JPH0685442U - 法面緑化保護工用客土袋の収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 法面緑化保護工用客土袋の収納装置に関する
もので、既設のコンクリ−ト枠工に簡単な構造及び取付
け操作によっ簡単且つて確実に緑化が図れるようにす
る。的とする。 【構成】 格子枠１で複数のマス目２を有するコンクリ
−ト打設工を施した法面において、金属ネット３_１の縁
辺に横長の金属枠体３_２を添わせ、これに塗装又はメッ
キ加工を施した金属ネット体を張って保護ネット枠３を
構成し、当該保護ネット枠を前記マス目の下辺に沿って
横方向に渡し、格子縦枠の表面にアンカ−４で取付け、
その保護ネット枠内に客土袋６を収容したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本考案は法面緑化保護工用客土袋の収納装置に関す るもので、既設のコンクリ−ト法枠工に簡単な構造及び取付け操作によって簡単 且つ確実に緑化が図れるようにしたことを目的とする。

【０００２】

【従来の技術】 一般に法面を保護するためにマス目を有する格子枠のコン クリ−ト擁壁の法枠工が行われるが、人工的な工事のため景観が悪い。そこで、 その格子枠のマス内に客土袋を入れ、これに低木草本類の植栽や播種を施して緑 化を図ることが行われている。 これによって、人工的なコンク−ト法枠工を施した法面にある程度の緑化が期 待できるが、前記の客土袋はマス目内に置いただけの状態であるから、風雨によ って格子枠のマス目から脱落したり、脱落はしなくても袋内の客土が流出したり して低木類の繁茂や播種の発芽生育の歩留りが甚だ悪いのが現状である。 そこで、本願出願人は先に、実開平３−６２１２９号公報記載の考案のように 、コンクリ−ト法枠工における植栽装置において、「既設のコンクリ−ト法枠の 横梁の上に開口部が水平で、背部がコンクリ−ト法枠内の法面に接合し、底部が 横架に掛止する箱形容器を設置し、前記容器の底部及び背部にアンカ−を通して 横架及びコンクリ−ト法枠内の法面に打込み固定する」考案を提供した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 これによって、箱形内に壌土を入れ、こ れに低木樹木の植栽することができる。 しかしながら、前記の箱形容器はコンクリ−ト性であるから、その重量が相当 に重くて取扱いが不便である。そして、既設のコンクリ−ト法枠工に設置するに は、クレ−ン等の吊り上げ機械を使って行わなければならず、作業が面倒である と共に施工費がコスト高になっていた。 なお、その他、前記の客土袋の脱落や播種の流失を防ぐために、例えば、コン クリ−ト製の蓋板でマス目の一部を覆うことも考えられるが、その蓋板の重量が 大幅に重くて取扱いに不便であるし、且つ通気性が悪いため低木草本類の繁茂や は播種による発芽生育の障害になる欠点がある。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】 そこで、本考案は、考案の目的を達成し 、且つ従来技術の課題を解決するために提供するものであり、本考案の第１は、 法面緑化保護工用客土袋の収納装置において、格子枠で複数のマス目を有するコ ンクリ−ト法枠工を施した法面において、塗装又はメッキ加工を施した金属ネッ ト体の縁辺に金属枠体を添わせて横長の保護ネット枠を設け、当該保護ネット枠 を前記のマス目の内側下辺に沿って横方向に渡し、且つその保護ネット枠の両端 部位にあけた孔を格子縦枠部の表面に植設したアンカ−に取付けて固着し、その 保護ネット枠内に客土袋を収容したものである。

【０００５】 本考案の第２は、法面緑化保護工用客土袋の収納装置において、格子枠で複数 のマス目を有するコンクリ−ト法枠工を施した法面において、塗装又はメッキ加 工を施した金属ネット体の周囲縁辺に金属枠体を添わせて横長の保護ネット枠を 設け、当該保護ネット枠を前記のマス目の下辺に沿って横方向に向けて金属枠体 の左右両端面を格子縦枠の内面に近接して収容し、且つ金属枠体の左右側面にあ けた孔を格子縦枠内面に植設したアンカ−に通して固着し、マス目底面との間に 一定のスペ−スを確保すると共にその保護ネット枠内に客土袋を収容したもので ある。

【０００６】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図面を以て説明する。 図１はマス目を有する格子法枠のコンクリ−ト打設工の法面に本考案に係る保 護ネット枠を設けた正面図、図２は図１の２─２線に沿う拡大断面図、図３は図 １の一部の拡大斜視図、図４は図１の他の例を示す正面図、図５は図４の５─５ 線に沿う拡大断面図、図６は図４の一部の拡大斜視図である。

【０００７】 図において、１は法面Ａにコンクリ−ト打設により格子状の法枠工を施した法 枠、２はその法枠工によって形成される複数のマス目、３は横長の保護ネット枠 であり、予め塗装加工し、又はメッキ加工を施した金属ネット体３₁ の縁辺に金 属枠体３₂ を添わせて形成する。４は前記の保護ネット枠３の左右両端部にあけ たアンカ−取付け用の孔、５は保護ネット枠３を取付けるためのアンカ−を示し 、法枠工の縦枠部１₁ の表面にアンカ−ボルト５₁ を植設し、これに保護ネット 枠の孔４に挿通した後にナット５₂ を螺合する。前記のアンカ−ボルト５₁ は、 コンクリ−ト法枠工の場合は、電気ドリルで孔をあけ、基部がスリット入り筒体 を成し、その筒体内に楔が挿入されている公知のアンカ−５の基部を、前記孔に 打ち込むことによって基部を拡開して孔に固着する構造のものを使用する。また 、前記法枠工を新規に打設する場合は、所定個所に前記のアンカ−をコンクリ− トが硬化しないうちに植設しておくことも可能である。 図中６は客土袋を示し、法枠のマス目２の底部１₂ と保護ネット枠３の間に収 納設置してある。

【０００８】

【具体的な施工例】 上記の実施例に基づく具体的な施工例は以下のとおり である。すなわち、法面Ａにコンクリ−ト法枠工によってマス目２を有する格子 枠１を成形する。その法枠は、底部１₂ から所定の高さＨが保持されている。 そして、図１〜図３にあっては、コンクリ−ト法枠工において、マス目を形成 する法枠縦枠部１の表面にアンカ−ボルト５₁ を植設して固定し、保護ネット枠 ３をマス目の下辺２₁ に沿って左右横方向に渡し、その両端部３₁ ′を法枠の縦 枠部１₁ に乗せてその内部に法枠高さＨと略同じのスペ−スＳを確保すると共に 、金属枠体３₂ の孔４にアンカ−ボルト５₁ を挿通し、アンカ−用ナット５₂ で 螺合して締着する。そして、マス目の底部１₂ と保護ネット枠３内面のスペ−ス Ｓに複数又は単一の客土袋Ｂを収納設置する。 収納した客土袋の一部を切り裂いて低木草本類を植栽し、又は播種して繁茂又 は発芽生育させる。

【０００９】 次に図４〜図６にあっては、図１〜図３と同じコンクリ−ト法枠の打設工にお いて、マス目を形成する法枠縦枠部１の両側内面にアンカ−ボルト５₁ を対向横 向きに植設して固定し、保護ネット枠３をマス目の下辺２₁ に沿って左右横方向 に渡し、その両端部３₂ ′を法枠の縦枠部１₁ の内面に近接して嵌め込むと共に 、金属枠体３₂ の孔４にアンカ−ボルト５₁ を挿通し、アンカ−用ナット５₂ で 螺合して締着する。そして、マス目の底部１₂ と保護ネット枠３内面のスペ−ス Ｓに複数又は単一の客土袋６を収納設置する。なお、この場合における前記スペ −スは、法枠高さＨより保護ネット枠３の厚さの分だけ小さくなる。 あとは、前記図１〜図３と同じ容量で収納した客土袋の一部を切り裂いて低木 草本類を植栽し、又は播種して繁茂又は発芽生育させる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上記の構成であるから、法枠のマス目内に収納した客土袋は、保護ネ ット枠によって当該マス目内に安定して設置されているから、風雨に曝されても マス目の外部に脱落したり、客土の流失したりするのを確実に防止する。 また、保護ネット枠が金属ネット体と金属枠体によって形成されているから、 例えばコンクリ−ト蓋板等に比べて通気性に富むと共に、その金属ネット体の網 目から播種による発芽し、成育の妨げにもならない。 さらに、保護ネット枠が法枠表面に渡した状態で取付けられているか客土袋を 収納するスペ−スは法枠の高さと同じか、それ以上になるから収納容量が大きく 確保される。 そして、全体の重量が大幅に軽くなるから、足場の悪い法面での保護ネット枠 の取付け作業が能率的である。 その他、前記の金属ネット体には、塗装加工又はメッキ加工を施してあること により、防錆効果があると共に、塗装加工においては周囲の景観に馴染んだ配色 にすることもできる。 そして、請求項２におけるマス目のスペ−スは、請求項１のマス目のスペ−ス より、保護ネット枠の厚さ分だけ狭くなるので、多少小容量の客土袋になるが、 保護ネット枠の両端部位がマス目内に納まるから材料の節約及び外観体裁が良好 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 マス目を有する格子形のコンクリ−ト法枠工
の法面に本考案に係る保護ネット枠を設けた正面図であ
る。

【図２】 図１の２─２線に沿う拡大断面図である。

【図３】 図１の一部の拡大斜視図である。

【図４】 図１の他の例を示す正面図である。

【図５】 図４の５─５線に沿う拡大断面図である。

【図６】 図４の一部の拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ 格子法枠 ２ 法枠のマス目 ３ 保護ネット枠 ３₁ 金属ネット体 ３₂ 金属枠体 ３₃ 網目 ４ アンカ− ５ アンカ−ボルトのナット Ａ 法面 Ｈ 法枠の高さ Ｓ スペ−ス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 格子枠(1) で複数のマス目(2) を有する
   コンクリ−ト法枠工を施した法面（Ａ）において、塗装
   又はメッキ加工を施した金属ネット体（３₁ )の縁辺に
   金属枠体(3₂ ) を添わせて横長の保護ネット枠（3)を設
   け、当該保護ネット枠を前記のマス目(2) の内側下辺(2
   ₁ ) に沿って横方向に渡し、且つその保護ネット枠の両
   端部位（3 ₂ ′) にあけた孔(4) を格子縦枠部(1₁ ) の
   表面に植設したアンカ−(5) に取付けて固着し、その保
   護ネット枠内に客土袋(6) を収容したことを特徴とする
   法面緑化保護工用客土袋の収納装置。たことを特徴とす
   る法面緑化保護工用客土袋の収納装置。
2. 【請求項２】 格子枠(1) で複数のマス目(2) を有する
   コンクリ−ト法枠工を施した法面（Ａ）において、塗装
   又はメッキ加工を施した金属ネット体(3₁ ) の周囲縁辺
   に金属枠体（３₂ ) を添わせて横長の保護ネット枠(3)
   を設け、当該保護ネット枠を前記のマス目(2) の下辺(2
   ₁ ) に沿って横方向に向けて金属枠体の左右両端面（3
   ₂ ′) を格子縦枠(1₁ ) の内面に近接して収容し、且つ
   金属枠体の左右側面にあけた孔(4) を格子縦枠内面に植
   設したアンカ−(5) に通して固着し、マス目底面
   （１₂ ) との間に一定のスペ−ス（Ｓ）を確保すると共
   にその保護ネット枠内に客土袋(6) を収容したことを特
   徴とする法面緑化保護工用客土袋の収納装置。