JP3311802B2 - 内燃機関用クロスヘッド - Google Patents
内燃機関用クロスヘッドInfo
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- JP3311802B2 JP3311802B2 JP34528392A JP34528392A JP3311802B2 JP 3311802 B2 JP3311802 B2 JP 3311802B2 JP 34528392 A JP34528392 A JP 34528392A JP 34528392 A JP34528392 A JP 34528392A JP 3311802 B2 JP3311802 B2 JP 3311802B2
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- Japan
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- crosshead
- rocker arm
- combustion engine
- internal combustion
- valve stem
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】近年、内燃機関の性能向上を目的
として吸気用に2つのバルブを用い排気用にも2つのバ
ルブを用いる所謂4バルブエンジンや、吸気用に2つの
バルブを用い排気用に1つのバルブを用いる3バルブエ
ンジンが多く用いられるようになってきた。本発明は、
このように1つのカムで複数のバルブの開閉を行なわせ
るのに用いられるクロスヘッドに関するものである。
として吸気用に2つのバルブを用い排気用にも2つのバ
ルブを用いる所謂4バルブエンジンや、吸気用に2つの
バルブを用い排気用に1つのバルブを用いる3バルブエ
ンジンが多く用いられるようになってきた。本発明は、
このように1つのカムで複数のバルブの開閉を行なわせ
るのに用いられるクロスヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロスヘッドはロッカーアームからの駆
動をバルブステム部に伝達する役割を果たすため、強度
にすぐれしかもバルブステムエンド部およびロッカーア
ームに対する摺動面に耐摩耗性が必要とされる。従来の
クロスヘッドは図2に示すように、材質がスチール鍛造
であるが、スチール材は被削性の面において面粗度が出
にくいという問題がある。たとえばガイド穴については
ドリル加工だけでは不十分なため、リーマ加工を施して
いる。バルブステムエンド部についても、形状的に目的
とする面粗度(6.3 Z)を確保できないため、浸炭焼入
れを施したチップを挿入して耐摩耗性の向上を図ってい
る。また、ロッカーアームとのすべり面についても焼結
材のチップを圧入して耐摩耗性を向上させており、いず
れにしてもスチール材を母材とした場合、面粗度が出に
くく、耐摩耗性向上のためには部品も工数も要するとい
う問題があった。
動をバルブステム部に伝達する役割を果たすため、強度
にすぐれしかもバルブステムエンド部およびロッカーア
ームに対する摺動面に耐摩耗性が必要とされる。従来の
クロスヘッドは図2に示すように、材質がスチール鍛造
であるが、スチール材は被削性の面において面粗度が出
にくいという問題がある。たとえばガイド穴については
ドリル加工だけでは不十分なため、リーマ加工を施して
いる。バルブステムエンド部についても、形状的に目的
とする面粗度(6.3 Z)を確保できないため、浸炭焼入
れを施したチップを挿入して耐摩耗性の向上を図ってい
る。また、ロッカーアームとのすべり面についても焼結
材のチップを圧入して耐摩耗性を向上させており、いず
れにしてもスチール材を母材とした場合、面粗度が出に
くく、耐摩耗性向上のためには部品も工数も要するとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点に着目してなされたもので、母材として被削
性の良い材質を用い、耐摩耗性にすぐれたクロスヘッド
を提供することを目的とする。
来の問題点に着目してなされたもので、母材として被削
性の良い材質を用い、耐摩耗性にすぐれたクロスヘッド
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、クロスヘッドの母材をCuを0.2 〜1.2 %含
む球状黒鉛鋳鉄とし、耐摩耗性の必要とされるバルブス
テムエンド当り部およびロッカーアームからの駆動をう
けるすべり面にはそれぞれ特定した硬度を有する高周波
焼入れ層を形成したクロスヘッドとした。
本発明は、クロスヘッドの母材をCuを0.2 〜1.2 %含
む球状黒鉛鋳鉄とし、耐摩耗性の必要とされるバルブス
テムエンド当り部およびロッカーアームからの駆動をう
けるすべり面にはそれぞれ特定した硬度を有する高周波
焼入れ層を形成したクロスヘッドとした。
【0005】
【作用】本発明は上記手段により、部品点数をふやすこ
となく、耐摩耗性の向上したクロスヘッドを提供でき
る。また高周波焼入れの条件を各種設定することによ
り、耐摩耗性のグレードに応じた硬度をもった高周波焼
入れ層を形成することができる。
となく、耐摩耗性の向上したクロスヘッドを提供でき
る。また高周波焼入れの条件を各種設定することによ
り、耐摩耗性のグレードに応じた硬度をもった高周波焼
入れ層を形成することができる。
【0006】
【実施例】以下、図面に従って本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明のクロスヘッド1の使用状態を示す一
部断面側面図を示すものである。クロスヘッド母材の鋳
鉄は、Cuを0.2 〜1.2 %含む球状黒鉛鋳鉄である。C
uの添加により母材の基地をしめ、強度アップをはかっ
ているが、Cuが0.2%未満であると充分な引張り強さ
が得られず、1.2 %を超えても効果が変わらなくなるた
めCuの添加量を0.2 〜1.2 %と設定した。本発明の一
例として、引張り強さ686MPaの条件を満たすクロスヘッ
ドの材料成分を表1に示す。
る。図1は本発明のクロスヘッド1の使用状態を示す一
部断面側面図を示すものである。クロスヘッド母材の鋳
鉄は、Cuを0.2 〜1.2 %含む球状黒鉛鋳鉄である。C
uの添加により母材の基地をしめ、強度アップをはかっ
ているが、Cuが0.2%未満であると充分な引張り強さ
が得られず、1.2 %を超えても効果が変わらなくなるた
めCuの添加量を0.2 〜1.2 %と設定した。本発明の一
例として、引張り強さ686MPaの条件を満たすクロスヘッ
ドの材料成分を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】これらの材料を鋳造、焼準し、機械加工を
行なうが、被削性の良い球状黒鉛鋳鉄を用いたことで面
粗度を容易に確保できる。本発明のクロスヘッド1は、
耐摩耗性の必要とされるバルブステム3との接触部、す
なわちバルブステムエンド当り部11に高周波焼入れ層
21が形成されている。もう一方のバルブ81のバルブ
ステムエンド82は、バルブアジャストスクリュー9と
接触するようになっており、これは公知の方法によって
構成されている。バルブアジャストスクリュー9は極め
て耐摩耗性のある鋼で製作されているため、特に耐摩耗
性の為の処理は不要である。また、ロッカーアーム4か
らの駆動をうけるすべり面12にも高周波焼入れ層22
が形成されている。これにより従来のスチール材を母材
とし、焼結材チップ6や浸炭焼入れチップ7を圧入した
スチール製クロスヘッド5に比べて、部品点数も少な
く、優れた耐摩耗特性をもったクロスヘッドを提供でき
る。使用に供するために必要とされる引張り強さ70k
g/mm2以上のクロスヘッドを得るための高周波焼入
れ条件は、表2に示す如く設定する。
行なうが、被削性の良い球状黒鉛鋳鉄を用いたことで面
粗度を容易に確保できる。本発明のクロスヘッド1は、
耐摩耗性の必要とされるバルブステム3との接触部、す
なわちバルブステムエンド当り部11に高周波焼入れ層
21が形成されている。もう一方のバルブ81のバルブ
ステムエンド82は、バルブアジャストスクリュー9と
接触するようになっており、これは公知の方法によって
構成されている。バルブアジャストスクリュー9は極め
て耐摩耗性のある鋼で製作されているため、特に耐摩耗
性の為の処理は不要である。また、ロッカーアーム4か
らの駆動をうけるすべり面12にも高周波焼入れ層22
が形成されている。これにより従来のスチール材を母材
とし、焼結材チップ6や浸炭焼入れチップ7を圧入した
スチール製クロスヘッド5に比べて、部品点数も少な
く、優れた耐摩耗特性をもったクロスヘッドを提供でき
る。使用に供するために必要とされる引張り強さ70k
g/mm2以上のクロスヘッドを得るための高周波焼入
れ条件は、表2に示す如く設定する。
【0009】
【表2】
【0010】ロッカーアームとのすべり面12はバルブ
ステムエンド部11より2倍の荷重をうけ、使用条件が
苛酷である。従って高度な耐スカッフィング性及び耐摩
耗性を要求されるため、ここに形成する高周波焼入れ層
の硬さはHRC57 以上とした。一方バルブステムエンド当
たり部は、ロッカーアームとのすべり面ほど苛酷ではな
いが耐摩耗性及び耐スカッフィング性を要求されるた
め、ここに施す高周波焼入れ層の硬さはHRC50 以上とし
た。高周波焼入れの条件を各種設定すれば、耐摩耗性の
グレードに応じた硬度を求めることができ、要求に応じ
た硬度をもった高周波焼入れ層を形成することができ
る。
ステムエンド部11より2倍の荷重をうけ、使用条件が
苛酷である。従って高度な耐スカッフィング性及び耐摩
耗性を要求されるため、ここに形成する高周波焼入れ層
の硬さはHRC57 以上とした。一方バルブステムエンド当
たり部は、ロッカーアームとのすべり面ほど苛酷ではな
いが耐摩耗性及び耐スカッフィング性を要求されるた
め、ここに施す高周波焼入れ層の硬さはHRC50 以上とし
た。高周波焼入れの条件を各種設定すれば、耐摩耗性の
グレードに応じた硬度を求めることができ、要求に応じ
た硬度をもった高周波焼入れ層を形成することができ
る。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、クロスヘッドの母
材をCuを0.2 〜 1.2%含む球状黒鉛鋳鉄にしたこと
で、被削性の点で面粗度を確保でき、またバルブステム
エンド当り部及びロッカーアームとのすべり面にそれぞ
れ特定の硬さを有する高周波焼入れ層を形成することで
耐摩耗性を向上させることができる。しかも高周波焼入
れの条件を変えることで、耐摩耗性のグレードに応じた
硬度のコントロールができる。
材をCuを0.2 〜 1.2%含む球状黒鉛鋳鉄にしたこと
で、被削性の点で面粗度を確保でき、またバルブステム
エンド当り部及びロッカーアームとのすべり面にそれぞ
れ特定の硬さを有する高周波焼入れ層を形成することで
耐摩耗性を向上させることができる。しかも高周波焼入
れの条件を変えることで、耐摩耗性のグレードに応じた
硬度のコントロールができる。
【図1】本発明の、クロスヘッドの使用状態を示す一部
断面側面図。
断面側面図。
【図2】従来の、スチール製クロスヘッドの使用状態を
示す一部断面側面図。
示す一部断面側面図。
【図3】第1図に示す本発明のクロスヘッドの平面図。
1.クロスヘッド 11.バルブステムエンド当り部 12.ロッカーアームからの駆動をうけるすべり面 21.22.高周波焼入れ層 3.バルブステム 4.ロッカーアーム 5.スチール製クロスヘッド 6.焼結材チップ 7.浸炭焼入れチップ 8.81.バルブ 82.バルブステムエンド 9.バルブアジャストスクリュー
Claims (1)
- 【請求項1】 Cuを重量%で0.2〜1.2%含む球状黒鉛鋳
鉄に機械加工を施して、製作された内燃機関用クロスヘ
ッドに於て、バルブステムエンド当り部およびロッカー
アームとのすべり面に高周波焼き入れ層を形成し、該ス
テムエンド当り部の高周波焼入れ層は硬度がHRC50〜57
であり、一方ロッカーアームとのすべり面に設けられた
高周波焼入れ層の硬度はHRC57〜64であることを特徴と
する内燃機関用クロスヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34528392A JP3311802B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 内燃機関用クロスヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34528392A JP3311802B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 内燃機関用クロスヘッド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06167204A JPH06167204A (ja) | 1994-06-14 |
| JP3311802B2 true JP3311802B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=18375547
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34528392A Expired - Fee Related JP3311802B2 (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 内燃機関用クロスヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3311802B2 (ja) |
-
1992
- 1992-11-30 JP JP34528392A patent/JP3311802B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06167204A (ja) | 1994-06-14 |
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Legal Events
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