JPH0686355B2 - 第▲iii▼・v族化合物半導体の気相成長法 - Google Patents

第▲iii▼・v族化合物半導体の気相成長法

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JPH0686355B2
JPH0686355B2 JP4497386A JP4497386A JPH0686355B2 JP H0686355 B2 JPH0686355 B2 JP H0686355B2 JP 4497386 A JP4497386 A JP 4497386A JP 4497386 A JP4497386 A JP 4497386A JP H0686355 B2 JPH0686355 B2 JP H0686355B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機金属熱分解気相成長法を用いて電子移動度
が向上した第III・V族化合物半導体をアルミナ単結晶
基板上に生成させることができる第III・V族化合物半
導体の気相成長法に関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
第III・V族化合物半導体を発光素子もしくは受光素子
に応用する技術は、近年、目覚ましい進展があり、例え
ば、単結晶基板上にGaAsなどの第III・V族化合物半導
体を気相エピタキシャル成長させる技術が注目されてい
る。アルミナ単結晶基板を用いた場合には、0.2乃至5
μm位の波長の光に対して優れた透光性が得られるとい
う利点があり、その結果、各種デバイスへの応用が期待
できる。例えば、LEDとして用いた場合に基板側から発
光させることができ、また光電変換デバイスとして用い
た場合には基板側から受光させることが可能となる。
斯様な要求に応じて、有機金属熱分解気相成長法(Meta
l-Organic Chemical Vapor Deposition、略して通常MOC
VD法と呼ばれている)を用いてアルミナ単結晶基板上に
GaAs膜を生成することが、既にJournal of Applied Phy
sics,Vol.42,No.6(1971)P2519に報告されている。
上記論文によれば、有機金属ガスであるトリメメルガリ
ウム(Ga(CH3)とアルシン(AsH3)を反応ガスと
して用いてCVD法によりGaAs膜をアルミナ単結晶基板上
にエピタキシャル成長させることが提案されている。
しかしながら、上記の方法によれば、アルミナ単結晶基
板とGaAs単結晶膜の界面に多数の格子欠陥等が形成され
ているので高い電子移動度を得るために20μm以上の膜
厚を必要としており、この膜の結晶性の改善が望まれ
る。
〔発明の目的〕
従って、本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであ
り、その目的はアルミナ単結晶基板と第III・V族化合
物半導体膜の界面での格子欠陥を減少させて比較的膜厚
の小さい化合物半導体膜を生成しても高い電子移動度を
達成した第III・V族化合物半導体の気相成長法を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、第III族元素含有ガス及び第V族元素
含有ガスが導入される反応室内部にアルミナ単結晶基板
が設置され、該基板上に第III・V族化合物半導体をエ
ピタキシャル成長させるMOCVD法において、順次下記
(A)乃至(C)工程を有することを特徴とする第III
・V族化合物半導体の気相成長法が提供される。
(A)・・・前記基板を400乃至550℃の温度範囲内に設
定すると共に第III族元素含有ガス及び第V族元素含有
ガスを反応室内部に導入し、気相成長法により該基板表
面上に第III・V族化合物を生成させる. (B)・・・前記基板を550℃乃至750℃の温度範囲内に
設定すると共に第V族元素含有ガスを反応室内部に導入
する. (C)・・・前記基板を550乃至750℃の温度範囲内に設
定すると共に第III族元素含有ガス及び第V族元素含有
ガスを反応室内部に導入し、気相成長法により第III・
V族化合物半導体を生成させる. 以下、本発明をアルミナ単結晶基板上にGaAs膜を生成す
る場合を例にとって詳細に説明する。
本発明は、後述するCVD装置を用いてMOCVD法によって前
記三段階の工程を順次行うことが特徴であり、これによ
り、膜厚が小さくても高い電子移動度を達成することが
できる。
即ち、(A)工程においては、アルミナ単結晶基板の温
度を次の(B)及び(C)工程で設定される基板温度よ
りも低く設定し、Ga元素含有ガス及びAs元素含有ガスを
反応室に導入してCVD法により結晶成長に要する核を形
成する。そのために400乃至550℃、好適には430乃至530
℃の範囲内に設定すればよく、400℃未満であればGaAs
の核が成長せず、550℃を越えると均質な核が成長しな
いので界面に欠陥が生じる。
また、この(A)工程によって生成する膜の厚みについ
ては、(B)工程で行われる熱アニール等の条件にもよ
るが、100乃至700Åの範囲内に設定するとよい。
次の(B)工程は、(A)工程によって生成されたGaAs
薄膜を熱アニールしてそのGaAsの結晶性を改善するため
に行われ、この熱アニールとして必要な基板温度を550
乃至750℃、好適には570乃至730℃の範囲内に設定する
とよく、この範囲から外れると電子移動度の向上が望め
ない。尚、基板温度を上げるとGaAs薄膜のAsの蒸気圧が
高くなるためにAs元素含有ガスを反応室へ導入する必要
がある。
次の(C)工程はGaAsの結晶成長を行う工程であり、Ga
元素含有ガス及びAs元素含有ガスを反応室内部に導入
し、基板温度を550乃至750℃、好適には570乃至730℃の
範囲内に設定するこれらのガスが熱分解し、(A)工程
にて生成したGaAs薄膜上にGaAsをエピタキシャル成長さ
せることができる。
本発明においては、Ga元素含有ガスとしてGa(C
H3、Ga(C2H5等があり、As元素含有ガスとして
AsH3,AsCl3等がある。そして、これらのガスのキャリア
ガスとしてH2又は不活性ガス(Ar,N2,He,Ne等)が用い
られる。
更に本発明においては、GaAsの結晶性を改善するために
各工程に次のような製造条件を設定するのがよい。
即ち、(A)工程においては、反応室に導入されるGa元
素含有ガスのモル容積に対するAs元素含有ガスのモル容
積の比率(以下、〔As〕/〔Ga〕比とする)を10以上、
好適には50乃至200に設定し、更に反応室内部の全ガス
圧を50乃至760Torrにするとよい。
また、(B)工程においては反応室に導入するAs元素含
有ガスを全体当たり0.1乃至5モル容量%、好適には0.5
乃至2モル容量%に設定するとよい。
そして、(C)工程においては、〔As〕/〔Ga〕比及び
全ガス圧を(A)工程と同じ条件に設定するとよい。
尚、後述する実施例中の(C)工程においては、前述し
たような反応ガス及びキャリアガスの他にSi2H6ガスを
反応室へ導入してGaAs成長中にSiを0.01乃至1PPm含有さ
せてその膜の電子移動度を測定している。
次に本発明の方法に用いるCVD装置を具体的に説明す
る。
第1図は高周波誘導加熱方式に基づくCVD装置であっ
て、1は反応室であり、この中にサセプタ2が設置され
ており、サセプタ2上にGaAs膜を成長させるためのアル
ミナ単結晶基板3が設置される。反応室1の周囲には高
周波コイル4が巻きつけられており、これに高周波電源
(図示せず)が接続してあって高周波コイル4に高周波
電力が印加されるのに伴ってサセプタ2が誘導加熱され
る。
第1タンク5にはH2,Ar等の希釈ガスが、第2タンク6
にはAs元素含有ガスが、第3タンク7にはSi2H6ガスが
密封されており、第1タンク5からの希釈ガスは純化器
8を介してキャリアガスとして高純度化して供給され、
その流量がマスフロ−コントローラ9,10により調整され
る。そして、第2タンク6、第3タンク7から放出され
るガスもそれぞれマスフロ−コントローラ11,12により
流量調整される。また、13はGa(CH3等のGa元素含
有液状物質が入っているバブラであり、14はバブラ13を
所定の温度に設定するための恒温槽であり、第1タンク
5の希釈ガスは純化器8を通してマスフロ−コントロー
ラ10によりバブラ13内へ導入するようになっており、こ
れにより、バブラ内の液状物質がガス化して反応室1へ
導入できるようになっている。また、希釈ガスはマスフ
ロ−コントローラ9を介して導出されて第2タンク6、
第3タンク7内のそれぞれのガスのキャリアガスとして
も用いられる。更に反応室1には超高真空排気装置15と
排気ガス処理装置16が接続されており、超高真空排気装
置15を用いて成膜前に反応室1の内部を真空排気してこ
の内部の残留ガスを除去し、排気ガス処理装置16を用い
て排気ガス中のAs化合物を除去する。尚、17,18,19はそ
れぞれのタンクのガス調整弁であり、20,21,22,23,24,2
5はバルブである。
以上の構成のCVD装置において、前述した(A)工程乃
至(C)工程を行う前に、予め所定の清浄化処理を施し
た基板3を清浄化面を上面にしてサセプタ2上に固定
し、超高真空排気装置15により反応室1の内部を10-7To
rr位にまで真空にし、高周波コイル4により基板3を誘
導加熱し、所定の温度に達したらこの温度を維持する。
続けて、第1タンク5のガス調整弁17を開けてバルブ2
1,22,23を全開にし、マスフロ−コントローラ9により
希釈ガスの流量を所定の値に設定して反応室1の内部に
導入する。
そして、(A)工程においては、第2タンク6のガス調
整弁18を開けてマスフロ−コントローラ11により流量を
所定の値に調節してAs元素含有ガスを供給する。更に、
バルブ20を閉じてバルブ24,25を全開にし、希釈ガスを
バブラ13に導入してGa元素含有ガスを得る。このガスの
供給量は恒温槽14の温度とマスフロ−コントローラ10に
よる希釈ガスの流量で設定したバブラ13内の圧力によっ
て設定できる。
次の(B)工程では、バルブ20,24を閉じてGa元素含有
ガスを用いないようにすると共に誘導加熱により(A)
工程にて設定した基板温度より高くなるように温度を設
定する。
然る後、(C)工程においては再びバルブ20,24を全開
にしてGa元素含有ガスを反応室へ導入し、GaAsを結晶成
長させる。そして、このGaAs中に微量のSiを含有させる
ためにSi2H6ガスの密封された第3タンク7のガス調整
弁19を全開してマスフロ−コントローラ12でそのガスを
流量調節して所定量のSi2H6ガスを反応室へ送る。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) 上述した第1図のCVD装置を用いて単結晶アルミナ基板
上にGaAs膜を生成して電子移動度を測定した。
即ち、サセプタ2上にC面アルミナ単結晶基板を設置
し、(A)工程においては第1タンク5よりH2ガスを、
第2タンク6よりAsH3ガスを30sccMの流量で反応室1へ
導入し、更にマスフロ−コントローラ11でバブル用水素
をバブラ13へ導入して液状のGa(CH3をガス化してG
a(CH3ガスを0.6sccMの流量で反応室1に導入し、
反応室1の内部に挿入する全ガスの流量を3500sccMに設
定し、更に基板温度を470℃に、反応圧力を100Torrに設
定して1分間気相成長させた。かくして(A)工程にて
厚み400ÅのGaAs薄膜を生成した。
次の(B)工程においては、基板温度を620℃に設定す
ると共にバルブ20,24を閉じてGa(CH3ガスの流量を
零にしたことを以外は(A)工程と全く同じ条件に設定
して熱アニールを行った。本実施例においては、第2図
に示すようにこのアニール時間を変えて次の(C)工程
にて得られるGaAs膜の電子移動度を測定している。
(C)工程においては、バルブ20,24を開いてGa(CH3
ガスを1.2sccMの流量で、AsH3ガスを96sccMの流量で
反応室内部へ導入し、しかも第3タンク(Si2H6がH2
に2PPm含有している)よりSi2H6ガスを10sccM又は25scc
Mで導入し、他は(B)工程と全く同じ条件に設定して
(A)工程にて得られたGaAs薄膜上に更に6μmの厚み
でGaAs膜を結晶成長させた。
かくして得られたGaAsエピタキシャル膜の室温における
電子移動度を(B)工程のアニール時間を変えて測定し
たところ、第2図の示す通りの結果が得られた。尚、こ
の電子移動度はホール効果をを測定して求められる。
第2図に示す通り、●印及び▲印のプロットはそれぞれ
Si2H6ガス流量が10sccM及び25sccMの場合のアニール時
間に対する電子移動度を示しており、a及びbはそれぞ
れ電子移動度特性曲線を表している。また、本実施例
中、Si2H6ガス流量を10sccM及び25sccMとして得たGaAs
膜の電子密度はそれぞれ約1.5×1016/cm3及び約4×10
16/cm、であった。
第2図によれば、アニール時間の増加に伴って電子移動
度が増大していることが判る。これにより、(A)工程
により得られたGaAs薄膜の結晶性がアニール時間の対数
に依存して改善され、それに対応してこの薄膜上に成長
したGaAsエピタキシャル膜の電子移動度が増大するもの
と考えられる。
そして、本実施例中、(A)工程及び(B)工程を行わ
ないで(C)工程だけを行って成長させたGaAsエピタキ
シャル膜の場合(膜厚6μm)、その電子移動度は約25
00cm2/Vsecであった。従って、本発明の方法によれば、
(A)工程乃至(C)工程を行うと電子移動度が顕著に
高くなることが判る。
(例2) 本例においては、(A)工程にて生成するGaAs薄膜の膜
厚を変えて電子移動度を測定した。
即ち、(例1)中(C)工程のSi2H6ガス流量を10sccM
に設定し、アニール時間を20分に設定して他は(例1)
と同一の製造条件にしてGaAsエピタキシャル膜を生成
し、電子移動度を測定したところ、第1表に示す通りの
結果が得られた。尚、第1表のいずれの試料も電子密度
が約1.5×1016/cm3であった。
第1表より明らかな通り、膜厚が100乃至700Åの範囲内
にあれば、電子移動度が顕著に高くなることが判る。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の方法によれば、熱アニールを含む
三段階成長法を用いたことによって、成長したエピタキ
シャル膜の厚みを小さくしても電子移動度を高くするこ
とができ、これにより、製造効率を高めて製造コストを
低減せしめた高品質な薄膜電子デバイスが提供できる。
尚、本実施例においてはGaAs膜の結晶成長について述べ
ているが、GaAsの一部をAl,P、Inなどで置換したGaxAl
1−xAs,GaAsXP1−x,GaxIn1−xAsや、他の第III・
V族化合物半導体についても本発明の方法を用いれば同
様の効果が得られると考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に用いられるCVD装置の説明図、
第2図は本発明の実施例におけるアニール時間に対する
電子移動度特性を示す線図である。 1……反応室、2……サセプタ 3……アルミナ単結晶基板 13……バブラ 14……恒温槽 9,10,11,12……マスフロ−コントローラ a,b……電子移動度特性曲線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−12724(JP,A) 特開 昭53−84463(JP,A) 特開 昭58−26100(JP,A) 特開 昭62−189719(JP,A) 特開 昭62−88317(JP,A) 特開 昭61−210623(JP,A) Journal of Applied Physics,42,6,(1971), P.2519

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第III族元素含有ガス及び第V族元素含有
    ガスが導入される反応室内部にアルミナ単結晶基板が配
    置され、該基板上に第III・V族化合物半導体をエピタ
    キシャル成長させる有機金属熱分解気相成長法におい
    て、順次下記(A)乃至(C)工程を有することを特徴
    とする第III・V族化合物半導体の気相成長法: (A)・・・前記基板を400乃至550℃の温度範囲内に設
    定すると共に第III族元素含有ガス及び第V族元素含有
    ガスを反応室内部に導入し、気相成長法により該基板表
    面上に第III・V族化合物を生成させる. (B)・・・前記基板を550乃至750℃の温度範囲内に設
    定すると共に第V族元素含有ガスを反応室内部に導入す
    る. (C)・・・前記基板を550乃至750℃の温度範囲内に設
    定すると共に、第III族元素含有ガス及び第V族元素含
    有ガスを反応室内部に導入し、気相成長法により第III
    ・V族化合物半導体を生成させる.
JP4497386A 1986-02-28 1986-02-28 第▲iii▼・v族化合物半導体の気相成長法 Expired - Fee Related JPH0686355B2 (ja)

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