JP5062560B2 - 壁面緑化ユニット - Google Patents

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本発明は、構造物の壁面に緑化を施すための壁面緑化ユニットに関する。
従来、都市部におけるヒートアイランド現象の緩和や大気中の炭酸ガスの吸収、アメニティ空間の創出などを目的として、建築物や土木構造物(構造物)の壁面に植栽を施す壁面緑化が行なわれている。
そして、この種の壁面緑化システムには、特許文献1に開示されるように、パイプ状に形成した複数の植栽ユニット(壁面緑化ユニット)の内部に土壌を収容して植栽を施し、これら複数の植栽ユニットを、吊り部材によって水平に保持しつつ上下方向に所定の間隔をあけて繋ぎ、最上部の植栽ユニットに接続したワイヤーを、建築物の屋上に設けた昇降装置で繰出しあるいは巻取ることで、各植栽ユニットを建築物の壁面に沿って配置するようにしたものがある。
また、特許文献2に示されるように、複数の方形状の箱を備えたフレーム枠と、このフレーム枠の複数の箱に収容される植栽基盤(培土基盤)とを備え、アンカーボルトでフレーム枠を建築物の壁面に固定し、箱内の植栽基盤に植生した植物によって壁面に緑化を施すようにしたものもある。
さらに、特許文献3に示されるように、建築物の外壁から突出した複数の腕木と、これら腕木に支持された複数のフレーム材と、フレーム材に架張したネットと、フレーム材の下端側の建築物の外周に沿う地上に置かれた複数のプランターとを備え、プランター内の植栽土壌に植栽した落葉蔓性植物のツタが上方に設けたネットやフレーム材に支持されながら生育することで、建築物の壁面に緑化を施すようにしたものもある。
しかしながら、特許文献1の壁面緑化システムでは、屋上に設けた昇降装置でワイヤーの繰出しや巻上げを行なう関係上、複数の植栽ユニットを建築物の壁面に沿って垂直方向に吊り下げて並設させることになり、建築物の壁面の任意の位置を緑化して美的外観を向上させたい場合などデザイン面の自由度が低いという問題があった。
また、特許文献2の壁面緑化システムは、植栽基盤を収容するフレーム枠を堅牢に形成する必要があるため、コスト高を招き、しかも、フレーム枠を建築物の壁面に固定するため、例えば建築物の壁面を塗り替えたり、フレーム枠の箱内に収容した植栽基盤を交換するなど、建築物や壁面緑化システムのメンテナンスに柔軟に対応できないという問題があった。
さらに、特許文献3の壁面緑化システムは、地上に設けたプランターからツタ植物を生育させて緑化を施すものであるため、緑化を施すための植物に限りがあり、植物選定の自由度が低いうえ、特許文献1と同様、デザイン面の自由度にも限りがあるという問題があった。
一方、図6及び図7に示すように、建築物(構造物)Tの壁面T1に支持部材1を固設し、この支持部材1に壁面緑化ユニット(緑化ユニット)2を吊り下げ状態で設置して、建築物Tに緑化を施すようにした壁面緑化システムAがある。この種の壁面緑化システムAにおいては、緑化ユニット2が、例えば土壌とパーライトなどの無機質発泡体(発泡体)と熱融着繊維を混合し、これを蒸気で加熱処理して繊維を土壌や発泡体に絡ませ固形化した培土基盤3を、篭状に形成したメッシュ枠4の内部に挿入し、このメッシュ枠4で培土基盤3を保持するようにして形成されている。そして、メッシュ枠4に一体形成した引掛部(固定金具)5を支持部材1に引っ掛けたり、ボルトとナットで固定するなどして、緑化ユニット2を簡便に設置することができる。このため、この壁面緑化システムAにおいては、支持部材1の任意の位置に緑化ユニット2を設置することができ、デザインや植物選定の自由度が高く、また、緑化ユニット2の取り外しが容易であるため、建築物Tや壁面緑化システムA(緑化ユニット2)のメンテナンスに柔軟に対応することが可能である。
特開2004−248550号公報 特開2002−95347号公報 特開2002−34350号公報
しかしながら、図6及び図7に示した壁面緑化システムAの緑化ユニット2において、培土基盤3は、繊維を土壌や発泡体に絡ませて固形化したものであり、植栽を施す関係上、その強度特性(剛性)が緑化ユニット2を建築物Tの壁面T1に設置した後に風雨にさらされてもその形状を維持できる程度とされている。そして、このような強度特性で形成した培土基盤3は、緑化ユニット2の形成時に、すなわち培土基盤3をメッシュ枠4の内部に挿入する際に、作業者が手で持つと自重によって曲がるなどし、ハンドリング性(取扱性)が悪く、培土基盤3のサイズが大きくなるほどにメッシュ枠4の内部に挿入しにくくなって、挿入作業に多大な労力を要するという問題があった。
また、メッシュ枠4の内部に挿入する際に、培土基盤3の端部がメッシュ枠4やこれに一体形成した引掛部5に引っ掛かって千切れ、損傷が生じるという不都合が生じていた。
本発明は、上記事情に鑑み、培土基盤の取扱性を向上させるとともに、損傷を防止することを可能にし、且つ低コスト化を図ることが可能な壁面緑化ユニットを提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の壁面緑化ユニットは、構造物の壁面に固設した支持部材に支持されて前記壁面に沿って吊り下げ状態で設置することにより前記構造物に緑化を施す壁面緑化ユニットであって、植栽が施される培土基盤と、該培土基盤を保持して前記支持部材に吊り下げ状態で支持させるための固定具とを備え、前記培土基盤は、熱融着繊維を含み、加熱処理することで固形化する熱融着培土と、該熱融着培土を収容し、加熱処理して前記熱融着培土の熱融着繊維が内面に接着することで前記熱融着培土と実際に一体になったトレーとを備えてなり、前記固定具は、一対の縦部と該一対の縦部の下端同士を繋ぐ横部とを備え、前記一対の縦部の間に差し込むことで前記培土基盤を保持するように略U字状で帯状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の壁面緑化ユニットにおいて、前記トレーは、収容した前記熱融着培土を保持するための培土保持用突起が設けられていることが望ましい。
さらに、本発明の壁面緑化ユニットにおいて、前記トレーは、少なくとも底部がメッシュ状に形成されていることがより望ましい。
本発明の壁面緑化ユニットにおいては、培土基盤が強度特性の低い熱融着培土をトレーに収容して一体形成されていることによって、強度特性を高めることができ、培土基盤のハンドリング性(取扱性)を向上させることができる。そして、このように、培土基盤自体の強度特性が高められていることによって、従来の壁面緑化ユニットのようにメッシュ枠に培土基盤を挿入し、このメッシュ枠で培土基盤の全体を包んで保持する必要がなくなり、培土基盤の全体を覆うことのない略U字状で帯状に形成した固定具を、一対の縦部の間に培土基盤を差し込んで取り付けて培土基盤を保持することが可能になり、この固定具を壁面に固設した支持部材に固定して支持させることで確実に壁面緑化ユニット(培土基盤)を構造物の壁面に沿って設置することが可能になる。
また、略U字状で帯状の固定具を、この一対の縦部の間に培土基盤を差し込むという簡易な操作で培土基盤に取り付けることができ、且つ培土基盤の強度特性がトレーによって高められるとともに熱融着培土がトレーで保護されるため、従来のように培土基盤が損傷するようなことをなくして、好適に壁面緑化ユニットを形成することが可能になる。
さらに、トレーに熱融着培土が収容され、培土基盤自体の強度特性が高められていることで、培土基盤の生産時や運搬時の取扱いが容易になるとともに、培土基盤に固定具を取り付けた壁面緑化ユニットのハンドリング性を向上させることができ、壁面緑化ユニットの設置を容易に行うことが可能になる。これにより、施工性の向上を図ることが可能になる。
また、従来の壁面緑化ユニットのようにメッシュ枠やこれに一体形成した引掛部(固定金具)を用いることなく、培土基盤に略U字状で帯状の固定具を取り付けるというシンプルな構成で壁面緑化ユニットを形成でき、さらに、培土基盤の製作時に用いる金型としてトレーを兼用できるため、壁面緑化ユニットの低コスト化を図ることが可能になる。
さらに、このような壁面緑化ユニットを用いて構造物に緑化を施した場合には、デザイン変更やメンテナンスのために壁面緑化ユニットを交換する際に、培土基盤のみを交換すればよく、壁面緑化システムのランニングコストを低減することが可能になる。すなわち、従来の壁面緑化ユニットでは、培土基盤がメッシュ枠に挿入されて全体が包まれ、培土基盤から植物がメッシュ枠の外側に生育しているため、メッシュ枠の内部から培土基盤を取り出すことができず、デザイン変更やメンテナンス時に、壁面緑化ユニット全体を新たな壁面緑化ユニットと交換せざるを得ない。これに対し、本発明の壁面緑化ユニットにおいては、略U字状で帯状の固定具の一対の縦部の間に培土基盤を差し込んで、培土基盤が固定具に保持されているため、培土基盤を固定具から引き抜くことで容易に取り外すことができ、新たな培土基盤をこの固定具に差し込むことで、新たな壁面緑化ユニットを形成することができる。
また、本発明の壁面緑化ユニットにおいては、トレーに、収容した熱融着培土を保持するための培土保持用突起を設けることで、確実に熱融着培土とトレーを一体化させることができ、確実にハンドリング性(取扱性)を向上させることが可能になるとともに、構造物の壁面に設置した後に、熱融着培土がトレーから脱落することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本発明の壁面緑化ユニットにおいては、トレーの少なくとも底部がメッシュ状に形成されていることによって、トレーと熱融着培土の一体性をさらに向上させることができる。また、トレーに収容した熱融着培土への灌水の供給や熱融着培土からの排水を好適に行うことができ、熱融着培土(培土基盤)の水分量を植物の生育に適した状態で確実に維持することが可能になり、構造物の壁面に好適に緑化を施すことが可能になる。
以下、図1から図5を参照し、本発明の一実施形態に係る壁面緑化ユニットについて説明する。本実施形態は、建築物や土木構造物などの構造物の外面や内面の壁面に緑化を施すための壁面緑化ユニット及びこれを用いた壁面緑化システムに関するものである。
本実施形態の壁面緑化システムBは、図1に示すように、構造物Tの壁面T1に固設されるとともに、上下方向に所定の間隔をあけて並設された複数の支持部材1と、支持部材1に支持され、上下方向に隣り合う一対の支持部材1の間に配された複数の壁面緑化ユニット(緑化ユニット)10と、支持部材1と緑化ユニット10の間に配された灌水チューブ(灌水部材)11とが主な構成要素とされている。
支持部材1は、例えばC型チャンネルなどのチャンネルであり、断面略凹状に形成されている。また、支持部材1は、開口部側を上方に向けた状態で、且つ対向する一対の側壁部のうち一方の側壁部の外面を構造物Tの壁面T1に面接触させた状態で、一方の側壁部をアンカーボルトなどで壁面T1に固定して設けられている。さらに、複数の支持部材1は、それぞれ、水平方向に延設されて平行に設置されている。また、本実施形態において、支持部材1の一方の側壁部と対向する他方の側壁部の外面側には、すなわち構造物Tの壁面T1に対して外側に位置する側壁部の外面側には、この外面から外側に突出する例えばビスやボルトなどが支持部材1の延設方向に所定の間隔をあけて設けられている。
一方、本実施形態の緑化ユニット10は、図2及び図3に示すように、植栽が施される培土基盤12と、培土基盤12を保持して支持部材1に吊り下げ状態で支持させるとともに、保持した培土基盤12を構造物Tの壁面T1に沿って設置するための固定具13とを備えて構成されている。
培土基盤12は、図2から図4に示すように、正面視略正方形状で略平板状に形成されており、熱融着繊維を含み、加熱処理することで固形化する熱融着培土14と、この熱融着培土14を収容するトレー15とを一体形成して構成されている。
熱融着培土14は、土壌とパーライトなどの無機質発泡体(発泡体)と熱融着性繊維を混合し熱処理によって固形化して形成されている。すなわち、熱融着培土14は、熱処理によって熱融着性繊維同士が接着したり、繊維と発泡体、繊維と土壌が接着することで三次元の網状構造が形成され、これにより、土壌が保持されるとともに固形化した形状が好適に保持される。そして、このように固形化した状態の熱融着培土14は、緑化ユニット10を構造物Tの壁面T1に設置し、培土基盤12が風雨にさらされた場合においても、土壌が外部に流出するようなことがなく、その形状が長期にわたって保持される程度の強度特性を備えて形成されている。また、このような熱融着培土14は、無機質発泡体の単位体積当りの重量が例えば0.5kg/リットル以下とされ、この無機質発泡体が混在することによって、軽量化が図られるとともに、植物の生育に対する適度な保水性と排水性が付与されている。
トレー15は、例えばプラスチックや金属製の皿状に形成されており、略平板状の底部15aと、底部15aの外周端からトレー15の上端に向かうに従い漸次外側に傾斜する側壁部15bとを備えて形成されている。また、本実施形態のトレー15は、底部15aがメッシュ状に形成されるとともに、この底部15aからトレー15の上端に向けて突出する複数の培土保持用突起15cを備えて形成されている。
そして、このトレー15に熱融着培土14を充填して培土基盤12が形成され、このとき、トレー15の底部15aや側壁部15bの内面に熱融着性繊維が接着して熱融着培土14とトレー15が一体化され、さらに、底部15aがメッシュ状に形成されていることによって、また、底部15aに培土保持用突起15cが形成されていることによって、熱融着培土12がトレー15に確実に保持されて互いが一体化されている。このように形成した本実施形態の培土基盤12は、従来の緑化ユニット2の培土基盤3と比較し(すなわちトレー15を備えていない培土基盤3と比較し)、強度特性の低い熱融着培土14の外側にトレー15が一体に設けられていることで、強度特性(剛性)が高められ、ハンドリング性(取扱性)の向上が図られている。
また、このような培土基盤12は、トレー15の内部に、土壌と無機質発泡体と熱融着繊維を混合した熱融着培土14を充填し、充填した熱融着培土14の上面をトレー15の上端に合わせて平らに整え、この状態で、蒸気で加熱することによって、熱融着培土14を固形化し、これとともに熱融着培土14とトレー15を一体化して製作される。すなわち、本実施形態の培土基盤12は、トレー15を金型として兼用し製作することができる。
また、このように培土基盤12を形成した段階で、例えば熱融着培土14に直接播種したり、熱融着培土14に窪みを形成しこの窪みにポット苗を設置するなどして植栽が施される。なお、この熱融着培土14に植栽される植物は、例えばコケ、セダム、蔓性植物などが好ましいが特に限定を必要としない。
一方、固定具13は、金属やプラスチック等で形成されるとともに、図1から図3に示すように、一対の縦部13a、13bとこれら一対の縦部13a、13bの下端同士を繋ぐ横部13cとを備えて略U字状で帯状に形成されている。また、固定具13は、一対の縦部13a、13bの間隔が培土基盤12の幅と同等あるいは培土基盤12の幅よりも僅かに大きく形成されるとともに、一方の縦部13aが他方の縦部13bよりも上方に延出して形成されている。さらに、固定具13は、図5に示すように、一対の縦部13a、13bの間に培土基盤12を差し込むことで培土基盤12に取り付けられ、このように取り付けた状態で、培土基盤12の一面側に配された一方の縦部13bの上端部13d(他方の縦部13bよりも上方に延出した部分)が培土基盤12の上端よりも上方に配されるように形成されている。
そして、本実施形態において、緑化ユニット10は、培土基盤12の両側端側にそれぞれ一つずつ固定具13を取り付けて構成され、図1に示すように、各固定具13の一方の縦部13aの上端部13dを構造物Tの壁面T1に固設した支持部材1に固定することによって、培土基盤12が固定具13に保持されつつ支持部材1に吊り下げ状態で支持され、壁面T1に沿うように設置される。また、このとき、複数の緑化ユニット10を、任意の支持部材1の任意の位置に設置することで、すなわち構造物Tの壁面T1に沿って上下方向や水平方向の任意の位置に設置することによって、構造物Tの壁面T1に所望のデザインの緑化を施すことが可能になる。
一方、灌水チューブ11は、例えばチューブ内を流通する水を外部に供給するための複数の孔が所定の間隔をあけて形成されたドリップチューブとされている。また、この灌水チューブ11は、緑化ユニット10の培土基盤12の上端とこの緑化ユニット10を支持する上方の支持部材1の間に水平方向に誘導されて配置されている。また、灌水チューブ11には、図示せぬ例えば水道水や雨水などの水を貯留する貯水槽や、灌水チューブ11に貯水槽内の水を供給するためのポンプなどが接続されている。なお、灌水チューブ11に供給される水には、貯水槽内に液体肥料(液肥)を供給するなどして液肥が混入されている。
ついで、上記の構成からなる壁面緑化システムBの施工方法を説明するとともに、本実施形態の緑化ユニット10の作用及び効果について説明する。
本実施形態の壁面緑化システムBを施工する際には、はじめに、支持部材1、緑化ユニット10を構成する培土基盤12や固定具13、灌水チューブ11などを現場に搬入する。このとき、培土基盤12は、前述のように、加熱処理によって固形化され、熱融着培土14とトレー15を一体形成して製作され、このトレー15によって強度特性が高められ、且つ熱融着培土14がトレー15に収容した状態であるため、製作時(生産時)や運搬時の取り扱いが容易である。
ついで、搬入した支持部材1を構造物Tの壁面T1の所定位置に設置するとともに、培土基盤12に固定具13を取り付けて緑化ユニット10を形成する。このとき、従来の緑化ユニット2においては、強度特性の低い培土基盤3をメッシュ枠4の内部に挿入する際に、作業者が手で持つと自重によって培土基盤2が曲がるなどし、ハンドリング性(取扱性)が悪く、培土基盤2のサイズが大きくなるほどにメッシュ枠4の内部に挿入しにくくなり、この挿入作業に多大な労力を要していた。また、培土基盤2の端部がメッシュ枠4やこれに一体形成した引掛部5に引っ掛かって千切れ、損傷が生じるという不都合が生じていた。
これに対し、本実施形態の緑化ユニット10においては、強度特性の低い熱融着培土14をトレー15で収容して培土基盤12の強度特性が高められているため、培土基盤12のハンドリング性が向上し、一対の縦部13a、13bの間にこの培土基盤12を差し込む固定具13の取付作業が容易に行える。また、熱融着培土14がトレー15によって保護され、且つ従来のようにメッシュ枠4の内部に挿入する必要がないため、培土基盤12(熱融着培土14)に損傷が生じることなく固定具13の取付作業が行え、好適に緑化ユニット10が形成される。
そして、このように緑化ユニット10を形成した段階で、壁面T1を緑化するデザインに応じた設置位置に緑化ユニット10を運び、固定具13の一方の縦部13aの上端部13dを構造物Tの壁面T1に設置した支持部材1に固定して、緑化ユニット10を設置する。このとき、従来の緑化ユニット2に対し、熱融着培土14をトレー15で収容して培土基盤12の強度特性が高められているため、緑化ユニット10を設置位置に運ぶ際のハンドリング性に優れ、作業員が培土基盤12(トレー15)を持って安定した状態で容易に、固定具13の支持部材1への固定作業を行える。
ついで、デザインに応じた範囲に緑化ユニット10を設置した段階で、灌水チューブ11を設置する。このとき、緑化ユニット10の培土基盤12の上端と緑化ユニット10を支持する上方の支持部材1の間を通し誘導するという簡易な操作により灌水チューブ11が設置され、このように、灌水チューブ11を設置した段階で構造物Tの壁面緑化の施工が完了する。
このような本実施形態の壁面緑化システムBにおいて、培土基盤12に植栽した植物に灌水を行なう際には、タイマーや手動によってポンプを駆動するとともに、貯水槽内の液肥を含む水が灌水チューブ11を流通する。そして、灌水チューブ11の複数の孔からこの水が滴下することにより、下方に位置する緑化ユニット10の培土基盤12に水と液肥が供給される。このとき、培土基盤12の上端側から供給された水は、培土基盤12のトレー15のメッシュ状の底部15aやトレー15の開口部分から熱融着培土14に供給されるとともに、熱融着培土14の上端から下端(緑化ユニット10の下端)側に供給されてゆき、培土基盤12に保水されない余剰水が下端から排出される。これにより、培土基盤12(熱融着培土14)の水分量が植物の生育に適した状態で維持され、構造物Tの壁面T1に好適に緑化が施される。
一方、例えば構造物Tの壁面T1の緑化デザインを変更したい場合やメンテナンスのために緑化ユニット10を交換する場合、従来の緑化ユニット2では、培土基盤3がメッシュ枠4に挿入されて全体が包まれ、且つ培土基盤3から植物がメッシュ枠4の外側に生育しているため、メッシュ枠4の内部から培土基盤3を取り出すことができない。このため、デザイン変更やメンテナンス時に、緑化ユニット2全体を新たな緑化ユニット2と交換せざるを得なかった。
これに対し、本実施形態の緑化ユニット10においては、略U字状で帯状の固定具13の一対の縦部13a、13bの間に培土基盤12を差し込み、培土基盤12が両側端側にそれぞれ一つずつ設けた固定具13で保持されているに過ぎないため、培土基盤12を固定具13から引き抜くという簡易な操作によって、培土基盤12と固定具13が分離される。このため、この固定具13に新たな培土基盤12を差し込んで、培土基盤12のみを交換することで、デザイン変更やメンテナンスが行える。
したがって、本実施形態の緑化ユニット10においては、培土基盤12が強度特性の低い熱融着培土14をトレー15に収容して一体形成されていることによって、強度特性を高めることができ、培土基盤12のハンドリング性を向上させることができる。これにより、培土基盤12の全体を覆うことのない固定具13を取り付けて培土基盤12を保持することが可能になり、この固定具13を壁面T1に固設した支持部材1に支持させることで確実に緑化ユニット10(培土基盤12)を設置できる。
また、固定具13を、一対の縦部13a、13bの間に培土基盤12を差し込むという簡易な操作で取り付けることができ、且つ培土基盤12の強度特性がトレー15によって高められているため、培土基盤12が損傷することを確実に防止でき、好適に緑化ユニット10を形成することが可能になる。
さらに、トレー15を備えることによって、培土基盤12の製作時や運搬時の取扱いが容易になり、且つ緑化ユニット10のハンドリング性が向上することで、緑化ユニット10の設置を容易に行うことが可能になり、施工性の向上を図ることが可能になる。
また、培土基盤12に略U字状で帯状の固定具13を取り付けるというシンプルな構成で緑化ユニット10を形成でき、さらに、培土基盤12の製作時に用いる金型としてトレー15を兼用できるため、緑化ユニット10の低コスト化を図ることが可能になる。
さらに、緑化ユニット10を用いて構造物Tに緑化を施した後、デザイン変更やメンテナンスを行う場合においても、培土基盤12のみを交換することで対応できるため、壁面緑化システムBのランニングコストを低減することができる。
また、トレー15に、収容した熱融着培土14を保持するための培土保持用突起15cを設けることで、確実に熱融着培土14とトレー15を一体化することができ、確実にハンドリング性(取扱性)を向上させることが可能になるとともに、構造物Tの壁面T1に設置した後に、熱融着培土14がトレー15から脱落することを確実に防止できる。
さらに、トレー15の底部15aがメッシュ状に形成されていることによって、トレー15と熱融着培土14の一体性をさらに向上させることができる。また、トレー15に収容した熱融着培土14への灌水の供給や熱融着培土14からの排水を好適に行え、熱融着培土14(培土基盤12)の水分量を植物の生育に適した状態で確実に維持することが可能になり、構造物Tの壁面T1に好適に緑化を施すことが可能になる。
以上、本発明に係る壁面緑化ユニットの実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、培土基盤12を構成するトレー15の底部15aのみがメッシュ状に形成されているものとしたが、側壁部15bもメッシュ状に形成してトレー15ひいては培土基盤12を構成するようにしてもよい。この場合には、より確実に熱融着培土14とトレー15を一体形成することが可能になり、さらに熱融着培土14への灌水の供給や熱融着培土14からの排水を好適に行うことが可能になる。
また、本実施形態では、トレー15の底部15aに培土保持用突起15cが設けられているものとしたが、トレー15に収容した熱融着培土14を好適に保持することが可能であれば、培土保持用突起15cを備えていなくてもよく、さらに、培土保持用突起15cを備えるとしてもトレー15の側壁部15bに設けてもよい。
また、本実施形態では、培土基盤12の両側端側にそれぞれ一つずつ固定具13を取り付けて緑化ユニット10が構成されているものとしたが、固定具13は、確実に培土基盤12を保持しつつ吊り下げ状態で支持させることができれば、取付位置や取付数を限定する必要はない。
本発明の一実施形態に係る壁面緑化ユニットを備えた壁面緑化システムを示す図である。 本発明の一実施形態に係る壁面緑化ユニットを示す図である。 図2のX−X線矢視図である。 本発明の一実施形態に係る壁面緑化ユニットの培土基盤を示す図である。 本発明の一実施形態に係る壁面緑化ユニットの培土基盤と固定具を示す図である。 従来の壁面緑化ユニットを備えた壁面緑化システムを示す図である。 図6のX−X線矢視図である。
符号の説明
1 支持部材
2 従来の緑化ユニット
3 従来の培土基盤
4 メッシュ枠
10 緑化ユニット(壁面緑化ユニット)
11 灌水チューブ
12 培土基盤
13 固定具
13a 縦部
13b 縦部
13c 横部
14 熱融着培土
15 トレー
15a 底部
15b 側壁部
15c 培土保持用突起
A 従来の壁面緑化システム
B 壁面緑化システム
T 構造物
T1 壁面

Claims (3)

  1. 構造物の壁面に固設した支持部材に支持されて前記壁面に沿って吊り下げ状態で設置することにより前記構造物に緑化を施す壁面緑化ユニットであって、
    植栽が施される培土基盤と、該培土基盤を保持して前記支持部材に吊り下げ状態で支持させるための固定具とを備え、
    前記培土基盤は、熱融着繊維を含み、加熱処理することで固形化する熱融着培土と、該熱融着培土を収容し、加熱処理して前記熱融着培土の熱融着繊維が内面に接着することで前記熱融着培土と実際に一体になったトレーとを備えてなり、
    前記固定具は、一対の縦部と該一対の縦部の下端同士を繋ぐ横部とを備え、前記一対の縦部の間に差し込むことで前記培土基盤を保持するように略U字状で帯状に形成されていることを特徴とする壁面緑化ユニット。
  2. 請求項1記載の壁面緑化ユニットにおいて、
    前記トレーには、収容した前記熱融着培土を保持するための培土保持用突起が設けられていることを特徴とする壁面緑化ユニット。
  3. 請求項1または請求項2に記載の壁面緑化ユニットにおいて、
    前記トレーは、少なくとも底部がメッシュ状に形成されていることを特徴とする壁面緑化ユニット。
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