JPH0651385B2 - 金属蒸着プラスチツクフイルム - Google Patents

金属蒸着プラスチツクフイルム

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JPH0651385B2
JPH0651385B2 JP21727789A JP21727789A JPH0651385B2 JP H0651385 B2 JPH0651385 B2 JP H0651385B2 JP 21727789 A JP21727789 A JP 21727789A JP 21727789 A JP21727789 A JP 21727789A JP H0651385 B2 JPH0651385 B2 JP H0651385B2
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陽一 釘宮
健人 広瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属蒸着プラスチツクフイルムに関し、更に詳
しくは、ポリプロピレン系樹脂から主として成るプラス
チツクフイルムをベースにした金属蒸着フィルムであり
ながら、ベースフイルムと蒸着膜との接着強度が高く、
金属蒸着面の輝度,光沢度に優れている上に蒸着面の印
刷性や他フイルムとの接着性にも優れた金属蒸着プラス
チツクフイルムに関するものである。
〔従来の技術〕
近年、プラスチツクフイルムに真空下で金属を蒸着させ
た金属蒸着プラスチツクフイルムは、その優れた装飾
性、ガスバリヤー性、光線湿断性等が活用されて、既存
の金銀糸、建築材料等の素材から食品を主な対象とする
包装材に至る広い範囲に用途が拡大されている。特にア
ルミニウム蒸着プラスチツクフイルムは包装材用途を中
心に広範囲に使用されているが、包装材用の場合、蒸着
面(アルミニウム面)に印刷や他フィルムとのラミネー
ト等を施して使用するケースが殆どである。
ところで、ポリプロピレン系フイルム(ここでポリプロ
ピレン系とは、プロピレンの単独重合体の他に、プロピ
レンを主成分とするこれとエチレンまたは他のα−オレ
フインとの共重合体をも包含していることを意味する)
はプラスチックフイルムの主要なものであり、従来から
ポリプロピレン系フイルムをベースフイルムとする金属
蒸着ポリプロピレン系フイルムは上記諸用途に多量に使
用されてきた。しかしながら、この金属蒸着ポリプロピ
レン系フイルムは、ベースフイルムと蒸着膜との接着強
度すなわち蒸着強度が低く、また蒸着金属がアルミニウ
ムの場合は蒸着面の印刷性や他フイルムとの接着性(以
下、ラミネート性と言うことがある)が著しく低くて印
刷やラミネート等が必要な用途には使用できず、用途開
発上の大きな障害となっていた。
一方、蒸着強度の強い低密度ポリエチレン系のプラスチ
ツクフイルムでは、フイルム表面が粗いので金属蒸着面
の光沢度が低く、美麗な金属光沢を呈する金属蒸着プラ
スチツクフイルムを得ることは出来なかった。
ポリプロピレン系フイルムをベースフイルムとする金属
蒸着フイルムの蒸着強度の低い原因はポリプロピレン系
樹脂が本質的に有する不活性にあり、また蒸着面の印刷
性及びラミネート性の低い原因としては、ポリプロピレ
ン系樹脂中に添加されている中和剤,スリツプ剤,酸化
防止剤等が表面に移行し、それが蒸着面側では更に蒸着
層を通過して滲出し、反対面側では巻き重ねられたとき
に蒸着面に転写されることがあげられる(特公昭58−
49574号及び特開昭59−25829号参照)。後
者の原因を更に説明すると、添加物のうち中和剤として
使用される脂肪酸誘導体、特にステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩やオレイ
ン酸アミド,ステアリン酸アミド,エルカ酸アミド等の
高級脂肪酸アミドは、その含有率が0.01重量%前後
の微量な場合でも、蒸着面(アルミニウム面)のぬれ指
数を33dyn/cm以下に低下させ、蒸着面への印刷やラミ
ネート接着が不可能な状態となる。
従来、このような問題点を解決するために種々の提案が
なされている。例えば蒸着強度を高めるための方法とし
ては、フイルム面を物理的または化学的に粗面化する方
法,コロナ放電やガス炎や放射線照射等によりフイルム
表面を酸化して極性基を付与する方法,あるいはフイル
ム面に接着性材料をコートする方法等が知られている。
しかしながらフイルム面を粗面化または酸化する方法
は、いずれも単独では蒸着強度はなお不充分であり、ま
た接着性材料をコートする方法は、コートに先立ちフイ
ルム面を物理的または化学的に前処理しておく必要があ
つて工程が複雑となり、蒸着フイルムのコストが高くな
るといつた欠点があつた。また、蒸着強度と共に蒸着面
の印刷性及びラミネート性を改善するための方法とし
て、ポリプロピレンに無水マレイン酸等をグラフト重合
させたグラフト化ポリプロピレンをポリプロピレンに配
合した混合ポリマーから得たフイルムをベースフイルム
とすることも知られている(特開昭50−61469
号,特公昭58−49574号参照)。しかしながら、
この場合も上記と同様にフイルムコストが高くなり、更
にフイルム中に残存する未反応マレイン酸や熱分解によ
り生成した分解物による臭気が強く、食品包装に使用し
た場合内容物に異臭が移行するといつた欠点があつた。
更に、上記、脂肪酸誘導体及び高級脂肪酸アミド等のフ
イルム表面に移行する配合物を使用せず、無機フイラー
を多量に用いて、フイルムの滑り性や耐ブロツキング性
を改善し、巻き取り時のしわの発生を防止したり、巻き
取つたフイルムロールの局部的な肥大、いわゆる巻きこ
ぶの発生を防止する方法が提言されている。しかしなが
ら上記方法では、蒸着強度がくさび効果で蒸着強度は改
善されるものの、金属蒸着表面の光沢度が低下し、美麗
な金属蒸着フイルムを得ることが出来なかつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、ポリプロピレ
ン系樹脂から主として成るプラスチツクフイルムをベー
スにした金属蒸着フイルムでありながら、これを蒸着膜
の接着強度が高い上に蒸着面の印刷性及びラミネート性
にも優れたものとすることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは種々検討した結果、ポリプロピレン系樹脂
に特定のエチレン/アクリル酸アルキル共重合体を混合
した組成物から得られるプラスチツクフイルムをベース
フイルムとすることによつて上記課題を解決し得ること
を究明して本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ポリプロピレン系樹脂100重量部とエチレ
ン/アクリル酸メチル共重合体または/及びエチレン/
アクリル酸エチル共重合体1〜20重量部とから主とし
て成る組成物から得られたプラスチツクフイルムに金属
が蒸着されて成る金属蒸着プラスチツクフイルムであ
る。蒸着膜は通常片面だけであるが、用途によつては両
面に形成されていても良い。更にまた、上記の金属蒸着
プラスチツクフイルムをその蒸着面を外側にした最外層
として複数の単層フイルムが積層された構成の金属蒸着
プラスチツクフイルムも本発明である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、結晶性プ
ロピレン単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピ
レンとエチレンまたは他のα−オレフインとの結晶性共
重合体,またはそれらの混合物である。上記単独重合体
及び共重合体は、例えばチーグラー・ナツタ型の触媒の
存在下でそれぞれのモノマーを重合させることによつて
得られる。このうち、プロピレン成分を80〜98重量
%含有していて結晶融点(Tm)が115〜150℃範
囲にある結晶性エチレン−プロピレン共重合体,結晶性
プロピレン−ブテン−1共重合体,結晶性エチレン−プ
ロピレン−ブテン−1三元共重合体(この場合エチレ
ン:ブテン−1の含有比は10:1〜1:15が好まし
い),またはそれらの混合物は、これらと後記するエチ
レン−アクリル酸アルキル共重合体とを混合した組成物
から得られるフイルムが蒸着膜に対する接着性に優れて
いる上、耐衝撃性,ヒートシール性にも優れているの
で、特に望ましい。
ここで、結晶融点(Tm)とは、走査型差動熱量計を用
いて窒素雰囲気中で10mgの試料を10℃/分の速度で
昇温させて得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブの
ピーク温度を言う。プロピレンを主成分とする結晶性共
重合体の場合、コモノマー成分のエチレンまたはα−オ
レフインの含有量が増すとTmが低下する。例えば、結
晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体の場合、共
重合体のランダムネスによつて若干変動するが、エチレ
ン含有量が、おおよそ2.5重量%を超えると150℃
以下になる。なお、重合条件を変えて2段以上の多段階
重合で共重合を行なうことによつて複数のTmを有する
ポリマーを得ることができるが、この場合主ピークが1
50℃以下のものが望ましい。
本発明に使用するエチレン−アクリル酸メチル共重合体
またはエチレン−アクリル酸エチル共重合体は、エチレ
ンモノマーとアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチル
(アクリル酸アルキルと総称することがある)のモノマ
ーとをオートクレーブ法で触媒と反応開始剤のもとに共
重合して得られる。上記と同様な方法で、エチレンと他
のモノマー例えば酢酸ビニル,アクリル酸,メタクリル
酸,メタクリル酸メチル等との共重合体も得られるが、
これらは本発明に使用しても効果は少ない。エチレン−
アクリル酸アルキル共重合体中のアクリル酸アルキル成
分含有率は通常0.5〜40重量%、好ましくは3〜3
0重量%、更に好ましくは10〜25重量%である。ア
クリル酸アルキル成分含有率が0.5重量%未満の場合
は、蒸着強度及び蒸着面の印刷性及びラミネート性の改
善効果が得られない。アクリル酸アルキル成分含有量が
0.5重量%以上に増すに従つてエチレン−アクリル酸
アルキル共重合体の融点が低下し、これをポリプロピレ
ンに配合することにより上記改善効果が得られると共
に、低温での耐衝撃性が向上し、低温でヒートシールが
可能となる。しかしながら、アクリル酸アルキル成分含
有量が40重量%を超えるとエチレン−アクリル酸アル
キル共重合体は結晶性を示さなくなり、ポリプロピレン
系樹脂との相溶性が悪くなると共に、得られるフイルム
の透明性や表面平滑性を損なうようになり、美麗な金属
蒸着フイルムが得られなくなる。
ポリプロピレン系樹脂とエチレン−アクリル酸アルキル
共重合体とのそれぞれのメルトフローレートについて
は、両者の相溶性を損なわない限り特に限定されない。
本発明者らによる多くの実験から、ポリプロピレン系樹
脂のメルトフローレート(MFR−PPと記号する)に
対するエチレン−アクリル酸アルキル共重合体のメルト
フローレート(MI−ORと記号する)の比(以下、組
成物のメルトフローレート比と言うことがある)が、 0.2<MI−OR/MFR−PP<4.0 の範囲にある場合、両者の相溶性を良くする点で特に好
ましいことが判明している。このメルトフローレート比
が0.2以下の場合は、両者の相溶性が低下してフイル
ムに筋が入つたフイツシユ・アイが発生し、このフイル
ムに金属蒸着した蒸着フイルムには蒸着膜の抜けが生
じ、金属蒸着フイルムとしての機能を失う(金属蒸着膜
の抜けによりガスバリヤー性や防湿性の機能低下が生じ
る)。また、組成物のメルトフローレート比が4.0以
上では両者の流動性に差が生じて均一な溶融押出が出来
ず、樹脂膜に流れ方向に沿つた偏肉(サージング現象)
が発生して、得られたフイルムを蒸着しても肥厚やしわ
が発生し易い。
本発明における組成物の構成において、ポリプロピレン
系樹脂100重量部に対してエチレン−アクリル酸アル
キル共重合体を1〜20重量部と限定する理由は、1重
量部未満では蒸着強度,蒸着面の印刷性及びラミネート
性の改善が見られず、また20重量部を超えると、フイ
ルム表面が粗面化して美麗な金属光沢を有するフイルム
が得られなくなると共に、特有の臭気がフイルムに生じ
て包装内容物の臭気と混合し商品価値を低下する事があ
つて好ましくないからである。
本発明で用いる組成物中には必要に応じて酸化防止剤,
無機充填剤,滑剤,ブロツキング防止剤等を本発明の目
的を損なわない範囲内で適宜含有させておくことが出来
るが、蒸着膜の隣接性,蒸着面の印刷性及びラミネート
性を低下させないためには高級脂肪酸塩や高級脂肪酸ア
ミド等は用いないことが望ましい。
酸化防止剤としては分子量が500以上のリン系及びフ
エノール系のものが特に望ましい。具体的に、 テトラキスー〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕
メタン, 1,3,5−トリメチル−2,4,6,−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン, 1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート, 6−(4−ヒドロキシ−3,5,−ジ−t−ブチルアミ
ノ)−2,4−ビスnオクチルチオ−1,3,5−トリ
アジン, 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフエニル)ブタン, トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエ
ニル)イソシアヌレート, テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)4,
4′−ビフエニレン−ジフオスフオナイト等をあげるこ
とが出来、これらを単独で、または二種以上を併用す
る。含有量はポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
0.03〜0.3重量部が適当である。上記酸化防止剤
の含有は、組成物のフイルム成形時およびフイルム使用
時のの安定性にきわめて有効である。
また無機充填剤としては、炭酸カルシウム,シリカ,ク
レー,タルク,ハイドロタルサイト,ゼオライト類等い
ずれも用いることが出来る。
ポリプロピレン系樹脂等に上記の添加物を添加する方法
としては、これが均一に分散する方法であれば何れでも
良いが、リボンブレンダー,ヘンシエルミキサー(商品
名)等で混合し、その混合物を押出機等で溶融混練する
方法が望ましい。
本発明に用いられるポリプロピレン系フイルムは、上記
組成物から通常のT−ダイ法またはインフレーシヨン法
で得られる。これらの一軸或いは二軸延伸フイルムは勿
論、未延伸フイルムもベースフイルムとすることが出来
る。また、本発明においては、上記の如き単層のプラス
チツクフイルムの他、このプラスチツクフイルムを片側
または両側の表層として複数のフイルムが積層された複
合フイルムをベースフイルムとすることも出来る。この
場合、金属の蒸着膜は上記プラスチツクフイルムすなわ
ち表層を成している上記組成物から得られたプラスチツ
クフイルム上に形成されることは当然である。このよう
にして得られた金属蒸着プラスチツクフイルムは、前記
単層の金属蒸着プラスチツクフイルムを基準にして表現
すると、その蒸着面を外側にした最外層として複数の単
層フイルムが積層された構成となつている。
以下、ベースフイルムへの金属蒸着を単層フイルムの場
合について説明するが、複合フイルムの場合も同様であ
る。
前記組成物から得られたプラスチツクフイルムをそのま
ま金属蒸着に供することが出来るが、空気中または窒
素,酸素等の特殊ガス雰囲気下におけるコロナ放電処
理,火炎処理等の表面処理によりフイルム面のぬれ性を
向上させて更に接着性を向上させてから使用しても良
い。長尺のプラスチツクフイルム(通常ロール巻形態)
に金属蒸着を施す一般的公知な真空蒸着法は次のようで
ある。ロール巻きフイルムの繰り出し部,蒸着部,及び
巻取り部を備えた真空蒸着装置内の真空度を10-4Torr
以下にし、この装置内でアルミニウム等の所望の金属を
容器中またはフイラメント状で加熱して該金属を溶解蒸
発させ、蒸着分子を繰り出されたフイルム表面に連続的
に蒸着させて巻き取る。このような真空蒸着装置を使用
する方法はバツチ式であつて生産性を向上させる必要か
ら、最近では一本のフイルムロールが幅2m以上、長さ
1万−2万m巻の如く幅広、長尺巻化しており、従つて
蒸着用の原反フイルムの高速蒸着性や巻姿等に対する要
求もよりシビアになつている。
上記説明の真空蒸着法以外にも種々の蒸着法がある。例
えば、真空中で放電させたときに陰極を構成する金属が
飛散する現象を利用したスパツタリング蒸着や、イオン
プレーテイングが示される。なお、蒸着させる金属はア
ルミニウムが最も一般的であるが、金,銀,銅,ニツケ
ル,クロム,ゲルマニウム,セレン,チタン,スズ,亜
鉛等があげられる。金属蒸着層の厚さは通常50−80
0オングストロームの範囲であり、全面,片面は勿論、
部分蒸着も可能である。また、蒸着面に着色や保護用に
トツプコートする事も出来る。
〔実施例〕
以下、実施例,比較例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれによつて限定されるものではな
い。実施例,比較例中に示す物性の測定方法および評価
の基準は下記の通りである。
(1)メルトフローレート: JIS K 7210−1976に基づき、ポリプロピ
レン系樹脂のメルトフローレート(MFR−PP)は試
験条件14(230℃,2.16kgf)により、エチレ
ン−アクリル酸アルキル共重合体のメルトフローレート
(MI−OR)は試験条件4(190℃,2.16kg
f)による。
(単位:g/10分)。
尚、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体を2種類以
上混合使用した場合のMI−ORは、以下にa,b,c
の3種類の場合について例示する計算式で算出した代表
MI−OR値を使用してメルトフロー比を計算した。
〔(MI−OR)a×(a)/(T)〕+(MI−OR)b×(b)/(T)〕+
〔(MI−OR)c×(c)/(T)〕 ここで、 (a),(b),(c); 各エチレン−アクリル酸アルキル共重合体の配合量 (T); 全エチレン−アクリル酸アルキル共重合体の配合量の合
計。即ち(T)=(a)+(b)+(c)(MI−O
R)a,(MI−OR)b,(MI−OR)c; 各エチレン−アクリル酸アルキル共重合体のMI−OR (2)ヘイズ(Haze): ASTM D 1003により、未蒸着のフイルムを4
枚重ねて測定した値(単位;%)を4枚ヘイズとして示
す。この値が小さい程透明性が良い事を意味する。
(3)アルミ蒸着膜の蒸着強度: 蒸着フイルムの蒸着膜側にサーリンフイルム(タマポリ
社製アイオノマー)を重ね、シール温度120℃,シー
ル圧力2.0kg/cm2,シール時間1.0秒の条件で1
0mm×15mmのシールを行ない、90度の剥離強度を引
張試験機で測定した。
(単位:g/15mm)。
(4)金属光沢: ASTM D 523の鏡面光沢度法に準じ、感度1/10
で測定した光沢度で示す。指示角は20度で測定し、7
0以上を良とする。
(5)ぬれ指数: JIS K 6758の方法でぬれ指数を測定した。
(単位:dyn/cm)。
(6)蒸着面の印刷性: 片面に金属(アルミニウム)蒸着したフイルムの蒸着面
(金属面)と非蒸着面(ベーースフイルムの面)とを重
ね合わせ、4.2kg/100cm2の荷重をかけて温度4
0℃,相対湿度95%の雰囲気下に72時間放置した
後、蒸着面のぬれ指数を測定する。良好な印刷性と評価
されるには、このぬれ指数が35以上、望ましくは37
以上が必要であり、このぬれ指数から蒸着面の印刷性を
以下のようにランク付けした。
(7)ラミネート性: 片面に金属(アルミニウム)蒸着したフイルムの蒸着面
と二軸延伸ポリプロピレンフイルム(厚さ20μm)とを
ドライラミネート用の接着剤を用いて貼り合わせ、60
℃で3日間エージングし、接着剤が完全に乾固した後に
幅15mmの試験片を作成し、界面での90度剥離強度を
引張試験機で測定し、200g/15mm幅以上を〇とし
た。
(8)臭気: フイルム10gを臭気瓶(500ml)に封入し、80℃
で2時間加熱後に発生する臭気を官能試験で下記の3段
階に判別した。
(パネラー=10名の平均値) 実施例1〜7,比較1〜6 エチレン成分が2.5重量%、ブテン−1成分が4.5
重量%の結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1三元
共重合体であつてメルトフローレート(MFR−PP)
が6.0,Tmが140℃のポリプロピレン系樹脂10
0重量部に、酸化防止剤としてテトラキスー〔メチレン
−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキ
シフエニル)プロピオネート〕メタン0.10重量部を
添加し、押出機を用いてペレツトとした。このペレツト
状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、第1表に
示すアクリル酸アルキルの含有量及びメルトフローレー
ト(MI−OR)の各種エチレン−アクリル酸メチル共
重合体またはエチレン−アクリル酸エチル共重合体を第
1表に示す重量部で配合してブレンダーにてドライブレ
ンドし、得られた組成物を口径65mmφの押出機及びT
ダイを用いて溶融温度220℃で押出し、エアーチヤン
バーおよび表面温度30℃の冷却ロールで急冷してプラ
スチツクフイルムとし、直ちにこのフィルムの片面にぬ
れ指数が40dym/cmになるようにコロナ放電処理を施し
ながら巻き取つて、厚さ25μm,幅60cmのロール状の
プラスチツクフイルムとした。このプラスチツクフイル
ムをスリツターを用いて幅50cmに裁断した後、これを
ベースフイルムとして連続真空蒸着装置にセツトし、フ
イルムを連続的に繰り出しながらフイルムのコロナ処理
面に5×10-5Torrの真空下でアルミニウムを蒸着して
巻き取り、蒸着膜の厚さが約350オングストローム
(±15オングストローム以内)の片面アルミニウム蒸
着プラスチツクフイルム((長さ2,000m)をロー
ル状で得た。各実施例,比較例で得たプラスチツクフイ
ルム及び金属蒸着フイルムの特性を第1表に示す。
実施例8 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体の代わり
に結晶性エチレン−プロピレン共重合体(MI−PP
7,Tm150℃)を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、プラスチツクフイルムと、そのスリツトフイ
ルムをベースフイルムとするロール状の片面アルミニウ
ム蒸着プラスチツクフイルムとを得た。
その特性を第2表に示す。
実施例9 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブチン−1三元共重合体の代わり
にプロピレンの結晶性単独重合体(MFR−PP8,T
m162℃)を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、プラスチツクフイルムと、そのスリツトフイルムを
ベースフイルムとするロール状の片面アルミニウム蒸着
プラスチツクフイルムとを得た。
その特性を第2表に示す。
実施例10 実施例3において、組成物から得られたプラスチツクフ
イルム(但し厚さは20μmに変更)と低密度ポリエチレ
ンから得られたフイルム(厚さ20μm,4枚ヘイズ値4
0%)とをラミネートして得た複合フイルムをベースフ
イルムとして組成物から得られたフイルム側の面に蒸着
したこと以外は、実施例3と同様にしてロール状の片面
アルミニウム蒸着プラスチツクフイルムを得た。
その特性を第2表に示す。
第1表及び第2表から明らかなように、本発明で規定す
る組成物から得られたプラスチツクフイルム及びその金
属蒸着フイルムは、いずれの特性も優れているが、比較
例のフイルムはいずれかの特性が大幅に劣つていること
が判る。
〔発明の効果〕
本発明に係る金属蒸着プラスチツクフイルムは、そのベ
ースフイルムとしてポリプロピレン系樹脂を主とするプ
ラスチツクフイルムを使用したものでありながら、特定
のエチレン−アクリル酸メチルまたは/及びエチレン−
アクリル酸エチルの特定量を配合したことにより、ベー
スフイルムと蒸着膜との高い接着強度及び蒸着面の美麗
な金属光沢感を有し、蒸着面の印刷性及びラミネート性
が共に極めて優れており、包装,装飾等の用途に一層広
く且つ多量に使用することが出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂100重量部とエチ
    レン−アクリル酸メチル共重合体または/及びエチレン
    −アクリル酸エチル共重合体1〜20重量部とから主と
    して成る組成物から得られたプラスチツクフイルムに金
    属が蒸着されて成る金属蒸着プラスチツクフイルム。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレー
    ト(MFR−PP)に対するエチレン−アクリル酸アル
    キル共重合体のメルトフローレート(MI−OR)の比
    が 0.2<MI−OR/MFR−PP<4.0 であるポリプロピレン系樹脂とエチレン−アクリル酸ア
    ルキル共重合体とが用いられている請求項1に記載の金
    属蒸着プラスチツクフイルム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の金属蒸着プラス
    チツクフイルムをその蒸着面を外側にした最外層として
    複数の単層フイルムが積層された構成の金属蒸着プラス
    チツクフイルム。
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