある。しかも、最上層に透明電
極を設ける必要がないので、電極との煩雑な位置合わせ
(ポジショニング)を必要としない。また、本発明にお
ける色素層は、従来法で形成されたものに比べて導電
率、耐熱性、耐薬品性、耐光性等に優れている。また、
この色素層は、通電量を調節することによって、その膜
厚を自在に制御できるため、レベリングが容易である。
さらに、予めR,G,B製膜のための取り出し線を一度に配
することが可能で、それを剥離除去する必要がなく、作
業性の向上を図ることができる。
したがって、本発明のカラーフィルタは、例えば、液晶
表示素子、エレクトロクロミック表示素子、調階表示素
子、プラズマディスプレイパネル、分光機器、固体撮像
素子、調光器などの種々のフィルタに利用することがで
きる。具体的には、例えばラップトップ型のパーソナル
コンピュータ、ワードプロセッサ、液晶カラーテレビ
(携帯用又は壁掛用)、オーロラビジョン、ビデオカメ
ラビューファインダ、時計、測量機器パネル、自動車の
内部パネル、液晶カラーフィルタ、液晶プロジェクタ、
色調ガラス等の分野に有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のカラーフィルタの一実施態様を模式的
に示す断面図である。第2図は透明電極形成用のマスク
である。第3図はブラックマトリックス及び電極取出領
域形成用のマスクである。第4図及び第5図は電極取出
領域の断面図である。 図中、1はガラス基板、2は透明電極、3はブラックス
トライブ、4は色素層、5はコーティング層、6は配向
層、40は電極取出窓口、41は絶縁層、42は導電層(電極
取出窓口帯)を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板、透明電極、導電性多孔質の疎
    水性色素薄膜からなる色素層、及び配向層をこの順に積
    層して有するカラーフィルタにおいて、 カラーフィルタ表面の一部に電極取出領域を有し、か
    つ、その電極取出領域が、電気的に独立するとともに色
    分解された個別の色に対応して配設された透明電極の相
    互間を電気的に被覆絶縁するように形成された絶縁層
    と、その絶縁層の一部に前記透明電極のそれぞれの一部
    を露出するように形成された電極取出窓口と、その電極
    取出窓口から露出した透明電極のうち同色の色に相当す
    る透明電極の相互間を帯状の導電層によってそれぞれ電
    気的に接続するとともに帯状の導電層相互間は電気的に
    接続しないように形成された電極取出窓口帯とからなる
    ことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】前記色素層と配向層との間に、さらにコー
    ティング層を積層してなることを特徴とする請求項1に
    記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】絶縁性基板、透明電極、色素層、及び配向
    層を、この順に積層、形成するカラーフィルタの製造方
    法において、カラーフィルタ表面の一部に電極取出領域
    を形成し、その後前記色素層をミセル電解法によって形
    成すること、およびその電極取出領域の形成が、電気的
    に独立するとともに色分解された個別の色に対応して配
    設された透明電極の相互間を電気的に被覆絶縁するよう
    に絶縁層を形成し、その絶縁層の形成と同時または前後
    にその絶縁層の一部に前記透明電極のそれぞれの一部を
    露出するように電極取出窓口を形成し、さらに、その電
    極取出窓口から露出した透明電極のうち同色の色に相当
    する透明電極の相互間を帯状の導電層によってそれぞれ
    電気的に接続するとともに帯状の導電層相互間は電気的
    に接続しないように電極取出窓口帯を形成することから
    なることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記色素層と配向層との間に、さらにコー
    ティング層を積層、形成することを特徴とする請求項3
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】前記絶縁性基板上に、色素層を形成する前
    又は後にフォトリソマトグラフィー法によってブラック
    マトリックスをさらに積層、形成することを特徴とする
    請求項3又は請求項4に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記ブラックマトリックスの積層、形成
    が、前記電気的に独立するとともに色分解された個別の
    色に対応して配設された透明電極の相互間を電気的に絶
    縁するための絶縁層の形成と同時に行われるものである
    ことを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製
    造方法。
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