JPH0685453U - 窓開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビンの前面窓部に設けられるウィンドシ
ールドを天井部に引込むようにして上方に開く窓開閉装
置において、窓部に取付けたシール部材に摺接すること
なくウィンドシールドを開放し得るようにし、シール部
材の摩耗を防止する。 【構成】 窓部の側部に設けたガイドレール５に、ケー
ブル等の伝動部材８を介して駆動源に連結されるスライ
ダ３と、ウィンドシールド１の下部にピン９ａを介して
枢着したローラ９とを係合させる。ピン９ａにスライダ
３をピンの前後動を許容するリンク等の連結手段１０を
介して連結すると共に、ガイドレール５の下端に下方に
向って前方に屈曲するカム部１１を付設する。ウィンド
シールド１を開放すべくスライダ３を上方に駆動する
と、ローラ５がカム部１１に案内されて後方に動きつつ
引上げられ、ウィンドシールドがその前面に当接するシ
ール部材１２から引離される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キャビンの前面の窓部に設けられるウィンドシールドを駆動源から の動力でキャビンの天井部に引込むようにして上方に開く、主としてクレーンや パワシャベル等の建設機械に適用される窓開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の装置においては、天井部の側部に設けた第１ガイドレールにウ ィンドシールドの上部に連結した第１スライダを係合させると共に、窓部の側部 に設けた第２ガイドレールにウィンドシールドの下部に連結した第２スライダを 係合させ、駆動源により第１スライダを駆動して、ウィンドシールドの上部を第 １ガイドレールに沿って天井部に引込みつつウィンドシールドの下部を第２ガイ ドレールに沿って引上げ、ウィンドシールドを開放するようにしているが、この ものでは第１スライダの移動でウィンドシールドが次第に水平姿勢に傾いてくる と、第２スライダにウィンドシールドを介して作用する第１スライダの牽引力の 垂直分力が減少して、第２スライダを引上げるために第１スライダをより強く牽 引しなければならなくなり、駆動源の負荷がウィンドシールドの開放動作の後半 部に急増する不具合がある。

【０００３】 かかる不具合を解消すべく、本願出願人は、先に実願平４−６８９１０号によ り、駆動源からの動力を第１スライダと第２スライダとに夫々該各スライダの駆 動力として伝達する第１と第２の伝動部材を設け、第１スライダと共に第２スラ イダも駆動して、駆動源に無理をかけずにウィンドシールドを開放し得るように したものを提案した。

【０００４】 また、ウィンドシールドの閉鎖時のシール性を確保するため、窓部にウィンド シールドの前面周縁部が当接するシール部材を設けたものも従来知られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記先の提案の如く第２スライダも駆動する装置では、第２ガイドレールを真 直に形成して第２スライダを円滑に駆動し得るようにする必要があり、第２スラ イダをウィンドシールドの下部に単純に連結したのでは、シール部材を設けた場 合、ウィンドシールドの下部がシール部材に摺接しつつ第２ガイドレールに沿っ て押上げられることになり、シール部材の摩耗を生ずる。

【０００６】 本考案は、以上の点に鑑み、ウィンドシールドをシール部材に摺接することな く開放し得るようにした、上記先の提案の改良装置を提供することをその目的と している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成すべく、本考案は、キャビンの前面の窓部に設けられるウィン ドシールドを駆動源からの動力でキャビンの天井部に引込むようにして上方に開 く装置であって、天井部の側部に設けた第１ガイドレールに摺動自在に係合する 、ウィンドシールドの上部に連結される第１スライダと、窓部の側部に設けた第 ２ガイドレールに摺動自在に係合する第２スライダと、駆動源からの動力を第１ スライダと第２スライダとに夫々該各スライダの駆動力として伝達する第１と第 ２の伝動部材とを備えると共に、窓部にウィンドシールドの閉鎖状態でウィンド シールドの前面周縁部が当接するシール部材を設けるものにおいて、ウィンドシ ールドの下部に第２ガイドレールに係合するローラを該下部に取付けた枢支ピン を介して枢着し、該枢支ピンと第２スライダとを第２スライダに対する枢支ピン の前後動を許容する連結手段を介して連結すると共に、第２ガイドレールの下端 にローラを案内する、下方に向って前方に屈曲するカム部を付設したことを特徴 とする。

【０００８】 前記連結手段としては、前記枢支ピンと前記第２スライダとに一端と他端とを 枢着したリンクや、前記枢支ピンを係合させる前後方向に長手の長穴を有する、 前記第２スライダに固定の連結片を用いることができる。

【０００９】

【作用】

ウィンドシールドの閉鎖時は、第２スライダが下方に駆動されて該第２スライ ダから連結手段を介して枢支ピンに下方への駆動力が伝達され、この駆動力によ りローラがカム部に案内されて前方に動かされ、ウィンドシールドの前面周縁部 がシール部材に確実に密着する。

【００１０】 一方、ウィンドシールドの開放時は、上記とは逆に第２スライダが上方に駆動 され、枢支ピンに連結手段を介して伝達される上方への駆動力によりローラがカ ム部に案内されて後方に動かされ、ウィンドシールドがシール部材から離間され 、以後シール部材に摺接することなくウィンドシールドが開放される。

【００１１】

【実施例】

図１を参照して、１はクレーンやパワシャベル等の建設機械のキャビンの前面 窓部に設けられるウィンドシールドであり、該ウィンドシールド１の側縁部上端 に第１スライダ２を枢着すると共に、側縁部下端に後記する連結手段を介して第 ２スライダ３を連結し、第１スライダ２をキャビンの天井部の側部に設けた前後 方向に長手の第１ガイドレール４に、また、第２スライダ３を窓部の側部に設け た上下方向に長手の第２ガイドレール５に夫々摺動自在に係合させ、ウィンドシ ールド１を天井部に前方から引込みつつ上方に開放し得るようにした。

【００１２】 第１スライダ２と第２スライダ３とは、図外の駆動源によりディファレンシャ ルギア機構６を介して押し引きされるプッシュプル型の第１と第２のケーブル７ 、８に夫々連結されており、駆動源からの動力が第１スライダと第２スライダ３ とに夫々第１ケーブル７と第２ケーブル８とを介して該各スライダ２、３の駆動 力として伝達され、ウィンドシールド１が無理なく開閉される。

【００１３】 尚、第１スライダ２の移動速度と第２スライダ３の移動速度とはウィンドシー ルド１と各ガイドレール４、５との成す角度が互に等しくなる時点を除いて互に 異なる速度になり、この速度差を吸収するために上記の如くディファレンシャル ギア機構６を設けている。

【００１４】 ウィンドシールド１の側縁部下端には、第２ガイドレール５に転動自在に係合 するローラ９が該下端に固定した枢支ピン９ａを介して枢着されており、該枢支 ピン９ａと前記第２スライダ３とを第２スライダ３に対する枢支ピン９ａの前後 動を許容する連結手段を介して連結した。本実施例で該連結手段は、図２乃至図 ４に示す如く、枢支ピン９ａと第２スライダ３とに一端と他端とを枢着したリン ク１０で構成されている。尚、第２スライダ３には第２ケーブル８に連結される 駒部３ａがピン部３ｂを介して取付けられており、このピン部３ｂにリンク１０ の端部を枢着した。また、第２ガイドレール５の下端に下方に向って前方に屈曲 するカム部１１を付設した。

【００１５】 以上の構成によれば、ウィンドシールド１の閉鎖時、第２スライダ３からリン ク１０を介して枢支ピン９ａに伝達される下方への駆動力によりローラ９がカム 部１１に案内されて前方に動かされ、ウィンドシールド１の前面周縁部が窓部に 設けたシール部材１２に確実に密着してシール性が確保される。

【００１６】 一方、ウィンドシールド１の開放時には、先ず第２スライダ３からリンク１０ を介して枢支ピン９ａに伝達される上方への駆動力によりローラ９がカム部１１ に案内されて閉鎖時とは逆に後方に動かされ、ウィンドシールド１の下部が後方 に牽引されて、シール部材１２からウィンドシールド１が引離され、以後ウィン ドシールド１がシール部材１２に摺接することなく上方に開放される。

【００１７】 図５及び図６は他の実施例を示し、このものでは第２ガイドレール５内に第２ スライダ３用のレール部５ａとローラ９用のレール部５ｂとを並設し、第２スラ イダ３にレール部５ｂ側に張出す連結片１３を突設して、該連結片１３に前後方 向に長手の長穴１３ａを形成し、該長穴１３ａにローラ９の枢支ピン９ａを係合 させて、枢支ピン９ａと第２スライダ３とを第２スライダ３に対する枢支ピン９ ａの前後動を許容するように連結した。

【００１８】 そして、ローラ用のレール部５ｂの下端に下方に向って前方に屈曲するカム部 １１を付設し、上記実施例と同様にウィンドシールド１の閉鎖時はシール部材１ ２にウィンドシールド１を密着させ、ウィンドシールド１の開放時はシール部材 １２からウィンドシールド１を引離すようにした。

【００１９】 尚、上記実施例では各スライダ２、３に駆動力を伝達する伝動部材としてケー ブル７、８を用いたが、各スライダに螺挿される各ねじ軸を設け、各ねじ軸を駆 動源により回転させて各スライダを駆動するようにしても良い。

【００２０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ウィンドシールドの閉鎖時 にウィンドシールドをシール部材に確実に密着させてシール性を向上できると共 に、ウィンドシールドをシール部材に摺接することなく開放し得るようになり、 シール部材の摩耗を防止して耐久性も向上できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本案装置の一例の斜視図

【図２】 その要部の拡大側面図

【図３】 図２のIII-III線截断面図

【図４】 図２のIV-IV線截断面図

【図５】 本案装置の他の実施例の要部の側面図

【図６】 図５のVI-VI線截断面図

【符号の説明】

１ ウィンドシールド ２ 第１スライダ ３ 第２スライダ ４ 第１ガイドレ
ール ５ 第２ガイドレール ７ 第１ケーブル（第１伝動部材） ８ 第２ケーブル（第２伝動部材） ９ ローラ ９ａ 枢支ピン １０ リンク １１ カム部 １２ シール部材 １３ 連結片 １３ａ 長穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 河端 雅浩 栃木県塩谷郡氏家町氏家1150−６ 八千代 工業株式会社栃木技術センター内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビンの前面の窓部に設けられるウィ
   ンドシールドを駆動源からの動力でキャビンの天井部に
   引込むようにして上方に開く装置であって、天井部の側
   部に設けた第１ガイドレールに摺動自在に係合する、ウ
   ィンドシールドの上部に連結される第１スライダと、窓
   部の側部に設けた第２ガイドレールに摺動自在に係合す
   る第２スライダと、駆動源からの動力を第１スライダと
   第２スライダとに夫々該各スライダの駆動力として伝達
   する第１と第２の伝動部材とを備えると共に、窓部にウ
   ィンドシールドの閉鎖状態でウィンドシールドの前面周
   縁部が当接するシール部材を設けるものにおいて、ウィ
   ンドシールドの下部に第２ガイドレールに係合するロー
   ラを該下部に取付けた枢支ピンを介して枢着し、該枢支
   ピンと第２スライダとを第２スライダに対する枢支ピン
   の前後動を許容する連結手段を介して連結すると共に、
   第２ガイドレールの下端にローラを案内する、下方に向
   って前方に屈曲するカム部を付設したことを特徴とする
   窓開閉装置。
2. 【請求項２】 前記連結手段は、前記枢支ピンと前記第
   ２スライダとに一端と他端とを枢着したリンクで構成さ
   れることを特徴とする請求項１に記載の窓開閉装置。
3. 【請求項３】 前記連結手段は、前記枢支ピンを係合さ
   せる前後方向に長手の長穴を有する、前記第２スライダ
   に固定の連結片で構成されることを特徴とする請求項１
   に記載の窓開閉装置。