JPH068706U - アルミニウム合金製タペット - Google Patents
アルミニウム合金製タペットInfo
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- JPH068706U JPH068706U JP10646291U JP10646291U JPH068706U JP H068706 U JPH068706 U JP H068706U JP 10646291 U JP10646291 U JP 10646291U JP 10646291 U JP10646291 U JP 10646291U JP H068706 U JPH068706 U JP H068706U
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- aluminum alloy
- tappet
- coating layer
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 タペット本体の外周面の耐摩耗性を向上し、
耐久性に優れる内燃機関の動弁機構に用いられるアルミ
ニウム合金製タペットを得る。 【構成】 アルミニウム合金製のタペット本体1の外周
面に、AlとSiとの粉末状混合物又はAlとCr3C2、N
bC等の炭化物との粉末状混合物を肉盛すると、軟質の
Al中に硬質のSiや炭化物が析出して、極めて硬い被覆
層5が形成される。従って、外周面の耐摩耗性は著しく
向上する。
耐久性に優れる内燃機関の動弁機構に用いられるアルミ
ニウム合金製タペットを得る。 【構成】 アルミニウム合金製のタペット本体1の外周
面に、AlとSiとの粉末状混合物又はAlとCr3C2、N
bC等の炭化物との粉末状混合物を肉盛すると、軟質の
Al中に硬質のSiや炭化物が析出して、極めて硬い被覆
層5が形成される。従って、外周面の耐摩耗性は著しく
向上する。
Description
【0001】
本考案は、内燃機関の動弁機構に用いられるアルミニウム合金製のタペットに 係り、特に、耐摩耗性を向上させたタペットに関する。
【0002】
図3は、DOHC式エンジンに多用されている直動型の動弁機構を略示するも ので、(01)はエンジンバルブ、(02)(02)は、エンジンバルブ(01)の軸端部に形成 した環状溝に嵌着された1対のコッタ、(03)は、コッタ(02)に外嵌されたスプリ ングリテーナ、(04)は、シリンダヘッド(05)の下方部分(図示せず)とスプリング リテーナ(03)との間に縮設されたバルブスプリングである。
【0003】 エンジンバルブ(01)の上端部には、上面が閉塞された円筒形のタペット本体(0 6)が、その内底面の中央をエンジンバルブ(01)の軸端と当接させるようにして、 上方より嵌挿されている。
【0004】 タペット本体(06)の上端に形成された有底の円皿状の凹所(07)には、バルブク リアランス調整用のシム(08)が着脱可能に嵌合されている。 エンジンバルブ(01)は、シリンダヘッド(05)にガイドされたタペット本体(06) が、シム(08)の上面と当接する回転カム(09)をもって押動されることにより、開 閉させられる。
【0005】 このような直動型の動弁機構に用いられるタペットは、これまで、その本体を 鋼又は鋳鉄等により成形するのが一般的であったが、最近では、エンジンの高回 転、高出力化の要求と動弁系をより一層軽量化する目的から、タペット本体を鉄 製からアルミニウム合金製へと移行する傾向にある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 しかし、アルミニウム合金製のタペットは、鉄製に比べて機械的強度が小さく 、かつ耐摩耗性も劣るため、特に、互いに同材質のアルミニウム合金製のシリン ダヘッドに組込んだ際、互いの摺動面が早期に摩耗してガタが発生したり、かじ り現象や焼付きが発生したりするなど、耐久性が著しく低下する。
【0007】 本考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、タペット本体とシリ ンダヘッドとの互いの摺動面の耐摩耗性等を向上させることの可能な耐久性に優 れるアルミニウム合金製タペットを提供することを目的としている。
【0008】
上記目的は、上面が閉塞された円筒形をなすアルミニウム合金製タペット本体 の外周面の少なくとも上下部に、AlとSiとを含む混合物の被覆層を形成するか 、又はAlと炭化物系の化合物とを含む混合物の被覆層を形成することにより、 達成することができる。
【0009】
アルミニウム合金製のタペット本体の外周面に、例えば粉体肉盛溶接装置によ り、AlとSiとを含む混合物又はAlと炭化物とを含む混合物を肉盛すると、軟 質のAl中に硬質のSiや炭化物が析出して、極めて硬い被覆層が形成される。
【0010】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は、本考案の第1実施例を示すもので、(1)は、アルミニウム合金、すな わち、Al-Si-Cu-Mg-Fe等の組成物よりなるタペット本体で、上面が閉塞さ れた円筒形に成形されている。タペット本体(1)の上端に形成された円皿状の凹 所(2)には、耐摩耗性金属材料製のシム(3)が着脱可能として嵌合されている。
【0011】 タペット本体(1)の内底面中央には、エンジンバルブ(図示略)の軸端が当接す る耐摩耗性金属材料製のチップ(4)が嵌着されている。 タペット本体(1)の外周面には、Alに、重量比で13〜25%のSiを添加してな る粉末状混合物、あるいはAlに、Cr3C2、NbC、WC、VC、SiC等の炭化 物系化合物を重量比で5〜40%添加してなる粉末状混合物を、例えば粉体肉盛溶 接装置(プラズマアーク溶接装置)により肉盛することにより、所要厚さ(例えば0 .5〜1.0mm)の被覆層(5)が形成されている。
【0012】 上記前者のように、軟質のAlに13〜25%のSiを添加して肉盛を施すと、Si が過共晶化して、Al中にSiの粒子が析出することにより、硬質かつ耐摩耗性に 優れる被覆層(5)が形成される。
【0013】 また後者のように、Alに上述した各種の炭化物を添加して肉盛しても、Al中 に硬質の炭化物が析出するので、上記と同様、耐摩耗性に優れる被覆層(5)が得 られる。
【0014】 図2は、本考案の第2実施例を示すもので、この実施例は、タペット本体(1) の上下部、すなわちエンジンバルブ駆動時において比較的摩耗の発生し易い個所 に、上述と同材料による被覆層(5)(5)を、また比較的摩耗の少ない中間部に、 Alに、Cu、Pb、Snのうちの1種又は複数種を添加した粉末状混合物を肉盛す ることにより、比較的軟質の被覆層(6)を、それぞれ形成したものである。
【0015】 このようにすると、耐摩耗性を損なうことなく、なじみ性を向上させることが でき、しかも中間部の軟質の被覆層(6)が、異物を捕捉して層中に埋め込む、い わゆる異物埋収性を有するようになるため、シリンダヘッドとタペット本体(1) との間の互いの摺動面に切粉等の硬質の異物が入り込んでも、摺動面に傷を付け たり、摩耗を促進させたりすることがない。
【0016】 なお、この第2実施例において、所要幅の硬質の被覆層(5)と軟質の被覆層( 6)とを、タペット本体(1)の外周面全体に交互に、かつ帯状又は波状に肉盛し てもよい。 被覆層(5)又は(6)を形成する手段は、上記粉体肉盛溶接装置に代えて、溶射 等であってもよい。
【0017】
本考案によれば、タペット本体の外周面に、Alの中にSiや炭化物を析出させ た硬質の被覆層を形成したことにより、タペット本体はもとより、これが嵌合さ れるシリンダヘッドの摺動面の耐摩耗性や耐かじり性、耐焼付性等が著しく向上 し、耐久性、信頼性が高まる。 また、タペット本体の中間部に、軟質の被覆層を形成すると、耐摩耗性を損な うことなく、なじみ性や異物埋収性を向上することができる。
【図1】本考案の第1実施例を示すタペットの中央縦断
正面図である。
正面図である。
【図2】本考案の第2実施例を示すタペットの半断面図
である。
である。
【図3】直動型の動弁機構とそれに用いられるタペット
の説明図である。
の説明図である。
(1)タペット本体 (2)凹所 (3)シム (4)チップ (5)(6)被覆層
Claims (4)
- 【請求項1】 上面が閉塞された円筒形をなすアルミニ
ウム合金製タペット本体の外周面の少なくとも上下部
に、AlとSiとを含む混合物の被覆層を形成したことを
特徴とするアルミニウム合金製タペット。 - 【請求項2】 Alに対するSiの割合が、重量比で13〜2
5%である請求項1記載のアルミニウム合金製タペッ
ト。 - 【請求項3】 上面が閉塞された円筒形をなすアルミニ
ウム合金製タペット本体の外周面の少なくとも上下部
に、Alと炭化物系の化合物とを含む混合物の被覆層を
形成したことを特徴とするアルミニウム合金製タペッ
ト。 - 【請求項4】 タペット本体の外周面の中間部に、Al
と、Cu、Pb、Sn、Mgのうちの1種又は複数種を含む
混合物の被覆層が形成されている請求項1ないし3のい
ずれかに記載のアルミニウム合金製タペット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991106462U JP2573030Y2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | アルミニウム合金製タペット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991106462U JP2573030Y2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | アルミニウム合金製タペット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH068706U true JPH068706U (ja) | 1994-02-04 |
JP2573030Y2 JP2573030Y2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=14434244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991106462U Expired - Fee Related JP2573030Y2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | アルミニウム合金製タペット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2573030Y2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6310206U (ja) * | 1986-07-08 | 1988-01-23 | ||
JPH0234763A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Toyota Motor Corp | 摺動部材 |
JPH03217603A (ja) * | 1990-01-22 | 1991-09-25 | Otai Iron Works Co Ltd | 直打式バルブリフタの耐摩耗性処理方法 |
-
1991
- 1991-12-02 JP JP1991106462U patent/JP2573030Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6310206U (ja) * | 1986-07-08 | 1988-01-23 | ||
JPH0234763A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Toyota Motor Corp | 摺動部材 |
JPH03217603A (ja) * | 1990-01-22 | 1991-09-25 | Otai Iron Works Co Ltd | 直打式バルブリフタの耐摩耗性処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2573030Y2 (ja) | 1998-05-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |