JPH0684062B2 - 金属蒸着積層体 - Google Patents

金属蒸着積層体

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JPH0684062B2
JPH0684062B2 JP62291711A JP29171187A JPH0684062B2 JP H0684062 B2 JPH0684062 B2 JP H0684062B2 JP 62291711 A JP62291711 A JP 62291711A JP 29171187 A JP29171187 A JP 29171187A JP H0684062 B2 JPH0684062 B2 JP H0684062B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属蒸着積層体に関する。さらに詳しくは、
2層フィルムまたはシートの一方の面に金属蒸着された
蒸着層の変質がきわめて少なく、かつ、耐ブロッキング
性及び滑性の優れた金属蒸着積層体に関する。
(従来の技術およびその問題点) 各種のプラスチックフィルムまたはシートに真空下で金
属を蒸着させた金属蒸着フィルムまたは金属蒸着シート
は、その優れた装飾性、ガスバリヤー性および光線遮断
性等を活用して金銀糸、建築材料および包装材料等に広
く利用されてきており、特にアルミニウム蒸着フィルム
は包装用を中心に大量に使用されるようになってきた。
また、プロピレンを主成分とするエチレンまたはα−オ
レフィンとの結晶性共重合体、例えば結晶性エチレン・
プロピレンランダム共重合体、結晶性プロピレン・ブテ
ン−1ランダム共重合体および結晶性エチレン・プロピ
レン・ブテン−1三元ランダム共重合体等の結晶性プロ
ピレン系ランダム共重合体等はその優れた透明性・耐衝
撃性およびヒートシール性を活用し、一般包装用ラミネ
ート用等のフィルムまたはシートとして広く用いられて
いる。
この結晶性プロピレン系ランダム共重合体からなるフィ
ルムまたはシート等に金属を蒸着し、装飾性およびガス
バリヤー性等を改良する事も従来から種々検討されてい
る。しかしながら、例えば、この結晶性プロピレン系ラ
ンダム共重合体からなるフィルムに金属、例えばアルミ
ニウムを蒸着したアルミニウム蒸着フィルムは、フィル
ム層とアルミニウム蒸着層との接着力が弱く、かつ、ア
ルミニウム蒸着面の印刷性および他のフィルムとの接着
性が極端に低下するといった問題点がある。
これらの欠点を改善するために、特公昭57-14377号公
報、特開昭59-25829号公報等多くの提案がなされている
が、これらの提案にかかわる結晶性プロピレン系ランダ
ム共重合体のみからなる金属蒸着フィルムでは、包装用
として使用する場合、非蒸着面がヒートシールされる
為、製袋・充填包装時にヒートシールによる加熱に起因
してヒートシール部分の金属蒸着膜の接着力が低下した
り、金属光沢が失われたり、またヒートシール部と非シ
ートシール部の境界近傍の蒸着膜が剥離するといった問
題点を残していた。
本発明者らは、上述の金属蒸着フィルムの問題点を解決
するべく検討し、先に、結晶性ポリプロピレンまたは結
晶融点が140℃を超える結晶性プロピレン系ランダム共
重合体からなるA層と該A層に用いた重合体または共重
合体より5℃以上低い結晶融点を有する結晶性プロピレ
ン系ランダム共重合体からなるB層とを共押出して得た
積層フィルムのA層面に金属を蒸着した金属蒸着フィル
ムを提案し(特願昭61-12923号)上述の問題点を解決し
たが、該金属蒸着フィルムは、非蒸着面の耐ブロッキン
グ性、スリップ性が劣り、蒸着後の巻取不良、次工程で
の印刷、ラミネートや製袋、充填包装工程での作業性、
袋としての開口性が劣り、実用上問題となるケースがあ
った。
本発明者は、この積層タイプの金属蒸着フィルムまたは
シートの欠点を解消すべく種々検討した結果、積層フィ
ルムまたはシートの非蒸着面に特定の球状を呈する有機
硬化樹脂粉体を特定量配合した共重合体を用いる事によ
って、積層タイプの特長を失うこと無く、上記の欠点を
解消出来る事を見出し、本発明に到達した。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は、結晶性ポリプロピレンまたはプロピレ
ンを主成分とする結晶性プロピレン系共重合体からなる
(A)層と、該(A)層に用いたポリプロピレンまたは
共重合体より5℃以上低い融点を有する結晶性プロピレ
ン系ランダム共重合体100重量部に対して有機硬化樹脂
球状微粉体0.01〜2.0重量部を添加した組成物からなる
(B)層とを共押出法により積層してなる積層物の
(A)層面に金属を蒸着してなる金属蒸着積層体を特徴
とするものである。
以下、その構成について更に詳述する。
本発明の(A)層に用いる結晶性ポリプロピレンまたは
結晶性プロピレン系共重合体は、プロピレンの単独また
はプロピレンを主成分とするエチレンまたはα−オレフ
ィンとの共重合体であり、例えば結晶性ポリプロピレ
ン、結晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体、結
晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体、結晶性プ
ロピレン・ブテン−1共重合体、結晶性エチレン・プロ
ピレン・ブテン−1三元共重合体等が挙げられる。これ
らは、例えば、チーグラー・ナッタ系等の公知のα−オ
レフィンの立体規則性触媒を用いて、スラリー性、溶液
法及び気相重合法等の公知の方法で単独重合、または共
重合させる事によって得ることが出来る。
これらの重合体及び共重合体は広く公知のものである
が、本発明の(A)層では、結晶性ポリプロピレン、プ
ロピレン成分を80重量%以上含有する結晶性エチレン・
プロピレンブロック共重合体または結晶融点が145℃以
上の結晶性プロピレン系ランダム共重合体またはそれら
の混合物が望ましく、このうち、結晶性ポリプロピレン
または結晶融点が145℃以上の結晶性プロピレン系ラン
ダム共重合体またはそれらの混合物97〜30重量%と結晶
性エチレン・プロピレンブロック共重合体3〜70重量%
との混合物を用いると、耐ブロッキング性及び蒸着膜接
着性が向上し、特に望ましい。
また、(B)層に用いる結晶性プロピレン系ランダム共
重合体は、(A)層に用いるランダム共重合体と同系の
ものでも良いが、その結晶融点が(A)層の重合体また
は共重合体よりも5℃以上低いものでなければならな
い。この(A)層との融点の差が5℃未満の場合はヒー
トシールの際、シール部の蒸着膜の変質、膜割れの発生
等が生じ易く好ましくない。(B)層には結晶融点が14
5℃以下で、(A)層との融点差が10℃以上のランダム
共重合体を用いるのが特に望ましい。(B)層に用いる
望ましいランダム共重合体としては、エチレンの共重合
割合が4〜7重量%の結晶性エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体、エチレンの共重合割合が0.3〜5重量
%、ブテン−1の共重合割合が1〜15重量%の結晶性エ
チレン・プロピレン−ブテン−1三元共重合体が挙げら
れる。
本発明で(B)層に用いるランダム共重合体中には、ラ
ンダム共重合体100重量部に対して有機硬化樹脂球状微
粉体0.01〜2.0重量部を添加するが、この有機硬化樹脂
球状微粉体は、該ランダム共重合体の加工温度、望まし
くは300℃以下では溶融ないし分解しない硬化樹脂から
なり、その形状が球状の微粉体である事を意味する。有
機重合体からなる微粉体は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂双方で広く知られているが、本発明においては実質的
に加工温度で分解ないし変形しない球状微粉体に限定さ
れる。
この有機硬化樹脂球状微粉体としては、具体的には、例
えば、加水分解性シランを加水分解して、縮合すること
によって得られる“Si-O-Si"結合を構造単位にもち、側
鎖にメチル基、フェニル基等の有機基をもつ三次元ポリ
マーであるシリコーン樹脂、トリアジン環を有する縮合
型樹脂、例えばベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹
脂またはベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂等が耐熱性にも優れ、望ましい。
この有機硬化樹脂球状微粉体の製造方法は、特開昭52-1
6954号公報、特開昭60-13813号公報で公知であり、球形
で粒径がほぼ均一であり、かつ、任意の粒径のものが得
られる。
このうち、本発明においては、メチルクロロシラン、メ
チルトリアルコキシシラン等の三官能性シランまたはそ
の部分加水分解物を、アルカリ土類金属水酸化物、アル
カリ金属炭酸塩、アンモニアまたはアミン等の水溶液下
で加水分解、縮合して得られる真球状のポリメチルシル
セスキオキサンからなるシリコーン樹脂またはベンゾグ
アナミン・ホルムアルデヒド樹脂が、微量添加でも効果
が大きく、特に望ましい。
尚、ここでいう真球状とは、球状粒子粉体を電子顕微鏡
等で拡大観察した場合の粒子径の長軸方向の径をX、短
軸方向の径をYとしたときの比、即ち、 真球度=X/Y であらわした真球度が1.0〜1.25の範囲、望ましくは1.0
〜1.20の範囲のものを、容量で50%以上含有するもので
あり、特に優れた効果を発現する。
また、この有機硬化樹脂微粉体は、実質的に分解ないし
変形を生じない為、その平均粒径の調整も重合であり、
本発明においては、0.1〜10μのものが望ましい。
平均粒径が大きくなり過ぎると、フィルム面の凹凸によ
る外観低下やフィッシュ・アイの多発等を生じ易く、平
均粒径が小さくなり過ぎると、本発明の目的とする効果
が得られ難い。特に望ましい範囲は0.3〜5μである。
また、この有機硬化樹脂球状微粉体の添加量は、(B)
層に用いる結晶性プロピレン系ランダム共重合体100重
量部に対し0.01〜2.0重量部であり、0.01重量部未満で
は改良効果はなく、2.0重量部を超えて添加しても、改
良効果は増加せず、フィッシュ・アイの多発や表面荒れ
等による外観低下のみで好ましくない。
厚みが50μ以下の薄物フィルムの場合は、0.02〜0.2重
量部、0.1mmを超える厚物フィルムおよびシートでは、
比較的大粒のものを0.05〜0.5重量部、粗面化したフィ
ルムまたはシートの場合は0.3〜1.0重量部の範囲が特に
望ましい。
本発明の(A)層に用いる前記の重合体または共重合体
またはそれらの重合体とブロック共重合体との混合物お
よび(B)層に用いる前記のランダム共重合体と有機硬
化樹脂微粉体との組成物中には、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で公知の添加剤や他種ポリマー等を添加出来
るが、蒸着膜の接着性、蒸着面の印刷・ラミネート適性
等の低下を防止するため、きわめて特定された酸化防止
剤、無機充填剤および他種ポリマー類に限定し、添加量
も最少限度にするのが望ましい。
即ち、従来から結晶性ポリプロピレン系樹脂からなるフ
ィルムまたはシートに通常添加されている常温で液状の
添加剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、および中和剤等と
して常用されている脂肪酸およびその誘導体等は、蒸着
膜の接着力を低下させるのみならず、蒸着面の印刷性、
接着性をも著しく阻害するので、これらを含有させるこ
とは好ましくない。従って、添加出来る望ましい添加剤
はきわめて限定され、具体的には分子量が500以上の熱
安定剤、酸化防止剤、あるいはシリカ、ゼオライト、炭
酸カルシウム等の無機充填剤、上記の脂肪酸およびその
誘導体等の阻害物質を含有しないポリエチレン、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴム等のポリマー添加剤等
であり、例えば、重合体または共重合体100重量部に対
し、分子量500以上のフェノール系またはリン系の安定
剤あるいは酸化防止剤の一種以上を0.01〜0.3重量部、
シリカあるいはゼオライト等の無機充填剤の1種以上を
0.01〜0.5重量部添加し、更に必要に応じて無添加ない
し上記の限定された添加剤しか含有しないエチレン系重
合体、例えば、密度0.90〜0.97のポリエチレン、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体およびエチレン・α−オレ
フィン共重合体ゴムを15重量部以下配合する事によっ
て、剛性、ヒートシール強度等の改善も出来るので望ま
しい。
本発明の(B)層に用いる共重合体と有機硬化樹脂球状
微粉体を配合する方法および(A)、(B)各層に用い
る重合体または共重合体と上記の限定された添加剤を配
合する方法は、これが均一に分散、混合する方法であれ
ばいずれでも良いが、より均一な分散をさせることが望
ましく、粉末状の重合体または共重合体を主成分として
各々を計量したのち粉末状のまま、リボンブレンダー、
ヘンシェルミキサー等でよく混合して均一分散させ、そ
の粉末状混合物を押出機等を用いて溶融混練した後、冷
却し、次いでカットし、ペレット状の配合物として用い
るのが、特に望ましい。
本発明の(A)、(B)2層の積層の方法は、二台の押
出機を用いて溶融押出し、フィードブロック法、共押出
複層ダイ法等公知の方法で、溶融状態で積層した後、水
槽または冷却ロール等で冷却して巻取る共押出積層法に
よって得る事が出来る。この共押出積層は、(A)、
(B)各層の厚みを自由に調整出来、またフィルム化さ
れた状態では両層が積層されているので後工程での接着
が必要無く、かつ、本発明では(A)、(B)2層が同
質のプロピレン系重合体または共重合体を主成分とする
ので、共押出積層法でよく発生する層間の接着不良、フ
ィルムまたはシートのカール(反り)等の問題もなく、
特に望ましい。
一方のフィルム上に他方を溶融押出して積層する押出ラ
ミネート法は、層間の接着力が劣り、また接着力を増す
為に高温押出すると本発明で用いる構成では耐ブロッキ
ング性、スリップ性が著しく低下し好ましくない。ま
た、2種のフィルムを接着剤を用いて貼り合わせ積層す
るドライ(または無溶媒)ラミネート法の場合、
(A)、(B)各層とも柔軟で伸びやすく、かつ、比較
的一般フィルムに比して滑性が劣る為に、ラミネート加
工の際、シワや巻きコブ等が生じやすく、大幅に収率が
低下する、低速加工しか出来ない等の問題があり、ま
た、どちらか一層が薄いものは更に加工が困難であり、
好ましくない。その点で、本発明の構成では共押出積層
法が特に有効である。
また、本発明の(A)/(B)2層の厚み比は、任意に
選択出来るが、実用的には、どちらか一層が全体の厚み
の10%以上が望ましく、20〜80%の範囲が安定したフィ
ルムまたはシートが得られ易く特に望ましい。
なお、本発明の構成は(A)/(B)の2層であるが、
その変形として3種以上の積層が可能な共押出装置を用
いて、(A)/(A)/(B)、(A)/(B)/
(B)、(A)/(B)/(A)/(B)の如く、中間
層を加えて積層する事も可能であり、本発明に包含す
る。
このようにして得られた(A)/(B)2層積層フィル
ムの(A)層面に金属を蒸着する。
尚、この(A)層面には、蒸着膜の接着性を向上させる
為に表面処理を施す必要がある。この表面処理の方法
は、酸処理、火炎処理、プラズマ処理またはコロナ放電
処理等いずれでも良いが、積層フィルムを連続的に処理
出来、かつ、成膜時に巻取る前に容易に実施出来るコロ
ナ放電処理が簡便で最も望ましい。尚、この処理に際し
ては、加熱下または不活性ガス等の特殊雰囲気下等の効
果促進手法を用いても良い。
この表面処理の度合は、JISK6768「ポリエチレンおよび
ポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に基づき測定
したぬれ指数35dyn/cm以上になるように処理するのが望
ましく、38dyn/cm以上が特に望ましい。
尚、フィルムまたはシートと金属との接着をより強固に
する為に、望ましくは(A)層面に表面処理した後、ポ
リエステル系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂等の接着
剤を薄くアンカーコート(Anchor Coat)してから蒸着
しても良い。
次に、この(A)層に金属を蒸着する方法は、真空蒸着
法、すなわち、フィルムの繰出部、蒸着部、巻取部を備
えた真空蒸着装置内で、装置内の気圧を10-4Torr程度に
減圧し、アルミニウム、ニッケル、金、銀等の目的の金
属を付着させたフィラメントを加熱して、該金属を溶解
蒸着させ、蒸発分子を繰出されたフィルム表面に連続的
に蒸発させ巻取る方法が一般的であるが、その他に真空
中で放電させたときに陰極を構成する金属が飛散する現
象を利用したスパッタリング蒸着やイオンプレーティン
グ法によっても可能である。尚、蒸着させる金属は、ア
ルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニ
ウム、チタン、セレン、スズ、亜鉛等が挙げられるが、
作業性、経済性、輝度等、総合的にみてアルミニウムが
特に望ましい。金属蒸着層の厚さは、通常、数十ないし
数百オングストローム(Å)程度が、接着性および耐久
性の面で望ましい。
このようにして得られた本発明の金属蒸着積層体は、そ
れ自身単体でも有用であるが、蒸着面の接着性が優れて
いる特長を生かし、装飾性、商品イメージの向上を目的
に印刷したり、蒸着面にアンカーコートした後、ポリエ
ステル、ナイロンおよびエバール等の他種フィルムまた
はシートをラミネートしてさらにその機能を向上させた
りする事も出来る。
(実施例) 以下、実施例および比較例に基づき、さらに本発明を詳
細に説明する。
尚、各実施例および比較例における特性の測定は、以下
の方法および基準で行った。
(1) メルトフローレート(MFR):JIS K7210-1976試
験条件14(230℃、2.16kgf)で測定した(単位:g/10
分)。
(2) 結晶融点(Tm):走査型差動熱量計(略称:DS
C)を用いて窒素雰囲気中で10mgの試料を10℃/分の速
度で昇温させて得られる結晶の融解に伴う吸熱カーブの
ピーク温度(単位:℃)で表す。尚、結晶性エチレン・
プロピレンブロック共重合体の場合は、通常155〜163℃
と130℃前後の2つのピークを示すが、本発明において
は主ピークの高温側をもって示す。
(3) ぬれ指数:JIS K6768の方法で、フィルムまたは
シート面および金属蒸着面共に測定した(単位:dyn/c
m)。
(4) 蒸着膜の接着性:蒸着フィルムまたは蒸着シー
トの蒸着膜側に巾18mmのセロファン粘着テープ(登録商
標セキスイテープ)を70mmの長さに貼りつけた後、手で
素早く剥ぎ取り、粘着テープに付着せず試料フィルム面
に残存する蒸着膜の面積率を求め下記のランク付けをし
た。残存面積率(%) ランク 97〜100 5 91〜 96 4 80〜 90 3 70〜 79 2 70未満 1 実用性の高いランクは4以上、望ましくは5である。
(5) 蒸着面の印刷・ラミネート適性:片面に金属
(アルミニウム)蒸着したフィルムまたはシートの蒸着
面(金属面)と非蒸着面(フィルム面)を重ね合わせ、
1kg/100cm2の荷重をかけて温度40℃、相対湿度95%の雰
囲気下に72時間放置した後、蒸着面のぬれ指数を測定す
る。良好な印刷・ラミネート適性と評価されるは、この
ぬれ指数が35以上、望ましくは37以上が必要であり、こ
のぬれ指数から以下のランク付けとした。ぬれ指数(dyn/cm) ランク 37以上 ○ 35〜36 △ 34以下 × (6) ブロッキング力:2cm(幅)×7cm(長さ)の試
料の非蒸着面同志を長さ2cmにわたり重ね合わせ、250g/
cm2の荷重下で40℃で24時間放置した後、引張試験機を
用いて300mm/minの速度下における試料の剪断剥離に要
する力を求めた(単位:g/4cm2)。この数値が小さいほ
ぼ耐ブロッキング性は良い。
(7) スリップ性(滑り摩擦係数):ASTM D1894-63に
定められた方法で測定した蒸着フィルムの非蒸着面同志
の運動摩擦係数で示す。
(8) 蒸着膜の安定性:片面金属蒸着フィルムの非蒸
着面同志を重ね合わせバー型ヒートシーラーを用いてヒ
ートシールし、ヒートシール強度が0.3kg/15mm巾以上に
達するヒートシール温度下でヒートシールした試料のヒ
ートシール部の状態を肉眼観察し、以下の区分で表示し
た。
〔良好〕:ヒートシール部と非ヒートシール部とに蒸着
面の変化が殆どみられないもの。
〔不良〕:ヒートシール部の蒸着面の金属光沢が低下し
たり、ヒートシール部と非ヒートシール部の境界に蒸着
層の膜割れ、ピンホール等が発生しているもの。
尚、ヒートシール条件は、シールバー10mm(幅)×300m
m(長さ)、シール圧力:2kg/cm2、シール時間:0.5秒で
行い、ヒートシール強度の測定は試料幅15mm、引張速度
300mm/minで行った。
実施例1〜6、比較例1〜5 (A)層用のレジンとしてMFR6.8、Tm160℃、エチレン
の共重合割合が0.4重量%の結晶性エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体100重量部に、酸化防止剤としてテ
トラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−ターシャリ
ーブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン0.15重量部およびブロッキング防止剤として
平均粒径1μのハイドロタルサイト粉末0.10重量部を配
合し、ヘンシェルミキサーで混合した後、押出機を通し
て溶融押出ペレット化した。また(B)層用のレジンと
して、エチレンの共重合割合が3.5重量%、ブテン−1
の共重合割合が2.5重量%、Tm135℃の結晶性エチレン・
プロピレン・ブテン−1三元共重合体100重量部に対
し、上記の(A)層用に添加した酸化防止剤を0.15重量
部配合したもの、および第1表に示す8種類の添加物を
それぞれ所定量配合したのち、同様にヘンシェルミキサ
ーで混合した後、押出機を通してペレット化し、11種類
の(B)層用のレジンを得た。
次に、二台の押出機及びこれに連結した二層Tダイを用
いて、一方の押出機に(A)層用のレジンを、他のもう
一方の押出機に(B)層用のレジンを投入し、それぞれ
220℃で溶融押出し、連結した二層Tダイ内で同温度で
溶融状態で積層し、押し出されたフィルムを35℃の冷却
ロールで急冷し、次いで(A)層面にコロナ放電処理を
施し巻き取り、全厚み30μの11種類の片面処理共押出二
層フィルムを得た。尚、各フィルム共(A)/(B)層
の厚み比は50%/50%、処理面のぬれ指数は40dyn/cmに
なるように調整した。次に、この巻き取ったフィルムを
連続真空蒸着装置にセットし、10-4Torrに保った真空下
でフィルムを連続的に繰り出しながらフィルムの表面に
アルミニウム蒸発を施いて巻き取り、蒸着膜の厚みが0.
04μ(400Å)の11種類の片面アルミニウム蒸着フィル
ムを得た。
得られた片面アルミニウム蒸着フィルムの特性を第1表
に併せ表示した。第1表から明らかな如く、本発明の構
成からなる実施例1〜6は、いずれのフィルム特性も優
れているが、比較例のフィルムは、いずれかの特性が著
しく劣るものであり、実用的には問題となるレベルのも
のである。
また、一般に公知のプラスチックフィルム用に用いられ
るブロッキング防止剤でも、本発明の場合、特に有効と
は言い難く、有機硬化樹脂球状微粉体のみが優れている
事もわかる。
比較例6 実施例2で(B)層用のレンジとして用いたと同一組成
のレジンを用い、押出機及び単層Tダイを連結して220
℃で溶融押出し、35℃に保った冷却ロールで冷却し、次
いで片面コロナ放電処理を施し、処理面のぬれ指数が40
dyn/cm、全厚み30μの片面処理単体フィルムを得た。次
に、このフィルムを実施例2と同様に連続真空蒸着装置
を用いてフィルムの処理面にアルミニウム蒸着を施して
巻き取り、蒸着膜の厚み0.04μの片面アルミニウム蒸着
フィルムを得た。
得られた蒸着フィルムは、蒸着膜の接着性は4、蒸着面
の印刷・ラミネート適性は○、と良好であったが、蒸着
膜の安定性は、ヒートシール部のみ光沢が大幅に低下
し、かつ、ヒートシール部と非ヒートシール部の境界に
一部ピンホールが発生し、不良であった。
実施例7 (A)層用のレジンとして、MFR=2.0、Tm164℃の結晶
性ポリプロピレン65重量部およびMFR=1.6、Tm160℃
(及び128℃に小ピーク)、エチレン含有量8.2重量%の
結晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体35重量部
および実施例1と同じ酸化防止剤を0.12重量部配合し、
ヘンシェルミキサーで混合した後、押出機を通して溶融
押出ペレット化した。また(B)層用のレジンとしてMF
R=2.2、エチレンの共重合割合が4.5重量%、Tm141℃の
結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体100重量
部に対し、(A)層用に添加した酸化防止剤を0.15重量
部、平均粒径1.3μ、真球度1.12の真球状シリコーン樹
脂粉末0.15重量部を配合して、同様にペレット化した。
次に、二台の押出機及びこれに連結した二層Tダイを用
いて、一方の押出機に(A)層用のレジンを、他のもう
一方の押出機に(B)層用のレジンを投入し、それぞれ
250℃で溶融押出し、連結した二層Tダイ内で同温度で
溶融状態で積層し、押し出された積層体を60℃に保った
冷却ロールで冷却し、次いで(A)層面にコロナ放電処
理を施し、巻き取り全厚み0.2mmの片面処理共押出二層
シートを得た。尚、シートの(A)/(B)層の厚み比
は70%/30%、処理面のぬれ指数は43dyn/cmになるよう
に調整した。次に、このシートを連続真空蒸着装置にセ
ットし、実施例1と同様に処理面にアルミニウム蒸着を
施して巻き取り、蒸着膜の厚みが0.35μ(350Å)の片
面アルミニウム蒸着シートを得た。
この蒸着シートの蒸着膜の接着性は5、蒸着面の印刷・
ラミネート適性は○、ブロッキング力は270g/4cm2、ス
リップ性は0.47、蒸着膜の安定性は、非ヒートシール部
と殆ど変化は無く良好であった。
(発明の効果) 本発明の金属蒸着積層体は、蒸着膜が強固に接着されて
おり、蒸着面の印刷性、接着性に優れ、かつ、耐ブロッ
キング性、スリップ性が良いので、二次加工その他各加
工工程での生産性、作業性が非常に優れており、更にヒ
ートシールの際にも蒸着膜の変質も無く、金属蒸着フィ
ルムまたは、シートとしてその優れた装飾性、光線遮断
性およびガスバリヤー性等を最も有効に活用出来るもの
であり、各種包装用として特に好適なものであり、建材
用、各種容器等、他の多くの用途にも応用出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の共押出積層物と金属蒸着積層体との関
係を示す図である。 図において、(a)は(A)層と(B)層の二層の共押
出積層物の(A)層に金属を蒸着した場合であり、 (b)は(B)層の両面に(A)層がある三層からなる
共押出積層物の一方の(A)層に金属を蒸着した場合で
あり、 (c)は(B)層の両面に(A)層がある三層からなる
共押出積層物の両方の(A)層に金属を蒸着した場合で
ある。 いずれも、(B)層に接していない(A)層表面に金属
を蒸着した状態を示す。 1……(A)層 2……(B)層 3……蒸着した金属膜。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)層と(B)層の構成の金属蒸着面を
    含まない共押出積層物の、(B)層に接していない
    (A)層表面に金属を蒸着してなる金属蒸着積層体にお
    いて、 (A)層は、結晶性ポリプロピレンまたはプロピレンを
    主成分とする結晶性プロピレン系共重合体からなり、 (B)層は、該(A)層に用いたポリプロピレンまたは
    共重合体より5℃以上低い融点を有する結晶性プロピレ
    ン系ランダム共重合体100重量部に対して有機硬化樹脂
    球状微粉体0.01〜2.0重量部を添加した組成物からなる
    ことを特徴とする金属蒸着積層体。
  2. 【請求項2】(A)層に用いる結晶性プロピレン系共重
    合体が、プロピレン成分を80重量%以上含有する結晶性
    エチレン・プロピレンブロック共重合体または結晶融点
    が145℃以上の結晶性プロピレン系ランダム共重合体で
    ある事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の金属蒸
    着積層体。
  3. 【請求項3】(A)層が、結晶性ポリプロピレンまたは
    結晶融点が145℃以上の結晶性プロピレン系ランダム共
    重合体またはそれらの混合物97〜30重量%と結晶性エチ
    レン・プロピレンブロック共重合体3〜70重量%との混
    合物からなる事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の金属蒸着積層体。
  4. 【請求項4】有機硬化樹脂球状微粉体が、平均粒径0.1
    〜10μの実質的に非溶融性で、分解温度が300℃以上の
    球状微粉体である事を特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の金属蒸着積層体。
  5. 【請求項5】有機硬化樹脂球状微粉体が、ポリメチルシ
    ルセスキオキサンまたはベンゾグアナミン・ホルムアル
    デヒド樹脂またはそれらの混合物からなる事を特徴とす
    る特許請求の範囲第4項記載の金属蒸着積層体。
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