JP3142891B2 - ポリアミド樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物およびその製造法Info
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- JP3142891B2 JP3142891B2 JP03110545A JP11054591A JP3142891B2 JP 3142891 B2 JP3142891 B2 JP 3142891B2 JP 03110545 A JP03110545 A JP 03110545A JP 11054591 A JP11054591 A JP 11054591A JP 3142891 B2 JP3142891 B2 JP 3142891B2
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐熱性、機械的特性、化
学的物理的特性および成形性に優れると共に、特に靱性
が改善された新規なポリアミド樹脂組成物およびこのポ
リアミド樹脂組成物を製造する方法に関する。
学的物理的特性および成形性に優れると共に、特に靱性
が改善された新規なポリアミド樹脂組成物およびこのポ
リアミド樹脂組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から芳香族ポリアミド樹脂に
関しては、種々の提案がされており、例えば本出願人
は、既に特開昭59-53536号公報において、テレフタル酸
成分単位60〜100モル%およびテレフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸成分単位0〜40モル%からなる芳
香族ジカルボン酸成分単位(a)と、炭素数6〜18の直
鎖状脂肪族アルキレンジアミン成分単位(b)とからな
り、かつ濃硫酸中30℃で測定した極限粘度が0.5〜
3.0dl/gの範囲内にあるポリアミドを開示している。
関しては、種々の提案がされており、例えば本出願人
は、既に特開昭59-53536号公報において、テレフタル酸
成分単位60〜100モル%およびテレフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸成分単位0〜40モル%からなる芳
香族ジカルボン酸成分単位(a)と、炭素数6〜18の直
鎖状脂肪族アルキレンジアミン成分単位(b)とからな
り、かつ濃硫酸中30℃で測定した極限粘度が0.5〜
3.0dl/gの範囲内にあるポリアミドを開示している。
【0003】このポリアミドは、芳香族ポリアミドであ
るにも拘らず、良好な成形性を有している。さらにこの
ポリアミドは、従来の芳香族ポリアミドと比較しても、
耐熱性、機械的特性および化学的物理的特性に関しては
著しく優れているとの特性を有しているが、靱性に関し
てはさらに改善の余地があった。
るにも拘らず、良好な成形性を有している。さらにこの
ポリアミドは、従来の芳香族ポリアミドと比較しても、
耐熱性、機械的特性および化学的物理的特性に関しては
著しく優れているとの特性を有しているが、靱性に関し
てはさらに改善の余地があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、従来から知られている芳香族
ポリアミドの耐熱性、機械的特性、化学的物理的特性を
損なうことなく、靱性、特に引張り伸びが改善されたポ
リアミド樹脂組成物およびこのようなポリアミド樹脂組
成物を調製する方法を提供することを目的としている。
ポリアミドの耐熱性、機械的特性、化学的物理的特性を
損なうことなく、靱性、特に引張り伸びが改善されたポ
リアミド樹脂組成物およびこのようなポリアミド樹脂組
成物を調製する方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明は、 テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分
単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、およ
び、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位と
炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り返し
単位0〜40モル%からなり、極限粘度[η]が0.05
〜0.5dl/gの範囲内にある低次縮合物[A]の重縮合
体、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]の重縮合体と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
とを溶融状態にして煎断応力を賦与下に混練して得られ
るポリアミド組成物である。
単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、およ
び、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位と
炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り返し
単位0〜40モル%からなり、極限粘度[η]が0.05
〜0.5dl/gの範囲内にある低次縮合物[A]の重縮合
体、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]の重縮合体と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
とを溶融状態にして煎断応力を賦与下に混練して得られ
るポリアミド組成物である。
【0006】また、本発明のポリアミド樹脂組成物は、 テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分
単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、およ
び、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位と
炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り返し
単位0〜40モル%からなり、30℃の濃硫酸中で測定
した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲内に
ある低次縮合物[A]、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
との混合物を、加熱溶融状態で煎断応力を付与しながら
重縮合させることにより形成されるポリアミド樹脂組成
物である。
単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、およ
び、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位と
炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り返し
単位0〜40モル%からなり、30℃の濃硫酸中で測定
した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲内に
ある低次縮合物[A]、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
との混合物を、加熱溶融状態で煎断応力を付与しながら
重縮合させることにより形成されるポリアミド樹脂組成
物である。
【0007】本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法
は、テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン
成分単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、
および、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り
返し単位0〜40モル%からなり、30℃の濃硫酸中で
測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲
内にある低次縮合物[A]、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
との混合物を、加熱溶融状態で煎断応力を付与しながら
重縮合させることにより形成されることを特徴としてい
る。
は、テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン
成分単位とからなる繰り返し単位60〜100モル%、
および、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる繰り
返し単位0〜40モル%からなり、30℃の濃硫酸中で
測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲
内にある低次縮合物[A]、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
との混合物を、加熱溶融状態で煎断応力を付与しながら
重縮合させることにより形成されることを特徴としてい
る。
【0008】本発明のポリアミド組成物は、特定の芳香
族ポリアミドとナイロン636とからなる新規な組成物
である。さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ナ
イロン636の存在下、上記のように特定の低次縮合物
に、溶融状態で剪断応力を付与することにより形成され
る組成物(あるいはコポリアミド)であり、この組成物
は、単に低次縮合物の重縮合体とナイロン636との物
理的な混合物の他に、上記低次縮合物[A]および/ま
たは[B]と、ナイロン636とが重縮合したコポリア
ミドユニットを有する新たなポリアミドを含むと考えら
れる。
族ポリアミドとナイロン636とからなる新規な組成物
である。さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ナ
イロン636の存在下、上記のように特定の低次縮合物
に、溶融状態で剪断応力を付与することにより形成され
る組成物(あるいはコポリアミド)であり、この組成物
は、単に低次縮合物の重縮合体とナイロン636との物
理的な混合物の他に、上記低次縮合物[A]および/ま
たは[B]と、ナイロン636とが重縮合したコポリア
ミドユニットを有する新たなポリアミドを含むと考えら
れる。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明の組成物には、特定の芳香
族ポリアミドとナイロン636とからなる組成物と、特
定の低次縮合物をナイロン636の存在下に剪断応力を
賦与しながら混練することにより得られる樹脂組成物と
がある。
族ポリアミドとナイロン636とからなる組成物と、特
定の低次縮合物をナイロン636の存在下に剪断応力を
賦与しながら混練することにより得られる樹脂組成物と
がある。
【0010】まず、剪断応力の賦与下に混練することに
より得られる本発明のポリアミド樹脂組成物について、
その代表的な製造方法に沿って具体的に説明する。本発
明のポリアミド樹脂組成物を調製するに際しては、まず
低次縮合物[A]および[B]を調製する。
より得られる本発明のポリアミド樹脂組成物について、
その代表的な製造方法に沿って具体的に説明する。本発
明のポリアミド樹脂組成物を調製するに際しては、まず
低次縮合物[A]および[B]を調製する。
【0011】この低次縮合物[A]は、テレフタル酸成
分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位(a-1)、および、テレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成
分単位とからなる繰り返し単位(b-1)からなる。
分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位(a-1)、および、テレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成
分単位とからなる繰り返し単位(b-1)からなる。
【0012】低次縮合物[A]を構成するテレフタル酸
成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからな
る繰り返し単位(a-1)は、ジカルボン酸成分であるテレ
フタル酸成分とジアミン成分との縮合反応により形成さ
れる。ここでテレフタル酸成分としては、テレフタル酸
の他、テレフタル酸ハライド、テレフタル酸エステルな
どを使用することができる。
成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とからな
る繰り返し単位(a-1)は、ジカルボン酸成分であるテレ
フタル酸成分とジアミン成分との縮合反応により形成さ
れる。ここでテレフタル酸成分としては、テレフタル酸
の他、テレフタル酸ハライド、テレフタル酸エステルな
どを使用することができる。
【0013】またジアミン成分単位は、直鎖状のアルキ
レンジアミン成分単位であっても、分枝を有する鎖状の
アルキレンジアミン成分単位であってもよく、さらに脂
環族ジアミン成分単位であってもよい。アルキレンジア
ミン成分単位のうちでは、炭素原子数が4〜25の直鎖
状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミン成分
単位が好ましく、さらに炭素原子数が6〜18の直鎖状
あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単
位が特に好ましい。
レンジアミン成分単位であっても、分枝を有する鎖状の
アルキレンジアミン成分単位であってもよく、さらに脂
環族ジアミン成分単位であってもよい。アルキレンジア
ミン成分単位のうちでは、炭素原子数が4〜25の直鎖
状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミン成分
単位が好ましく、さらに炭素原子数が6〜18の直鎖状
あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単
位が特に好ましい。
【0014】このようなアルキレンジアミン成分単位と
しては、具体的には、たとえば、1,4-ジアミノブタン、
1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジ
アミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノ
ノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカ
ンおよび1,12-ジアミノドデカンのような直鎖状アルキ
レンジアミンから誘導される成分単位;ならびに1,4-ジ
アミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1-エチルブ
タン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、1,4-ジアミ
ノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-ジメチルブ
タン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、1,2-ジアミ
ノ-1-ブチルエタン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサ
ン、1,6-ジアミノ-2,4-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミ
ノ-3,3-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2-ジメチル
ヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、
1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン、1,7-ジアミ
ノ-2,3-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2.4-ジメチル
ヘプタン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-
ジアミノ-2,2-ジメチルヘプタン、1,8-ジアミノ-1,3-ジ
メチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-3,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,5-ジメチル
オクタン、1,8-ジアミノ-2,2-ジメチルオクタン、1,8-
ジアミノ-3,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,4-ジ
メチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチルヘキサン
および1,9-ジアミノ-5-メチルノナンのような分枝を有
する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単位
を挙げることができる。
しては、具体的には、たとえば、1,4-ジアミノブタン、
1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジ
アミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノ
ノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカ
ンおよび1,12-ジアミノドデカンのような直鎖状アルキ
レンジアミンから誘導される成分単位;ならびに1,4-ジ
アミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1-エチルブ
タン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、1,4-ジアミ
ノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-ジメチルブ
タン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、1,2-ジアミ
ノ-1-ブチルエタン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサ
ン、1,6-ジアミノ-2,4-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミ
ノ-3,3-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2-ジメチル
ヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、
1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン、1,7-ジアミ
ノ-2,3-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2.4-ジメチル
ヘプタン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-
ジアミノ-2,2-ジメチルヘプタン、1,8-ジアミノ-1,3-ジ
メチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-3,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,5-ジメチル
オクタン、1,8-ジアミノ-2,2-ジメチルオクタン、1,8-
ジアミノ-3,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,4-ジ
メチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチルヘキサン
および1,9-ジアミノ-5-メチルノナンのような分枝を有
する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単位
を挙げることができる。
【0015】このような直鎖状あるいは分枝を有する鎖
状のアルキレンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状の
アルキレンジアミン成分単位が好ましく、特に1,6-ジア
ミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノ
デカン、1,12-ジアミノドデカンのような直鎖状アルキ
レンジアミンから誘導される繰り返し単位が好ましい。
状のアルキレンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状の
アルキレンジアミン成分単位が好ましく、特に1,6-ジア
ミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノ
デカン、1,12-ジアミノドデカンのような直鎖状アルキ
レンジアミンから誘導される繰り返し単位が好ましい。
【0016】また、脂環族ジアミン成分単位は、通常、
炭素数が6〜25程度であり、かつ少なくとも1個の脂
環族炭化水素環を含むジアミンから誘導される成分単位
である。
炭素数が6〜25程度であり、かつ少なくとも1個の脂
環族炭化水素環を含むジアミンから誘導される成分単位
である。
【0017】このような脂環族ジアミン成分単位として
は、具体的には、たとえば、1,3-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4'-ジ
アミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、4,4'
-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,
4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘ
キシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジ
メチルジシクロヘキシルプロパン、α,α'-ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)-p-ジイソプロピルベンゼン、α,α'
-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-m-ジイソプロピルベン
ゼン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-1,4-シク
ロヘキサンおよびα,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)-1,3-シクロヘキサンのような脂環族ジアミンから誘
導される成分単位を挙げることができる。
は、具体的には、たとえば、1,3-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4'-ジ
アミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、4,4'
-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,
4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘ
キシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジ
メチルジシクロヘキシルプロパン、α,α'-ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)-p-ジイソプロピルベンゼン、α,α'
-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-m-ジイソプロピルベン
ゼン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-1,4-シク
ロヘキサンおよびα,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)-1,3-シクロヘキサンのような脂環族ジアミンから誘
導される成分単位を挙げることができる。
【0018】これらの脂環族ジアミン成分単位のうちで
は、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメ
チルジシクロヘキシルメタンから誘導される繰り返し単
位が好ましく、特にビス(4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン
から誘導される成分単位が好ましい。
は、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメ
チルジシクロヘキシルメタンから誘導される繰り返し単
位が好ましく、特にビス(4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン
から誘導される成分単位が好ましい。
【0019】上記繰り返し単位(a-1)は、上記ジカルボ
ン酸とジアミンとを適宜組み合わせた構成を採ることが
でき、単一の構成を意味するものではない。上記繰り返
し単位(a-1)のうち、ジアミン成分がヘキサメチレンジ
アミンである繰り返し単位は、次式[I]で表すことが
できる。
ン酸とジアミンとを適宜組み合わせた構成を採ることが
でき、単一の構成を意味するものではない。上記繰り返
し単位(a-1)のうち、ジアミン成分がヘキサメチレンジ
アミンである繰り返し単位は、次式[I]で表すことが
できる。
【0020】
【化1】
【0021】・・・[I] 低次縮合物[A]は、上記のような式[I]に代表され
る繰り返し単位(a-1)だけから形成されていてもよい
が、さらに、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜25のアルキレン基を有するジアミ
ン成分単位とからなる繰り返し単位(b-1)を有していて
もよい。
る繰り返し単位(a-1)だけから形成されていてもよい
が、さらに、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜25のアルキレン基を有するジアミ
ン成分単位とからなる繰り返し単位(b-1)を有していて
もよい。
【0022】ここで繰り返し単位(b-1)を形成するテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位としては、
イソフタル酸成分単位、2-メチルテレフタル酸成分単位
およびナフタレンジカルボン酸成分単位等を挙げること
ができる。本発明で使用される低次縮合物[A]がテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位を含む場
合、芳香族ジカルボン酸成分単位としては特にイソフタ
ル酸成分単位が好ましい。なお、ジアミン成分単位は、
前記繰り返し単位(a-1)におけるジアミン成分単位と同
様である。
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位としては、
イソフタル酸成分単位、2-メチルテレフタル酸成分単位
およびナフタレンジカルボン酸成分単位等を挙げること
ができる。本発明で使用される低次縮合物[A]がテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位を含む場
合、芳香族ジカルボン酸成分単位としては特にイソフタ
ル酸成分単位が好ましい。なお、ジアミン成分単位は、
前記繰り返し単位(a-1)におけるジアミン成分単位と同
様である。
【0023】上記繰り返し単位(b-1)のうち、芳香族ジ
カルボン酸成分がイソフタル酸でありジアミン成分がヘ
キサメチレンジアミンである繰り返し単位は、次式[I
I]で表すことができる。
カルボン酸成分がイソフタル酸でありジアミン成分がヘ
キサメチレンジアミンである繰り返し単位は、次式[I
I]で表すことができる。
【0024】
【化2】
【0025】・・・[II] 本発明で使用される低次縮合物中[A]において、上記
のようなテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位を有する繰り返し単位(b-1)の含有率は、0〜40モ
ル%、好ましくは0〜30モル%、特に好ましくは5〜
30モル%の範囲内に設定される。従って、低次縮合物
[A]中におけるテレフタル酸成分単位とジアミン成分
単位とからなる繰り返し単位(a-1)の含有率は60〜1
00モル%、好ましくは70〜100モル%、特に好ま
しくは70〜95モル%の範囲内に設定される。なお、
ここで低次縮合物中[A]における繰り返し単位(a-1)
と繰り返し単位(b-1)との合計は100モル%である。
のようなテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位を有する繰り返し単位(b-1)の含有率は、0〜40モ
ル%、好ましくは0〜30モル%、特に好ましくは5〜
30モル%の範囲内に設定される。従って、低次縮合物
[A]中におけるテレフタル酸成分単位とジアミン成分
単位とからなる繰り返し単位(a-1)の含有率は60〜1
00モル%、好ましくは70〜100モル%、特に好ま
しくは70〜95モル%の範囲内に設定される。なお、
ここで低次縮合物中[A]における繰り返し単位(a-1)
と繰り返し単位(b-1)との合計は100モル%である。
【0026】本発明において、低次縮合物としては、上
記のようなジカルボン酸成分として上記のような芳香族
ジカルボン酸を主体とする低次縮合物[A]を使用する
ことができると共に、このような低次縮合物[A]と共
に、あるいはこれとは別に、以下に記載するような脂肪
族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位(b-2)を所
定の割合で有している低次縮合物[B]を使用すること
もできる。
記のようなジカルボン酸成分として上記のような芳香族
ジカルボン酸を主体とする低次縮合物[A]を使用する
ことができると共に、このような低次縮合物[A]と共
に、あるいはこれとは別に、以下に記載するような脂肪
族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位(b-2)を所
定の割合で有している低次縮合物[B]を使用すること
もできる。
【0027】ここで使用される低次縮合物[B]は、テ
レフタル酸成分単位と特定のジアミン成分単位とからな
る繰り返し(a-2)および特定の脂肪族ジカルボン酸成分
単位と特定のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位
(b-2)とから形成されている。 繰り返し単位(a-2)およ
び(b-2)を構成するジアミン成分単位は、炭素数4〜1
8、好ましくは炭素数6〜12のジアミン成分単位であ
る。
レフタル酸成分単位と特定のジアミン成分単位とからな
る繰り返し(a-2)および特定の脂肪族ジカルボン酸成分
単位と特定のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位
(b-2)とから形成されている。 繰り返し単位(a-2)およ
び(b-2)を構成するジアミン成分単位は、炭素数4〜1
8、好ましくは炭素数6〜12のジアミン成分単位であ
る。
【0028】低次縮合物[B]を形成するジアミン成分
単位は、脂肪族系ジアミン成分単位であっても、脂環族
ジアミン成分単位であっても、さらに脂肪族系ジアミン
成分単位および脂環族系ジアミン成分単位のであっても
よい。
単位は、脂肪族系ジアミン成分単位であっても、脂環族
ジアミン成分単位であっても、さらに脂肪族系ジアミン
成分単位および脂環族系ジアミン成分単位のであっても
よい。
【0029】ここで使用される脂肪族系ジアミン成分単
位のうちでは、炭素数が4〜18の直鎖状あるいは分枝
を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位が好まし
く、さらに炭素数が6〜12の直鎖状あるいは分枝を有
する鎖状のアルキレンジアミン成分単位が特に好まし
い。
位のうちでは、炭素数が4〜18の直鎖状あるいは分枝
を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位が好まし
く、さらに炭素数が6〜12の直鎖状あるいは分枝を有
する鎖状のアルキレンジアミン成分単位が特に好まし
い。
【0030】このような脂肪族系ジアミン成分単位とし
ては、具体的には、たとえば、1,6-ジアミノヘキサン、
1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジ
アミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウ
ンデカンおよび1,12-ジアミノドデカンのようなの直鎖
状アルキレンジアミンから誘導される成分単位;ならび
に、1,4-ジアミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-
1-エチルブタン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、
1,4-ジアミノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-
ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、
1,2-ジアミノ-1-ブチルエタン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメ
チルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4-ジメチルヘキサン、
1,6-ジアミノ-3,3-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,
2-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチル
ヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン、
1,7-ジアミノ-2,3-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,
4-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプ
タン、1,7-ジアミノ-2,2-ジメチルヘプタン、1,8-ジア
ミノ-1,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチ
ルオクタン、1,8-ジアミノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8
-ジアミノ-3,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,5-
ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,2-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-3,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-4,4-ジメチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチル
ヘキサンおよび1,9-ジアミノ-5-メチルノナンのような
分枝を有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される
成分単位を挙げることができる。
ては、具体的には、たとえば、1,6-ジアミノヘキサン、
1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジ
アミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウ
ンデカンおよび1,12-ジアミノドデカンのようなの直鎖
状アルキレンジアミンから誘導される成分単位;ならび
に、1,4-ジアミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-
1-エチルブタン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、
1,4-ジアミノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-
ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、
1,2-ジアミノ-1-ブチルエタン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメ
チルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4-ジメチルヘキサン、
1,6-ジアミノ-3,3-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,
2-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチル
ヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン、
1,7-ジアミノ-2,3-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,
4-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプ
タン、1,7-ジアミノ-2,2-ジメチルヘプタン、1,8-ジア
ミノ-1,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチ
ルオクタン、1,8-ジアミノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8
-ジアミノ-3,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,5-
ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,2-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-3,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-4,4-ジメチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチル
ヘキサンおよび1,9-ジアミノ-5-メチルノナンのような
分枝を有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される
成分単位を挙げることができる。
【0031】このような直鎖状あるいは分枝を有する鎖
状のアルキレンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状の
アルキレンジアミン成分単位が好ましく、1,6-ジアミノ
ヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカ
ン、1,12-ジアミノドデカン等の直鎖状アルキレンジア
ミンから誘導される成分単位が特に好ましい。
状のアルキレンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状の
アルキレンジアミン成分単位が好ましく、1,6-ジアミノ
ヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカ
ン、1,12-ジアミノドデカン等の直鎖状アルキレンジア
ミンから誘導される成分単位が特に好ましい。
【0032】脂環族ジアミン成分単位は、炭素数が4〜
18、好ましくは6〜12程度の脂環族ジアミンから誘
導される成分単位であり、この成分単位は、少なくとも
1個の脂環族炭化水素環を有している。
18、好ましくは6〜12程度の脂環族ジアミンから誘
導される成分単位であり、この成分単位は、少なくとも
1個の脂環族炭化水素環を有している。
【0033】このような脂環族ジアミン成分単位として
は、具体的には、たとえば、1,3-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4'
-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、
4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタ
ン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシ
クロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,
5'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、α,α'-ビス
(4-アミノシクロヘキシル)-p-ジイソプロピルベンゼ
ン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-m-ジイソ
プロピルベンゼン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキ
シル)-1,4-シクロヘキサンおよびα,α'-ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)-1,3-シクロヘキサンのような脂環族
ジアミンから誘導される成分単位を挙げることができ
る。
は、具体的には、たとえば、1,3-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4'
-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、
4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタ
ン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシ
クロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,
5'-ジメチルジシクロヘキシルプロパン、α,α'-ビス
(4-アミノシクロヘキシル)-p-ジイソプロピルベンゼ
ン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-m-ジイソ
プロピルベンゼン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキ
シル)-1,4-シクロヘキサンおよびα,α'-ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)-1,3-シクロヘキサンのような脂環族
ジアミンから誘導される成分単位を挙げることができ
る。
【0034】これらの脂環族ジアミン成分単位のうちで
は、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'- ジアミノ-3,3'-ジ
メチルジシクロヘキシルメタンから誘導される成分単位
が好ましく、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、
1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス
(アミノメチル)シクロヘキサンのような脂環族ジアミ
ンから誘導される成分単位が特に好ましい。
は、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'- ジアミノ-3,3'-ジ
メチルジシクロヘキシルメタンから誘導される成分単位
が好ましく、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、
1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス
(アミノメチル)シクロヘキサンのような脂環族ジアミ
ンから誘導される成分単位が特に好ましい。
【0035】低次縮合物[B]を形成する繰り返し単位
(a-2)は、上記のようなジアミン成分単位とテレフタル
酸成分単位とから形成されている。このような繰り返し
単位(a-2)のうち、ジアミンがヘキサメチレンジアミン
である繰り返し単位は、上記式[I]で表すことができ
る。
(a-2)は、上記のようなジアミン成分単位とテレフタル
酸成分単位とから形成されている。このような繰り返し
単位(a-2)のうち、ジアミンがヘキサメチレンジアミン
である繰り返し単位は、上記式[I]で表すことができ
る。
【0036】上記のような繰り返し単位(a-2)と共に低
次縮合物[B]を形成する他の繰り返し単位(b-2)は、
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位と炭素数
4〜18のジアミン成分単位とから形成されている。
次縮合物[B]を形成する他の繰り返し単位(b-2)は、
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位と炭素数
4〜18のジアミン成分単位とから形成されている。
【0037】このような脂肪族ジカルボン酸成分単位を
誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例とし
ては、コハク酸、アジピン酸(AA)、アゼライン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボ
ン酸およびドデカンジカルボン酸を挙げることができ
る。これらの中でも、とくにアジピン酸が好ましい。
誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例とし
ては、コハク酸、アジピン酸(AA)、アゼライン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボ
ン酸およびドデカンジカルボン酸を挙げることができ
る。これらの中でも、とくにアジピン酸が好ましい。
【0038】このような繰り返し単位(b-2)のうち、ジ
アミンがヘキサメチレンジアミンでありジカルボン酸が
アジピン酸である繰り返し単位は、下記式[III]で表す
ことができる。 −(−CO−(CH2)4−CO―NH―(CH2)6−NH−)― ・・・[III] 本発明で使用される低次縮合物中[B]において、テレフ
タル酸成分単位を有する繰り返し単位(a-2)の含有率
は、30〜90モル%、好ましくは40〜80モル%、
特に好ましくは40〜70モル%の範囲内に設定され
る。従って、低次縮合物[B]中におけるテレフタル酸成
分単位とジアミン成分単位とからなる繰り返し単位(b-
2)の含有率は10〜70モル%、好ましくは20〜60
モル%、特に好ましくは30〜60モル%の範囲内に設
定される。なお、ここで低次縮合物中[B]における繰り
返し単位(a-2)と繰り返し単位(b-2)との合計は100モ
ル%である。
アミンがヘキサメチレンジアミンでありジカルボン酸が
アジピン酸である繰り返し単位は、下記式[III]で表す
ことができる。 −(−CO−(CH2)4−CO―NH―(CH2)6−NH−)― ・・・[III] 本発明で使用される低次縮合物中[B]において、テレフ
タル酸成分単位を有する繰り返し単位(a-2)の含有率
は、30〜90モル%、好ましくは40〜80モル%、
特に好ましくは40〜70モル%の範囲内に設定され
る。従って、低次縮合物[B]中におけるテレフタル酸成
分単位とジアミン成分単位とからなる繰り返し単位(b-
2)の含有率は10〜70モル%、好ましくは20〜60
モル%、特に好ましくは30〜60モル%の範囲内に設
定される。なお、ここで低次縮合物中[B]における繰り
返し単位(a-2)と繰り返し単位(b-2)との合計は100モ
ル%である。
【0039】なお、上記低次縮合物[A]および[B]
は、ジカルボン酸成分単位(a) として、上記のようなテ
レフタル酸成分単位、テレフタル酸成分単位以外の芳香
族系ジカルボン酸成分単位および特定の脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位を有しているが、この他に、例えば10モ
ル%以下程度の量の多価カルボン酸成分単位が有してい
ても良い。このような多価カルボン酸成分単位として
は、具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸
等のような三塩基酸あるは多塩基酸などから誘導される
成分単位を挙げることができる。
は、ジカルボン酸成分単位(a) として、上記のようなテ
レフタル酸成分単位、テレフタル酸成分単位以外の芳香
族系ジカルボン酸成分単位および特定の脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位を有しているが、この他に、例えば10モ
ル%以下程度の量の多価カルボン酸成分単位が有してい
ても良い。このような多価カルボン酸成分単位として
は、具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸
等のような三塩基酸あるは多塩基酸などから誘導される
成分単位を挙げることができる。
【0040】さらに、上記のような低次縮合物[A]及
び[B]においては、得られる本発明の組成物の成形温
度の上限値CTmaxと成形温度の下限値Tmとの差(CT
max−Tm)が、通常は20℃以上、好ましくは20〜4
0℃になるようにそれぞれの成分単位の含有率が特定さ
れる。なお、ここで成形温度上限値CTmaxは、ある樹
脂を成形しようとする場合に樹脂の特性を考慮して設定
可能なシリンダーの上限温度であり、一般にはCTmax
は、この温度以上の温度で成形しようとしたとしても樹
脂の粘度が著しく低下して所謂「樹脂の鼻タレ現象」あ
るいは発泡が生じて成形不能となる温度である。また、
成形温度の下限値Tmは一般には樹脂の融点である。
び[B]においては、得られる本発明の組成物の成形温
度の上限値CTmaxと成形温度の下限値Tmとの差(CT
max−Tm)が、通常は20℃以上、好ましくは20〜4
0℃になるようにそれぞれの成分単位の含有率が特定さ
れる。なお、ここで成形温度上限値CTmaxは、ある樹
脂を成形しようとする場合に樹脂の特性を考慮して設定
可能なシリンダーの上限温度であり、一般にはCTmax
は、この温度以上の温度で成形しようとしたとしても樹
脂の粘度が著しく低下して所謂「樹脂の鼻タレ現象」あ
るいは発泡が生じて成形不能となる温度である。また、
成形温度の下限値Tmは一般には樹脂の融点である。
【0041】本発明においては、低次縮合物[A]およ
び[B]の30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]
が、通常は0.05〜0.5dl/g、好ましくは0.08
〜0.3dl/gの範囲内にある。このような極限粘度を有
する低次縮合物を使用することによりナイロン636と
共重縮合体を形成しやすい。
び[B]の30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]
が、通常は0.05〜0.5dl/g、好ましくは0.08
〜0.3dl/gの範囲内にある。このような極限粘度を有
する低次縮合物を使用することによりナイロン636と
共重縮合体を形成しやすい。
【0042】このような低次縮合物[A]は、テレフタ
ル酸成分、ジアミン成分、および必要により他の芳香族
ジカルボン酸成分を水の存在下に加圧条件下、加熱する
ことにより製造することができる。また、低次縮合物
[B]はテレフタル酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分お
よびジアミン成分を水の存在下に加圧条件下、加熱する
ことにより製造することができる。これらの反応は、リ
ン系化合物の存在下に行うことが好ましい。
ル酸成分、ジアミン成分、および必要により他の芳香族
ジカルボン酸成分を水の存在下に加圧条件下、加熱する
ことにより製造することができる。また、低次縮合物
[B]はテレフタル酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分お
よびジアミン成分を水の存在下に加圧条件下、加熱する
ことにより製造することができる。これらの反応は、リ
ン系化合物の存在下に行うことが好ましい。
【0043】ここで使用されるリン系化合物としては、
リン酸、その塩およびエステル化合物、亜リン酸、その
塩およびエステル化合物、ならびに次亜リン酸およびそ
の塩を挙げることができる。リン酸塩の例としては、具
体的には、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リ
ン酸ニッケルおよびリン酸コバルトを挙げることができ
る。リン酸エステルの例としては、具体的には、リン酸
の、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエ
ステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシ
ルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、
ステアリルエステルおよびフェニルエステルを挙げるこ
とができる。また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸
カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、
亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニ
ッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができる。
亜リン酸エステルの例としては、亜リン酸トリエステル
を挙げることができ、具体的には、亜リン酸の、メチル
エステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブ
チルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステ
ル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリ
ルエステルおよびフェニルエステルを挙げることができ
る。さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウ
ム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン
酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケル
および亜リン酸コバルトを挙げることができる。また、
次亜リン酸塩の例としては、次亜リン酸カリウム、次亜
リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸
バナジウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マン
ガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン酸コバルトを
挙げることができる。これらのリン酸化合物は、単独で
あるいは組み合わせて使用することができる。
リン酸、その塩およびエステル化合物、亜リン酸、その
塩およびエステル化合物、ならびに次亜リン酸およびそ
の塩を挙げることができる。リン酸塩の例としては、具
体的には、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リ
ン酸ニッケルおよびリン酸コバルトを挙げることができ
る。リン酸エステルの例としては、具体的には、リン酸
の、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエ
ステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシ
ルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、
ステアリルエステルおよびフェニルエステルを挙げるこ
とができる。また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸
カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、
亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニ
ッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができる。
亜リン酸エステルの例としては、亜リン酸トリエステル
を挙げることができ、具体的には、亜リン酸の、メチル
エステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブ
チルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステ
ル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリ
ルエステルおよびフェニルエステルを挙げることができ
る。さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウ
ム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン
酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケル
および亜リン酸コバルトを挙げることができる。また、
次亜リン酸塩の例としては、次亜リン酸カリウム、次亜
リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸
バナジウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マン
ガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン酸コバルトを
挙げることができる。これらのリン酸化合物は、単独で
あるいは組み合わせて使用することができる。
【0044】このようなリン系化合物は、上記のような
ジカルボン酸成分に対して、通常は0.01〜5モル
%、好ましくは0.02〜2モル%の割合で用いられ
る。また低次縮合物を調製するに際しては、上記のよう
なリン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪族
モノカルボン酸などの化合物を併用することもできる。
ジカルボン酸成分に対して、通常は0.01〜5モル
%、好ましくは0.02〜2モル%の割合で用いられ
る。また低次縮合物を調製するに際しては、上記のよう
なリン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪族
モノカルボン酸などの化合物を併用することもできる。
【0045】この反応において、ジアミン成分は、芳香
族ジカルボン酸の総量(テレフタル酸成分と、必要によ
り使用される他の芳香族ジカルボン酸成分との合計量)
1モルに対して、または、テレフタル酸と脂肪族ジカル
ボン酸の総量1モルに対して、ほぼ1モルの割合で使用
される。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行わ
れ、一般には反応容器内を窒素ガス等の不活性ガスでパ
ージする。
族ジカルボン酸の総量(テレフタル酸成分と、必要によ
り使用される他の芳香族ジカルボン酸成分との合計量)
1モルに対して、または、テレフタル酸と脂肪族ジカル
ボン酸の総量1モルに対して、ほぼ1モルの割合で使用
される。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行わ
れ、一般には反応容器内を窒素ガス等の不活性ガスでパ
ージする。
【0046】このような低次縮合物[A]または[B]
を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度は通
常は200〜290℃、好ましくは220〜280℃、
反応時間は通常は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間である。さらにこの反応は常圧から加圧のいずれの条
件で行うことができるが、加圧条件で反応を行うことが
好ましく、反応圧は、通常20〜60kg/cm2、好ましく
は25〜50kg/cm2の範囲内に設定される。そして、こ
のようにして重縮合反応を行うことにより、30℃の濃
硫酸中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜
0.5dl/g、好ましくは0.08〜0.3dl/gの範囲内
にある低次縮合物を得る。このような極限粘度を有する
低次縮合物を使用することにより、靱性の高いポリアミ
ド樹脂組成物を調製することができるのである。
を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度は通
常は200〜290℃、好ましくは220〜280℃、
反応時間は通常は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間である。さらにこの反応は常圧から加圧のいずれの条
件で行うことができるが、加圧条件で反応を行うことが
好ましく、反応圧は、通常20〜60kg/cm2、好ましく
は25〜50kg/cm2の範囲内に設定される。そして、こ
のようにして重縮合反応を行うことにより、30℃の濃
硫酸中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜
0.5dl/g、好ましくは0.08〜0.3dl/gの範囲内
にある低次縮合物を得る。このような極限粘度を有する
低次縮合物を使用することにより、靱性の高いポリアミ
ド樹脂組成物を調製することができるのである。
【0047】例えば上記のようにして調製された低次縮
合物[A]および[B]は、それぞれを単独で使用する
こともできるし、両者を組み合わせて使用することもで
きる。両者を組み合わせて使用する場合に、得られるポ
リアミド樹脂組成物の特性を考慮して、両者の配合量は
適宜設定することができるが、例えば得られるポリアミ
ド樹脂組成物の耐熱性を考慮すると低次縮合物[A]と
[B]とを95:5〜70:30の範囲内の割合で使用
することが好ましい。
合物[A]および[B]は、それぞれを単独で使用する
こともできるし、両者を組み合わせて使用することもで
きる。両者を組み合わせて使用する場合に、得られるポ
リアミド樹脂組成物の特性を考慮して、両者の配合量は
適宜設定することができるが、例えば得られるポリアミ
ド樹脂組成物の耐熱性を考慮すると低次縮合物[A]と
[B]とを95:5〜70:30の範囲内の割合で使用
することが好ましい。
【0048】なお、上記のようにして得られる低次縮合
物[A]または[B]は、水を含んでいるため、本発明
においては、こうして得られた低次縮合物[A]または
[B]を乾燥した後、次の工程で使用する。
物[A]または[B]は、水を含んでいるため、本発明
においては、こうして得られた低次縮合物[A]または
[B]を乾燥した後、次の工程で使用する。
【0049】本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する
に際して、上記の低次縮合物[A]または[B]を、加
熱溶融状態にして、ナイロン636[C]の存在下に、
剪断応力を付与して重縮合反応させる。
に際して、上記の低次縮合物[A]または[B]を、加
熱溶融状態にして、ナイロン636[C]の存在下に、
剪断応力を付与して重縮合反応させる。
【0050】ここで使用されるナイロン636[C]
は、ヘキサメチレンジアミンと炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸との共重縮合体である。炭素数36の脂肪族ジ
カルボン酸は、一般に「ダイマー酸」と言われている脂
肪族系のジカルボン酸で、例えばリノール酸のような炭
素数18の不飽和カルボン酸を種々の方法で2量体化す
ることにより調製することができる。なお、このダイマ
ー酸は、エステルあるいは塩の形態であってもよい。
は、ヘキサメチレンジアミンと炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸との共重縮合体である。炭素数36の脂肪族ジ
カルボン酸は、一般に「ダイマー酸」と言われている脂
肪族系のジカルボン酸で、例えばリノール酸のような炭
素数18の不飽和カルボン酸を種々の方法で2量体化す
ることにより調製することができる。なお、このダイマ
ー酸は、エステルあるいは塩の形態であってもよい。
【0051】ナイロン636は、上記のようなダイマー
酸とヘキサメチレンジアミンとをジカルボン酸とジアミ
ンとを反応させる公知の方法を利用して共重縮合させる
ことにより調製することができる。
酸とヘキサメチレンジアミンとをジカルボン酸とジアミ
ンとを反応させる公知の方法を利用して共重縮合させる
ことにより調製することができる。
【0052】本発明においては、種々のグレードのナイ
ロン636を使用することができるが、特に酸価が0.
2〜1.0の範囲内にあり、アミン価が0.2〜2.1の
範囲内にあり、190℃における粘度が3000〜90
00ポアズの範囲内にあり、平均分子量が30000〜
100000の範囲内にあり(30℃のメタクレゾール
中で測定した極限粘度:0.6〜2.0dl/g)、さらに
融点が85〜170℃の範囲内にあるナイロン636が
好ましく使用される。
ロン636を使用することができるが、特に酸価が0.
2〜1.0の範囲内にあり、アミン価が0.2〜2.1の
範囲内にあり、190℃における粘度が3000〜90
00ポアズの範囲内にあり、平均分子量が30000〜
100000の範囲内にあり(30℃のメタクレゾール
中で測定した極限粘度:0.6〜2.0dl/g)、さらに
融点が85〜170℃の範囲内にあるナイロン636が
好ましく使用される。
【0053】ここで低次縮合物[A]および/または
[B]の総量とナイロン636[C]とは通常は70:
30〜98:2、好ましくは80:20〜95:5の重量
比で使用される。なお、ここで低次縮合物[A]および
/または[B]の総量とナイロン636[C]との合計
は100である。
[B]の総量とナイロン636[C]とは通常は70:
30〜98:2、好ましくは80:20〜95:5の重量
比で使用される。なお、ここで低次縮合物[A]および
/または[B]の総量とナイロン636[C]との合計
は100である。
【0054】低次縮合物[A]または[B]の配合量が
上記範囲を逸脱して少ないと、必然的にナイロン636
の含有率が高くなるので、ナイロン636の特性が表在
化し過ぎて耐熱性が低下するなど芳香族系のポリアミド
の優れた特性が維持されにくくなる。また上記範囲を逸
脱して多いと、ナイロン636の有する特性を芳香族系
ポリアミド有効に付与することが難しくなり芳香族系ポ
リアミドに優れた靱性を有効に付与することが困難にな
ることが多くなる。そして、両者を本発明の好ましい範
囲内で使用することより、特に芳香族ポリアミドの優れ
た特性を有効に維持し、かつ靱性に優れた組成物を調製
することができるのである。
上記範囲を逸脱して少ないと、必然的にナイロン636
の含有率が高くなるので、ナイロン636の特性が表在
化し過ぎて耐熱性が低下するなど芳香族系のポリアミド
の優れた特性が維持されにくくなる。また上記範囲を逸
脱して多いと、ナイロン636の有する特性を芳香族系
ポリアミド有効に付与することが難しくなり芳香族系ポ
リアミドに優れた靱性を有効に付与することが困難にな
ることが多くなる。そして、両者を本発明の好ましい範
囲内で使用することより、特に芳香族ポリアミドの優れ
た特性を有効に維持し、かつ靱性に優れた組成物を調製
することができるのである。
【0055】本発明においては、上記の低次縮合物
[A]および/または[B]が溶融する温度に加熱す
る。さらに、混練に際しては、ナイロン636[C]も
溶融状態にあるのが好ましい。従って、一般には、低次
縮合物[A]および/または[B]の融点またはナイロ
ン636[C]の融点の内の高い方の温度以上の温度、
好ましくはこの温度(融点)よりも10〜60℃高い温
度に加熱される。
[A]および/または[B]が溶融する温度に加熱す
る。さらに、混練に際しては、ナイロン636[C]も
溶融状態にあるのが好ましい。従って、一般には、低次
縮合物[A]および/または[B]の融点またはナイロ
ン636[C]の融点の内の高い方の温度以上の温度、
好ましくはこの温度(融点)よりも10〜60℃高い温
度に加熱される。
【0056】本発明の製造方法においては、溶融状態に
ある上記原料に、剪断応力を付与しながら重縮合反応を
行う。剪断応力は、例えばベント付き二軸押出機、ニー
ダー、ブラベンダー等を用いることにより溶融物に付与
することができる。こうして溶融物に剪断応力を賦与し
て混練することにより、低次縮合物[A]および/また
は[B]が相互に重縮合すると共に、ナイロン636
[C]と低次縮合物[A]および/または[B]との重
縮合反応も進行するものと考えられ、さらにナイロン6
36[C]自体の重縮合反応もある程度は進行すると考
えられる。従って、こうして調製されるポリアミド樹脂
組成物は、単に芳香族ポリアミドとナイロン636とが
そのままの形態を維持した状態で混合されているのでは
なく、少なくとも一部の低次縮合物[A]または[B]
は、それ自体が重縮合すると同時にナイロン636
[C]と重縮合し、芳香族ポリアミドとナイロン636
[C]とのコポリアミドを形成しているものと考えられ
る。
ある上記原料に、剪断応力を付与しながら重縮合反応を
行う。剪断応力は、例えばベント付き二軸押出機、ニー
ダー、ブラベンダー等を用いることにより溶融物に付与
することができる。こうして溶融物に剪断応力を賦与し
て混練することにより、低次縮合物[A]および/また
は[B]が相互に重縮合すると共に、ナイロン636
[C]と低次縮合物[A]および/または[B]との重
縮合反応も進行するものと考えられ、さらにナイロン6
36[C]自体の重縮合反応もある程度は進行すると考
えられる。従って、こうして調製されるポリアミド樹脂
組成物は、単に芳香族ポリアミドとナイロン636とが
そのままの形態を維持した状態で混合されているのでは
なく、少なくとも一部の低次縮合物[A]または[B]
は、それ自体が重縮合すると同時にナイロン636
[C]と重縮合し、芳香族ポリアミドとナイロン636
[C]とのコポリアミドを形成しているものと考えられ
る。
【0057】なお、上記のような低次縮合物[A]およ
び/または[B]とナイロン636[C]との重縮合に
際しては、水が生成するが、低次縮合物[A]および/
または[B]とナイロン636[C]とを溶融状態にし
て反応させるので、生成水は水蒸気として系外に除去さ
れる。従って、この重縮合反応は、実質的に水の存在し
ない条件下で行われる。
び/または[B]とナイロン636[C]との重縮合に
際しては、水が生成するが、低次縮合物[A]および/
または[B]とナイロン636[C]とを溶融状態にし
て反応させるので、生成水は水蒸気として系外に除去さ
れる。従って、この重縮合反応は、実質的に水の存在し
ない条件下で行われる。
【0058】本発明において、上記の反応は低次縮合物
[A]および/または[B]の少なくとも一部が重縮合
するように行われる。本発明においては、得られるポリ
アミド樹脂組成物の極限粘度が0.5〜3dl/gの範囲内
になるまで剪断応力を付与しながら重縮合させることが
好ましい。特に好ましくは0.6〜2dl/gの範囲内にな
るように剪断応力を付与しながら重縮合させることによ
り、靱性が特に優れたポリアミド樹脂組成物を得ること
ができる。
[A]および/または[B]の少なくとも一部が重縮合
するように行われる。本発明においては、得られるポリ
アミド樹脂組成物の極限粘度が0.5〜3dl/gの範囲内
になるまで剪断応力を付与しながら重縮合させることが
好ましい。特に好ましくは0.6〜2dl/gの範囲内にな
るように剪断応力を付与しながら重縮合させることによ
り、靱性が特に優れたポリアミド樹脂組成物を得ること
ができる。
【0059】上記のようにして剪断応力を賦与しながら
重縮合させることにより、例えば、低次縮合物[A]と
ナイロン636とを使用した場合の本発明のポリアミド
樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は100〜125
℃の範囲内になることが多く、また、低次縮合物[B]
とナイロン636とを使用した場合の本発明のポリアミ
ド樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は70〜95℃
の範囲内になることが多い。さらに低次縮合物として
[A]および[B]の混合物を使用した場合には、本発
明のポリアミド樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は
70〜125℃の範囲内になることが多い。
重縮合させることにより、例えば、低次縮合物[A]と
ナイロン636とを使用した場合の本発明のポリアミド
樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は100〜125
℃の範囲内になることが多く、また、低次縮合物[B]
とナイロン636とを使用した場合の本発明のポリアミ
ド樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は70〜95℃
の範囲内になることが多い。さらに低次縮合物として
[A]および[B]の混合物を使用した場合には、本発
明のポリアミド樹脂組成物のガラス転移温度は、通常は
70〜125℃の範囲内になることが多い。
【0060】本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常は
結晶性であるので融点を有しており、例えば、低次縮合
物として[A]を使用した場合の組成物の融点は、通常
は300〜325℃、また、[B]を使用した場合の組
成物のガラス転移点は、通常は290〜315℃の範囲
内にある。さらに、[A]および[B]の両者を使用し
た場合には、得られる組成物の融点は、上記それぞれ単
独で使用した場合の融点に対して、それぞれの使用量に
対応して中間的な温度になる。
結晶性であるので融点を有しており、例えば、低次縮合
物として[A]を使用した場合の組成物の融点は、通常
は300〜325℃、また、[B]を使用した場合の組
成物のガラス転移点は、通常は290〜315℃の範囲
内にある。さらに、[A]および[B]の両者を使用し
た場合には、得られる組成物の融点は、上記それぞれ単
独で使用した場合の融点に対して、それぞれの使用量に
対応して中間的な温度になる。
【0061】また、本発明のポリアミド組成物は、上記
低次縮合物[A]および/または[B]を重縮合するこ
とにより得られる芳香族ポリアミドと上記ナイロン63
6とからなる組成物である。ここで芳香族ポリアミド
は、上記低次縮合物[A]および/または[B]の重縮
合体であり、必然的に原料として用いる低次縮合物より
も高い分子量を有している。そして、この芳香族ポリア
ミドは、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]
が、通常は0.6〜3.0dl/g、好ましくは0.8〜
2.0dl/gの範囲内にあり、原料として使用した低次縮
合物の極限粘度に対する芳香族ポリアミドの極限粘度の
比[(芳香族ポリアミドの極限粘度)/(低次縮合物の
極限粘度)]は、通常は6〜30、多くの場合8〜20
の範囲内になる。この芳香族ポリアミドは、前記低次縮
合物[A]および/または[B]の重縮合体であるが、
この芳香族ポリアミドを調製するに際しては、原料成分
から低次縮合物を調製し一旦これを取り出してさらに重
縮合することを必ずしも必要とするものではなく、代表
的な原料であるジカルボン酸とジアミンとから連続的に
芳香族ポリアミドを調製することもできる。このように
連続的に芳香族ポリアミドを調製したとしても、得られ
る芳香族ポリアミドは上記のような低次縮合物を経由し
て生成されているものと考えられる。
低次縮合物[A]および/または[B]を重縮合するこ
とにより得られる芳香族ポリアミドと上記ナイロン63
6とからなる組成物である。ここで芳香族ポリアミド
は、上記低次縮合物[A]および/または[B]の重縮
合体であり、必然的に原料として用いる低次縮合物より
も高い分子量を有している。そして、この芳香族ポリア
ミドは、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]
が、通常は0.6〜3.0dl/g、好ましくは0.8〜
2.0dl/gの範囲内にあり、原料として使用した低次縮
合物の極限粘度に対する芳香族ポリアミドの極限粘度の
比[(芳香族ポリアミドの極限粘度)/(低次縮合物の
極限粘度)]は、通常は6〜30、多くの場合8〜20
の範囲内になる。この芳香族ポリアミドは、前記低次縮
合物[A]および/または[B]の重縮合体であるが、
この芳香族ポリアミドを調製するに際しては、原料成分
から低次縮合物を調製し一旦これを取り出してさらに重
縮合することを必ずしも必要とするものではなく、代表
的な原料であるジカルボン酸とジアミンとから連続的に
芳香族ポリアミドを調製することもできる。このように
連続的に芳香族ポリアミドを調製したとしても、得られ
る芳香族ポリアミドは上記のような低次縮合物を経由し
て生成されているものと考えられる。
【0062】本発明のポリアミド組成物は、重縮合体
(即ち芳香族ポリアミド)とナイロン636とからな
り、本発明のポリアミド組成物中において、芳香族ポリ
アミドとナイロン636(芳香族ポリアミド:ナイロン
636)は、通常は70:30〜98:2、好ましくは
80:20〜95:5の重量費で使用される。なお、個
々で芳香族ポリアミドとナイロン636[C]との合計は
100である。本発明のポリアミド組成物は、上記のよ
うな芳香族ポリアミドとナイロン636との混練であ
る。なお、両者を混練することにより、芳香族ポリアミ
ドの少なくとも一部およびナイロン636の少なくとも
一部が反応することも考えられるが、本発明のポリアミ
ド組成物はこのような部分反応物を含有していてもよ
い。
(即ち芳香族ポリアミド)とナイロン636とからな
り、本発明のポリアミド組成物中において、芳香族ポリ
アミドとナイロン636(芳香族ポリアミド:ナイロン
636)は、通常は70:30〜98:2、好ましくは
80:20〜95:5の重量費で使用される。なお、個
々で芳香族ポリアミドとナイロン636[C]との合計は
100である。本発明のポリアミド組成物は、上記のよ
うな芳香族ポリアミドとナイロン636との混練であ
る。なお、両者を混練することにより、芳香族ポリアミ
ドの少なくとも一部およびナイロン636の少なくとも
一部が反応することも考えられるが、本発明のポリアミ
ド組成物はこのような部分反応物を含有していてもよ
い。
【0063】本発明のポリアミド組成物は、通常使用さ
れている混合装置、あるいは混練装置などを使用するこ
とにより調製することができる。なお、混練の際には芳
香族ポリアミドが溶融状態になるように加熱される。さ
らにナイロン636も溶融状態にあることが好ましい。
従って、通常は芳香族ポリアミドの融点またはナイロン
636[C]の融点の内の高い方の温度以上の温度、好
ましくはこの温度(融点)よりも10〜60℃高い温度
に加熱される。このような混練に際しては、通常の混練
装置を使用することができ、この混練装置は、溶融状態
にある被混練物に剪断応力を賦与できる装置であって、
この剪断応力を賦与する装置としては上記の方法で使用
した装置を挙げることができる。
れている混合装置、あるいは混練装置などを使用するこ
とにより調製することができる。なお、混練の際には芳
香族ポリアミドが溶融状態になるように加熱される。さ
らにナイロン636も溶融状態にあることが好ましい。
従って、通常は芳香族ポリアミドの融点またはナイロン
636[C]の融点の内の高い方の温度以上の温度、好
ましくはこの温度(融点)よりも10〜60℃高い温度
に加熱される。このような混練に際しては、通常の混練
装置を使用することができ、この混練装置は、溶融状態
にある被混練物に剪断応力を賦与できる装置であって、
この剪断応力を賦与する装置としては上記の方法で使用
した装置を挙げることができる。
【0064】上記のようにして製造されたポリアミド樹
脂組成物(あるいはポリアミド組成物)には、いわゆる
芳香族ポリアミドの優れた機械的特性、耐熱性、化学的
物理的特性が維持されていると共に、従来の芳香族ポリ
アミドと比較すると靱性、特に引張り伸びが向上する。
脂組成物(あるいはポリアミド組成物)には、いわゆる
芳香族ポリアミドの優れた機械的特性、耐熱性、化学的
物理的特性が維持されていると共に、従来の芳香族ポリ
アミドと比較すると靱性、特に引張り伸びが向上する。
【0065】本発明のポリアミド樹脂組成物あるいはポ
リアミド組成物は、そのまま使用することができるが、
その特性を損なわない範囲内で、無機充填剤、有機充填
剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリップ防
止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染
料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤を配合す
ることもできる。
リアミド組成物は、そのまま使用することができるが、
その特性を損なわない範囲内で、無機充填剤、有機充填
剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリップ防
止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染
料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤を配合す
ることもできる。
【0066】たとえば、無機充填剤として使用される繊
維の好適な例としては、ガラス繊維およびホウ素繊維を
挙げることができる。このような繊維状の充填剤として
は特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用するこ
とにより、成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率
等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上
する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、
0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、
アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは3
0〜600の範囲にある。このようなガラス繊維を配合
することにより、成形性が向上すると共に、熱変形温度
などの耐熱特性、引張り強度、曲げ強度等の機械的特性
が向上する。このようなガラス繊維は、本発明のポリア
ミド樹脂組成物100重量部に対して、通常200重量
部以下の量で、好ましくは5〜180重量部の量で、さ
らに好ましくは5〜150重量部の量で配合される。
維の好適な例としては、ガラス繊維およびホウ素繊維を
挙げることができる。このような繊維状の充填剤として
は特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用するこ
とにより、成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率
等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上
する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、
0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、
アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは3
0〜600の範囲にある。このようなガラス繊維を配合
することにより、成形性が向上すると共に、熱変形温度
などの耐熱特性、引張り強度、曲げ強度等の機械的特性
が向上する。このようなガラス繊維は、本発明のポリア
ミド樹脂組成物100重量部に対して、通常200重量
部以下の量で、好ましくは5〜180重量部の量で、さ
らに好ましくは5〜150重量部の量で配合される。
【0067】上記の無機繊維状の充填材の他、粉末状、
粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有す
る種々の充填材を使用することができる。このような充
填材の例としては、シリカ、シリカアルミナ、アルミ
ナ、二酸化チタン、タルク、ケイソウ土、クレー、カオ
リン、ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、酸化亜鉛
などの粉状あるいは板状の無機化合物、ポリパラフェニ
レンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタル
アミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド、ジアミノジフェニルエ
ーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)との縮合物、パ
ラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物などの全芳香族ポリ
アミド、ジアミノジフェニルエーテルと無水トリメリッ
ト酸または無水ピロメリット酸との縮合物などの全芳香
族ポリアミドイミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族
ポリイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリイミダゾフ
ェナントロリンなどの複素環含有化合物、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどから形成されている粉状、板状、繊
維状あるいはクロス状物などの二次加工品などを挙げる
ことができる。これらの充填材は、2種以上混合して使
用することもできる。また、これらの充填材をシランカ
ップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理
して使用することもできる。
粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有す
る種々の充填材を使用することができる。このような充
填材の例としては、シリカ、シリカアルミナ、アルミ
ナ、二酸化チタン、タルク、ケイソウ土、クレー、カオ
リン、ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、酸化亜鉛
などの粉状あるいは板状の無機化合物、ポリパラフェニ
レンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタル
アミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド、ジアミノジフェニルエ
ーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)との縮合物、パ
ラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物などの全芳香族ポリ
アミド、ジアミノジフェニルエーテルと無水トリメリッ
ト酸または無水ピロメリット酸との縮合物などの全芳香
族ポリアミドイミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族
ポリイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリイミダゾフ
ェナントロリンなどの複素環含有化合物、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどから形成されている粉状、板状、繊
維状あるいはクロス状物などの二次加工品などを挙げる
ことができる。これらの充填材は、2種以上混合して使
用することもできる。また、これらの充填材をシランカ
ップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理
して使用することもできる。
【0068】なお、粉末状の充填材の平均粒径は、通常
0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲内
にある。このような粉末状の充填材は、ポリアミド樹脂
組成物100重量部に対して、通常200重量部以下の
量で、好ましくは100重量部以下の量で、特に好まし
くは0.5〜50重量部の量で使用される。
0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲内
にある。このような粉末状の充填材は、ポリアミド樹脂
組成物100重量部に対して、通常200重量部以下の
量で、好ましくは100重量部以下の量で、特に好まし
くは0.5〜50重量部の量で使用される。
【0069】また、本発明のポリアミド樹脂組成物は、
他の樹脂と混合して使用することもできる。この場合に
使用することが好ましい樹脂としてはPPS(ポリフェ
ニレンスルフィド)、PPE(ポリフェニルエーテ
ル)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PEI(ポ
リエーテルイミド)およびLCP(液晶ポリマー)など
を挙げることができ、さらにこれらの樹脂の変性物を挙
げることができる。また、本発明のポリアミド樹脂組成
物とポリアミド組成物とを混合して使用することも可能
である。
他の樹脂と混合して使用することもできる。この場合に
使用することが好ましい樹脂としてはPPS(ポリフェ
ニレンスルフィド)、PPE(ポリフェニルエーテ
ル)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PEI(ポ
リエーテルイミド)およびLCP(液晶ポリマー)など
を挙げることができ、さらにこれらの樹脂の変性物を挙
げることができる。また、本発明のポリアミド樹脂組成
物とポリアミド組成物とを混合して使用することも可能
である。
【0070】本発明のポリアミド樹脂組成物あるいはポ
リアミド組成物は、通常の溶融成形法、例えば圧縮成形
法、射出成形法または押し出し成形法などを利用して所
望の形状に成形することができる。
リアミド組成物は、通常の溶融成形法、例えば圧縮成形
法、射出成形法または押し出し成形法などを利用して所
望の形状に成形することができる。
【0071】本発明のポリアミド樹脂組成物あるいはポ
リアミド組成物から製造される成形体に特に制限はな
く、耐熱性、機械的強度、靱性等の特性を利用した種々
の用途に使用することができる。本発明のポリアミド樹
脂組成物の用途の例としては、ギヤおよびカムなどのよ
うな機械部品、ならびに、プリント配線基板および電子
部品のハウジングなどのような電子部品ならびに各種自
動車部品などを挙げることができる。
リアミド組成物から製造される成形体に特に制限はな
く、耐熱性、機械的強度、靱性等の特性を利用した種々
の用途に使用することができる。本発明のポリアミド樹
脂組成物の用途の例としては、ギヤおよびカムなどのよ
うな機械部品、ならびに、プリント配線基板および電子
部品のハウジングなどのような電子部品ならびに各種自
動車部品などを挙げることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定
の芳香族低次縮合物とナイロン636とを剪断応力を賦
与しながら溶融混練することにより得られる組成物であ
り、単なる芳香族低次縮合物とナイロン636との混合
物とは異なる特性を示す。
の芳香族低次縮合物とナイロン636とを剪断応力を賦
与しながら溶融混練することにより得られる組成物であ
り、単なる芳香族低次縮合物とナイロン636との混合
物とは異なる特性を示す。
【0073】すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物
においては、芳香族ポリアミドが基本的に有している耐
熱性、機械的特性、化学的物理的特性等の優れた特性が
損なわれることなく、靱性特に引張り伸びおよび耐衝撃
性が向上する。
においては、芳香族ポリアミドが基本的に有している耐
熱性、機械的特性、化学的物理的特性等の優れた特性が
損なわれることなく、靱性特に引張り伸びおよび耐衝撃
性が向上する。
【0074】さらに、本発明の芳香族ポリアミドとナイ
ロン636とからなり、このような組成物は従来知られ
ておらず、このような組成物は芳香族ポリアミドが基本
的に有している耐熱性、機械的特性、化学的物理的特性
等の優れた特性が損なわれることなく、靱性特に引張り
伸びおよび耐衝撃性が向上する。
ロン636とからなり、このような組成物は従来知られ
ておらず、このような組成物は芳香族ポリアミドが基本
的に有している耐熱性、機械的特性、化学的物理的特性
等の優れた特性が損なわれることなく、靱性特に引張り
伸びおよび耐衝撃性が向上する。
【0075】次に本発明の実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限
定的に解釈されるべきではない。
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限
定的に解釈されるべきではない。
【0076】
【実施例1】[低次縮合物[A]の調製] 1,6-ジアミノヘキサン(HMDA)255.6g(2.2モ
ル)、テレフタル酸(TA)255.8g(1.45モル)
およびイソフタル酸(IA)109.6g(0.66モル)
と、触媒として次亜リン酸ナトリウム0.47g(4.4
×10-3モル)と、イオン交換水146mlとを容量1リ
ットルの反応器に仕込み、容器内部を窒素ガスで置換
後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応を行っ
た。
ル)、テレフタル酸(TA)255.8g(1.45モル)
およびイソフタル酸(IA)109.6g(0.66モル)
と、触媒として次亜リン酸ナトリウム0.47g(4.4
×10-3モル)と、イオン交換水146mlとを容量1リ
ットルの反応器に仕込み、容器内部を窒素ガスで置換
後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応を行っ
た。
【0077】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、次いで反応生成
物を乾燥させた。この反応生成物は、極限粘度(30℃
濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.13dl/gの低
次縮合物である。収量:545g。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、次いで反応生成
物を乾燥させた。この反応生成物は、極限粘度(30℃
濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.13dl/gの低
次縮合物である。収量:545g。
【0078】[ポリアミド樹脂組成物の製造] 次いで、この低次縮合物[A]95重量%と、ナイロン
636(ヘキサメチレンジアミンとダイマー酸の重縮合
物、極限粘度[η]:0.86dl/g、UnichemaInternat
ional製、PRIADIT2054)5重量%との混合物を、ベント
付き二軸押出機(プラスチック工学研究所(株)製、BT-3
0)に供給して、340℃に加熱して上記低次縮合物お
よびナイロン636を溶融状態にし、このベント付き二
軸押出機で溶融物に剪断応力を付与しながら重縮合反応
を行い、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
636(ヘキサメチレンジアミンとダイマー酸の重縮合
物、極限粘度[η]:0.86dl/g、UnichemaInternat
ional製、PRIADIT2054)5重量%との混合物を、ベント
付き二軸押出機(プラスチック工学研究所(株)製、BT-3
0)に供給して、340℃に加熱して上記低次縮合物お
よびナイロン636を溶融状態にし、このベント付き二
軸押出機で溶融物に剪断応力を付与しながら重縮合反応
を行い、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
【0079】このポリアミド樹脂組成物の極限粘度
[η]は、0.88dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
[η]は、0.88dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
【0080】得られたペレットを射出成形機(東芝(株)
製、IS-55EPN)を用いてシリンダー温度310℃/330℃/33
0℃、金型温度70℃の条件で射出成形を行い、試験片
を製造した。
製、IS-55EPN)を用いてシリンダー温度310℃/330℃/33
0℃、金型温度70℃の条件で射出成形を行い、試験片
を製造した。
【0081】得られた試験片について、引張り特性、曲
げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表2
に示す。
げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表2
に示す。
【0082】なお、本発明において試験片の物性は以下
に記載する方法によって測定した。・引張特性:ASTM-D
-638に準じて、4号ダンベル(厚さ2mm)を用い、破断
点強度および伸びを求めた。
に記載する方法によって測定した。・引張特性:ASTM-D
-638に準じて、4号ダンベル(厚さ2mm)を用い、破断
点強度および伸びを求めた。
【0083】・曲げ強度:ASTM-D-790に準じて、サイズ
3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いて曲げ
試験を行って曲げ強度及び曲げ弾性率を求めた。・アイ
ゾット衝撃強度(ノッチ有り):ASTM-D-256に準拠して
測定した。
3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いて曲げ
試験を行って曲げ強度及び曲げ弾性率を求めた。・アイ
ゾット衝撃強度(ノッチ有り):ASTM-D-256に準拠して
測定した。
【0084】・熱変形温度:ASTM-D-648に準じて、1
8.6kg/cm2の曲げ応力が加えられたサイズ6.4mm×
12.7mm×127mmの試験片を毎分2℃で昇温させ、
たわみ量が0.254mmに到達した時の温度とした。
8.6kg/cm2の曲げ応力が加えられたサイズ6.4mm×
12.7mm×127mmの試験片を毎分2℃で昇温させ、
たわみ量が0.254mmに到達した時の温度とした。
【0085】
【実施例2および3】実施例1において、低次縮合物
[A]の配合率を90重量%、ナイロン636の配合率
を10重量%(実施例2)、低次縮合物[A]の配合率
を80重量%、ナイロン636の配合率を20重量%
(実施例3)に変えた以外は同様にしてポリアミド樹脂
組成物を調製した。
[A]の配合率を90重量%、ナイロン636の配合率
を10重量%(実施例2)、低次縮合物[A]の配合率
を80重量%、ナイロン636の配合率を20重量%
(実施例3)に変えた以外は同様にしてポリアミド樹脂
組成物を調製した。
【0086】このポリアミド樹脂組成物の極限粘度
[η]は、それぞれ0.82dl/g(実施例2)、0.8
8dl/g(実施例3)であった。低次縮合物、ナイロン6
36の組成および物性ならびに得られたポリアミド樹脂
組成物の物性を表1に示す。
[η]は、それぞれ0.82dl/g(実施例2)、0.8
8dl/g(実施例3)であった。低次縮合物、ナイロン6
36の組成および物性ならびに得られたポリアミド樹脂
組成物の物性を表1に示す。
【0087】得られたペレットから実施例1と同様にし
て試験片を製造し、この試験片について、引張り特性、
曲げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表
2に示す。
て試験片を製造し、この試験片について、引張り特性、
曲げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表
2に示す。
【0088】
【比較例1】実施例1で調製した低次縮合物[A]を二
軸延伸押出機を用いて、シリンダー温度345℃で溶融
重合させて極限粘度が1.1dl/gの芳香族ポリアミドか
らなるペレットを調製した。
軸延伸押出機を用いて、シリンダー温度345℃で溶融
重合させて極限粘度が1.1dl/gの芳香族ポリアミドか
らなるペレットを調製した。
【0089】この芳香族ポリアミドのペレットから、シ
リンダー温度310℃/330℃/330℃に、金型温度を70℃
に設定した以外は実施例1と同様にして試験片を製造
し、この試験片について、引張り特性、曲げ特性、衝撃
強度、熱変形温度を測定した。
リンダー温度310℃/330℃/330℃に、金型温度を70℃
に設定した以外は実施例1と同様にして試験片を製造
し、この試験片について、引張り特性、曲げ特性、衝撃
強度、熱変形温度を測定した。
【0090】結果を表2に示す。
【0091】
【実施例4】[低次縮合物[B]の調製] 1,6-ジアミノヘキサン(HMDA)258g(2.22モ
ル)、テレフタル酸(TA)201g(1.21モル)およ
びアジピン酸144.7g(0.99モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.47g(4.4×10-3モ
ル)と、イオン交換水67.1gとを1リットルの反応
器に仕込み、窒素置換後、250℃、35Kg/cm2の条
件で1時間反応を行った。
ル)、テレフタル酸(TA)201g(1.21モル)およ
びアジピン酸144.7g(0.99モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.47g(4.4×10-3モ
ル)と、イオン交換水67.1gとを1リットルの反応
器に仕込み、窒素置換後、250℃、35Kg/cm2の条
件で1時間反応を行った。
【0092】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、次いで反応生成
物を乾燥させた。この反応生成物は、極限粘度(30℃
濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.12dl/gの低
次縮合物である。収量:515g。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、次いで反応生成
物を乾燥させた。この反応生成物は、極限粘度(30℃
濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.12dl/gの低
次縮合物である。収量:515g。
【0093】[ポリアミド樹脂組成物の製造] 次いで、この低次縮合物[B]95重量%と、ナイロン
636(極限粘度[η]:0.86dl/g、Unichema Inte
rnational製、PRIADIT2054)5重量%との混合物を、ベ
ント付き二軸押出機(プラスチック工学研究所製、BT-3
0)に供給して、340℃に加熱して上記低次縮合物お
よびナイロン636を溶融状態にし、このベント付き二
軸押出機で溶融物に剪断応力を付与しながら重縮合反応
を行い、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
636(極限粘度[η]:0.86dl/g、Unichema Inte
rnational製、PRIADIT2054)5重量%との混合物を、ベ
ント付き二軸押出機(プラスチック工学研究所製、BT-3
0)に供給して、340℃に加熱して上記低次縮合物お
よびナイロン636を溶融状態にし、このベント付き二
軸押出機で溶融物に剪断応力を付与しながら重縮合反応
を行い、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
【0094】このポリアミド樹脂組成物の極限粘度
[η]は、1.01dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
[η]は、1.01dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
【0095】得られたペレットを射出成形機(東芝(株)
製、IS-55EPN)を用いてシリンダー温度320℃/330℃/33
0℃、金型温度120℃の条件で射出成形を行い、試験
片を製造した。
製、IS-55EPN)を用いてシリンダー温度320℃/330℃/33
0℃、金型温度120℃の条件で射出成形を行い、試験
片を製造した。
【0096】得られた試験片について、引張り特性、曲
げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表2
に示す。
げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表2
に示す。
【0097】
【実施例5】実施例4において、低次縮合物[B]の配
合率を90重量%、ナイロン636の配合率を10重量
%に変えた以外は同様にしてポリアミド樹脂組成物を調
製した。
合率を90重量%、ナイロン636の配合率を10重量
%に変えた以外は同様にしてポリアミド樹脂組成物を調
製した。
【0098】このポリアミド樹脂組成物の極限粘度
[η]は、0.96dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
[η]は、0.96dl/gであった。低次縮合物、ナイロ
ン636の組成および物性ならびに得られたポリアミド
樹脂組成物の物性を表1に示す。
【0099】得られたペレットから実施例4と同様にし
て試験片を製造し、この試験片について、引張り特性、
曲げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表
2に示す。
て試験片を製造し、この試験片について、引張り特性、
曲げ特性、衝撃強度、熱変形温度を測定した。結果を表
2に示す。
【0100】
【比較例2】実施例4で調製した低次縮合物[B]を二
軸延伸押出機を用いて、シリンダー温度350℃で溶融
重合させて極限粘度が1.06dl/gの芳香族ポリアミド
からなるペレットを調製した。
軸延伸押出機を用いて、シリンダー温度350℃で溶融
重合させて極限粘度が1.06dl/gの芳香族ポリアミド
からなるペレットを調製した。
【0101】この芳香族ポリアミドのペレットから、シ
リンダー温度310℃/330℃/330℃に、金型温度を70℃
に設定した以外は実施例1と同様にして試験片を製造
し、この試験片について、引張り特性、曲げ特性、衝撃
強度、熱変形温度を測定した。
リンダー温度310℃/330℃/330℃に、金型温度を70℃
に設定した以外は実施例1と同様にして試験片を製造
し、この試験片について、引張り特性、曲げ特性、衝撃
強度、熱変形温度を測定した。
【0102】結果を表2に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【実施例6】実施例2において、低次縮合物[A]の代
わりに、比較例1で調製した芳香族ポリアミド(極限粘
度[η]:1.1dl/g、Tg:125℃、Tm:325
℃)を用いた以外は同様にしてポリアミド組成物を調製
した。
わりに、比較例1で調製した芳香族ポリアミド(極限粘
度[η]:1.1dl/g、Tg:125℃、Tm:325
℃)を用いた以外は同様にしてポリアミド組成物を調製
した。
【0106】この組成物を用いて実施例1と同様の条件
で試験片を製造した。この試験片について測定した引張
り強度は1000kg/cm2、引っ張り伸びは21%、曲げ
強度1490kg/cm2、曲げ弾性率は31700kg/cm2、
アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)は8.7kg/cm・cm、
そして熱変形温度は134℃であった。
で試験片を製造した。この試験片について測定した引張
り強度は1000kg/cm2、引っ張り伸びは21%、曲げ
強度1490kg/cm2、曲げ弾性率は31700kg/cm2、
アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)は8.7kg/cm・cm、
そして熱変形温度は134℃であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−57458(JP,A) 特開 昭56−92954(JP,A) 特開 平4−248836(JP,A) 特開 平4−50230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12
Claims (3)
- 【請求項1】 テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25
のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位60〜10
0モル%、および、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とか
らなる繰り返し単位0〜40モル%からなり、極限粘度
[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲内にある低次縮合
物[A]の重縮合体、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]の重縮合体と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
とを溶融状態にして煎断応力を賦与下に混練して得られ
るポリアミド組成物。 - 【請求項2】 テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25
のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位60〜10
0モル%、および、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とか
らなる繰り返し単位0〜40モル%からなり、30℃の
濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl
/gの範囲内にある低次縮合物[A]、および/またはテ
レフタル酸成分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単
位からなる繰り返し単位30〜90モル%、および、炭
素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位と炭素数4
〜18のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位10
〜70モル%からなり、30℃の濃硫酸中で測定した極
限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gの範囲内にある
低次縮合物[B]と、ヘキサメチレンジアミンおよび炭
素数36の脂肪族ジカルボン酸の重縮合により得られる
脂肪族ジアミン[C]との混合物を、加熱溶融状態で煎
断応力を付与しながら重縮合させることにより形成され
るポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 テレフタル酸成分単位と炭素数4〜25
のジアミン成分単位とからなる繰り返し単位60〜10
0モル%、および、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位と炭素数4〜25のジアミン成分単位とか
らなる繰り返し単位0〜40モル%からなり、30℃の
濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl
/gの範囲内にある低次縮合物[A]、 および/またはテレフタル酸成分単位と炭素数4〜18
のジアミン成分単位からなる繰り返し単位30〜90モ
ル%、および、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分単位と炭素数4〜18のジアミン成分単位とからなる
繰り返し単位10〜70モル%からなり、30℃の濃硫
酸中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/
gの範囲内にある低次縮合物[B]と、 ヘキサメチレンジアミンおよび炭素数36の脂肪族ジカ
ルボン酸の重縮合により得られる脂肪族ジアミン[C]
との混合物を、加熱溶融状態で煎断応力を付与しながら
重縮合させることにより形成されることを特徴とするポ
リアミド樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03110545A JP3142891B2 (ja) | 1991-05-15 | 1991-05-15 | ポリアミド樹脂組成物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03110545A JP3142891B2 (ja) | 1991-05-15 | 1991-05-15 | ポリアミド樹脂組成物およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04337356A JPH04337356A (ja) | 1992-11-25 |
JP3142891B2 true JP3142891B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=14538542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03110545A Expired - Lifetime JP3142891B2 (ja) | 1991-05-15 | 1991-05-15 | ポリアミド樹脂組成物およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3142891B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-15 JP JP03110545A patent/JP3142891B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH04337356A (ja) | 1992-11-25 |
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