JPH0647278B2 - 金属蒸着ポリエチレン系フイルム - Google Patents

金属蒸着ポリエチレン系フイルム

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JPH0647278B2
JPH0647278B2 JP16371389A JP16371389A JPH0647278B2 JP H0647278 B2 JPH0647278 B2 JP H0647278B2 JP 16371389 A JP16371389 A JP 16371389A JP 16371389 A JP16371389 A JP 16371389A JP H0647278 B2 JPH0647278 B2 JP H0647278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属蒸着ポリエチレン系フイルムに関し、更に
詳しくは、エチレンを主成分とするポリエチレン系フイ
ルムをベースにした金属蒸着フイルムでありながら、ベ
ースフイルムと蒸着膜との接着強度が高い上に、蒸着面
の印刷性や他フイルムとの接着性にも優れており、更に
剛性と美麗な金属光沢と良好なヒートシール性とを共に
有する金属蒸着ポリエチレン系フイルムに関するもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、プラスチツクフイルムに真空下でアルミニウム等
の金属を蒸着させた金属蒸着フイルムは、その優れた装
飾性,ガスバリヤー性,光線遮断性等が活用されて、従
来の金銀糸,建材包装用等から、食品を主な対象とする
大型包装材に至るまで用途が拡大されている。金属蒸着
フイルムが包装用に使用される場合は、蒸着面(金属
面)に印刷や他フイルムとのラミネート等を施して使用
するケースが多い。
エチレンを主成分とするポリエチレン系フイルムはプロ
ピレンを主成分とするポリプロピレン系フイルムと共に
プラスチツクフイルムの主要なものであって、それをベ
ースフイルムとする金属蒸着ポリエチレン系フイルムも
上記諸用途に多く使用されてきた。ポリエチレン系フイ
ルムは耐衝撃性及び耐寒性に優れており、従ってその金
属蒸着フイルムも同じ点で優れている。
しかしながら、従来のポリエチレン系フイルムをベース
フイルムとする金属蒸着ポリエチレン系フイルムは、ポ
リエチレンの種類によって次のような欠点があった。す
なわちポリエチレンとして低密度ポリエチレンを使用し
たものは剛性が劣つていて自動包装用途には適用しにく
いという欠点があり、高密度ポリエチレンを使用したも
のは表面平滑が劣つていて美麗な金属光沢を得難く、ま
たヒートシール性も劣るという欠点があつた。また、近
年上市された直鎖状低密度ポリエチレンから得られた原
反フイルム従つてそれを使用した蒸着フイルムは表面光
沢従つて金属光沢は優れているが、耐ブロツキング性が
極めて劣つており、特に、Tダイ法のロール冷却方式に
よつて得られる原反フイルムは蒸着用のベースフイルム
として重要な平滑性及び均一性の点で非常に優れたもの
であるにも拘らず、上記欠点が顕著に表われた。そして
この耐ブロツキング性を改善する為にブロツキング防止
剤を使用したものは蒸着面のぬれ性が極度に低下して印
刷性や他フイルムとの接着性(以下、印刷・ラミネート
性と言うことがある)が著しく低下し、印刷やラミネー
トを必要とする用途には使用出来ない欠点があつた。更
に上記いずれの種類のポリエチレンを使用した場合にも
共通して、ポリオレフインが一般に有する表面不活性に
因り蒸着強度(蒸着膜とベースフイルムとの接着強度)
が低く、包装用としては軽包装に限定されている欠点が
あつた。
金属の蒸着は、通常、所定の長さ及び巾の原反フイルム
をセツトして巻き出し、蒸着し、巻取つて終了するバツ
チ方式で行なわれている。そこでその生産性を向上させ
るために、最近では原反フイルムのロールは巾が2m以
上で長さが2〜3万m巻のように広巾,長尺巻化してお
り、蒸着フイルムもこの広巾,長尺巻の状態でスリツタ
ーや印刷・ラミネート等の次の加工工程に供されるの
で、その平滑性,均一性,それ等が総合して表われる巻
き姿等は、より高精度を要求されるようになつている
が、従来の金属蒸着ポリエチレンフイルムでは上記要求
は満たされていなかつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、ポリエチレン
系フイルムをベースにした金属蒸着フイルムでありなが
ら、蒸着強度が高い上に印刷・ラミネート性が優れてお
り、また剛性と美麗な金属光沢と良好なヒートシール性
とを共に有し、更に巻姿の良好なロール巻となし得るも
のとすることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は種々検討した結果、高密度ポリエチレンと
特定のエチレン−α−オレフイン共重合体とを特定の範
囲で混合した組成物から得られるフイルムをベースとし
た金属蒸着フイルムにより上記課題を解決出来ることを
究明して本発明に到達した。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、密度0.94以上の高密度ポリエチレンが9
0〜10重量%と炭素数4〜8のα−オレフイン成分を
含有する密度0.93以下のエチレン−α−オレフイン
共重合体が10〜90重量%との混合ポリマーから主と
して成る組成物から得られたポリエチレン系フイルムを
ベースフイルムとしてこれに金属が蒸着されて成る金属
蒸着ポリエチレン系フイルムである。
上記において、ポリエチレン系フイルムとして、上記組
成物を押出機およびTダイを用いて溶融押出し冷却ロー
ルで急冷して得た未延伸フイルムが用いられているもの
は均一性,巻姿等が一層良好で好ましい。
また、本発明においては、上記のポリエチレン系フイル
ムを少なくとも片側の表層として複数のフイルムが積層
された複合フイルムをベースフイルムとして使用するこ
とも出来る。この場合、金属蒸着は表層を成している上
記組成物から得られたポリエチレン系フイルムになされ
ることは勿論である。このようにして得られた金属蒸着
ポリエチレン系フイルムは、前記単層の金属蒸着ポリエ
チレン系フイルムを基準にして表現すると、その蒸着面
を外側にした最外層として複数の単層フイルムが積層さ
れた構成となつている。
本発明で用いる高密度ポリエチレンは、いわゆるチーグ
ラー触媒または遷移金属酸化物触媒あるいは類似の触媒
のような配位または有機金属触媒の存在下に、エチレン
単独若しくはエチレンと2.0重量%以下の少量のα−
オレフイン例えばプロピレン,ブテン−1,ペンテン−
1,4−メチル−ペンテン−1等とを中・低圧下で重合
して得られる重合体であつて密度が0.94以上のもの
である。上記ポリマーの2以上を混合して使用すること
も出来る。この密度0.94以下の高密度ポリエチレン
は、X線回析法により測定される結晶化度が60%以上
の高度の結晶性を示すことが特徴として知られている。
この密度が0.94に達しないものを用いると、組成物
から得られる原反フイルム従つて蒸着フイルムは剛性,
耐ブロツキング性の大へん低いものとなり、巻き姿も不
良なものとなる。上記高密度ポリエチレンのうち、密度
が0.945〜0.970で、且つJIS K7210-1976の試
験条件4(190℃,2.16kgf)で測定したメルト
フローレートが0.3〜20の範囲にあるものが特に好
ましい。
本発明で用いるエチレン−α−オレフイン共重合体は、
炭素数4〜8のα−オレフイン成分例えばブテン−1,
4−メチル−ペンテン−1,ヘキセン−1等を含有する
通常直鎖状低密度ポリエチレンと称されるエチレンとα
−オレフインとの共重合体であつて密度が0.93以下
のものである。このものは、エチレンとα−オレフイン
とをチーグラー触媒等の公知の触媒の存在下で通常50
kg/cm2以下の低圧下で共重合させる事によつて得られ
る。上記共重合体の密度が0.93を超えたものを用い
ると、得られる原反フイルムの表面平滑性が低下し、従
つて蒸着フイルムの金属光沢の不良なものとなり、ま
た、耐衝撃性や引裂抵抗が低下する。
エチレン−α−オレフイン共重合体のうち、α−オレフ
イン成分を5〜15重量%含有していて密度が0.92
5以下で、且つそのメルトフローレートが0.3〜20
の範囲のものが特に好ましい。
本発明で用いる組成物は、前記の高密度ポリエチレンが
90〜10重量%と上記のエチレン−α−オレフイン共
重合体が10〜90重量%との混合ポリマーから主とし
て成る組成物である。このように配合割合を限定する理
由は、組成物から得られる原反フイルム従つて蒸着フイ
ルムは、エチレン−α−オレフイン共重合体が10重量
%未満では平滑性が不足し、90重量%を超えると耐ブ
ロツキング性や巻き姿が悪化して好ましくないからであ
る。組成物としては、その混合ポリマーが高密度ポリエ
チレンとエチレン−α−オレフイン共重合体とのメルト
フローレートの比(以下、組成物のメルトフローレート
比と言うことがある)が0.5〜5の範囲内にあつて両
者の配合割合が高密度ポリエチレンが80〜20重量%
でエチレン−α−オレフイン共重合体が20〜80重量
%の範囲のものが特に好ましい。組成物のメルトフロー
レート比が0.5未満では両者の相溶性が低下してフイ
ルムに筋が入り、極端な場合には膜割れとなることがあ
り、5を超えると均一な溶融押出しが困難となり、樹脂
膜の流れ方向に沿つた偏肉となり易い。
組成物中には必要に応じて酸化防止剤,滑剤,ブロッキ
ング防止剤,無機充填剤等の添加剤を本発明の目的を損
なわない範囲で適宜含有させる事が出来る。これらの添
加剤は、配合原料としての高密度ポリエチレンやエチレ
ン−α−オレフイン共重合体に含有されている場合もあ
るが、配合時に混合ポリマーに添加することも出来る。
添加剤として好ましくないのは、フイルムの表面に移行
し易くてフイルムまたは蒸着面のぬれ性を低下させるよ
うな物質、例えば脂肪酸または脂肪酸形成基を主成分と
する脂肪酸誘導体等であり、これ等は、蒸着膜との接着
性や蒸着面の印刷・ラミネート性を低下させるので、使
用しないことが望ましい。本発明によれば、一般に有用
とされているこれらの添加剤が含有されていなくても、
必要最低限の添加剤のみで最終的に優れた蒸着フイルム
が得られる。
望ましい添加剤は、比較的高分子量で移行し難い酸化防
止剤及び無機充填剤である。
酸化防止剤として具体的には、 テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネート]
メタン、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、 n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジ−t−ブチルフエニル)プロピオネート、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフアイ
ト、 テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)4,
4′−ジフエニレン−ジフオスフオナイト、 等が代表的に例示出来る。これらの酸化防止剤は単独ま
たは2以上併用して組成物中に0.01〜0.5重量%
含有させるのが適当である。これら酸化防止剤は、組成
物からのフイルム成形時の熱安定性,ゲル化防止,蒸着
フイルムの安定性等にきわめて有効である。
また、無機充填剤として、ハイドロタルサイト,シリ
カ,炭酸カルシウム,タルク,ゼオライト類,クレー等
を配合することが出来る。これらの無機充填剤は、通常
平均粒径10μ以下のものが用いられる。含有量は、例
えばブロツキング防止用には0.01〜1.0重量%の
範囲が適当であるが、艷消しタイプの蒸着フイルムを得
たい場合は10重量%を超えて含有させる事も出来る。
なお、本発明で用いる組成物のフイルム加工性、特に高
速安定製膜性を改良するために、メルトフローレートが
組成物のそれと同程度の高圧法低密度ポリエチレンを添
加する事が有効であり、この場合、組成物と上記低密度
ポリエチレンとのメルトフローレートの比が0.5以上
であつて密度が0.925以下の低密度ポリエチレンを
組成物100重量部に対し10重量部以下の範囲で添加
するのが望ましい。
本発明で用いる組成物を得るための配合原料の混合方法
は、均一に混合する方法であれば何でも良いが、予め必
要な添加剤を含有させたペレット状ないし顆粒状の高密
度ポリエチレンとエチレン−α−オレフイン共重合体と
をタンブラー,リボンブレンダー,ヘンシエルミキサー
(商品名)等で混合して、そのままフイルム成形に使用
するのが経済的で好ましい。勿論、各ポリマー及び必要
に応じ添加剤を混合したのち押出機を用いて溶融混練し
て組成物のペレットとなして用いる方法も有効である。
本発明でベースフイルムとして用いられるるポリエチレ
ン系フイルムは、上記組成物から通常のTダイ法または
インフレーシヨン法で得られる。これらの一軸または二
軸延伸フイルムは勿論、未延伸フイルムもベースフイル
ムとすることが出来る。
Tダイ法で製膜した場合、高密度ポリエチレン単独では
結晶化の影響で表面荒れが激しく、また冷却ムラによる
凹凸が発生したりして良好なフイルムが得難い。また、
エチレン−α−オレフイン共重合体単独では、ブロツキ
ング傾向が激しく、またスリツプ性や剛性が不足し、良
好な巻き姿や加工のし易い薄膜フイルムは得難い。しか
しながら、これら両ポリマーを特定の範囲で配合した上
記組成物を用いることにより、10μm前後の薄いフイ
ルムから100μmを超える厚物に至るまで、表面平滑
性に優れ耐ブロツキング性も良好なフイルムが安定して
得られ、蒸着加工も容易に行えるのである。特に、Tダ
イ法で溶融押出し後、冷却ロールで急冷してフイルム状
に成形し、ついで少なくともその一方の面をコロナ放電
処理,プラズマ処理等の方法で表面処理して得たフイル
ムは上記諸特性に優れており、特に好ましい。
本発明においては、前述したように、上記配合物から得
られたこれらのフイルムを表層とする複合フイルムもベ
ースフイルムとすることが出来る。
蒸着金属としてアルミニウム,金,銀,銅,ニツケル,
クロム,ゲルマニウム,セレン,チタン,スズ,亜鉛等
があげられるが、その経済性,安定性,実用性等から、
アルミニウムが特に好ましい。金属蒸着層はベースフイ
ルムの全面または片面は勿論、その一部に形成されてい
る場合(部分蒸着)もある。金属蒸着層の厚さは、通常
50〜800Å程度である。蒸着面に着色ないし保護用
にトツプコートがなされている場合もある。
ベースフイルム面への金属蒸着の方法は、通常、表面処
理されたフイルムを10−4〜10−5mmHgの高真空機
内に置き、その機内で蒸着しようとするアルミニウム等
の金属を熱して蒸発させ、放射状に飛散する金属蒸気を
フイルムの上記表面処理面に付着させる真空蒸着法で行
なわれるのが一般的であるが、その他、真空中で放電さ
せたときに陰極を構成する金属が飛散する現象を利用す
るスパツタリング蒸着やイオンプレーテイングによつて
も可能である。また、フイルムの表面処理面にエポキシ
系ないしウレタン系等のアンカーコート剤の薄膜を塗布
したのちこれらの方法で蒸着しても良い。
〔実施例〕
以下、実施例、比較例を用いて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらによつて限定されるものでは
ない。実施例、比較例中に示す物性の測定方法及び評価
基準は下記の通りである。
(1)密度: JIS K6760-1981ポリエチレン試験方法の4.2による。
(単位:g/cm3) (2)メルトフローレート: JIS K7210-1976の試験条件4(190℃、2.16kg
f)による。(単位:g/10) (3)原反フイルムの均一性: 肉眼で観察し、次の基準で評価した。
〇:表面が平滑で均一なもの。
×:冷却(透明)ムラや表面の凹凸が激しかつたりカー
ルがみられるもの。
(原反フイルムの均一性は蒸着フイルムの均一性となつ
て表われ、×の原反フイルムでは均一な蒸着フイルムは
得られない。) (4)蒸着膜の接着強度: 蒸着フイルムの蒸着膜側とアイオノマーフイルム(タマ
ポリ株式会社製)とをシール温度120℃,シール圧力
2.0kg/cm2,シール時間1.0秒でヒートシール
し、このシール部の90度剥離強度を、引張速度300
mm/分で引張試験機により測定した。この方法による
と、一般に蒸着膜と原反フイルムとはこれらの界面で剥
離するので蒸着膜の接着強度を測定している事を意味す
る。この強度が大きい程、蒸着膜の接着は強固である。
(単位:g/15mm巾) (5)ぬれ指数: JIS K6758の方法でぬれ指数を測定した。(単位:dyn/c
m) (6)蒸着面の印刷・ラミネート性: 片面蒸着フイルムの蒸着面(金属面)と非蒸着面とを重
ね合わせて1kg/100cm2の荷重をかけた状態で温度
40℃,相対湿度95%の雰囲気下で72時間放置した
後の蒸着面のぬれ指数を以て示す。良好な印刷・ラミネ
ート性と評価されるには、このぬれ指数が35以上、望
ましくは37以上が必要である。
(7)巻き姿: 一定長の蒸着フイルムを連続して巻取つて得られたフイ
ルムロールを肉眼で観察し、次の基準で評価した。
〇:表面が平坦でしわや巻きこぶが無く、フイルムを引
き出したときに局部的に歪みやくせの無いもの(巻き姿
良好)。
×:しわや巻きこぶがあり、フイルムを引き出したとき
にフイルムにしわが残つたり、歪みやくせのあるもの
(巻き姿不良)。
(8)耐ブロツキング性: 4cm(幅)×10cm(長)の蒸着フイルムの非蒸着面同
士を長さ4cmにわたつて重ね合わせ、250g/cm2
荷重下で、40℃で48時間放置した後、引張試験機を
用いて300mm/分の速度で剪断剥離するのに要する力
(ブロツキング力)を以つて示す。この力が小さい程耐
ブロツキング性は良好である。(単位;g/16cm2) 剛性: ASTM D882に準じたヤング率で示す。1%モジユラスで
示し60以上を良とする。
(単位;kg/mm2) 金属光沢: ASTM D523の鏡面光沢度法に準じ、感度1/10で測定
した光沢度で示す。指示角は20度で測定し70以上を
良とする。
ヒートシール性: シール温度140℃でのシール強度(単位;g/15m
m)で示し、500g/15mm以上を良とする。シール
条件:東洋精機製シール強度測定機を使用、シール圧力
1kg/cm2・G,1秒間。引張条件:資料片幅15mm,
引張速度300mm/分。
実施例1〜5,比較例1〜4 密度0.955、メルトフローレート2.5の高密度ポ
リエチレンペレット〔酸化防止剤としてトリス(2,4
−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフアイトを0.15
重量%、無機充填剤として平均粒径0.8μmのハイド
ロタルサイトを0.05重量%をそれぞれ含む〕と、α
−オレフインとしての成分がヘキセン−1であつて密度
0.922、メルトフローレート3.0のエチレン−ヘ
キセン−1共重合体ペレツト(酸化防止剤として上記の
高密度ポリエチレンの場合と同じものを同量含む)とを
第1表に示す割合(後者ペレットの重量%で示す)で配
合し(この場合メルトフローレート比は0.83)、タ
ンブラーで15分間混合して組成物とした。得られた各
組成物を口径65mmの押出機および幅600mmのTダイ
を用いて220℃で溶融押出し、60℃に保つた冷却ロ
ールにエアナイフで密着させて急冷してフイルム化し、
続いてこのフイルムの片面にコロナ放電処理を施し両耳
をスリツトした後に巻き取り、処理面のぬれ指数が45
dyn/cm,厚さ30μm,巻き長さ1,000mの片面処
理の原反フイルムを得た。
次に巻取型真空蒸着装置を用いて10-5mmHgの真空下で
上記原反フイルムにアルミニウム蒸着を施して巻とり、
蒸着膜の厚さが約350Åの片面蒸着フイルムを得た。
得られた蒸着フイルム及び原反フイルムの特性値を第1
表に併記した。
比較例5 実施例3において高密度ポリエチレンペレットの代わり
に密度0.93の中密度ポリエチレンペレツト(酸化防
止剤及び無機充填材の種類及び含有量は同じ)を用いた
こと以外は、実施例3と同様にして原反フイルム及び片
面蒸着フイルムを得、各特性を調べた。
実施例6〜8 実施例3においてエチレン−ヘキセン−1共重合体ペレ
ットの代わりにα−オレフイン成分がペンテン−1(実
施例6),ヘプテン−1(実施例7),またはオクテン
−1(実施例8)のもの(α−オレフイン成分及びハイ
ドロタルサイトの含有量は実施例3と同じ)を使用した
こと以外は、実施例3と同様にして原反及び片面蒸着フ
イルムを得、各特性を調べた。
以上の結果を第2表にまとめて示す。
実施例9 実施例3において、組成物から得られたポリエチレン系
フイルム(但し厚さは20μmに変更)と低密度ポリエ
チレン(密度0.92)から得られたフイルム(厚さ2
0μm)とをラミネートして得た複合フイルムをベース
フイルムとして前者のフイルム側の面に蒸着したこと以
外は、実施例3と同様にして片面蒸着フイルムを得た。
その主な特性は、金属光沢を有し、蒸着強度が高く、ラ
ミネート性も良好なものであつた。
第1表に示すごとく高密度ポリエチレン単独(比較例
1)及び共重合体の添加量が10重量%に達しない場合
(比較例2)は、原反フイルムがきわめて不均一なため
に蒸着フイルムも良好な巻き姿のものは得られない。ま
た、共重合体の添加量が90重量%を超えた場合(比較
例3,4)は、蒸着フイルムにしわや巻きこぶが発生
し、巻き姿不良であり、また非蒸着面のブロツキングが
激しく良好な蒸着フイルムが得られない。
一方、本発明の蒸着フイルム(実施例1〜5)は、蒸着
強度(蒸着膜の接着強度)が高く、且つその他の諸特性
も良好である。
また、第2表に示す如く、本発明で規定する範囲のα−
オレフインを共重合成分とするエチレン−α−オレフイ
ン共重合体を使用した場合は本発明の効果を有する。そ
の一方で本発明に規定する高密度ポリエチレンの代わり
にそれ以外のポリエチレンを使用した場合は、本発明の
効果のないことが判る。
〔発明の効果〕
本発明の金属蒸着エチレン系フイルムは、特定の高密度
ポリエチレンとエチレン−α−オレフイン共重合体との
混合ポリマーから主として成るポリエチレン系フイルム
をベースとしたことにより、ポリエチレン系フイルムを
ベースにした金属蒸着フイルムでありながら、蒸着膜の
接着強度は高い上に蒸着面の印刷・ラミネート性が優れ
たものであり、剛性高く金属光沢,ヒートシール性も良
好であり、更に蒸着フイルムとしての均一性が高いから
巻姿が良好で広幅化や長尺化にも対応出来、ポリエチレ
ン系フイルムが本来有する優れた耐寒性,耐衝撃性,ガ
スバイヤー性等を活かして包装用,装飾用等広範囲の用
途に使用することが出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度0.94以上の高密度ポリエチレンが90〜
    10重量%と炭素数4〜8のα−オレフイン成分を含有す
    る密度0.93以下のエチレン−α−オレフイン共重合体が
    10〜90重量%との混合ポリマーから主として成る組成物
    から得られたポリエチレン系フイルムに金属が蒸着され
    て成る金属蒸着ポリエチレン系フイルム。
  2. 【請求項2】ポリエチレン系フイルムとして、上記組成
    物を押出機およびTダイを用いて溶融押出し冷却ロール
    で急冷して得た未延伸フイルムが用いられている請求項
    1に記載の金属蒸着ポリエチレン系フイルム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の金属蒸着ポリエ
    チレン系フイルムをその蒸着面を外側にした最外層とし
    て複数の単層フイルムが積層された構成の金属蒸着ポリ
    エチレン系フイルム。
JP16371389A 1989-06-28 1989-06-28 金属蒸着ポリエチレン系フイルム Expired - Fee Related JPH0647278B2 (ja)

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