JPH0684430B2 - 摺動材成形材料 - Google Patents

摺動材成形材料

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JPH0684430B2
JPH0684430B2 JP61098201A JP9820186A JPH0684430B2 JP H0684430 B2 JPH0684430 B2 JP H0684430B2 JP 61098201 A JP61098201 A JP 61098201A JP 9820186 A JP9820186 A JP 9820186A JP H0684430 B2 JPH0684430 B2 JP H0684430B2
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mol
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健 阪下
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特性お
よび成形特性のいずれにも優れた性能を兼ね備えた摺動
特性に優れた摺動材成形材料に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、ポリアミドは圧縮成形、射出成形または押し出
し成形などの溶融成形を行うことができ、成形性には優
れているが、耐熱特性、機械的特性および化学的特性の
いずれの性能においてもエンジニアリングプラスチツク
スとして満足できるものではない。例えば、本出願人
は、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特性に優れた
ポリアミドとしてテレフタル酸成分単位を主成分とする
芳香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族アルキレンジ
アミン成分単位からなるポリアミドからなる成形材料を
特開昭59−53536号公報、特開昭60−158220号公報など
にすでに提案した。このポリアミドは耐熱特性、機械的
特性および化学的物理的特性に優れ、溶融成形性にすぐ
れているという特徴を有しているが、結晶性であるので
寸法安定性に劣るという欠点がある。
一方、特開昭49−36959号公報および特公昭46−41024号
公報にはイソフタル酸成分単位を主成分とする芳香族系
ジカルボン酸成分単位およびヘキサメチレンジアミン、
ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンなどの混合ジア
ミンからなるジアミン成分から形成されるポリアミドま
たはポリ2,2,4-トリメチルヘキサメチレンテレフタルア
ミド(トロガミドT )は結晶化度が低く、透明性、寸
法安定性に優れ、機器ハウジング材料、自動車部品など
への用途が期待されるが、熱変形温度などの耐熱特性、
耐衝撃性などの機械的特性などに劣るという欠点があ
り、とくに耐熱性が要求されかつ摺動特性に優れた摺動
材用成形材料の用途には適していない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特
性および成形特性のいずれにも優れた性能を兼ね備えた
成形用材料、とくに摺動特性に優れた摺動材用成形材料
を検討した結果、特定のイソフタロイルジアミン成分単
位(a)および特定のジアシロイルジアミン成分単位(b)が
ランダムに配列したポリアミドまたは該ポリアミド
〔A〕および充填剤〔B〕からなるポリアミド組成物か
らなる成形用材料が前記目的を達成することを見出し、
本発明に到達した。本発明によれば、本発明の成形材料
用ポリアミドは融点、ガラス転移点および熱変形温度な
どの耐熱特性、引張強度、曲げ強度、衝撃強度、動摩擦
係数、限界PV値、テーバー摩耗などの機械的特性、とく
に摺動特性、耐薬品性、耐沸水性、飽和吸水率などの化
学的物理的特性、溶融組成物の流動性、溶融圧縮成形
性、溶融射出成形性や溶融押出し成形性などの成形特性
に優れているという特徴がある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明によれば、一般式〔I〕 で表わされるイソフタロイルジアミン成分単位(a) および一般式〔II〕 で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b)、 〔式中、R0は炭素原子数が4ないし25の二価の炭化水素
基を示し、Arは1,3-フエニレン基以外の炭素原子数が6
ないし20の二価の芳香族炭化水素基を示す。〕がランダ
ムに配列したポリアミドであつて、 (i)各成分の組成は(a)成分が50ないし100モル%およ
び(b)成分が0ないし50モル%の範囲にあること、 (ii)300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
(MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii)X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の範
囲にあること、 (iv)ガラス転移温度(Tg)が110ないし240℃の範囲に
あること、 によつて表されるポリアミドから形成される摺動材成形
材料が第一の発明として提供され、該ポリアミド〔A〕
および〔B〕充填剤からなるポリアミド組成物から形成
される摺動材成形材料が第二の発明として提供される。
本発明の摺動材成形材料を形成するポリアミド〔A〕
は、一般式〔I〕 で表わされるイソフタロイルジアミン成分単位(a)およ
び一般式〔II〕 で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b)〔ここ
で、両式中、R0は炭素原子数が4ないし25の二価の炭化
水素基を示し、Arは1,3-フエニレン基以外の炭素原子数
が6ないし20の二価の芳香族炭化水素基を示す。〕がラ
ンダムに配列したポリアミドである。該ポリアミドの各
成分の組成は上記(a)成分が50ないし100モル%、好まし
くは60ないし90モル%、とくに好ましくは65ないし80モ
ル%の範囲であり、該(b)成分が0ないし50モル%、好
ましくは10ないし40モル%、とくに好ましくは20ないし
35モル%の範囲である。また、該ポリアミドの300℃で
荷重2kgで測定したメルトフローレート(MFR)は0.01な
いし100g/10min、好ましくは0.5ないし50g/10minの範囲
にあり、また該ポリアミドが30℃の濃硫酸中に可溶性の
場合には30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度〔η〕は通
常は0.4ないし2.0dl/g、好ましくは0.5ないし1.3dl/gの
範囲である。また、該ポリアミドのX線回折法で測定し
た結晶化度は通常は7%以下、好ましくは5%以下、と
くに好ましくは3%以下の範囲である。また、該ポリア
ミドの示差走査熱量計(昇温速度毎分10℃)によつて測
定したガラス転移温度(Tg)は110ないし240℃、好まし
くは120ないし220℃の範囲にある。該ポリアミドが結晶
性を有する場合には、その融点は通常は220ないし350
℃、好ましくは240ないし320℃の範囲である。
該ポリアミドを構成する前記一般式〔I〕で表わされる
イソフタロイルジアミン成分単位(a)および前記一般式
〔II〕で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b)
を構成するジアミン成分に相当するR0は炭素原子数が4
ないし25の二価の炭化水素基を示す。該ジアミン成分に
相当する二価の炭化水素基R0としては、炭素原子数が4
ないし25の二価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6な
いし25であり少なくとも1個の脂環族炭化水素環を含む
二価の脂環族炭化水素基、炭素原子数が6ないし25であ
りかつ少なくとも1個の芳香族炭化水素環を含む二価の
芳香族炭化水素基を挙げることができるが、とくに炭素
原子数が4ないし25の二価の脂肪族炭化水素基R1と炭素
原子数が6ないし25であつて少なくとも1個の脂環族炭
化水素環を含む二価の脂環族炭化水素基R2または炭素原
子数が6ないし25であつて少なくとも1個の芳香族炭化
水素環を含む二価の芳香族炭化水素基R2とからなる混合
成分から構成されていることが好ましく、とりわけその
組成がR1成分が5ないし98モル%、好ましくは40ないし
85モル%およびR2成分が2ないし95モル%、好ましくは
15ないし60モル%の範囲である混合成分であると好適で
ある。炭素原子数が4ないし25である二価の脂肪族炭化
水素基R1に相当するジアミン成分として具体的には、1,
4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミ
ノヘキサン、1,7-ジアミヘプタン、1,8-ジアミノオクタ
ン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-
ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジ
アミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-
ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、
1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカ
ン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサ
ンなどを例示することができる。これらのアルキレンジ
アミン成分としては1種のみを単独で含有していてもよ
いし、2種以上の混合物として含有していても差しつか
えない。これらのアルキレンジアミン成分のうちでは、
炭素原子数が6ないし16の範囲にあることが好ましく、
とくに1,6-ジアミノヘキサン成分であることが好まし
い。また。炭素原子数が6ないし25でありかつ少なくと
も1個の脂環族炭化水素環を含む二価の脂環族炭化水素
基R2に相当するジアミン成分単位として具体的には、1,
3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、ビス(4-ア
ミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘ
キシル)プロパン、4,4′‐ジアミノ‐3,3′‐ジメチル
ジシクロヘキシルメタン、4,4′‐ジアミノ‐3,3′‐ジ
メチルジシクロヘキシルプロパン、4,4′‐ジアミノ‐
3,3′,5,5′‐テトラメチルジシクロヘキシルメタン、
4,4′‐ジアミノ‐3,3′,5,5′‐テトラメチルジシクロ
ヘキシルプロパン、4,4′‐ジアミノ‐3,3′‐ジメチル
ジシクロヘキシル、4,4′‐ジアミノ‐3,3′,5,5′‐テ
トラメチルジシクロヘキシル、α,α′‐ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)‐p-ジイソプロピルベンゼン、α,
α′‐ビス(4-アミノシクロヘキシル)‐m-ジイソプロ
ピルベンゼン、α,α′‐ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)‐1,4-シクロヘキサン、α,α′‐ビス(4-アミノ
シクロヘキシル)‐1,3-シクロヘキサンなどを例示する
ことができる。また、炭素原子数が6ないし25でありか
つ少なくとも1個の芳香族炭化水素環を含む二価の芳香
族炭化水素基R2に相当するジアミン成分単位として具体
的には、p-フエニレンジアミン、m-フエニレンジアミ
ン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、4,
4′‐ジアミノジフエニルメタン、4,4′‐ジアミノジフ
エニルエーテル、4,4′‐ジアミノジフエニルプロパ
ン、4,4′‐ジアミノジフエニルスルホン、4,4′‐ジア
ミノジフエニルスルフイツド、α,α′‐ビス(4-アミ
ノフエニル)‐p-イソプロピルベンゼン、α,α′‐ビ
ス(4-アミノフエニル)‐m-イソプロピルベンゼンなど
を例示することができる。これらのR2を構成するジアミ
ン成分のうちで、好ましくは脂環族ジアミン成分であ
り、これらのうち特に好ましくは、ビス(4-アミノシク
ロヘキシル)メタン、4,4′‐ジアミノ‐3,3′‐ジメチ
ルジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)
シクロヘキサンである。
該ポリアミドを構成する前記一般式〔II〕で表わされる
ジアシロイルジアミン成分単位(b)を構成する芳香族ジ
カルボン酸成分に相当するArは、1,3-フエニレン基以外
の炭素原子数が6ないし20の二価の芳香族炭化水素基で
ある。該二価の芳香族炭化水素基Arに相当する芳香族ジ
カルボン酸成分として具体的には、テレフタル酸、フタ
ル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジ
カルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタ
レンジカルボン酸などを例示することができる。
該ポリアミドは、前記(a)成分および前記(b)成分がラン
ダムに配列して結合し、鎖状構造を形成したものであ
る。ここで鎖状構造とは直鎖構造のみならず、分枝鎖状
または相違する分子間で架橋構造を形成している場合も
ある。分枝鎖状構造または架橋構造の形成は前記(a)、
(b)両成分単位のアミン成分を介して形成される。該ポ
リアミドのうちでは直鎖状ないしは分枝鎖状構造すなわ
ち実質上線状構造のポリアミド、すなわち30℃の濃硫酸
中に溶解するポリアミドが好適である。
該ポリアミドの分子末端は前記(a)成分または前記(b)成
分を構成するジアミン成分、イソフタル酸成分またはイ
ソフタル酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分のいずれ
であつてもよい。分子末端が該アルキレンジアミン成分
である場合は末端アミノ基が低級カルボン酸でアシル化
されていてもよいし、塩を形成していても差つかえな
い。また、分子末端がテレフタル酸成分、イソフタル酸
成分またはカルボキシフタル酸成分である場合には末端
カルボキシル基が低級アルコールでエステル化されてい
てもよいし、アミンでアミド化されていてもよいし、塩
を形成してもよいし、酸無水物を形成してもよい。
該ポリアミドは、該ポリアミドの前記(a)および前記(b)
両成分単位に相当する芳香族ジカルボン酸のハライドお
よびジアミンを溶液法によつて重縮合することによつて
製造することもできるし、界面法によつて重縮合するこ
とにより製造することもできる。また、該ポリアミドの
構成成分に相当する芳香族ジカルボン酸およびジアミン
とのナイロン塩またはオリゴマーなどの低次縮合物を、
加熱溶融状態で剪断条件下に混練手段を用いて重縮合さ
せることにより製造することができる。これらいずれの
方法においても、原料の芳香族ジカルボン酸ハライドの
組成および原料ジアミン成分の組成を調節することによ
つて該イソフタロイルジアミン成分単位(a)が50ないし1
00モル%および該ジアシロイルジアミン成分単位(b)が
0ないし50モル%の範囲のポリアミドを製造することが
できる。これらのうちでは第三番目の方法が工業的製法
として適している。
本発明の摺動材成形材料は前記ポリアミドから形成され
ることもできるし、該ポリアミド〔A〕および充填剤
〔B〕からなるポリアミド組成物から形成させることも
できる。
本発明の摺動材成形材料を形成するポリアミド組成物に
配合される他の構成成分の充填剤〔B〕は、粉末状、板
状、繊維状あるいはクロス状物などの種々の形態を有す
る有機系または無機系の化合物であり、具体的には、シ
リカ、アルミナ、シリカアルミナ、タルク、ケイソウ
土、クレー、カオリン、石英、ガラス、マイカ、グラフ
アイト、二硫化モリブデン、セツコウ、ベンガラ、二酸
化チタン、酸化亜鉛、アルミニウム、銅、ステンレスな
どの粉状、板状の無機系化合物、ガラス繊維、カーボン
繊維、ホウ素繊維、セラミックス繊維、石綿繊維、ステ
ンレススチール繊維などの繊維状の無機系化合物または
これらのクロス状物などの2次加工品、ポリパラフエニ
レンテレフタルアミド、ポリメタフエニレンテレフタル
アミド、ポリパラフエニレンイソフタルアミド、ポリメ
タフエニレンイソフタルアミド、ジアミノジフエニルエ
ーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)との縮合物、p
(m)‐アミノ安息香酸の縮合物などの全芳香族系ポリ
アミド、ジアミノジフエニルエーテルと無水トリメリツ
ト酸または無水ピロメリツト酸との縮合物などの全芳香
族系ポリアミドイミド、全芳香族系ポリイミド、ポリベ
ンツイミダゾール、ポリイミダゾフエナンスロリンなど
の複素環含有化合物、ポリテトラフロロエチレンなどの
粉状、板状、繊維状あるいはクロス状物などのこれらの
2次加工品などを例示することができ、これらを2種以
上を混合して使用することもできる。これらの充填剤は
シランカツプラーやチタンカツプラーなどで処理したも
のも同様に使用することができる。
前記充填剤のうち、粉末状の充填剤としてはシリカ、シ
リカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン、グラフアイ
ト、二硫化モリブデン、ポリテトラフロロエチレンを使
用することが好ましく、とくにグラフアイト、二硫化モ
リブデンまたはポリテトラフロロエチレンを使用すると
該組成物から得られる成形体の動摩擦係数、テーバー摩
耗、限界PV値などの耐摩耗性が向上するようになるので
好ましい。かかる充填剤の平均粒径は通常0.1mμないし
200μの範囲、とくに1mμないし100μの範囲にあると前
述の耐摩耗性が著しく向上するので好ましい。かかる充
填剤の配合割合は該ポリアミド100重量部に対して0.1な
いし200重量部、好ましくは0.5ないし100重量部、とく
に好ましくは1.0ないし50重量部の範囲である。
また、前記充填剤のうち、有機系の繊維状充填剤として
はポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタ
フエニレンテレフタルアミド繊維、ポリパラフエニレン
イソフタルアミド繊維、ポリメタフエニレンイソフタル
アミド繊維、ジアミノジフエニルエーテルとテレフタル
酸またはイソフタル酸との縮合物から得られる繊維など
の全芳香族系ポリアミド繊維を使用すると該組成物から
得られる成形体の引張り強度、アイゾツト衝撃強度など
の機械的特性、熱変形温度などの耐熱特性などが向上す
るようになるので好ましい。さらに、前記充填剤のうち
で無機系の繊維状充填剤としてはガラス繊維、カーボン
繊維またはホウ素繊維を使用すると、該組成物から得ら
れる成形体の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機
械的特性、熱変形温度などの耐熱特性、耐水性などの化
学的物理的特性などが向上するようになるので好まし
い。前記有機系または無機系の繊維状充填剤の平均長は
通常0.1ないし20mmの範囲、とくに1ないし10mmの範囲
にあると、該組成物の成長性が向上しかつ該組成物から
得られる成形体の熱変形温度などの耐熱特性、引張強
度、曲げ強度などの機械的特性などが向上するようにな
るので好ましい。前記有機系または無機系の繊維状充填
剤の配合割合は該ポリアミド100重量部に対して3ない
し200重量部、好ましくは5ないし180重量部、とくに好
ましくは5ないし150重量部の範囲である。
本発明の摺動材成形材料は前記ポリアミドまたは前記ポ
リアミド〔A〕および前記充填剤〔B〕を必須構成成分
とするものであり、該必須構成成分のみからなる組成物
である場合もあるし、該必須構成成分の他に他成分を含
む組成物である場合もある。本発明の成形用強化ポリア
ミド組成物に必要に応じて配合される前記両必須構成成
分以外の成分としては従来から公知の安定剤、可塑剤、
離型剤、滑剤などを例示することができる。
本発明の摺動材成形材料を調製する方法としては、前記
各構成成分のポリアミドを溶融状態に維持しながら充填
剤を配合する方法などを例示することができる。溶融混
練配合する方法として具体的には、押出機、ニーダーな
どを用いて混練配合する方法などを例示することができ
る。
本発明の摺動材成形材料は通常の溶融成形、たとえば圧
縮成形、射出成形または押し出し成形等によつて成形す
ることができる。
〔実施例〕
次に、本発明の摺動材成形材料を実施例によつて具体的
に説明する。実施例および比較例において使用したポリ
アミドの合成法を参考例に示した。また、強化樹脂組成
物の調製法、該強化樹脂組成物からの試験片の調製法な
らびに各性能の評価方法をも示した。
なお以下の表において使用した次の略号はそれぞれ次の
化合物を示す。
TA:テレフタル酸 IA:イソフタル酸 C6DA:1,6-ジアミノヘキサン ACM:ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン DMACM:4,4′‐ジアミノ‐3,3′‐ジメチルジシクロヘキ
シルメタン AMC:1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン (ポリアミド組成の測定) ポリアミド試料をトリフロロ酢酸に溶融し、13C‐NMRス
ペクトルを測定した結果からイソフタル酸成分単位およ
びイソフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分
単位の組成を求めた。また、該ポリアミドのプレスフイ
ルムの細断片4gを6Nの塩酸200ml中で還流下で攪拌しな
がら50時間加熱した。解重合後の混合物から塩酸および
水を除去して乾固した後、NaOH水溶液を加えてpHを11〜
12に調製し、次にクロロホルムで抽出し、抽出物の13C
‐NMRスペクトルを測定し、ジアミン成分の組成を求め
た。さらに必要に応じて該ジアミン成分をGPCを用いて
分取した後に13C‐NMRを測定することによつて求めた。
〔I〕ポリアミドの製造 参考例 1 テレフタル酸89.22g(0.537M)、イソフタル酸208.17g
(1.253M)、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン9
6.77g(0.46M)および1,6-ジアミノヘキサン160.37g
(1.38M)をイオン交換水68g、ジ亜リン酸ソーダ0.38g
(0.00358M)とともに1オートクレーブに仕込み、N2
置換を十分に行つた後、攪拌下3時間かけて250℃に昇
温した。さらに密閉状態のまま250℃で1時間反応させ
た後、攪拌を止め、オートクレーブ底部から差圧10kg/c
m2で反応混合物を抜き出した。N2中50℃、100mmHgで一
夜乾燥して低次縮合物を得た。この低次縮合物の〔η〕
(conc.H2SO4中、30℃)は0.12dl/gであつた。この低次
縮合物を二軸押出機(スクリユー径30mm、L/D=42、バ
レル温度(℃)80/180/340/340/280/280/260/260、第
3、第4、第6ゾーンは大気解放ベント、回転数50rp
m、オリゴマー供給量2kg/hr、排気はN2パージ)によつ
て溶融下重縮合を進め無色透明のポリマーを得た。ポリ
マー中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位
のモル%、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、1,
6-ジアミノヘキサンのモル%、MFR(g/10min)、〔η〕
(conc.H2SO4中、30℃)およびガラス移転温度を表1に
示した。
参考例 2〜4 参考例1において、ジアミン成分の種類または使用量を
変えた以外は、参考例1に記載した方法に従つて表1に
示したポリマーを得た。
〔II〕強化樹脂組成物の作製 溶融重合法で合成したポリアミドはクラツシヤーによつ
て粉砕(32メツシユパス)し、100℃、1mmHgの条件下で
12hr乾燥した後強化樹脂組成物の作製に供した。強化樹
脂組成物の作製は、十分に乾燥した所定量の充填剤と所
定量のポリアミドを窒素雰囲気下でまで乾式ブレンドす
る。この混合物を20mmベント式押出機(スクリユーL/D
=28)によつて窒素雰囲気下、スクリユー回転数30rp
m、所定の温度で溶融混合し、ストランドを得た。この
ストランドを長さ0.8〜1cmにカツトし、充填剤強化樹脂
組成物を作製した。
〔III〕試験片の作製および各性能の評価法 参考例で示したポリアミドまたは充填剤強化樹脂組成物
を100℃、1mmHgの条件下12hr乾燥した後、プレス成形機
によつて窒素雰囲気中100kg/cm2の圧力下、Tgより80な
いし150℃高い温度でホツトプレスした後、20℃の温度
でコールドブレスし、2mmないし4mm厚の圧縮成形板を作
製した。これらの成形板を表2に記載の各試験片の寸法
に切削加工した後窒素雰囲気中、100℃、40mmHgの条件
下で12hr乾燥した後試験に供した。
実施例 1〜4 参考例として表1に記載したポリアミドを用いて作製し
た試験片の性能を表3に示した。
実施例 5 参考例1に記載したポリアミド100重量部、平均長が6mm
のガラス繊維(日東紡績KK製、チツプストランドCS 6P
E-231)50重量部よりなるガラス繊維強化ポリアミド組
成物を表3に記載の押出し条件で作製した。この組成物
を用いて作製した試験片の性能を表3に示した。
実施例 6 表3に記載したポリアミド100重量部および表3に記載
した量のカーボン繊維(東レKK製、T008A、平均長3mm又
は6mm)からなるカーボン繊維強化ポリアミド組成物を
表3に記載した押出し条件で作製した。この組成物を用
いて作製した試験片の性能を表3に示した。
実施例 7 実施例5においてガラス繊維を使用する代りにポリパラ
フエニレンテレフタルアミド繊維(デユポン社製、ケブ
ラー 49、平均長3mm)を用いた他は実施例5に記載し
た方法でポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維強化
ポリアミド組成物を作製した。この組成物を用いて作製
した試験片の性能を表3に示した。
実施例 8〜9 実施例5において、ガラス繊維を使用する代り表3記載
した充填剤を表3に記載した量用いた他は実施例5に記
載した方法で組成物を作製した。結果を表3に示した。
比較例 1〜3 ポリ2,4,4-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド
(ダイナミツトノーベル社製 トロガミドT )、ナイ
ロン‐6,6(デユポン社製Zytel101 )およびポリアセ
タール(ポリプラスチックス社製 デユラコンM-90
を用いて作製した試験片の性能を表3に示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 で表わされるイソフタロイルジアミン成分単位(a)およ
    び一般式〔II〕 で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b)、 〔式中、R0は炭素原子数が4ないし25の二価の炭化水素
    基を示し、Arは1,3-フエニレン基以外の炭素原子数が6
    ないし20の二価の芳香族炭化水素基を示す。〕がランダ
    ムに配列したポリアミドであつて、 (i)各成分の組成は(a)成分が50ないし100モル%およ
    び(b)成分が0ないし50モル%の範囲にあること、 (ii)300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
    (MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii)X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の範
    囲にあること、 (iv)ガラス転移温度(Tg)が110ないし240℃の範囲に
    あること、 によつて表わされるポリアミドから形成される摺動材成
    形材料。
  2. 【請求項2】〔A〕一般式〔I〕 で表わされるイソフタロイルジアミン成分単位(a)およ
    び一般式〔II〕 で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b) 〔式中、R0は炭素原子数が4ないし25の二価の炭化水素
    基を示し、Arは1,3-フエニレン基以外の炭素原子数が6
    ないし20の二価の芳香族炭化水素基を示す。〕がランダ
    ムに配列したポリアミドであつて、 (i)各成分の組成は(a)成分が50ないし100モル%およ
    び(b)成分が0ないし50モル%の範囲にあること、 (ii)300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
    (MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii)X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の範
    囲にあること、 (iv)ガラス転移温度(Tg)が110ないし240℃の範囲に
    あること、 によつて表わされるポリアミド、および 〔B〕充填剤 からなるポリアミド組成物より形成される摺動材成形材
    料。
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