JPH0686522B2 - 新規なポリイミドの製造法 - Google Patents
新規なポリイミドの製造法Info
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- JPH0686522B2 JPH0686522B2 JP30302591A JP30302591A JPH0686522B2 JP H0686522 B2 JPH0686522 B2 JP H0686522B2 JP 30302591 A JP30302591 A JP 30302591A JP 30302591 A JP30302591 A JP 30302591A JP H0686522 B2 JPH0686522 B2 JP H0686522B2
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- acid
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリイミドの製造
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、優れた耐熱性を有する樹脂として
ポリイミドは広く知られている。ポリイミドは一般にジ
アミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で反応させ
て、ポリアミド酸を生成し、これを脱水閉環するかまた
はジイソシアネートとテトラカルボン酸二無水物を反応
させて直接ポリイミドを生成させる等の方法で得られて
いる。
ポリイミドは広く知られている。ポリイミドは一般にジ
アミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で反応させ
て、ポリアミド酸を生成し、これを脱水閉環するかまた
はジイソシアネートとテトラカルボン酸二無水物を反応
させて直接ポリイミドを生成させる等の方法で得られて
いる。
【0003】こうして得られるポリアミド酸およびポリ
アミドの特性は用いるジアミン、ジイソシアネート、テ
トラカルボン酸二無水物等の選択と、それらの組み合わ
せで定まり、従来耐熱性に優れるもの、可とう性に富む
もの、溶解性に優れるもの等種々知られている。例えば
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット
酸二無水物から得られる式〔III〕で表わされる構造単
位をもつポリイミドは
アミドの特性は用いるジアミン、ジイソシアネート、テ
トラカルボン酸二無水物等の選択と、それらの組み合わ
せで定まり、従来耐熱性に優れるもの、可とう性に富む
もの、溶解性に優れるもの等種々知られている。例えば
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット
酸二無水物から得られる式〔III〕で表わされる構造単
位をもつポリイミドは
【化3】 非常に優れた可とう性を有することが知られている。し
かしながら、この構造単位を生成する中間体のポリアミ
ド酸は、溶媒に対する溶解性が低く、高濃度の溶液とす
ることが困難である。またポリイミドとした場合、エー
テル結合が水分等の影響で解離しやすく、耐熱性に劣る
欠点を有している。
かしながら、この構造単位を生成する中間体のポリアミ
ド酸は、溶媒に対する溶解性が低く、高濃度の溶液とす
ることが困難である。またポリイミドとした場合、エー
テル結合が水分等の影響で解離しやすく、耐熱性に劣る
欠点を有している。
【0004】上記のポリアミド酸の溶解性を良好にする
ためには、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物を用いて得られる式〔IV〕
ためには、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物を用いて得られる式〔IV〕
【化4】 で表わされる構造単位等の芳香環の間に自由度の高い結
合を導入することが効果的であるが、この場合、前述の
様に解離しやすい結合の増加により耐熱性の低下をまね
く。また耐熱性を向上させるためには、p−フェニレン
ジアミンとピロメリット酸二無水物を用いて得られる式
〔V〕
合を導入することが効果的であるが、この場合、前述の
様に解離しやすい結合の増加により耐熱性の低下をまね
く。また耐熱性を向上させるためには、p−フェニレン
ジアミンとピロメリット酸二無水物を用いて得られる式
〔V〕
【化5】 で表わされる構造単位とすることが考えられるが、この
構造単位を主成分として有するポリイミドは極めて剛直
なため、可とう性をもつフィルムとすることが困難であ
る。これら種々特性のバランスを取るため、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い
た式〔VI〕
構造単位を主成分として有するポリイミドは極めて剛直
なため、可とう性をもつフィルムとすることが困難であ
る。これら種々特性のバランスを取るため、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い
た式〔VI〕
【化6】 で表わされる構造単位が提案されており、ポリイミドと
した場合の可とう性、耐熱性は良好な結果が得られてい
る。しかし、用いる酸無水物すなわち3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の溶媒に対
する溶解性が非常に低いため、ポリアミド酸を高濃度で
得ることが難しい、ポリアミド酸の生成反応に長時間を
有する等の製造上の欠点を有する他、ポリアミド酸から
脱水閉環してポリアミドとする場合にも、溶媒の揮散、
脱水等が均一に行なわれないと、ポリイミドが白濁する
等の欠点を有している。
した場合の可とう性、耐熱性は良好な結果が得られてい
る。しかし、用いる酸無水物すなわち3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の溶媒に対
する溶解性が非常に低いため、ポリアミド酸を高濃度で
得ることが難しい、ポリアミド酸の生成反応に長時間を
有する等の製造上の欠点を有する他、ポリアミド酸から
脱水閉環してポリアミドとする場合にも、溶媒の揮散、
脱水等が均一に行なわれないと、ポリイミドが白濁する
等の欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
従来得られなかったレベルの耐熱性、可とう性、ポリア
ミド酸の溶解性等を示し、工業的に容易に製造され得る
ポリイミドについて鋭意検討を重ねた結果本発明に至っ
たものである。
従来得られなかったレベルの耐熱性、可とう性、ポリア
ミド酸の溶解性等を示し、工業的に容易に製造され得る
ポリイミドについて鋭意検討を重ねた結果本発明に至っ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタ−ターフ
ェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸、その
無水物またはそのエステルとジアミンとを溶媒中で反応
させて一般式〔I〕
ェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸、その
無水物またはそのエステルとジアミンとを溶媒中で反応
させて一般式〔I〕
【化7】 (式中Rは水素原子又は一価の炭化水素基、R′は二価
の炭化水素基を示す)で表わされる構造単位を含む新規
なポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを得、つい
で該ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを100
〜350℃で熱処理する一般式〔II〕
の炭化水素基を示す)で表わされる構造単位を含む新規
なポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを得、つい
で該ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを100
〜350℃で熱処理する一般式〔II〕
【化8】 (式中R′は二価の炭化水素基を示す)で表わされる構
造単位を含む新規なポリイミドの製造法に関するもので
ある。
造単位を含む新規なポリイミドの製造法に関するもので
ある。
【0007】本発明の新規なポリイミドは、次の一般式
〔VII〕で示される
〔VII〕で示される
【化9】 新規なメタ−ターフェニル−3,4,3″,4″−テト
ラカルボン酸、その無水物またはそのエステルとジアミ
ンとを溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸または
ポリアミド酸エステルを用いて得られる。これらの酸お
よび、その無水物は新規な化合物であって次式〔VII
I〕で示されるダブルクロスカップリング反応によって
製造することができる。
ラカルボン酸、その無水物またはそのエステルとジアミ
ンとを溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸または
ポリアミド酸エステルを用いて得られる。これらの酸お
よび、その無水物は新規な化合物であって次式〔VII
I〕で示されるダブルクロスカップリング反応によって
製造することができる。
【化10】 (ここでX1及びX2は塩素、臭素またはヨウ素を表わ
す。)
す。)
【0008】例えばメタ−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸およびその二無水物の場
合、4−ハロゲノ−オルト−キシレンを常法に従って金
属マグネシウムと反応させ、グリニヤール試薬としたの
ちこれにメタジハロゲノベンゼンとニッケル金属錯体触
媒を加えてダブルクロスカップリング反応によってテト
ラメチル−メタ−ターフェニルとする。これを過マンガ
ン酸塩、硝酸、液相空気酸化等によってメタ−ターフェ
ニルテトラカルボン酸とし、この後、加熱あるいは無水
酢酸によってメタ−ターフェニルテトラカルボン酸二無
水物とすることができる。
3″,4″−テトラカルボン酸およびその二無水物の場
合、4−ハロゲノ−オルト−キシレンを常法に従って金
属マグネシウムと反応させ、グリニヤール試薬としたの
ちこれにメタジハロゲノベンゼンとニッケル金属錯体触
媒を加えてダブルクロスカップリング反応によってテト
ラメチル−メタ−ターフェニルとする。これを過マンガ
ン酸塩、硝酸、液相空気酸化等によってメタ−ターフェ
ニルテトラカルボン酸とし、この後、加熱あるいは無水
酢酸によってメタ−ターフェニルテトラカルボン酸二無
水物とすることができる。
【0009】本発明においては、メタ−ターフェニルテ
トラカルボン酸およびその無水物は必要に応じ二種以上
を併用することができる。また、本発明の新規なポリア
ミド酸もしくはポリアミド酸エステルおよびポリイミド
は前述した式〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕の
様な他の構造単位を必要に応じて含むことも可能であ
り、そのためには、例えばピロメリット酸二無水物、
3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物あるいは4,4′−スルホニルジフタル酸
二無水物等の公知の酸無水物やその開環酸が併用され
る。
トラカルボン酸およびその無水物は必要に応じ二種以上
を併用することができる。また、本発明の新規なポリア
ミド酸もしくはポリアミド酸エステルおよびポリイミド
は前述した式〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕の
様な他の構造単位を必要に応じて含むことも可能であ
り、そのためには、例えばピロメリット酸二無水物、
3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物あるいは4,4′−スルホニルジフタル酸
二無水物等の公知の酸無水物やその開環酸が併用され
る。
【0010】また、本発明に用いられるジアミン化合物
としては、例えば4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルサルファイド、ベンジジン、メタフェニレンジア
ミン、パラフェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジ
アミン、2,6−ナフタレンジアミンなどの芳香族ジア
ミン化合物、次の一般式〔IX〕で表わされるジアミノ
シロキサン化合物、例えば
としては、例えば4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルサルファイド、ベンジジン、メタフェニレンジア
ミン、パラフェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジ
アミン、2,6−ナフタレンジアミンなどの芳香族ジア
ミン化合物、次の一般式〔IX〕で表わされるジアミノ
シロキサン化合物、例えば
【化11】 (Rは二価の炭化水素基、R′は一価の炭化水素基であ
り、R,R′は同じでも異なってもよく、mは1以上の
整数である)
り、R,R′は同じでも異なってもよく、mは1以上の
整数である)
【化12】 等の化合物も用いることができる。
【0011】また、生成するポリイミドに、より優れた
耐熱性を付与するために、ジアミン化合物として一般式
〔X〕
耐熱性を付与するために、ジアミン化合物として一般式
〔X〕
【化13】 (式中、Arは芳香族基、YはSO2又はCOを示し、
1個のアミノ基とY−NH2とは互いにオルト位に位置
する。)で表わされるジアミノアミド化合物、例えば
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−
スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン−3−スルホンアミド、3,4′−
ジアミノジフェニルメタン−4−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−スルホンアミ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4−スルホ
ンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3
−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン−3′−スルホンアミド、3,3′−ジア
ミノジフェニルスルホン−4−スルホンアミド、4,
4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−スルホン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−
4−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサ
ルファイド−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミド、1,
4−ジアミノベンゼン−2−スルホンアミド、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボンアミド、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′
−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエー
テル−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン−4−カルボンアミド、3,4′−ジ
アミノジフェニルメタン−3′−カルボンアミド、3,
3′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3−カル
ボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−
4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホン−4−カルボンアミド、4,4′−ジ
アミノジフェニルサルファイド−3−カルボンアミド、
3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−カル
ボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサルファイ
ド−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニ
ルサルファイド−3′−スルホンアミドあるいは1,4
−ジアミノベンゼン−2−カルボンアミドなどの化合物
や、一般式〔XI〕
1個のアミノ基とY−NH2とは互いにオルト位に位置
する。)で表わされるジアミノアミド化合物、例えば
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−
スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン−3−スルホンアミド、3,4′−
ジアミノジフェニルメタン−4−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−スルホンアミ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4−スルホ
ンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3
−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン−3′−スルホンアミド、3,3′−ジア
ミノジフェニルスルホン−4−スルホンアミド、4,
4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−スルホン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−
4−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサ
ルファイド−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミド、1,
4−ジアミノベンゼン−2−スルホンアミド、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボンアミド、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′
−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエー
テル−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン−4−カルボンアミド、3,4′−ジ
アミノジフェニルメタン−3′−カルボンアミド、3,
3′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3−カル
ボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−
4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホン−4−カルボンアミド、4,4′−ジ
アミノジフェニルサルファイド−3−カルボンアミド、
3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−カル
ボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサルファイ
ド−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニ
ルサルファイド−3′−スルホンアミドあるいは1,4
−ジアミノベンゼン−2−カルボンアミドなどの化合物
や、一般式〔XI〕
【化14】 (式中、Arは芳香族基、YはSO2又はCOを示し1
個のアミノ基と1個のY−NH2基が対として互いにオ
ルト位に位置する。)で表わされるジアミノジアミド化
合物、例えば4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−
3,3′−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル−4,5′−カルボンアミド、3,3′−
ジアミノジフェニルエーテル4,4′−スルホンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン
−4,5′−スルホンアミド等の化合物を用いることも
できる。
個のアミノ基と1個のY−NH2基が対として互いにオ
ルト位に位置する。)で表わされるジアミノジアミド化
合物、例えば4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−
3,3′−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル−4,5′−カルボンアミド、3,3′−
ジアミノジフェニルエーテル4,4′−スルホンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン
−4,5′−スルホンアミド等の化合物を用いることも
できる。
【0012】本発明によって得られるポリイミドはこれ
らに由来する構造単位を有することができる。例えばポ
リイミドに一般式〔XII〕または〔XIII〕で表わされ
るイソインドロキナゾリン環を有する構造単位を導入す
ることも出来る。
らに由来する構造単位を有することができる。例えばポ
リイミドに一般式〔XII〕または〔XIII〕で表わされ
るイソインドロキナゾリン環を有する構造単位を導入す
ることも出来る。
【化15】
【化16】 (式中、Ar、Ar2は芳香族基、YはSO2又はCOを
示す。)
示す。)
【0013】本発明で用いる新規なポリアミド酸もしく
はポリアミド酸エステルおよびポリイミドを製造するに
当っては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、テトラメチレンスルホン、p−クロルフェノール、
p−ブロルフェノール、2−クロル−4−ヒドロキシト
ルエン等の不活性溶媒が用いられる。
はポリアミド酸エステルおよびポリイミドを製造するに
当っては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、テトラメチレンスルホン、p−クロルフェノール、
p−ブロルフェノール、2−クロル−4−ヒドロキシト
ルエン等の不活性溶媒が用いられる。
【0014】ポリアミド酸を製造する場合、好ましくは
先ずジアミン化合物を上記不活性溶媒中に溶解した後、
メタ−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカル
ボン酸および/またはその無水物等を加え、好ましくは
約80℃以下特に室温付近ないしそれ以下の温度を保ち
ながら撹拌する。これによって反応はすみやかに進行
し、かつ反応系の粘度は次第に上昇し、ポリアミド酸が
生成する。
先ずジアミン化合物を上記不活性溶媒中に溶解した後、
メタ−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカル
ボン酸および/またはその無水物等を加え、好ましくは
約80℃以下特に室温付近ないしそれ以下の温度を保ち
ながら撹拌する。これによって反応はすみやかに進行
し、かつ反応系の粘度は次第に上昇し、ポリアミド酸が
生成する。
【0015】ポリアミド酸エステルは、メタ−ターフェ
ニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸等をチオ
ニルクロライド等を用いて得られる酸クロライドを経由
してエステル化したものまたはメタ−ターフェニル−
3,4,3″,4″−テトラカルボン酸無水物等をアル
コールで開環してジエステル化したものを溶媒中でジア
ミン化合物と反応させる方法等によって得られる。
ニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸等をチオ
ニルクロライド等を用いて得られる酸クロライドを経由
してエステル化したものまたはメタ−ターフェニル−
3,4,3″,4″−テトラカルボン酸無水物等をアル
コールで開環してジエステル化したものを溶媒中でジア
ミン化合物と反応させる方法等によって得られる。
【0016】このポリアミド酸もしくはポリアミド酸エ
ステルをポリイミドに転化せしめるには、100〜35
0℃の温度で好ましくは30分〜5時間熱処理する。こ
うすることによりポリアミド酸が脱水、閉環し、ポリイ
ミドが得られる。この脱水、閉環反応には脱水剤として
無水酢酸、リン酸等を用いてもよい。
ステルをポリイミドに転化せしめるには、100〜35
0℃の温度で好ましくは30分〜5時間熱処理する。こ
うすることによりポリアミド酸が脱水、閉環し、ポリイ
ミドが得られる。この脱水、閉環反応には脱水剤として
無水酢酸、リン酸等を用いてもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例、参考例及び比較例を
用いて説明する。 参考例 メタ(m)−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸およびその無水物の合成例 (1)グリニヤール試薬の製造 アリーン冷却器、滴下ロート、温度計及び撹拌装置を取
付けた2lの四つ口フラスコをアルゴンガス雰囲気下で
十分乾燥させたのち、金属ナトリウムで脱水した100
mlのテトラヒドロフラン、9.72gの金属マグネシ
ウム及び10.0gのブロモ−オルト−キシレン(アル
ドリッチ社製、4−ブロモ−オルト−キシレン75%及
び3−ブロモ−オルト−キシレン25%の混合物)を加
えた。反応液がにごり始めて、グリニヤール試薬が生成
し始めたとき、滴下ロートから64.0gの上記のブロ
モ−オルト−キシレンと100mlのテトラヒドロフラ
ンの混合液を1時間かけて滴下した。この間、発熱反応
であるので氷浴で冷却しながら反応温度を40℃に保っ
た。滴下終了後も金属マグネシウムが残っているので、
オイルバスで加熱し、温度40℃のまま5時間撹拌し、
金属マグネシウムを完全に反応させグリニヤール試薬と
した。
用いて説明する。 参考例 メタ(m)−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸およびその無水物の合成例 (1)グリニヤール試薬の製造 アリーン冷却器、滴下ロート、温度計及び撹拌装置を取
付けた2lの四つ口フラスコをアルゴンガス雰囲気下で
十分乾燥させたのち、金属ナトリウムで脱水した100
mlのテトラヒドロフラン、9.72gの金属マグネシ
ウム及び10.0gのブロモ−オルト−キシレン(アル
ドリッチ社製、4−ブロモ−オルト−キシレン75%及
び3−ブロモ−オルト−キシレン25%の混合物)を加
えた。反応液がにごり始めて、グリニヤール試薬が生成
し始めたとき、滴下ロートから64.0gの上記のブロ
モ−オルト−キシレンと100mlのテトラヒドロフラ
ンの混合液を1時間かけて滴下した。この間、発熱反応
であるので氷浴で冷却しながら反応温度を40℃に保っ
た。滴下終了後も金属マグネシウムが残っているので、
オイルバスで加熱し、温度40℃のまま5時間撹拌し、
金属マグネシウムを完全に反応させグリニヤール試薬と
した。
【0018】(2)3,4,3″,4″−テトラメチル
−m−ターフェニルの製造 次に、フラスコにジクロロ〔1,2−ビス(ジフェニル
ホスフイノ)エタン〕ニッケル触媒を0.37g(上記
のブロモ−オルトキシレンの総量に対して0.5重量
%)加え、滴下ロートから29.4g(0.200モ
ル)のメタ−ジクロロベンゼンを85mlのテトラヒド
ロフランに溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。こ
の間反応温度を35℃に保った。滴下終了後、さらに1
時間35℃に保ったまま撹拌を続け、ダブルクロスカッ
プリング反応を完結させた。反応終了後にトルエン30
0mlを加え、撹拌しながらイオン交換水150mlを
1時間かけて徐々に加えた。下層の水層を分液ロートで
除去したのち、上層のトルエン層をロータリーエバポレ
ーターでドライアップした。放冷後析出した結晶を取出
し、エタノールで結晶を3回洗浄したのち減圧乾燥した
ところ24.4gの無色の板状結晶が得られた。結晶の
融点は72〜73℃であり、この結晶について図1にプ
ロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル及び図2
に炭素核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルの分析結
果を示す。図1において、2.29ppmと2.32p
pmのメチル基プロトンに基づく吸収と7.17〜7.
65ppmのベンゼン環プロトンに基づく吸収の積分強
度比は、前者:後者が180:150(=12:10)
であり、理論値とよく一致している。図2において、1
2本のピークしか出現しないことから得られた化合物
(理論炭素数22)は対称構造であることがわかる。し
かも、式〔XIV〕
−m−ターフェニルの製造 次に、フラスコにジクロロ〔1,2−ビス(ジフェニル
ホスフイノ)エタン〕ニッケル触媒を0.37g(上記
のブロモ−オルトキシレンの総量に対して0.5重量
%)加え、滴下ロートから29.4g(0.200モ
ル)のメタ−ジクロロベンゼンを85mlのテトラヒド
ロフランに溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。こ
の間反応温度を35℃に保った。滴下終了後、さらに1
時間35℃に保ったまま撹拌を続け、ダブルクロスカッ
プリング反応を完結させた。反応終了後にトルエン30
0mlを加え、撹拌しながらイオン交換水150mlを
1時間かけて徐々に加えた。下層の水層を分液ロートで
除去したのち、上層のトルエン層をロータリーエバポレ
ーターでドライアップした。放冷後析出した結晶を取出
し、エタノールで結晶を3回洗浄したのち減圧乾燥した
ところ24.4gの無色の板状結晶が得られた。結晶の
融点は72〜73℃であり、この結晶について図1にプ
ロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル及び図2
に炭素核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルの分析結
果を示す。図1において、2.29ppmと2.32p
pmのメチル基プロトンに基づく吸収と7.17〜7.
65ppmのベンゼン環プロトンに基づく吸収の積分強
度比は、前者:後者が180:150(=12:10)
であり、理論値とよく一致している。図2において、1
2本のピークしか出現しないことから得られた化合物
(理論炭素数22)は対称構造であることがわかる。し
かも、式〔XIV〕
【化17】 で示される化合物の炭素番号1〜10のベンゼン環炭素
のザビッキー(Savitsky)則によるベンゼン環炭素のケ
ミカルシフトの予想値と良く一致して図2中に吸収1〜
10が出現している。以上より、上記結晶が3,4,
3″,4″−テトラメチル−m−ターフェニルであるこ
とを確認した。
のザビッキー(Savitsky)則によるベンゼン環炭素のケ
ミカルシフトの予想値と良く一致して図2中に吸収1〜
10が出現している。以上より、上記結晶が3,4,
3″,4″−テトラメチル−m−ターフェニルであるこ
とを確認した。
【0019】(3) m−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸の製造 3,4,3″,4″−テトラメチル−メタ−ターフェニ
ル14.3g(50ミリモル)、ピリジン200g及び
イオン交換水200gをアリーン冷却管、温度計及び撹
拌装置を取付けた1l四つ口フラスコに仕込み、フラス
コ内を80℃に加熱し、過マンガン酸カリウム110.
7g(700ミリモル)を3時間かけて徐々に加え、そ
の後さらに5時間、80℃に保持して撹拌を続けた。反
応で生成した酸化マンガンの沈殿を濾過で除去し、濾液
中のピリジンをロータリーエバポレーターで留去した
後、36%塩酸で酸析したところ白色の微細結晶が析出
した。この時の溶液のpHは1であった。濾過・水洗を
2回繰り返えしたのち、減圧乾燥し、白色粉末状結晶
8.9gを得た。この結晶の融点は296〜298℃で
あった。この結晶の赤外線吸収スペクトルを図3に示
す。この結晶0.4gに対してメタノール50ml及び
97%硫酸2mlを加え、8時間リフラックスし、上記
結晶のメチルエステル化を行なった。得られたメチルエ
ステル化物の1H−NMRスペクトルの結果を図4に示
す。図4において、3.91ppmと3.94ppmの
メチル基プロトンに基づく吸収と7.71〜7.95p
pmのベンゼン環プロトンに基づく吸収の積分強度比
は、前者:後者が175:147(=12:10.0
8)であり、理論値(式〔VII〕の化合物のメチルエ
ステル化物)とよく一致した。また、上記結晶を元素分
析した結果は次のとおりであった。 実測値 炭素:59.65%、水素:4.16% 理論値 炭素:65.03%、水素:3.47% (ただし、理論値は、m−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸として求めた値であ
る。)元素分析の結果、実測値と理論値が異なるので、
上記結晶を、5℃/分の昇温速度で、示差熱天秤分析を
行なったところ、211℃及び298℃に吸熱ピークが
あった。211℃で17重量%の重量減少が認められ
た。298℃における吸熱ピークは融点によるものであ
るが、211℃の吸熱ピークは脱水によるものである。
m−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボ
ン酸が示差熱天秤分析中の加熱によって脱水閉環を起こ
して対応する酸無水物になっただけであれば重量減少は
9%である。このことから得られた結晶には結晶水を有
すると考えられ、上記元素分析の実測値は、m−ターフ
ェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸に2分
子の結晶水が水和した時の元素分析の理論値炭素59.
73%、水素4.10%にきわめてよく一致する。以上
より、上記結晶が、m−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸であって結晶水を2分子有する
ものであることを確認した。
3″,4″−テトラカルボン酸の製造 3,4,3″,4″−テトラメチル−メタ−ターフェニ
ル14.3g(50ミリモル)、ピリジン200g及び
イオン交換水200gをアリーン冷却管、温度計及び撹
拌装置を取付けた1l四つ口フラスコに仕込み、フラス
コ内を80℃に加熱し、過マンガン酸カリウム110.
7g(700ミリモル)を3時間かけて徐々に加え、そ
の後さらに5時間、80℃に保持して撹拌を続けた。反
応で生成した酸化マンガンの沈殿を濾過で除去し、濾液
中のピリジンをロータリーエバポレーターで留去した
後、36%塩酸で酸析したところ白色の微細結晶が析出
した。この時の溶液のpHは1であった。濾過・水洗を
2回繰り返えしたのち、減圧乾燥し、白色粉末状結晶
8.9gを得た。この結晶の融点は296〜298℃で
あった。この結晶の赤外線吸収スペクトルを図3に示
す。この結晶0.4gに対してメタノール50ml及び
97%硫酸2mlを加え、8時間リフラックスし、上記
結晶のメチルエステル化を行なった。得られたメチルエ
ステル化物の1H−NMRスペクトルの結果を図4に示
す。図4において、3.91ppmと3.94ppmの
メチル基プロトンに基づく吸収と7.71〜7.95p
pmのベンゼン環プロトンに基づく吸収の積分強度比
は、前者:後者が175:147(=12:10.0
8)であり、理論値(式〔VII〕の化合物のメチルエ
ステル化物)とよく一致した。また、上記結晶を元素分
析した結果は次のとおりであった。 実測値 炭素:59.65%、水素:4.16% 理論値 炭素:65.03%、水素:3.47% (ただし、理論値は、m−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸として求めた値であ
る。)元素分析の結果、実測値と理論値が異なるので、
上記結晶を、5℃/分の昇温速度で、示差熱天秤分析を
行なったところ、211℃及び298℃に吸熱ピークが
あった。211℃で17重量%の重量減少が認められ
た。298℃における吸熱ピークは融点によるものであ
るが、211℃の吸熱ピークは脱水によるものである。
m−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボ
ン酸が示差熱天秤分析中の加熱によって脱水閉環を起こ
して対応する酸無水物になっただけであれば重量減少は
9%である。このことから得られた結晶には結晶水を有
すると考えられ、上記元素分析の実測値は、m−ターフ
ェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸に2分
子の結晶水が水和した時の元素分析の理論値炭素59.
73%、水素4.10%にきわめてよく一致する。以上
より、上記結晶が、m−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸であって結晶水を2分子有する
ものであることを確認した。
【0020】(4) m−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−二無水
物の製造 得られたm−ターフェニル−3,4,3″,4″−テト
ラカルボン酸8.0gを100mlのなす形フラスコに
入れ、真空ポンプで容器内を20mmHgとし、180
℃の油浴に15時間浸漬し脱水閉環を行なった。こうし
て7.29gの淡かつ色の粉末状結晶を得た。この粉末
状結晶の赤外線吸収スペクトル及び1H−NMRスペク
トルをそれぞれ図5及び図6に示す。この結晶の融点は
296〜298℃であり、元素分析の結果、炭素71.
17%、水素2.79%であり、理論値の炭素71.3
6%、水素2.72%とよく一致し、m−ターフェニル
−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,
3″,4″−二無水物であることを確認した。
4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−二無水
物の製造 得られたm−ターフェニル−3,4,3″,4″−テト
ラカルボン酸8.0gを100mlのなす形フラスコに
入れ、真空ポンプで容器内を20mmHgとし、180
℃の油浴に15時間浸漬し脱水閉環を行なった。こうし
て7.29gの淡かつ色の粉末状結晶を得た。この粉末
状結晶の赤外線吸収スペクトル及び1H−NMRスペク
トルをそれぞれ図5及び図6に示す。この結晶の融点は
296〜298℃であり、元素分析の結果、炭素71.
17%、水素2.79%であり、理論値の炭素71.3
6%、水素2.72%とよく一致し、m−ターフェニル
−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,
3″,4″−二無水物であることを確認した。
【0021】実施例1 温度計、撹拌機および塩化カルシウム管を備えた200
mlの三つ口フラスコに4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル10.82g(54.0ミリモル)および反応
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン46.2gを入
れ室温で撹拌溶解した。これに参考例で合成したm−タ
ーフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸−
3,4,3″,4″−二無水物20.0g(54.0ミ
リモル)を加え、室温で8時間撹拌を続けた。次にこの
反応液(ポリアミド酸の溶液)の一部を採取し、水に投
じて沈殿させて、ジメチルスルホキシドを用いて濃度
0.1g/dl、25℃で還元比粘度を測定したところ
2.5dl/gであった。ついでこの反応液を粘度調整
した後、ガラス板上に塗布して乾燥後、350℃で1時
間熱処理してガラス板から剥離したところ可とう性の良
好なポリイミドのフィルムが得られた。次にこのフィル
ムを以下に示す試験方法により評価した。結果を表1に
示す。
mlの三つ口フラスコに4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル10.82g(54.0ミリモル)および反応
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン46.2gを入
れ室温で撹拌溶解した。これに参考例で合成したm−タ
ーフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸−
3,4,3″,4″−二無水物20.0g(54.0ミ
リモル)を加え、室温で8時間撹拌を続けた。次にこの
反応液(ポリアミド酸の溶液)の一部を採取し、水に投
じて沈殿させて、ジメチルスルホキシドを用いて濃度
0.1g/dl、25℃で還元比粘度を測定したところ
2.5dl/gであった。ついでこの反応液を粘度調整
した後、ガラス板上に塗布して乾燥後、350℃で1時
間熱処理してガラス板から剥離したところ可とう性の良
好なポリイミドのフィルムが得られた。次にこのフィル
ムを以下に示す試験方法により評価した。結果を表1に
示す。
【0022】試験方法 (1)熱分解開始温度 上記フィルム10mgを用い示差熱天秤で空気中、昇温
10℃/minで測定した。 (2)重量減少率 上記フィルム80mgを用い(1)と同じ装置で空気中
460℃/30分放置後の重量減少率を測定した。 (3)弾性率 上記フィルムを10mm×800mmの短ざく状の試験
片とし、引張試験機(オートグラフ)を用いて伸びの弾
性率を測定した。
10℃/minで測定した。 (2)重量減少率 上記フィルム80mgを用い(1)と同じ装置で空気中
460℃/30分放置後の重量減少率を測定した。 (3)弾性率 上記フィルムを10mm×800mmの短ざく状の試験
片とし、引張試験機(オートグラフ)を用いて伸びの弾
性率を測定した。
【0023】実施例2 パラフェニレンジアミン2.92g(27ミリモル)、
m−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボ
ン酸−3,4,3″,4″−二無水物10.0g(2
7.0ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン30.
1gを用いて実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液
およびポリイミドのフィルムを作成し、実施例1と同様
の評価を行なった結果を表1に示す。
m−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボ
ン酸−3,4,3″,4″−二無水物10.0g(2
7.0ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン30.
1gを用いて実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液
およびポリイミドのフィルムを作成し、実施例1と同様
の評価を行なった結果を表1に示す。
【0024】比較例1 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル5.41g(2
7.0ミリモル)、ピロメリット酸二無水物5.89g
(27.0ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン6
4.0gを用いて実施例1と同様にしてポリアミド酸溶
液およびポリイミドのフィルムを作成し、実施例1と同
様の評価を行なった結果を表1に示す。
7.0ミリモル)、ピロメリット酸二無水物5.89g
(27.0ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン6
4.0gを用いて実施例1と同様にしてポリアミド酸溶
液およびポリイミドのフィルムを作成し、実施例1と同
様の評価を行なった結果を表1に示す。
【0025】比較例2 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル5.41g(2
7ミリモル)、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物8.70g(27ミリモル)、
N−メチル−2−ピロリドン80.0gを用い実施例1
と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドのフィ
ルムを作成し、実施例1と同様の評価を行なった結果を
表1に示す。
7ミリモル)、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物8.70g(27ミリモル)、
N−メチル−2−ピロリドン80.0gを用い実施例1
と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドのフィ
ルムを作成し、実施例1と同様の評価を行なった結果を
表1に示す。
【0026】比較例3 パラフェニレンジアミン2.92g(27ミリモル)、
ピロメリット酸二無水物5.89g(27.0ミリモ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン50.0gを用いて
実施例1と同様にしてポリアミド酸の溶液を作成した。
次に実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液をガラス板
に塗布し、乾燥後350℃/1時間の熱処理を行なった
ところ、塗膜はりん片状にぼろぼろに割れ、フィルムを
形成出来なかった。
ピロメリット酸二無水物5.89g(27.0ミリモ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン50.0gを用いて
実施例1と同様にしてポリアミド酸の溶液を作成した。
次に実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液をガラス板
に塗布し、乾燥後350℃/1時間の熱処理を行なった
ところ、塗膜はりん片状にぼろぼろに割れ、フィルムを
形成出来なかった。
【0027】比較例4 パラフェニレンジアミン5.84g(54ミリモル)、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物15.89g(54ミリモル)、N−メチル−2−
ピロリドン50.7gを用い実施例1と同様にして不揮
発分濃度30重量%のポリアミド酸溶液を作成した。こ
の溶液は粘度(25℃)が10,000ポアズ以上あ
り、室温での撹拌は不可能であった。次に70℃付近の
温度で粘度調整を行なったところ200ポアズ近辺で粘
度が一定となり、さらに加熱をつづけたところ、溶液が
濁り始め、粘度は逆に増加し、低粘度の溶液とすること
が出来なかった。
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物15.89g(54ミリモル)、N−メチル−2−
ピロリドン50.7gを用い実施例1と同様にして不揮
発分濃度30重量%のポリアミド酸溶液を作成した。こ
の溶液は粘度(25℃)が10,000ポアズ以上あ
り、室温での撹拌は不可能であった。次に70℃付近の
温度で粘度調整を行なったところ200ポアズ近辺で粘
度が一定となり、さらに加熱をつづけたところ、溶液が
濁り始め、粘度は逆に増加し、低粘度の溶液とすること
が出来なかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】実施例、比較例に示される様に、本発明
によって得られる新規なポリイミドは、従来公知のポリ
イミドに比して、耐熱性、可とう性、溶解性等全ての特
性において優れており、あらゆる工業的用途において有
用である。
によって得られる新規なポリイミドは、従来公知のポリ
イミドに比して、耐熱性、可とう性、溶解性等全ての特
性において優れており、あらゆる工業的用途において有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で製造した中間体である3,4,3″,
4″−テトラメチル−m−ターフェニルの1H−NMR
スペクトルである。
4″−テトラメチル−m−ターフェニルの1H−NMR
スペクトルである。
【図2】3,4,3″,4″,−テトラメチル−m−タ
ーフェニルの13C−NMRスペクトルである。
ーフェニルの13C−NMRスペクトルである。
【図3】参考例で製造したm−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸の赤外線吸収スペクトル
である。
3″,4″−テトラカルボン酸の赤外線吸収スペクトル
である。
【図4】参考例で製造したm−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸テトラメチルエステルの
1H−NMRスペクトルである。
3″,4″−テトラカルボン酸テトラメチルエステルの
1H−NMRスペクトルである。
【図5】参考例で製造したm−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−
二無水物の赤外線吸収スペクトルである。
3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−
二無水物の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】参考例で製造したm−ターフェニル−3,4,
3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−
二無水物1H−NMRスペクトルである。
3″,4″−テトラカルボン酸−3,4,3″,4″−
二無水物1H−NMRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 任廷 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社 山崎工場内 (72)発明者 児嶋 充雅 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社 山崎工場内 (72)発明者 牧野 大輔 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社 山崎工場内
Claims (1)
- 【請求項1】 メタ−ターフェニル−3,4,3″,
4″−テトラカルボン酸、その無水物またはそのエステ
ルとジアミンとを溶媒中で反応させて一般式〔I〕 【化1】 (式中Rは水素原子または一価の炭化水素基、R′は二
価の炭化水素基を示す)で表わされる構造単位を含む新
規なポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを得、つ
いで該ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを10
0〜350℃で熱処理することを特徴とする一般式〔I
I〕 【化2】 (式中R′は二価の炭化水素基を示す)で表わされる構
造単位を含む新規なポリイミドの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30302591A JPH0686522B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 新規なポリイミドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30302591A JPH0686522B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 新規なポリイミドの製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15341586A Division JPS6310629A (ja) | 1986-06-30 | 1986-06-30 | 新規なポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04363324A JPH04363324A (ja) | 1992-12-16 |
JPH0686522B2 true JPH0686522B2 (ja) | 1994-11-02 |
Family
ID=17916028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30302591A Expired - Lifetime JPH0686522B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 新規なポリイミドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0686522B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5121422B2 (ja) * | 2007-11-30 | 2013-01-16 | グンゼ株式会社 | 半導電性ポリイミド樹脂ベルト及び半導電性ポリイミド樹脂ベルトの製造方法 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP30302591A patent/JPH0686522B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04363324A (ja) | 1992-12-16 |
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