JPH0684217A - 光磁気ディスク媒体 - Google Patents

光磁気ディスク媒体

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JPH0684217A
JPH0684217A JP11842592A JP11842592A JPH0684217A JP H0684217 A JPH0684217 A JP H0684217A JP 11842592 A JP11842592 A JP 11842592A JP 11842592 A JP11842592 A JP 11842592A JP H0684217 A JPH0684217 A JP H0684217A
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JP
Japan
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film
magneto
optical disk
disk medium
sulfur
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Pending
Application number
JP11842592A
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English (en)
Inventor
Noriyoshi Konno
憲美 今野
Akira Kamihira
暁 上平
Kaoru Nakajima
薫 中島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication of JPH0684217A publication Critical patent/JPH0684217A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光磁気ディスク媒体の耐食性を改善する。 【構成】 光磁気ディスク媒体は、基板1上に層間膜あ
るいは誘電体膜2,4を介して記録膜3及び反射膜5を
重ねさらに紫外線硬化樹脂保護膜6を被覆した積層構造
を有する。紫外線硬化樹脂保護膜6のイオウ化合物含有
量はイオウ換算で50ppm 以下に抑制されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気ディスク媒体に関
する。より詳しくは、保護膜として用いられる紫外線硬
化樹脂の組成に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク媒体は繰り返し消去及び
再書き込みができる大記憶容量の記録媒体である。光磁
気ディスク媒体は磁性膜の磁化の方向によって情報を記
録する。磁性膜の磁化を反転させる為に必要な保磁力は
温度の上昇とともに小さくなる。この原理を利用する事
によって、レーザ光を磁性膜に集光させて磁化反転を行
なう。磁化の方向は外部からの磁界の方向で決まり、消
去と記録では磁界の方向が逆になる。この様な方式は熱
磁気記録と呼ばれ、レーザ光のビームスポット径の約1
μmの大きさでピット記録が可能である。
【0003】光磁気ディスク媒体は基板上に層間膜ある
いは誘電体膜を介して記録膜及び反射膜を重ねさらに紫
外線硬化樹脂保護膜を被覆した積層構造を有する。記録
膜はアモルファス垂直磁化膜であり、希土類−遷移金属
合金が主として用いられている。希土類元素は非常に腐
食を受け易く上下から誘電体膜によって保護された構造
となっている。又、反射膜はアルミニウム金属からな
る。基板側からレーザ光を照射すると入射した光は記録
層を含む各層間で多重反射を繰り返す。反射膜はその透
過光を完全に遮断し高効率で反射させる機能を有する。
従って情報再生特性が良くなる。反射膜を構成する金属
アルミニウムも容易に水分の存在下で腐食を受ける。さ
らにこれらの多層構造を被覆する保護膜は紫外線硬化樹
脂から成り帯電を防止したり反射膜を損傷や剥離あるい
は腐食から保護する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に光磁気デ
ィスク媒体は記録膜や反射膜として腐食に弱い材料を用
いているので、従来から耐食性を改善する為に様々な方
策が講じられている。しかしながら依然として腐食によ
る劣化が生じており信頼性上の課題あるいは問題となっ
ている。
【0005】発明者らは腐食の原因を究明する為に分析
を行なった。まず、光学顕微鏡で腐食外観を観察すると
直径30μm程度までの粒子形状のものが多かった。又
腐食は積層構造の紫外線硬化樹脂保護膜側から進行して
いる事が観察された。電子線プローブマイクロアナリシ
ス(EPMA)、二次イオン質量分析法(SIMS)及
びフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)等を用いてさ
らに腐食部の精密な分析を試みたところ、アルミニウ
ム、鉄等の遷移金属、テルビウム等の希土類元素の酸化
物が検出され、反射膜及び記録膜が腐食している事が判
明した。又腐食部にはイオウの痕跡が認められており、
その深さ方向の濃度プロファイルから紫外線硬化樹脂保
護膜内部に腐食原因物質が存在するものと推定された。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題に鑑み、本発明は紫外線硬化樹脂保護膜の組成を制御
して光磁気ディスク媒体の耐食性を改善する事を目的と
する。かかる目的を達成する為に、基板上に層間膜ある
いは誘電体膜を介して記録膜及び反射膜を重ねさらに紫
外線硬化樹脂保護膜を被覆した積層構造を有する光磁気
ディスク媒体において、該紫外線硬化樹脂保護膜のイオ
ウ化合物含有量をイオウ換算で50ppm以下に抑制する
という手段を講じた。
【0007】
【作用】紫外線硬化樹脂(UVレジン)は保護膜材料と
して非常に優れているが、その組成中に例えば安定剤や
黄色防止剤としてイオウ化合物を含有している場合があ
る。発明者らの精密な分析によればこのイオウ成分が記
録膜及び反射膜の腐食加速に関与している事が判明し
た。イオウ化合物の含有量をイオウ換算で50ppm以下
に抑制する事により腐食劣化が低減し信頼性が向上す
る。この結果、記録情報の破壊が防止でき且つ情報再生
エラー(ビットエラー)を低減できる。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる光磁気ディスク
媒体の基本的な層構造を示す模式図である。ポリカーボ
ネートからなる基板1の上に、SiNからなる第1層間
膜あるいは第1誘電体膜2、Tb/Fe/Co等の希土
類−遷移金属合金からなる記録膜3、SiNからなる第
2層間膜あるいは第2誘電体膜4及びAlからなる反射
膜5がスパッタリング等により順に成膜されている。さ
らにその上にUVレジンからなる保護膜6がスピンコー
ティング等により形成されている。かかる積層構造を2
枚用意し保護膜6を接着界面としてホットメルト等によ
り互いに貼り合わせ所謂両面ディスクが完成する。なお
各層の厚みは、例えば第1誘電体膜2が100nmであ
り、記録膜3が23nmであり、第2誘電体膜4が60nm
であり、反射膜5が70nmであり、保護膜6が5μmで
ある。以下順に、上から各層について説明を加える。
【0009】まず、UVレジンからなる保護膜6は両面
ディスクを作成する際接着界面として機能するほか、帯
電防止及び反射膜5の傷付き防止に有効である。このU
Vレジンは組成物であり、通常安定剤や黄色防止剤が添
加されている。これらにはイオウ化合物が用いられる場
合がある。本発明ではイオウ化合物の含有量をイオウ換
算で50ppm 以下に抑制している。仮に、イオウ換算含
有量が50ppm を越えると反射膜や記録膜の腐食に関与
し、水分の存在でさらに腐食が促進加速される。
【0010】以下参考の為UVレジンの組成例について
簡潔に説明する。UVレジンは一般に、プレポリマー、
モノマー、光開始剤、増感剤、その他の助剤等から構成
されている。以上の構成成分を所望の種類と所望の割合
でブレンドし光磁気ディスク媒体の保護膜として適した
UVレジンを作成する。プレポリマーは、光重合性オリ
ゴマーで保護膜の基本物質を構成する。プレポリマーと
しては例えばポリエステルアクリレート、エポキシアク
リレート、ポリエステルウレタンアクリレート等を用い
る事ができる。モノマーは光重合性多官能アクリレート
であり、プレポリマーと組み合わせて使用する。プレポ
リマーは高粘度で作業性が悪く、モノマーを添加する事
により低粘度化する。又、光開始剤の溶媒ともなり得
る。光開始剤は紫外線を吸収してラジカルを生成し硬化
反応の引き金となるものである。光開始剤の種類として
はアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒ
ラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジ
ルジメチルケタール、チオキサントン類等から選択でき
る。増感剤は単独では紫外線照射によって活性化しない
が、光開始剤と組み合わせる事により、反応時間の短縮
等の効果が得られる。増感剤の種類としてはアミン系が
多用されるが、例えばn−ブチルアミン、ジ−n−ブチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート等を用いる事ができる。その他の助剤とし
ては、着色剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、黄色防止
剤等が含まれる。特に安定剤や黄色防止剤についてはイ
オウ化合物が用いられる場合がある。本発明では、イオ
ウ化合物の含有量をイオウ換算で50ppm 以下に抑制す
る事により光磁気ディスク媒体の耐食性を改善してい
る。
【0011】次に反射膜5について説明する。情報再生
等の為にポリカーボネート基板1側からレーザ光を当て
ると入射した光は各層で多重反射を繰り返すが、アルミ
ニウム反射膜5はその透過光を完全に遮断し、高効率で
反射させる機能を有する。従って、情報再生特性が向上
する。又アルミニウム反射膜5は熱伝導率が高く適度に
熱を拡散する機能を有し、ピット記録形成に適した材料
である。加えて、アルミニウム反射膜5は腐食電位差が
記録膜3より高く、ある程度腐食の進行を防止する作用
もある。その半面アルミニウム自体も水分の侵入等によ
り容易に腐食される。この点に鑑み本発明では反射膜5
を被覆するUVレジン保護膜6のイオウ成分含有量を低
く抑えているのでアルミニウムの腐食を抑制できる。
【0012】次に記録膜3について説明する。記録膜3
の磁性材料としては希土類−遷移金属合金が主流となっ
ているが、Gd,Dy,Tb,Nd等の希土類元素は非
常に腐食を受け易い。この為本発明ではUVレジン保護
膜のイオウ成分含有量を50ppm 以下に抑え腐食加速因
子を実質的に除去している。
【0013】最後に第1誘電体膜2及び第2誘電体膜4
について説明する。前述した様に記録膜は非常に腐食さ
れ易いので、上下から緻密な構成を有するSiN等の誘
電体膜2,4で保護する構造としている。同時にこれら
の保護膜は情報再生時のカー回転角の増大の機能も有す
る。SiN保護膜は耐酸化腐食性向上に寄与するが、そ
の半面非常に強い固有応力を持っている。例えば数10
kgf/mm2 程度の圧縮応力を呈する。この固有応力の強
さから記録膜3のストレスマイグレーションを引き起こ
す可能性がある。即ち応力によって膜中で原子の移動が
生じる。SiN誘電体膜にピンホールや異物混入等の成
膜不良等があると応力によりこの部分からTb,Fe等
が移動し水分との反応で腐食を引き起こす。この点に鑑
み、本発明では腐食を誘発する因子となるイオウ成分を
実質的に積層構造から除去している。なおUVレジン保
護膜6についても相当程度の硬化収縮応力を呈するので
アルミニウム反射膜5に対するストレスマイグレーショ
ンが生じる可能性もある。この点についても同様な対策
が施されている。
【0014】本発明の評価を行なう為に、イオウ成分の
含有量を変化させたUVレジンを調製し、保護膜として
用いた光磁気ディスク媒体サンプルを作成し腐食との相
関関係を調べた。UVレジン中にイオウ成分を導入する
為の試薬として2−メルカプトベンゾチアゾールC7
5 NS2 とソジウムラウリルサルフェイトC1225Na
4 Sの2種類を用いた。これらの試薬はUVレジンと
有機溶剤に可溶であり且つイオン状態で安定な価数をと
る物質である為評価用として選定したものである。特に
分析用として選択したものであって、実際にUVレジン
中に安定剤あるいは黄色防止剤として添加されるもので
はない。しかしながら、腐食加速因子として問題となる
のはイオウ成分であって、ここで得られる評価結果は普
遍性を失わない。
【0015】イオウ成分含有量の異なるUVレジンを用
いて作成されたサンプルについて高温多湿環境試験を行
ない単位面積当たりの腐食発生数を計測した。結果を以
下の表1及び表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1はC7 5 NS2 を試薬として用いた
場合の結果を示し、イオウ成分の含有量は溶媒中のイオ
ン形態で2価のイオウ化合物として算出したものであ
る。又、C1225NaO4 Sを試薬として用いた表2の
場合には、イオウ量の値は溶媒中のイオン形態で6価の
イオン化合物として算出したものである。又何れの場合
においても、UVレジン中のイオウ量の測定は、未硬化
の試料1gをメチルイソブチルケトン(MIBK)10
0mlに溶解し誘導結合型高周波プラズマ(ICP)発光
分析法を用いて行なった。尚、同一溶媒にて標準溶液及
びブランク溶液を作成し測定波長は180.734nmを
使用した。本測定によるイオウの検出限界は0.163
ppm であった。高温多湿環境試験については80℃,9
0%Rhで100時間放置とした。光磁気ディスク媒体
サンプルをインカートリッジ状態で高温多湿雰囲気下に
保存した。各サンプルについて15個の標本を作成し、
単位面積当たりの腐食発生個数の平均値を表1及び表2
に示してある。
【0019】表1及び表2の試験結果から明らかな様
に、UVレジン中のイオウ成分含有量と腐食発生個数と
の間には明瞭な相関がある。イオウ換算量で約50ppm
以下に制御した場合、腐食発生個数を1個以下に抑える
事ができ、実用レベルでの信頼性を保証できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、保
護膜として用いられるUVレジン中のイオウ化合物含有
量をイオウ換算で50ppm 以下に抑制する事により光磁
気ディスク媒体の腐食を低減でき信頼性を大幅に向上す
る事が可能になるという効果がある。信頼性が改善でき
るので、従来の貼り合わせ両面ディスク(5.25イン
チ)構造に加え、単板ディスク(3.5インチ)構造も
実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気ディスク媒体の基本的な積
層構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1誘電体膜 3 記録膜 4 第2誘電体膜 5 反射膜 6 保護膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に層間膜を介し記録膜及び反射膜
    を重ねさらに紫外線硬化樹脂保護膜を被覆した積層構造
    を有する光磁気ディスク媒体において、該紫外線硬化樹
    脂保護膜のイオウ化合物含有量をイオウ換算で50ppm
    以下とした事を特徴とする光磁気ディスク媒体。
JP11842592A 1992-04-10 1992-04-10 光磁気ディスク媒体 Pending JPH0684217A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11842592A JPH0684217A (ja) 1992-04-10 1992-04-10 光磁気ディスク媒体

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JP11842592A JPH0684217A (ja) 1992-04-10 1992-04-10 光磁気ディスク媒体

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JPH0684217A true JPH0684217A (ja) 1994-03-25

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ID=14736330

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JP11842592A Pending JPH0684217A (ja) 1992-04-10 1992-04-10 光磁気ディスク媒体

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20001024