JPH0686943B2 - 冷暖房、加湿、除湿，外気処理兼用空調機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は室内の天井近辺、床面、異方向等に該室内の環
境に適した冷暖気を同時にあるいは異別に送給すると共
にその都度必要において新鮮な外気をも同時に給配し理
想的な室内環境を期待求めようとする暖房、加湿、除
湿、外気処理兼用空調機に関する。

［従来の技術］ 従来、展示場、会場等の如く、人が多数集合する室内で
は該集合密度、窓際、日陰等夫々の室内の環境状体によ
っては温度差が著しく異なる場合がある。

従って、かかる温度の異なる室内には夫々に応じた冷暖
気を給配することは当然のことであるが、殊に近時イン
テリジェントビルにおいてはOA機器、コンピュター機器
の使用が多くなり、これらの発熱量によっては室内が冬
季であっても冷房を必要とする場合が生じ、その反面、
インテリア部分の如く人の居る場所では暖房を必要とす
る矛盾が生じている。

またかかる暖房の手段として暖房効率等の観点から鑑み
て床面から暖風を吹出し、その反面天井より冷風を送気
する形式の空調機が最も理想的であると謂われている
が、現状ではこれらの機構として冷房系統と暖房系統等
全く作用系統の異なった複数の空調機を用い無くてはな
らない。

しかも新鮮な外気をも同時に必要とする場合には上記機
器に更に外気排気処理用としての空調機を異別に設置し
なければならなかったのである。

しかるに上記の如く冷暖系統の全く相異とする空調機を
各異別に設置することはダクト配設が非常に複雑多雑と
なり、故に故障の懸念、設置場所の制約、高価となる原
因であった。

［発明が解決しょうとする課題］ 本発明は上記、欠点を根本的に解決しようとするもので
あって室内における冷暖気の供給分布を、例えば天井付
近に冷気を、床面より暖気等全く異質の冷暖空気を異方
向より同時に、あるいは異方向に送風し、更に必要にお
いて必要量外気をも給配し該室内の環境に最適な空調展
開を常時期待求めようとするのをその主な目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記問題点に鑑みて一台の機器内に冷房系統
と暖房系統及び外気処理系統等全く異質系統の機構を一
体的に構成し、上記各系列内に配置せる送風切換用ダン
パーの切換え操作を行わしめることによって従来機の如
く種々異別の冷暖機器を設置することなく該室内の状況
環境等に応じて室内の一方に所定量の冷気を、また他方
に暖気等全く異温の冷暖風を同時に、あるいは各異別方
向に送給可能とした冷暖房、加湿、除湿、外気処理兼用
等多用型の空調機を提供しようとするものである。

また上記、冷暖気送給時の配風量をより効率的とするが
ために請求項第項記載の如く送風分岐チャンバーにお
いて、送風機の送風口の前方位置に風流調整機構を可動
自在に配設し、送風機送風口より冷却、加熱チャンバー
への分流送風量を任意自在に変更切換え調整行わしめる
ように構成したことをその特徴としている冷暖房、加
湿、除湿、外気処理兼用空調機を提供しょうとするもの
である。

［作用］ 本発明に係る空気調和機は、室内または室外に設置し、
外気取入口、還気口を室内の空気受入側、外気導入口、
室外排気口等の部分に連結し、一方の分岐チャンバーの
送風口をダクト配設して室内の天井、床面等に開設せる
室内吹出口に各連接する。

因みにこの場合は冷却チャンバーよりの冷気は天井吹出
口より室内上層部に、また一方の加熱チャンバーよりの
温風は床下ダクトを通して床面送風口より室内下方に暖
房を供与する。

また、これ等の冷暖房供給手段の変更調整は各チャンバ
ー間の送風通路に設置されている送風切換用ダンパー、
風量調整ダンパー等による開閉操作にて容易に求めるこ
とが出来得るのである。

即ち室内の環境等に応じて上記各ダンパーを操作させ天
井、床面等室内の各方向にその都度必要とする熱量の冷
暖気を、また同時に加湿、除湿空気、外気等をも必要個
所に確実簡単に送給を行なわしめることが出来得るので
ある。

以下にてその一例としての作用状態とダンパー操作を説
明する。

なお夫々の符号は実施例の符号を参照されたい。

Ａ室内上層部を冷房する場合・・ ダンパー（ａ）（ｂ）を開き（ｄ）（ｃ）（ｆ）を閉
じ、（ｇ）を開くと、冷風が天井送風口より吹出し主と
して室内の上層部を冷房する。

Ｂ室内上層部を冷房、床面を暖房する場合・・ ダンパー（ｃ）（ｆ）を閉じ、他の全てのダンパー
（ａ）（ｂ）（ｇ）及び（ｄ）（ｅ）（ｈ）（ｊ）を開
くと、送風機よりの送風が冷却、加熱チャンバーに分離
送風し、室内上層部に冷風を、床面付近に暖気を供給す
る。

また場合によっては、ダンパー（ｃ）を開閉させて加
湿、除湿された空気を上記上下冷暖風の送給と同時に室
内に吹出すことが出来得る。

Ｃ室内床面付近を暖房する場合・・ ダンパー（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｆ）を閉じ（ｄ）（ｅ）
（ｈ）を開くと、暖気が下方に流れて室内床面を暖房す
る。

Ｄ室内の上層または下層等に必要とする冷、暖房を供給
する場合・・・ ダンパー（ｂ）（ｈ）を閉じ、（ｆ）（ｇ）を開くこと
によって、暖気のみが上方に流れて室内の高所を序々に
暖房する。

また（ａ）（ｂ）（ｃ）を閉じ、他のダンパーを全て開
くと、上下に暖気が同時に流れて室内を急速に暖房す
る。

また上記の送気時にダンパー（ｃ）を開閉操作させて室
内の上下に暖気の送給と同時に必要とする加湿を送給す
ることも出来得る。

更に上記、夫々のダンパー操作によっては一方に加湿空
気を、一方に除湿空気等異別の空気を送給することも可
能である。

Ｅ外気の全量または一部を必要とする場合・・ （ｊ）を開き（ｉ）を閉じ（ｋ）を開くことによって外
気の全量が冷却、加熱チャンバーの送風通路に流れる。
また（ｋ）ダンパーの調整によりその風量を容易に変更
調整を行わしめるが出来得る。

なお（１）ダンパーを閉路することによって全外気によ
る熱交換が行われることは謂うまでもない。また外気の
一部のみを必要とする場合には（ｊ）（ｉ）を開き上記
と同様に（ｋ）ダンパーを操作させ必要量の外気を取入
れし不必要量の空気を機外に排気する。

以上の如く各ダンパーの操作によって・・・ Ａ＝室内上部に冷気のみを、 Ｂ＝上部に冷気を下部に暖気を、 Ｃ＝上部及び下部に冷気を、 または上部と下部に暖気を同時に、 Ｄ＝上部に冷気を、下部に除湿空気を、 あるいは上下全体に除湿空気を、 必要において加湿空気を夫々に、 Ｅ＝オール外気にて熱交換を、 あるいはその一部を室内に導入する等室内の環境、方位
に最適な冷暖気の供給はもち論、同時に必要とする加
湿、除湿空気を単なるダンパー操作によって容易に求め
ることが出来得るのである。

また分岐チャンバー８内の風流調整板（27）の調整によ
って冷却、加熱チャンバー9,10への送風量を容易に調整
可能である。

［実施例］ 以下、本発明の実施例構造を図面に付いて説明すると、
機体１の内部一方に送風機２、電動機３等を設置して送
風チャンバー４を形成し、該チャンバー４の上部に還気
口７を開口設け、その内部にメインフィルター５、プレ
フィルター６を斜設配置する。

かかる送風チャンバー４の前方に分岐チャンバー８を連
接すると共に上部に冷却コイル11、ドレンパン12を設置
せる冷却チャンバー９を、また該冷却チャンバー９の下
部に加熱コイル13、加湿器14等の必要機構を夫々箇所に
設置せる加熱チャンバー10を一体的併列上に連接する。

なお上記加熱コイル13の設置位置は冷却コイル11の設置
位置よりも少なくとも前方寄りの位置に設置する。

更に上部に送気口16を、下部に下部送気口17を開口設
け、旦つ内部に送風路18を形成せる送気分岐チャンバー
15を上記、冷却、過熱チャンバー9,10の送気側に一体的
に連接すると共に上記送気口16,17を天井側ダクト
（ア）床下側ダクト（イ）に夫々を連結する。

また外気処理側空調機は機体上部に外気取入口19排気口
20を夫々開口設け，機内に上記両口19、20を連通するＵ
形状送風路21及び分岐チャンバー22を形成し、旦つ該送
風通路21内にプレフィルター23,全熱交換器24,電動機2
5、送風機25を各配設すると共に上記分岐チャンバー22
に送風通路切換、分流用ダンパー（ｋ）を付設し送風通
路21内を通流する外気の一部または全量を上記、空調機
の送風チャンバー４の送風通路にまたは排気口20に変更
自在に送流すべく構成した外気処理機機構を上記冷暖房
空調機の送風チャンバー４の隣接側に一体的に連接形成
する。

また送風分岐チャンバー８内の送風機２送風口２の前方
位置に適宜形状の風流調整板27を調整機構として手動、
電動式により風流変更調整可動自在に配設するか、ある
いは冷却、加熱チャンバー９、10の通気口28,29に配設
した送風通路切換、分流ダンパー（ａ），（ｄ）と連動
連結して冷却、加熱チャンバー９、10への分流送風量を
自動的に任意に変更調整行わしめることも出来得る。

なお上記冷却、加熱チャンバー9,10の他方側の通気出口
30,31には通気口ダンパー（ｂ）（ｅ）を、また該冷
却、加熱チャンバー９、10の連通口32に送風通路切換、
分流ダンパー（ｃ）を開閉自在に設け、送気分岐チャン
バー15の送風路18、連通口33に上下通風路切換用ダンパ
ー（ｆ）を、上下送気口16,17に送風口開閉ダンパー
（ｇ）（ｈ）を、また還気口７に還気口ダンパー（ｌ）
を、外気取入口19,排気口20には外気口ダンパー（ｊ）
排気口ダンパー（ｉ）を各可動自在に配設する。

本発明は上記各タンパーの切換えならびに風流調整板27
の操作によって作用の項にて述べた如く、必要量の冷、
暖気を室内の環境に応じて任意自在に送給求めることが
出来得るのである。

また上記構造は横置型空調機を例示したものであるがか
かる構造を利用して縦置型空調機等他の空調機に併設す
ることも出来得る。

［効果］ 以下の如く本発明は送風チャンバー、分岐チャンバー、
冷却、加熱の両チャンバ、送気チャンバー、各チャンバ
ー及び外気処理空調機を一体的に連接配置し、旦つ上記
各チャンバーの送風通路及び通送気入出口部分の夫々に
送風通路切換用ダンパー（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）
（ｅ）（ｆ）（ｇ）（ｈ）（ｉ）（ｊ）（ｋ）を各冷暖
通路変更切換え自在に設けてなるものであるから、これ
らのダンパーを単に開閉操作行わしめることによって室
内の温度環境等に応じて冷、暖気はもとより加湿除湿等
最適な空調分布を容易に求めることが出来得るのであ
る。

従って従来の如く冷房、暖房の冷暖系統の相異とする空
調機を毛頭必要とすることなく一台の空調機にて同室
内、あるいは複数の室内に温度の異なる冷暖気を同時
に、例えば室内天井近辺に冷気を、また床面付近に暖気
を容易に供給出来得るはもち論、異方向に対して送風可
能とし以て理想的な室内環境を常時保持出来得る効果を
有している。

しかも上記冷暖気の空調時において、外気を必要とする
場合には風流変更調整用ダンパーを単に操作するのみに
て必要量の全量、または一部の外気を容易に取入れ可能
となりより有効にて経済的な熱効率を求め得られると共
に機体全体形状を小型化コンパクトに形成出来得る等の
効果を併せ有するものである。

また請求項第項の風流調整機構によって冷却、加熱チ
ャンバーの風量の微調整までを容易確実に行わしめるこ
とが出来得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る冷暖房、加湿、除湿 外気処理兼用空調機の内部機構を略解的に 示す横置型空調機の正面図、 第２図は同上、平面図である。 符号の説明 ４……送風チャンバー、８……分岐チャンバー ９……冷却チャンバー、10……加熱チャンバー 15……送気チャンバー、22……外気側分岐チャンバー ２……送風機、11……冷却コイル、12……加熱コイル 24……全熱交換器、26……送風機、27……風流調整板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機体の一方に送風機、電動機等の送風機構
   を配設した送風チャンバーを、該送風機送風口前方に分
   岐チャンバーを連接し、該分岐チャンバーと隣接に送風
   通路内に冷却コイルを設置せる冷却チャンバーを、また
   該冷却チャンバーと併列に加熱コイル、加湿器等の諸機
   構を配置してなる加熱チャンバーを一体的に併設し、該
   両チャンバーの送気側に上部及び下部、左右、等適宜箇
   所に冷暖送風系列毎に数個の送気口を開口設けた分岐チ
   ャンバーを一体的に連接すると共に、上記冷却チャンバ
   ー、加熱チャンバーの送気出入口、及び両側チャンバー
   間、分岐チャンバーの送風路内、送気口の夫々個所に送
   風通路切換、分流ダンパーを各通路切換自在に配設して
   なる冷暖房兼用空調機と上記送風チャンバーの隣接側
   に、上部に外気取入口、排気口を開口設け、機内に該両
   口を連通する送風通路及び分岐チャンバーを形成し、該
   送風通路内にフィルター、全熱交換器、電動機、送風機
   等の諸機構を適宜に配設すると共に該分岐チャンバーの
   送風通路内に風流変更分流ダンパーを付設し、外気取入
   口より機内に導入せる外気の一部または全量を上記冷暖
   房兼用空調機の送風通路に送流または排気すべく構成し
   てなる外気処理空調機を一体的に連接せしめたことを特
   徴とする冷暖房、加湿、除湿、外気処理兼用空調機。
2. 【請求項２】上記冷暖房、加湿、除湿、外気処理兼用空
   調機の送風分岐チャンバーにおいて、送風機の送風口の
   前方位置に風流調整板を可動自在、または冷却チャンバ
   ー、加熱チャンバーの通気口の送風通路切換、分流ダン
   パーに連動連結しなる風流調整機構を配設し、冷却、加
   熱チャンバーへの送風量を任意自在に変更調整行わしめ
   るように構成したことを特徴とする請求項第項記載の
   冷暖房、加湿、除湿、外気処理兼用空調機。