JP3355678B2 - 金属蒸着ポリプロピレンフィルム - Google Patents

金属蒸着ポリプロピレンフィルム

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JP3355678B2
JP3355678B2 JP700793A JP700793A JP3355678B2 JP 3355678 B2 JP3355678 B2 JP 3355678B2 JP 700793 A JP700793 A JP 700793A JP 700793 A JP700793 A JP 700793A JP 3355678 B2 JP3355678 B2 JP 3355678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着フィルムもし
くはシートに関する。更に詳しくは、蒸着膜の接着性お
よび蒸着面への印刷性・ラミネート適性に優れ、かつ、
耐ブロッキング性、スリップ性、スクラッチ性に優れた
金属蒸着ポリプロピレンフィルムまたはシート(以下、
単に金属蒸着フィルムという。)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックフィルムに真空下で
金属を蒸着させた金属蒸着フィルムは、その優れた装飾
性、ガスバリヤー性および光線遮断性などを活用し、金
銀糸、建築材料および包装用フィルムなどに広く使用さ
れている。特に、アルミニウム蒸着フィルムが包装用途
を中心に広範囲に使用されている。しかし、従来から市
販のプロピレンの単独重合体またはプロピレンを主成分
とするプロピレンとエチレンまたはα−オレフィンとの
共重合体などのポリプロピレン系樹脂からなるベースフ
ィルムに金属を蒸着したものは、ベースフィルムと蒸着
膜の接着力が弱く、また、蒸着金属がアルミニウムの場
合は蒸着面への印刷性・接着性が著しく低下し、印刷・
ラミネートなどが必要な用途には使用できず、用途開拓
上の大きな障害となっていた。
【0003】本発明者は、特開昭59−25829号公
報において、これら従来市販のポリプロピレン系蒸着フ
ィルムの問題点の原因究明とその改善について開示し
た。しかし、この金属蒸着ポリプロピレン系フィルムは
従来になくベースフィルムと蒸着膜の接着力が強く、蒸
着面への印刷性・接着性が良好な金属蒸着フィルムが得
られるものの、ポリエチレン系樹脂の添加量が増すにつ
れ、耐衝撃性、引裂強度が著しく低下し、特にポリエチ
レン系樹脂の添加量が10重量%を越えると得られたフ
ィルムがきわめて脆くなり、また、10重量%以下、特
に5重量%以下ではスリップ性が劣り、4重量%以下の
添加では耐ブロッキング性も著しく低下するという欠点
があった。
【0004】また、金属接着力の向上および金属面のぬ
れ指数の低下を防止した金属蒸着ポリプロピレンフィル
ムを得ることを目的に多くの検討がなされている。例え
ば特公昭61−16617号公報にはポリプロピレンに
ゼオライト粉末を添加してなるベースフィルム面に金属
を蒸着したことを特徴とする金属蒸着ポリプロピレンフ
ィルムが開示されている。このフィルムのゼオライトの
添加は、蒸着接着力の向上および金属面のぬれ指数の低
下防止には有効だが、添加量が増えるにともない、フィ
ルムの表面が粗面化し、美麗な金属光沢を有するフィル
ムが得られなくなったり、フイッシュ・アイやピンホー
ルの原因となったり、また、フィルム同士のこすれによ
って傷がついたりするなどの欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
従来技術の問題点を解決することであり、他のフィルム
との接着性を損なうことなく美麗な金属光沢を有し、蒸
着膜接着性、蒸着面の印刷性、、耐ブロッキング性、ス
リップ性、スクラッチ性に優れた金属蒸着ポリプロピレ
ンフィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ポリプロピレン系樹脂に特定のメタクリル樹脂
微粉末を特定量含むベースフィルムに金属を蒸着させて
なる金属蒸着フィルムが上述の欠点を解決した金属蒸着
フィルムであることを見い出し、本発明を完成するに至
った。本発明は下記の構成を有する。 (1)ポリプロピレン系樹脂100重量部、メタクリル
樹脂微粉末0.01〜1.0重量部を含むベースフィル
ムに金属が蒸着されてなる金属蒸着ポリプロピレンフィ
ルム。 (2)メタクリル樹脂微粉末が平均粒径10μm以下の
球状のポリメタクリル酸エステル微粉末である前記第
(1)項記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
【0007】(3)ポリプロピレン系樹脂が、結晶性エ
チレン・プロピレン共重合体、結晶性エチレン・プロピ
レン・ブテン−1三元共重合体および結晶性プロピレン
・α−オレフィン共重合体から選ばれた少なくとも一種
の共重合体で、かつプロピレン成分を70重量%以上含
有し結晶融点が150℃以下であるプロピレン系共重合
体である前記第(1)項記載の金属蒸着ポリプロピレン
フィルム。 (4)ポリプロピレン系樹脂100重量部に密度0.9
30g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1〜10重量部
およびメタクリル樹脂微粉末0.01〜1.0重量部を
含むベースフィルムに金属が蒸着されてなる金属蒸着ポ
リプロピレンフィルム。
【0008】(5)ポリプロピレン系樹脂のメルトフロ
ーレート(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメル
トフローレート(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
系樹脂とを用いる前記第(4)項記載の金属蒸着ポリプ
ロピレンフィルム。 (6)メタクリル樹脂微粉末が平均粒径10μm以下の
球状のポリメタクリル酸エステル微粉末である前記第
(4)項記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
【0009】(7)ポリプロピレン系樹脂が、結晶性エ
チレン・プロピレン共重合体、結晶性エチレン・プロピ
レン・ブテン−1三元共重合体および結晶性プロピレン
・α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少な
くとも一種の共重合体で、かつプロピレン成分を70重
量%以上含有し、結晶融点が150℃以下であるプロピ
レン系共重合体である前記第(4)項記載の金属蒸着ポ
リプロピレンフィルム。 (8)ポリエチレン系樹脂が密度0.945g/cm3
上の高密度ポリエチレンである前記第(4)項記載の金
属蒸着ポリプロピレンフィルム。
【0010】本発明の金属蒸着ポリプロピレンフィルム
には、ポリプロピレン系樹脂100重量部に、平均粒径
10μm以下のメタクリル樹脂微粉末を0.01〜1.
0重量部を含むベースフィルムに金属が蒸着されてなる
金属蒸着ポリプロピレンシートも含有される。
【0011】本発明のフィルムのベースフィルムで用い
られるポリプロピレン系樹脂は、プロピレンを主成分と
するプロピレンとエチレンもしくはα−オレフィンとの
結晶性を有する共重合体、エチレン・プロピレン・α−
オレフィン三元共重合体、結晶性ポリプロピレン、また
はこれらの一種以上を含むポリプロピレン系共重合体で
あり、このうち結晶性エチレン・プロピレン共重合体、
結晶性エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体、お
よび結晶性プロピレン・α−オレフィン共重合体から選
ばれ、かつプロピレン成分を70重量%以上含有して結
晶融点が150℃以下のポリプロピレン系共重合体また
はそれらの混合物が蒸着接着力に優れ、耐衝撃性、ヒー
トシール性にも優れているので特に望ましい。ここで、
結晶融点(Tm)とは、走査型差動熱量計を用いて窒素
雰囲気中で10mgの試料を10℃/minの速度で昇温さ
せて得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク
温度をさす。プロピレンを主成分とする結晶性共重合体
の場合、コモノマー成分のエチレンまたはα−オレフィ
ンの含有量が増すとTmが低下する。
【0012】本発明のフィルムのベースフィルムで用い
るポリメタクリル酸エステル微粉末は、一般式
【化1】 であらわされるメタクリル酸エステルの重合物である。
【0013】本発明のフィルムに用いる上記のポリメタ
クリル酸エステルは、メタクリル酸エステルを懸濁重合
・溶液重合などの公知の方法を用いて微細な球状粒子と
して重合させた分子量が80万〜100万程度のもので
あるが、平均粒径が10μm以下でなければならない。
本発明においては、ポリメタクリル酸エステルの粒径と
形状が重要であり、平均粒径が10μmを越えるとポリ
プロピレン系樹脂への分散性が低下し、フィルムの平滑
性・光沢を著しく損ねるので好ましくない。また、突起
の多い不定形の形状の粒子の場合は、フィルム表面に突
起が生じ易く、また本発明の目的とする美麗な金属光
沢、耐ブロッキング性、スリップ性、スクラッチ性の改
良効果もきわめて低くなり好ましくない。
【0014】本発明のフィルムに用いるベースフィルム
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に、当該ポリメ
タクリル酸エステル微粉末を0.01〜1.0重量部、
特に望ましくは0.02〜0.50重量部添加した組成
物を加工して製造される。このポリメタクリル酸エステ
ル微粉末の添加量が0.01重量部未満では耐ブロッキ
ング性、スリップ性の改良効果がなく、1.0重量部を
越えると、フィルム表面の粗面化が進みすぎ、かつフィ
ッシュ・アイが多発して商品価値を著しく損ねるので好
ましくない。
【0015】本発明のフィルムで用いるベースフィルム
に用いる組成物には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、
ブロッキング防止剤などを本発明の目的を損なわない範
囲で適宜添加することができるが、蒸着金属とベースフ
ィルムとの接着性、蒸着面の印刷・ラミネート適性を低
下させないためには、ステアリン酸・パルミチン酸など
の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム・ステアリン酸マグ
ネシウムなどの脂肪酸の金属塩、オレイン酸アミド・エ
ルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、その他脂肪酸形成基
を含有する誘導体などは添加しないことが望ましい。
【0016】本発明で用いるベースフィルム用の組成物
に添加できる望ましい添加剤は、分子量が500以上の
リン系およびフェノール系の酸化防止剤および無機充填
剤などが例示される。該酸化防止剤としては、具体的に
例えば、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソ
シアネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)イソシアヌレート、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェ
ニレン−ジフォスファイトなどをあげることができ、こ
れらの単独もしくは二種以上の0.03〜0.30重量
部をポリプロピレン系樹脂100重量部に添加する。こ
れら酸化防止剤の添加は、組成物のフィルム成形時およ
びフィルム使用時の安定性にきわめて有効である。
【0017】また、添加できる無機充填剤としては、炭
酸カルシウム、シリカ、ゼオライトなどをいずれも配合
することかできる。本発明で用いるベースフィルムに特
に有効な無機充填剤は、平均粒径3μm以下のハイドロ
タルサイトであり、蒸着接着力の向上および耐ブロッキ
ング性の向上に、メタクリル樹脂微粉末と併用添加する
ことにより相乗的な優れた効果が認められる。ここでい
うハイドロタルサイトとは、マグネシウム、アルミニウ
ムの含水塩基炭酸塩であって、天然物、合成品いずれで
もよい。天然物は、 Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O の構造を有するとされており、合成品ではMgとAlと
の比が異なったもの、例えば、 Mg4Al2(OH)12CO3・4H2O Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O Mg10Al2(OH)22(CO32・4H2O Mg6Al2(OH)20CO3・5H2O などの構造のものを例示できる。このようなハイドロタ
ルサイトは、ポリプロピレン系樹脂100重量部に0.
01〜0.20重量部添加することが望ましく、0.0
3〜0.15重量部の添加が特に望ましい。
【0018】本発明で用いるベースフィルム用の組成物
に、特定のポリエチレンを添加することによって、剛性
・スリップ性・耐ブロッキング性および蒸着膜接着など
のバランスの優れた金属蒸着フィルムが得られる。この
ポリエチレン系樹脂は密度0.930/cm3以上であ
り、添加量はプロピレン系樹脂100重量部に1〜10
重量部の範囲である。なお、金属光沢の優れた蒸着フィ
ルムを得るためには、ポリプロピレン系樹脂のメルトフ
ローレート(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメ
ルトフローレート(MFR−PE)の比が 0.5≦MFR−PE/MFR−PP になるように選択して用いるのが特に望ましい。ここ
で、メルトフローレートとは、JIS K 7210に
基づき、ポリプロピレン系樹脂(MFR−PP)は試験
条件14(230℃、2.16kgf)、ポリエチレン系
樹脂(MFR−PE)は試験条件4(190℃、2.1
6kgf)で測定した値(単位:g/10min)をさす。
【0019】ポリプロピレン系樹脂に、ポレメタクリル
酸エステル微粉末などを添加する方法としては、これが
均一に分散する方法であればいずれでも良いが、ヘンシ
ェルミキサー(商品名)などで混合し、その混合物を押
出機などで溶融混練する方法が望ましい。
【0020】本発明に用いられるポリプロピレン系のベ
ースフィルムは、通常のTダイ法またはインフレーショ
ン法で得られる未延伸フィルムおよび本発明のフィルム
を表層に含む二層ないし三層以上の多層複合フィルムを
包含する。
【0021】本発明のフィルムを加工する際の金属を蒸
着する方法は、通常、ベースフィルムにコロナ放電処理
・火炎処理などの表面処理を行い、この処理面に公知の
方法で蒸着する。例えばフィルムの繰出部・蒸着部・巻
取部を備えた真空蒸着装置内をオイルポンプ・拡散ポン
プなどを併用して装置内の気圧を10-4Torr以下に
減圧し、蒸着部においてアルミニウムなどの所望の金属
を入れた容器または所望の金属を付着させたフィラメン
トを加熱して該金属を熔解蒸発させ、この金属蒸発分子
を繰出部から送りだされるベースフィルム表面に連続的
に蒸着させ巻取る方法があげられる。その他、真空中で
放電させたときに陰極を構成する金属が飛散する現象を
利用したスパッタリング蒸着やイオンプレーティングに
よっても可能である。なお、蒸着させる金属は、アルミ
ニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニウム
などがあげられるが、作業性、反射率、経済性からアル
ミニウムが好ましい。金属蒸着層の厚さは通常200〜
700オングストロームの範囲である。
【0022】
【実施例】以下、実施例、比較例を用いて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定され
るものではない。なお、実施例、比較例における特性の
測定は下記の方法および基準で行った。 (1)ブロッキング度:2cm(幅)×7cm(長)にサン
プリングした原反フィルムのコロナ処理面と非処理面を
長さ2cmにわたり重ね、500g/cm2の荷重下で50
℃、24時間放置した後、引張試験機を用いて試料の剪
断剥離に要する力を求めた。この値が小さいほど、ブロ
ッキング度が小さいことを示している。(単位:kg/4
cm2
【0023】(2)スリップ性(動摩擦係数):AST
M D 1894に定められた方法で測定した原反フィ
ルムのコロナ処理面対非処理面の動摩擦係数でスリップ
性を示した。この値が小さいほど、スリップ性が良いこ
とを示している。
【0024】(3)光沢度:ASTM D 523に定
められた方法で測定した原反フィルムのコロナ処理面の
測定値で光沢度を示した。この値が大きいほど、光沢が
良いことを示している。(単位:%)
【0025】(4)スクラッチ性(傷つき性):まず、
アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面の光沢度をASTM
D 523で定められた方法に準じて測定し、その値
をG1とする。次に、ASTM D 1894に定めら
れた方法に準じて、台側にアルミニウム蒸着フィルムの
蒸着面を、そり側に非蒸着面をセットし、そりをすべら
せる。(このとき、そりの重さは2200gとする。)
台側のアルミニウム蒸着フィルムのそりが通過した部分
の光沢度を測定し、G2とする。さらに、次の式よりΔ
Gを求め、その値でスクラッチ性を示した。 ΔG=G1−G2 この値が、小さいほど傷がつきにくいことを示してお
り、スクラッチ性が良いことを示している。(単位:
%)
【0026】実施例1 MFR−PP=7.0g/10min、Tm=140℃の
結晶性エチレン・プロピレン・ブテン−1三元ランダム
共重合体100重量部に、酸化防止剤としてテトラキス
−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
0.12重量部、ハイドロタルサイト0.03重量部お
よびポリメタクリル酸メチル(粒径2.0μm、球状)
0.2重量部を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)
で混合した後、押出機を用いて220℃でペレット状組
成物を得た。この組成物を口径65mmの押出機およびT
ダイを用いて溶融温度220℃で押出し、エアチャンバ
ーおよび表面温度30℃の冷却ロールで急冷してフィル
ム状に形成し、直ちにフィルムの片面にぬれ指数が40
0dyn/cmになるようにコロナ放電処理を施し、巻取っ
て厚さ25μm、幅60cmのロール状原反フィルムとし
た。この原反フィルムをスリッターを用いて幅50cmに
裁断してベースフィルムとして連続真空蒸着装置にセッ
トし、ベースフィルムを連続的に繰り出しながら、その
コロナ処理面に10-5Torrの真空下でアルミニウム
蒸着を施して巻取り、蒸着膜の厚みが約500オングス
トローム、長さ1000mのロール状に巻き取り、片面
にアルミニウムが蒸着された金属蒸着ポリプロピレンフ
ィルムを得た。そのフィルム特性を表2に示す。
【0027】実施例2−4 表1に示すようにポリメタクリル酸メチルの粒径、添加
量をかえる以外は実施例1に準じて行ない金属蒸着ポリ
プロピレンフィルムを得た。それらのフィルム特性を表
2に示す。
【0028】比較例1〜6 ポリメタクリル酸メチルを表1に示すように無添加、シ
リカ、合成ゼオライトにかえる以外は、実施例1に準じ
て行ない金属蒸着フィルムを得た。それらのフィルム特
性を表2に示す。表2から明らかなように、ポリメタク
リル酸エステル微粉末が添加された組成物を用いたベー
スフィルムからなる蒸着フィルムは、いずれの特性につ
いても優れているが、比較例の蒸着フィルムは、いずれ
かの特性が大幅に劣り、好ましくないことがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】実施例5 MFR−PP=7.0g/10min、Tm=140℃の
結晶性エチレン・プロピレン・ブテン−1三元ランダム
共重合体100重量部に、酸化防止剤としてテトラキス
−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
0.12重量部、ハイドロタルサイト0.03重量部お
よびポリメタクリル酸メチル(粒径4.5μm、球状)
0.20重量部を配合し、ヘンシェルミキサー(商品
名)で混合した後、押出機を用いて220℃でペレット
状組成物を得た。得られたペレット状組成物100重量
部にポリエチレン系樹脂(MFR−PE8.0g/10
min、密度0.958g/cm3)を配合し、タンブラーで
15分間混合して混合組成物とした。この組成物を口径
65mmの押出機およびTダイを用いて溶融温度220℃
で押出し、エアチャンバーおよび表面温度30℃の冷却
ロールで急冷してフィルム状に成形し、直ちにフィルム
の片面にぬれ指数が40dyn/cmになるようにコロナ放
電処理を施し、巻取って厚さ25μm、幅60cmのロー
ル状原反フィルムとした。この原反フィルムをスリッタ
ーを用いて幅50cmに裁断してベースフィルムとして、
連続真空蒸着装置にセットし、ベースフィルムを連続的
に繰り出しながら、そのコロナ処理面に10-5Torr
の真空下でアルミニウム蒸着を施して巻取り、蒸着膜の
厚みが約500オングストローム、長さ1000mのロ
ール状に巻取った片面にアルミニウムが蒸着された金属
蒸着ポリプロピレンフィルムを得た。
【0032】実施例6 ポリエチレン系樹脂の添加量を表3のようにかえる以外
は実施例5に準じて行ない、金属蒸着ポリプロピレンフ
ィルムを得た。そのフィルム特性を表4に示す。
【0033】実施例7 ポリエチレン系樹脂のMFR−PEを表3のようにかえ
る以外は実施例5に準じて行ない、金属蒸着ポリプロピ
レンフィルムを得た。そのフィルム特性を表4に示す。
【0034】実施例8〜10 ポリメタクリル酸メチルの添加量、ポリエチレン系樹脂
の添加量を表3のようにかえる以外は実施例7に準じて
行ない金属蒸着ポリプロピレンフィルムを得た。それら
のフィルム特性を表4に示す。
【0035】比較例7−12 ポリメタクリル酸メチルを表3のように無添加、シリ
カ、合成ゼオライトにかえる以外は実施例7に準じて行
ない金属蒸着フィルムを得た。それらのフィルム特性を
表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表4から明らかなように、ポリエチレン系
樹脂およびポリメタクリル酸エステル微粉末が添加され
た組成物からなる蒸着フィルムは、いずれの特性につい
ても優れているが、比較例の蒸着フィルムは、いずれか
の特性が大幅に劣り、好ましくないことがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上、本発明の金属蒸着ポリプロピレン
フィルムは、蒸着膜がベースフィルムに強固に接着し、
かつ、蒸着面の印刷性および他のフィルムとの接着性を
低下させることなく、加工適性が大幅に改善されてい
る。その結果、広幅で、かつ、長尺巻の蒸着フィルムと
して従来得られなかった生産性向上が図れる。また、ス
リップ性、スクラッチ性、耐ブロッキング性に優れてお
り、印刷・ラミネートや包装・製袋工程でもしわや傷が
発生しにくく、生産速度も向上できるといった優れた効
果があり、包装用・装飾用など広範囲な分野に好適に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33:12) (56)参考文献 特開 平1−139251(JP,A) 特開 昭60−56063(JP,A) 特開 昭59−202232(JP,A) 特開 昭64−49635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B32B 15/08 C08J 5/18 C08L 23/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部、メ
    タクリル樹脂微粉末0.01〜1.0重量部を含むベー
    スフィルムに金属が蒸着されてなる金属蒸着ポリプロピ
    レンフィルム。
  2. 【請求項2】 メタクリル樹脂微粉末が平均粒径10μ
    m以下の球状のポリメタクリル酸エステル微粉末である
    請求項1記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂が、結晶性エチレ
    ン・プロピレン共重合体、結晶性エチレン・プロピレン
    ・ブテン−1三元共重合体および結晶性プロピレン・α
    −オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくと
    も一種の共重合体で、かつプロピレン成分を70重量%
    以上含有し結晶融点が150℃以下のプロピレン系共重
    合体である請求項1記載の金属蒸着ポリプロピレンフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に密
    度0.930g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1〜1
    0重量部およびメタクリル樹脂微粉末0.01〜1.0
    重量部を含むベースフィルムに金属が蒸着されてなる金
    属蒸着ポリプロピレンフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレ
    ート(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフ
    ローレート(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
    系樹脂とを用いる請求項4記載の金属蒸着ポリプロピレ
    ンフィルム。
  6. 【請求項6】 メタクリル樹脂微粉末が平均粒径10μ
    m以下の球状のポリメタクリル酸エステル微粉末である
    請求項4記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
  7. 【請求項7】 ポリプロピレン系樹脂が、結晶性エチレ
    ン・プロピレン共重合体、結晶性エチレン・プロピレン
    ・ブテン−1三元共重合体および結晶性プロピレン・α
    −オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくと
    も一種の共重合体で、かつプロピレン成分を70重量%
    以上含有し結晶融点が150℃以下であるプロピレン系
    共重体である請求項4記載の金属蒸着ポリプロピレンフ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 ポリエチレン系樹脂が密度0.945g
    /cm3以上の高密度ポリエチレンである請求項4記載の
    金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
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