JP3225981B2 - 金属蒸着プラスチックフィルム - Google Patents

金属蒸着プラスチックフィルム

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JP3225981B2 JP10027193A JP10027193A JP3225981B2 JP 3225981 B2 JP3225981 B2 JP 3225981B2 JP 10027193 A JP10027193 A JP 10027193A JP 10027193 A JP10027193 A JP 10027193A JP 3225981 B2 JP3225981 B2 JP 3225981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属蒸着プラスチックフ
ィルムに関する。更に詳しくは、ポリプロピレン系樹脂
に非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の特定
量を配合した組成物もしくは該組成物にさらに特定のポ
リエチレン系樹脂の特定量を配合した組成物を用いて得
られるフィルムに金属が蒸着された金属蒸着フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックフィルムに真空下で
金属を蒸着させた金属蒸着プラスチックフィルムは、そ
の優れた装飾性、ガスバリヤー性、光線遮断性等の性質
を生かして、金銀糸、建築材料等の素材から食品を主な
対象とする包装材に至る広い範囲で使用されている。特
にアルミニウム蒸着プラスチックフィルムは包装材用途
を中心に広範囲に使用されており、包装材として使用さ
れる場合、蒸着面(アルミニウム面)に印刷や他フィル
ムとラミネート等を施して使用するケースがほとんどで
ある。とりわけ、ポリプロピレン系フィルム(ここでポ
リプロピレン系フィルムとは、プロピレンの単独重合体
の他に、プロピレンを主成分とするエチレンと他のα−
オレフィンとの共重合体もしくはこれらの混合物を用い
て得られるフィルムをいう)はプラスチックフィルムと
して主要なものであり、従来から該ポリプロピレン系フ
ィルムをベ−スフィルムとする金属蒸着ポリプロピレン
系フィルムは上記諸用途に広く使用されている。
【0003】しかしながら、金属蒸着ポリプロピレン系
フィルムは、ベースフィルムと蒸着膜との接着強度、い
わゆる蒸着強度が弱く、とくに蒸着金属がアルミニウム
の場合、蒸着面の印刷性や他フィルムとの接着性(以
下、ラミネ−ト性という)が著しく低くて印刷やラミネ
ート等が必要な用途には使用できないという欠点を有し
ている。蒸着強度の強い低密度ポリエチレン系のプラス
チックフィルムに金属蒸着したものは、フィルム表面が
粗面化して金属蒸着面の光沢度が低く、美麗な金属光沢
感を有する金属蒸着プラスチックフィルムを得ることは
できなかった。
【0004】一方、ポリプロピレン系フィルムを用いた
金属蒸着プラスチックフィルムの蒸着強度が低い原因と
しては、ポリプロピレン系樹脂が極性基を有していない
ことに起因している。また、蒸着面の印刷性、ラミネー
ト性の低い原因は、ベースフィルム中に添加されている
中和剤、スリップ剤、酸化防止剤等の添加剤が蒸着層を
通過して蒸着面に滲出すること及び非蒸着面側の表面に
滲出した添加剤が巻き重ねられたときに蒸着面に転写さ
れることが挙げられ、かかる原因によって蒸着面の印刷
性、ラミネート性が低下するのである(特公昭58-4
9574号,特開昭59-25829号参照)。この後
者の原因を具体的に説明すると、添加剤のうち中和剤と
して使用される脂肪酸誘導体、特にステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩やオレ
イン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等
の高級脂肪酸アミドは、その含有率が0.01重量%前
後の微量な場合でも、蒸着面(アルミニウム面)のぬれ
指数を33dyn/cm以下に低下させ、蒸着面への印
刷やラミネート接着を不可能にするからである。
【0005】従来、このような問題点を解決するために
種々の提案がなされている。例えば、蒸着強度を高める
方法としてはベースフィルム表面を物理的または化学的
に粗面化して蒸着強度を高める方法、コロナ放電処理、
ガス炎や放射線照射等によりベースフィルム表面を酸化
して極性基を付与することにより蒸着強度を高める方
法、ベースフィルム表面に接着性材料をコートする方法
等が知られている。しかしながらベースフィルム表面を
粗面化または酸化する方法は、いずれも単独では蒸着強
度が不充分であり、また接着性材料をコートする方法
は、コートに先立ちフィルム面を物理的または化学的に
前処理しておく必要があって工程が複雑となり、得られ
る蒸着フィルムのコストが高くなるといった欠点があ
る。また、蒸着強度と共に蒸着面の印刷性、ラミネート
性を改善する方法として、ポリプロピレンに無水マレイ
ン酸等をグラフト重合させたグラフト化ポリプロピレン
をポリプロピレンに配合した組成物を用いて得られるフ
ィルムをベースフィルムとすることも知られている(特
開昭50-61469号公報、特公昭58-49574号
公報)。しかしながら、この場合もフィルムコストが高
くなり、さらにフィルム中に残存する未反応マレイン酸
や熱分解により生成した分解物により臭気が強く、食品
包装に使用した場合、内容物に異臭が移行するといった
欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来技術の欠点を解消し、ポリプロピレン系樹脂をベース
フィルムに使用しても、蒸着膜の接着強度が高く、金属
蒸着面の輝度、光沢度に優れ、さらに金属蒸着面の印刷
性、ラミネート性に優れた金属蒸着プラスチックフィル
ムを得るべく種々検討した。その結果、ポリプロピレン
系樹脂に非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
の特定量を配合した組成物又は該組成物にさらに特定の
ポリエチレン系樹脂を配合した組成物から得られるプラ
スチックフィルムをベースフィルムとした金属蒸着プラ
スチックフィルムが上記課題を解決し得ることを見い出
し、この知見に基づき本発明を完成した。以上の記述か
ら明らかなように、本発明の目的は蒸着膜の接着強度が
高く、金属蒸着面の輝度、光沢度に優れ、さらに金属蒸
着面の印刷性、ラミネート性に優れた金属蒸着プラスチ
ックフィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)〜
(4)の構成を有する。 (1)ポリプロピレン系樹脂100重量部に非晶性エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体2〜20重量部を配
合した組成物を用いて得られるベースフィルムに金属が
蒸着された金属蒸着プラスチックフィルム。 (2)ポリプロピレン系樹脂100重量部に密度0.9
30g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1〜10重量
部及び非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体2
〜20重量部を配合した組成物を用いて得られるベ−ス
フィルムに金属が蒸着された金属蒸着プラスチックフィ
ルム。 (3)ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(M
FR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフローレー
ト(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
系樹脂を用いる前記第2項記載の金属蒸着プラスチック
フィルム。 (4)非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体と
して、エチレン含有量が少なくとも30重量%以上、ム
ーニー粘度がML1+4(100℃)90以下のものを用
いる前記第1項〜前記第3項のいずれか1項記載の金属
蒸着プラスチックフィルム。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部と非晶性エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体2〜20重量部からな
る組成物及びポリプロピレン系樹脂100重量部、非晶
性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体2〜20重量
部及び特定のポリエチレン系樹脂1〜10重量部からな
る組成物を用いて得られたプラスチックフィルムに金属
が蒸着された金属蒸着プラスチックフィルムである。金
属蒸着膜は通常該フィルムの片面だけであるが、用途に
よってはフィルムの両面に形成されていてもよい。ま
た、上記組成物を用いたフィルムを最外層として他の複
数のフィルムが積層された積層フィルムの最外層の本願
発明のフィルム面に金属が蒸着された金属蒸着プラスチ
ックフィルムも本発明でいう金属蒸着プラスチックフィ
ルムに含まれる。
【0009】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
とは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレンを主成
分とするプロピレンとエチレンまたはプロピレンと他の
α−オレフィンとの結晶性共重合体及びそれらの混合物
である。ポリプロピレン系樹脂のうち、プロピレン成分
を80〜98重量%含有し、結晶融点(Tm)が115
〜150℃の範囲にある結晶性共重合体が好ましく、そ
のうち、結晶性エチレン−プロピレン共重合体、結晶性
プロピレン−ブテン−1共重合体、結晶性エチレン−プ
ロピレン−ブテン−1三元共重合体(この場合エチレ
ン:ブテン−1の含有比は10:1〜1:15が好まし
い)またはそれらの混合物が特に好ましい。エチレン−
プロピレン共重合体と他の上記結晶性共重合体とを混合
した組成物から得られるフィルムは蒸着膜に対する接着
性に優れている上に、耐衝撃性、ヒートシール性にも優
れている。
【0010】上記単独重合体および共重合体は既知の重
合法により製造することができる。例えば、チーグラー
・ナッタ型の触媒の存在下、所定のモノマーを重合もし
くは共重合させることによって得ることができる。ここ
で、結晶融点(以後、Tmと略記する)とは、走査型差
動熱量計を用い、窒素雰囲気中で10mgの試料を10
℃/分の昇温速度で結晶の融解にともなう吸熱量を測定
して得られる吸熱カーブのピーク温度をいう。プロピレ
ンを主成分とする結晶性共重合体の場合、コモノマー成
分のエチレンまたはα−オレフィンの含有量が増すとT
mが低下する。例えば、結晶性エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体の場合、共重合体のランダムネスによっ
て若干変動するが、エチレン含有量が、2.5重量%を
越えると150℃以下になる。なお、重合条件を変えて
2段以上に多段階重合で共重合を行うと複数のTmを有
する共重合体が得られることもあるが、本発明では主ピ
ークの温度を結晶融点とする。
【0011】本発明に使用する非晶性エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体は、エチレン含有量が少なくとも
30重量%以上、JIS K 6300に基づいて測定
したムーニー粘度がML1+4(100℃)90以下のも
のが好ましい。該非晶性エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体は、例えば、(a)少なくともマグネシウム、
チタンおよびハロゲンを含有する複合体(b)周期律表
第1ないし第3属金属の有機金属化合物及び(c)電子
供与体の3成分から形成される触媒を用いて、エチレ
ン、プロピレン及びジエン化合物をランダム共重合させ
ることによって得られる。
【0012】本発明に使用する非晶性エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体のエチレン含有量は30重量%以
上が好ましいが、その理由は該エチレン含有量が30重
量%未満では金属蒸着フィルムとしたときの該金属蒸着
フィルムのラミネート性の改善効果が不十分になるおそ
れがある。また、ムーニー粘度はML1+4(100℃)
90以下が好ましいが、その理由は該ムーニー粘度がM
1+4(100℃)90を越えるとポリプロピレン系樹
脂との相溶性が悪くなり、得られるフィルムの透明性が
著しく悪化するおそれがある。該非晶性エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体の配合割合は、プロビレン系樹
脂100重量部に対して2〜20重量部である。該配合
量が2重量部未満では得られるフィルムのラミネート性
の改善効果が見られず、また20重量部を超えるとフィ
ルム自体の粘着性が増し、製膜性が極端に低下するとと
もにフィルムの巻き姿も悪くなり、均一な蒸着フィルム
が得られ難くなる。
【0013】本発明にあっては、ポリプロピレン系樹脂
と非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体からな
る組成物に、さらに特定のポリエチレン系樹脂を添加す
ることによって、本発明の課題である蒸着強度を一段と
向上させ、美麗な光沢感を有し、さらに蒸着膜の印刷
性、ラミネート性、蒸着フィルムのスリップ性や耐ブロ
ッキング性に優れたフィルムが得られる。このとき、添
加するポリエチレン系樹脂は密度0.930g/cm3
以上であり、配合量はプロピレン系樹脂100重量部に
対して1〜10重量部の範囲である。なお、金属光沢の
優れた金属蒸着フィルムを得るためには、用いるポリプ
ロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR−PP)
と該ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR
−PE)の比が 0.5≦MFR−PE/MFR−PP になるように選択して用いるのが特に望ましい。ここ
で、メルトフローレートとはJIS K 7210に基
づき、ポリプロピレン系樹脂(MFR−PP)は試験条
件14(230℃、2.16kgf)、ポリエチレン系
樹脂(MFR−PE)は試験条件4(190℃、2.1
6kgf)で測定した値(単位:g/10min)をさ
す。
【0014】該ポリエチレン系樹脂の密度を0.930
g/cm3以上に限定する理由は、密度が0.930g
/cm3未満では、得られたフィルムのスリップ性や耐
ブロッキング性の改善効果が見られず、また、該ポリエ
チレン系樹脂の配合量をプロピレン系樹脂100重量部
に対して1〜10重量部に限定する理由は、配合量が1
重量部未満では得られたフィルムのスリップ性や耐ブロ
ッキング性の改善効果が見られず、10重量部を超える
と金属蒸着フィルムの光沢が悪化するからである。本発
明で用いるポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエ
チレンまたはエチレンとプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1との共重合体またはそれらの混合物であり、こ
のうち高密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチ
レンが特に好ましい。
【0015】本発明のベ−スフィルムの原料組成物中に
は必要に応じて酸化防止剤、無機充填剤、滑剤、ブロッ
キング防止剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で含
有させることができる。脂肪酸及び脂肪酸形成基を含有
する誘導体等は、蒸着膜の接着性、蒸着面の印刷性、蒸
着フィルムのラミネート性を低下させることになる恐れ
があり注意する必要がある。また、酸化防止剤としては
分子量が500以上のリン系およびフェノール系のもの
が特に望ましい。具体的には、テトラキス−〔メチレン
−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6,−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−
ジメチルベンジル)イソシアヌレート、6−〔4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアミノ)−2,4−ビ
ス−n−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキスフェニル)イソシアヌレート、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,
4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等をあげるこ
とができ、これらは単独で使用するかまたは二種以上を
併用することができる。含有量はポリプロピレン系樹脂
100重量部に対し0.03〜0.30重量部が適当
である。上記酸化防止剤の含有は、組成物のフィルム成
形時およびフィルム使用時の安定性にきわめて有効であ
る。
【0016】また無機充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、シリカ、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、ゼ
オライト類等いずれも用いることができる。ポリプロピ
レン系樹脂に上記の添加物を添加する方法としては、こ
れが均一に分散する方法であればいずれの方法でもよい
が、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(商品名)
等で混合し、その混合物を押出機等で溶融混練する方法
が好ましい。
【0017】本発明のベースフィルムは、上記組成物か
ら通常のT−ダイ法またはインフレーション法により成
形することによって得られる。これらの一軸あるいは二
軸延伸フィルムは勿論、未延伸フィルムもベースフィル
ムとすることができる。また、本発明においては、単層
のプラスチックフィルムのほかに、片側または両側の表
層に本発明のフィルムを使用し、その内側には複数の他
のフィルムが積層された複合フィルムをベースフィルム
とすることもできる。片側の表層にのみ本発明で用いる
ベ−スフィルムを使用した場合には、金属の蒸着は該フ
ィルム面に金属蒸着することになる。このようにして得
られた金属蒸着プラスチックフィルムは、片面に金属蒸
着した単層の金属蒸着プラスチックフィルムの蒸着面の
反対側に複数の単層フィルムを積層したプラスチックフ
ィルムと同じ構成となる。
【0018】以下、単層フィルムを用いて金属蒸着する
場合について説明するが、複合フィルムの場合も同様で
ある。前記組成物から得られたベ−スフィルムをそのま
ま金属蒸着に供することが出来るが、窒素、酸素等の特
殊ガス雰囲気下または空気中でのコロナ放電処理、火炎
処理等の表面処理によりフィルム面のぬれ性を向上させ
て、さらに接着性を向上させてから金属蒸着してもよ
い。長尺のベ−スフィルム(通常ロール巻形態)に金属
蒸着を施す方法としては、ロール巻きフィルムの繰り出
し部、蒸着部、及び巻取り部を備えた真空蒸着装置内の
真空度を10-4Torr以下にし、この装置内でアルミニウ
ム等の金属を容器中またはフィラメント状で加熱して該
金属を溶解蒸発させ、繰り出されたフィルム表面に該蒸
発した金属を連続的に蒸着させて巻き取る方法が一般的
である。しかしながら、最近では生産性を向上させる必
要から、一本のベースフィルムロールが幅2m以上、長
さ1万−2万m巻の如く幅広、長尺巻化したベ−スフィ
ルムを用いるようになってきており、ベースフィルムの
高速蒸着性や巻姿等に対する要求もよりシビアになって
いる。
【0019】また、上記の真空蒸着法以外にも種々の蒸
着法があり、例えば、真空中で放電させたときに陰極を
構成する金属が飛散する現象を利用したスパッタリング
蒸着法や、イオンプレーティング法などがある。なお、
蒸着させる金属はアルミニウムが最も一般的であるが、
金、銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニウム、セレ
ン、チタン、スズ、亜鉛等も金属蒸着することができ
る。金属蒸着層の厚さは通常50〜800オングストロ
ームの範囲であり、全面、片面は勿論、部分的に蒸着す
ることも可能である。また、蒸着面に着色や保護用にト
ップコートすることもできる。
【0020】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例中に示す物性の測定
方法および評価の基準は下記の通りである。 (1)フィルム外観:ベ−スフィルムの外観を肉眼で観
察し、ムラムラ感がなく、透明性及び表面光沢が良好な
ものを○、相溶性が悪く、フィルム表面にムラムラ感が
あり、透明性、表面光沢が著しく悪いものを×(外観不
良)と評価した。 (2)巻き姿:所定の長さの蒸着フィルムを連続して巻
取って得られたフィルムロールを肉眼で観察し、しわや
巻きこぶがなく、フィルムを引き出した時に局部的に歪
みやくせの無いものを○(巻き姿良好)、しわや巻きこ
ぶがあり、フィルムを引き出した時にフィルムにしわが
残ったり、歪みやくせのあるものを×(巻き姿不良)と
評価した。
【0021】(3)ラミネート性(剥離強度):片面に
金属(アルミニウム)蒸着したフィルムの蒸着面と二軸
延伸ポリプロピレンフィルム(#20)とをドライラミ
ネート用の接着剤を用いて貼り合わせ、60℃で3日間
エージングし、接着剤が完全に乾固後、幅15mmに裁
断し、界面での90度の剥離強度を引張試験機で測定し
た。 (4)スリップ性(動摩擦係数):ASTM D 52
3に定められた方法で測定したベースフィルムのコロナ
処理面対非処理面の動摩擦係数でベースフィルムのスリ
ップ性を示した。この値が小さいほどスリップ性が良い
ことを示す。この測定により金属蒸着フィルムのスリッ
プ性も推測することができ、動摩擦係数1.00以下を
良とした。
【0022】実施例1〜9、比較例1〜5 エチレンが2.5重量%、ブテン−1が4.5重量%の結晶性
エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体であっ
てメルトフローレート(MFR−PP)が6.0、Tmが1
40℃のポリプロピレン系樹脂100重量部に、第1表に示
す非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(以
下、EPDMということがある)を同表に示す重量部で
配合し、酸化防止剤としてテトラキス−〔メチレン−3
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン0.10重量部、耐ブロッ
キング剤としてケイ酸アルミニウム0.20重量部を添加
し、押出機を用いてペレットとした。該ペレットを口径
65mmφの押出機及びTダイを用いて溶融温度220℃で押
出し、エアーチャンバーおよび表面温度30℃の冷却ロー
ルで急冷してフィルムとし、直ちにこのフィルムの片面
にぬれ指数が40dyn/cmになるようにコロナ放電処理を
施しながら巻き取って、厚さ25μ、幅60cmのロール状の
フィルムとした。このフィルムをスリッターを用いて幅
50cmに裁断したのち、これをベースフィルムとして連続
真空蒸着装置にセットし、フィルムを連続的に繰り出し
ながらフィルムのコロナ処理面に5×10-5Torrの真空
下でアルミニウムを蒸着して巻き取り、蒸着膜の厚さが
約350オングストローム(±15オングストローム以内)
の片面アルミニウム蒸着プラスチックフィルムを長さ2,
000mのロール状で得た。各実施例、比較例で得られたベ
−スフィルム及び金属蒸着フィルムの特性を第1表に示
す。
【0023】実施例10〜12、比較例6〜8 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体の代わり
に結晶性エチレン−プロピレン共重合体(エチレン含有
量2.5重量%,MFR−PP 7,Tm 150℃)を使用
し、第2表に示すEPDMを同表に示す量使用する以外
は実施例1に準拠して、ロ−ル状の片面アルミニウム蒸
着プラスチックフィルムを得た。その特性を第2表に示
す。
【0024】実施例13〜15、比較例9〜11 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体の代わり
にプロピレンの結晶性単独重合体(MFR−PP 8,T
m162℃)を使用し、第3表に示すEPDMを同表に示
す量使用する以外は実施例1に準拠して、ロール状の片
面アルミニウム蒸着プラスチックフィルムとを得た。そ
の特性を第3表に示す。第1〜3表から明らかなよう
に、本発明で規定する組成物から得られたプラスチック
フィルム及びその金属蒸着フィルムは、いずれの特性も
優れているが、比較例のフィルムはいずれかの特性が大
幅に劣っていることが判る。
【0025】実施例16〜22、比較例12〜17 エチレンが2.5重量%、ブテン−1が4.5重量%の結晶性
エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体であっ
てメルトフローレート(MFR−PP)が6.0Tmが140
℃のポリプロピレン系樹脂100重量部に、酸化防止剤と
してテトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネー
ト〕メタン0.10重量部、耐ブロッキング剤としてケイ酸
アルミニウム0.02重量部を添加し、押出機を用いてペレ
ットとした。このペレット状ポリプロピレン系樹脂100
重量部に対し、第4表に示すEPDM及びポリエチレン
系樹脂を同表に示す重量部で配合してブレンダーにてド
ライブレンドし、得られた組成物を口径65mmφの押出機
及びTダイを用いて溶融温度220℃で押出し、エアーチ
ャンバーおよび表面温度30℃の冷却ロールで急冷してプ
ラスチックフィルムとし、直ちにこのフィルムの片面に
ぬれ指数が40dyn/cmになるようにコロナ放電処理を施
しながら巻き取って、厚さ25μ、幅60cmのロール状のフ
ィルムとした。このフィルムをスリッターを用いて幅50
cmに裁断したのち、これをベースフィルムとして連続真
空蒸着装置にセットし、フィルムを連続的に繰り出しな
がらフィルムのコロナ処理面に5×10-5Torrの真空下
でアルミニウムを蒸着して巻き取り、蒸着膜の厚さが約
350オングストローム(±15オングストローム以内)の
片面アルミニウム蒸着プラスチックフィルムを長さ2,00
0mのロール状で得た。各実施例16〜22、比較例12
〜17で得たフィルム及び金属蒸着フィルムの特性を第
5表に示す。第5表から明らかなように、ポリエチレン
系樹脂および非結晶性エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体(EPDM)が添加された組成物からなる蒸着フ
ィルムは、いずれの特性についても優れているが、比較
例の蒸着フィルムは、いずれかの特性が大幅に劣り、好
ましくないことがわかる。第1表〜第5表に示したよう
に、フィルム蒸着面の印刷性については、全てについて
良好であり問題なかった。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る金属蒸着プラスチックフィ
ルムは、そのベースフィルムとしてポリプロピレン系樹
脂を主とするプラスチックフィルムを使用したものであ
りながら、非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体の特定量を配合したことにより、また該組成物にさら
にポリエチレン系樹脂の特定量を配合したことにより、
ベースフィルムと蒸着膜との接着強度及び蒸着面の美麗
な金属光沢感を有し、蒸着面の印刷性とラミネート性が
共に極めて優れており、包装、装飾等の用途に好適に使
用することが出来る。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B29D 9/00 B32B 1/00 - 35/00 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に非
    晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体2〜20重
    量部を配合した組成物を用いて得られるベースフィルム
    に金属が蒸着された金属蒸着プラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂100重量部に密度
    0.930g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1〜1
    0重量部及び非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重
    合体2〜20重量部を配合した組成物を用いて得られる
    ベ−スフィルムに金属が蒸着された金属蒸着プラスチッ
    クフィルム。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレー
    ト(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフロ
    ーレート(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂及びポリエチレ
    ン系樹脂を用いる請求項2記載の金属蒸着プラスチック
    フィルム。
  4. 【請求項4】非晶性エチレン−プロピレン−ジエン共重
    合体として、エチレン含有量が少なくとも30重量%以
    上、ムーニー粘度がML1+4(100℃)90以下のも
    のを用いる請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の金
    属蒸着プラスチックフィルム。
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