JPH0684691B2 - 物品収容格納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は物品の格納装置に関する。

（従来の技術） 一般家庭における物品の格納設備としては専ら押入れ、
たんす等が用いられる。

（発明が解決しようとする課題） 従来の設備においては収納物品が増えたときは、その整
理収納に対処し得ず、仕方なく物品を室内に放置せざる
を得ないため室内を狭まくし居住に多くの不都合を生じ
た。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記従来の不便を排除し、母屋と別個に格納用
塔屋を設けて、これに物品を収納すると共に母屋側から
収納物品を出し入れできるようにしたもので、母屋の一
部と出入口を介して連通する塔屋を母屋の外側に隣設
し、該塔屋内に無端状チェンを上下方向に走行するよう
に架設して該チェンに収納庫の多数を、各収納庫の両側
から突設したピンでそれぞれチエンに設けた突起に着脱
自在に支持させ、該チエンの駆動モータをいずれか所望
の収納庫を選択して出入口に停止させるよう電気的に制
御させることを特徴とし、更にチェンの上下架設端部の
内方において、上動又は下動する端末位置の収納庫をそ
れぞれチェンから分離し水平方向に移動させて反対方向
に走行するチェンに支持させる掛替装置を設けたことを
特徴とする。

（作 用） 本発明において塔屋(1)内において無端状チェン(3)に結
合連設した各収納庫(4)内に夫々物品を収容して置き、
必要時に母屋Ａ内でチェン駆動用モータ(5)の制御盤(1
7)の操作によりチェン(3)を駆動させて所望の収納庫(4)
を出入口(2)に停止させて母屋Ａ内から該収納庫(4)の物
品を出し入れする。

上記装置において各収納庫(4)を、その両側に突設した
ピン(7)で夫々両側チェン(3)の突片(6)に支持させるこ
とによりチェン(3)に対し収納庫(3)を随時に簡単容易に
分離して着脱し得るようにし、又このようにチェン(3)
と収納庫(4)との着脱関係により、無端状チェン架設部
の上限および下限位置に達する前に最上部並びに最下部
の収納庫(4)を、夫夫掛替装置(8)(8′)で水平方向に移
動させて反対方向に走行するチェンに掛替えて支持させ
ることにより、小範囲のスペース域内で収納庫(4)を方
向転換させることができ、例えばチェンに結合連設した
収納庫をチェンの上下架設端部においてチェンと共に収
納庫を半円軌跡に沿い回動して方向転換させるためには
チェンに対し各収納庫を上下間に相当広い間隔で結合す
ることを要し、従って塔屋(1)内の限られた高さスペー
ス内に装備させる収納庫の数に制限を受け、その設備数
が少なくなるが、上記のようにチェン(3)の方向転換端
末に至る直前に上下各端末の収納庫(4)を水平方向に移
動させてチェン(3)の他側に移動させるときは方向転換
に広いスペースを必要とせず、しかも各収納庫(4)は殆
んど上下のものを接する状態でチェン(3)に結合連設し
得られ多数個の収納庫(4)を設備し得る。

（実施例） 本発明の実施例を図面について説明する。

図面でＡは和、洋任意形式の母屋を示し、居住者の増加
或いは物品の増加に伴ない既設の収納設備では物品の整
理収納に不便を生じたとき、第１図で示すように母屋Ａ
の一部に出入口(2)を形成し、該出入口(2)を介して母屋
Ａと連通する塔屋(1)を構築する。

出入口(2)には随時に開閉し得る扉(2a)を設けることが
望ましい。

塔屋(1)内には左右一対のチェン(3)(3)を夫々上下のチ
ェンホイール(3a)(3b)に懸架し、下部一側のチェンホイ
ール(3b)をギヤードモータ(5)で駆動させ且つ該駆動ホ
イール(3b)を他側の下部ホイール(3b)と同軸に連結する
こととにより両側チェン(3)(3)を共に同速で上下方向に
無端状に走行させるようにし、両側チェン(3)の夫々内
側に所定間隔で突片(6)を夫々突設し、両側突片(6)(6)
間に亘って収納庫(4)を、その両側から突設したピン(7)
で支持させて収納庫(4)をチェン(3)に着脱自在に結合
し、図示例においては該収納庫(4)の多数を殆んど上下
間に隙間なく結合連設したが、その連設間隔は任意であ
り、その間隔を狭くすることにより収納庫(4)の数を増
設し得る。

尚、図示例ではチェン(3)の走行方向を出入口(2)側にお
いて収納庫(4)を上方から下方に移動させるようにした
場合を示すが、その方向を逆方向としてもよく、又モー
タ(5)を正逆自在の回転モータとして後述するように物
品の出し入れに際し、選択した収納庫(4)を、その停止
位置から最短の移動量で出入口(2)に向って移動停止さ
せるようにしてもよい。

収納庫(4)は出入口(2)側に対する面を開放し、他の５面
を閉塞した函形で内部を縦横の仕切板で４室に区画し、
各室内に物品を収容する抽出し(4a)を出し入れ自在に挿
嵌したものを示すが、その形式は任意であり、例えば抽
出し(4a)を使用することなく直接函形収納庫内部に物品
を収容し得るものとして開放面に開閉扉を設けてもよ
く、又函形とすることなく抽出し(4a)の出入れできるよ
うな枠体としてもよく図中(4c)は抽出し用の引手金具を
示す。

左右１対のチェン(3)(3)の夫々上下架設端部に対し内側
位置において左右チェンの夫々外側に互いに対向させて
収納庫(4)の掛替装置(8)(8)(8′）(8′)を設けた。

上部で互いに対向する掛替装置(8)(8)は第４図および第
５図で示すように塔屋(1)内の一側に設置したモータ(9)
に連動する歯車(10)の両側に夫々被動歯車(11a)(11b)を
係合し、該両側被動歯車(11a)(11b)の軸上に歯先の長い
チェンホイール(12a)(12b)を固着すると共に両ホイール
(12a)(12b)間に移送チェン(13)を懸けて構成し、該チェ
ンホイール(12a)(12b)は収納庫(4)の両側に突設したピ
ン(7)(7)を該ホイールの歯先間に支持させ得る位置に設
けた。

尚、両側に対向する駆動歯車間(10)(10)の夫々に、両側
間に亘って軸支した軸杆(14)の両端に固着した連動歯車
(15)(15)を夫々係合させることにより、１側のみに設け
たモータ(9)による１側の歯車(10)の駆動を該連動歯車
(15)(15)を介して他側の歯車(10)に伝動させるようにし
た。

尚、下部掛替装置(8′)の構成も上記と同様であるが、
第２図で示すようにチェンホイール(12a)(12b)および移
送チェン(13)の回動方向は上部掛替装置(8)と逆方向と
なる。

第３図で示すように上部チェンホイール(3a)が矢示方向
に回転し従ってチェン(3)の左側では収納庫(4)は上向き
に又右側では下向きに移動する場合について、上部掛替
装置(8)の作動を説明すると、左側上端の収納庫(4)が上
動して上限位置に達する直前にモータ(9)の起動により
歯車(10)(11a)(11b)の矢示方向の回動に伴ない両側のチ
ェンホイール(12a)(12b)も同方向に同速で回転し上限位
置に向う収納庫(4′)の両側ピン(7)をチェンホイール(1
2a)の歯先間で掬い上げ、次いで該ピン(7)を移送チェン
(13)上に移すことにより該チェン(13)の移送によって収
納庫(4′)を他側に向って水平方向に移動し、その間下
方に向って移動する他側のチェン(3)の突片(6)は実線示
の位置から点線示(6′)の位置に移動し、移送チェン(1
3)で送られるピン(7)を該点線位置の突片(6′)上に移乗
させ、チェン(3)の左側から右側に掛替えて下動に方向
転換させる。

以上の作動は下部掛替装置(8′)も同様で、第２図示に
おいて下限位置に向う収納庫(4′)はチェン(3)の右側か
ら左側に掛替えされて循環移動し、かくて上下動におけ
る各収納庫(4′)は水平移動による最少限のスペース内
で方向転換させ得る。

尚、図示例において収納庫(4)の２個分を出入口(2)の開
口部に位置させるようにしたが、これを１個分とするこ
とも支障はなく、その数は任意に増減し得られ、該出入
口(2)に対向して塔屋(1)にも出入口(1a)を設け、必要に
よりこれに開閉扉を設けてもよい。

以上の格納装置において母屋Ａの室内に制御盤(17)を位
置させ、その操作によって公知の電気的手段で、多数の
収納庫(4)中物品の出し入れを必要とするいづれか１個
を選択して押釦を押せば、モータ(5)の起動によって選
択した収納庫の停止時の位置に関係なく該収納庫を出入
口(2)に面した位置に移動して停止させるもので、この
場合前述したようにチェン駆動用モータ(5)を可逆式と
することにより選択した収納庫を最短の移動距離で出入
口(2)に位置させ得る。

尚、収納庫(4)移送用の左右のチェン(3)(3)は起動によ
り収納庫の配設間隔の１ピッチづつ移動した後、例えば
３秒間停止するよう間欠的に回動させるもので、又上下
の掛替装置(8)(8)(8′)(8′)は上記チェン(3)の起動と
同時に略同速で起動させてもよいが、常時連続して駆動
させてもよく、前記３秒間のチェン(3)の停止中に収納
庫(4)の掛替作用を行わせるようにし、又収納庫(4)の上
下移動において、その振れを防止するため収納庫(4)
は、その両側を案内片(16)に沿わせて上下動させるよう
にした。

（発明の効果） 本発明は母屋に隣接させて別棟に増設した塔屋内に物品
の収納施設を施こし、母屋内から該塔屋内の収納物品を
出し入れできるようにしたので、人員又は物品の増加に
より母屋内が狭くなったときの格納設備とし便利に使用
し得られ、塔屋内における物品収納庫を上下に走行する
無端状チェンに結合連設するから比較的狭い立地条件下
でも多数の収納庫を設けることができ、且つその任意希
望する収納庫を出入口に移動停止させることにより使用
操作を便利にし、且つ母屋とは隔離したので火、水等の
災害にも同時に被害を受けることなく物品の保管を安易
にした効果を有する。特に、請求項２に示す構成とする
ことで、方向転換に広いスペースを必要とせず、しかも
各収納庫は殆んど上下のものを接する状態でチエンに支
持させることができて、多数個の収納庫を設備すること
が出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は全般の平
面図、第２図は要部の截断側面図、第３図は塔屋上部の
拡大截断側面図、第４図は同正面図、第５図は第３図の
Ｖ−Ｖ線截断平面図である。 Ａ……母屋、(1)……塔屋 (2)……出入口、(3)……チェン (4)……収納庫 (5)……チェン駆動用モータ (6)……突片、(7)……ピン (8)(8′)……掛替装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】母屋Ａの一部と出入口（２）を介して連通
   する塔屋（１）を母屋Ａの外側に隣接し、該塔屋（１）
   内に無端状チエン（３）を上下方向に走行するように架
   設けして該チエン（３）に、収納庫（４）の多数を、各
   収納庫（４）の両側から突設したピン（７）でそれぞれ
   チエン（３）に設けた突起（６）に着脱自在に支持さ
   せ、該チエン（３）の駆動モータ（５）を、いずれか所
   望の収納庫（４）を選択して出入口（２）に停止させる
   よう電気的に制御させることを特徴とする物品収容格納
   装置。
2. 【請求項２】チエン（３）の上下架設端部の内方におい
   て、上動又は下動する端末位置の収納庫（４）をそれぞ
   れチエン（３）から分離し水平方向に移動させて反対方
   向に走行するチエン（３）に支持させる掛替装置（８）
   を設けたことを特徴とする請求項１記載の物品収容格納
   装置。