JPH068566B2 - 乾式浮床構造 - Google Patents

乾式浮床構造

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JPH068566B2
JPH068566B2 JP2893286A JP2893286A JPH068566B2 JP H068566 B2 JPH068566 B2 JP H068566B2 JP 2893286 A JP2893286 A JP 2893286A JP 2893286 A JP2893286 A JP 2893286A JP H068566 B2 JPH068566 B2 JP H068566B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乾式浮床構造に関するものである。更に詳しく
は、多層階建造物の上階で発生した振動や騒音の階下へ
の伝搬、特に子供の飛び跳ねる音などの音量床衝撃音の
減衰に有効な乾式浮床構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、多層階建造物における床構造としては、床基盤の
堅い感じや、冷やかな感じを改善し、歩行安全性や保温
断熱性を高め、快適な居住空間を提供すると共に、床下
空間が広く確保されるために給排水管等の設計・施工上
の制約を受けることが少ない等の特徴を有する乾式浮床
構造が広く採用されている。しかし、上階で発生した振
動や騒音の階下への伝搬を防止する機能が殆んどなく、
階下の居住者に不快感を与えるなどの問題を有しその改
善は住宅建築技術分野において重要かつ緊急な課題とさ
れている。
通常、上階から床を通して伝搬する振動や騒音は、靴音
や物の落下音等に代表される硬質な衝撃体により発生す
る軽量床衝撃音と、子供の飛び跳ねる音や素足で歩く音
等で代表される軟質な衝撃体により発生する重量床衝撃
音に大別される。さらに、これらの床衝撃音の伝搬防止
を図る方法としては、軽量床衝撃音に対しては、通常、
カーペットや発泡塩化ビニール、畳等の柔軟な床仕上材
を用いる方法、一方重量床衝撃音に対しては、床基盤例
えばコンクリートスラブの質量を増加(すなわち、該ス
ラブ厚みを120mmから200mmにする)する方法が有効とさ
れ実用化に至っている。しかしながら上記のコンクリー
トスラブの厚みを増加する方法は建築物躯体の総重量が
増え、強度保持のため基礎を打つ段階から資材費や工事
費等が増加し、建築コストの著しい上昇を招くという問
題がある。
近年、このような実情に鑑み、上記の特徴を有する乾式
浮床構造に対し、遮音性能特に重量床衝撃音の伝搬防止
機能を付与すべく多くの試みが行なわれている。
例えば、支持部材として従来の大引、根太で組まれた木
製支持部や金属支柱などに代えて衝撃吸収能力のあるナ
イロン製支柱等のプラスチック支柱(実公昭57-32190号
公報)やゴム弾性体を装着した金属性支柱(実公昭54-3
542号公報)又は鉛のような高密度物質を支持部材とし
て用いる方法(特開昭59-76351号公報)などが提案され
ている。あるいは、床下地材として、従来の合板、パー
ティクルボードに代えて、天然ゴム系、合成ゴム系(実
開昭54-89816号公報)、発泡樹脂系(実公昭57-7713号
公報)等のマットやシート、コルク、インシュレーショ
ンボード等の木質系ボード、あるいは木毛セメント板等
の芯材と合板とを接着剤を用いて、あるいは自己接着さ
せた合板サンドイッチパネルを用いる方法などが提案さ
れている。しかしながら、JIS-A1418「建築物の現場に
おける床衝撃音レベルの測定方法」に従って測定した上
記の乾式浮床構造の遮音性能特に重量床衝撃音は、従来
の木製支持部材(大引、根太)金属支柱、あるいは合
板、パーティクルボード等の木質系床下地材を用いた場
合より改善されているもののまだ十分に満足されうるも
のではなく、実用化されるに至っていないのが現状であ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであって、
その目的とするところは、床基盤の質量を増すことな
く、遮音性能特に重量床衝撃音の伝搬を防止し、安価で
施工容易な居住性に優れた乾式浮床構造を提供すること
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、床に加わる衝撃力を瞬時に吸収し減衰し
うる機能を有する床構造を開発すべく鋭意研究を行なっ
た結果、床衝撃力によって与えられた床下地材の変形及
びその回復過程で生じる弾性ヒステリシス損失率を大き
くすることによって遮音効果(特に重量床衝撃音)を著
しく向上できうる事を見出し、この知見にもとずいて本
発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、多層階建造物の上階基盤上に構築
される乾式浮床構造において、該上階基盤上に床下空間
を形成するように支持部材を介して床下地材を敷設し、
該床下地材を、曲げ弾性率1kg/mm2以上の板状素材を
積層しかつ全面を接着固定せずに部分的に固定して一体
化した積層構造体で構成し、かつ、床下地材に捨張板を
載置し固定して成る乾式浮床構造を提供するものであ
る。
本発明に係る床下地材に用いられる板状素材は、JIS K
6911に基づく曲げ弾性率が1kg/mm2以上であることが
望ましく、特に10kg/mm2以上が好適であり、1kg/m
m2未満の場合床下地材としての強度、耐久性に欠けるた
めに好ましくない。板状素材の具体例としては、合板、
パーチィクルボード、インシュレーションボード、ハー
ドボード、コルク等の木質ボード類、木片セメント板、
木毛セメント板等の木質セメント板類、パルプセメント
板、石綿セメント板等の繊維セメント板類、ロックウー
ル板、ガラスウール板等の無機質ボード類,ポリスチレ
ンフォーム、ポリウレタンフォーム、塩化ビニールフォ
ーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム等の
発泡樹脂板類,アクリル樹脂板、ポリエチレン板、ポリ
プロピレン板、ポリカーボネート板、ポリエステル樹脂
板、塩化ビニール板等の合成樹脂板類,ガラス繊維積層
板、布積層板、紙積層板、FRP板等の強化プラスチッ
ク板類,アルミ板、鉄板、ステンレス板等の金属板類,
および、これらの同種あるいは異種を接着固定した二層
以上の複合板、又はサンドイッチ板等があげられる。
板状素材の形状としては、特に限定されないが一般的に
は、平板、波板、開孔板等が好適に使用される。
本発明に係る床下地材に取り付けられる支持部材として
は、1)大引の上に根太、金属支柱、プラスチック支柱
あるいはゴム弾性体等を配したもの、2)金属支柱、プ
ラスチック支柱あるいはゴム弾性体等の上に根太を配し
たもの、3)金属支柱、プラスチック支柱あるいはゴム
弾性体、4)金属支柱、プラスチック支柱とゴム弾性体
を組合せたもの等が用いられるが、特にゴム弾性体と組
合されたレベル調整可能な金属支柱又はプラスチック支
柱などが好ましく使用される。
このような金属支柱又はプラスチック支柱は、床下地材
の強度、経済性を考慮し、床下地材の沈み込みや片もち
状態にならないように、通常、床下地材1m2あたり約
2.5個以上、好ましくは約3個以上を接着、釘着等の
慣用手段によって取り付けられる。
本発明に係る床下地材は、前記板状素材を2層以上、好
ましくは4層以上に積層することによって構成されるが
固定するに際し、床下地材のキシミ音を防止するために
板状素材間の密着性を高める(スキ間を少なくする)た
め、後述する積層した板状素材の固定手段、例えば縫合
やネジクギ留め等の間隔を小さくして固定箇所の増大を
図るなどの配慮が必要である。
また、波板、開孔板から成る積層構造体の場合は支持部
材あるいは捨張板の固定作業を容易にするため該構造体
の表裏面に平板状素材を釘着又は接着等の手段を用いて
接合させることも本発明の一態様である。
板状素材の組合せについては、特に限定されないが床下
地材としての強度、耐久性、居住性を保持するため、本
発明のヒステリシス損失率測定法において最大荷重105k
gを載荷した際のタワミ量が5mm以下、好ましくは3mm
以下になるように組合せることが望ましい。又板状素材
で上記条件が満たされない場合は例えば表面材、あるい
は裏面材に合板、パーチィクルボード等を接着して用い
るか、表裏面又は片面あるいは芯材にFRP板、布積層
板等の強化プラスチック板類又はアルミ板、鉄板等の金
属板類等の高弾性材料を用いることが好ましい。
本発明において、積層した板状素材の全面を接着固定せ
ずに部分的に一体化する固定方法としては、例えば縫
合、リベット留め、ボルトナット留、ネジクギ留、斑点
状又は部分接着などの手段が用いられる。
固定に際しては特に制限はなく、通常、縫合の場合、製
畳機等で縦横糸間面積100cm2以下、床下地材を切断する
など2次加工を要する時には50cm2以下が好ましく、
また縦縫いあるいは横縫いのみで縫合することも可能で
ある。
一方、リベット、ボルトナット、ネジクギ、斑点状又は
部分接着等で固定する場合、第1図を参照すると、板状
素材1,2,3を固定する箇所4は、例えば碁盤目状と
し、その間隔d,dは板状素材の強度、又は固定具
の保持力あるいは接着剤の種類によって異なるが、通常
100mm×100mm〜450mm×450mmの範囲内が適当である。ま
た、このような方法で製造される本発明に係る床下地材
の厚みは、特に限定されないが、一般的には20〜80mmの
範囲内が適当である。
なお、本発明に係る床下地材の製造は、施工現場におい
て板状素材をリベット、ボルトナット、ネジクギ、斑点
状又は部分接着等で留めて固定する事も可能であるが、
素材間の密着性の確保から問題がありキシミ音の発生等
により遮音性能にバラツキが生じる原因となる。従っ
て、予め床下地材を所定の要件に合致するよう製造した
ものを用意しておき、現場では単にそれを浮床に組立て
るようにすることが好ましい。
本発明に用いられる床下地材は、従来公知の単層又は2
層以上を接着固定した積層構造体から成る床下地材の弾
性ヒステリシス損失率が1〜3%であるのに対し、6%
以上(4層以上では10%以上)になる性質を保有する
ことが見出され、また、弾性ヒステリシス損失率と日本
建築学会基準でいう遮音性能(特に重量床衝撃音)を表
わすL値とが、第5図に示すごとく高度に相関性を有す
ることを見出し、この発見に基づいて本発明は完成され
たものである。
ここでいう弾性ヒステリシス損失率(%)は次の方法に
よって求められる。
まず、第2図および第3図において、床下地材11(900
mm×900mm)に700mm×700mmの間隔で鋼鉄製支持脚12
(40φ×50mm)を両面接着テープ16で接着固定し
た浮床をコンクリートスラブ17上に両面接着テープ1
6によって接着固定する。
次いで、床下地材の中心部M上に足付鋼鉄製基盤(自重
5kg)13を載置し、その時の床下地材のヒズミ量を測
定位置Nで測定する。ヒズミ測定位置Pは床下地材11
の一辺に沿う2個の支持棚12の中点であり、ヒズミ量
は載荷し1分間静置した後直ちにダイヤルゲージ15
(最小目盛0.01mm)で測定する。
さらに、前記基盤13上に、錘し14(10kg)を1個づ
つ順次積載してゆき、最終的には総重量105kgの荷重を
掛け、その都度、前記手順に従ってヒズミ量を測定す
る。次に錘し14、基盤13を順次減らしてゆき、同様
の手順に従って回復ヒズミ量を測定した。
このようにして測定された変形ヒズミ量および回復ヒズ
ミ量と荷重との関係をプロットして第4図の弾性ヒステ
リシス曲線を得た。
なお、測定に際してはまず上記手順で、予備実験をおこ
ない錘し、基盤を取り除いた後、ダイヤルゲージの目盛
が20分間動かなくなった時点より本実験を開始するも
のとする。
また、この予備実験において、前述したような所定負荷
時での床下地材のタワミ量を観察し、供試体が強度、耐
久性、居住性を保有する床下地材として適しているか否
かを判断することができる。
次に、この弾性ヒステリシス曲線を用いて、先ず積荷時
のヒズミ量の変化を表わす上昇曲線a1(▲▼)と、
最大荷重150kg時のヒズミ量を表わす軸線b1(▲▼)
及び垂線c(▲▼)とで囲まれた領域の面積(A+
B)を求め、次に荷降時の回復ヒズミ量の変化を表わす
下降曲線a2(▲▼)と、無荷重時の残留ヒズミ量を
表わす軸線b2(▲▼)及び上昇曲線a1(▲▼)と
で囲まれた領域の面積(B)を求めたのち、式〔B/
(A+B)〕×100をもって弾性ヒステリシス損失率
(%)とした。
〔作用〕
本発明の床構造において、特に重量床衝撃音の減衰メカ
ニズムについては明確ではないが、該床構造を開発する
過程において見出された知見、例えば床下地材を構成す
るにあたり、使用する板状素材の材質や厚みよりも積層
枚数のほうが大きな影響を有すること、さらに、これら
の板状素材は全面接着して固定されるのでなく、自由度
のある固定手段を用いなければ遮音効果(特に重量床衝
撃音)が発揮できないことから次のように推察される。
すなわち、本発明の床構造に衝撃力が加えられた際に、
床下地材が適度にヒズミ、そのヒズミに伴なって床下地
材を構成する板状素材面間においてズレが発生し、その
ズレによって加えられた衝撃エネルギーは熱エネルギー
として消失(第4図の弾性ヒステリシス曲線の面積Bに
相当する)するため、支持部材を通してコンクリートス
ラブに伝搬する衝撃エネルギーは減衰し、階下での重量
床衝撃音の発生を防止するものと推察される。
〔実施例〕
次に実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
実施例1〜7および比較例1〜2 床面積約10m2の部屋に構築された本発明に係る乾式浮
床構造の一例を示す破断断面図である第7図を参照する
と、900mm×1800mmの床下地材21の設孔21aと同心に
取り付けた雌ねじ部材25と、コンクリートスラブ20
上に設置するゴム弾性体22(寸法40φ×50mm、バ
ネ定数150kg/cm)の雌ねじ部材23との間を、金属製
螺杆24で螺合した6個(m2当り3.7個)の金属支柱
を有する床下地材21を該スラブ20上に敷設し、その
上に合板(12mm)を捨張材26として張設し、釘着固
定して成る乾式浮床構造を構築し、幅木27を設けた。
本発明に係る床下地材は表1に掲載する構成方法による
板状素材(合材の曲げ弾性率550kg f/mm2)を積層し、
次いで木ネジクギによって一体化した積層構造体であ
り、7種類の床下地材を作製した。
また、本発明と対照比較のため、比較例1としては単一
合板(24mm)及び比較例2としては、4枚の合板(1
2mm)をエポキシ系接着剤(三井東庄(株)製ME−510)
を用いて全面接着して一体化した積層合板(48mm)を
床下地材として用いた。
遮音性能(重量床衝撃音)の測定は、JISA1418に準じて
行ない、重量床衝撃音レベルは日本建築学会基準のL値
で示す。また弾性ヒステリシス損失率(%)は前記の方
法によって行ない、また得られた弾性ヒステリシス曲線
(第4図参照)における面積(A+B)と面積(B)
は、プラニメーター(内田洋行(株)製面積計)を用い
て測定した。その結果を表Iに示す。
実施例8〜11および比較例3 実施例8では実施例1で用いた合板床下地材に代えて、
インシュレーションボード(厚み10mm、曲げ弾性率2
6kg/mm2)の表裏面に合板(厚み15mm)を縦横300mm
の間隔で木ネジクギによって一体化した3層構造体から
なる床下地材を用いる以外は実施例1に従って乾式浮床
構造を構築した。
実施例9〜11では、実施例1で用いた合板床下地材に
代えて、表IIに掲載する構成素材を、製畳機で縦横糸間
面積15cm2で縫合したのち、表裏面に合板(厚み9m
m)をエポキシ系接着剤で全面接着した3〜4層構造体
の床下地材を用いる以外は実施例1に従って乾式浮床構
造を構築した。なお、接着した表裏面材は本発明におけ
る積層枚数には数えない。
比較例3として、インシュレーションボード(10mm)
の表裏面に合板(15mm)をエポキシ系接着剤で全面接
着した3層構造体の床下地材を実施例1における合板床
下地材に代えて用いる以外は実施例1に従って乾式浮床
構造を構築した。
重量床衝撃音レベルおよび弾性ヒステリシス損失率の測
定は実施例1と同様に行なった。その結果を表IIに示
す。
実施例12および比較例4 ウレタンフォーム(密度0.1g/cm3、厚み5mm)芯
材の表裏面にエポキシ系接着剤を用いて合板(厚み2.
5mm)を接着したウレタンフォームサンドイッチ合板素
材(厚み10mm、曲げ弾性率480kg/mm2)を4枚積層し
たのち、製畳機で縦横糸間面積9cm2で縫合し、さらに
表裏面合板(厚み2.5mm)をエポキシ系接着剤で接着
した4層構造体の床下地材を作製した。
比較例4として、ウレタンフォーム(密度0.1g/cm
3、厚み20mm)芯材の表裏面にエポキシ系接着剤を用
いて合板(厚み9mm)を接着したウレタンフォームサン
ドイッチ合板の床下地材を作製した。
上記床下地材を実施例Iにおける合板床下地材に代えて
用いる以外は実施例1に準じて乾式浮床構造を構築し、
重量床衝撃音レベル、弾性ヒステリシス損失率を測定し
た。その結果を表IIIに示す。
実施例13〜15 塩化ビニル製波板(厚み0.8mm、波状の垂直方向にお
ける曲げ弾性率300kg/mm2を表IVに掲載する所要枚数だ
け積層したのち、縦横方向に200mm×200mmの間隔
でリベット留めを行ない、次いでその表裏面に合板(厚
み12mm)をエポキシ系接着剤を用いて接着した。さら
に、ガラス織布と不飽和ポリエステル樹脂(三井東庄製
エスターR−235)を用いてハンドレイアップ法によ
って厚さ3mmのFRP層を形成した2〜5層構造体の床
下地材を作製した。これらの床下地材を実施例1におけ
る合板床下地材に代えて用いる以外は実施例1に準じて
乾式浮床構造を構築し、重量床衝撃音レベル、および弾
性ヒステリシス損失率を測定した。その結果を表IVに示
す。
実施例16および比較例5 実施例1で構築した乾式浮床構造のゴム弾性体と組合せ
た金属支柱に代えて単一の金属支柱を、2層合板床下地
材に代えて実施例3で作製した4層合板床下地材を用い
る以外は、実施例1と同様にして遮音性能の測定を行な
った結果、重量床衝撃音レベルはL−56であった。比
較対照のため、床下地材として比較例2で用いた全面接
着4層合板(厚み48mm)を使用した時の重量床衝撃音
レベルはL−61であった。
比較例6 実施例9で用いた床下地材をエポキシ系接着剤でコンク
リートスラブに接合した直置床構造を構築し実施例1に
記載の方法で遮音性能の測定を行なった結果、重量床衝
撃音レベルはL−63であった。
以上の各実施例および比較例のデータにもとづいて求め
た、乾式浮床構造の重量床衝撃音レベル(L値)と板状
素材の積層枚数および床下地材の弾性ヒステリシス損失
率との関係を表わすグラフをそれぞれ第5図および第6
図に示す。第5図においては重量床衝撃音レベルが板状
素材の積層枚数の増加と共に減少することすなわち遮音
効果の向上が見られる。また、第6図においては重量床
衝撃音レベルと弾性ヒステリシス損失率との間に極めて
強い相関関係があることが見られる。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなごとく、本発明に係る床下地材
を支持部材でもってコンクリートスラブより浮かせた乾
式浮床構造にすることによって重量床衝撃音を有効に吸
収して減衰させる効果があり、それによって床衝撃音の
階下への伝搬は日本建築学会基準のL値で5〜10減衰
される。又、その結果、床基盤の質量(コンクリートス
ラブの厚み)を増す必要がない安価で施工容易な居住性
に優れた遮音乾式浮床構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る床下地材の部分接合を説明するた
めの斜視図、第2〜4図は弾性ヒステリシス損失率の測
定法を説明するための図であり、第2図は測定の様子を
表わす側面図、第3図は床下地材の平面図、第4図は弾
性ヒステリシス曲線を表わすグラフ図、第5図は板状素
材の積層枚数と遮音性能の関係を表わすグラフ図、第6
図は弾性ヒステリシス損失率と遮音性能の関係を表わす
グラフ図、第7図は実施例の乾式浮床構造の模式部分断
面図である。 1,2,3…板状素材、4…固定箇所、 d,d…固定間隔、11…床下地材、 12…鋼鉄製支持脚、13…足付鋼鉄製基盤、 14…錘し、 15…ダイヤルゲージ、 16…両面接着テープ、 17…コンクリートスラブ、 O…中心点、 P…ヒズミ量測定位置、 20…コンクリートスラブ、 21…床下地材、 21a…設孔、 22…ゴム弾性体、 23…雌ねじ部材、 24…金属製螺杆、 25…雌ねじ部材、 26…捨張材、 27…幅木。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 為本 和雄 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26− 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層階建造物の上階基盤上に構築される乾
    式浮床構造において、該上階基盤上に床下空間を形成す
    るように支持部材を介して床下地材を敷設し、該床下地
    材を、曲げ弾性率1Kg/mm2以上の板状素材を積層しかつ
    全面を接着固定せずに部分的に固定して一体化した積層
    構造体で構成し、かつ、該床下地材に捨張板を載置し固
    定して成ることを特徴とする乾式浮床構造。
  2. 【請求項2】前記床下地材として用いられる積層構造体
    の弾性ヒステリシス損失率が6%以上である特許請求の
    範囲第1項記載の乾式浮床構造。
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